JPH0735203A - エンジンのチェーンテンション調整装置 - Google Patents
エンジンのチェーンテンション調整装置Info
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- JPH0735203A JPH0735203A JP17835893A JP17835893A JPH0735203A JP H0735203 A JPH0735203 A JP H0735203A JP 17835893 A JP17835893 A JP 17835893A JP 17835893 A JP17835893 A JP 17835893A JP H0735203 A JPH0735203 A JP H0735203A
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- JP
- Japan
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- engine
- cylinder
- temperature
- plunger
- valve body
- Prior art date
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- Pending
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B67/00—Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for
- F02B67/04—Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus
- F02B67/06—Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus driven by means of chains, belts, or like endless members
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H7/00—Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
- F16H7/08—Means for varying tension of belts, ropes, or chains
- F16H7/0848—Means for varying tension of belts, ropes, or chains with means for impeding reverse motion
- F16H2007/0853—Ratchets
Landscapes
- Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 エンジン始動後の低温時に作動油の高粘度に
起因して作動油に脈動が発生しても、タイミングチェー
ンに過大な張力が付与しない。 【構成】 チェーンテンショナはオイルポンプからの作
動油を油圧通路15を介してシリンダ内に供給すること
により、シリンダに嵌入されるプランジャがタイミング
チェーンを押圧する方向に付勢される。バルブ機構16
はチェーンテンショナの本体8aの上部に油圧通路15
と対応する位置に埋設されている。バルブ機構16を構
成するブロック16aには通路孔15bと、通路孔15
bと直交する貫通孔17が形成されている。貫通孔17
には弁体18が移動可能に挿通され、弁体18の両側に
はバイアスバネ19と形状記憶合金からなるコイルバネ
20が配設されている。コイルバネ20は形状記憶効果
により所定温度T以上で伸長形状に回復する。所定温度
T未満で弁体18は同図に示す待機位置に配置される。
起因して作動油に脈動が発生しても、タイミングチェー
ンに過大な張力が付与しない。 【構成】 チェーンテンショナはオイルポンプからの作
動油を油圧通路15を介してシリンダ内に供給すること
により、シリンダに嵌入されるプランジャがタイミング
チェーンを押圧する方向に付勢される。バルブ機構16
はチェーンテンショナの本体8aの上部に油圧通路15
と対応する位置に埋設されている。バルブ機構16を構
成するブロック16aには通路孔15bと、通路孔15
bと直交する貫通孔17が形成されている。貫通孔17
には弁体18が移動可能に挿通され、弁体18の両側に
はバイアスバネ19と形状記憶合金からなるコイルバネ
20が配設されている。コイルバネ20は形状記憶効果
により所定温度T以上で伸長形状に回復する。所定温度
T未満で弁体18は同図に示す待機位置に配置される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンのクランク軸と
カム軸との間にスプロケットを介して掛装されたタイミ
ングチェーンに張力を付与するチェーンテンション調整
装置に関するものである。
カム軸との間にスプロケットを介して掛装されたタイミ
ングチェーンに張力を付与するチェーンテンション調整
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンの吸気・排気弁の開閉時期をク
ランク軸の回転角度に対応させるため、クランク軸とカ
ム軸との間にはスプロケットを介してタイミングチェー
ンが掛装されている。タイミングチェーンはクランク軸
の回転角度をカム軸に正確に伝達する目的から充分な張
力が必要とされる。又、タイミングチェーンの長さは使
用により伸びるので、この伸びに対応してタイミングチ
ェーンに張力を付与する必要がある。そのため、エンジ
ンにはその運転中にタイミングチェーンに適度な張力を
付与するチェーンテンション調整装置(以下、チェーン
テンショナという)が配設されている。
ランク軸の回転角度に対応させるため、クランク軸とカ
ム軸との間にはスプロケットを介してタイミングチェー
ンが掛装されている。タイミングチェーンはクランク軸
の回転角度をカム軸に正確に伝達する目的から充分な張
力が必要とされる。又、タイミングチェーンの長さは使
用により伸びるので、この伸びに対応してタイミングチ
ェーンに張力を付与する必要がある。そのため、エンジ
ンにはその運転中にタイミングチェーンに適度な張力を
付与するチェーンテンション調整装置(以下、チェーン
テンショナという)が配設されている。
【0003】一般に、チェーンテンショナはシリンダと
シリンダ内に進退可能に嵌入されたプランジャとを備
え、プランジャをタイミングチェーンと摺接するシュー
に当接させた状態でその突出方向に付勢することによ
