JPH07316655A - 低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH07316655A
JPH07316655A JP11552694A JP11552694A JPH07316655A JP H07316655 A JPH07316655 A JP H07316655A JP 11552694 A JP11552694 A JP 11552694A JP 11552694 A JP11552694 A JP 11552694A JP H07316655 A JPH07316655 A JP H07316655A
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steel sheet
iron loss
linear
rolling direction
magnetic
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JP11552694A
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Kunihiro Senda
邦浩 千田
Masayoshi Ishida
昌義 石田
Keiji Sato
圭司 佐藤
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 表面に、圧延方向と交差する向きに延びる線
状の溝を有する仕上焼鈍済みの方向性鋼板につき、局所
的な透磁率分布を板面全体にわたって検出し、検出した
透磁率の値がその平均値よりも高い領域に対して線状の
微小歪を圧延方向と交差する向きに導入する。 【効果】 溝形成による鉄損の低減効果をより一層向上
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、変圧器その他の電機
機器の鉄心に用いて好適な鉄損の低い一方向性電磁鋼板
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、主として変圧器その
他の電機機器の鉄心材料として用いられ、磁気特性とく
に鉄心として使用した場合のエネルギー損失すなわち鉄
損が低いことが必要とされる。そこで従来から、鉄損を
低減させるために、結晶方位を(110)(001)方位により高
度に揃える、Si含有量を上げそれによって鋼板の電気抵
抗を増加させる、不純物を低減させる、さらには板厚を
薄くするなど、種々の対策が講じられてきた。その結
果、板厚が0.23mm以下の鋼板では、鉄損W17/50(磁束密
度:1.7 T, 50Hz)が0.9 W/kg以下のものも得られるよう
になった。しかしながら、このような冶金学的な手法で
は、これ以上の大幅な鉄損の改善は期待できない状況に
至った。
【0003】近年、上記の問題を克服し、さらに低鉄損
を達成し得る手段として、人為的に磁区を細分化する方
法が種々試みられるようになった。その中で、現在工業
化されている方法としては、特公昭57−2252号公報に開
示されているような仕上焼鈍済みの鋼板表面にレーザー
を照射する方法や、特開昭62-96617号公報に開示されて
いるようなプラズマ炎を放射する方法などがある。これ
らの方法はいずれも、レーザーやプラズマ炎により導入
された局所的な高転位密度領域によって 180°磁区の細
分化を図り、もって鉄損の低減を達成しようとするもの
である。しかしながらこの方法は、鉄損の低減に効果が
あるとはいえ、歪取り焼鈍のような高温熱処理によって
鉄損の劣化をきたすため、歪取り焼鈍を必須とする巻鉄
心用としては用いられないという欠点があった。
【0004】一方、歪取り焼鈍が可能な技術として、た
とえば特公昭62-54873号公報には、仕上焼鈍済みの鋼板
にレーザーや機械的手段によって絶縁被膜を局所的に除
去したのち、酸洗やナイフ等の機械的手段によって被膜
除去部に線状の溝を形成し、ついでこの溝を充填するよ
うにりん酸系の張力付与被膜を形成する方法が、また特
公昭62-53579号公報には、仕上焼鈍済みの鋼板に90〜22
0 kg/mm2程度の荷重で地鉄部分に深さ5μm 超の溝を形
成したのち、750 ℃以上の温度で加熱処理する方法が提
案されている。さらに、特公平3-69968号公報には、最
