JPH07314262A - ピン挿入方法及び装置 - Google Patents
ピン挿入方法及び装置Info
- Publication number
- JPH07314262A JPH07314262A JP11685494A JP11685494A JPH07314262A JP H07314262 A JPH07314262 A JP H07314262A JP 11685494 A JP11685494 A JP 11685494A JP 11685494 A JP11685494 A JP 11685494A JP H07314262 A JPH07314262 A JP H07314262A
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- Japan
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- pin
- reaction force
- robot
- pin hole
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 厳密な数値設定や計測・計算を不要とし、環
境等から受ける制御誤差の影響がなく、ピンの長さやピ
ン穴の位置が不明確でも行えるピン挿入方法を提供す
る。 【構成】 3つの基本動作要素、「ピン穴を探す」=
ピンの進む方向から力を受けたら、ピンをランダムに横
方向に進ませる、「ピンの姿勢を変える」=ピンにモ
ーメントが働いたら、ピンを戻し、そのモーメントを減
少させる方向にピンを回転させる、「ピンを直進させ
る」=反力を受けない限り、ピンをピン先の方向に進ま
せる、をそれぞれ独立に働かせ、各条件に応じてピンが
運動することによってピンの運動がピン穴内に収束す
る。
境等から受ける制御誤差の影響がなく、ピンの長さやピ
ン穴の位置が不明確でも行えるピン挿入方法を提供す
る。 【構成】 3つの基本動作要素、「ピン穴を探す」=
ピンの進む方向から力を受けたら、ピンをランダムに横
方向に進ませる、「ピンの姿勢を変える」=ピンにモ
ーメントが働いたら、ピンを戻し、そのモーメントを減
少させる方向にピンを回転させる、「ピンを直進させ
る」=反力を受けない限り、ピンをピン先の方向に進ま
せる、をそれぞれ独立に働かせ、各条件に応じてピンが
運動することによってピンの運動がピン穴内に収束す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロボットを使用してピ
ンをピン穴に挿入する方法に係り、特に、厳密な数値設
定や計測・計算を不要とし、環境等から受ける制御誤差
の影響がなく、ピンの長さやピン穴の位置が不明確でも
行えるピン挿入方法に関するものである。
ンをピン穴に挿入する方法に係り、特に、厳密な数値設
定や計測・計算を不要とし、環境等から受ける制御誤差
の影響がなく、ピンの長さやピン穴の位置が不明確でも
行えるピン挿入方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピンを対象物に開けられた目的のピン穴
に挿入する作業を自動化するためにロボットが導入され
る。ロボットの運動領域或いは対象物の大きさに対し、
ピン及びピン穴の大きさが非常に小さいのが普通である
から、ロボットによって正確にピン挿入をさせるために
は、ロボットにピン穴の精密な位置情報を与え、この位
置情報どおりにロボットの運動を精度よく制御すること
が重要である。しかし、精密な位置情報を作ることや精
度の高い運動制御を行うことは煩わしく、また、ピン穴
の位置が僅かでもずれていたり、外的要因等によりロボ
ットの運動に誤差が生じたりすると対応できない。ま
た、ピン穴の位置が不定・不明であるようなものに対し
ては適用できない。
に挿入する作業を自動化するためにロボットが導入され
る。ロボットの運動領域或いは対象物の大きさに対し、
ピン及びピン穴の大きさが非常に小さいのが普通である
から、ロボットによって正確にピン挿入をさせるために
は、ロボットにピン穴の精密な位置情報を与え、この位
置情報どおりにロボットの運動を精度よく制御すること
が重要である。しかし、精密な位置情報を作ることや精
度の高い運動制御を行うことは煩わしく、また、ピン穴
の位置が僅かでもずれていたり、外的要因等によりロボ
ットの運動に誤差が生じたりすると対応できない。ま
た、ピン穴の位置が不定・不明であるようなものに対し
ては適用できない。
【0003】これに対し、ピン挿入完了までのロボット
の運動軌跡を厳密に規定するのではなく、ロボットが対
象物からの反力を検出し、この反力によってピンとピン
穴とのずれを発見し、ずれを修正するようにピンを動か
してピンを挿入するようにした方法が知られている。
の運動軌跡を厳密に規定するのではなく、ロボットが対
象物からの反力を検出し、この反力によってピンとピン
穴とのずれを発見し、ずれを修正するようにピンを動か
してピンを挿入するようにした方法が知られている。
【0004】特開昭62−145305号は、組立部品
と被組立部品との接触による反力を検出し、これを予め
設定した目標値に近付くようにロボットの動作を算出す
るものである。
と被組立部品との接触による反力を検出し、これを予め
設定した目標値に近付くようにロボットの動作を算出す
るものである。
【0005】特開平4−46785号は、位置センサ、
力センサを用い、挿入方向には位置制御、その他の方向
には力制御として目標値からの偏差が小さくなるように
制御し、ピンをピン穴になじませながら挿入するもので
ある。
力センサを用い、挿入方向には位置制御、その他の方向
には力制御として目標値からの偏差が小さくなるように
制御し、ピンをピン穴になじませながら挿入するもので
ある。
【0006】特開平4−256526号は、位置検出用
治具を使用して穴の検出をするものである。位置検出用
治具は軸をピン穴の軸に平行にして孔付近に押し当て、
反力の無い部分を孔として検出するものである。
治具を使用して穴の検出をするものである。位置検出用
治具は軸をピン穴の軸に平行にして孔付近に押し当て、
反力の無い部分を孔として検出するものである。
【0007】特開平4−348885号は、はめ合い作