り、タイミングチェーンに適度な張力を付与するように
なっている。例えば実開昭63−154850号公報に
は図7に示すチェーンテンショナが提案されている。同
図に示すように、チェーンテンショナ31の本体31a
の下部にはシリンダ32が形成され、シリンダ32には
プランジャ33が嵌入されている。プランジャ33はス
プリング34の付勢力とオイル供給孔35から供給され
るエンジンオイル(以下、作動油という)の油圧力とに
よりタイミングチェーンを押圧する進出方向(同図の右
方向)に付勢されるようになっている。又、プランジャ
33の上部には係止溝33aが形成され、係止溝33a
と対応する位置には係止溝33aと係合可能な爪36a
を有するストッパ36が支軸37を中心に回動可能に配
設されている。又、シリンダ32の上方には小シリンダ
38が形成され、小シリンダ38内を移動するピストン
39はロッド40を介してストッパ36の上部と連結さ
れている。又、ロッド40はスプリング41により同図
右方向に付勢されている。小シリンダ38はピストン3
9により2室に隔てられたストッパ36側で油路42を
介してシリンダ32と連通され、その反対側で貫通孔4
3を介して大気に開放されている。ストッパ36の爪3
6aとプランジャ33の係止溝33aとの係合状態で
は、プランジャ33は進出方向への移動のみが許容され
るようになっている。
シリンダ内に進退可能に嵌入されたプランジャとを備
え、プランジャをタイミングチェーンと摺接するシュー
に当接させた状態でその突出方向に付勢することによ
り、タイミングチェーンに適度な張力を付与するように
なっている。例えば実開昭63−154850号公報に
は図7に示すチェーンテンショナが提案されている。同
図に示すように、チェーンテンショナ31の本体31a
の下部にはシリンダ32が形成され、シリンダ32には
プランジャ33が嵌入されている。プランジャ33はス
プリング34の付勢力とオイル供給孔35から供給され
るエンジンオイル(以下、作動油という)の油圧力とに
よりタイミングチェーンを押圧する進出方向(同図の右
方向)に付勢されるようになっている。又、プランジャ
33の上部には係止溝33aが形成され、係止溝33a
と対応する位置には係止溝33aと係合可能な爪36a
を有するストッパ36が支軸37を中心に回動可能に配
設されている。又、シリンダ32の上方には小シリンダ
38が形成され、小シリンダ38内を移動するピストン
39はロッド40を介してストッパ36の上部と連結さ
れている。又、ロッド40はスプリング41により同図
右方向に付勢されている。小シリンダ38はピストン3
9により2室に隔てられたストッパ36側で油路42を
介してシリンダ32と連通され、その反対側で貫通孔4
3を介して大気に開放されている。ストッパ36の爪3
6aとプランジャ33の係止溝33aとの係合状態で
は、プランジャ33は進出方向への移動のみが許容され
るようになっている。
【0004】このチェーンテンショナ31によれば、エ
ンジン始動初期の低回転時には、作動油の油圧力が小さ
く油路42を介して小シリンダ38に作動油が供給され
てもその油圧力がスプリング41の付勢力に劣り、ロッ
ド40は同図の位置に配置される。そのため、ストッパ
36の爪36aとプランジャ33の係止溝33aとの係
合により、プランジャ33は進出方向への移動のみが許
容される。又、エンジンの高回転時には、作動油の油圧
力が大きくなり油路42を介して小シリンダ38に供給
された作動油の油圧力によりピストン39が同図左方向
に移動し、これに伴ってロッド40が同図左方向に移動
する。そのため、ストッパ36が解除され、プランジャ
33の進退移動が自由となる。従って、エンジン運転時
の温度上昇に伴う熱膨張によるクランク軸とカム軸との
軸間距離の伸びに対応してタイミングチェーンの張力が
適度に調整されるようになっている。
ンジン始動初期の低回転時には、作動油の油圧力が小さ
く油路42を介して小シリンダ38に作動油が供給され
てもその油圧力がスプリング41の付勢力に劣り、ロッ
ド40は同図の位置に配置される。そのため、ストッパ
36の爪36aとプランジャ33の係止溝33aとの係
合により、プランジャ33は進出方向への移動のみが許
容される。又、エンジンの高回転時には、作動油の油圧
力が大きくなり油路42を介して小シリンダ38に供給
された作動油の油圧力によりピストン39が同図左方向
に移動し、これに伴ってロッド40が同図左方向に移動
する。そのため、ストッパ36が解除され、プランジャ
33の進退移動が自由となる。従って、エンジン運転時
の温度上昇に伴う熱膨張によるクランク軸とカム軸との
軸間距離の伸びに対応してタイミングチェーンの張力が
適度に調整されるようになっている。
【0005】又、実開昭62−31739号公報にも、
エンジンの暖気運転完了後の高温時にプランジャの進退
移動を許容するようにストッパを解除することにより熱
膨張による軸間距離の伸びに対応してタイミングチェー
ンの張力を適度に調整するチェーンテンショナが開示さ
れている。即ち、いずれのチェーンテンショナにおいて
も低温時にはストッパが解除されない機構となってい
る。
エンジンの暖気運転完了後の高温時にプランジャの進退
移動を許容するようにストッパを解除することにより熱
膨張による軸間距離の伸びに対応してタイミングチェー
ンの張力を適度に調整するチェーンテンショナが開示さ
れている。即ち、いずれのチェーンテンショナにおいて
も低温時にはストッパが解除されない機構となってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、エンジン始
動初期の低温時には、作動油が高粘度であることから、
作動油に脈動が発生する場合がある。その場合、その脈
動に伴う圧力むらによりプランジャ33に通常時より過
大な異常圧が一時的に作用し、瞬時的にプランジャ33
が異常突出する。チェーンテンショナ31は低温時にお
いてストッパ36が機能するので、一度異常突出すると
プランジャ33は異常突出位置に保持される。そのた
め、タイミングチェーンに通常時より大きな押圧力が付
与され、タイミングチェーンに過大な張力が付与され
る。タイミングチェーンに過大な張力が付与されると、
タイミングチェーンの噛み合い音が大きくなったり、タ
イミングチェーンやスプロケットの摩耗及び損傷が起こ
り易くなる。又、前記のチェーンテンショナと異なりス
トッパの解除機構を有しないいわゆるノーバック機構の
チェーンテンショナにおいては、低温時だけでなく暖気
運転完了後にもタイミングチェーンに過大な張力が付与
されたままの状態で保持されるので、特に問題が大きか
った。
動初期の低温時には、作動油が高粘度であることから、
