JPH07317780A - 密封型スラスト軸受 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 厳しい条件の下でも、確実なシール性を発揮
できる構造を得る。 【構成】 外輪１５の内周縁に内側保持リング２８を内
嵌固定し、内輪１７の外周縁に外側保持リング３２を外
嵌固定する。又、外輪１５の外周縁にケース２２を外嵌
固定する。上記内側保持リング２８と内輪１７の内側フ
ランジ１９との間に内側シールリング１３を、上記外側
保持リング３２と上記ケース２２との間に外側シールリ
ング１４を、それぞれ設ける。各シールリング１３、１
４と直列に、隙間２７、３１、３６ａ、３６ｂを含むラ
ビリンスシールを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明に係る密封型スラスト軸受
は、例えば自動車の前輪を支持する懸架装置を構成する
為のストラットに組み込んだ状態で使用する。

【０００２】

【従来の技術】操舵輪である自動車の前輪を支持する為
の懸架装置のうち、ストラット式の懸架装置の場合は、
オイルダンパを構成するダンパケースを、車体に対して
昇降自在に支持する。上記前輪は、このダンパケースの
下端部に固設された枢軸に回転自在に支持され、上記オ
イルダンパは車体に対して回転自在に支持される。従っ
て、上記オイルダンパを構成するロッドの上端部と車体
との間には、このロッドを、スラスト荷重を支承しつつ
回転自在に支持する為のスラスト軸受が必要になる。

【０００３】この様な部分に使用するスラスト軸受とし
て従来から、例えば実開昭６２−１７９４２４号公報に
記載された、密封型スラスト軸受が知られている。この
密封型スラスト軸受は、図２に示す様に、それぞれが円
輪状に形成された外輪１及び内輪２と、これら外輪１と
内輪２との間に挟持された複数の転動体３とから構成さ
れている。尚、図示の例では転動体３として玉を使用し
ているが、重量の嵩む車両用のスラスト玉軸受の場合に
は、テーパころ等、他の転動体を使用する場合もある。

【０００４】上記外輪１は、片面（図２の下面）に外輪
軌道４を、外周縁に外側フランジ５を、それぞれ有す
る。又、上記内輪２は、片面（図２の上面）に内輪軌道
６を、内周縁に内側フランジ７を、それぞれ有する。
又、上記複数の転動体３は、上記外輪軌道４と内輪軌道
６との間に転動自在に設けられて、上記外輪１と内輪２
との相対回転を自在とする。

【０００５】更に、上記外側フランジ５と内輪２の外周
縁との間には外側シールリング８を、上記内側フランジ
７と外輪１の内周寄り部分との間には内側シールリング
９を、それぞれ設けている。これら各シールリング８、
９は、それぞれ芯金１０ａ、１０ｂと弾性体１１ａ、１
１ｂとから成る。そして、上記外側シールリング８を構
成する芯金１０ａを上記外側フランジ５に内嵌固定し、
この芯金１０ａにより補強された弾性体１１ａのリップ
１２ａの先端縁を、上記内輪２の外周縁に摺接させてい
る。又、内側シールリング９を構成し芯金１０ｂにより
補強された弾性体１１ｂを、上記内側フランジ７に外嵌
し、この弾性体１１ｂに形成したリップ１２ｂの先端縁
を、上記外輪１の片面内周寄り部分に摺接させている。

【０００６】上述の様に、外輪１と内輪２との間に外
側、内側、両シールリング８、９を設ける事により、上
記複数の転動体３を設置した部分に存在するグリースが
外部に漏洩するのを防止すると共に、この部分に塵芥や
雨水等の異物が進入する事を防止する。又、外側シール
リング８のリップ１２ａと内輪２の外周縁との係合によ
り、密封型スラスト軸受を所定部位に組み込む以前に於
いても、この内輪２と外輪１とが分離する事を防止す
る。従って、密封型スラスト軸受の構成各部品を一体的
に取り扱える様になって、組立作業の容易化を図れる。

