JPH07333405A - 光学素子の作製方法 - Google Patents
光学素子の作製方法Info
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- JPH07333405A JPH07333405A JP6123698A JP12369894A JPH07333405A JP H07333405 A JPH07333405 A JP H07333405A JP 6123698 A JP6123698 A JP 6123698A JP 12369894 A JP12369894 A JP 12369894A JP H07333405 A JPH07333405 A JP H07333405A
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- substrate
- ion exchange
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 イオン交換法によって平板マイクロレンズや
光導波路の光学素子を作製する場合において、イオン交
換溶融塩と基板の比重差による基板の反りを小さくする
ことができる光学素子の作製方法を提供する。 【構成】 イオン交換による光学素子の作製方法であっ
て、前記イオン交換処理用の溶融塩中で前記光学素子の
ガラス基板が浮く場合では、前記ガラス基板を該基板の
下端部側で保持し上端部側では保持しないで、イオン交
換処理し、前記イオン交換処理用の溶融塩中で前記光学
素子のガラス基板が沈む場合では、前記ガラス基板を該
基板の上端部側で保持し下端部側では保持しないで、イ
オン交換処理する光学素子の作製方法。
光導波路の光学素子を作製する場合において、イオン交
換溶融塩と基板の比重差による基板の反りを小さくする
ことができる光学素子の作製方法を提供する。 【構成】 イオン交換による光学素子の作製方法であっ
て、前記イオン交換処理用の溶融塩中で前記光学素子の
ガラス基板が浮く場合では、前記ガラス基板を該基板の
下端部側で保持し上端部側では保持しないで、イオン交
換処理し、前記イオン交換処理用の溶融塩中で前記光学
素子のガラス基板が沈む場合では、前記ガラス基板を該
基板の上端部側で保持し下端部側では保持しないで、イ
オン交換処理する光学素子の作製方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン交換法による光
学素子の作製方法に関するものである。特に、厚みの薄
いガラス基板あるいは大きいガラス基板を用いて、平板
マイクロレンズや光導波路等を作製方法に関する。
学素子の作製方法に関するものである。特に、厚みの薄
いガラス基板あるいは大きいガラス基板を用いて、平板
マイクロレンズや光導波路等を作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、イオン交換法によって平板マイク
ロレンズや光導波路の光学素子を作製する場合、図4に
示したように溶融塩の表面に基板ガラスを浮かべるよう
にセットしてイオン交換を行い、前記光学素子を作製し
ていた。この場合には、後に詳述する溶融塩と基板との
比重差からくる浮力あるいは重力の影響による基板の反
りは、ほとんど発生していない。
ロレンズや光導波路の光学素子を作製する場合、図4に
示したように溶融塩の表面に基板ガラスを浮かべるよう
にセットしてイオン交換を行い、前記光学素子を作製し
ていた。この場合には、後に詳述する溶融塩と基板との
比重差からくる浮力あるいは重力の影響による基板の反
りは、ほとんど発生していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ガラスのイオ
ン交換には長時間を要することから、その生産性を向上
させる意味から、一度に多数の基板を溶融塩中にセット
する必要がでてくる(図5参照)。このような場合、溶
融塩中に配置されたガラス基板には、溶融塩と基板との
比重差によって、浮力あるいは重力を受けながら、長時
間イオン交換されることになり、その結果基板には反り
が発生してしまう。
ン交換には長時間を要することから、その生産性を向上
させる意味から、一度に多数の基板を溶融塩中にセット
する必要がでてくる(図5参照)。このような場合、溶
融塩中に配置されたガラス基板には、溶融塩と基板との
比重差によって、浮力あるいは重力を受けながら、長時
間イオン交換されることになり、その結果基板には反り
が発生してしまう。
【0004】溶融塩の比重と基板のそれとの関係につい
て詳述する。この場合、以下の2つの場合があげられ
る。 (1)溶融塩の比重>ガラス基板の比重(ガラス基板が
