JPH07327937A - 口腔内の表面弾性測定器具および表面弾性測定装置 - Google Patents

口腔内の表面弾性測定器具および表面弾性測定装置

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JPH07327937A
JPH07327937A JP15042794A JP15042794A JPH07327937A JP H07327937 A JPH07327937 A JP H07327937A JP 15042794 A JP15042794 A JP 15042794A JP 15042794 A JP15042794 A JP 15042794A JP H07327937 A JPH07327937 A JP H07327937A
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displacement
probe
elasticity
measuring instrument
oral cavity
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JP15042794A
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English (en)
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Mitsuo Amagasa
光雄 天笠
Hitoshi Sato
仁 佐藤
Shigeo Fujii
茂夫 藤井
Yasuo Hirayama
泰生 平山
Masaru Suzuki
勝 鈴木
Yasutsugu Yamada
泰嗣 山田
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Kitazato Supply KK
Original Assignee
Kitazato Supply KK
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Abstract

(57)【要約】 口腔内に挿入される部分を小型化でき、測定作業が容易
かつ測定部位も任意に選択でき、さらに、口腔内に挿入
される部分は、容易に離脱でき交換可能である口腔内の
弾性測定器具および弾性測定装置を提供する。 【目的】 弾性測定器具1は、口腔内挿入部2と本体部
3により構成されている。本体部2は、把持部5と、与
えられた荷重により変位する変位部6と、変位部の変位
を検知する検知部7とを備える。口腔内挿入部2は、検
査対象物に当接させるための当接部を有する探触子4
と、探触子4を本体部3に接続するための接続部8を備
える。探触子4と接続部8は、本体部より取り外すこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は検査対象物の粘弾性特性
を測定するための弾性測定器具および測定装置に関す
る。具体的には、口腔内(例えば、舌)の表面弾性を測
定するための表面弾性測定器具および測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】口腔粘膜の硬さを物理的に測定した報告
は、今までにはほとんどない。口腔粘膜病変の診断にお
いては、視診、触診は重要である。口腔疾患のある部位
では、特有の硬さを有すると推察されているがこれまで
にあまり明らかとなっていない。本発明者らが研究した
ところ、口腔内(例えば、舌)の表面弾性を測定するこ
とにより、舌表面の視診では発見できない表面層内部に
形成された腫瘍を発見することができることを知見し
た。しかし、口腔内の骨に直接裏打ちされていない部位
の弾性測定は容易なものではない。
【0003】生体(例えば、皮膚)の硬さを測定するた
めの装置としては、測定部分を吸引し吸引による皮膚の
変形量を光学的に測定する装置がある。また、口腔粘膜
の弾性測定に応用できる装置として、特開平5−149
859号公報に示すものがある。この装置では、口腔内
に挿入するピックアップは、空気圧作動のピストンシリ
ンダからなり、シリンダの内部にピストンロッドの軸方
向の変位量を検出する作動トランスを備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平5−149
859号公報に開示されている粘弾性測定装置では、装
置に用いられているピックアップが、口腔内に挿入可能
である。しかし、ピックアップは、上述したように、シ
リンダの内部にピストンロッドとトランスを備え、さら
に、シリンダには、コンプレッサと接続する空気流入口
および流出口があり、それらに接続されるチューブも必
要である。このため、ピックアップは十分に小型化でき
ず、操作性、作業性の点において問題があった。さら
に、小型化できないため、口腔内の測定可能な部位が限
定されるものであった。また、ピックアップの着脱も容
易ではなく、またその構造的に高価であり、かつ滅菌を