【０００７】又、実開平５−７９０４７号公報には、図
３に示す様な構造が記載されている。この図３に記載し
た構造の場合には、外側シールリング８のリップ１２ａ
と内輪２の外周縁とを係合させるだけでなく、内側シー
ルリング９のリップ１２ｂと外輪１の内周縁とを係合さ
せている。この結果、図２に記載した構造に比べて、外
輪１と内輪２との分離防止効果が大きくなる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
構成され作用する従来の密封型スラスト軸受は、何れの
構造の場合も、必ずしも十分なシール性能を得られなか
った。即ち、ストラットに組み込まれる密封型スラスト
軸受の使用条件は相当に厳しい。例えば、雨天走行時に
車輪が巻き上げる泥水が霧状になって周囲を浮遊する
他、高圧洗車機使用時には、圧力水が吹き付けられる。
従って、転動体３の設置部分に水が侵入する事を防止す
る為には、各シールリング８、９を構成する弾性体１１
ａ、１１ｂのリップ１２ａ、１２ｂの先端縁と相手面と
を確実に当接させておく必要がある。

【０００９】一方、ストラットに組み込まれた上記密封
型スラスト軸受の使用時には、円周方向に亙って不均一
な荷重が加わり、しかもこの荷重の作用方向が自動車の
運転状態により頻繁に変化する。この結果、外輪１と内
輪２との間にはきわめて複雑な荷重が加わり、これら外
輪１と内輪２とが非平行になる場合がある。そして、非
平行の程度が大きくなると、上記リップ１２ａ、１２ｂ
が相手面から浮き上がる。そして、浮き上がった瞬間に
当該シールリング８、９に向けて水が吹き付けられる
と、上記転動体３の設置部分に水が侵入してしまう。

【００１０】特に、前述した従来構造の場合には、上記
各リップ１２ａ、１２ｂのうち、少なくとも外側のリッ
プ１２ａを、内輪２の外周縁部に形成した曲面部に当接
させている。この曲面部は、内輪２を構成する金属材を
塑性変形する事により造られており、加工精度上、多少
の寸法誤差が存在する。従って、上記リップ１２ａと相
手面との当接圧に多少のばらつきを生じる事が避けられ
ない。そして、当接圧が小さい場合には、上記リップ１
２ａの相手面に対する追従性が悪くなり、上述の様な浮
き上がりが発生し易くなる。本発明はこの様な事情に鑑
みて、シール性に優れた密封型スラスト軸受を提供すべ
く発明したものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明の密封型スラスト
軸受は、前述した従来の密封型スラスト軸受と同様に、
片面に外輪軌道を形成した円輪状の外輪と、片面に内輪
軌道を、内周縁に円筒状の内側フランジを、それぞれ有
する円輪状の内輪と、上記外輪軌道と内輪軌道との間に
転動自在に設けられた複数の転動体と、上記外輪の片面
と上記内輪の片面との間に設けられて上記複数の転動体
が存在する空間の両端を塞ぐ密封装置とを備えている。

