JPH0732122A - 差圧鋳造方法および差圧鋳造装置 - Google Patents

差圧鋳造方法および差圧鋳造装置

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JPH0732122A
JPH0732122A JP20104393A JP20104393A JPH0732122A JP H0732122 A JPH0732122 A JP H0732122A JP 20104393 A JP20104393 A JP 20104393A JP 20104393 A JP20104393 A JP 20104393A JP H0732122 A JPH0732122 A JP H0732122A
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furnace
molten metal
pressure
furnace chamber
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JP20104393A
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Yasushi Iwata
靖 岩田
Hiroaki Iwabori
弘昭 岩堀
Yoji Awano
洋司 粟野
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Toyota Central R&D Labs Inc
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄肉部品や複雑形状の部品でも、ガス欠陥や
引け巣がない良質の鋳造品を作製することができる差圧
鋳造方法および差圧鋳造装置を提供する。 【構成】 溶湯が入った溶解炉または保持炉を収容した
炉チャンバと,該溶解炉または保持炉と連通しかつ通気
部を有する鋳型とをそれぞれ密閉してその内部を減圧
し、その後炉チャンバまたは鋳型の少なくとも何れか一
方の内部の減圧度を変えて炉チャンバ内部と鋳型内部と
の間に適当な圧力差を生じさせ、該圧力差により前記溶
解炉または保持炉内の溶湯を吸引して前記鋳型内に充填
し、その後鋳型内の溶湯を加圧し鋳造することを特徴と
する差圧鋳造方法および既方法において用いるのに好適
な差圧鋳造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、差圧鋳造方法および差
圧鋳造装置に関し、さらに詳しくは、特に薄肉鋳物の作
製に適した差圧鋳造方法および差圧鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】差圧を利用した精密な鋳造品を作製する
鋳造方法としては、セラミック鋳型を使用するCLA(C
ounter gravity Low pressure casting of Air melted
alloys)法やCLV(Counter gravity Low pressure ca
sting of Vaccum melted alloys )法といわれる鋳造方
法が開発され(例えば、特公昭52-38924号公報)、実用
に供されている。この鋳造方法により、ブローホールな
どの欠陥が少なく低圧鋳造法に比べて高品質な薄肉鋳物
を容易に、歩留り良く作製することができるとしてい
る。しかしながら、この鋳造方法は、鋳型内部を減圧し
て溶湯を吸引するために、溶湯中のガスが膨張し、該ガ
スが鋳物内に取り残されるという問題を有している。
【0003】そこで、この従来技術の問題を解決する方
法として、炉チャンバと鋳型チャンバとをそれぞれ密閉
して内部を減圧し、その後炉チャンバ内部の減圧度を低
下させて両チャンバ内部間に圧力差を生じさせ、該圧力
差により溶湯を吸引して鋳型内に溶湯を充填し鋳造する
鋳造方法および鋳造装置(特開昭61-95760号公報)が提
案されている。この鋳造方法により、溶湯の吸引、充填
