JPH0731693A - 粉末消火薬剤 - Google Patents
粉末消火薬剤Info
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- JPH0731693A JPH0731693A JP18240893A JP18240893A JPH0731693A JP H0731693 A JPH0731693 A JP H0731693A JP 18240893 A JP18240893 A JP 18240893A JP 18240893 A JP18240893 A JP 18240893A JP H0731693 A JPH0731693 A JP H0731693A
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- fire extinguishing
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 燐酸二水素アンモニウムまたは/お
よび硫酸アンモニウムにピロ燐酸メラミンを含有する、
または重炭酸アルカリ金属塩にピロ燐酸メラミンを含有
する粉末消火薬剤。 【効果】 ピロ燐酸メラミンを添加することに
よって火災消火能力が強化される。
よび硫酸アンモニウムにピロ燐酸メラミンを含有する、
または重炭酸アルカリ金属塩にピロ燐酸メラミンを含有
する粉末消火薬剤。 【効果】 ピロ燐酸メラミンを添加することに
よって火災消火能力が強化される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粉末消火薬剤に関する。
さらに詳述すれば、従来の粉末消火薬剤にピロ燐酸メラ
ミンを添加してなる粉末消火薬剤に関する。
さらに詳述すれば、従来の粉末消火薬剤にピロ燐酸メラ
ミンを添加してなる粉末消火薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来粉末消火薬剤としては、重炭酸アル
カリ金属塩を主剤とする粉末(Na)消火剤、粉末
(K)消火剤。燐酸二水素アンモニウムまたは/および
硫酸アンモニウムを主剤とする粉末(ABC)消火薬剤
が用いられている。そしてこのうちA(木材火災)、B
(油火災)、C(電気設備火災)火災用に有効とされて
いる、燐酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウムを主
剤とする粉末(ABC)消火薬剤が主に使用されてい
る。重炭酸アルカリ金属塩を主剤とする粉末(Na)消
火剤、粉末(K)消火剤は、B、C火災用に適用される
ものである。
カリ金属塩を主剤とする粉末(Na)消火剤、粉末
(K)消火剤。燐酸二水素アンモニウムまたは/および
硫酸アンモニウムを主剤とする粉末(ABC)消火薬剤
が用いられている。そしてこのうちA(木材火災)、B
(油火災)、C(電気設備火災)火災用に有効とされて
いる、燐酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウムを主
剤とする粉末(ABC)消火薬剤が主に使用されてい
る。重炭酸アルカリ金属塩を主剤とする粉末(Na)消
火剤、粉末(K)消火剤は、B、C火災用に適用される
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこでA、B、C火災
に有効な薬剤については、更に、一層A火災に対する消
火能力を増大する必要がある。また、B、C火災に有効
な消火薬剤については、A火災に対する消火能力を付与
し、更に、B、C火災の消火薬剤の適用範囲を拡大する
ことが望まれている。
に有効な薬剤については、更に、一層A火災に対する消
火能力を増大する必要がある。また、B、C火災に有効
な消火薬剤については、A火災に対する消火能力を付与
し、更に、B、C火災の消火薬剤の適用範囲を拡大する
ことが望まれている。
【0004】一般に従来の粉末消火薬剤がB、C火災に
有効であるのは、アルカリ金属または/およびアンモニ
ウム基が燃焼の連鎖反応を抑制するためと考えられてい
る。又、燐酸二水素アンモニウムまたは/および硫酸ア
ンモニウムがA火災に有効なのは薬剤を可燃物に放射し
た際熱分解を起こし、その時生成する燐酸または/およ
び硫酸が木材の主構成成分であるセルローズリグニンに
作用して脱水作用をなし、それを炭化せしめ可燃性の炭