業において円柱状の部品を孔に接触させ、接触点を中心
に回転させて力の変化を観察し、その結果から位置検出
を行うものである。
業において円柱状の部品を孔に接触させ、接触点を中心
に回転させて力の変化を観察し、その結果から位置検出
を行うものである。
【0008】これらの方法を導入することにより、ピン
穴の位置情報は精密でなくても、ピン穴との位置ずれを
修正してピンを挿入することができる。
穴の位置情報は精密でなくても、ピン穴との位置ずれを
修正してピンを挿入することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開昭62
−145305号は、反力の検出値が予め設定した目標
値に近付くようにロボットの動作を算出している。検出
値にノイズがあると算出結果が正しくなくなるので、ノ
イズに弱い。ノイズはロボットの動作環境に大きく影響
される。また、ピンが部分的にピン穴にかかっている状
態からピン穴の探索を開始するので、ピンが全くピン穴
にかかっていないとき困る。
−145305号は、反力の検出値が予め設定した目標
値に近付くようにロボットの動作を算出している。検出
値にノイズがあると算出結果が正しくなくなるので、ノ
イズに弱い。ノイズはロボットの動作環境に大きく影響
される。また、ピンが部分的にピン穴にかかっている状
態からピン穴の探索を開始するので、ピンが全くピン穴
にかかっていないとき困る。
【0010】特開平4−46785号は、力と位置との
ハイブリッド制御のために演算が必要であり、上記例と
同様に、検出値にノイズがあると算出結果が正しくなく
なるので、ノイズに弱い。また、ピン穴位置が正確に判
っている必要がある。
ハイブリッド制御のために演算が必要であり、上記例と
同様に、検出値にノイズがあると算出結果が正しくなく
なるので、ノイズに弱い。また、ピン穴位置が正確に判
っている必要がある。
【0011】特開平4−256526号は、位置検出用
治具でピン穴を検出した後、ピンをその位置まで運ぶの
で、ピンを運ぶとき変動があると困る。また、位置検出
用治具はピン穴に平行にして作動させるので、ピン穴の
方向が予めわかっていないと稼働できない。また、位置
検出用治具が部分的にピン穴にかかっている状態からピ
ン穴の探索を開始するので、位置検出用治具が全くピン
穴にかかっていないとき困る。
治具でピン穴を検出した後、ピンをその位置まで運ぶの
で、ピンを運ぶとき変動があると困る。また、位置検出
用治具はピン穴に平行にして作動させるので、ピン穴の
方向が予めわかっていないと稼働できない。また、位置
検出用治具が部分的にピン穴にかかっている状態からピ
ン穴の探索を開始するので、位置検出用治具が全くピン
穴にかかっていないとき困る。
【0012】特開平4−348885号は、上記例と同
様に、ピンが部分的にピン穴にかかっている状態からピ
ン穴の探索を開始するので、ピンが全くピン穴にかかっ
ていないとき困る。
様に、ピンが部分的にピン穴にかかっている状態からピ
ン穴の探索を開始するので、ピンが全くピン穴にかかっ
ていないとき困る。
【0013】また、いずれの場合にあっても、ピンの長
さが変更されると計算を変更する必要が生じるから、ピ
ンの長さ変更に対する柔軟な対応に欠ける。また、ピン
穴位置が変更等によって不明確になると対応できない。
さが変更されると計算を変更する必要が生じるから、ピ
ンの長さ変更に対する柔軟な対応に欠ける。また、ピン
穴位置が変更等によって不明確になると対応できない。
【0014】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、厳密な数値設定や計測・計算を不要とし、環境等か
ら受ける制御誤差の影響がなく、ピンの長さやピン穴の
位置が不明確でも行えるピン挿入方法を提供することに
ある。
し、厳密な数値設定や計測・計算を不要とし、環境等か
ら受ける制御誤差の影響がなく、ピンの長さやピン穴の
位置が不明確でも行えるピン挿入方法を提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の方法は、位置移動・姿勢移動の運動自由度を
有するロボットを使用して円筒状のピンを対象物に開け
られたピン穴まで運んで挿入する方法において、ピンが
対象物から受ける反力を検出し、その反力を条件とする
3つの基本動作要素、 「ピン穴を探す」=ピンの進む方向から力を受けた
ら、ピンをランダムに横方向に進ませる、 「ピンの姿勢を変える」=ピンにモーメントが働いた
ら、ピンを戻し、そのモーメントを減少させる方向にピ
ンを回転させる、 「ピンを直進させる」=反力を受けない限り、ピンを
ピン先の方向に進ませる、 をそれぞれ独立に働かせ、各条件に応じてピンが運動す
ることによってピンの運動がピン穴内に収束するように
したものである。
に本発明の方法は、位置移動・姿勢移動の運動自由度を
有するロボットを使用して円筒状のピンを対象物に開け
られたピン穴まで運んで挿入する方法において、ピンが
対象物から受ける反力を検出し、その反力を条件とする
3つの基本動作要素、 「ピン穴を探す」=ピンの進む方向から力を受けた
ら、ピンをランダムに横方向に進ませる、 「ピンの姿勢を変える」=ピンにモーメントが働いた
ら、ピンを戻し、そのモーメントを減少させる方向にピ
ンを回転させる、 「ピンを直進させる」=反力を受けない限り、ピンを
ピン先の方向に進ませる、 をそれぞれ独立に働かせ、各条件に応じてピンが運動す
ることによってピンの運動がピン穴内に収束するように
したものである。
【0016】ピン先の方向から反力を受けたら、ピンを
横方向多方向に進ませ、どの方向からも直ちに反力があ
ればピン挿入が完了したものとして全ての基本動作を終
了するようにしてもよい。
横方向多方向に進ませ、どの方向からも直ちに反力があ
ればピン挿入が完了したものとして全ての基本動作を終
了するようにしてもよい。
【0017】また、位置移動・姿勢移動の運動自由度を
有するロボットを使用して円筒状のピンを対象物に開け
られたピン穴まで運んで挿入する方法において、ロボッ
トに大まかなピン穴の位置情報を与えてその位置まで移
動させ、その近傍で対象物に沿ったランダムな方向にピ
ンを横移動させながらピン先を対象物に向けて進退さ