前に、炉全体を減圧下で溶湯の脱ガス処理を行うことが
でき、ガス欠陥がない鋳造品を作製することができると
している。また、両チャンバ内部間の差圧、すなわち溶
湯の吸引充填速度を自由に調節することができ、鋳造の
作業性が向上できる。さらに、鋳型内部を減圧するた
め、溶湯の充填時に背圧が吸引された溶湯に加わらない
ので、高い圧力差により吸引鋳造することができ、湯廻
りが極めて良好となり、薄肉品を容易に製造することが
できるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
開昭61-95760号の鋳造方法は、鋳造終了時の加圧が炉チ
ャンバを通してのみしか行えないため、溶湯補給路に薄
肉部がある場合、溶湯補給路が他の製品部分より早く凝
固終了し、溶湯圧力が製品各部に伝わらず、製品各部に
凝固収縮による引け巣欠陥が発生するという問題を有し
ている。特に、複雑形状を有する製品には引け巣欠陥が
多発することとなる。また、溶湯温度を固体と液体の共
存領域まで低下させて鋳造を行ったとき、デンドライト
ネットワークを形成した固相が炉中に残存し、液相のみ
が鋳型内に充填し目的とした合金組成の鋳物を作製する
ことが困難であるという問題を有している。さらに、鋳
型チャンバを通して鋳型を減圧するために、鋳型内各部
の減圧度が一定となる。そのため、薄肉部に比べて厚肉
部を溶湯が充填する時間が遅くなり、厚肉部先端の溶湯
温度低下が進み、湯回り不良、表面欠陥が多発するとい
う問題を有している。
【0005】そこで、本発明者らは、上述の如き従来技
術の問題点を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験
を重ねた結果、本発明を成すに至ったものである。
【0006】(発明の目的)本発明の目的は、薄肉部品
や複雑形状の部品でも、ガス欠陥や引け巣がない良質の
鋳造品を作製することができる差圧鋳造方法および差圧
鋳造装置を提供するにある。
【0007】本発明者らは、上述の従来技術の問題に対
して、以下のことに着眼した。すなわち、厚肉部に発生
する引け巣を防止するためには、厚肉部を凝固終了まで
有効に加圧する必要がある。油圧により機械的に加圧を
する場合、加圧時に加圧プランジャ部に接した部位で凝
固が急激に進む。このため、晶出した固相が加圧プラン
ジャにより塑性変形し、異常相となり、機械的強度が低
下する。さらに、凝固した部位が加圧プランジャを拘束
し凝固終了まで有効に加圧できないことがしばしば生じ
る。ところが、従来のように、鋳型が炉チャンバに囲ま
れていると機械的な加圧機構しか設置できない。そこ
で、ガスを用いて加圧を行うことに着目し、ガスを用い
た加圧を実現することにより、加圧部で急激に凝固が進
むことがなく、少量の固相が晶出しても液相を優先して
加圧することができ、塑性変形による異常相の晶出がな
く、凝固終了まで有効に加圧できる。
【0008】また、溶湯は炉チャンバと鋳型内の圧力差
で充填するため、厚肉部の充填を早くするためには、従
来のような鋳型チャンバを通して減圧する場合は不可能
であるが、薄肉部に比べて厚肉部の減圧度を大きくすれ
ばよい。炉チャンバの圧力は一定のため、溶湯は減圧度
の大きい厚肉部に優先して充填することができる。
【0009】さらに、溶解炉、保持炉内の溶湯中の固相
と液相を同時に鋳型内に充填するためには、成長したデ
ンドライトを破壊し、液相と固相を混合状態とする必要
がある。この固相を細かく破壊することにより、鋳型内
に目的とした合金組成の溶湯をスムーズに充填できる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(第1発明の構成)本第1発明の差圧鋳造方法は、溶湯
が入った溶解炉または保持炉を収容した炉チャンバと,
該溶解炉または保持炉と連通しかつ通気部を有する鋳型
とをそれぞれ密閉してその内部を減圧し、その後炉チャ
ンバまたは鋳型の少なくとも何れか一方の内部の減圧度
