JPH0733701Y2 - 冷凍麺解凍用茹釜 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は冷凍麺解凍用茹釜に関する。

［従来の技術］ 近年、茹であげた直後のいわゆる“釜あげ”の状態で急
速凍結して品質を維持し、必要に応じて解凍するだけで
再現できるようにした冷凍麺の開発に加え、この冷凍麺
を解凍する茹釜などの厨房機器の開発が必要とされてい
る。

［考案が解決しようとする問題点］ 従来の解凍機器としては例えば第１図に記載されている
ようなものが知られている。

この従来の解凍機器はガスバーナー１の直火によって水
槽２内の水を温水にさせ、燃焼室３内の燃焼ガスを水槽
２内に設けた上部排気管４内と下部排気管５内とに通過
させ、排気筒６にて外部に排気し、この排気管4,5の壁
面を通じて水槽２内の水を加熱するようにしていた。

しかしながら、このような構成の解凍機器では第２図に
示すようにガスバーナー１の設置底壁８が開口９されて
いるため、該開口９を介して外部冷気が第２図矢印方向
の如く、水槽２内の下部排気管５中を進行していくため
に、外部冷気は排気として使えないばかりか排気が不足
するために水槽２内の湯温が降下し、強火力を必要とさ
れる冷凍麺の解凍調理に必要とされる強火力が得られな
いという欠点がある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、燃焼室のガスバーナーの設置底壁を二次空気
流量制御板によって閉成することを解決手段とした。

［作用］ 本考案は、燃焼室のガスバーナーの設置底壁の開口箇所
を二次空気流量制限板によって閉成するようにしたの
で、水槽内に配設されている下部排気管中に外部冷気が
侵入しない作用がある。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面により詳述する。

機器本体11の上部には水槽12が設けられ、この水槽12の
中間部分には水槽12を一端部より他端部に横断して所要
本数の上部排気管13および下部排気管14が間隔をおいて
並列にして上下に設けられ、上部排気管13と下部排気管
14の各一端部は燃焼室15に接続されるとともに他端部は
機器本体11外へ通じる排気筒16に接続され、燃焼室15で
発生した燃焼ガスを水槽12内を通して排気筒20に連結し
排気するものである。そしてこの上部排気管13および下
部排気管14の水槽12内に配設される部分の内部には一端
部から他端部にわたって間隔をおいて交互に左右に傾斜
した接続管17,18が上部排気管13および下部排気管14を
貫通して設けられている。

そして水槽12の一端部下部には燃焼室15が設けられ、こ
の燃焼室15は水槽12の前部の水平壁2aと垂直壁2bと底壁
2cと水槽12の前部に連設された燃焼カバー19で形成さ
れ、内部にガスバーナー20が設けられている。また燃焼
室15のガスバーナー20の設置底壁2cは二次空気流量制限
板24で形成されている。この二次空気流量制限板24は、
フラット板、多孔板、金網等により形成されている。さ
らに水槽12の他端部には上部排気管13および下部排気管
14に連通して排気筒16が垂直に水槽12と機器本体11の間
に設けられ、燃焼室15で発生した燃焼ガスを上部排気管
13および下部排気管14を通じて外部に排出する。21は水
槽12内に設けた茹でかごで、解凍しようとする冷凍麺を
収容するものである。

次に実施例の作用を説明する。本考案の冷凍麺解凍用茹
釜では、ガスバーナー20にて発生された燃焼ガスは燃焼
室15内に充満すると共に、水槽12の水平壁12aを直火で
加熱する。従って水槽12の水平壁12a前部に位置する水
が水槽12内で最も加熱されて温度が高くなる。燃焼室15
内の燃焼ガスは上部排気管管13および下部排気管４内を
通過して排気筒16にて外部に排気される。この上部排気
管13および下部排気管14の壁面を通じて水槽12内の水を
加熱する。この上部排気管13および下部排気管14は水槽
12内に水平方向に間隔をおいて所要本数、上下に設けら
れているので水槽12内の水を均一に加熱することが可能
になっている。また水の加熱をさらに効率よく行うため
に上部排気管13内および下部排気管14内に設けられた接
続管17,18の壁面を通じて水の加熱が行われる。さらに
接続管17,18は上部排気管13内および下部排気管14内に
右左に相互に傾斜して配設されているので、上部排気管
13内および下部排気管14内を通過する燃焼ガスを攪拌し
て上部排気管13および下部排気管14の壁面に押圧して加
熱効率を上げると共に、接続管17,18の壁面に対しても
燃焼ガスの熱量を効率よく伝達する。

また上部排気管13および下部排気管14で水槽12内の水が
加熱された結果、水槽12内の水は特に上部排気管13およ
び下部排気管14より上部において垂直方向に対流を生じ
て、水槽12の上部に位置する高温水部22と上部排気管13
および下部排気管14の下部に位置する低温水部23とには
っきりと分離される。すなわち、水槽12内での水の対流
は上部排気管13および下部排気管14の壁面に直接加熱さ
れて壁面に沿って上昇することにより生ずる対流と、上
部排気管13および下部排気管14に設けた接続管17,18の
中を下部から上部に通り抜け接続管17,18の傾斜に合わ
せて左右に分けられることにより生ずる対流とが水槽12
の高温油部22で生じ、水槽12内の油が高温油部22と低温
油部23とに区分されることになる。

さらに本実施例では、燃焼室15のガスバーナー22の設置
底壁2cが二次空気流量制限板24であるために、外部冷気
が下部排気管14中へ侵入するのを、阻止させることがで
きる。

［考案の効果］ 以上説明してきたように、本考案の冷凍麺解凍用茹釜に
あっては、従来ガスバーナーの設置底壁が開口されてい
た構成に比し、燃焼室のガスバーナーの設置底壁の開口
を二次空気流量制御板によって閉成されているために、
下部排気管中に外部冷気が入って排気不足となるのを防
止すると共に上部排気管および下部排気管により水の循
環速度が早くなり、伝熱面積を大きく確保することがで
きるという効果が得られる。また燃焼ガスの熱を無駄な
く水槽内の水に伝達することができ、しかも水槽内の水
は高温水部と低温水部とに分けられ高温水部内で水を対
流せしめるため冷凍麺解凍用の高温水部が重点的に加熱
されることとなって熱効率が向上し、冷凍麺を強火力で
急速解凍し、解凍された冷凍麺は本来の品質を維持す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を説明する冷凍麺解凍用茹釜を側部方向
からみて表わした縦断面図、第２図は従来例の要部構造
説明図、第３図は本考案の冷凍麺解凍用茹釜を側部方向
からみて表わした縦断面図、第４図は本考案の冷凍麺解
凍用茹釜の槽内部を正面方向からみて表わした縦断面
図、第５図は本考案の要部説明図である。 11〜機器本体 12〜水槽 13〜上部排気管 14〜下部排気管 15〜燃焼室 24〜二次空気流量制限板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】本体上部に水槽を設け、この水槽の一端部
   下部に燃焼室を設け、前記水槽の中間部を横断し一端部
   を前記燃焼室に接続し他端部を本体外に通じる排気筒に
   接続した複数本の上下排気管を配設し、この各排気管の
   前記水槽内に配設される部分には間隔をおいて交互に左
   右に傾斜して排気管を貫通する接続管を設けてなる冷凍
   麺解凍用茹釜であって、前記、燃焼室のガスバーナー設
   置底壁を二次空気流量制限板によって形成したことを特
   徴とする冷凍麺解凍用茹釜。
2. 【請求項２】前記、二次空気流量制限板はフラット板、
   多孔板、金網等により形成されていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の冷凍麺解凍用茹
   釜。