JPH0734698B2 - 牛胚の体外発生方法 - Google Patents
牛胚の体外発生方法Info
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方法、そのために使用する添加剤、及び該添加剤の製造
方法に関する。
殖のための有用な手段である。しかしながら、この方法
においては、8細胞期から16細胞期で発生が停止する
ことが一般的に知られている( Wright 及びBondioli :
J. Anim. Sci. 53 ; 702-729(1981))。個体において
は受精の起こる場所は卵管であることから、8細胞期か
ら16細胞期の停止を解除するために種々の動物の卵管
組織を外科的に体外に取り出し、受精卵をそれら卵管内
で培養する方法が開発された。ウシ受精卵をウサギ卵管
組織(Boland : Theriogenology 21 ; 126-137(1984))
やヒツジ卵管組織(Eyestoneら、: Theriogenology, 28
; 1-24 (1987))と一時的に体外培養することにより桑
実胚や胚盤胞までに発生させることに成功した。しかし
ながらこの方法は、卵管組織を毎回外科的に取り出すた
め、手法が複雑で長時間かかり、そして卵管組織の個体
差により胚発生効率が変動するという欠点を有する。
れた体細胞と受精卵の共培養系が開発されてきた。卵丘
細胞や顆粒膜細胞とウシ受精卵の共培養により、受精卵
の発生促進が報告されている(Kajiharaら: Jpn. J. An
im. Reprod. 33, 173-180 (1987),Gotoら: J.Reprod.
Fert. 83, 753-758 (1988)., Fukuda ら.: Biol. Repr
od. 42, 114-119 (1990)) 。Heymanら(Theriogenology
: 27, 59-68 (1987)) は、栄養芽細胞小胞(trophobl
astic vesicles)を用いて、またEyestoneら(Therioge
nology : 27, 228 Abstr. (1987))は、卵管細胞との共
培養においてウシ受精卵の桑実胚や胚盤胞への発生を報
告している。しかし、これらの共培養系はすべて血清培
地中で行われている。
ert : 85, 715-720 (1989)) は、過排卵処理で得られた
5〜8細胞の受精卵を血清添加培地で培養されたウシ卵
管上皮細胞の培養上清中で体外培養を試みた。培養上清
液のみでも卵管上皮細胞との共培養系と同程度の良好な
胚発生が認められた。この結果から卵管上皮細胞は胚発
生に必須の因子を合成しかつ培養液中に分泌しているこ
とが示唆された。
いずれも動物の血清や牛血清アルブミンなどの血清画分
を含有する培地中で行われている。しかしながら、血清
や血清アルブミンの化学的組成は不明であるばかりでな
くロットにより、また血清画分の調整により胚発生にお
よぼす生物活性は大きく変動するなどの難点がある(Ka
ne及びHeadon : J. Reprod. Fert. 60, 469-475 (1980)
; Fukui及びOno J. Reprod. Fert. 86, 501-506 (198
9)) 。また血清は非常に高価であること、またしばしば
動物血清の中にはウィルスやマイコプラズマに汚染され
ているものもあり受精卵の発生に悪影響をもたらすこと
もある。
胚の発生が進むことがわかってきた。すなわち、Elling
ton ら(Biol. Reprod. 43, 97-104 (1990))は、牛卵管
上皮細胞との共培養系でグルコースを添加せず、高濃度
の牛血清アルブミン(5mg/ml)を添加した無血清培地
(CZB培地)で、過排卵処理によって得た牛受精卵の
胚盤胞までの発生が起こることを報告している。
モン、卵胞刺激ホルモンそしてエストラジオールを添加
した無血清培地では、受精率、胚の発生率ともに上昇す
ることがわかった(Saeki ら : Biol. Reprod. 44, 25
6-260, (1991))。コラーゲン処理した培養シャーレに上
皮成長因子(EGF)、インシュリン、トランスフェリ
ン添加の無血清培地では、卵丘細胞の著しい増殖が見ら
れ、卵丘細胞と胚の共培養系で胚の発生が有為に上昇す
ることが報告されている(Takagiら : Theriogenology,
35, 1197-1207,(1991)) 。
od. 45, 736-742 (1991)) は、体外成熟/体外受精で得
られた牛胚の胚盤胞への発生が血清培地より低率ではあ