せ、反力が無い箇所をピン穴と判定するものである。
有するロボットを使用して円筒状のピンを対象物に開け
られたピン穴まで運んで挿入する方法において、ロボッ
トに大まかなピン穴の位置情報を与えてその位置まで移
動させ、その近傍で対象物に沿ったランダムな方向にピ
ンを横移動させながらピン先を対象物に向けて進退さ
せ、反力が無い箇所をピン穴と判定するものである。
【0018】本発明の装置は、直線及び回転の複合動作
を行うアーム部に物体を保持する保持部を設けたロボッ
トを制御して、保持した円筒状のピンを対象物に開けら
れたピン穴まで運んで挿入する装置において、少なくと
もピンの先の方向及びピンの横の方向からピンが受ける
反力を検出する複数の力センサを上記ロボットに搭載
し、 「ピン穴を探す」=ピンの進む方向から力を受けた
ら、ピンをランダムに横方向に進ませる、 「ピンの姿勢を変える」=ピンにモーメントが働いた
ら、ピンを戻し、そのモーメントを減少させる方向にピ
ンを回転させる、 「ピンを直進させる」=反力を受けない限り、ピンを
ピン先の方向に進ませる、 の3つの基本動作要素及び、 「ピン挿入の完了を判定する」=ピン先の方向から反
力を受けたら、ピンを横方向多方向に進ませ、どの方向
からも直ちに反力があればピン挿入が完了したものと判
断する、の終了判定要素を有し、それぞれの要素を独立
かつ同時並行に働かせて上記ロボットを運転する制御部
を備えたものである。
を行うアーム部に物体を保持する保持部を設けたロボッ
トを制御して、保持した円筒状のピンを対象物に開けら
れたピン穴まで運んで挿入する装置において、少なくと
もピンの先の方向及びピンの横の方向からピンが受ける
反力を検出する複数の力センサを上記ロボットに搭載
し、 「ピン穴を探す」=ピンの進む方向から力を受けた
ら、ピンをランダムに横方向に進ませる、 「ピンの姿勢を変える」=ピンにモーメントが働いた
ら、ピンを戻し、そのモーメントを減少させる方向にピ
ンを回転させる、 「ピンを直進させる」=反力を受けない限り、ピンを
ピン先の方向に進ませる、 の3つの基本動作要素及び、 「ピン挿入の完了を判定する」=ピン先の方向から反
力を受けたら、ピンを横方向多方向に進ませ、どの方向
からも直ちに反力があればピン挿入が完了したものと判
断する、の終了判定要素を有し、それぞれの要素を独立
かつ同時並行に働かせて上記ロボットを運転する制御部
を備えたものである。
【0019】
【作用】MIT(マサチューセッツ工科大学)が提唱す
るSSA(サブサンプション・アーキテクチュア)によ
れば、個々の単純で確実な動作を統合して複雑な動作を
作り、その積み上げによってより高度に複雑な動作、究
極的には人が行うのと同程度に複雑な動作を得ることが
できる。本出願人は、この理念に基づき複雑なピン挿入
の作業から単純で確実な動作を抽出した。即ち、「ピン
を直進させる」、「ピンの姿勢を変える」及び「ピン穴
を探す」の3つの基本動作要素である。各基本動作要素
を全く独立に働かせることにより、ピン穴の探索からピ
ン穴への円滑な挿入までの高度の動作が実現できた。ま
た、「ピン挿入の完了を判定する」の終了判定要素を同
時に働かせることにより、ピンがピン穴内に収束したと
き直ちにピン挿入作業が終了できるようになった。
るSSA(サブサンプション・アーキテクチュア)によ
れば、個々の単純で確実な動作を統合して複雑な動作を
作り、その積み上げによってより高度に複雑な動作、究
極的には人が行うのと同程度に複雑な動作を得ることが
できる。本出願人は、この理念に基づき複雑なピン挿入
の作業から単純で確実な動作を抽出した。即ち、「ピン
を直進させる」、「ピンの姿勢を変える」及び「ピン穴
を探す」の3つの基本動作要素である。各基本動作要素
を全く独立に働かせることにより、ピン穴の探索からピ
ン穴への円滑な挿入までの高度の動作が実現できた。ま
た、「ピン挿入の完了を判定する」の終了判定要素を同
時に働かせることにより、ピンがピン穴内に収束したと
き直ちにピン挿入作業が終了できるようになった。
【0020】具体的には、「ピン穴を探す」は、ピン
の進む方向から力を受けたことを条件とし、条件が成立
したときピンをランダムに横方向に進ませる基本動作要
素であり、ピンがピン先の方向又は横方向に進んでいる
とき、対象物(表面、段差の側部、ピン穴の側部など)
に当たってその方向への運動自由がなくなると、他の自
由な横方向へ運動することを意味する。
の進む方向から力を受けたことを条件とし、条件が成立
したときピンをランダムに横方向に進ませる基本動作要
素であり、ピンがピン先の方向又は横方向に進んでいる
とき、対象物(表面、段差の側部、ピン穴の側部など)
に当たってその方向への運動自由がなくなると、他の自
由な横方向へ運動することを意味する。
【0021】「ピンの姿勢を変える」は、ピンにモー
メントが働いたことを条件とし、条件が成立したときピ
ンを戻し、そのモーメントを減少させる方向にピンを回
転させる基本動作要素であり、ピンが対象物(表面、段
差の側部、ピン穴の側部など)にななめに当たっている
とき、表面に対し立つように、或いは側部に対し沿うよ
うに姿勢を変えることを意味する。
メントが働いたことを条件とし、条件が成立したときピ
ンを戻し、そのモーメントを減少させる方向にピンを回
転させる基本動作要素であり、ピンが対象物(表面、段
差の側部、ピン穴の側部など)にななめに当たっている
とき、表面に対し立つように、或いは側部に対し沿うよ
うに姿勢を変えることを意味する。
【0022】「ピンを直進させる」は、反力を受けな
いことを条件とし、この条件が成立している間はピンを
ピン先の方向に進ませる基本動作要素であり、ピンが対
象物から離れているとき、対象物に当たるように前進す
ることを意味する。
いことを条件とし、この条件が成立している間はピンを
ピン先の方向に進ませる基本動作要素であり、ピンが対
象物から離れているとき、対象物に当たるように前進す
ることを意味する。
【0023】以上の基本動作要素をそれぞれ独立に働か
せると、まずによってピンが対象物に当たるまで前進
し、当たったときに又はの条件が成立する。によ
ってピンが自由な横方向へ運動し、また、によってピ
ンの姿勢が変わり、ピン先が自由になると、再度によ