を変えて炉チャンバ内部と鋳型内部との間に適当な圧力
差を生じさせ、該圧力差により前記溶解炉または保持炉
内の溶湯を吸引して前記鋳型内に充填し、その後鋳型内
の溶湯を加圧し鋳造することを特徴とする。
【0011】(第2発明の構成)本第2発明の差圧鋳造
装置は、溶湯が入った溶解炉または保持炉からなる炉体
と、一部に通気性を有する通気部を有し,密閉可能な鋳
型と、前記炉体と前記鋳型を連通するように配設した連
結手段と、前記炉体を収容するとともに密閉可能な炉チ
ャンバと、前記鋳型と前記炉チャンバとを接続し,その
内部をそれぞれ減圧する減圧装置と、前記鋳型または前
記炉チャンバの少なくとも何れか一方の減圧度を調整す
る減圧度調整手段と、前記鋳型部の内部を加圧する加圧
手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0012】
【作用】本第1発明の差圧鋳造方法および第2発明の差
圧鋳造装置が優れた効果を発揮するメカニズムについて
は、未だ必ずしも明らかではないが、次のように考えら
れる。
【0013】(第1発明の作用)本第1発明の差圧鋳造
方法においては、先ず、溶湯が入った溶解炉または保持
炉を収容した炉チャンバと,該溶解炉または保持炉と連
通しかつ通気部を有する鋳型とをそれぞれ密閉してその
内部を減圧する。これにより、炉チャンバ内で溶湯に含
まれていた水素等の溶存ガスを取り除くことができ、よ
って作製した製品内にガス欠陥として発生することを防
止できる。その後、炉チャンバ内部または鋳型の少なく
とも何れか一方の減圧度を変えて炉チャンバ内部と鋳型
内部との間に適当な圧力差を生じさせる。
【0014】次いで、炉チャンバ内部と鋳型内部との間
の圧力差により、前記溶解炉または保持炉内の溶湯を吸
引して前記鋳型内に充填する。これにより、鋳型内に背
圧を生じさせることなく、薄肉部をスムーズに溶湯を充
填させることができ、かつ巻き込むガスがないため気泡
欠陥の発生を防止できる。また、鋳型チャンバを通さず
に、厚肉部と薄肉部に別途に設けた減圧機構により、各
々減圧度を変えることにより厚肉部を優先して充填させ
ることができ、温度低下による湯回り不良、表面欠陥を
防止できる。
【0015】次いで、鋳型内に溶湯を充填後、鋳型内の
溶湯を加圧し鋳造する。これにより、炉チャンバからの
一方向の加圧でなく、引け巣発生部を直接加圧するた
め、機械的な加圧のようにプランジャが拘束され凝固以
前に加圧が終了することなく、引け巣発生部を有効に加
圧でき、引け巣の発生を防止することができる。
【0016】以上のようにすることにより、ガス欠陥、
引け巣欠陥、表面欠陥のない薄肉複雑鋳物を作製できる
ものと考えられる。
【0017】(第2発明の作用)本第2発明の差圧鋳造
装置においては、溶湯が入った溶解炉または保持炉から
なる炉体は、密閉可能な炉チャンバ内に設置される。前
記炉体と密閉可能な鋳型は、配設した連結手段により連
通している。減圧手段は、鋳型と炉チャンバに接続さ
れ、それぞれ別途に減圧可能になっている。さらに、炉
チャンバに、減圧度調整手段を設置し、前記鋳型または
炉チャンバの少なくとも何れか一方の減圧度を調整する
ことができる。また、鋳型部には、減圧手段とは別途加
圧手段が配置され、溶湯の加圧が可能となっている。
【0018】本第2発明の差圧鋳造装置においては、溶
湯を溶解炉または保持炉に収容後、以下のように鋳造さ
れる。 1)炉チャンバと鋳型を両者に取り付けた減圧手段によ
り同じ減圧度(例えば約10 torr 以下)まで減圧す
る。 2)鋳型または炉チャンバ内の少なくとも何れか一方の
減圧度を調整(例えば、低下)する。これにより、鋳型
と炉内に圧力差が生じ、この差圧により溶湯は鋳型内に
流入する。流入した溶湯は、鋳型に取り付けた各々の減
圧手段による減圧度が少ない部位を優先して流れ、充填
完了となる。 3)充填完了後、鋳型内に設置した加圧手段により、肉
厚部を凝固終了まで加圧する。凝固後、高品質な鋳物が
作製される。
【0019】
【発明の効果】