行うことも困難であり衛生面でも問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の目的
は、口腔内に挿入される部分をより小型化でき、測定作
業が容易かつ測定部位も任意に選択でき、さらに、口腔
内に挿入される部分を容易に離脱でき交換可能である口
腔内の弾性測定器具および弾性測定装置を提供するもの
である。
【0006】上記目的を達成するものは、検査対象物に
当接させるための当接部を有する探触子と、把持部と変
位可能部と該変位可能部の変位を検知する検知部とを有
する本体部と、前記探触子を該本体部に接続するための
接続部とを有し、前記探触子は前記接続部に対して交換
可能または前記探触子および前記接続部は、前記本体部
に対して交換可能である口腔内の表面弾性測定器具であ
る。
【0007】また、上記探触子または前記探触子および
前記接続部は、滅菌可能な材料により形成され、かつ、
内部に、電気的構造および機械的作動構造を持たないも
のでることが好ましい。さらに、前記探触子の当接部
は、先端が略半球状に形成された当接部と、該当接部の
先端より所定距離後端側に離間した位置に設けられ、前
記当接部の検査対象物表面への侵入距離を規制するため
の侵入規制部とを有していることが好ましい。また、前
記表面弾性測定器具は、該測定器具の前記探触子の当接
部を所定の深さ検査対象物表面に侵入するように検査対
象物表面に圧接させたときの前記変位部の変位を前記検
知部により検知し、該検知部により検知された前記変位
部の変位量に起因した検知信号を出力するものであるこ
とが好ましい。また、前記表面弾性測定器具は、前記当
接部が検査対象物表面に侵入し、かつ前記侵入規制部が
検査対象物表面に接触するまで前記探触子を検査対象物
表面に圧接させたときの前記変位部の変位を前記検知部
により検知し、該検知部により検知された前記変位部の
変位量に起因した検知信号を出力するものであることが
好ましい。また、上記目的を達成するものは、上述の口
腔内の表面弾性測定器具と、前記検知部より出力された
検知信号に基づき、検査対象物の表面弾性を演算する弾
性演算器具とからなる口腔内の表面弾性測定装置であ
る。
【0008】
【実施例】そこで、本発明の口腔内の表面弾性測定器具
および測定装置を図面に示した実施例を用いて説明す
る。図1は、本発明の口腔内弾性測定器具の一実施例の
正面図であり、図2は、図1に示した測定器具の平面図
であり、図3は、図1に示した測定器具の探触子の側面
図である。
【0009】弾性測定器具1は、口腔内挿入部2と本体
部3により構成されている。そして、本体部2は、把持
部5と、与えられる荷重もしくは応力により変位する変
位部6(変位可能部6)と、変位部の変位を検知する検
知部7とを備えている。また、口腔内挿入部2は、検査
対象物に当接させるための当接部4b(圧接部4b)を
有する探触子4と、探触子4を本体部3に接続するため
の接続部8を備えている。そして、探触子4と接続部8
は、本体部より取り外すことができるように構成されて
いる。具体的には、変位部6の接合部6aの先端面に雌
ネジが形成されており、接続部の後端には、この雌ネジ
と螺合する雄ネジが形成されている。
【0010】まず、最初に口腔内挿入部2について説明
する。口腔内挿入部2は、上記のように探触子4と接続
部8により構成されている。探触子4は、図1ないし図
3に示すような形状をしており、内部は、ムクあるいは
中空に形成されている。なお、探触子内部には、電気的
構造を形成する電気回路部品などは存在していない。さ
らに、探触子自体は、機械的作動構造も持っていない。
よって、使用時に唾液と接触しても、電気的および機械
的に作動する機構がないため、問題がない。また、使用
前および使用後に本体部より取り外し、洗浄および滅菌
することができる。探触子の形成材料としては、口腔内
粘膜に押圧(圧接)したときに、弾性および塑性変形が
実質的ない硬質材料であり、滅菌が可能な材料であるこ
とが好ましい。このような材料としては、種々の金属材
料(例えば、ステンレス、金、銀)、また、種々の硬質
合成樹脂(例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、
フッ素樹脂)などが使用できる。
【0011】そして、探触子4は、基部4aと、この基
部4aより上方にほぼ垂直に(接続部および変位部およ
び把持部の中心軸に対して直交する方向に)突出する当
接部4bを有している。そして、当接部4bは、先端が
略半球状に形成されている。そして、当接部4bの先端
より所定距離後端側に離間した位置に当接部4bの口腔
内粘膜への侵入距離を規制するための侵入規制部4dが
設けられ、さらに、基部4aと規制部4dとを接続する
支柱部4cを備えている。
【0012】このように、口腔粘膜を押圧する当接部4
bの先端部を略半球状に形成することにより、粘膜に損
傷を与えることおよび被験者に苦痛を与えることを防止
している。そして、当接部4bの直径は、2.0〜5.