作動油に脈動が発生する場合がある。その場合、その脈
動に伴う圧力むらによりプランジャ33に通常時より過
大な異常圧が一時的に作用し、瞬時的にプランジャ33
が異常突出する。チェーンテンショナ31は低温時にお
いてストッパ36が機能するので、一度異常突出すると
プランジャ33は異常突出位置に保持される。そのた
め、タイミングチェーンに通常時より大きな押圧力が付
与され、タイミングチェーンに過大な張力が付与され
る。タイミングチェーンに過大な張力が付与されると、
タイミングチェーンの噛み合い音が大きくなったり、タ
イミングチェーンやスプロケットの摩耗及び損傷が起こ
り易くなる。又、前記のチェーンテンショナと異なりス
トッパの解除機構を有しないいわゆるノーバック機構の
チェーンテンショナにおいては、低温時だけでなく暖気
運転完了後にもタイミングチェーンに過大な張力が付与
されたままの状態で保持されるので、特に問題が大きか
った。
【0007】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的はエンジン始動後の低温時に作動
油の高粘度に起因して作動油に脈動が発生しても、タイ
ミングチェーンに過大な張力が付与されることを防止す
ることができるチェーンテンション調整装置を提供する
ことにある。
のであって、その目的はエンジン始動後の低温時に作動
油の高粘度に起因して作動油に脈動が発生しても、タイ
ミングチェーンに過大な張力が付与されることを防止す
ることができるチェーンテンション調整装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め本発明では、シリンダと該シリンダ内に進退可能に嵌
入されるプランジャとを備え、前記シリンダ内に配設さ
れた付勢部材と油圧通路を介して前記シリンダ内に供給
される作動油の油圧力とにより、前記プランジャをタイ
ミングチェーンを押圧可能な進出方向に付勢させるとと
もに、少なくともエンジン始動後の低温時に前記プラン
ジャの後退のみを阻止するストッパを備えたエンジンの
チェーンテンション調整装置において、前記油圧通路を
開閉する弁体と、エンジン始動後の作動油が高粘度とな
る低温時に前記弁体を閉状態とし、エンジンの暖気に伴
い作動油が高粘度でなくなる所定温度以上で前記弁体を
開状態とする駆動制御手段とを備えた。
め本発明では、シリンダと該シリンダ内に進退可能に嵌
入されるプランジャとを備え、前記シリンダ内に配設さ
れた付勢部材と油圧通路を介して前記シリンダ内に供給
される作動油の油圧力とにより、前記プランジャをタイ
ミングチェーンを押圧可能な進出方向に付勢させるとと
もに、少なくともエンジン始動後の低温時に前記プラン
ジャの後退のみを阻止するストッパを備えたエンジンの
チェーンテンション調整装置において、前記油圧通路を
開閉する弁体と、エンジン始動後の作動油が高粘度とな
る低温時に前記弁体を閉状態とし、エンジンの暖気に伴
い作動油が高粘度でなくなる所定温度以上で前記弁体を
開状態とする駆動制御手段とを備えた。
【0009】
【作用】上記構成により本発明によれば、プランジャは
付勢部材の付勢力と油圧通路を介してシリンダ内に供給
される作動油の油圧力とにより進出方向すなわちタイミ
ングチェーンを押圧する方向に付勢される。又、プラン
ジャは少なくともエンジンの暖気運転中の低温時におい
てストッパによりその進出方向の移動を許容されるとと
もに後退方向の移動を阻止される。エンジン始動後の作
動油が高粘度となる低温時には、駆動制御手段により弁
体が閉状態とされるため、油圧通路を介して行われる作
動油のシリンダへの供給が遮断される。そのため、低温
時に作動油が高粘度であることに起因して起こる作動油
の脈動が発生しても、その脈動に伴う過大な異常圧はシ
リンダ内のプランジャに作用しない。又、エンジンの暖
気に伴い作動油が高粘度でなくなる所定温度以上で、駆
動制御手段により弁体が開状態とされ、油圧通路を介し
て作動油がシリンダ内に供給される。従って、プランジ
ャが低温時における作動油の脈動により過大に付勢され
て進出方向に移動し、その新たなプランジャ位置がスト
ッパにより保持されてタイミングチェーンに過大な張力
が付与されることが防止される。
付勢部材の付勢力と油圧通路を介してシリンダ内に供給
される作動油の油圧力とにより進出方向すなわちタイミ
ングチェーンを押圧する方向に付勢される。又、プラン
ジャは少なくともエンジンの暖気運転中の低温時におい
てストッパによりその進出方向の移動を許容されるとと
もに後退方向の移動を阻止される。エンジン始動後の作
動油が高粘度となる低温時には、駆動制御手段により弁
体が閉状態とされるため、油圧通路を介して行われる作
動油のシリンダへの供給が遮断される。そのため、低温
時に作動油が高粘度であることに起因して起こる作動油
の脈動が発生しても、その脈動に伴う過大な異常圧はシ
リンダ内のプランジャに作用しない。又、エンジンの暖
気に伴い作動油が高粘度でなくなる所定温度以上で、駆
動制御手段により弁体が開状態とされ、油圧通路を介し
て作動油がシリンダ内に供給される。従って、プランジ
ャが低温時における作動油の脈動により過大に付勢され
て進出方向に移動し、その新たなプランジャ位置がスト
ッパにより保持されてタイミングチェーンに過大な張力
が付与されることが防止される。
【0010】
(第1実施例)以下、本発明を具体化した第1実施例を
図1〜図4に基づいて説明する。
図1〜図4に基づいて説明する。
【0011】図3に示すように、エンジンEのシリンダ
ブロック1に軸支されるクランク軸2とシリンダヘッド
3に軸支されるカム軸4との間にはスプロケット5,6
を介してタイミングチェーン7が掛装されている。チェ
ーンテンショナ8はタイミングチェーン7の同図左側に
クランク軸2とカム軸4のほぼ中央位置に対応して配設
されている。チェーンテンショナ8はプランジャ9を備
え、プランジャ9はタイミングチェーン7を押圧する方
向に付勢されるとともに、タイミングチェーン7とその
外周側から摺接するシュー10に当接されている。
ブロック1に軸支されるクランク軸2とシリンダヘッド
3に軸支されるカム軸4との間にはスプロケット5,6
を介してタイミングチェーン7が掛装されている。チェ
ーンテンショナ8はタイミングチェーン7の同図左側に
クランク軸2とカム軸4のほぼ中央位置に対応して配設
されている。チェーンテンショナ8はプランジャ9を備
え、プランジャ9はタイミングチェーン7を押圧する方
向に付勢されるとともに、タイミングチェーン7とその
外周側から摺接するシュー10に当接されている。
【0012】シリンダブロック1及びシリンダヘッド3