化水素の発生を阻止する上に、脱水作用により生成した
水分が、冷却効果をもたらすためであると言われてい
る。特に燐酸二水素アンモニウムは木材の燃焼の際に炭
素の生成を触媒的に促進し、更に燐酸二水素アンモニウ
ムから縮合燐酸、五酸化燐に分解が進んで木材の表面に
ガラス状被膜を形成し燃焼を防止するものである。
有効であるのは、アルカリ金属または/およびアンモニ
ウム基が燃焼の連鎖反応を抑制するためと考えられてい
る。又、燐酸二水素アンモニウムまたは/および硫酸ア
ンモニウムがA火災に有効なのは薬剤を可燃物に放射し
た際熱分解を起こし、その時生成する燐酸または/およ
び硫酸が木材の主構成成分であるセルローズリグニンに
作用して脱水作用をなし、それを炭化せしめ可燃性の炭
化水素の発生を阻止する上に、脱水作用により生成した
水分が、冷却効果をもたらすためであると言われてい
る。特に燐酸二水素アンモニウムは木材の燃焼の際に炭
素の生成を触媒的に促進し、更に燐酸二水素アンモニウ
ムから縮合燐酸、五酸化燐に分解が進んで木材の表面に
ガラス状被膜を形成し燃焼を防止するものである。
【0005】ところが燐酸二水素アンモニウムが熱分解
を起こして五酸化燐に達するには約600℃の温度が必
要であるが、前記熱分解が全て吸熱反応であるため可燃
物が冷却され、五酸化燐にまで分解が達するのは極僅か
であるのが通常である。このことは速消火性と再燃防止
能力を改良すべきとの示唆を与えるものである。即ち、
比較的低温度で木材の表面に被膜を生成させるべきであ
るということである。
を起こして五酸化燐に達するには約600℃の温度が必
要であるが、前記熱分解が全て吸熱反応であるため可燃
物が冷却され、五酸化燐にまで分解が達するのは極僅か
であるのが通常である。このことは速消火性と再燃防止
能力を改良すべきとの示唆を与えるものである。即ち、
比較的低温度で木材の表面に被膜を生成させるべきであ
るということである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は上記
に鑑み消火能力が増大し且つ消火薬剤の使用範囲が拡大
した粉末消火薬剤を得るために鋭意検討を行った結果、
従来の粉末消火薬剤にピロ燐酸メラミンを添加するとい
う極めて簡単な方法で、B、C火災の消火能力を損なう
ことなくA火災の消火能力を増大し、また、A火災への
適用範囲を拡大し得ることを見出だし本発明を完成し
た。
に鑑み消火能力が増大し且つ消火薬剤の使用範囲が拡大
した粉末消火薬剤を得るために鋭意検討を行った結果、
従来の粉末消火薬剤にピロ燐酸メラミンを添加するとい
う極めて簡単な方法で、B、C火災の消火能力を損なう
ことなくA火災の消火能力を増大し、また、A火災への
適用範囲を拡大し得ることを見出だし本発明を完成し
た。
【0007】即ち、本発明は、第1に、燐酸二水素アン
モニウムまたは/および硫酸アンモニウムにピロ燐酸メ
ラミンを含有してなることを特徴とする粉末消火薬剤。
第2に、重炭酸アルカリ金属塩にピロ燐酸メラミンを含
有してなることを特徴とする粉末消火薬剤に関する。重
炭酸アルカリ金属塩にピロ燐酸メラミンを添加した粉末
BC消火薬剤、燐酸二水素アンモニウムおよび硫酸アン
モニウムにピロ燐酸メラミンを添加した粉末ABC消火
薬剤など、ピロ燐酸メラミンを添加してなることを特徴
とする粉末消火剤である。
モニウムまたは/および硫酸アンモニウムにピロ燐酸メ
ラミンを含有してなることを特徴とする粉末消火薬剤。
第2に、重炭酸アルカリ金属塩にピロ燐酸メラミンを含
有してなることを特徴とする粉末消火薬剤に関する。重
炭酸アルカリ金属塩にピロ燐酸メラミンを添加した粉末
BC消火薬剤、燐酸二水素アンモニウムおよび硫酸アン
モニウムにピロ燐酸メラミンを添加した粉末ABC消火
薬剤など、ピロ燐酸メラミンを添加してなることを特徴
とする粉末消火剤である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる重炭酸アルカリ金属塩には、重炭酸ナトリウム、
重炭酸カリウムが主に用いられる。重炭酸アルカリ金属
塩、燐酸二水素アンモニウムおよび硫酸アンモニウムの
粒径は、177μm以下に粉砕されるのが通常である。
用いる重炭酸アルカリ金属塩には、重炭酸ナトリウム、
重炭酸カリウムが主に用いられる。重炭酸アルカリ金属
塩、燐酸二水素アンモニウムおよび硫酸アンモニウムの
粒径は、177μm以下に粉砕されるのが通常である。