終冷間圧延後、鋼板の圧延方向とほぼ直角な方向に線状
の刻み目を導入する方法が提案されている。上記のよう
にして得られた鋼板はいずれも、表面に形成された線状
溝の周辺に生じる磁極によって磁区が細分化されること
が一つの要因となって、低鉄損が達成されるものと考え
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法によって、
歪取り焼鈍が可能な低鉄損材料が得られるようになった
が、その後の綿密な調査によれば、かような鋼板では、
磁極の生成は鋼板表面に導入した溝の周辺に限られてい
て、このような溝形成による鉄損の改善効果は、プラズ
マ、レーザーなどの局所的熱歪を利用した磁区細分化技
術に比べると、やや劣る場合があることが判明した。こ
の発明は、上記の問題を有利に解決するもので、溝形成
による鉄損の低減効果をより一層向上させた低鉄損方向
性電磁鋼板の製造方法を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】さて発明者らは、鉄損の
劣化原因についての調査過程で、鋼板内に局所的な磁束
密度の不均一が存在すると全体の鉄損が上昇することを
見出した。また鋼板内の局所的な磁束密度は往々にして
不均一であることも併せて判明した。そこで、かかる磁
束密度の不均一を解消すべく、鋼板全面にわたる局所的
な透磁率を検出し、得られた値が平均値よりも高い領域
に圧延方向とほぼ直交する向きに線状の微小歪を付与し
たところ、鉄損の改善に関し、望外の成果が得られたの
である。この発明は、上記の知見に立脚するものであ
る。
【0007】すなわちこの発明は、表面に、圧延方向と
交差する向きに延びる線状の溝を有する仕上焼鈍済みの
方向性鋼板において、該鋼板の局所的な透磁率分布を鋼
板全面にわたって検出し、検出した透磁率がその平均値
よりも高い領域に対して、線状の微小歪を圧延方向と交
差する向きに導入することを特徴とする低鉄損方向性電
磁鋼板の製造方法である。
【0008】この発明において、仕上焼鈍済みの一方向
性電磁鋼板に形成する線状溝の形態は、幅:30〜300 μ
m 、深さ:10〜70μm 、間隔:1〜30mm、圧延方向との
交差角度:圧延方向と直角な方向に対し30°以内とする
ことが好ましい。
【0009】以下、この発明を具体的に説明する。ま
ず、この発明の基礎となった実験結果について説明す
る。インヒビターとしてMnSe, AlNを含む 3.3%けい素
鋼の熱延板を、中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延により
0.23mm厚まで圧延した後、以下に述べる2とおりの処理
を施した。 (A) グラビアオフセット印刷によるエッチングレジスト
塗布後、電解エッチングによって圧延方向と直角な方向
に線状溝を形成し、ついで脱炭焼鈍、最終仕上焼鈍を施
した。なおこの時導入した溝は、幅: 150μm,深さ:25
μm の線状溝であり、また圧延方向の導入間隔は4mmと
した。 (B) 溝形成処理行わず脱炭焼鈍、最終仕上焼鈍を施し
た。
【0010】次に、得られた各鋼板について、圧延方向
に10mmの間隔で板幅方向の透磁率分布を測定した。ここ
で鋼板の局所的磁気測定手法としては、探針法{文献
名:E.Werner, Austrian Patent No.19115 (1949) }と
呼ばれる方法を用いた。この探針法は、鋼板の地鉄に2
本の針を接触させ、鋼板の断面内に発生する渦電流によ
る電圧降下から非破壊で局所的な磁束密度を求める方法
である。透磁率としてここでは、磁化力:100 A/m のと
きの磁束密度すなわちB1 を測定した。
【0011】上記の磁気測定後、A,Bの各鋼板に絶縁
被膜処理を施し、以下の条件でプラズマジェットによる
線状微小歪を導入した。なおプラズマジェットは長手方
向の間隔:7mm,ノズル径:300 μm, プラズマ電流:
8Aの条件で圧延方向と直角な方向に照射した。 (a) プラズマジェット照射を行わない。 (b) 上記の条件で、鋼板全面に照射した。 (c) 上記の条件で、B1 が板幅方向の平均値よりも高い
領域にのみ照射した。 (d) 上記の条件で、B1 が板幅方向の平均値よりも低い
領域にのみ照射した。 なお上記 (a)〜(d) の実験において、試料は歪取り焼鈍
を行うことにより同一の試料(幅:150 mm、長さ:280