ってピンが対象物に当たるまで前進する。このような試
行錯誤によりピンがピン穴上に来たときには反力を受け
なくなるのでが働いてピンがピン穴内に入る。このと
きピンの姿勢がピン穴に一致していないと、ピン先がピ
ン穴の側部に当たりピンにモーメントが働くので、に
よって姿勢が変わる。次いでが働いてピンがピン穴内
に以前よりも深く入る。この繰り返しによりピンの運動
がピン穴内に収束する。
せると、まずによってピンが対象物に当たるまで前進
し、当たったときに又はの条件が成立する。によ
ってピンが自由な横方向へ運動し、また、によってピ
ンの姿勢が変わり、ピン先が自由になると、再度によ
ってピンが対象物に当たるまで前進する。このような試
行錯誤によりピンがピン穴上に来たときには反力を受け
なくなるのでが働いてピンがピン穴内に入る。このと
きピンの姿勢がピン穴に一致していないと、ピン先がピ
ン穴の側部に当たりピンにモーメントが働くので、に
よって姿勢が変わる。次いでが働いてピンがピン穴内
に以前よりも深く入る。この繰り返しによりピンの運動
がピン穴内に収束する。
【0024】「ピン挿入の完了を判定する」は、ピン
先の方向から反力を受けたことを条件とし、条件が成立
したときピンを横方向多方向に進ませ、どの方向からも
直ちに反力があればピン挿入が完了したものと判断する
終了判定要素である。即ち、ピン先が対象物の表面かピ
ン穴の底部に当たっているとき、周囲に運動自由がある
かどうかを調べてピンがピン穴内にあることを確認する
ものである。従って、上記3つの基本動作要素の働きに
よりピンの運動がピン穴内に収束したとき、の働きに
よりピン挿入の完了が確認される。
先の方向から反力を受けたことを条件とし、条件が成立
したときピンを横方向多方向に進ませ、どの方向からも
直ちに反力があればピン挿入が完了したものと判断する
終了判定要素である。即ち、ピン先が対象物の表面かピ
ン穴の底部に当たっているとき、周囲に運動自由がある
かどうかを調べてピンがピン穴内にあることを確認する
ものである。従って、上記3つの基本動作要素の働きに
よりピンの運動がピン穴内に収束したとき、の働きに
よりピン挿入の完了が確認される。
【0025】以上の方法によれば、全ての要素が独立
に、それぞれ自分に必要な反力の条件のみをチェックし
その条件によって働く(同時に働くこともある)ので、
ピン穴の位置や運動軌跡を厳密に規定する必要がないの
みならず、厳密な計測・計算に基づいて運動を制御する
必要がなく、環境等から受ける制御誤差がない。また、
各要素はピンの長さには左右されずに働く。そして、ピ
ン穴の位置が不明確であっても、ピン穴を捜し出すこと
ができる。従って、ピンの長さやピン穴の位置が変更さ
れた場合などの新しい行動に柔軟に対応できる。
に、それぞれ自分に必要な反力の条件のみをチェックし
その条件によって働く(同時に働くこともある)ので、
ピン穴の位置や運動軌跡を厳密に規定する必要がないの
みならず、厳密な計測・計算に基づいて運動を制御する
必要がなく、環境等から受ける制御誤差がない。また、
各要素はピンの長さには左右されずに働く。そして、ピ
ン穴の位置が不明確であっても、ピン穴を捜し出すこと
ができる。従って、ピンの長さやピン穴の位置が変更さ
れた場合などの新しい行動に柔軟に対応できる。
【0026】次に、ピン穴を探すに際して、単にピンを
運動自由の方向へ横移動するのではなく、積極的にピン
穴を探す方法として、視認できないときに人が行うのと
同じように対象物をランダムにつつく方法がある。この
場合、ロボットには大まかなピン穴の位置情報を与えて
おく。ロボットはその大まかなピン穴の位置まで移動
し、その位置まで来たら探索を開始する。探索は、その
位置の近傍で対象物に沿ったランダムな方向にピンを横
移動させながらピン先を対象物に向けて進退させる。即
ち、まず、ピン先を対象物に向けて進ませる。ピンが対
象物の表面(ピン穴以外の箇所)に当たると反力が得ら
れる。ここで一旦ピン先を退かせ、ピンを対象物に沿っ
たランダムな方向に横移動させてからピン先を進ませ
る。これを繰り返すことにより、ピンが大まかなピン穴
の位置の近傍でランダムな方向に横移動していることか
ら、ピン穴の直上にくることがある。この場合、ピン先
を進ませても反力が得られない。このようにして反力が
無い箇所をピン穴と判定することにより探索が完了す
る。この方法では、ロボットに大まかなピン穴の位置情
報を与える必要があるが、厳密な位置情報は必要なく、
また、ピンを運動させるための厳密な計測や計算も不要
である。
運動自由の方向へ横移動するのではなく、積極的にピン
穴を探す方法として、視認できないときに人が行うのと
同じように対象物をランダムにつつく方法がある。この
場合、ロボットには大まかなピン穴の位置情報を与えて
おく。ロボットはその大まかなピン穴の位置まで移動
し、その位置まで来たら探索を開始する。探索は、その
位置の近傍で対象物に沿ったランダムな方向にピンを横
移動させながらピン先を対象物に向けて進退させる。即
ち、まず、ピン先を対象物に向けて進ませる。ピンが対
象物の表面(ピン穴以外の箇所)に当たると反力が得ら
れる。ここで一旦ピン先を退かせ、ピンを対象物に沿っ
たランダムな方向に横移動させてからピン先を進ませ
る。これを繰り返すことにより、ピンが大まかなピン穴
の位置の近傍でランダムな方向に横移動していることか
ら、ピン穴の直上にくることがある。この場合、ピン先
を進ませても反力が得られない。このようにして反力が
無い箇所をピン穴と判定することにより探索が完了す
る。この方法では、ロボットに大まかなピン穴の位置情
報を与える必要があるが、厳密な位置情報は必要なく、
また、ピンを運動させるための厳密な計測や計算も不要
である。
【0027】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
詳述する。
【0028】図1に示されるように、宇宙空間で稼働す
る宇宙ロボット1は、複数のアーム2と関節3と把持部
4とを備え、直交する3方向及びその周りの回転方向か
らなる6軸の運動自由度を有している。宇宙ロボット1
は、把持部4に把持したピン5等の物体を任意の方向に
位置移動・姿勢移動することができる。この実施例で
は、対象物7である宇宙構造物のフランジ8に開けられ