【0009】本発明に用いるピロ燐酸メラミンの製造
は、次の方法で行われるが、これらの製造方法に特に制
限されるものではない。即ち、水性スラリー状態のメラ
ミンを、塩酸、硝酸または硫酸のような鉱酸と反応させ
て水溶性のメラミン酸を生成させ、この塩をピロリン酸
ナトリウムと反応させ、次でさらに鉱酸を加えてピロ燐
酸メラミンを沈澱させる方法。また、水にピロリン酸ナ
トリウムを溶解し、この水溶液にメラミンを分散して、
この水溶液またはスラリーへ塩酸、硝酸または硫酸のよ
うな鉱酸を加え反応させピロ燐酸メラミンを沈澱させる
方法、などが知られている。これらの方法で得られたピ
ロ燐酸メラミンを含むスラリーより、通常用いられる分
離方法で分離し、通常の乾燥方法で乾燥して得られたピ
ロ燐酸メラミンを常法の粉砕機を用いて、177μm以
下に粉砕することにより得られる。
は、次の方法で行われるが、これらの製造方法に特に制
限されるものではない。即ち、水性スラリー状態のメラ
ミンを、塩酸、硝酸または硫酸のような鉱酸と反応させ
て水溶性のメラミン酸を生成させ、この塩をピロリン酸
ナトリウムと反応させ、次でさらに鉱酸を加えてピロ燐
酸メラミンを沈澱させる方法。また、水にピロリン酸ナ
トリウムを溶解し、この水溶液にメラミンを分散して、
この水溶液またはスラリーへ塩酸、硝酸または硫酸のよ
うな鉱酸を加え反応させピロ燐酸メラミンを沈澱させる
方法、などが知られている。これらの方法で得られたピ
ロ燐酸メラミンを含むスラリーより、通常用いられる分
離方法で分離し、通常の乾燥方法で乾燥して得られたピ
ロ燐酸メラミンを常法の粉砕機を用いて、177μm以
下に粉砕することにより得られる。
【0010】本発明におけるピロ燐酸メラミンの添加量
は、主剤に対して0.1〜40重量%が好ましく、更に
好ましくは、5〜30重量%が好適である。添加量が
0.1重量%未満では消火能力の増大も拡大も達成され
ないので好ましくない。また、40重量%を越える添加
量では不経済であり、粉末消火薬剤の流動性が低下する
ため好ましくない。
は、主剤に対して0.1〜40重量%が好ましく、更に
好ましくは、5〜30重量%が好適である。添加量が
0.1重量%未満では消火能力の増大も拡大も達成され
ないので好ましくない。また、40重量%を越える添加
量では不経済であり、粉末消火薬剤の流動性が低下する
ため好ましくない。
【0011】本発明の粉末消火薬剤は以上のような成分
の他に、流動化剤、撥水剤、安定化剤などとして例え
ば、疎水性シリカ、シリコンオイル、タルク、マイカ、
アルカリ土類金属塩、珪酸塩などの一種または二種以上
を適宜添加使用するのが通常である。これらの成分の添
加は粉末消火薬剤に対して1〜5重量%程度が好まし
い。多量の添加は不経済であるばかりではなく消火能力
に影響する。
の他に、流動化剤、撥水剤、安定化剤などとして例え
ば、疎水性シリカ、シリコンオイル、タルク、マイカ、
アルカリ土類金属塩、珪酸塩などの一種または二種以上
を適宜添加使用するのが通常である。これらの成分の添
加は粉末消火薬剤に対して1〜5重量%程度が好まし
い。多量の添加は不経済であるばかりではなく消火能力
に影響する。
【0012】然して、本発明者等は種々の実験とその結
果、観察により、本発明のピロ燐酸メラミンを添加した
粉末消火薬剤の消火機構は、主剤に添加したピロ燐酸メ
ラミン自体が燃焼雰囲気の熱により加熱され、メラミン
のトリアジン環の分解が起こり、発生したアンモニア、
炭酸ガスおよび水蒸気により、過剰となった燐酸成分等
により生成した不燃性被膜が発泡し、可燃物を被覆し速
やかに消火し、且つ、再燃を防止するものと推察され
る。
果、観察により、本発明のピロ燐酸メラミンを添加した
粉末消火薬剤の消火機構は、主剤に添加したピロ燐酸メ
ラミン自体が燃焼雰囲気の熱により加熱され、メラミン
のトリアジン環の分解が起こり、発生したアンモニア、
炭酸ガスおよび水蒸気により、過剰となった燐酸成分等
により生成した不燃性被膜が発泡し、可燃物を被覆し速
やかに消火し、且つ、再燃を防止するものと推察され
る。
【0013】また、ピロ燐酸メラミンは、粉末消火薬剤
成分として次のような優れた物性を持っている。すなわ
ち、1)消火成分のN、Pの含量が高い。2)水に殆ど
不溶で吸湿性が低い。3)熱分解温度が320〜330
℃で、発泡を開始する。4)比較的低温度で木材表面に
被膜を形成する、などである。
