JPH07321543A - マイクロ波受信用アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 放射パターンを設けたパッチ基板と、アンテ
ナとしての周波数帯域特性を広帯域化するためのスペー
サを一体化して、組み立てやすくして組立の手間を省く
と共に、アンテナの特性をばらつかないように安定化さ
せる。 【構成】 合成樹脂製のスペーサ１中にパッチアンテナ
素子３を形成したパッチ基板２をインサート成形し、ス
ペーサ１とパッチ基板２を一体化して、一端をホーン形
状の開口部６とした円筒部５の中心部に配置し、円筒部
５の他端をスロット９を設けた誘電体板７で閉塞し、誘
電体板７の上面を地導体面８とし、裏面に給電回路パタ
ーン１０を設けて、給電回路パターン１０をスロット９
の長手方向と直交する向きに配置して構成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パッチアンテナ素子を
用いたマイクロ波受信用アンテナに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のパッチアンテナ素子を用いたマイ
クロ波受信用アンテナは、図４に示すように、円筒部５
の一端を電波を効率良く導入できるようにホーン形状の
開口部６とし、他端を給電回路パターン１０を設けた誘
電体板７で閉塞し、給電回路パターン１０を設けた上部
に位置するようにして、誘電体板７にスペーサ３０を積
層し、さらにスペーサ３０の上にパッチアンテナ素子を
形成したパッチ基板３１を積層していた。パッチアンテ
ナ素子は、パッチ基板３１の上部及び下部に同一形状の
放射パターン３２を設けて構成し、放射パターン３２と
給電回路パターン１０とはスペーサ３０を介して電磁結
合させることができるようにし、放射パターン３２でマ
イクロ波を受信し、給電回路パターン１０を介して受信
信号を取り出すようにしていた。スペーサ３０は放射パ
ターン３２と給電回路パターン１０間のスペースを維持
して、アンテナとしての周波数帯域特性を広帯域化する
ために用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、放射パター
ン３２を設けたパッチ基板３１とスペーサ３０は別々に
独立したものを組み合わせて接着材等を使用して固定す
るようにしているため、組立に手間がかかり、また、パ
ッチ基板３１あるいはスペーサ３０の形状誤差、又は組
立のばらつき等により、パッチ基板３１とスペーサ３０
間に隙間が生じたり、また隙間が不均一になるため、ア
ンテナとしての特性がばらつくといった問題点があっ
た。本発明は、放射パターンを設けたパッチ基板と、ア
ンテナとしての周波数帯域特性を広帯域化するためのス
ペーサを一体化して、組み立てやすくして組立の手間を
省くと共に、アンテナの特性をばらつかないように安定
化させることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本願第１の発明のマイク
ロ波受信用アンテナは、パッチアンテナ素子を用いたマ
イクロ波受信用アンテナにおいて、合成樹脂製のスペー
サ中にインサート成形され一体化されたパッチアンテナ
素子を、誘電体板に設けた給電回路上に載置してなるこ
とを特徴とする。本願第２の発明のマイクロ波受信用ア
ンテナは、一端をホーン形状とした円筒と、この円筒の
中心部に配置された、合成樹脂製のスペーサ中にインサ
ート成形され一体化されたパッチアンテナ素子と、前記
円筒の他端を閉塞したマイクロストリップスロットアン
テナを設けた誘電体板とからなることを特徴とする。

【０００５】本願第３の発明のマイクロ波受信用アンテ
ナは、前記合成樹脂製のスペーサ中にインサート成形さ
れ一体化されたパッチアンテナ素子が基板の上部及び下
部に設けられた同一形状の放射パターンからなり、前記
誘電体板に載置される側のスペーサの厚さを所定厚さと
して、アンテナを広帯域化することを特徴とする。本願
第４の発明のマイクロ波受信用アンテナは、平板の表面
に設けられたホーン形状の傾斜面を有する複数の開口部
と、これらの開口部の中心部に各々配置された合成樹脂
製のスペーサ中にインサート成形され一体化されたパッ
チアンテナ素子と、前記平板の裏面に設けられ、前記開
口の各々をマイクロストリップスロットアンテナを設け
た誘電体板で閉塞し、マイクロストリップラインで前記
各パッチアンテナ素子からの受信信号を同相で合成して
受信信号を取り出すことを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明は上記したように、合成樹脂製のスペー
サ中にパッチアンテナ素子を設けたパッチ基板をインサ
ート成形し、スペーサとパッチアンテナ素子を設けたパ
ッチ基板とを一体化して成形するようにしており、従っ
て、スペーサとパッチ基板を個々に合わせて組み立てる
といった作業が不要となり、組立の手間を省くと共に組
立にばらつきが生じないようにしているため、アンテナ
の特性を安定化させることができる。