(第1発明の効果)本第1発明の差圧鋳造方法により、
薄肉部品や複雑形状の部品でも、ガス欠陥や引け巣がな
い良質な鋳造品を作製することができる。また、湯回り
不良や表面欠陥の発生がない高品質な鋳造品を作製する
ことができる。さらに、作製した鋳物は目的とした合金
組成となり、従来技術のような塑性変形した組織等によ
る機械的性質の低下を防止することができる。
【0020】(第2発明の効果)本第2発明の差圧鋳造
装置により、薄肉部品や複雑形状の部品でも、ガス欠陥
や引け巣がない良質な鋳造品を作製することができる。
また、湯回り不良や表面欠陥の発生がない高品質な鋳造
品を作製することができる。さらに、作製した鋳物は目
的とした合金組成となり、従来技術のような塑性変形し
た組織等による機械的性質の低下を防止することができ
る。
【0021】
【実施例】
【0022】第1実施例 本第1実施例の差圧鋳造装置を、図1〜図2を用いて説
明する。本実施例の差圧鋳造装置1は、炉体2と、鋳型
3と、連結手段4と、炉チャンバ5と、減圧装置6と、
減圧度調整手段7と、加圧手段8とからなる。
【0023】炉体2は、周辺部にヒータ21を有する溶
解炉からなり、密閉可能な炉チャンバ5の中に配設され
ている。なお、該炉チャンバ5には、安全弁51および
真空計52が配設されている。
【0024】鋳型3は、上型31と下型32を有する金
型からなり、Oリング33,34で密閉可能になってい
る。なお、該鋳型3に形成されるキャビティ35は、図
2に示す形状となっており、(a) はその横断面図を、
(b) はその縦断面図をそれぞれ示す。該キャビティの形
状は、複雑鋳物に良くあるような形状を採用し、幅方
向、厚み方向に凹凸を有した形状となっている。該キャ
ビティ35は、図2(a) の位置Eで連結手段4を介して
溶解炉2と連結しており、該位置Eから溶湯がキャビテ
ィ内に吸引されるようになっている。また、位置A〜C
において、キャビティ内の空気を吸引可能となってい
る。
【0025】減圧手段6は、真空ポンプからなり、真空
ホース61により、鋳型キャビティの位置A,B,Cに
接続し、該鋳型キャビティ内の減圧度を調整可能として
いる。また、真空ホース62により、炉チャンバ5と接
続し、該炉チャンバ5内の減圧度を調整可能としてい
る。該真空ホース61および真空ホース62には、それ
ぞれ減圧度調整バルブ63,64が配設されている。ま
た、真空ホース61には、真空計65が配設されてい
る。
【0026】減圧度調整手段7はコンプレッサからな
り、真空ホース71により炉チャンバ5と接続し、該真
空ホース71には減圧度調整バルブ72が配設されてい
る。また、加圧手段8は前記コンプレッサを兼用してな
り、ホース81により鋳型3のキャビティの位置Dと接
続し、該ホース81には減圧度調整バルブ82が配設さ
れている。
【0027】なお、前記バルブ63,64,72,82
は、それぞれバルブ開度調整手段(図示せず)を有して
おり、これらバルブ開度調整手段はコンピュータ部(図
示せず)を具備するガス流量制御手段9と接続し、該コ
ンピュータ部で演算または判定されたガス流量制御量に
相当するガス流量制御信号により、バルブ開度が制御さ
れている。
【0028】本実施例で用いた溶湯はAC4C合金(A
l−7wt%Si−0.3wt%Mg合金)である。鋳型
キャビティの位置A〜位置Cから10 torr に減圧し、
炉チャンバの減圧度を大気圧まで低下させたときの溶湯
の充填状況を、図3に示す。溶湯は、連結手段4の連結
路を通りキャビティ内に注入される。このとき、溶湯
は、約5m/sの速度でキャビティ内を充填し、鋳物先
端部を充填し、その後、鋳物両端部を充填する。これよ
り作製した鋳物の表面欠陥分布を、図4に示す。図4よ
り、この場合には表面欠陥が充填の遅い鋳物両端部に多
発していることが分かる。
【0029】次に、鋳型キャビティの位置Bと位置Cの
減圧度を位置Aの減圧度より大きくし、キャビティ全体
の減圧度を10 torr とし、溶湯を注入したときの溶湯