0mmが好適であり、特に、2.0〜4.0mmである
ことが好ましく、より好ましくは、2.0〜3.0mm
である。このように当接部4bを細径のものとすること
により、小さな病変部位の発見が可能となる。さらに、
当接部4bの先端から規制部4dまでの距離Lは、1.
5〜4.5mmが好適であり、特に、2.05〜2.5
5mmであることが好ましい。この距離Lは、測定時の
口腔内粘膜変位量となり、上記範囲内であれば、変位量
はあまり大きくなく測定される弾性率の線形性への影響
を少なくできる。当接部4bの直径R1と当接部4bの
先端から規制部4dまでの距離Lとの比は、R1:L=
1:1〜4:5が好ましい。この範囲内であれば、使用
時に側方より視認したときに、当接部4bの先端から規
制部4dまでの側面形状がほぼ正方形となり、内膜に接
触させるための方向性の確認が容易となる。
【0013】また、規制部4dの形状は、粘膜当接側の
面の形状が平面状であることが好ましい。そして、平面
状としては、三角、四角、五角などの多角形状、円形状
などでもよいが、円形状が好適である。規制部4dが円
形状の場合には、その外径が2.2〜8.0mmが好適
であり、特に、2.3〜4.8mmであることが好まし
い。また、当接部4bの直径R1と規制部の直径R2と
の比は、R1:R2=1:1.2〜1:2が好ましい。
この範囲内であれば、規制部は大きすぎない円盤状とな
り、測定時(使用時)の方向性の視認に利用でき、平面
でない口腔内粘膜面に比較的に正確に圧接することがで
きる。また、支柱部の長さは、4.0〜8.0mmが好
適であり、特に、4.0〜6.0mmであることが好ま
しい。この範囲内であれば、狭小である口腔内での操作
性もよく、測定時に歯に邪魔されることもない。
【0014】接続部8は、この実施例では、探触子4に
対して取り外し可能となっている。具体的には、探触子
4の基部4aの後端面に雌ネジが形成されており、接続
部8の先端には、この雌ネジと螺合する雄ネジが形成さ
れており、両者は取り外し可能となっている。なお、こ
の実施例では、接続部8が本体部2(変位部)に対し
て、取り外し可能となっているので、接続部8は探触子
4と一体に形成してもよい。また、逆に、探触子4が接
続部8より取り外し可能とし、接続部8が本体部2(変
位部)に取り外し不可能に固定されたものとしてもい。
【0015】次に、本体部2について、説明する。本体
部2は、把持部5と、把持部5に与えられる荷重により
変位する変位部6と、変位部の変位を検知する検知部7
とを備えている。変位部6は、先端に接続部8との接続
するための接合部6aを有し、この接合部6aの先端面
に接続部8と螺合する雌ネジが形成されている。そし
て、この接合部6aと連続して平板状に形成された弾性
変形可能部6bを有している。そして、変位部6bの後
端は、把持部5に固定されている。これにより、弾性変
形可能部6bは、その後端である把持部5との固定部を
基端として片持ちバリの状態となり、把持部に加えられ
た荷重、言い換えれば、探触子を口腔粘膜に押圧した際
の応力により変形する。そして、変形可能部6bには、
変位部の変位、つまり、変形可能部6bの変形の度合い
を検知する検知部7が設けられている。検知部7は、変
位部の変位量(変形可能部の変形度)に対応した検知信
号(例えば、電圧値、電流値)を出力する。また、変形
可能部6bの平板状平面と上述した探触子4の支柱部4
cおよび当接部4bの中心軸はほぼ直交している。この