mm)を繰り返し使用した。
【0012】かくして得られた試料の磁気特性を単板磁
気試験器によって測定した結果を、表1に示す。表1の
各測定値は、それぞれ16枚の平均値である。ここでW
17/50 は磁束密度:1.7 T、周波数:50Hz における鉄
損値、またB8 は磁化力:800 A/m における磁束密度で
ある。
【0013】
【表1】
【0014】同表から明らかなように、鋼板の圧延方向
と直角方向に延びる線状溝を有する鋼板に対し、透磁率
が板幅方向の透磁率の平均値よりも高い領域にのみ線状
の微小歪を導入することにより、従来より格段に鉄損の
低減を図ることができた。
【0015】次に、線状歪導入の適正条件を求めるため
に行った実験について説明する。図1に、探針法を用い
て測定した、溝導入処理後鋼板の板幅方向のB1 の分布
の一例を示す。図中、各点は幅:10mmの局所部分のB1
測定値である。図1のようなB1 の分布を鋼板全体にわ
たって測定した上で、その結果を基に(ア)プラズマジ
ェットを照射する領域の下限のしきい値を変化させる、
(イ)プラズマジェットを照射する領域の上限のしきい
値を変化させる、という実験を行った。得られた結果を
それぞれ図2および図3に示す。
【0016】図2から明らかなように、プラズマを全面
照射する(下限値:1.5 Tの場合に相当)よりも部分的
に照射した方が鉄損の改善効果が大きく、特にB1 が平
均値よりも大きい領域のみに照射した場合(下限値:1.
75Tの場合に相当)に最大の効果が得られた。これに対
し図3のように、B1 が低い領域を主体にプラズマ照射
した場合は、全面照射(上限値:1.95Tの場合に相当)
に比べて鉄損の改善は見られなかった。
【0017】
【作用】従来、方向性けい素鋼板の鉄損は主に結晶方位
〔001〕の圧延方向への集積度と磁区幅に依存すると
考えられてきた。この考えに立てば、鋼板内の磁気特性
が一様であるならば、結晶方位と磁区幅のみの関数とし
て鉄損を記述することができる筈である。しかし現実に
工業的に生産される電磁鋼板は粒径数mm〜数cmオーダー
の結晶粒で構成される多結晶体であり、結晶粒ごとの方
位のずれなどによって鋼板内では磁束密度の不均一が生
じている。このような場合、局所的に磁束が集中した領
域では急激な鉄損の増加が生じ、鋼板全体の損失の平均
値を上昇させる。従って、実際の電磁鋼板においては、
磁束分布の不均一さも鉄損決定要因の一つとして追加さ
れるべきである。
【0018】この発明は、図1に示したような不均一な
透磁率分布をもつ鋼板に対し、高透磁率の部分に微小歪
を加えて透磁率を減少させ磁束分布の均一化を行うこと
で鉄損値の低減を図るものであるが、高透磁率部分の透
磁率を単に低下させるだけでは目的の低鉄損化は達成さ
れない。所望の目的を達成するためには、高透磁率部分
の透磁率の低下と共に、ヒステリシスロスの増大を極力
少なくし、かつ磁区細分化効果も勘案する必要がある。
このような観点から、透磁率の低下手段としては、この
発明で採用したような圧延方向にほぼ直角な線状歪を導
入する方法が望ましく、特にこの場合、磁区細分化効果
が期待できる高磁束密度の部分にのみ線状歪が導入され
ることになるから、一層の鉄損改善効果が期待できるの
である。
【0019】また、線状溝を有する鋼板の高透磁率部分
に線状歪を導入した場合に最も鉄損が低くなる理由は、
溝を導入した鋼板は磁区細分化の効果はすでに飽和に近
づいており、このような状態の鋼板では磁区幅よりも磁
束密度の不均一の方が鉄損決定要因として優位になって
いるからと考えられる。また、線状溝の導入が不均一な
場合、溝が浅い部分では磁区が十分に細分化されない
が、このような部分では十分に溝が形成された部分に比
べて磁束密度が高い。従って高透磁率の部分に線状歪を
導入することは溝による磁区細分化の不均一を補う効果
も期待できる。
【0020】次に、この発明に従う方向性電磁鋼板の製
造工程について説明する。まず、方向性電磁鋼板用スラ
ブを熱間圧延し、その後必要に応じて熱延板焼鈍を行っ
たのち、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延に
より最終製品板厚とし、その後脱炭焼鈍についで最終仕
上げ焼鈍を施したのち、通常上塗コーティングを施して
製品とする。線状溝の導入時期については、最終仕上焼