【００１２】特に、本発明の密封型スラスト軸受に於い
ては、上記密封装置は、外周縁に円筒状の覆い部を有
し、この覆い部を上記外輪に外嵌する事により、この外
輪に固定された円環状のケースと、内側円筒部とこの内
側円筒部の一端縁から直径方向内方に折れ曲がった内側
円輪部とを有する円環状で、内側円輪部を上記内輪の片
面に対向させ、内側円筒部を上記外輪の内周縁に内嵌す
る事により、この外輪に固定された内側保持リングと、
外側円筒部とこの外側円筒部の両端縁から直径方向外方
に折れ曲がった１対の外側円輪部とを有する円環状で、
上記外側円筒部を上記内輪の外周縁に外嵌する事によ
り、この内輪に固定された外側保持リングと、弾性材に
より円環状に形成され、弾性的に圧縮された状態で、上
記内側フランジの外周面と上記内側円筒部の内周面との
間に保持された内側シールリングと、弾性材により円環
状に形成され、弾性的に圧縮された状態で、上記外側円
筒部の外周面と上記覆い部の内周面との間に保持された
外側シールリングと、上記覆い部の先端縁から直径方向
内方に折り曲げられた係止部とを備えている。そして、
上記内側円輪部の内周縁は上記内側フランジの外周面に
近接しており、上記１対の外側円輪部のうちで上記外輪
に近い側の外側円輪部の外周縁は上記覆い部の内周面に
近接している。更に、上記係止部の先端縁は、上記１対
の外側円輪部のうちで上記外輪から遠い側の外側円輪部
の外周縁よりも直径方向内側でこの外輪から遠い側の外
側円輪部よりも外輪から遠い部分に存在し、且つ、この
先端縁の内周面に上記外輪から遠い側の外側円輪部の外
周縁が近接している。

【００１３】

【作用】上述の様に構成される本発明の密封型スラスト
軸受の場合には、内側シールリングが外輪の内周縁と内
輪に設けた内側フランジの外周面との間を塞ぎ、外側シ
ールリングが内輪の外周縁と外輪に固定したケースの覆
い部の内周面との間を塞ぐ。これら内側、外側、両シー
ルリングの内外両周縁は、上記内輪と外輪とが非平行に
なった状態でも、相手面と確実に当接する。従って、転
動体設置部分への水等の侵入を確実に防止できる。

【００１４】更に、内側円輪部の内周縁が内側フランジ
の外周面との間で、１対の外側円輪部の外周縁が上記覆
い部又は係止部の内周面との間で、それぞれラビリンス
シールを構成する。この結果、上記侵入防止効果は、よ
り確実になる。

【００１５】

【実施例】図１は本発明の実施例を示している。尚、図
１で、内側シールリング１３及び外側シールリング１４
の断面形状は、自由状態での円形に描いている。実際の
場合にこれら各シールリング１３、１４は、対向する２
面間で弾性的に圧縮されて、その断面形状が楕円形若し
くは長円形に変形する。

【００１６】軸受鋼等の硬質金属により造られ、全体を
円輪状とされた外輪１５の片面（図１の下面）には、外
輪軌道１６を形成している。同じく、硬質金属により造
られ、全体を円輪状とされた内輪１７の片面（図１の上
面）には、内輪軌道１８を形成している。又、この内輪
１７の内周縁には、円筒状の内側フランジ１９を形成し
ている。そして、上記外輪軌道１６と内輪軌道１８との
間に複数の転動体３を、転動自在に設けている。図示の
実施例では、この転動体３として玉を使用しているが、
支承すべきスラスト荷重が大きい場合にはテーパころで
も良い事は、前述した従来構造の場合と同様である。更
に、図示の実施例ではこれら複数の転動体３を、保持器
２０により転動自在に保持している。この保持器２０
も、支承すべきスラスト荷重が大きい等により、転動体
３の数を増やす必要があれば、省略する場合もある。

【００１７】そして、上記外輪１５の片面と上記内輪１
７と片面との間に、本発明の特徴である密封装置を設け
て、上記複数の転動体３が存在する空間２１の両端を塞
いでいる。

【００１８】上記外輪１５には、上記密封装置を構成す
る為のケース２２を外嵌固定している。このケース２２
は、ステンレス鋼板等の金属板をプレス成形する事によ
り造られており、上記外輪１５よりも幅広の基部２３の
外周縁に円筒状の覆い部２４を、内周縁に円筒状のカバ
ー部２５を、それぞれ有する。これら覆い部２４とカバ
ー部２５とは、上記基部２３に対して直角に、互いに同
方向に折れ曲がっている。又、上記覆い部２４の幅寸法
Ｗは上記外輪１５の厚さ寸法Ｔよりも十分に大きく（Ｗ
≫Ｔ）、上記カバー部２５の幅寸法ｗはこの厚さ寸法Ｔ
よりも少し小さく（ｗ＜Ｔ）している。