【０００７】

【実施例】図１は、本発明のマイクロ波受信用アンテナ
の第１の実施例を示す構成図である。図中、図４で示し
たものと同一のものは同一の符号で示している。図１
（Ａ）に示すように、合成樹脂製のスペーサ１中にパッ
チアンテナ素子３を形成したパッチ基板２をインサート
成形し、スペーサ１とパッチ基板２を一体化し、給電回
路パターン１０を設けた誘電体板７上に配置している。
スペーサ１として使用する合成樹脂材料は低い誘電率の
ものを使用し、この合成樹脂材料とパッチ基板２を同時
に金型に入れて成形し、スペーサ１とパッチ基板２を一
体化する。

【０００８】図１（Ｂ）はスペーサ１の断面図であり、
パッチ基板２として誘電体板を使用し、この誘電体板の
導体を用いて上部と下部に同一形状の放射パターンを形
成してパッチアンテナ素子３及び４とし、パッチアンテ
ナ素子４の下部を所定の厚さになるように形成し、この
部分でパッチアンテナ素子４と給電回路パターン１０間
の距離を維持して、アンテナとしての周波数帯域特性を
広帯域化している。パッチアンテナ素子４と給電回路パ
ターン１０間の距離は離し過ぎると、給電回路パターン
１０でパッチアンテナ素子４を励振することができなく
なり、近づき過ぎると周波数帯域特性が狭くなるためパ
ッチアンテナ素子４の下部の厚さは調整して決定する。

【０００９】円筒部５の一端をホーン形状の開口部６と
し、円筒部５の他端をマイクロストリップスロットアン
テナを設けた誘電体板７で閉塞し、スペーサ１を円筒部
５の中心になるようにして誘電体板７上に積層してい
る。マイクロストリップスロットアンテナは誘電体板７
の表面を地導体面８とし、地導体面８に略長方形形状の
スロット９を設け、裏面に給電回路パターン１０をスロ
ット９の長手方向と中央部で直交する向きに配置して構
成している。スロット９の上部にパッチアンテナ素子３
が位置するようにし、給電回路パターン１０でスロット
９を介してパッチアンテナ素子３を励振した場合、所望
の円偏波あるいは直線偏波がパッチアンテナ素子３から
放射できるように、パッチアンテナ素子３の形状及びパ
ッチアンテナ素子３とスロット９の相互間の配置は選択
して決定する。

【００１０】スペーサ１を円板状に形成し、この円板の
直径を円筒部５の直径にほぼ等しくすれば、スペーサ１
を円筒部５に嵌め込んでスペーサ１を固定することがで
き、接着材で固定するといった手間を省くことが可能と
なる。パッチ基板２は硬度があり、通常は金型で抜いて
外形を形成しているため複雑な形状にすることはできな
いが、合成樹脂製のスペーサ１にインサート成形してい
るため、例えば、スペーサ１の外周部に係合手段、小さ
な突起部等を設ければ、円筒部５に嵌め込みにより充分
固定することが可能となり、接着剤で固定するといった
手間を省くことができる。また、パッチ基板２を削除し
て、金属板で単独に形成したパッチアンテナ素子をスペ
ーサ１中にインサート成形するようにしても良い。

【００１１】図２は、図１のパッチ基板の形状例を示す
説明図である。図２（Ａ）に示すように、パッチ基板１
２は例えば円形形状のものを使用し、周囲に位置決め用
の支持部１５〜１８を設けて、スペーサ１１として使用
する合成樹脂材料とパッチ基板１２とを同時に金型に入
れ、スペーサ１１の外形の中心部に各々パッチアンテナ
素子１３及び１４が位置し、図２（Ｂ）に示すように、
パッチアンテナ素子１４の下部の厚さが所定厚さとなる
ように、支持部１５〜１８を支持し、スペーサ１１の外
形も円形形状とし、スペーサ１１とパッチ基板１２とを
成形して一体化する。成形後はスペーサ１１の外形から
突き出ている支持部１５〜１８の部分を切り落として全
体を円形形状とする。支持部１５〜１８の数は必要に応
じて増減させて成形するようにしても良いし、またパッ
チ基板１２の位置決めを他の方法で行うようにしても良
い。