た穴(ピン穴)9にボルトを挿入することに使用され
る。このほかに、実験装置を宇宙構造物に装着する際の
ペグ挿入に使用することもできる。ボルト、ペグ等は円
筒状のピン5として扱われ、把持部4はこのピン5をピ
ン5の軸が下記の力センサの感度方向に一致するように
把持することができる。
る宇宙ロボット1は、複数のアーム2と関節3と把持部
4とを備え、直交する3方向及びその周りの回転方向か
らなる6軸の運動自由度を有している。宇宙ロボット1
は、把持部4に把持したピン5等の物体を任意の方向に
位置移動・姿勢移動することができる。この実施例で
は、対象物7である宇宙構造物のフランジ8に開けられ
た穴(ピン穴)9にボルトを挿入することに使用され
る。このほかに、実験装置を宇宙構造物に装着する際の
ペグ挿入に使用することもできる。ボルト、ペグ等は円
筒状のピン5として扱われ、把持部4はこのピン5をピ
ン5の軸が下記の力センサの感度方向に一致するように
把持することができる。
【0029】この宇宙ロボット1には、図示しないが、
ピンの先の方向(軸方向)からピン6が受ける反力を検
出する力センサと、ピンの横の方向(軸に直交する方
向)からピン6が受ける反力を検出する周方向に等間隔
に配置された4個又は8個の力センサとが搭載されてい
る。ピンの先の方向からの反力とピンの横の方向からの
反力とからモーメントを検出することもできる。また、
ピン5の位置・姿勢を検出する位置・姿勢センサが搭載
されている。
ピンの先の方向(軸方向)からピン6が受ける反力を検
出する力センサと、ピンの横の方向(軸に直交する方
向)からピン6が受ける反力を検出する周方向に等間隔
に配置された4個又は8個の力センサとが搭載されてい
る。ピンの先の方向からの反力とピンの横の方向からの
反力とからモーメントを検出することもできる。また、
ピン5の位置・姿勢を検出する位置・姿勢センサが搭載
されている。
【0030】宇宙ロボット1を運転する制御部は、 「ピン穴を探す」=ピンの進む方向から力を受けた
ら、ピンをランダムに横方向に進ませる、 「ピンの姿勢を変える」=ピンにモーメントが働いた
ら、ピンを戻し、そのモーメントを減少させる方向にピ
ンを回転させる、 「ピンを直進させる」=反力を受けない限り、ピンを
ピン先の方向に進ませる、 の3つの基本動作要素及び、 「ピン挿入の完了を判定する」=ピン先の方向から反
力を受けたら、ピンを横方向4方向に十字型、又は8方
向に米字型に進ませ、どの方向からも直ちに反力があれ
ばピン挿入が完了したものと判断する、の終了判定要素
を有し、それぞれの要素を独立に働かせて宇宙ロボット
を運転することができる。図3に示されるように、各基
本動作要素は、センサ31からの入力に対し、それぞれ
独立に働いてアクチュエータ32を駆動することができ
る。各基本動作要素は、センサ31からのデータにはノ
イズが含まれているので、このデータに基づく厳密な制
御は行わず、簡単なしきい値判定のみ行い、しきい値判
定の結果から動作するかしないかを判断する。各基本動
作要素は、いずれも図4に示されるように単純な流れ構
造を有している。この流れによると、まず、入力データ
を受けとり、この入力データをしきい値判定に適した形
にデータ加工する。そして、加工したデータがしきい値
を越えていれば出力データを作成し、アクチュエータ3
2に出力する。
ら、ピンをランダムに横方向に進ませる、 「ピンの姿勢を変える」=ピンにモーメントが働いた
ら、ピンを戻し、そのモーメントを減少させる方向にピ
ンを回転させる、 「ピンを直進させる」=反力を受けない限り、ピンを
ピン先の方向に進ませる、 の3つの基本動作要素及び、 「ピン挿入の完了を判定する」=ピン先の方向から反
力を受けたら、ピンを横方向4方向に十字型、又は8方
向に米字型に進ませ、どの方向からも直ちに反力があれ
ばピン挿入が完了したものと判断する、の終了判定要素
を有し、それぞれの要素を独立に働かせて宇宙ロボット
を運転することができる。図3に示されるように、各基
本動作要素は、センサ31からの入力に対し、それぞれ
独立に働いてアクチュエータ32を駆動することができ
る。各基本動作要素は、センサ31からのデータにはノ
イズが含まれているので、このデータに基づく厳密な制
御は行わず、簡単なしきい値判定のみ行い、しきい値判
定の結果から動作するかしないかを判断する。各基本動
作要素は、いずれも図4に示されるように単純な流れ構
造を有している。この流れによると、まず、入力データ
を受けとり、この入力データをしきい値判定に適した形
にデータ加工する。そして、加工したデータがしきい値
を越えていれば出力データを作成し、アクチュエータ3
2に出力する。
【0031】制御部は、図2に示したSSAモデルのレ
ベル2〜3層として構成されており、図2を詳しく説明
すると、図の左側がセンサ等からの入力であり、右側が
アクチュエータへの出力であり、その中間で行われる処
理は5つのレベルに階層化されている。最高のレベル5
層は人が行うピン挿入動作に相当し、レベル4層はカメ
ラ等の光学的な手段によりピン穴の大まかな位置及びピ
ン穴の姿勢を認識する動作に相当するが、ここではレベ
ル4〜5層が人と同程度の監督装置21で構成され、監
督装置21より宇宙ロボット1に対しピン挿入の指示2
2を発生するようになっている。
ベル2〜3層として構成されており、図2を詳しく説明
すると、図の左側がセンサ等からの入力であり、右側が
アクチュエータへの出力であり、その中間で行われる処
理は5つのレベルに階層化されている。最高のレベル5
層は人が行うピン挿入動作に相当し、レベル4層はカメ
ラ等の光学的な手段によりピン穴の大まかな位置及びピ
ン穴の姿勢を認識する動作に相当するが、ここではレベ
ル4〜5層が人と同程度の監督装置21で構成され、監
督装置21より宇宙ロボット1に対しピン挿入の指示2
2を発生するようになっている。
【0032】レベル3層には、「ピン穴を探す」の基
本動作要素が属している。レベル2層には、「ピンの
姿勢を変える」及び「ピンを直進させる」の基本動作
要素と「ピン挿入の完了を判定する」の終了判定要素
とが属し、さらに、反力の履歴を記憶する履歴装置23
が属している。反力を検出する力センサ24及び位置・
姿勢センサ25もレベル2層に属している。