鈍の前後のいずれでも構わない。溝を形成する方法につ
いては局所的にエッチング処理する方法、刃物等でけが
く方法、突起付きロールで圧延する方法等が挙げられ
る。最も望ましい方法は、最終冷間圧延後、鋼板に印刷
等によりエッチングレジストを付着させたのち電解エッ
チング等の処理により溝を形成する方法である。
【0021】導入される線状溝の形態については、溝幅
は30〜300 μm 、深さは10〜70μmとするのが鉄損低減
効果の上で望ましい。というのは、溝幅および深さが小
さすぎるとで磁極の生成量が少なく十分な磁区細分化効
果が得られず、一方大きすぎると磁束密度の著しい低下
を招くからである。また、溝の導入角度は圧延方向と直
角な方向に対し30°以内とするのが良い。というのは、
30°を超えると磁区細分化効果が急激に小さくなるから
である。さらに、溝の導入間隔は30mm以下で特に良好な
結果が得られる。しかしながら、導入間隔が1mmより小
さくなると、磁極生成量が多くなりすぎて履歴損の増大
を招くので、溝の導入間隔は1〜30mmの範囲とするのが
好ましい。。
【0022】ついで、鋼板の全面にわたって局所的な透
磁率を検出する。検出手段としては、上述した探針法の
他、鋼板を破壊しない方法であればいかなる方法でも好
く、例えば小型ヨークにより鋼板を局所的に励磁し、同
じヨークで局所的に磁束密度を測定する方法などが使用
できる。また、鋼板全面の透磁率分布の検出に際して
は、鋼板の長手方向に所定の間隔で、板幅方向にわたる
局所的な透磁率を測定する方法が有利である。ここに、
長手方向の間隔は5〜50mm、また板幅方向における測定
ピッチは5〜20mm程度とするのが好ましい。さらに、透
磁率の評価としては、局所的なB1 について述べてきた
が、特にこれにこだわらず局所的なB8 あるいは局所的
なB17/50 (全体のB=1.7 Tの条件下での局所的な磁
束密度)などを指標として用いることもできる。
【0023】ついで、測定した透磁率が、平均値よりも
大きい領域にのみ、線状の微小歪を圧延方向と交差する
向きに導入するわけであるが、線状歪の導入方法につい
ては、プラズマの他、レーザー光線、放電加工、ウォー
タージェット、超音波、ボールペンやナイフなどによる
けがきなど90°磁区を生成して磁区を細分化する方法な
らば何でもよい。ここに、微小歪の導入の向きは、圧延
方向と直角な方向に対し、30°以内とするのが好まし
い。というのは30°を超えると所望の鉄損改善効果が期
待できないからである。
【0024】
【実施例】
実施例1 インヒビターとしてMnSe, AlN, Sbを含む 3.2%けい素
鋼板の熱延板を、中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延によ
り0.23mm厚まで圧延し、グラビアオフセット印刷による
エッチングレジスト塗布後、電解エッチングによって線
状溝を形成し、ついで脱炭焼鈍、最終仕上げ焼鈍を施し
た。導入した線状溝は、幅:170 μm,深さ:20μm で、
圧延方向に直角な方向に4mm間隔で導入した。ついで、
長手方向の間隔:10mmで、探針法を用いて鋼板の局所的
1 の板幅方向への分布を測定した(測定ピッチ:10m
m)のち、絶縁被膜処理を施した。しかる後プラズマジ
ェットにより、以下の条件で線状の微小歪を導入した。 (a) 全面に微小歪を導入した。 (b) B1 が板幅方向の平均よりも高い領域のみに微小歪
を導入した。 (c) B1 が板幅方向の平均よりも低い領域のみに微小歪
を導入した。 (d) 線状歪を導入しなかった。 (a)〜(c) において、線状歪の導入は、圧延方向と直角
な方向に7mm間隔で行った。かくして得られた製品から
幅:150 mm、長さ:280 mmのSST(単板磁気試験器)
試片を採取し、磁気特性を測定した結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】同表から明らかなように、鋼板全面に線状
歪を導入した場合よりも、透磁率がその平均値よりも高
い領域にのみ線状歪を導入した方が、一層低い鉄損が得
られている。
【0027】実施例2 インヒビターとしてMnSe, AlN, Sbを含む 3.2%けい素
鋼板の熱延板を、中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延によ