るが、成分既知物質よりなる無血清培地でも起こること
を示した。彼らはTCM199培地に10%仔牛血清を
添加した培地では胚盤胞形成率が29.7%であるのに
対して、ハムスター胚発生培地として開発した成分既知
無血清培地(HECM; Schini and Bavister, Biol. Repro
d. 39, 1183-1192,(1988)) でも、胚盤胞への発生率が
9.7%と低い胚盤胞形成率であるが発生が起こること
を示した。
ーゼなどいわゆるメタロプロテイナーゼは、細胞外マト
リックスの消化に関係ある酵素で、これらの酵素は結合
織の組織再構成に重要であることが知られている。これ
らメタロプロテイナーゼのインヒビターとして血清中の
主要なメタロプロテイナーゼインヒビターであるα2−
マクログロブリンやそれより分子量の小さい Tissue in
hibitor of metallo proteinase (TIMP)などが知
られている(Travis and Salvesen : Annu. Rev. Bioch
em. 52, 655-709,(1983); De Clerck ら:J. Biol. Che
m. 264, 17445-17453, (1989))。最近TIMPが卵胞液
中(Curry ら : Endocrinology, 123, 1611-1618 (198
8)), 顆粒膜細胞(Mannら: Endocrinology, 128, 1825
-1832, (1991)) に存在していることが判明し、排卵時
の卵胞破裂に密接に関与する因子と考えられている。し
かしTIMPの胚に対する生理的役割についての報告は
ない。
中で牛受精卵からの胚発生を行う手段を提供しようとす
るものである。
を解決すべく種々検討した結果、顆粒膜細胞を無血清培
地中で長期にわたって培養することに成功し、こうして
得られた無血清培地由来の培養上清を含有する無血清培
地中で牛受精卵を培養すれば胚発生を行うことができる
という全く新しい知見を得た(特願平3−3438
4)。本発明者は、さらに前記培養上清中の胚発生のた
めの有効成分を探求した結果、それがメタロプロテイナ
ーゼインヒビターであることを見出し、本発明を完成し
た。
地中メタロプロテイナーゼインヒビターの存在下で牛受
精卵を体外培養することを特徴とする胚発生方法を提供
する。 本発明はまた、顆粒膜細胞を無血清培地中で培
養し、そして培養上清からメタロプロテイナーゼインヒ
ビターを採取することを特徴とする、メタロプロテイナ
ーゼインヒビターの製造方法を提供する。本発明はさら
に、メタロプロテイナーゼインヒビターを含んで成る、
牛受精卵からの体外胚発生のための培地用添加剤を提供
する。
の常法に従って得ることができるが、屠殺された成牛卵
巣から未成熟卵を得、これを体外で成熟させた後、体外
で受精を行うのが便利である。
ており、例えばFukudaら(Biol, Reprod. 42 114-119
(1990))に記載されている。このための培地としては、
TCM199,10%胎児牛血清等を使用することがで
き、一般に約38〜39℃、好ましくは38.5℃、5
%炭酸ガス/95%空気中で加湿環境中で行われる。具
体的な一例を実施例1に記載する。体外受精の方法もよ
く知られており、例えばFukui (Mol. Reprod. Dev. 26
40-46 (1990))に記載されている。
発明の好ましい方法においては、受精卵/顆粒膜細胞を
約1日間培養した後受精卵を裸化し、この裸化受精卵を
メタロプロテイナーゼインヒビターを含有する培地中で
培養する。2〜3日毎に培地を置換する。上記の培養は
通常38℃〜39℃、好ましくは38.5℃にて、5%
炭酸ガス/95%空気中で加湿環境で行なわれる。通常
7〜8日間の培養の後受精卵は胚盤胞に達する。
清培地、特に組成が明らかな培地中で行われ、好ましく
は基礎培地に成長因子を補充した培地が用いられる。基
礎培地としては市販の組織培養培地TCM199(日水
製薬)(Morganら、Proc. Soc. Exp. Biol. 73, 1 (195
0)) 等が用いられる。500ng/mlのアプロチニンを含
有するTCM199をIFP110培地と称し、これが
特に好ましい培地である。培地はさらに、インシュリ
ン、またはヘパリン結合細胞成長因子(HBGF−2)
を含有するのが、効力の高い培養上清を得るために好ま
しい。
培養方法においては、顆粒膜細胞をまず牛胎児血清を含
有する培地、例えば牛胎児血清10%を含有する市販の
DME:F12(1:1)(DME/F12と略す場合