成分として次のような優れた物性を持っている。すなわ
ち、1)消火成分のN、Pの含量が高い。2)水に殆ど
不溶で吸湿性が低い。3)熱分解温度が320〜330
℃で、発泡を開始する。4)比較的低温度で木材表面に
被膜を形成する、などである。
【0014】本発明の粉末消火薬剤は、主剤、ピロ燐酸
メラミン、流動化剤、撥水剤及び安定化剤を、上記の配
合割合となるように混合することによって製造すること
ができるという極めて簡単なものである。しかもA、
B、C火災用粉末消火薬剤の場合には、B、C火災に対
する消火能力を損なうことなくA火災に対する消火能力
を増大し、B、C火災用粉末消火薬剤の場合には、同様
にB、C火災に対する消火能力を損なうことなく、A火
災にもその適用範囲を拡大し得る。そのうえ速消火性と
再燃防止能力が著しく改善された工業的価値に優れた、
しかも低コストで製造可能な粉末消火薬剤である。
メラミン、流動化剤、撥水剤及び安定化剤を、上記の配
合割合となるように混合することによって製造すること
ができるという極めて簡単なものである。しかもA、
B、C火災用粉末消火薬剤の場合には、B、C火災に対
する消火能力を損なうことなくA火災に対する消火能力
を増大し、B、C火災用粉末消火薬剤の場合には、同様
にB、C火災に対する消火能力を損なうことなく、A火
災にもその適用範囲を拡大し得る。そのうえ速消火性と
再燃防止能力が著しく改善された工業的価値に優れた、
しかも低コストで製造可能な粉末消火薬剤である。
【0015】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の要旨はそれらに限定するものではな
い。尚、A火災、B火災に対する消火試験方法は消火器
の技術上の規格を定める省令(昭和48年10月17
日、自治省令第28号)によって実施した。また部は特
にことわりのない場合には重量部を示す。
するが、本発明の要旨はそれらに限定するものではな
い。尚、A火災、B火災に対する消火試験方法は消火器
の技術上の規格を定める省令(昭和48年10月17
日、自治省令第28号)によって実施した。また部は特
にことわりのない場合には重量部を示す。
【0016】実施例1 平均粒径40μの燐酸二水素アンモニウム82部と平均
粒径30μのピロ燐酸メラミン15部およびシリカ2部
をシリコンオイル1部にて撥水処理したものを用い、こ
の配合割合になるように混合物6.0kgを製造した。
該混合物を用いてB−5単位の火災試験を実施した結
果、消火時間が5.0秒、薬剤使用量が1.8kgであ
った。同じくA−2単位の火災試験の結果は残炎はなく
余燼も見られず完全消火で、2分後も再燃しなかった。
木材表面には発泡生成物が多く見られ木材表面温度は充
分冷えていることを確認した。
粒径30μのピロ燐酸メラミン15部およびシリカ2部
をシリコンオイル1部にて撥水処理したものを用い、こ
の配合割合になるように混合物6.0kgを製造した。
該混合物を用いてB−5単位の火災試験を実施した結
果、消火時間が5.0秒、薬剤使用量が1.8kgであ
った。同じくA−2単位の火災試験の結果は残炎はなく
余燼も見られず完全消火で、2分後も再燃しなかった。
木材表面には発泡生成物が多く見られ木材表面温度は充
分冷えていることを確認した。
【0017】実施例2 平均粒径40μの燐酸二水素アンモニウム45部、平均
粒径60μの硫酸アンモニウム37部と平均粒径30μ
のメラミンピロ燐酸塩15部およびシリカ2部をシリコ
ンオイル1部にて撥水処理したものを用い、この配合割
合になるように混合物6.0kgを製造した。該混合物
を用いてB−5単位の火災試験を実施した結果、消火時
間が5.7秒、薬剤使用量が2.1kgであり、同じく
A−1単位の火災試験の結果は残炎はなく余燼も見られ
ず完全消火で、2分後も再燃しなかった。木材表面には
発泡生成物が多く見られ木材表面温度は充分冷えている
ことを確認した。
粒径60μの硫酸アンモニウム37部と平均粒径30μ
のメラミンピロ燐酸塩15部およびシリカ2部をシリコ
ンオイル1部にて撥水処理したものを用い、この配合割
合になるように混合物6.0kgを製造した。該混合物
を用いてB−5単位の火災試験を実施した結果、消火時
間が5.7秒、薬剤使用量が2.1kgであり、同じく
A−1単位の火災試験の結果は残炎はなく余燼も見られ
ず完全消火で、2分後も再燃しなかった。木材表面には
発泡生成物が多く見られ木材表面温度は充分冷えている