ため、探触子を口腔内粘膜に圧接したときの応力によ
り、変形可能部6bはねじれることがほとんどなく応力
に対応し変形を行う。
【0016】この実施例では、検知部7としてはひずみ
ゲージが用いられている。ここで使用されているひずみ
ゲージ7は、4つの抵抗体7a,7b,7c,7dを備
えるとともに、この4つの抵抗体によりホイストーンブ
リッジが形成されている。抵抗体は、金属箔により形成
されている。ひずみゲージにより構成されるホイストー
ンブリッジには、一定の入力電圧が与えられ、変形可能
部6bの変形により、抵抗体の抵抗値が変化することに
より、変形可能部の変形度に応じて出力電圧が変化し、
これに基づいて、後述する弾性演算器10により弾性が
演算される。なお、ここで使用されているひずみゲージ
は、単軸タイプであるが、多軸タイプ(例えば、直交型
ロゼットゲージ、等角型ロゼットゲージ)などでもよ
く、また、ゲージの抵抗体も金属箔でなく、金属線のも
のであってもよい。なお、ひずみゲージとしては、種々
のものがあり、上述したものに限られず、公知のものが
使用できる。例えば、抵抗体が半導体により形成された
半導体ひずみゲージであってもよい。
【0017】さらに、検知部7としては、ひずみゲージ
に限られず、変位部の変位を電気的に検知できればよ
く、例えば、圧力センサ(例えば、半導体型圧力セン
サ、ロードセル)であってもい。なお、検知部7として
は、0.01〜100.0gfの荷重を検知できるもの
が好適に使用される。そして、ひずみゲージのリード線
は、束ねられて1本のコード11となっており、その端
部には、コネクター12が取り付けられている。
【0018】そして、本発明の口腔内弾性測定器具1
は、図4に示すように、弾性演算器20に接続されるこ
とにより、口腔内表面弾性測定装置30を構成する。そ
こで、弾性演算器20について、説明する。弾性演算器
20は、図5に示すように、測定器具1のコネクター1
2の接続部21と、増幅回路22とピークホールド回路
23と、表示部24を備えた測定値指示器である。指示
器としては、例えば、デジタル指示計が使用できる。な
お、この指示器は、例えば、測定器具1を接続し、測定
器具1の探触子部分に任意の複数の荷重(例えば、20
g、50g)を負荷し、この時にひずみゲージより出力
され、ピークホールド回路により検出された複数の電圧
データに基づき、電圧−荷重相関直線(または、電圧−
荷重相関曲線)を算出する相関線算出機能25を持ち、
この電圧−荷重相関直線(または曲線)に基づき、ひず
みゲージより出力された電圧をもとに、荷重を算出し表
示する機能を有する。
【0019】また、弾性演算器20は、図6に示すもの
でもよい。この演算器20は、測定器具1のコネクター
12の接続部21を備え、内部には、増幅回路31、ピ
ークホールド回路32、A/Dコンバーター33、演算
部34、表示部35を備えている。また、演算部34
は、ROM35、RAM36、CPU37およびI/O
インターフェース38を備えたマイクロコンピュータに
より構成されている。そして、測定器具1の検知部7よ
り出力された電圧値は、増幅回路31により増幅された
後、ピークホールド回路により検出されたピーク値は、
演算部34に入力され、このピーク値を用いて、弾性を
演算部する。また、弾性の演算としては、演算部34
が、上記のような相関線算出機能を有し、この機能によ
り算出した荷重を弾性の指標として表示するものであっ