本動作要素が属している。レベル2層には、「ピンの
姿勢を変える」及び「ピンを直進させる」の基本動作
要素と「ピン挿入の完了を判定する」の終了判定要素
とが属し、さらに、反力の履歴を記憶する履歴装置23
が属している。反力を検出する力センサ24及び位置・
姿勢センサ25もレベル2層に属している。
【0033】レベル1層には、公知のメカニカルコンプ
ライアンス26と、各軸のアクチュエータ27とが属し
ている。
ライアンス26と、各軸のアクチュエータ27とが属し
ている。
【0034】次に実施例の作用を述べる。
【0035】まず、各要素の動作を場合に別けて説明す
る。
る。
【0036】図5(a)〜図5(e)は、ピン5が対象
物7に開けられたピン穴9に近付いたときの、ピン先の
方向への進行に対する反力の状態を示している。図5
(a)の場合、ピン5が対象物7の表面(ピン穴9以外
の箇所)に垂直に当たっているため、反力は、ピンの進
む方向=ピン先の方向から受ける。従って、「ピン穴
を探す」と「ピン挿入の完了を判定する」とが反応す
る。図5(b)はピン5が対象物7の表面に斜めに当た
っている場合であり、図5(c)はピン5がピン穴9の
縁に当たっている場合である。いずれの場合も、と
とが反応する。
物7に開けられたピン穴9に近付いたときの、ピン先の
方向への進行に対する反力の状態を示している。図5
(a)の場合、ピン5が対象物7の表面(ピン穴9以外
の箇所)に垂直に当たっているため、反力は、ピンの進
む方向=ピン先の方向から受ける。従って、「ピン穴
を探す」と「ピン挿入の完了を判定する」とが反応す
る。図5(b)はピン5が対象物7の表面に斜めに当た
っている場合であり、図5(c)はピン5がピン穴9の
縁に当たっている場合である。いずれの場合も、と
とが反応する。
【0037】図5(d)はピン5がピン穴9の側壁に当
たっている場合であり、図5(e)はピン5がピン穴9
の側壁と縁とに当たっている場合である。図5(b)、
図5(d)及び図5(e)の場合、ピン5にモーメント
が働くので、「ピンの姿勢を変える」が反応する。図
5(b)の場合、モーメントを減少させる方向は、モー
メントの方向と反対方向であり、図5(d)及び図5
(e)の場合、モーメントを減少させる方向は、モーメ
ントの方向と同一方向である。この違いは、ピン5がピ
ン穴9内にあるか外にあるかによって生じる。そこで、
履歴装置23がピンの進行方向の反力の履歴を記憶し、
この履歴からピン5がピン穴9内にあるか外にあるかを
判別する。例えば、進行方向の反力が急に現れた場合、
ピン5がピン穴9外にあると判別する。
たっている場合であり、図5(e)はピン5がピン穴9
の側壁と縁とに当たっている場合である。図5(b)、
図5(d)及び図5(e)の場合、ピン5にモーメント
が働くので、「ピンの姿勢を変える」が反応する。図
5(b)の場合、モーメントを減少させる方向は、モー
メントの方向と反対方向であり、図5(d)及び図5
(e)の場合、モーメントを減少させる方向は、モーメ
ントの方向と同一方向である。この違いは、ピン5がピ
ン穴9内にあるか外にあるかによって生じる。そこで、
履歴装置23がピンの進行方向の反力の履歴を記憶し、
この履歴からピン5がピン穴9内にあるか外にあるかを
判別する。例えば、進行方向の反力が急に現れた場合、
ピン5がピン穴9外にあると判別する。
【0038】次に、ピン挿入の動作を説明する。
【0039】図6において、ピン5は最初、の働きに
よって前進しており、経路601を経て対象物7に当た
る。及びの働きによって経路602を開始するが、
は直ちに解消され、も解消され、が働いて経路6
03を経る。ここでもピンが対象物7に当たり、ピンが
横方向に進められるが、この例のように経路604によ
って後戻りすることもある。その後、経路605,60
6,607を経て、ピン先がピン穴内に入り側壁に当た
る。今度は、の働きによって経路608を経て姿勢が
やや立ち上げられる。続いて、が働いて経路609、
再びが働いて経路610、が働いて経路611を経
てピン先がピン穴底部に着く。ここでが働いて、ピン
の横方向、即ちピン穴の径方向4方向に十字型にピンが
動かされ、どの方向からも直ちに反力があるのでピン挿
入の完了が判定される。
よって前進しており、経路601を経て対象物7に当た
る。及びの働きによって経路602を開始するが、
は直ちに解消され、も解消され、が働いて経路6
03を経る。ここでもピンが対象物7に当たり、ピンが
横方向に進められるが、この例のように経路604によ
って後戻りすることもある。その後、経路605,60
6,607を経て、ピン先がピン穴内に入り側壁に当た
る。今度は、の働きによって経路608を経て姿勢が
やや立ち上げられる。続いて、が働いて経路609、
再びが働いて経路610、が働いて経路611を経
てピン先がピン穴底部に着く。ここでが働いて、ピン
の横方向、即ちピン穴の径方向4方向に十字型にピンが
動かされ、どの方向からも直ちに反力があるのでピン挿
入の完了が判定される。
【0040】上記のような宇宙ロボット1にあっては、
把持部4を移動すると各アーム2、関節3、把持部4及
びピン4の運動量に応じて宇宙ロボット1を含む全体が
複雑に移動するので、把持部5を所望の位置に移動させ
ようとするとき、位置決めの精度が低い。従って、ピン
挿入に際して、厳密な計測・計算に基づいて運動を制御
する必要があった。本発明の方法によれば、全ての要素
が独立に、それぞれ自分に必要な条件のみをチェックし
その条件によって働く(同時に働くこともある)ので、
ピン穴の位置や運動軌跡を厳密に規定する必要がないの
みならず、厳密な計測・計算に基づいて運動を制御する
必要がなく、環境等から受ける制御誤差がない。また、
各要素はピンの長さには左右されずに働く。そして、ピ
ン穴の位置が不明確であっても、ピン穴を捜し出すこと
ができる。従って、ピンの長さやピン穴の位置が変更さ
れた場合などの新しい行動に柔軟に対応できる。
把持部4を移動すると各アーム2、関節3、把持部4及
びピン4の運動量に応じて宇宙ロボット1を含む全体が
複雑に移動するので、把持部5を所望の位置に移動させ
ようとするとき、位置決めの精度が低い。従って、ピン
挿入に際して、厳密な計測・計算に基づいて運動を制御