浮く場合) 具体例: ・TlNO3(比重4.66/350℃〜4.39/5
00℃)>ソーダライムガラス基板(比重2.46) ・AgNO3(比重3.92/250℃〜3.81/3
50℃)>ソーダライムガラス基板(比重2.46) (2)溶融塩の比重<ガラス基板の比重(ガラス基板が
沈む場合) 具体例: ・NaNO3(比重1.88/350℃〜1.70/5
00℃)<ソーダライムガラス基板(比重2.46) ・KNO3(比重1.83/350℃〜1.74/50
0℃)<ソーダライムガラス基板(比重2.46)
て詳述する。この場合、以下の2つの場合があげられ
る。 (1)溶融塩の比重>ガラス基板の比重(ガラス基板が
浮く場合) 具体例: ・TlNO3(比重4.66/350℃〜4.39/5
00℃)>ソーダライムガラス基板(比重2.46) ・AgNO3(比重3.92/250℃〜3.81/3
50℃)>ソーダライムガラス基板(比重2.46) (2)溶融塩の比重<ガラス基板の比重(ガラス基板が
沈む場合) 具体例: ・NaNO3(比重1.88/350℃〜1.70/5
00℃)<ソーダライムガラス基板(比重2.46) ・KNO3(比重1.83/350℃〜1.74/50
0℃)<ソーダライムガラス基板(比重2.46)
【0005】そのいずれの場合においても、前記比重の
差が大きいと、上述したように基板には反りが発生して
しまうことになる。特に、ガラス基板が薄かったり、そ
の面積が大きい場合(例えば、ソーダライムガラス基板
において、150×175mm角で基板厚みが0.7m
m以下、300×300mm角で基板厚みが1.1mm
以下の場合)には、その傾向は顕著である。またその比
重差から明らかなように、ガラス基板が浮く場合の方が
その傾向が大である。
差が大きいと、上述したように基板には反りが発生して
しまうことになる。特に、ガラス基板が薄かったり、そ
の面積が大きい場合(例えば、ソーダライムガラス基板
において、150×175mm角で基板厚みが0.7m
m以下、300×300mm角で基板厚みが1.1mm
以下の場合)には、その傾向は顕著である。またその比
重差から明らかなように、ガラス基板が浮く場合の方が
その傾向が大である。
【0006】なお図5では、前記基板を鉛直方向にセッ
トしているが、水平方向にセットした場合でも、基板は
浮力あるいは重力の影響を受け、やはり反りが発生して
しまう。
トしているが、水平方向にセットした場合でも、基板は
浮力あるいは重力の影響を受け、やはり反りが発生して
しまう。
【0007】これに対して、適当な硝酸塩や硫酸塩を混
合することにより、溶融塩の比重をガラスのそれに近づ
けて、浮力あるいは重力の影響を小さくすることも可能
であるが、目的とする光学性能を持つ光学素子を得るた
めには、必ずしも比重を調整したような溶融塩を用いる
ことができない場合が多い。
合することにより、溶融塩の比重をガラスのそれに近づ
けて、浮力あるいは重力の影響を小さくすることも可能
であるが、目的とする光学性能を持つ光学素子を得るた
めには、必ずしも比重を調整したような溶融塩を用いる
ことができない場合が多い。
【0008】そこで本発明は、上述のようなイオン交換
法によって平板マイクロレンズや光導波路の光学素子を
作製する場合において、上述の比重差による基板の反り
を小さくすることができる光学素子の作製方法を提供す
ることを目的とする。
法によって平板マイクロレンズや光導波路の光学素子を
作製する場合において、上述の比重差による基板の反り
を小さくすることができる光学素子の作製方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明では、イオン交換による光学素子の作製方
法であって、前記光学素子用基板は1価のアルカリイオ
ンを含むガラス基板であり、前記イオン交換用溶融塩中
に大略垂直に保持されイオン交換処理され、前記イオン
交換処理用の溶融塩の比重>ガラス基板の比重の場合に
おいては、前記ガラス基板を該基板の下端部側で保持し
上端部側では保持しないで、一方、前記イオン交換処理
用の溶融塩の比重<ガラス基板の比重の場合において
は、前記ガラス基板を該基板の上端部側で保持し下端部
側では保持しないで、イオン交換処理する光学素子の作
製方法である。
めに、本発明では、イオン交換による光学素子の作製方
法であって、前記光学素子用基板は1価のアルカリイオ
ンを含むガラス基板であり、前記イオン交換用溶融塩中
に大略垂直に保持されイオン交換処理され、前記イオン
交換処理用の溶融塩の比重>ガラス基板の比重の場合に
おいては、前記ガラス基板を該基板の下端部側で保持し
上端部側では保持しないで、一方、前記イオン交換処理