の形状は予めチェーンテンショナ8の配設スペースを考
慮して設計され、図2に示すようにチェーンテンショナ
8の本体8aはシリンダブロック1と一体的に形成され
ている。同図に示すように、本体8aの下部にはシリン
ダ11が形成され、シリンダ11には有底筒形状を有す
るプランジャ9がその軸方向に進退可能に嵌入されてい
る。シリンダ11内に没入されたプランジャ9の筒状側
には、その筒状内部を形成する凹部9aに一部挿入する
状態で付勢部材としてのスプリング12が配設され、プ
ランジャ9はスプリング12によりシリンダ11から突
出する方向(同図における右方向)に付勢されている。
又、プランジャ9の上部には鋸刃形状の係止溝9bが形
成され、本体8aには係止溝9bと対応する位置に係止
溝9bと係合可能な爪部13aを有するストッパ13が
支軸14を中心に回動可能に配設されている。ストッパ
13はラチェット機構を備え、同図における反時計方向
にのみその回動が許容されている。即ち、プランジャ9
は爪部13aと係止溝9bとの係合状態において、シリ
ンダ11に対して突出方向(同図右方向)への移動が許
容されるとともに、没入方向(同図左方向)への移動が
規制されるようになっている。
の形状は予めチェーンテンショナ8の配設スペースを考
慮して設計され、図2に示すようにチェーンテンショナ
8の本体8aはシリンダブロック1と一体的に形成され
ている。同図に示すように、本体8aの下部にはシリン
ダ11が形成され、シリンダ11には有底筒形状を有す
るプランジャ9がその軸方向に進退可能に嵌入されてい
る。シリンダ11内に没入されたプランジャ9の筒状側
には、その筒状内部を形成する凹部9aに一部挿入する
状態で付勢部材としてのスプリング12が配設され、プ
ランジャ9はスプリング12によりシリンダ11から突
出する方向(同図における右方向)に付勢されている。
又、プランジャ9の上部には鋸刃形状の係止溝9bが形
成され、本体8aには係止溝9bと対応する位置に係止
溝9bと係合可能な爪部13aを有するストッパ13が
支軸14を中心に回動可能に配設されている。ストッパ
13はラチェット機構を備え、同図における反時計方向
にのみその回動が許容されている。即ち、プランジャ9
は爪部13aと係止溝9bとの係合状態において、シリ
ンダ11に対して突出方向(同図右方向)への移動が許
容されるとともに、没入方向(同図左方向)への移動が
規制されるようになっている。
【0013】又、本体8aの上部にはオイルポンプ(図
示せず)からのエンジンオイル(以下、作動油という)
をシリンダ11内に供給する油圧通路15が形成されて
いる。シリンダ11内は常に作動油が充填された状態と
なっており、オイルポンプの駆動に伴い加圧された作動
油が油圧通路15を介してシリンダ11内に供給される
油圧力により、プランジャ9が突出方向に付勢されるよ
うになっている。本体8aの上部には油圧通路15と対
応する位置にバルブ機構16が埋設され、バルブ機構1
6によりシリンダ11への作動油の供給が制御されるよ
うになっている。
示せず)からのエンジンオイル(以下、作動油という)
をシリンダ11内に供給する油圧通路15が形成されて
いる。シリンダ11内は常に作動油が充填された状態と
なっており、オイルポンプの駆動に伴い加圧された作動
油が油圧通路15を介してシリンダ11内に供給される
油圧力により、プランジャ9が突出方向に付勢されるよ
うになっている。本体8aの上部には油圧通路15と対
応する位置にバルブ機構16が埋設され、バルブ機構1
6によりシリンダ11への作動油の供給が制御されるよ
うになっている。
【0014】図1に示すように、バルブ機構16を構成
するブロック16aには本体8aに形成された通路孔1
5aと連通して油圧通路15を構成する通路孔15bが
形成されるとともに、通路孔15bと直交する貫通孔1
7が形成されている。貫通孔17には弁体18が移動可
能に配設され、弁体18には通路孔15bと対応可能な
連通孔18aが形成されている。又、貫通孔17には弁
体18を挟む両側に弁体18と当接する状態で駆動制御
手段を構成するバイアスバネ19及び形状記憶合金から
なるコイルバネ20が配設されている。コイルバネ20
は所定温度(作動油の粘度が脈動を発生させない程度に
充分低下する所定温度)T以上の温度で回復される伸長
形状を記憶している。コイルバネ20の弾性力はバイア
スバネ19の弾性力よりも弱く設定され、所定温度T未
満の温度において弁体18はコイルバネ20とバイアス
バネ19との弾性力の差異に基づき通路孔15bを遮断
する同図に示す待機位置に配置されるようになってい
る。又、所定温度T以上の温度において、コイルバネ2
0が形状記憶効果によりバイアスバネ19の弾性力に抗
して記憶形状すなわち伸長形状に回復することにより、
弁体18がその連通孔18aと通路孔15bとが一致す
る図4に示す作用位置に配置されるようになっている。
するブロック16aには本体8aに形成された通路孔1
5aと連通して油圧通路15を構成する通路孔15bが
形成されるとともに、通路孔15bと直交する貫通孔1
7が形成されている。貫通孔17には弁体18が移動可
能に配設され、弁体18には通路孔15bと対応可能な
連通孔18aが形成されている。又、貫通孔17には弁
体18を挟む両側に弁体18と当接する状態で駆動制御
手段を構成するバイアスバネ19及び形状記憶合金から
なるコイルバネ20が配設されている。コイルバネ20
は所定温度(作動油の粘度が脈動を発生させない程度に
充分低下する所定温度)T以上の温度で回復される伸長
形状を記憶している。コイルバネ20の弾性力はバイア
スバネ19の弾性力よりも弱く設定され、所定温度T未
満の温度において弁体18はコイルバネ20とバイアス
バネ19との弾性力の差異に基づき通路孔15bを遮断
する同図に示す待機位置に配置されるようになってい
る。又、所定温度T以上の温度において、コイルバネ2
0が形状記憶効果によりバイアスバネ19の弾性力に抗
して記憶形状すなわち伸長形状に回復することにより、
弁体18がその連通孔18aと通路孔15bとが一致す
る図4に示す作用位置に配置されるようになっている。
【0015】次に、前記のように構成された装置の作用
を説明する。エンジンEの暖気運転開始に伴いエンジン
Eの温度は上昇する。エンジンEの暖気運転初期におけ
る所定温度T未満の温度では、バルブ機構16において
弁体18はバイアスバネ19とコイルバネ20との弾性
力の差異から図1に示す待機位置に配置される。その結
果、弁体18が閉状態となって通路孔15bを遮断する
ため、オイルポンプからシリンダ11への作動油の供給
が行われない。その際、シリンダ11内は作動油が充填