【００１２】図３は、本発明のマイクロ波受信用アンテ
ナの第２の実施例を示す構成図である。図３（Ａ）に示
すように、平板状の筐体２１の表面にホーン形状の傾斜
面２３（Ａ〜Ｄ）等を有する複数の開口部２２（Ａ〜
Ｄ）等を設け、開口部２２（Ａ〜Ｄ）等で効率よく電波
を導入できるようにし、パッチアンテナ素子（図示せ
ず）を内部にインサート成形し、一体化された合成樹脂
製のスペーサ１（Ａ〜Ｄ）を開口部２２（Ａ〜Ｄ）等の
中心部に各々配置して平面アンテナを構成するようにし
ている。図３（Ｂ）は開口部２２を部分拡大した断面図
であり、平板状の筐体２１の下部にはスロット２７を設
けた誘電体板２４で各々の開口部２２を閉塞し、誘電体
板２４の上部を地導体面２６としてスロット２７でスロ
ットアンテナを構成し、、誘電体板２４の下部に給電回
路パターン２５を配置してマイクロストリップラインを
形成し、各スペーサ１の内部のパッチアンテナ素子で受
信した信号を給電回路パターン２５で取り出して同相で
合成して受信信号として出力するようにしている。前記
実施例と同様に、給電回路パターン２５でスロット２７
を介してパッチアンテナ素子を励振した場合、所望の円
偏波あるいは直線偏波がパッチアンテナ素子から放射で
きるように、パッチアンテナ素子の形状及びパッチアン
テナ素子とスロット２７の相互間の配置は選択して決定
する。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
パッチアンテナ素子を設けたパッチ基板と、アンテナと
しての周波数帯域特性を広帯域化するためのスペーサを
一体化するようにしており、従って、スペーサとパッチ
基板を個々に合わせて組み立てるといった作業が不要と
なり、組立の手間を省くと共に組立にばらつきが生じな
いようにしているため、アンテナの特性を安定化させる
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のマイクロ波受信用アンテナの第１の実
施例を示す構成図である。

【図２】図１のパッチ基板の形状例を示す説明図であ
る。

【図３】本発明のマイクロ波受信用アンテナの第２の実
施例を示す構成図である。

【図４】従来のマイクロ波受信用アンテナの構成図であ
る。

【符号の説明】

１ スペーサ ２ パッチ基板 ３ パッチアンテナ素子 ４ パッチアンテナ素子 ５ 円筒部 ６ 開口部 ７ 誘電体板 ８ 地導体面 ９ スロット １０ 給電回路パターン １１ スペーサ １２ パッチ基板 １３ パッチアンテナ素子 １４ パッチアンテナ素子 １５ 支持部 １６ 支持部 １７ 支持部 １８ 支持部 ２１ 筐体 ２２ 開口部 ２３ 傾斜面 ２４ 誘電体板 ２５ 給電回路パターン ２６ 地導体面 ２７ スロット

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パッチアンテナ素子を用いたマイクロ波
   受信用アンテナにおいて、合成樹脂製のスペーサ中にイ
   ンサート成形され一体化されたパッチアンテナ素子を、
   給電回路を設けた誘電体板上に載置してなることを特徴
   とするマイクロ波受信用アンテナ。
2. 【請求項２】 一端をホーン形状とした円筒部と、この
   円筒部の中心部に配置された、合成樹脂製のスペーサ中
   にインサート成形され一体化されたパッチアンテナ素子
   と、前記円筒部の他端を閉塞したマイクロストリップス
   ロットアンテナを設けた誘電体板とからなることを特徴
   とするマイクロ波受信用アンテナ。
3. 【請求項３】 前記合成樹脂製のスペーサ中にインサー
   ト成形され一体化されたパッチアンテナ素子が基板の上
   部及び下部に設けられた同一形状の放射パターンからな
   り、前記誘電体板に載置される側のスペーサの厚さを所
   定厚さとして、アンテナを広帯域化することを特徴とす
   る請求項１又は請求項２記載のマイクロ波受信用アンテ
   ナ。
4. 【請求項４】 平板の表面に設けられたホーン形状の傾
   斜面を有する複数の開口部と、これらの開口部の中心部
   に各々配置された合成樹脂製のスペーサ中にインサート
   成形され一体化されたパッチアンテナ素子と、前記平板
   の裏面に設けられ、前記開口の各々をマイクロストリッ
   プスロットアンテナを設けた誘電体板で閉塞し、マイク
   ロストリップラインで前記各パッチアンテナ素子からの
   受信信号を同相で合成して受信信号を取り出すことを特
   徴とする請求項１又は請求項３記載のマイクロ波受信用
   アンテナ。