用の溶融塩の比重<ガラス基板の比重の場合において
は、前記ガラス基板を該基板の上端部側で保持し下端部
側では保持しないで、イオン交換処理する光学素子の作
製方法である。
【0010】したがって、上述のような方法によりいず
れの場合でも、浮力あるいは重力は、基板を反らせる方
向に作用せず、基板を引き延ばす方向に作用する。
れの場合でも、浮力あるいは重力は、基板を反らせる方
向に作用せず、基板を引き延ばす方向に作用する。
【0011】
【作用】本発明によれば、ガラス基板が溶融塩中で浮力
を受ける場合(ガラス基板が浮く場合)には、基板の上
端側を拘束していないので、その浮力は基板を反らせる
方向に作用せず、基板を引き延ばす方向に作用する。一
方、ガラス基板が溶融塩中で重力を受ける場合(ガラス
基板が沈む場合)には、基板の下端側を拘束していない
ので、その重力は基板を反らせる方向に作用せず、基板
を引き延ばす方向に作用する。
を受ける場合(ガラス基板が浮く場合)には、基板の上
端側を拘束していないので、その浮力は基板を反らせる
方向に作用せず、基板を引き延ばす方向に作用する。一
方、ガラス基板が溶融塩中で重力を受ける場合(ガラス
基板が沈む場合)には、基板の下端側を拘束していない
ので、その重力は基板を反らせる方向に作用せず、基板
を引き延ばす方向に作用する。
【0012】つまりいずれの場合にも、ガラス基板が受
ける浮力や重力は、基板を反らせる方向には作用せず、
基板を引き延ばす方向に作用する。したがって、ガラス
基板が受ける浮力や重力の影響による反りは、発生しな
くなる。特に、ガラス基板の厚みが薄い場合やその面積
が大きい場合においては、その効果が顕著である。
ける浮力や重力は、基板を反らせる方向には作用せず、
基板を引き延ばす方向に作用する。したがって、ガラス
基板が受ける浮力や重力の影響による反りは、発生しな
くなる。特に、ガラス基板の厚みが薄い場合やその面積
が大きい場合においては、その効果が顕著である。
【0013】
(実施例1)本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
まず、溶融塩中でガラス基板が浮く場合について説明す
る。
まず、溶融塩中でガラス基板が浮く場合について説明す
る。
【0014】まず、1価のアルカリイオンを含むガラス
基板の片面に、例えばスパッタリング法により、イオン
拡散を阻止する効果のある例えばチタン膜を、マスク膜
として形成する。このチタン膜に、公知のフォトリソグ
ラフ法により、所望のパターンを形成する。この基板
に、以下に示すイオン交換法を施すことにより、平板マ
イクロレンズや光導波路などの光学素子を作製する。
基板の片面に、例えばスパッタリング法により、イオン
拡散を阻止する効果のある例えばチタン膜を、マスク膜
として形成する。このチタン膜に、公知のフォトリソグ
ラフ法により、所望のパターンを形成する。この基板
に、以下に示すイオン交換法を施すことにより、平板マ
イクロレンズや光導波路などの光学素子を作製する。
【0015】図1に示した例では、矩形のガラス基板の
1辺にガラス基板2を保持するために、予め開けておい
た穴21を下にして、ガラス基板2を2本のガイドバー
32の間に差し込む。次に、保持棒31をフレーム1の
穴とガラス基板の穴21に通して、ガラス基板2を保持
する。こうすることによって、ガラス基板を下端部側で
のみ保持しているので、ガラス基板の上端部側を拘束す
ることがない。
1辺にガラス基板2を保持するために、予め開けておい
た穴21を下にして、ガラス基板2を2本のガイドバー
32の間に差し込む。次に、保持棒31をフレーム1の
穴とガラス基板の穴21に通して、ガラス基板2を保持
する。こうすることによって、ガラス基板を下端部側で
のみ保持しているので、ガラス基板の上端部側を拘束す
ることがない。
【0016】このように、保持した状態でガラス基板2
よりも大きい比重の溶融塩中でイオン交換を行った場
合、ガラス基板2には浮力が働くが、ガラス基板2を上
端部側から拘束せず下端部側で保持しているため、浮力
は基板を引き延ばす方向に作用する。
よりも大きい比重の溶融塩中でイオン交換を行った場
合、ガラス基板2には浮力が働くが、ガラス基板2を上
端部側から拘束せず下端部側で保持しているため、浮力
は基板を引き延ばす方向に作用する。
【0017】ここで、ガラス基板2は、1価のアルカリ
金属(Li,Na,K等)を数〜十数モル%含み、その
比重が2.1〜2.7程度のガラス(例えばソーダライ
ムシリカガラスやアルミノホウ珪酸ガラス等)である。
また用いる溶融塩は、TlNO3 (比重4.66/35
0℃〜4.39/500℃)や、AgNO3(比重3.