された密閉状態で作動油の逃げ場がないため、プランジ
ャ9は前回エンジンEが停止されたときと同じ位置に保
持される。即ち、プランジャ9は前回のエンジン停止後
の降温時に弁体18が開状態から閉状態とされてシリン
ダ11内の作動油が密閉状態とされた時点の適切な位置
に保持される。そのため、タイミングチェーン7はプラ
ンジャ9によりシュー10を介して適度な力で押圧され
るので、タイミングチェーン7には適度な張力が付与さ
れる。
を説明する。エンジンEの暖気運転開始に伴いエンジン
Eの温度は上昇する。エンジンEの暖気運転初期におけ
る所定温度T未満の温度では、バルブ機構16において
弁体18はバイアスバネ19とコイルバネ20との弾性
力の差異から図1に示す待機位置に配置される。その結
果、弁体18が閉状態となって通路孔15bを遮断する
ため、オイルポンプからシリンダ11への作動油の供給
が行われない。その際、シリンダ11内は作動油が充填
された密閉状態で作動油の逃げ場がないため、プランジ
ャ9は前回エンジンEが停止されたときと同じ位置に保
持される。即ち、プランジャ9は前回のエンジン停止後
の降温時に弁体18が開状態から閉状態とされてシリン
ダ11内の作動油が密閉状態とされた時点の適切な位置
に保持される。そのため、タイミングチェーン7はプラ
ンジャ9によりシュー10を介して適度な力で押圧され
るので、タイミングチェーン7には適度な張力が付与さ
れる。
【0016】その際、低温(所定温度Tより充分に低
温)に基づく作動油の高粘度に起因してオイルポンプか
らの作動油が脈動して油圧に圧力むらが生じても、通路
孔15bが弁体18により遮断されているので、その油
圧はシリンダ11内に伝達されない。そのため、作動油
の脈動により瞬間的に発生する通常時より過大な異常圧
がプランジャ9に対して作用しない。その結果、異常圧
によるプランジャ9の異常突出が防止され、タイミング
チェーン7に過大な張力が付与されることが防止され
る。
温)に基づく作動油の高粘度に起因してオイルポンプか
らの作動油が脈動して油圧に圧力むらが生じても、通路
孔15bが弁体18により遮断されているので、その油
圧はシリンダ11内に伝達されない。そのため、作動油
の脈動により瞬間的に発生する通常時より過大な異常圧
がプランジャ9に対して作用しない。その結果、異常圧
によるプランジャ9の異常突出が防止され、タイミング
チェーン7に過大な張力が付与されることが防止され
る。
【0017】次に、エンジンEの温度上昇に伴いバルブ
機構16においてコイルバネ20の温度が所定温度Tに
達すると、コイルバネ20は形状記憶効果により記憶形
状を回復する。即ち、コイルバネ20は記憶形状である
伸長形状に回復する。その回復力はバイアスバネ19の
弾性力より強いため、コイルバネ20の記憶形状への回
復により弁体18は待機位置から作用位置に移動配置さ
れる。その結果、弁体18の連通孔18aが通路孔15
bと一致する状態となり、シリンダ11内の作動油が油
圧通路15を介してオイルポンプ側と連通状態となって
プランジャ9が移動可能な状態となるとともに、オイル
ポンプからの作動油がシリンダ11内に供給される。
機構16においてコイルバネ20の温度が所定温度Tに
達すると、コイルバネ20は形状記憶効果により記憶形
状を回復する。即ち、コイルバネ20は記憶形状である
伸長形状に回復する。その回復力はバイアスバネ19の
弾性力より強いため、コイルバネ20の記憶形状への回
復により弁体18は待機位置から作用位置に移動配置さ
れる。その結果、弁体18の連通孔18aが通路孔15
bと一致する状態となり、シリンダ11内の作動油が油
圧通路15を介してオイルポンプ側と連通状態となって
プランジャ9が移動可能な状態となるとともに、オイル
ポンプからの作動油がシリンダ11内に供給される。
【0018】そして、オイルポンプから作動油がシリン
ダ11内に供給されると、オイルポンプの駆動に基づく
油圧がプランジャ9に作用し、プランジャ9はスプリン
グ12の付勢力と作動油の油圧力とにより突出方向に付
勢される。その結果、タイミングチェーン7はシュー1
0を介してプランジャ9から受ける押圧力とタイミング
チェーン7の張力(詳しくは張力のプランジャ9の軸方
向成分)との平衡に基づき適度な張力に保持される。従
って、タイミングチェーン7に使用疲労に伴う伸びが発
生してタイミングチェーン7の張力が低下すると、プラ
ンジャ9はエンジン運転開始時の突出位置からさらに所
定量だけ突出方向に移動し、タイミングチェーン7に適
度な張力を付与する。そして、プランジャ9はストッパ
13の爪部13aと係止溝9bとの係合により後退する
ことなく新たな突出位置に保持される。
ダ11内に供給されると、オイルポンプの駆動に基づく
油圧がプランジャ9に作用し、プランジャ9はスプリン
グ12の付勢力と作動油の油圧力とにより突出方向に付
勢される。その結果、タイミングチェーン7はシュー1
0を介してプランジャ9から受ける押圧力とタイミング
チェーン7の張力(詳しくは張力のプランジャ9の軸方
向成分)との平衡に基づき適度な張力に保持される。従
って、タイミングチェーン7に使用疲労に伴う伸びが発
生してタイミングチェーン7の張力が低下すると、プラ
ンジャ9はエンジン運転開始時の突出位置からさらに所
定量だけ突出方向に移動し、タイミングチェーン7に適
度な張力を付与する。そして、プランジャ9はストッパ
13の爪部13aと係止溝9bとの係合により後退する
ことなく新たな突出位置に保持される。
【0019】その際、作動油の温度はコイルバネ20の
温度に近似し、ほぼ所定温度Tに達しているので、コイ
ルバネ20が所定温度T以上の場合には作動油の粘度は
脈動を発生させない程度に充分に低い。そのため、その
温度領域において作動油の高粘度に起因する脈動が発生
する虞れがないので、オイルポンプからの作動油が油圧
通路15を介してシリンダ11内のプランジャ9に作用
してもプランジャ9の異常突出は起こらない。その結
果、エンジンEの暖気運転開始時の低温時から暖気運転
完了後すなわち走行中の高温時に至りタイミングチェー
ン7は適度な張力に保持される。
温度に近似し、ほぼ所定温度Tに達しているので、コイ
ルバネ20が所定温度T以上の場合には作動油の粘度は
脈動を発生させない程度に充分に低い。そのため、その
温度領域において作動油の高粘度に起因する脈動が発生
する虞れがないので、オイルポンプからの作動油が油圧
通路15を介してシリンダ11内のプランジャ9に作用
してもプランジャ9の異常突出は起こらない。その結
果、エンジンEの暖気運転開始時の低温時から暖気運転
完了後すなわち走行中の高温時に至りタイミングチェー
ン7は適度な張力に保持される。