【００１９】又、上記覆い部２４の自由状態での内径寸
法Ｒは、上記外輪１５の外径寸法Ｄと同じか、僅かに小
さく（Ｒ≦Ｄ）している。従って上記ケース２２は、上
記覆い部２４を上記外輪１５に外嵌する事により、この
外輪１５に支持固定されている。これに対して、上記カ
バー部２５の外径寸法ｄは、前記内側フランジ１９の先
端部の内径寸法ｒよりも少しだけ小さく（ｄ＜ｒ）して
いる。図示の実施例では、上記内側フランジ１９の先端
部内周面に、全周に亙る凹部２６を形成しており、上記
カバー部２５をこの凹部２６内に位置させている。従っ
て、上記ケース２２の内周縁部と上記内輪１７の内周縁
部との間には、屈曲し、しかも断面積が途中で変化する
隙間２７が形成される。そして、この隙間２７が、一種
のラビリンスシールとして機能する。

【００２０】又、上記外輪１５の内周縁には、内側保持
リング２８を内嵌固定している。この内側保持リング２
８は、やはりステンレス鋼板等の金属板をプレス成形す
る事により、或は合成樹脂を射出成形する事により、断
面がＬ字形で全体を円環状に造られている。この内側保
持リング２８は、内側円筒部２９と、この内側円筒部２
９の一端縁（図１の下端縁）から直径方向内方（図１の
左方）に折れ曲がった内側円輪部３０とから成る。そし
て、この内側保持リング２８は、上記内側円輪部３０を
上記内輪１７の片面に対向させた状態で、上記内側円筒
部２９を上記外輪１５の内周縁に内嵌し、上記外輪１５
に固定している。この状態で上記内側円輪部３０の内周
縁は前記内側フランジ１９の外周面に、幅寸法が小さな
隙間３１を介して対向する。この隙間３１部分が、やは
り一種のラビリンスシールとして機能する。

【００２１】一方、前記内輪１７の外周縁には、外側保
持リング３２を外嵌固定している。この外側保持リング
３２は、やはりステンレス鋼板等の金属板をプレス成形
する事により、或は合成樹脂を射出成形する事により、
断面が外周側が開口したコ字形で、全体を円環状に造ら
れている。この外側保持リング３２は、外側円筒部３３
と、この外側円筒部３３の両端縁から直径方向外方（図
１の右方）に折れ曲がった１対の外側円輪部３４ａ、３
４ｂとから成る。そして、この外側保持リング３２は、
上記外側円筒部３３を上記内輪１７の外周縁に外嵌する
事で、この内輪１７に固定している。この状態では、上
記１対の外側円輪部３４ａ、３４ｂのうち、外輪１５寄
り（図１の上寄り）の外側円輪部３４ａの外周縁は前記
覆い部２４の中間部内周面に、もう一方（図１の下方）
の外側円輪部３４ｂの外周縁は、後述する係止部３５の
内周面に、それぞれ幅寸法が小さな隙間３６ａ、３６ｂ
を介して対向する。これら各隙間３６ａ、３６ｂ部分
が、それぞれラビリンスシールとして機能する。

【００２２】又、前記内側フランジ１９の外周面と上記
内側円筒部２９の内周面との間には、内側シールリング
１３を設けている。この内側シールリング１３は、ゴ
ム、エラストマー等の弾性材により、断面円形で全体を
円環状に形成されている。このシールリング１３の断面
の自由状態での外径寸法は、上記内側フランジ１９の外
周面と上記内側円筒部２９の内周面との間隔よりも大き
い。従って、この内側シールリング１３は弾性的に圧縮
された状態で、上記内側フランジ１９の外周面と上記内
側円筒部２９の内周面との間に保持されている。