する必要があった。本発明の方法によれば、全ての要素
が独立に、それぞれ自分に必要な条件のみをチェックし
その条件によって働く(同時に働くこともある)ので、
ピン穴の位置や運動軌跡を厳密に規定する必要がないの
みならず、厳密な計測・計算に基づいて運動を制御する
必要がなく、環境等から受ける制御誤差がない。また、
各要素はピンの長さには左右されずに働く。そして、ピ
ン穴の位置が不明確であっても、ピン穴を捜し出すこと
ができる。従って、ピンの長さやピン穴の位置が変更さ
れた場合などの新しい行動に柔軟に対応できる。
【0041】次に、他の実施例を説明する。
【0042】図1の宇宙ロボット1には大まかなピン穴
9の位置情報を与えておく。宇宙ロボット1はその大ま
かなピン穴の位置まで移動し、その位置まで来たら探索
を開始する。探索は、図7に示されるように、その位置
の近傍で対象物7に沿ったランダムな方向にピン5を横
移動させながらピン先を対象物7に向けて進退させる。
即ち、まず、ピン先を対象物7に向けて進ませる(経路
701)。ピン5が対象物7の表面(ピン穴以外の箇
所)に当たると反力が得られる。ここで一旦ピン先を退
かせ、ピンを対象物に沿ったランダムな方向に横移動
(経路702,704等)させてからピン先を進ませる
(経路703)。これを繰り返すことにより、ピン5が
大まかなピン穴の位置の近傍でランダムな方向に横移動
していることから、ピン穴の直上にくることがある。こ
の場合、ピン先を進ませても反力が得られない(経路7
05)。このようにして反力が無い箇所をピン穴と判定
する。
9の位置情報を与えておく。宇宙ロボット1はその大ま
かなピン穴の位置まで移動し、その位置まで来たら探索
を開始する。探索は、図7に示されるように、その位置
の近傍で対象物7に沿ったランダムな方向にピン5を横
移動させながらピン先を対象物7に向けて進退させる。
即ち、まず、ピン先を対象物7に向けて進ませる(経路
701)。ピン5が対象物7の表面(ピン穴以外の箇
所)に当たると反力が得られる。ここで一旦ピン先を退
かせ、ピンを対象物に沿ったランダムな方向に横移動
(経路702,704等)させてからピン先を進ませる
(経路703)。これを繰り返すことにより、ピン5が
大まかなピン穴の位置の近傍でランダムな方向に横移動
していることから、ピン穴の直上にくることがある。こ
の場合、ピン先を進ませても反力が得られない(経路7
05)。このようにして反力が無い箇所をピン穴と判定
する。
【0043】この方法では、宇宙ロボット1に大まかな
ピン穴9の位置情報を与える必要があるが、厳密な位置
情報は必要なく、また、ピン5を運動させるための厳密
な計測や計算も不要である。
ピン穴9の位置情報を与える必要があるが、厳密な位置
情報は必要なく、また、ピン5を運動させるための厳密
な計測や計算も不要である。
【0044】なお、上記のように実施例として、ロボッ
トを宇宙空間で使用する例を説明したが、本発明は、環
境の厳しい屋外や極限状況でも適用可能であり、一般の
組み立てロボットに適用することは勿論可能である。
トを宇宙空間で使用する例を説明したが、本発明は、環
境の厳しい屋外や極限状況でも適用可能であり、一般の
組み立てロボットに適用することは勿論可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
る。
【0046】(1)厳密な数値設定や計測・計算が不要
なので、制御が容易であると共に、環境等から受ける制
御誤差の影響がないので、環境の厳しい屋外や極限状況
でも支障なくピン挿入ができる。
なので、制御が容易であると共に、環境等から受ける制
御誤差の影響がないので、環境の厳しい屋外や極限状況
でも支障なくピン挿入ができる。
【0047】(2)ピンの長さやピン穴の位置が不明確
でもピン挿入が行えるので、ピンの長さやピン穴の位置
が変更された場合などの新しい行動に柔軟に対応でき
る。
でもピン挿入が行えるので、ピンの長さやピン穴の位置
が変更された場合などの新しい行動に柔軟に対応でき
る。
【0048】(3)基本動作要素をそれぞれ独立に働か
せて高度に複雑な動作を達成しているので、新たな機能
を加えたり、変更したりする場合、基本動作要素を追
加、削除するだけで対応できる。
せて高度に複雑な動作を達成しているので、新たな機能
を加えたり、変更したりする場合、基本動作要素を追
加、削除するだけで対応できる。
【図1】本発明の一実施例を示す宇宙ロボット及び対象
物の斜視図である。
物の斜視図である。
【図2】本発明のSSAモデルのブロック図である。
【図3】本発明の基本動作要素の入出力構造図である。
【図4】本発明の基本動作要素の流れ図である。
【図5】本発明のピン穴近傍でのピンの各種状態を示す
側面図である。
側面図である。
【図6】本発明のピン挿入の動作による軌跡図である。
【図7】本発明のピン穴探索の動作による軌跡図であ
る。
る。
1 宇宙ロボット 2 アーム 3 関節 4 把持部 5 ピン 7 対象物 9 ピン穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小出 誠二 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東二テクニカルセンタ ー内
Claims (4)
- 【請求項1】 位置移動・姿勢移動の運動自由度を有す
るロボットを使用して円筒状のピンを対象物に開けられ
たピン穴まで運んで挿入する方法において、ピンが対象
物から受ける反力を検出し、その反力を条件とする3つ
の基本動作要素、 「ピン穴を探す」=ピンの進む方向から力を受けた
ら、ピンをランダムに横方向に進ませる、 「ピンの姿勢を変える」=ピンにモーメントが働いた
ら、ピンを戻し、そのモーメントを減少させる方向にピ
ンを回転させる、 「ピンを直進させる」=反力を受けない限り、ピンを
ピン先の方向に進ませる、 をそれぞれ独立に働かせ、各条件に応じてピンが運動す
ることによってピンの運動がピン穴内に収束するように
したことを特徴とするピン挿入方法。 - 【請求項2】 ピン先の方向から反力を受けたら、ピン
を横方向多方向に進ませ、どの方向からも直ちに反力が
あればピン挿入が完了したものとして全ての基本動作を