【0020】一方、エンジンEの運転が停止されてオイ
ルポンプが駆動停止し、オイルポンプからの作動油の供
給が停止されると、シリンダ11内における作動油の油
圧力が低下する。しかし、プランジャ9の位置は反時計
方向にのみ回動するストッパ13の爪部13aと係止溝
9bとの係合によりエンジンEの運転停止時の位置に保
持される。そして、エンジンEの温度降下に伴いコイル
バネ20が所定温度T未満まで降温すると、記憶形状へ
の回復力が消失し、バイアスバネ19の弾性力がコイル
バネ20の弾性力に勝り、弁体18が図1に示す待機位
置に移動配置される。その結果、弁体18が通路孔15
bを遮断し、シリンダ11内の作動油は再び密閉状態と
なる。
ルポンプが駆動停止し、オイルポンプからの作動油の供
給が停止されると、シリンダ11内における作動油の油
圧力が低下する。しかし、プランジャ9の位置は反時計
方向にのみ回動するストッパ13の爪部13aと係止溝
9bとの係合によりエンジンEの運転停止時の位置に保
持される。そして、エンジンEの温度降下に伴いコイル
バネ20が所定温度T未満まで降温すると、記憶形状へ
の回復力が消失し、バイアスバネ19の弾性力がコイル
バネ20の弾性力に勝り、弁体18が図1に示す待機位
置に移動配置される。その結果、弁体18が通路孔15
bを遮断し、シリンダ11内の作動油は再び密閉状態と
なる。
【0021】以上詳述したように本実施例によれば、エ
ンジンEの始動初期における低温時に、バルブ機構16
の弁体18を閉状態とすることによりオイルポンプとシ
リンダ11内とを連通する油圧通路15を遮断すること
ができる。そのため、低温時における作動油の高粘度に
伴いオイルポンプからの作動油に脈動が発生しても、そ
の脈動に伴い発生する通常時より過大な異常圧がシリン
ダ11内に及ばないので、プランジャ9の異常突出が防
止される。その結果、タイミングチェーン7に過大な張
力が付与されることが防止され、タイミングチェーン7
の運転時における異音発生やタイミングチェーン7の過
度な摩耗や損傷を防止することができる。さらに、形状
記憶合金からなるコイルバネ20の形状記憶効果を利用
することにより弁体18を開閉制御する構成としたの
で、バルブ機構16を簡単な構造とすることができる。
又、バルブ機構16はチェーンテンショナ8の本体8a
に埋設される構成なので、バルブ機構16を設置しても
チェーンテンショナ8の配設スペースを設計変更する必
要がなく、よってエンジンEのシリンダブロック1やシ
リンダヘッド3の形状を変更する必要がない。 (第2実施例)次に、本発明を具体化した第2実施例に
ついて図5に従って説明する。
ンジンEの始動初期における低温時に、バルブ機構16
の弁体18を閉状態とすることによりオイルポンプとシ
リンダ11内とを連通する油圧通路15を遮断すること
ができる。そのため、低温時における作動油の高粘度に
伴いオイルポンプからの作動油に脈動が発生しても、そ
の脈動に伴い発生する通常時より過大な異常圧がシリン
ダ11内に及ばないので、プランジャ9の異常突出が防
止される。その結果、タイミングチェーン7に過大な張
力が付与されることが防止され、タイミングチェーン7
の運転時における異音発生やタイミングチェーン7の過
度な摩耗や損傷を防止することができる。さらに、形状
記憶合金からなるコイルバネ20の形状記憶効果を利用
することにより弁体18を開閉制御する構成としたの
で、バルブ機構16を簡単な構造とすることができる。
又、バルブ機構16はチェーンテンショナ8の本体8a
に埋設される構成なので、バルブ機構16を設置しても
チェーンテンショナ8の配設スペースを設計変更する必
要がなく、よってエンジンEのシリンダブロック1やシ
リンダヘッド3の形状を変更する必要がない。 (第2実施例)次に、本発明を具体化した第2実施例に
ついて図5に従って説明する。
【0022】本実施例では、チェーンテンショナ8に配
設されたバルブ機構16の構成が前記第1実施例と大き
く異なっている。尚、本実施例において、前記第1実施
例と同一の構成については同一の符号を付して説明を省
略し、特に異なった点についてのみ説明する。
設されたバルブ機構16の構成が前記第1実施例と大き
く異なっている。尚、本実施例において、前記第1実施
例と同一の構成については同一の符号を付して説明を省
略し、特に異なった点についてのみ説明する。
【0023】図5に示すように、チェーンテンショナ8
の本体8aの上部には油圧通路15と対応する位置にバ
ルブ機構16が埋設されている。ブロック16aに形成
された通路孔15bには通路孔15bを開放または遮断
するように開閉駆動する電磁バルブ21が配設され、電
磁バルブ21は電子制御装置(以下、ECUという)2
2と電気的に接続されている。又、ECU22には冷却
水温を検出する水温センサ23が接続され、ECU22
は水温センサ23からの検出信号に基づいて電磁バルブ
21を駆動制御するようになっている。即ち、ECU2
2はエンジンEの暖気運転中において、水温センサ23
からの検出信号に基づき水温が所定温度T未満であると
判断した場合には電磁バルブ21を閉状態とし、水温が
所定温度T以上であると判断した場合には電磁バルブ2
1を開状態とするようになっている。ECU22はイグ
ニションキーがオン状態になると作動を開始するように
なっている。尚、所定温度Tはオイルポンプからの作動
油の粘度が脈動を発生させない程度に充分低くくなる作
動油温度に対応する冷却水温に設定されている。
の本体8aの上部には油圧通路15と対応する位置にバ
ルブ機構16が埋設されている。ブロック16aに形成
された通路孔15bには通路孔15bを開放または遮断
するように開閉駆動する電磁バルブ21が配設され、電
磁バルブ21は電子制御装置(以下、ECUという)2
2と電気的に接続されている。又、ECU22には冷却
水温を検出する水温センサ23が接続され、ECU22
は水温センサ23からの検出信号に基づいて電磁バルブ
21を駆動制御するようになっている。即ち、ECU2
2はエンジンEの暖気運転中において、水温センサ23
からの検出信号に基づき水温が所定温度T未満であると
判断した場合には電磁バルブ21を閉状態とし、水温が
所定温度T以上であると判断した場合には電磁バルブ2
1を開状態とするようになっている。ECU22はイグ
ニションキーがオン状態になると作動を開始するように
なっている。尚、所定温度Tはオイルポンプからの作動
油の粘度が脈動を発生させない程度に充分低くくなる作
動油温度に対応する冷却水温に設定されている。
【0024】エンジンEの暖気運転開始に先立ってイグ
ニションキーがオン状態とされると、ECU22は水温