てもよい。また、演算部34の機能は、上記のものに限
られず、例えば、この算出された荷重より弾性を演算に
て算出するもの、さらには、相関線算出機能を持たず、
ピークホールド回路により検出されたピーク値より直接
弾性を演算するものでもよい。
【0020】また、演算部25では、測定値を記憶する
とともに、測定データ平均値(例えば、全測定値の平均
値、または、測定値の最大値および最小値を除いた集団
より算出した平均値)を逐次算出し、新たに測定された
値が、平均値より、例えば、130%以上(2.3倍)
大きいかまたは小さい場合には、そのことを知らせる警
報部31を有している。警報部31としては、ブザーま
たはランプ(例えば、発光ダイオード)が使用される。
つまり、本発明者等は、鋭意研究したところ、口腔内
(例えば、舌)において、健康と思われる部位に比べ、
病変部位では、弾性が低く、言い換えれば、硬くなって
いることを発見した。よって、上記のような警報部を設
けることにより、小さい病変部位の発見が可能となるも
のと考える。
【0021】次に、具体的実施例について説明する。 (実施例)図7に示すような寸法にて、本発明の弾性測
定器具を作成した。なお、図7における数値の単位はm
mであり、探触子は、ステンレス鋼で作成し、接続部
は、ステンレス鋼で作成した。また、ひずみゲージとし
ては、測定可能範囲が0.01〜100.0gfのもの
(総合計装株式会社製、商品番号TR2001K)を用
いた。なお、ひずみゲージは、4つの金属箔抵抗体を持
ち、それぞれの抵抗値は350Ωであった。そして、デ
ジタル指示計としては、ユニパルス株式会社製、F36
0Aを用いた。また、測定値の記録のため、指示計をA
/Dコンバーター(ADボード、コンテック株式会社
製、AD12−16TA98H)と接続し、A/Dコン
バーターをパーソナルコンピュータ(日本電機株式会社
製、PC9801NA)と接続した。これにより、本発
明の弾性測定装置を作成した。
【0022】[実験]上記の弾性測定装置を用いて以下
の実験を行った。 (実験1)硬度の異なる2種類の合成樹脂エラストマー
を用いて板状物(サンプル1、サンプル2)を作成し
た。このサンプル1およびサンプル2の弾性率を動的粘
弾性測定装置(理学株式会社製、商品名E−Plexo
r)を用いて測定した。なお、測定は、変位量を2m
m、測定速度を10mm/secにて行った。その結果
は、サンプル1では、1.40gfであり、サンプル2
では、4.59gfであった。そして、上記の実施例の
弾性測定装置を用いて、3名の検査者(A,B,C)に
より、サンプル1およびさ2の弾性を測定した。測定
は、各5回行った。測定結果は、表1に示すとおりであ
った。
【0023】
【表1】
【0024】(実験2)上記実施例の弾性測定装置を用
いて、健常者2名(X,Y)の舌の同一部分を、3名の
検査者(A,B,C)により各5回測定した。測定結果
は、表2に示す通りであった。
【0025】
【表2】 この実験1および2の結果より、本発明の実施例の弾性
測定装置を用いた測定値に、測定者による誤差はほとん
どないことがわかった。
【0026】(実験3)上記実施例の弾性測定装置を用
いて、舌癌20例の硬さ(弾性)測定を行った。病変部
と思われる部位での測定値は、17.35〜80.32
gfであり、症状、部位、患者などにより大きく数値は
相違した。また、病変部と思われる部位の周囲の健常と
思われる粘膜部位(コントロール)での測定値は、2.