92/250℃〜3.81/350℃)等のガラス基板
よりも比重の大きなものが挙げられる。またあるいは、
前述の硝酸塩に、ガラス基板2より比重の小さなNaN
O3 (比重1.88/350℃〜1.70/500℃)
や、KNO3 (比重1.83/350℃〜1.74/5
00℃)等を若干量加えたガラス基板2よりも比重の大
きな混合溶融塩も挙げることができる。
金属(Li,Na,K等)を数〜十数モル%含み、その
比重が2.1〜2.7程度のガラス(例えばソーダライ
ムシリカガラスやアルミノホウ珪酸ガラス等)である。
また用いる溶融塩は、TlNO3 (比重4.66/35
0℃〜4.39/500℃)や、AgNO3(比重3.
92/250℃〜3.81/350℃)等のガラス基板
よりも比重の大きなものが挙げられる。またあるいは、
前述の硝酸塩に、ガラス基板2より比重の小さなNaN
O3 (比重1.88/350℃〜1.70/500℃)
や、KNO3 (比重1.83/350℃〜1.74/5
00℃)等を若干量加えたガラス基板2よりも比重の大
きな混合溶融塩も挙げることができる。
【0018】上述のように、ガラス基板にイオン交換を
施した後チタン膜を除去し、適宜洗浄等を施して平板マ
イクロレンズや光導波路の光学素子を作製する。
施した後チタン膜を除去し、適宜洗浄等を施して平板マ
イクロレンズや光導波路の光学素子を作製する。
【0019】一方これに対して、溶融塩中でガラス基板
が沈む場合、つまりガラス基板よりも比重の小さな溶融
塩の場合では、図1に示したガラス保持治具の天地を逆
にして、イオン交換処理すればよい。比重の小さな溶融
塩として具体的には、NaNO3 (比重1.88/35
0℃〜1.70/500℃)やKNO3 (比重1.83
/350℃〜1.74/500℃)等のガラス基板より
も比重の小さなものが挙げられる。またあるいは、前述
の硝酸塩に、ガラス基板より比重の大きなTlNO3
(比重4.66/350℃〜4.39/500℃)や、
AgNO3(比重3.92/250℃〜3.81/35
0℃)等を若干量加えたガラス基板よりも比重の小さな
混合溶融塩も挙げることができる。
が沈む場合、つまりガラス基板よりも比重の小さな溶融
塩の場合では、図1に示したガラス保持治具の天地を逆
にして、イオン交換処理すればよい。比重の小さな溶融
塩として具体的には、NaNO3 (比重1.88/35
0℃〜1.70/500℃)やKNO3 (比重1.83
/350℃〜1.74/500℃)等のガラス基板より
も比重の小さなものが挙げられる。またあるいは、前述
の硝酸塩に、ガラス基板より比重の大きなTlNO3
(比重4.66/350℃〜4.39/500℃)や、
AgNO3(比重3.92/250℃〜3.81/35
0℃)等を若干量加えたガラス基板よりも比重の小さな
混合溶融塩も挙げることができる。
【0020】以上の説明では、ガラス基板の保持方法
は、ガラス基板に予め設けた穴に保持棒を差し込んで行
う方法であった(図2(C))が、図2に示したよう
に、(A)ガラス基板に設けた穴にリングを通し、この
リングを介して行う方法、(B)基板を挟み込む構造を
有するクリップを介して行う方法などの変形例を挙げる
ことができる。
は、ガラス基板に予め設けた穴に保持棒を差し込んで行
う方法であった(図2(C))が、図2に示したよう
に、(A)ガラス基板に設けた穴にリングを通し、この
リングを介して行う方法、(B)基板を挟み込む構造を
有するクリップを介して行う方法などの変形例を挙げる
ことができる。
【0021】(実施例2)この実施例2では、別のガラ
ス基板の保持の仕方による光学素子の作製方法について
説明する。
ス基板の保持の仕方による光学素子の作製方法について
説明する。
【0022】図3に示した例では、ガラス基板2の端部
に該基板2を保持するために予め開けておいた穴21に
保持棒31を通して、ガラス基板2をぶら下げた状態で
フレーム1に保持する。このとき、ガラス基板2どうし
の接触を防ぐために、ガラス基板の間にはワッシャー等
のスペーサー35を保持棒31に通しておく。
に該基板2を保持するために予め開けておいた穴21に
保持棒31を通して、ガラス基板2をぶら下げた状態で
フレーム1に保持する。このとき、ガラス基板2どうし
の接触を防ぐために、ガラス基板の間にはワッシャー等
のスペーサー35を保持棒31に通しておく。
【0023】このように、ぶら下げて保持した状態でガ
ラス基板2の比重よりも大きいそれの溶融塩中でイオン
交換を行った場合、ガラス基板2は浮力により浮き上が
り、ほぼ180゜回転した状態で溶融塩中に保持され、