【００２３】又、前記ケース２２の覆い部２４の内周面
と上記外側円筒部３３の外周面との間には、外側シール
リング１４を設けている。この外側シールリング１４
も、上記内側シールリング１３と同様、弾性材により、
断面円形で全体を円環状に形成されている。そして、こ
の外側シールリング１４の断面の自由状態での外径寸法
は、上記覆い部２４の内周面と上記外側円筒部３３の外
周面との間隔よりも大きい。従って、この外側シールリ
ング１４は、やはり弾性的に圧縮された状態で、上記外
側円筒部３３の外周面と上記覆い部２４の内周面との間
に保持されている。

【００２４】更に、上記覆い部２４の先端部には、この
覆い部２４の先端縁から直径方向内方（図１の左方）
に、９０度未満の角度で折り曲げられた係止部３５を形
成している。そして、この係止部３５の先端縁は、上記
１対の外側円輪部３４ａ、３４ｂのうちで、上記外輪１
５から遠い側（図１の下側）の外側円輪部３４ｂの外周
縁よりも直径方向内側（図１の左側）で、この外側円輪
部３４ｂよりも外輪１５から遠い部分（図１の下側部
分）に存在する。従って、上記外輪１５から前記内輪１
７が離れる傾向となった場合には、上記外側円輪部３４
ｂの外周縁と上記係止部３５の先端縁とが係合し、これ
ら外輪１５と内輪１７とが分離する事を防止する。従っ
て、密封型スラスト軸受をストラット等に組み込む以前
に、上記外輪１５と内輪１７とが分離する事が防止さ
れ、この密封型スラスト軸受の取扱性向上を図れる。

【００２５】上述の様に構成される本発明の密封型スラ
スト軸受の場合には、内側シールリング１３が、外輪１
５の内周縁と内輪１７に設けた内側フランジ１９の外周
面との間を塞ぐ。又、外側シールリング１４が内輪１７
の外周縁と外輪１５に固定したケース２２の覆い部２４
の内周面との間を塞ぐ。これら内側、外側、両シールリ
ング１３、１４の内外両周縁は、上記内輪１７と外輪１
５とが非平行になった状態でも、相手面と確実に当接す
る。

【００２６】即ち、例えばストラットに組み込んだスラ
スト軸受の場合には、スラスト方向に加わる偏荷重に基
づき、上記内輪１７と外輪１５とが非平行になる場合が
ある。前記従来構造の場合には、この様な場合にシール
不良が発生し易かったが、上記両シールリング１３、１
４の圧縮代を十分に確保すれば、この様な場合にも十分
なシール性を確保できる。即ち、上記各シールリング１
３、１４を構成する弾性材の種類を選択する等により、
これら各シールリング１３、１４の弾性を調節する一
方、これら各シールリング１３、１４の断面の直径と、
これら各シールリング１３、１４を挟持する２面間の距
離との関係を規制すれば、上記内輪１７と外輪１５との
回転に要する抵抗（回転トルク）を過大にする事なく、
上記圧縮代を十分に確保できる。

【００２７】圧縮代を十分に確保できれば、上記内輪１
７と外輪１５とが非平行になる事で、当該シールリング
１３、１４を挟持している２面間の距離が大きくなった
場合でも、このシールリング１３、１４がこれら２面間
で弾性的に圧縮されたままとなる。従って、転動体設置
部分への水等の侵入を確実に防止できる。

【００２８】更に、上記各シールリング１３、１４の両
側には、それぞれ前記隙間２７、３１、３６ａ、３６ｂ
により構成されるラビリンスシールが存在する。そし
て、これらラビリンスシールが、上記各シールリング１
３、１４と共に、前記空間２１内に、水等の異物が侵入
する事を防止する。言い換えれば、これら各ラビリンス
シールの存在により、シール性確保に関して、上記各シ
ールリング１３、１４の負担が少なくなる。この様に、
各シールリング１３、１４の負担が少ないにも拘らず、
これら各シールリング１３、１４が十分なシール性能を
持っている。従って、上記空間２１内への異物侵入防止
効果は、より確実になる。