がある)中で培養して十分増殖させた後、単層状態に増
殖した細胞を前記無血清培地で十分に洗浄し、次に新た
な無血清培地を添加して培養する。例えば48時間毎に
無血清培地を回収交換することにより培養上清を得るこ
とができる。こうして得られた培養上清から、実施例4
に記載する方法によりメタロプロテイナーゼインヒビタ
ーを回収、精製することができる。
説明する。実施例1.屠場未成熟卵の回収と成熟培養法 屠殺後3時間以内に採取された成牛卵巣を、プラスチッ
クバッグに入れ、まわりを30℃−34℃の温水で暖め
て実験室に運び、実験に供した。卵巣をTCM199液
に25mM HEPES,ポリビニールアルコール(100μg
/ml)、1.25mMピルビン酸ナトリウム、ヘパリン
(15μg/ml)及び抗生物質ゲンタマイシン(10μ
g/ml)を含む培地の入った直径100mmシャーレの中
に移した。
外科用ナイフで細かく切開し、顆粒膜細胞の付着した卵
子を回収し実験に用いた。採取された卵子/顆粒膜細胞
複合体をTCM199液で2回洗浄し、各々約30個の
卵子/顆粒膜細胞複合体を350μlの成熟培地(TC
M199液、重炭酸ナトリウム(2mg/ml)、10%胎
児牛血清)に入れ、それぞれの成熟培地のドロップをミ
ネラルオイルでカバーした。成熟培養は38.5℃で5
%炭酸ガス/95%空気の加湿したインキュベーター内
で20〜22時間行なった。
で融解し、遠心管にこの精液を入れ、5mMカフェイン及
びヘパリン(15μg/ml)を含み牛血清アルブミン
(BSA)を含まないBO培地(6ml)(Brackett and
Oliphant ; Biol. Reprod. 12 : 260-274 (1975))を加
えて混合した。この混合液を7分間2,200回転で遠
心分離し、上澄み液を捨てた。この精子洗浄操作をさら
に1回同様に行なった。その後血球計算盤を用いて精子
の濃度を107 個/mlに調整した。
脂肪酸フリーのBSA(10mg/ml)を含むBO培地5
0μl中に加えた。21〜23時間成熟培養した卵を、
上記の培地で3回洗浄後、精子浮遊液中に入れ、38.
5℃で5%炭酸ガス/95%空気の加湿インキュベータ
ー内で6時間培養することにより受精させた。受精の時
のBO液中の濃度は、精子5×106 個/ml、5mMカフ
ェインン、ヘパリン(7.5μg/ml)、BSA(5mg
/ml)であった。
浄した後、350μlの発生培地の各スポットを作り、
受精卵をこの発生培地の中に移した。シャーレは卵丘/
顆粒膜細胞の増殖を促進するためにタイプIコラーゲン
を最終濃度150μg/mlになるようにTCM199液
で調整し、室温で1時間インキュベートしてから培養に
用いた。受精卵はそれぞれの発生培地中で24時間培養
後、毛細管様ピペットを用いて、受精卵の回りに付着し
ている卵丘/顆粒膜細胞を裸化した。得られた裸化受精
卵を、350μlのそれぞれの試験用発生培地に移し、
38.5℃で5%炭酸ガス/95%空気の加湿されたイ
ンキュベーター内で培養した。試験用培地は、体外受精
後3日目に培地交換を行ない、胚の発生状況は、12日
目まで毎日顕微鏡を用いて観察し調べた。
S- )の中に入れて実験室に持ち帰った。卵巣を3回P
BS- 液で洗浄した後、外科用ナイフを用いて卵胞を切
開し、顆粒膜細胞の付着した卵をシャーレに回収した。
パスツールピペットを用いて顕微鏡下で観察しながら顆
粒膜細胞の付着した卵子をよりわけた。遠心管に顆粒膜
細胞の付着した卵子を移し、PBS- 液中でピペッティ
ングを行ない顆粒膜細胞浮遊液を調整した。この浮遊液
にPBS- 液を加えて1,500回転、5分間の遠心操
作を3回行ない顆粒膜細胞を回収した。DME:F12
(1:1)(DME/F12)の培地に10%牛胎児血
清(FBS)添加した血清培地で細胞浮遊液を作り、2
−3×105 個の細胞を35mmシャーレに移し、同じ培
地で培養を行なった。
外科用ナイフで切開し、卵胞より卵子/顆粒膜細胞の複
合体を取り出し、この複合体をTCM199液の入った
遠心管内に移し、1,500rpm 、5分間の遠心操作を
3回繰り返し洗浄した後、DME/F12に10%FC
Sの入った血清培地で細胞浮遊液を調整し、培養底面積
25cm2 の培養用フラスコに移し培養した。
完全に単層状態に細胞増殖した時、トリプシン液(25
0μg/mlトリプシン、200μg/mlEDTAをPB
S-液で溶かした溶液)を処理し分散した顆粒膜細胞
は、培養底面積75cm2 の培養用フラスコに移し完全に
単層状態になるまで培養した。この細胞はトリプシン液