充填状態図を、図5に示す。図5より明らかのように、
溶湯は両端部と先端部をほぼ同時に充填するようにな
り、また、上記の差圧制御なしの場合(図3)に比べて
充填完了時間も短くなった。また、図6に示すように、
作製した鋳物表面には欠陥の発生は認められなかった。
しかし、図7の上記鋳物の内部欠陥分布に示されるよう
に、鋳物の肉厚部であるキャビティ位置Dに対応する位
置には、引け巣欠陥の発生が認められた。
【0030】次に、前記において、さらに炉チャンバ5
を大気圧から1〜2 kg/cm2 で加圧したときの鋳物の内
部欠陥を、図8に示す。鋳型キャビティの位置Dに発生
した内部欠陥は、炉チャンバ5から1〜2 kg/cm2 で加
圧されているのに、減少しないことが分かる。
【0031】次に、前記において、鋳型キャビティの位
置Dに取り付けた加圧装置8により、溶湯の充填終了
後、1〜2 kg/cm2 で加圧したときの内部欠陥分布を、
図9に示す。同図より、内部欠陥は、引け巣発生部を直
接加圧したので、全く発生していないことが分かる。
【0032】以上、本実施例の差圧鋳造方法および装置
により、溶湯の充填を自由に変化させ得ることができ、
また、溶湯充填後に欠陥発生部または/およびその近傍
部を直接加圧することにより、内部欠陥を持たない高品
質の鋳物が得られることが分かる。
【0033】第2実施例 本第2実施例の差圧鋳造装置を、図10を用いて説明す
る。本実施例の差圧鋳造装置は、溶解炉2に攪拌子と該
攪拌子を回転させるモータとからなる溶湯攪拌手段22
を配設した以外は前記第1実施例の差圧鋳造装置と同様
であるので、該相違点を中心に本実施例装置を説明す
る。
【0034】溶湯はAC4C合金(Al−7wt%Si
−0.3wt%Mg合金)を用いた。鋳型キャビティの位
置A〜位置Cから10 torr に減圧し、該合金溶湯を前
記攪拌手段22で攪拌しながら、炉チャンバ内部と鋳型
内部との間に圧力差を発生させて溶湯温度620℃でキ
ャビティに注入・充填し、その後鋳型を加圧して鋳造し
た。得られた鋳物の合金組成を調べたところ、Al−7
wt%Si−0.3wt%Mg合金であった。
【0035】比較のため、炉チャンバの温度を初晶開始
温度640度から620℃まで減少し、注湯し、鋳造し
た鋳物の合金組成を調べた結果、Al−11wt%Si
−0.5wt%Mg合金であった。これより、作製した鋳
物の組成は、初晶Alが溶解炉に取り残されたため、鋳
物のSi量が増加していることが分かる。
【0036】変形例1 前記実施例において、鋳型内に複数の減圧手段を配設
し、それぞれの減圧手段の減圧量を所望量に変えて鋳型
を減圧し鋳型全体の減圧度を炉チャンバの減圧度とし、
その後、炉チャンバ内の減圧度を低下させることにより
鋳型内に溶湯を注入・充填し、その後鋳型内溶湯を加圧
して鋳造する。この場合、溶湯は減圧度の大きい部位に
優先して流れるため、減圧度の調整により、所望の充填
時間を形成することができ、より高品質の健全鋳物を作
製することができる。
【0037】変形例2 前記実施例において、バルブ開度調整手段のバルブ開度
の制御は、鋳型やろチャンバ、溶解炉などに配設した圧
力測定装置からの圧力検出信号に基づき、コンピュータ
部で最適制御量を演算し、該最適制御量に相当するバル
ブ開度補正値を前記バルブ開度調整手段に出力して行
う。これにより、より精度の高い減圧度制御または/お
よび圧力制御が可能となり、より高品質の健全鋳物を作
製することができる。なお、このとき、炉チャンバと溶
湯流量の相関関係を利用して、該相関関係マップに基づ
き最適バルブ開度補正値を簡便に算出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例において用いられた差圧鋳
造装置の概略図である。
【図2】本発明の第1実施例において用いられた差圧鋳
造装置の鋳型に形成されるキャビティの形状を示す説明
図で、図2 (a) はその横断面図、図2 (b) はその縦
断面図である。
