JPH0732659B2 - 釣用自動合わせ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は魚が餌に食い付いて下方へ引いた瞬間に之に合
わせて鉤素が自動的に勢い良く引かれる様にした釣用自
動合わせ装置に関するものである。

［従来の技術及び本発明が解決しようとする課題］ 釣りの技術の巧拙が釣果に影響することは言うまでもな
いことで、之を判断する要点の一つにいわゆる合わせと
いう技術があるが、あたりを感じたときにそれに合わせ
て竿を立てるということは、一口に言えば簡単であるけ
れども、あたりを察知することは感覚的なことである
し、その瞬間にタイミング良く竿を立てるにも優れた反
射神経が要求されるものであるから、之を完全に会得す
るには、やはり理屈ではなく、経験を積んでゆく過程で
体得する以外に方法はない様に思われるのである。

しかし、そうは言うものの、合わせの技術が尚十分でな
い初心者であっても、当初から大きな釣果を期待してい
るものであるし、又、釣りを業として行う場合には、魚
を釣り上げるときの妙味をあじわう娯楽としての釣りと
は観点が全く異なり、要は如何にして確実に魚を釣り上
げるかということが重要視されるものである。

本発明は上記に鑑み、魚が食い付いたとき之に合わせて
鉤素が自動的に引かれて鉤が魚体に完全に食い込み、合
わせ技術を十分に会得していない初心者であっても魚を
確実に釣り上げることが出来る様にすることを目的とす
るものである。

［課題を解決する為の手段］ 本発明は上記目的を達成する為、上下両端を蓋体（２）
（２′）で閉塞した浮筒（１）の下端外周に重錘（３）
を取付け、内部は画壁（４）により上下二室（Ａ）
（Ｂ）に区画し、その上室（Ａ）には画壁（４）上に設
けたスプリング（７）に支持させて、上面に緩衝スプリ
ング（８）を設けた弾駒（９）を嵌合し、この弾駒
（９）の側面に設けた止孔（12）に対応させて浮筒
（１）の側壁にロックピン（13）を設け、このロックピ
ン（13）を、浮筒（１）の中心を貫通する主軸（15）に
挿通した作動環（16）にリンク（ａ）（ｂ）（ｃ）
（ｄ）（ｅ）により連結し、該主軸（15）には、上記緩
衝スプリング（８）に対応させて受板（18）を、前記作
動環（16）に対応させて接触子（19）を固定し、更に作
動環（16）の下側に調整浮子（20）を固定し、この調整
浮子（20）に対応させて浮筒（１）の側壁に浮子ストッ
パー（21）を起伏自在に取付け、上記主軸の上端に道糸
の先端を、下端に鉤素の根部側を結び付けて釣りを行う
ものである。

［作用］ 本発明に係る釣用自動合わせ装置は上記の様に構成され
ているから、之を使用して釣りを行う場合は、主軸（1
5）の上端に道糸（25）の先端を、下端に鉤素（26）の
根部側を結び付けると共に弾駒（９）を下方へスライド
させてその側面に設けた止孔（12）にロックピン（13）
を差し込んだ状態で本装置を水面に投げ込めば、浮筒
（１）はその上部を水面から突出させて垂直にバランス
を保つと共に浮子ストッパー（21）が浮力により立ち上
がり、主軸（15）は下方へ自由にスライドし得る状態と
なるから、このとき図面第２図に示す様に魚が餌に食い
付いて下方へ引くと、主軸（15）が下方へスライドして
この主軸（15）に固定した接触子（19）により作動環
（16）が下げられ、之とリンク（ａ）（ｂ）（ｃ）
（ｄ）（ｅ）を介して連結したロックピン（13）が後退
して止孔（12）から外れるので、図面第３図に示す様に
弾駒（９）は圧縮されたスプリング（７）の復元力によ
り上方へ跳ね上がり、之と同時にこの弾駒（９）の上面
に設けた緩衝スプリング（８）により受板（18）が押し
上げられて主軸（15）が勢い良く上方へスライドするの
で、鉤素（26）は瞬間的に勢い良く引っぱられて鉤が魚
体に完全に食い込み、いわゆる合わせが自動的に確実に
行われるものである。

［実施例］ 本発明の実施例を図面に付き説明すれば下記の通りであ
る。

図中（１）は上下両端を蓋体（２）（２′）で閉塞した
木製或いはプラスチック製の浮筒で、その下端外周に鉛
製の重錘（３）を囲繞させて固定し、内部は画壁（４）
により上下二室（Ａ）（Ｂ）に区画してある。前記画壁
（４）には、その中心に、後記する接触子が通過し得る
程度の孔（５）を設け、この孔（５）を形成する円筒状
の上部突出部（６）の外周に嵌着したスプリング（７）
に支持させて、上面に緩衝スプリング（８）を固定した
弾駒（９）を上記上室（Ａ）に嵌合してある。この弾駒
（９）は、上下方向の中心部の辺りから下端に及ぶに従
って次第に細く形成し、一側面には摘まみ（10）を突設
し、之を、浮筒（１）の側壁に縦に細長く設けた長孔
（11）から突出させ、この摘まみ（10）により弾駒
（９）を上下方向へスライド操作させ得る様にし、又、
他側面には止孔（12）を設けてある。