ガラス基板2は上端部側から拘束されず下端部側で保持
されているため、浮力は基板を引き延ばす方向に作用す
る。
ラス基板2の比重よりも大きいそれの溶融塩中でイオン
交換を行った場合、ガラス基板2は浮力により浮き上が
り、ほぼ180゜回転した状態で溶融塩中に保持され、
ガラス基板2は上端部側から拘束されず下端部側で保持
されているため、浮力は基板を引き延ばす方向に作用す
る。
【0024】また、ガラス基板2よりも小さい比重の溶
融塩中でイオン交換を行った場合、ガラス基板2は重力
により、保持棒31にぶら下がったままの状態でイオン
交換され、ガラス基板2の下端部は拘束されず上端部で
保持しているため、重力は基板を引き延ばす方向に作用
する。
融塩中でイオン交換を行った場合、ガラス基板2は重力
により、保持棒31にぶら下がったままの状態でイオン
交換され、ガラス基板2の下端部は拘束されず上端部で
保持しているため、重力は基板を引き延ばす方向に作用
する。
【0025】ここで、ガラス基板2は実施例1の場合と
同様であり、溶融塩もガラス基板の比重に比して、大き
い場合と小さい場合とそれぞれ実施例1ものと同様であ
る。
同様であり、溶融塩もガラス基板の比重に比して、大き
い場合と小さい場合とそれぞれ実施例1ものと同様であ
る。
【0026】(具体例)以下に、この作製方法による反
りの低減の効果について述べる。150×175mm角
で厚みが0.7mmのソーダライムシリカガラス基板の
両面を、全量硝酸タリウムの溶融塩を用い、前記ガラス
の転移点付近でイオン交換処理した。なおこの場合、ガ
ラス基板にはマスク膜を形成していない。これは、例え
ばその片面にレンズを形成したような平板マイクロレン
ズでは、その基板の両側でイオン交換された体積が異な
るために、基板に反りが生じるためである。したがっ
て、その影響を避けるために、前記ガラス基板の両面を
イオン交換処理したものである。なお、この具体例で
は、実施例1に示した基板保持治具を用いた。
りの低減の効果について述べる。150×175mm角
で厚みが0.7mmのソーダライムシリカガラス基板の
両面を、全量硝酸タリウムの溶融塩を用い、前記ガラス
の転移点付近でイオン交換処理した。なおこの場合、ガ
ラス基板にはマスク膜を形成していない。これは、例え
ばその片面にレンズを形成したような平板マイクロレン
ズでは、その基板の両側でイオン交換された体積が異な
るために、基板に反りが生じるためである。したがっ
て、その影響を避けるために、前記ガラス基板の両面を
イオン交換処理したものである。なお、この具体例で
は、実施例1に示した基板保持治具を用いた。
【0027】このとき形成されるイオン交換層の厚み
は、約15μmであった。このときの反り量は、0〜3
0μm/(150×175mm対角)であった。一方、
図5に示した基板保持治具を用いた作製方法では、その
反り量は約100〜200μm/(150×175mm
対角)であり、本発明の有効性が確認された。
は、約15μmであった。このときの反り量は、0〜3
0μm/(150×175mm対角)であった。一方、
図5に示した基板保持治具を用いた作製方法では、その
反り量は約100〜200μm/(150×175mm
対角)であり、本発明の有効性が確認された。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、イオン交換時における
基板の反りを大幅に低減することができる。したがっ
て、平板マイクロレンズや光導波路の光学素子を作製す
る場合、基板の反りにより製品として使用できなること
を防ぐことができる。また、基板保持具から基板を取り
出す際に、基板が引っかかって基板を取り出せなかった
り、破損したりすることを防ぐことができる。厚みの薄
い基板を用いて平板マイクロレンズや光導波路の光学素
子を作製する場合には、特に有効である。
基板の反りを大幅に低減することができる。したがっ
て、平板マイクロレンズや光導波路の光学素子を作製す
る場合、基板の反りにより製品として使用できなること
を防ぐことができる。また、基板保持具から基板を取り
出す際に、基板が引っかかって基板を取り出せなかった
り、破損したりすることを防ぐことができる。厚みの薄
い基板を用いて平板マイクロレンズや光導波路の光学素
子を作製する場合には、特に有効である。
【0029】さらに、従来の作製方法によれば、小さな
基板でしか生産できなかったものが、大きな基板を用い
ることができ、一度の大量のイオン交換処理が可能とな
るので、生産性をより一層向上することができる。
基板でしか生産できなかったものが、大きな基板を用い