【図3】本発明の第1実施例において、鋳造過程におけ
る溶湯の充填状態(差圧制御なしの場合)を示す説明図
である。
【図4】本発明の第1実施例において、従来法により鋳
造した鋳物の表面欠陥分布を示す説明図である。
【図5】本発明の第1実施例において、鋳造過程におけ
る溶湯の充填状態(差圧制御ありの場合)を示す説明図
である。
【図6】本発明の第1実施例において、鋳造した鋳物の
表面欠陥分布を示す説明図である。
【図7】本発明の第1実施例において、従来法により鋳
造した鋳物の内部欠陥分布を示す説明図である。
【図8】本発明の第1実施例において、炉チャンバを加
圧したときの鋳物の内部欠陥分布を示す説明図である。
【図9】本発明の第1実施例において、溶湯の充填終了
後鋳型を加圧したときのの鋳物の内部欠陥分布を示す説
明図である。
【図10】本発明の第2実施例において用いられた差圧鋳
造装置の一部を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 差圧鋳造装置 2 ・・・ 炉体 21 ・・・ ヒータ 22 ・・・ 溶湯攪拌手段 3 ・・・ 鋳型 31 ・・・ 上型 32 ・・・ 下型 33,34 ・・・ Oリング 35 ・・・ キャビティ 4 ・・・ 連結手段 5 ・・・ 炉チャンバ 6 ・・・ 減圧手段 61,62 ・・・ 真空ホース 63,64 ・・・ 減圧度調整バルブ 7 ・・・ 減圧度調整手段 71 ・・・ 真空ホース 72 ・・・ 減圧度調整バルブ 8 ・・・ 加圧手段 81 ・・・ ホース 82 ・・・ 減圧度調整バルブ 9 ・・・ ガス流量制御手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶湯が入った溶解炉または保持炉を収容
    した炉チャンバと,該溶解炉または保持炉と連通しかつ
    通気部を有する鋳型とをそれぞれ密閉してその内部を減
    圧し、その後炉チャンバまたは鋳型の少なくとも何れか
    一方の内部の減圧度を変えて炉チャンバ内部と鋳型内部
    との間に適当な圧力差を生じさせ、該圧力差により前記
    溶解炉または保持炉内の溶湯を吸引して前記鋳型内に充
    填し、その後鋳型内の溶湯を加圧し鋳造することを特徴
    とする差圧鋳造方法。
  2. 【請求項2】 溶湯が入った溶解炉または保持炉からな
    る炉体と、 一部に通気性を有する通気部を有し,密閉可能な鋳型
    と、前記炉体と前記鋳型を連通するように配設した連結
    手段と、前記炉体を収容するとともに密閉可能な炉チャ
    ンバと、前記鋳型と前記炉チャンバとを接続し,その内
    部をそれぞれ減圧する減圧装置と、前記鋳型または前記
    炉チャンバの少なくとも何れか一方の減圧度を調整する
    減圧度調整手段と、前記鋳型部の内部を加圧する加圧手
    段と、を備えてなることを特徴とする差圧鋳造装置。
JP20104393A 1993-07-20 1993-07-20 差圧鋳造方法および差圧鋳造装置 Pending JPH0732122A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6982465B2 (en) 2000-12-08 2006-01-03 Renesas Technology Corp. Semiconductor device with CMOS-field-effect transistors having improved drain current characteristics
KR101963363B1 (ko) * 2018-09-19 2019-03-28 명화공업주식회사 차압 주조 설비의 제품 품질 자동 검출 시스템
CN113941700A (zh) * 2020-07-17 2022-01-18 中国兵器工业第五九研究所 铝合金铸件缺陷的修补方法

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