処理後、同じ75cm2 培養フラスコに3分割(1:3ス
プリット)され継代培養を行なった。
返した顆粒膜細胞を用いた。この継代培養された細胞が
完全に単層状態になった後、血清培地を除き3回TCM
199液で洗浄した後、成分既知無血清培地(IFP1
10培地にインシュリン5μg/mlを添加した培地)で
24時間培養し、血清の影響を完全に除いた。古い培養
上清を除いた後、それぞれの実験で示された成分既知無
血清培地を添加し、48時間毎に培地交換を行ない培養
上清を回収した。回収した培養上清液は、3,000回
転で15分間遠心操作を行い、沈殿を除き、上清を−8
0℃で保存した。この上清中のタンパク質含量は42μ
g/mlであった。
を、直径90mmのYM−10限界濾過膜(アミコン社
製:分子量カットオフ 10,000)で約100倍濃
縮し、全タンパク質の56%を回収した。この濃縮液は
PBS- 液で透析した後遠心して上清を回収し、ゲル濾
過高速液体クロマトグラフィー(TSK−G3000S
WXL,トーソー製)にかけ、PBS- 液で溶出した。
溶出液はUV−280nmの吸収でモニターし、各画分の
タンパク質濃度は、Bradford法(Bradford, Anal. Bioc
hem, 72, 248-254 (1976)) により測定した。
希釈した後に胚発生促進活性を測定した。溶出の結果を
図1に示す。胚発生促進活性は、おおよそ3万と7.5
万の2つの分子量域にみられた。分子量約3万の胚発生
促進活性をembryogenin-1 (EG-1)、また分子量約7.5
万の胚発生促進活性をembryogenin-2 (EG-2)と名づけ
た。
定した。実施例2に記載したようにして裸化受精卵を
得、これを、被検体を加えた無血清培地(TCM199
培地成分からTween-80とパラアミノ安息香酸を除き、グ
ルコース濃度を1000μg/mlから200μg/mlに
減量し、5mg/mlの脂肪酸フリー牛血清アルブミンを加
えた培地)中で38.5℃にて培養しながら12日間顕
微鏡観察し、胚盤胞形成率を求めた。
0mMトリス塩酸緩衝液、pH7.5で透析後、同じ緩衝液
で平衡化したMono−Qイオン交換高速液体クロマト
カラム(ファルマシアLKBバイオテクノロジー社)に
のせ、このカラムに結合させた。0〜500mM塩化ナト
リウムの直線的濃度勾配法により溶出を行った。このカ
ラムによって溶出された成分を、PBS- 液で透析後、
胚発生促進活性を検討した。この結果を図2に示す。胚
発生促進活性は塩化ナトリウム濃度100mM〜130mM
にて溶出した。このMono−Q高速液体クロマトカラ
ムにより精製された活性の画分を、0.1%トリクロロ
フルオロ酢酸液で平衡化された後Vydac C−4逆
相高速液体クロマトグラフィーカラム(The Separation
groups社)にのせ、アセトニトリル(25%−45
%)の直線的濃度勾配で溶出された。溶出画分はすぐに
真空乾燥した後、培地に溶かして胚発生促進活性を調べ
た。図3に示すごとく、活性を単一ピークとして得るこ
とができた。
よって精製された500pMの分子量3.1万のEG−1
画分を自動プロティンシークエンサーにかけ、アミノ酸
配列を調べた。胚発生促進活性は、単鎖ポリペプチド構
造をもつタンパク質により与えられ、該蛋白質のN末端
から29番目までのアミノ酸配列が決定された。この2
9個のアミノ酸配列をEuropean Molecular Biology Lab
oratory (Swiss-PROT)のデータベースより解析したとこ
ろ、未同定の部分のシスティン(用いた自動プロティン
シークエンサーではシスティン残基は解読できない)を
含めて牛由来Tissue inhibitor of metalloproteinase
(TIMP)とアミノ酸配列の順序において、93%の相同性
が認められた(図4)。
ラフィーによって分画された溶出画分を、還元条件下で
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動し、抗TIM
Pモノクローナル抗体で検出した。図5の分画番号は、
図1の保持時間11分後から分取を開始し、1分ごとに
分画を行った。図5で示すように、分画番号11(図1
の保持時間21−22分)と12(図1の保持時間22
−23分)の分子量3.1万のEG−1だけがこの抗体
と免疫交差反応がおこった。しかし、分子量7.5万の
EG−2(分画番号7)は、抗TIMPモノクローナル
抗体と免疫交差反応はおこらなかった。この結果は、分
子量3.1万のEG−1が免疫学的にTIMPと同一の