ることができ、一度の大量のイオン交換処理が可能とな
るので、生産性をより一層向上することができる。
【図1】本発明に用いるガラス基板保持治具の概略説明
図。
図。
【図2】本発明の光学素子の製造方法におけるガラス基
板の保持方法を説明するための図。
板の保持方法を説明するための図。
【図3】本発明に用いる別のガラス基板保持治具の概略
説明図。
説明図。
【図4】従来のイオン交換法による光学素子の製造方法
における、ガラス基板の保持状態を説明する概略図。
における、ガラス基板の保持状態を説明する概略図。
【図5】従来のイオン交換法による光学素子の製造方法
において、複数のガラス基板を保持する状態を説明する
概略図。
において、複数のガラス基板を保持する状態を説明する
概略図。
1 フレーム 2 ガラス基板 20 ガラス基板に設けられたマスク膜 21 ガラス基板に開けられた穴 31 保持棒 32 ガイドバー 33 ガラス基板保持用リング 34 ガラス基板保持用クリップ 35 スペーサー 4 イオン交換用溶融塩 5 容器
Claims (4)
- 【請求項1】イオン交換による光学素子の作製方法であ
って、前記光学素子用基板は1価のアルカリイオンを含
むガラス基板であり、前記イオン交換用溶融塩中に大略
垂直に保持されイオン交換処理され、かつ前記イオン交
換処理用の溶融塩の比重>ガラス基板の比重の場合にお
いて、前記ガラス基板を該基板の下端部側で保持し上端
部側では保持しないで、イオン交換処理することを特徴
とする光学素子の作製方法。 - 【請求項2】イオン交換による光学素子の作製方法であ
って、前記光学素子用基板は1価のアルカリイオンを含
むガラス基板であり、前記イオン交換用溶融塩中に大略
垂直に保持されイオン交換処理され、かつ前記イオン交
換処理用の溶融塩の比重<ガラス基板の比重の場合にお
いて、前記ガラス基板を該基板の上端部側で保持し下端
部側では保持しないで、イオン交換処理することを特徴
とする光学素子の作製方法。 - 【請求項3】請求項1ないし2に記載の光学素子の作製
方法において、前記ガラス基板の保持は、前記基板に設
けた穴に棒あるいはリングを通すことによって行う光学
素子の作製方法。 - 【請求項4】請求項1ないし2に記載の光学素子の作製
方法において、前記ガラス基板の保持は、前記基板を挟
み込む構造を有するクリップを介して行う光学素子の作
製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6123698A JPH07333405A (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 光学素子の作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6123698A JPH07333405A (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 光学素子の作製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07333405A true JPH07333405A (ja) | 1995-12-22 |
Family
ID=14867129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6123698A Pending JPH07333405A (ja) | 1994-06-06 | 1994-06-06 | 光学素子の作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07333405A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012153797A1 (ja) * | 2011-05-11 | 2012-11-15 | Hoya株式会社 | 電子機器用カバーガラスの製造方法および電子機器用カバーガラスのガラス基板保持具 |
-
1994
- 1994-06-06 JP JP6123698A patent/JPH07333405A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012153797A1 (ja) * | 2011-05-11 | 2012-11-15 | Hoya株式会社 | 電子機器用カバーガラスの製造方法および電子機器用カバーガラスのガラス基板保持具 |
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