終了することを特徴とする請求項1記載のピン挿入方
法。 - 【請求項3】 位置移動・姿勢移動の運動自由度を有す
るロボットを使用して円筒状のピンを対象物に開けられ
たピン穴まで運んで挿入する方法において、ロボットに
大まかなピン穴の位置情報を与えてその位置まで移動さ
せ、その近傍で対象物に沿ったランダムな方向にピンを
横移動させながらピン先を対象物に向けて進退させ、反
力が無い箇所をピン穴と判定することを特徴とするピン
挿入方法。 - 【請求項4】 直線及び回転の複合動作を行うアーム部
に物体を保持する保持部を設けたロボットを制御して、
保持した円筒状のピンを対象物に開けられたピン穴まで
運んで挿入する装置において、少なくともピンの先の方
向及びピンの横の方向からピンが受ける反力を検出する
複数の力センサを上記ロボットに搭載し、 「ピン穴を探す」=ピンの進む方向から力を受けた
ら、ピンをランダムに横方向に進ませる、 「ピンの姿勢を変える」=ピンにモーメントが働いた
ら、ピンを戻し、そのモーメントを減少させる方向にピ
ンを回転させる、 「ピンを直進させる」=反力を受けない限り、ピンを
ピン先の方向に進ませる、 の3つの基本動作要素及び、 「ピン挿入の完了を判定する」=ピン先の方向から反
力を受けたら、ピンを横方向多方向に進ませ、どの方向
からも直ちに反力があればピン挿入が完了したものと判
断する、 の終了判定要素を有し、それぞれの要素を独立に働かせ
て上記ロボットを運転する制御部を備えたことを特徴と
するピン挿入装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11685494A JPH07314262A (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | ピン挿入方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11685494A JPH07314262A (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | ピン挿入方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07314262A true JPH07314262A (ja) | 1995-12-05 |
Family
ID=14697275
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11685494A Pending JPH07314262A (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | ピン挿入方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07314262A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7177722B2 (en) | 2002-11-21 | 2007-02-13 | Fanuc Ltd | Assembling method and apparatus |
JP2010137299A (ja) * | 2008-12-09 | 2010-06-24 | Yaskawa Electric Corp | 組み立て作業ロボットの制御方法 |
JP2012020345A (ja) * | 2010-07-12 | 2012-02-02 | Sharp Corp | 締結装置及び締結方法 |
WO2018197298A1 (de) * | 2017-04-23 | 2018-11-01 | Franka Emika Gmbh | Vorrichtung und verfahren zur elektrischen prüfung eines elektrischen bauteils |
WO2018197292A1 (de) * | 2017-04-23 | 2018-11-01 | Franka Emika Gmbh | Vorrichtung und verfahren zur elektrischen prüfung eines elektrischen bauteils |
-
1994
- 1994-05-30 JP JP11685494A patent/JPH07314262A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7177722B2 (en) | 2002-11-21 | 2007-02-13 | Fanuc Ltd | Assembling method and apparatus |
JP2010137299A (ja) * | 2008-12-09 | 2010-06-24 | Yaskawa Electric Corp | 組み立て作業ロボットの制御方法 |
JP2012020345A (ja) * | 2010-07-12 | 2012-02-02 | Sharp Corp | 締結装置及び締結方法 |
WO2018197298A1 (de) * | 2017-04-23 | 2018-11-01 | Franka Emika Gmbh | Vorrichtung und verfahren zur elektrischen prüfung eines elektrischen bauteils |
WO2018197292A1 (de) * | 2017-04-23 | 2018-11-01 | Franka Emika Gmbh | Vorrichtung und verfahren zur elektrischen prüfung eines elektrischen bauteils |
US11845185B2 (en) | 2017-04-23 | 2023-12-19 | Franka Emika Gmbh | Device and method for the electrical testing of an electrical component |
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