性質をもった物質と考えられる。
するのか、その上清液から精製されたEG−1がTIM
Pと免疫学的に同一のものであるかどうか検討した。S
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動実験は、lan
eMは分子量マーカーを示し、lane1は濃縮培養上
清液とプロティン−Gファーストフローゲルを混合して
得た沈殿分画、lane2はその上清分画、3は培養上
清液のTIMPモノクローナル抗体で処理した後プロテ
ィン−Gファーストフローゲルを混合して得た沈殿分
画、lane4はその上清分画、lane5は精製され
たEG−1を示す。
3.1万であることがわかった。この電気泳動ゲルをニ
トロセルロース膜に転写してイミュノブロット実験を行
った。精製されたEG−1はTIMP抗体ときれいに交
差反応をおこした(lane5)。同じく顆粒膜細胞培
養上清液とTIMPモノクローナル抗体処理して凝集沈
殿した分画(lane3)に強い免疫交差反応がみら
れ、残りの上清分画(lane4)中には反応がみられ
なかった。また培養上清中の交差反応する物質は、EG
−1と同じ3.1万の物質のみであった。lane2は
TIMP抗体を処理しないコントロール分画で、イミュ
ノブロット実験により交差反応を示した。
クローナル抗体で処理し、TIMPの除去された濃縮培
養上清液による胚発生促進活性を調べた(図7)。TI
MP抗体処理または無処理の濃縮培養上清液を5%及び
10%の濃度になるように発生培地に加えたところ、抗
体処理した培養上清液の胚発生促進活性は、無処理培養
上清液にくらべて明らかに低下した。この結果は、培養
上清の胚発生促進活性は、抗TIMP抗体と中和反応を
起こし、生物活性が抑制されることを示している。
濾過高速液体クロマトグラィーにより精製する場合の溶
出の状態を示す。
1をMono−Qイオン交換高速液体クロマトグラィー
により精製する場合の溶出の状態を示す。
高速液体クロマトグラィーにより精製する場合の溶出の
状態を示す。
とbovineTIMPのアミノ酸配列の相同性を示
す。
Pモノクローナル抗体によるイミュノブロット実験によ
る免疫交差性を示す電気泳動図である。
在、EG−1とTIMPの同一性についてのイミュノブ
ロット実験による確認の結果を示す電気泳動図である。
ノクローナル抗体により処理した後の胚発生促進活性の
変化を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 無血清培地中メタロプロテイナーゼイン
ヒビターの存在下で牛受精卵を体外培養することを特徴
とする胚発生方法。 - 【請求項2】 前記受精卵が、未成熟卵を採取後これを
体外成熟させそして体外受精させたものである、請求項
1に記載の方法。 - 【請求項3】 顆粒膜細胞を無血清培地中で培養し、そ
して培養上清からメタロプロテイナーゼインヒビターを
採取することを特徴とする、メタロプロテイナーゼイン
ヒビターの製造方法。 - 【請求項4】 前記無血清培地に成長因子が添加されて
いる、請求項5に記載の方法。 - 【請求項5】 前記無血清培地がインシュリンもしく
は、HBGF−2(別名:basic FGF )又はこれらの混
合物を含有する、請求項5に記載の方法。 - 【請求項6】 メタロプロテイナーゼインヒビターを含
んで成る、牛受精卵の胚発生用培地のための添加剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16546792A JPH0734698B2 (ja) | 1992-06-02 | 1992-06-02 | 牛胚の体外発生方法 |
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JP16546792A JPH0734698B2 (ja) | 1992-06-02 | 1992-06-02 | 牛胚の体外発生方法 |
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JPH06197666A JPH06197666A (ja) | 1994-07-19 |
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- 1992-06-02 JP JP16546792A patent/JPH0734698B2/ja not_active Expired - Fee Related
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