ことを確認した。
【0018】実施例3 平均粒径80μの重炭酸ナトリウム89部と平均粒径3
0μのピロ燐酸メラミン10部および疎水性シリカ1部
の配合割合になるように混合物6.0kgを製造した。
該混合物を用いて、B−5単位の火災試験を実施した結
果、消火時間が5.5秒、薬剤使用量が2.2kgであ
り、同じくA−1単位の火災試験の結果は残炎はなく余
燼(木材が赤くなる)も見られず完全消火で、2分後も
再燃しなかった。木材表面には発泡生成物が多く見られ
木材表面温度は充分冷えていることを確認した。
0μのピロ燐酸メラミン10部および疎水性シリカ1部
の配合割合になるように混合物6.0kgを製造した。
該混合物を用いて、B−5単位の火災試験を実施した結
果、消火時間が5.5秒、薬剤使用量が2.2kgであ
り、同じくA−1単位の火災試験の結果は残炎はなく余
燼(木材が赤くなる)も見られず完全消火で、2分後も
再燃しなかった。木材表面には発泡生成物が多く見られ
木材表面温度は充分冷えていることを確認した。
【0019】比較例1 平均粒径40μの燐酸二水素アンモニウム97部とシリ
カ2部をシリコンオイル1部で撥水処理したものを用
い、この配合割合になるように、混合物6.0kgを製
造した。該混合物を用いてB−5単位の火災試験を実施
した結果、消火時間5.8秒、薬剤使用量が2.2kg
であり、同じくA−2単位の火災試験の結果は、消火薬
剤を全量使用したが完全消火で2分後も再燃しなかっ
た。消火後の残炎は見られなかったが、ところどころに
余燼が見られ、またくすぶりは2分間つづいたが2分後
に炎を上げて燃える事はなかった。
カ2部をシリコンオイル1部で撥水処理したものを用
い、この配合割合になるように、混合物6.0kgを製
造した。該混合物を用いてB−5単位の火災試験を実施
した結果、消火時間5.8秒、薬剤使用量が2.2kg
であり、同じくA−2単位の火災試験の結果は、消火薬
剤を全量使用したが完全消火で2分後も再燃しなかっ
た。消火後の残炎は見られなかったが、ところどころに
余燼が見られ、またくすぶりは2分間つづいたが2分後
に炎を上げて燃える事はなかった。
【0020】比較例2 平均粒径40μの燐酸二水素アンモニウム53部、平均
粒径60μの硫酸アンモニウム44部とシリカ2部をシ
リコンオイル1部にて撥水処理したものを用い、この配
合割合になるように、混合物6.0kgを製造した。該
混合物を用いてB−5単位の火災試験を実施した結果、
消火時間が6.4秒、薬剤使用量が2.8kgであり、
同じくA−2単位の火災試験の結果は完全消火したが、
1分後再燃した。
粒径60μの硫酸アンモニウム44部とシリカ2部をシ
リコンオイル1部にて撥水処理したものを用い、この配
合割合になるように、混合物6.0kgを製造した。該
混合物を用いてB−5単位の火災試験を実施した結果、
消火時間が6.4秒、薬剤使用量が2.8kgであり、
同じくA−2単位の火災試験の結果は完全消火したが、
1分後再燃した。
【0021】比較例3 重炭酸ナトリウム99部および疎水性シリカ1部の配合
割合になるように混合物6.0kgを製造した。該混合
ものを用いてB−5単位の火災試験を実施した結果、消
火時間が6.2秒、薬剤使用量が2.6kgであり、同
じくA−1単位の結果は、消火薬剤を全量使用するも消
火不能であった。
割合になるように混合物6.0kgを製造した。該混合
ものを用いてB−5単位の火災試験を実施した結果、消
火時間が6.2秒、薬剤使用量が2.6kgであり、同
じくA−1単位の結果は、消火薬剤を全量使用するも消
火不能であった。
【0022】なお、実施例及び比較例の火災試験は次の
ように行った。 A−1単位火災試験:燃焼架台の上に杉の角材(縦3c
m×横3.5cm×長さ70cm)を5本5本、4本4
本を単位とし井桁状に90本積み上げ、ガソリン1.5
Lを用いて点火し、3分後に粉末消火薬剤3.0kg入
り消火器を用いて消火し、消火の状態を測定するもので
ある。
ように行った。 A−1単位火災試験:燃焼架台の上に杉の角材(縦3c
m×横3.5cm×長さ70cm)を5本5本、4本4
本を単位とし井桁状に90本積み上げ、ガソリン1.5
Lを用いて点火し、3分後に粉末消火薬剤3.0kg入
り消火器を用いて消火し、消火の状態を測定するもので
ある。
【0023】A−2単位火災試験:燃焼架台の上に杉の
角材(縦3cm×横3.5cm×長さ90cm)を6本