センサ23からの検出信号に基づき水温を認知し、認知
した水温が所定温度T未満であると判断すると、電磁バ
ルブ21を閉状態に駆動する。その後、エンジンEの暖
気運転が開始される。
ニションキーがオン状態とされると、ECU22は水温
センサ23からの検出信号に基づき水温を認知し、認知
した水温が所定温度T未満であると判断すると、電磁バ
ルブ21を閉状態に駆動する。その後、エンジンEの暖
気運転が開始される。
【0025】エンジンEの暖気運転初期の低温時に、E
CU22が水温センサ23からの検出信号に基づき水温
が所定温度T未満である判断した場合には、ECU22
は電磁バルブ21を閉状態に保持する。その結果、油圧
通路15は閉状態にある電磁バルブ21により遮断さ
れ、オイルポンプの駆動に基づく油圧がシリンダ11内
に伝達されない。水温が所定温度T未満の低温時では、
作動油の高粘度に起因してオイルポンプからの作動油が
脈動する虞れがある。しかし、閉状態にある電磁バルブ
21により油圧通路15は遮断されているので、たとえ
オイルポンプからの作動油が脈動したとしても、その脈
動に伴って発生した油圧分布に基づく通常時より過大な
異常圧はシリンダ11内に伝達されない。その結果、脈
動による異常圧がプランジャ9に作用することにより起
こるプランジャ9の異常突出が防止され、タイミングチ
ェーン7に過大な張力が付与されることが防止される。
CU22が水温センサ23からの検出信号に基づき水温
が所定温度T未満である判断した場合には、ECU22
は電磁バルブ21を閉状態に保持する。その結果、油圧
通路15は閉状態にある電磁バルブ21により遮断さ
れ、オイルポンプの駆動に基づく油圧がシリンダ11内
に伝達されない。水温が所定温度T未満の低温時では、
作動油の高粘度に起因してオイルポンプからの作動油が
脈動する虞れがある。しかし、閉状態にある電磁バルブ
21により油圧通路15は遮断されているので、たとえ
オイルポンプからの作動油が脈動したとしても、その脈
動に伴って発生した油圧分布に基づく通常時より過大な
異常圧はシリンダ11内に伝達されない。その結果、脈
動による異常圧がプランジャ9に作用することにより起
こるプランジャ9の異常突出が防止され、タイミングチ
ェーン7に過大な張力が付与されることが防止される。
【0026】エンジンEの温度上昇に伴い冷却水温が上
昇し、ECU22が水温センサ23からの検出信号に基
づき水温が所定温度Tに達したと判断すると、ECU2
2は電磁バルブ21を閉状態から開状態に駆動する。そ
の結果、開状態にある電磁バルブ21により油圧通路1
5のオイルポンプ側とシリンダ11側とが連通され、オ
イルポンプにより加圧された作動油がシリンダ11内に
供給される。プランジャ9はスプリング12の付勢力と
作動油の油圧力により突出方向に付勢される。エンジン
Eの暖気運転中において電磁バルブ21は開状態に保持
され、タイミングチェーン7はプランジャ9からシュー
10を介して受ける押圧力により適度な張力に保持され
る。冷却水温が所定温度T以上では、作動油の粘度は脈
動を発生させない程度に充分低いため、オイルポンプか
らの作動油がその粘度に起因して脈動することがない。
尚、イグニションキーがオフ状態とされるとECU22
の作動が停止するため、エンジンEの運転停止後におい
て電磁バルブ21は開状態のまま保持される。
昇し、ECU22が水温センサ23からの検出信号に基
づき水温が所定温度Tに達したと判断すると、ECU2
2は電磁バルブ21を閉状態から開状態に駆動する。そ
の結果、開状態にある電磁バルブ21により油圧通路1
5のオイルポンプ側とシリンダ11側とが連通され、オ
イルポンプにより加圧された作動油がシリンダ11内に
供給される。プランジャ9はスプリング12の付勢力と
作動油の油圧力により突出方向に付勢される。エンジン
Eの暖気運転中において電磁バルブ21は開状態に保持
され、タイミングチェーン7はプランジャ9からシュー
10を介して受ける押圧力により適度な張力に保持され
る。冷却水温が所定温度T以上では、作動油の粘度は脈
動を発生させない程度に充分低いため、オイルポンプか
らの作動油がその粘度に起因して脈動することがない。
尚、イグニションキーがオフ状態とされるとECU22
の作動が停止するため、エンジンEの運転停止後におい
て電磁バルブ21は開状態のまま保持される。
【0027】以上詳述したように本実施例によれば、第
1実施例と同様の効果が得られる。さらに、水温センサ
23からの検出信号に基づき冷却水温を計測し、計測し
た水温が所定温度Tに達したか否かにより、電磁バルブ
21を開閉駆動させる構成とした。そのため、エンジン
に既に搭載された既存のECU及び水温センサを利用す
ることにより、既存のエンジンに容易に転用することが
できる。
1実施例と同様の効果が得られる。さらに、水温センサ
23からの検出信号に基づき冷却水温を計測し、計測し
た水温が所定温度Tに達したか否かにより、電磁バルブ
21を開閉駆動させる構成とした。そのため、エンジン
に既に搭載された既存のECU及び水温センサを利用す
ることにより、既存のエンジンに容易に転用することが
できる。
【0028】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のよ
うに変更することもできる。 (1)図6に示すように、弁体18の片側に伸長形状と
収縮形状の2つの形状を記憶する形状記憶合金からなる
1つのコイルバネ24を配設することにより弁体18を
開閉駆動する構成としてもよい。この場合、コイルバネ
24は所定温度T未満の温度では形状記憶効果により伸
長形状を回復し、所定温度T以上の温度では形状記憶効
果により収縮形状を回復するようになっている。弁体1
8はコイルバネ24の伸長状態において通路孔15bを
遮断し、コイルバネ24の収縮状態において通路孔15
bを開放する。
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のよ
うに変更することもできる。 (1)図6に示すように、弁体18の片側に伸長形状と
収縮形状の2つの形状を記憶する形状記憶合金からなる
1つのコイルバネ24を配設することにより弁体18を
開閉駆動する構成としてもよい。この場合、コイルバネ
24は所定温度T未満の温度では形状記憶効果により伸
長形状を回復し、所定温度T以上の温度では形状記憶効
果により収縮形状を回復するようになっている。弁体1
8はコイルバネ24の伸長状態において通路孔15bを
遮断し、コイルバネ24の収縮状態において通路孔15
bを開放する。
【0029】(2)従来技術のチェーンテンショナのよ
うに高温時にストッパ13を解除可能な構成としてもよ
