JPH0731061U - 安全帯のベルト巻取機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 開放方式のベルト巻取機において、ベルトの
巻取芯部（基端部）の擦り切れ、紫外線劣化の防止と共
に、奇麗に巻き取ることを目的とする。 【構成】 巻取ドラム2 の芯胴21の周囲に、それぞれ開
口した二重の包囲壁22,23 を設け、細幅ベルト1 の基端
部の輪状部11を芯胴21に差し入れ、二重に重ね合わせた
縫着部12を、前記一重目包囲壁22と二重目包囲壁23間に
巻回し、それより続く一重の細幅ベルト1 部を二重包囲
壁23の外周に巻き取った構成である。 【効果】 細幅ベルト1 を引き出し切っても縫着部12は
包囲壁23内に有り、縫着部12が外部に露出していないの
で、紫外線劣化、縫糸の摩耗を防止でき耐久性を向上す
ると共に、細幅ベルト1 の一重の部分から巻き取るので
奇麗に巻き取ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願は、高所で作業する際に使用する墜落防止用の安全帯に関するものであり 、特に、従来のロープに代わるベルトを巻き取る方式の安全帯の改良に係るもの である。

【０００２】

【従来の技術及び課題】

従来の巻取機は、図６の様に細幅ベルト1 の基端の輪状部11を軸に嵌合し、二 重に重ね合わせた縫着部12は、巻取ドラム2 の芯胴にただ巻き取って行くだけの ものであった。 この巻き取りにおいて、縫着部12は、縫着によって硬くなっており、芯胴に馴染 みにくく、巻き取り径が大きくなり芯胴との間に隙間が生じ、巻取ドラム2 の側 壁外にはみ出たり、さらに巻き取って締め付けていく過程で、細幅ベルト1 と縫 着部12の縫糸が擦れて摩耗したり、引き出し切って使用していると、細幅ベルト 1 の折り返し部分が絶えず折り返し運動し、ベルト1 の劣化を早め、墜落発生時 の衝撃荷重に耐えきれなくなる可能性が出、又全て繰り出して長時間使用してい ると紫外線の劣化も懸念されるものであった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】

よって本願は、巻取ドラム2 を分割組立式とし、芯胴21の周囲に包囲壁を二重 に設け、この包囲壁間に細幅ベルト1 の縫着部12を折り返して収納して、従来品 の様に巻き初めの外径が大きくならない様にし、又折り返し部分が絶えず折り返 し運動して、ベルト1 の劣化を早めることなく、細幅ベルト1 を巻き取る構成と するものである。

【０００４】

【実施例】

本願の実施例を示すと、略コ字状に折曲したフレーム5 の対向する側壁6,7 の 中央部分を貫通する軸8 により両側壁6,7 間に巻取ドラム2 を回動自在に設け、 先端部にフック4 を設けた細幅ベルト1 の基端の輪状部11を巻取ドラム2 の芯胴 21に差し入れ、二重に重ね合わせた縫着部12を包囲壁22,23 間に折り返して収納 し、軸8 の一端部にうず巻状のバネ9 の内芯先端を取付け、他端を巻取ドラム2 の側壁24に設けたラチェット歯25の内周部に取付け、そのバネ9 の附勢により細 幅ベルト1 を巻取ドラム2 に巻取り、前記巻取ドラム2 のラチェット歯25と噛合 するカム10をフレーム5 の側壁6 に取付け、側壁6,7 に樹脂カバー13をネジ止め したベルト巻取機を構成するものである。

【０００５】 このベルト巻取機の細幅ベルト1 の引出した位置での停止 又は巻取り方法は、巻取ドラム2 のラチェット歯25の一部を所定数欠落し、係合 するカム10が方向反転する空間を設けた構造とし、細幅ベルト1 を引出している 時は、ラチェット歯25にカム10が係合しておりその位置で停止するが、ラチェッ ト歯25の欠落部においてベルト1 の引出しをやめ細幅ベルト1 より手をはなすと 、バネ9 の附勢によりベルト1 は巻取られる構成で、この時カム10は、ラチェッ ト歯25とは係合しない方向を向いているものである。

【０００６】 この巻取機の巻取ドラム2 は、図２の様に２分割されてお り、側壁24の一側にラチェット歯25とその内周部にバネ収納部26を設け、他側に 芯胴21と、その周囲に、同方向に開口部を設けた二重の包囲壁22,23 を設け、一 重包囲壁22には、嵌合壁29の嵌合、回動止めの突出部を設け、二重包囲壁23には 、嵌合壁29の嵌合突起27を設け、中央部に軸8 の貫通する穴28を設けたものであ る。嵌合壁29は一側に包囲壁23の段部に対応する凸部状の輪を設け、他側には補 強金具（図示せず）の補強板の嵌合凹部を設け、壁部に嵌合突起27の嵌合部30を 設けたものである。尚、補強金具は特別仕様品に取付けるもので一般品には取付 けないものである。又、本案実施例の包囲壁22,23 は同方向に開口したものを図 示しているが、縫着部12の長さによってかならずしも同方向に開口するものでは ない。

【０００７】

【考案の効果】

上記巻取機は図３に示す様に細幅ベルト1 の外周面にはカバーがなく開放方式 のベルト巻取機であり、細幅ベルト1 を引き出し切っても図１の様に縫着部12は 包囲壁23内に有り、縫着部12が外部に露出していないので見栄も良く、紫外線劣 化もなく、又縫着部の縫糸の擦り切れもなくなり、又巻取り形状が歪にならず奇 麗に巻き取ることができる等の実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案のベルト巻取機の正面断面図。

【図２】本案のベルト巻取機の巻取ドラムの分解斜視
図。

【図３】本案のベルト巻取機の左側面断面図。

【図４】本案のベルト巻取機の一部切欠したところの背
面図。

【図５】本案のベルト巻取機を取付けたところの正面
図。

【図６】従来の巻取機の説明図。

【符号の説明】

1 細幅ベルト 2 巻取ドラム 3 胴締めベルト 4 フック 5 フレーム 6 側壁 7 側壁 8 軸 9 バネ 10 カム 11 輪状部 12 縫着部 13 カバー 14 Ｄ環 21 巻胴 22 包囲壁（一重） 23 包囲壁（二重） 24 側壁 25 ラチェット歯 26 バネ収納部 27 嵌合突起 28 穴 29 嵌合壁 30 嵌合部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴締めベルト3 に連結した巻取ドラム2
   内に、先端にフック4 を有する細幅ベルト1 を巻取収納
   する安全帯において、前記巻取ドラム2 の芯胴21の周囲
   に、それぞれ開口した二重の包囲壁22,23 を設け、細幅
   ベルト1 基端の輪状部11を芯胴21に差し入れ、二重に重
   ね合わせた縫着部12を、一重包囲壁22と二重包囲壁23間
   に巻回し、それより続く一重の細幅ベルト1 部を二重包
   囲壁23の外周に巻き取ったことを特徴とする安全帯のベ
   ルト巻取機。