6本、5本5本を単位とし井桁状に144本積み上げ、
ガソリン3.0Lを用いて点火し、3分後に消火し、消
火の状態を測定するものである。
角材(縦3cm×横3.5cm×長さ90cm)を6本
6本、5本5本を単位とし井桁状に144本積み上げ、
ガソリン3.0Lを用いて点火し、3分後に消火し、消
火の状態を測定するものである。
【0024】B−5単位火災試験:鉄製オイルパン(縦
100cm×横100cm×深さ30cm)に水を12
cmの深さに入れ、その上にガソリンを3cmの深さに
入れて点火し、1分後に粉末消火薬剤3.0kg入り消
火器を用い粉末消火薬剤を放射して消火に要した時間お
よび薬剤使用量を測定するものである。
100cm×横100cm×深さ30cm)に水を12
cmの深さに入れ、その上にガソリンを3cmの深さに
入れて点火し、1分後に粉末消火薬剤3.0kg入り消
火器を用い粉末消火薬剤を放射して消火に要した時間お
よび薬剤使用量を測定するものである。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術では達成され
なかった、消火能力を飛躍的に増大させ、さらに再着火
を防止した粉末消火薬剤を提供することにある。A、
B、C火災用の主剤にピロ燐酸メラミンを添加すること
によりA火災に対する消火能力を増大させることがで
き、しかもB、C火災の消火能力を何ら損なうことがな
く、又完全消火し再着火を防止できる。また、B、C火
災用の主剤にピロ燐酸メラミンを添加することによって
A火災消火能力が付与される。
なかった、消火能力を飛躍的に増大させ、さらに再着火
を防止した粉末消火薬剤を提供することにある。A、
B、C火災用の主剤にピロ燐酸メラミンを添加すること
によりA火災に対する消火能力を増大させることがで
き、しかもB、C火災の消火能力を何ら損なうことがな
く、又完全消火し再着火を防止できる。また、B、C火
災用の主剤にピロ燐酸メラミンを添加することによって
A火災消火能力が付与される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩間 道夫 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三 井東圧化学株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 燐酸二水素アンモニウムまたは/およ
び硫酸アンモニウムにピロ燐酸メラミンを含有してなる
ことを特徴とする粉末消火薬剤。 - 【請求項2】 重炭酸アルカリ金属塩にピロ燐酸メラ
ミンを含有してなることを特徴とする粉末消火薬剤。 - 【請求項3】 ピロ燐酸メラミンが0.1〜40重量
%含まれる請求項1または2記載の粉末消火薬剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18240893A JPH0731693A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 粉末消火薬剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18240893A JPH0731693A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 粉末消火薬剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0731693A true JPH0731693A (ja) | 1995-02-03 |
Family
ID=16117781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18240893A Pending JPH0731693A (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 粉末消火薬剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0731693A (ja) |
-
1993
- 1993-07-23 JP JP18240893A patent/JPH0731693A/ja active Pending
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