い。この場合、熱膨張によりクランク軸2とカム軸4と
の軸間距離の増加分が問題となる高温(所定温度Tより
充分に高い温度)時においても、タイミングチェーン7
を適度な張力に保持することができる。又、従来技術の
チェーンテンショナに本発明を適用してもよい。
うに高温時にストッパ13を解除可能な構成としてもよ
い。この場合、熱膨張によりクランク軸2とカム軸4と
の軸間距離の増加分が問題となる高温(所定温度Tより
充分に高い温度)時においても、タイミングチェーン7
を適度な張力に保持することができる。又、従来技術の
チェーンテンショナに本発明を適用してもよい。
【0030】(3)上記第1実施例において、バイアス
バネ19の替わりに形状記憶合金からなるコイルバネと
し、弁体18の両側に形状記憶合金からなるコイルバネ
を配設する構成としてもよい。又、バネはコイル形状で
なくてもよい。
バネ19の替わりに形状記憶合金からなるコイルバネと
し、弁体18の両側に形状記憶合金からなるコイルバネ
を配設する構成としてもよい。又、バネはコイル形状で
なくてもよい。
【0031】(4)上記第2実施例では、水温センサ2
3からの検出信号に基づいて電磁バルブ21を駆動制御
したが、水温センサ23以外の他の温度センサを用いて
もよい。
3からの検出信号に基づいて電磁バルブ21を駆動制御
したが、水温センサ23以外の他の温度センサを用いて
もよい。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、エ
ンジン始動後の低温時に作動油の高粘度に起因して作動
油に脈動が発生しても、タイミングチェーンに過大な張
力が付与されることを防止することができるという優れ
た効果を奏する。
ンジン始動後の低温時に作動油の高粘度に起因して作動
油に脈動が発生しても、タイミングチェーンに過大な張
力が付与されることを防止することができるという優れ
た効果を奏する。
【図1】本発明を具体化した第1実施例におけるバルブ
機構を示す一部破断模式断面図である。
機構を示す一部破断模式断面図である。
【図2】チェーンテンショナの一部破断概略断面図であ
る。
る。
【図3】チェーンテンショナを備えたエンジンの模式図
である。
である。
【図4】弁体が作用位置にあるバルブ機構を示す一部破
断模式断面図である。
断模式断面図である。
【図5】第2実施例におけるバルブ機構を示す一部破断
模式断面図である。
模式断面図である。
【図6】別例のバルブ機構を示す一部破断模式断面図で
ある。
ある。
【図7】従来装置の概略断面図である。
7…タイミングチェーン、9…プランジャ、11…シリ
ンダ、12…付勢部材としてのスプリング、13…スト
ッパ、15…油圧通路、15a…油圧通路を構成する通
路孔、15b…油圧通路を構成する通路孔、18…弁
体、19…駆動制御手段を構成するバイアスバネ、20
…駆動制御手段を構成するコイルバネ、21…弁対とし
ての電磁バルブ、22…駆動制御手段としての電子制御
装置(ECU)、E…エンジン、T…所定温度。
ンダ、12…付勢部材としてのスプリング、13…スト
ッパ、15…油圧通路、15a…油圧通路を構成する通
路孔、15b…油圧通路を構成する通路孔、18…弁
体、19…駆動制御手段を構成するバイアスバネ、20
…駆動制御手段を構成するコイルバネ、21…弁対とし
ての電磁バルブ、22…駆動制御手段としての電子制御
装置(ECU)、E…エンジン、T…所定温度。
Claims (1)
- 【請求項1】 シリンダと該シリンダ内に進退可能に嵌
入されるプランジャとを備え、前記シリンダ内に配設さ
れた付勢部材と油圧通路を介して前記シリンダ内に供給
される作動油の油圧力とにより、前記プランジャをタイ
ミングチェーンを押圧可能な進出方向に付勢させるとと
もに、少なくともエンジン始動後の低温時に前記プラン
ジャの後退のみを阻止するストッパを備えたエンジンの
チェーンテンション調整装置において、 前記油圧通路を開閉する弁体と、 エンジン始動後の作動油が高粘度となる低温時に前記弁
体を閉状態とし、エンジンの暖気に伴い作動油が高粘度
でなくなる所定温度以上で前記弁体を開状態とする駆動
制御手段とを備えたエンジンのチェーンテンション調整
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17835893A JPH0735203A (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | エンジンのチェーンテンション調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17835893A JPH0735203A (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | エンジンのチェーンテンション調整装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0735203A true JPH0735203A (ja) | 1995-02-07 |
Family
ID=16047098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17835893A Pending JPH0735203A (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | エンジンのチェーンテンション調整装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0735203A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006342880A (ja) * | 2005-06-08 | 2006-12-21 | Toyota Motor Corp | チェーン式伝動装置 |
DE102013014975A1 (de) * | 2013-09-09 | 2015-03-12 | Iwis Motorsysteme Gmbh & Co. Kg | Spannvorrichtung mit temperaturabhängiger Dämpfung |
CN110118245A (zh) * | 2018-02-05 | 2019-08-13 | 株式会社椿本链条 | 链条张紧装置 |
-
1993
- 1993-07-19 JP JP17835893A patent/JPH0735203A/ja active Pending
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