【００２９】

【発明の効果】本発明の密封型スラスト軸受は、以上に
述べた通り構成され作用するので、雨水や洗浄用の水等
が内部に侵入する事を確実に防止できる。この結果、密
封型スラスト軸受を組み込んだ機器の耐久性、信頼性の
向上を図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す部分断面図。

【図２】従来構造の第１例を示す部分断面図。

【図３】同第２例を示す部分断面図。

【符号の説明】

１ 外輪 ２ 内輪 ３ 転動体 ４ 外輪軌道 ５ 外側フランジ ６ 内輪軌道 ７ 内側フランジ ８ 外側シールリング ９ 内側シールリング １０ａ、１０ｂ 芯金 １１ａ、１１ｂ 弾性体 １２ａ、１２ｂ リップ １３ 内側シールリング １４ 外側シールリング １５ 外輪 １６ 外輪軌道 １７ 内輪 １８ 内輪軌道 １９ 内側フランジ ２０ 保持器 ２１ 空間 ２２ ケース ２３ 基部 ２４ 覆い部 ２５ カバー部 ２６ 凹部 ２７ 隙間 ２８ 内側保持リング ２９ 内側円筒部 ３０ 内側円輪部 ３１ 隙間 ３２ 外側保持リング ３３ 外側円筒部 ３４ａ、３４ｂ 外側円輪部 ３５ 係止部 ３６ａ、３６ｂ 隙間

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 片面に外輪軌道を形成した円輪状の外輪
   と、片面に内輪軌道を、内周縁に円筒状の内側フランジ
   を、それぞれ有する円輪状の内輪と、上記外輪軌道と内
   輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、
   上記外輪の片面と上記内輪の片面との間に設けられて上
   記複数の転動体が存在する空間の両端を塞ぐ密封装置と
   を備えた密封型スラスト軸受に於いて、密封装置は、外
   周縁に円筒状の覆い部を有し、この覆い部を上記外輪に
   外嵌する事により、この外輪に固定された円環状のケー
   スと、内側円筒部とこの内側円筒部の一端縁から直径方
   向内方に折れ曲がった内側円輪部とを有する円環状で、
   内側円輪部を上記内輪の片面に対向させ、内側円筒部を
   上記外輪の内周縁に内嵌する事により、この外輪に固定
   された内側保持リングと、外側円筒部とこの外側円筒部
   の両端縁から直径方向外方に折れ曲がった１対の外側円
   輪部とを有する円環状で、上記外側円筒部を上記内輪の
   外周縁に外嵌する事により、この内輪に固定された外側
   保持リングと、弾性材により円環状に形成され、弾性的
   に圧縮された状態で、上記内側フランジの外周面と上記
   内側円筒部の内周面との間に保持された内側シールリン
   グと、弾性材により円環状に形成され、弾性的に圧縮さ
   れた状態で、上記外側円筒部の外周面と上記覆い部の内
   周面との間に保持された外側シールリングと、上記覆い
   部の先端縁から直径方向内方に折り曲げられた係止部と
   を備え、上記内側円輪部の内周縁は上記内側フランジの
   外周面に近接しており、上記１対の外側円輪部のうちで
   上記外輪に近い側の外側円輪部の外周縁は上記覆い部の
   内周面に近接しており、上記係止部の先端縁は、上記１
   対の外側円輪部のうちで上記外輪から遠い側の外側円輪
   部の外周縁よりも直径方向内側でこの外輪から遠い側の
   外側円輪部よりも外輪から遠い部分に存在し、且つ、こ
   の先端縁の内周面に上記外輪から遠い側の外側円輪部の
   外周縁が近接している事を特徴とする密封型スラスト軸
   受。