り0.18mm厚まで圧延し、脱炭焼鈍後、最終仕上げ焼鈍お
よび絶縁被膜処理を施して最終製品板とした。その後、
レーザー光線を鋼板表面に照射し、絶縁被膜および下地
被膜を鋼板の圧延方向と直交する方向に線状に除去した
のち、電解エッチングを行い、被膜除去部分に圧延方向
と直交する線状溝を形成させた。得られた溝は、幅:18
0 μm,深さ:18μm で、圧延方向に直角な方向に4mm間
隔で導入した。
【0028】ついで、長手方向の間隔:10mmで、探針法
を用いて鋼板の局所的B1 の板幅方向への分布を測定し
た(測定ピッチ:10mm)のち、ボールペンによるけがき
によって以下のような条件で線状の微小歪を導入した。 (a) 鋼板全面に微小歪を導入した。 (b) B1 が板幅方向の平均よりも高い領域にのみ微小歪
を導入した。 (c) B1 が板幅方向の平均よりも低い領域にのみ微小歪
を導入した。 (d) 線状歪を導入せず比較例とした。 上記 (a)〜(c) において、微小歪の導入は、圧延方向と
直角な方向に2mm間隔で行った。かくして得られた製品
から幅:50mm、長さ:280mm のSST(単板磁気試験
器)を採取し、磁気特性を測定した結果を表3に示す。
【0029】同表から明らかなように、鋼板全面に線状
歪を導入した場合よりも、透磁率がその平均値よりも高
い領域にのみ線状歪を導入した方が、一層低い鉄損が得
られている。
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】かくしてこの発明に従い、表面に圧延方
向と交差する向きに線状の溝を有する鋼板において、局
所的な透磁率が平均値よりも高い領域に圧延方向と交差
する向きに線状の微小歪を導入することによって、方向
性電磁鋼板の鉄損を一層低減することができ、たとえば
トランスの鉄心材料等の用途に供して多大の電力エネル
ギーを節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板幅方向の局所的な磁束密度B1 の分布を示
した図である。
【図2】歪導入処理を施す領域の下限のB1 を変化させ
た時の鉄損の変化量ΔW17/50を示した図である。
【図3】歪導入処理を施す領域の上限のB1 を変化させ
た時の鉄損の変化量ΔW17/50を示した図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に、圧延方向と交差する向きに延び
    る線状の溝を有する仕上焼鈍済みの方向性鋼板におい
    て、該鋼板の局所的な透磁率分布を鋼板全面にわたって
    検出し、検出した透磁率がその平均値よりも高い領域に
    対して、線状の微小歪を圧延方向と交差する向きに導入
    することを特徴とする低鉄損方向性電磁鋼板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、線状溝が、幅:30〜
    300 μm 、深さ:10〜70μm 、間隔:1〜30mm、圧延方
    向との交差角度:圧延方向と直角な方向に対し30°以内
    である鉄損の低い一方向性電磁鋼板の製造方法。
JP11552694A 1994-05-27 1994-05-27 低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法 Pending JPH07316655A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0992591A3 (en) * 1998-10-06 2001-02-07 Nippon Steel Corporation Grain-oriented electrical steel sheet and production method thereof
JP2012239254A (ja) * 2011-05-10 2012-12-06 Mitsubishi Electric Corp 回転電機の電機子
JP2021535955A (ja) * 2018-08-28 2021-12-23 ポスコPosco 方向性電磁鋼板およびその磁区微細化方法

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