（13）は前記止孔（12）に対応させて浮筒（１）の側壁
に設けたロックピンで、その内端が浮筒（１）の内部に
突出して止孔（12）に嵌合する様にスプリング（14）で
加圧し、又、外端を浮筒（１）の中心を貫通する主軸
（15）に上記下室（Ｂ）内に於て挿通した作動環（16）
にリンク（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）（ｅ）により連結し
てある。前記リンク（ａ）は、上端をロックピン（13）
の外端に連結し、中間部を浮筒（１）の側壁に突設した
支軸（17）に支持させて浮筒（１）と略々並行に下方へ
延長し、その下端に水平状態リンク（ｂ）を連結し、そ
の端部を、角部を浮筒（１）の側壁に枢着した鉤型リン
ク（ｃ）の立ち上がり側端部に連結し、更にリンク
（ｃ）の他側端部垂直上にリンク（ｄ）を連結し、その
上端を、中間部を浮筒（１）の側壁に枢着して浮筒
（１）の内外に亘って水平に設けたリンク（ｅ）の外端
に連結し、このリンク（ｅ）の内端を作動環（16）に連
結してあり、作動環（16）が図面第１図及び第２図に示
す位置にある状態から下方へ移動するときは、図面第３
図に示す様に之等リンク（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）
（ｅ）によりロックピン（13）が後退して止孔（12）か
ら外れるものである。つまりリンク（ａ）（ｂ）（ｃ）
（ｄ）（ｅ）は作動環（16）とロックピン（13）とを上
記の様に連動させる作用を為すもので、この趣旨に添う
ものである限り、上記構成と異なるリンク或いは他の手
段を採用しても無論構わない。

（18）は上記緩衝スプリング（８）に対応させて之より
上方になる様に主軸（15）に固定した受板で、（19）は
上記作動環（16）に対応させて之より上方になる様に主
軸（15）に固定した接触子であり、図面第１図に示す状
態に於て受板（18）と緩衝スプリング（８）との間隔
と、接触子（19）と作動環（16）との間隔とが略々等し
くなる様に設定してある。

（20）は作動環（16）の下側になる様に主軸（15）に固
定した調整浮子、（21）は調整浮子（20）に対応させて
浮筒（１）の側壁に起伏自在に取付けた浮子ストッパー
で、この浮子ストッパーは浮子体（22）とその下側に重
ねた重錘体（23）とからなり、通常は重心の偏りにより
浮筒（１）内に倒れた状態にあるが、水中に没するとき
は浮子体（22）の浮力により立ち上がって浮筒（１）の
側壁に設けた孔（24）から浮筒（１）外へ出る様にした
もので、誤って主軸（15）が下方へスライドした場合に
この浮子ストッパー（21）に調整浮子（20）が当たって
主軸（15）のスライドが停止する様にし、之により本装
置が水面上に投げ込まれて安定する迄の間に於ける装置
の誤動作を防止せんとするものである。

尚、（25）は道糸、（26）は鉤素である。

［発明の効果］ 本発明は上記の様に魚が餌に食い付いて下方へ引くと、
浮筒に嵌合した弾駒の止孔に差し込まれたロックピンが
外れ、圧縮されたスプリングの復元力により該弾駒が上
方へ跳ね上げられ、之と同時に浮筒の中心を貫通する主
軸が勢い良く上方へスライドし、之により主軸の下端に
結び付けた鉤素が瞬間的に勢い良く引っぱられて鉤が魚
体に完全に食い込む様にしたから、合わせ技術を十分に
会得していない初心者であっても魚を確実に釣り上げる
ことが出来ると共に釣りを業として行う場合にも微妙な
竿の操作を要することなく容易に然も確実に魚を釣り上
げることが出来るから、当業界に大きな貢献を為し得る
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る装置の中央縦断面図。 第２図及び第３図は本発明に係る装置の使用状態を示す
中央縦断面図である。 図中 （１）は浮筒。 （２）（２′）は蓋体。 （３）重錘。 （４）は画壁。 （７）はスプリング。 （８）は緩衝スプリング。 （９）は弾駒。 （12）は止孔 （13）はロックピン。 （15）は主軸。 （16）は作動環。 （18）は受板。 （19）は接触子。 （20）は調整浮子。 （21）は浮子ストッパー。 （Ａ）は上室。 （Ｂ）は下室。 （ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）（ｅ）はリンク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上下両端を蓋体で閉塞した浮筒の下端外周
   に重錘を取付け、内部は画壁により上下二室に区画し、
   その上室には画壁上に設けたスプリングに支持させて、
   上面に緩衝スプリングを設けた弾駒を嵌合し、この弾駒
   の側面に設けた止孔に対応させて浮筒の側壁にロックピ
   ンを設け、このロックピンを、浮筒の中心を貫通する主
   軸に挿通した作動環にリンクにより連結し、該主軸に
   は、上記緩衝スプリングに対応させて受板を、前記作動
   環に対応させて接触子を固定し、更に作動環の下側に調
   整浮子を固定し、この調整浮子に対応させて浮筒の側壁
   に浮子ストッパーを起伏自在に取付けてなる釣用自動合
   わせ装置。