39〜6.11gfであった。病変部位とコントロール
部位との測定値の比は、2.31〜16.29倍であ
り、いずれの症例においても、病変部位は、コントロー
ル部位に比べて、かなり硬いものであることがわかっ
た。
【0027】(実験4)上記実施例の弾性測定装置を用
いて、口底癌3例の硬さ(弾性)測定を行った。病変部
と思われる部位での測定値は、32.47〜75.88
gfであった。病変部と思われる部位の周囲の健常と思
われる粘膜部位(コントロール)での測定値は、5.0
7〜6.34gfであった。病変部位とコントロール部
位との測定値の比は、5.12〜14.96倍であり、
いずれの症例においても、病変部位は、コントロール部
位に比べて、かなり硬いものであることがわかった。
【0028】本発明の口腔内の弾性測定器具は、検査対
象物に当接させるための当接部を有する探触子と、与え
られる荷重により変位する変位部と該変位部の変位を検
知する検知部と把持部を有する本体部と、該探触子を前
記本体部に接続するための接続部とを有し、前記探触子
は前記接続部に対して交換可能または前記探触子および
前記接続部は、前記本体部に対して交換可能である。
【0029】このため、口腔内に挿入される部分をより
小型化でき、測定作業が容易かつ測定部位も任意に選択
できる。さらに、口腔内に挿入される部分は、容易に離
脱でき交換可能であり、かつ滅菌して再利用すること、
また、使い捨てとすることができ、衛生的である。さら
に、検知部は、口腔内に挿入される探触子より十分に離
間させることができるので、検知部が唾液に接触して誤
作動することもなく、確実かつ安定的に弾性度を測定で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の口腔内の表面弾性測定器具の
一実施例の正面図である。
【図2】図2は、図1に示した測定器具の平面図であ
る。
【図3】図3は、図1に示した測定器具の探触子の側面
図である。
【図4】図4は、本発明の口腔内表面弾性測定装置の概
略図である。
【図5】図5は、本発明の弾性測定装置に使用される演
算器の一例を示すブロック図である。
【図6】図6は、本発明の弾性測定装置に使用される演
算器の他の例を示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明の口腔内弾性測定器具の具体的
実施例の寸法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 口腔内の表面弾性測定器具 2 口腔内挿入部 3 本体部 4 探触子 4a 基部 4b 当接部 4c 支柱部 4d 侵入規制部 5 把持部 6 変位部 6a 接合部 7 検知部 7a,7b,7c,7d 抵抗体 8 接続部 20 弾性演算器 12 コネクター 21 接続部 22 増幅回路 23 ピークホールド回路 24 表示部 30 口腔内表面弾性測定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 勝 神奈川県横須賀市小矢部3−1293 (72)発明者 山田 泰嗣 静岡県富士宮市舟久保町12番地の6 株式 会社北里サプライ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象物に当接させるための当接部を
    有する探触子と、把持部と変位部と該変位部の変位を検
    知する検知部とを有する本体部と、前記探触子を該本体
    部に接続するための接続部とを有し、前記探触子は前記
    接続部に対して交換可能または前記探触子および前記接
    続部は前記本体部に対して交換可能であることを特徴と
    する口腔内の表面弾性測定器具。
  2. 【請求項2】 前記探触子の当接部は、先端が略半球状
    に形成された当接部と、該当接部の先端より所定距離後
    端側に離間した位置に設けられ、前記当接部の検査対象
    物表面への侵入距離を規制するための侵入規制部とを有
    している請求項1に記載の口腔内の表面弾性測定器具。
  3. 【請求項3】 前記探触子または前記探触子および前記
    接続部は、滅菌可能な材料により形成されている請求項
    1または2に記載の口腔内の表面弾性測定器具。
  4. 【請求項4】 前記表面弾性測定器具は、該測定器具の
    前記探触子の当接部を所定の深さ検査対象物表面に侵入
    するように検査対象物表面に圧接させたときの前記変位
    部の変位を前記検知部により検知し、該検知部により検
    知された前記変位部の変位量に起因した検知信号を出力
    するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の口
    腔内の表面弾性測定器具。
  5. 【請求項5】 前記表面弾性測定器具は、前記当接部が
    検査対象物表面に侵入し、かつ前記侵入規制部が検査対
    象物表面に接触するまで前記探触子を検査対象物表面に
    圧接させたときの前記変位部の変位を前記検知部により
    検知し、該検知部により検知された前記変位部の変位量
    に起因した検知信号を出力するものである請求項2に記
    載の口腔内の表面弾性測定器具。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかの口腔内の
    表面弾性測定器具と、前記検知部より出力された検知信
    号に基づき、検査対象物の表面弾性を演算する弾性演算
    器具とからなることを特徴とする口腔内の表面弾性測定
    装置。
JP15042794A 1994-06-07 1994-06-07 口腔内の表面弾性測定器具および表面弾性測定装置 Pending JPH07327937A (ja)

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