JPH07302693A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

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JPH07302693A
JPH07302693A JP6094846A JP9484694A JPH07302693A JP H07302693 A JPH07302693 A JP H07302693A JP 6094846 A JP6094846 A JP 6094846A JP 9484694 A JP9484694 A JP 9484694A JP H07302693 A JPH07302693 A JP H07302693A
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JP
Japan
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substrate
container
magnetic field
processed
dielectric container
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Application number
JP6094846A
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English (en)
Inventor
Tadashi Kimura
忠司 木村
Zenichi Yoshida
善一 吉田
Shinichi Mizuguchi
信一 水口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度のプラズマで大面積の基板でも均一に
処理することのできプラズマ処理装置および処理方法を
提供する。 【構成】 真空排気系2と反応ガス導入口7を有する真
空容器1と、真空容器の一部として設置された誘電体容
器の石英ベルジャー8に、マイクロ波を輸送するための
同軸導波管を、石英ベルジャー8の外周部分外側に外導
体6および石英ベルジャー8の被処理基板4との対向部
分外側に同軸導波管の中心導体5となるように一端を接
続し、外導体内および中心導体内に磁界発生手段である
永久磁石9及び11をそれぞれ設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体や液晶パネル、太
陽電池等の薄膜形成工程、または微細加工工程等に用い
られるプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、プラズマ処理装置は、デバイスの
高機能化とその処理コストの低減のために、高品質化、
高速化、大面積化、低ダメージ化を実現する取り組みが
盛んに行なわれている。以下に従来のプラズマ処理装置
について説明する。従来のプラズマ処理装置の例として
は、特公昭62−43335号公報や特公昭53−44
795号公報、特公昭53−34461号公報に示され
ているプラズマ処理装置がある。しかしながら、これら
のプラズマ処理装置は電磁石コイルを使用しているた
め、大面積の基板を処理しようとすると装置が非常に大
型化するという問題点を有し、また処理の均一性も悪く
なるという欠点がある。
【0003】このような問題点を解決するものとして、
特開平4−132199号公報にプラズマ処理装置が示
されている。以下このプラズマ処理装置について説明す
る。図7は特開平4−132199号公報に示されたプ
ラズマ処理装置の反応室の断面図である。
【0004】図7において、71は真空容器、72は真
空排気系、73は試料保持台、74は被処理基板、75
は同軸導波管の中心導体、76は外導体、77は反応ガ
ス導入口、78は石英ベルジャー、79は矩形導波管、
80は2.45GHzのマイクロ波を発振するマグネト
ロン、81はマイクロ波の整合を取る可動短絡板、82
は冷却水路、83は試料保持台73内に設置された基板
側がN極の永久磁石、84は中心導体75内に設置され
た基板側がS極の永久磁石である。
【0005】以上のように構成されたプラズマ処理装置
について、以下その動作について説明する。まず、真空
容器71を真空排気し、ガス導入口77より反応ガス、
例えば酸素ガスを導入し、真空容器71の圧力を2×1
-2Torrに調整する。次にマグネトロン80を発振
させ、2.45GHzのマイクロ波を同軸導波管を通し
て石英ベルジャー78内に放射させる。この時、石英ベ
ルジャー78内には永久磁石83,84により磁界が形
成されているので、マイクロ波電界と磁界の相互作用に
より高密度のプラズマが形成される。特に、石英ベルジ
ャー78内部に875ガウスの磁場強度があるとECR
(電子サイクロトロン共鳴)放電が起こり、非常に高密
度のプラズマが発生する。このプラズマにより被処理基
板74のエッチング処理や成膜処理を行なう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、被処理基板の面内での磁場強度の不均一
と、ベルジャー壁面での電子の消失のため処理の均一性
が悪く、また、被処理基板の面内で磁場強度を均一にし
ようとすると永久磁石と真空容器が非常に大型化してコ
ンパクトな処理装置にならず、同時に、装置コストが高
くつくという問題点を有していた。また、磁力線が被処
理基板を貫くために、プラズマ中の電子がこの磁力線に
沿って円運動をしながら高いエネルギーを持って被処理
基板に流入するために、被処理基板にダメージを与える
という問題点をも有していた。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、コンパクトで均一性に優れ、ダメージフリーのプラ
ズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の第1の構成のプラズマ処理装置は、真空排気
手段と反応ガス導入口を有する真空容器と、前記真空容
器内に設置された被処理基板を保持する基板保持手段
と、前記被処理基板と対向する位置に真空容器の一部と
して設置されたベルジャー状または円柱状の誘電体容器
と、前記誘電体容器の外周部分外側に設けられた同軸導
波管の外導体部分と、前記外導体内の誘電体容器外周側
に設置された磁界発生手段と、前記誘電体容器の被処理
基板との対向部分外側に設けられた同軸導波管の中心導
体と、前記中心導体内の誘電体容器側に設置された磁界
発生手段と、前記同軸導波管の誘電体容器にマイクロ波
電力を供給する手段とを備えている。
【0009】また、前記構成において、外導体内に設置
された磁界発生手段は、誘電体容器よりも大径のリング
状永久磁石であることが好ましく、また、中心導体内に
設置された磁界発生手段は、同心円状にN極とS極があ
る永久磁石であることが好ましい。
【0010】また、前記構成において、外導体内に設置
された磁界発生手段は、一方の磁極が中心を向き、隣合
う磁極が相反するように円周状に設置した複数の永久磁
石であることがなお好ましい。
【0011】また、本発明の第2の構成によれば、中心
導体内に設置された磁界発生手段を回転させることが好
ましい。
【0012】また、上記のいずれかのプラズマ処理装置
においては、複数の反応ガス排気口を有し、前記真空容
器と被処理基板設置手段とに接続されたマイクロ波反射
板を設けることが好ましい。
【0013】また、本発明のプラズマ処理方法は、真空
排気手段を有する真空容器内に反応ガスを導入し、マイ
クロ波電力によって前記反応ガスをプラズマ化し、真空
容器内に設けた被処理基板を処理するプラズマ処理方法
であって、前記真空容器に接続された誘電体容器内に同
軸導波管によってマイクロ波電力を放射し、かつ、同軸
導波管の外導体及び中心導体内それぞれに設置した磁界
発生手段により誘電体容器内に発生した磁界とマイクロ
波を相互作用させることにより発生させたプラズマを用
いて、前記被処理基板にプラズマ処理を施すことを特徴
とする。
【0014】
【作用】前記本発明の第1の構成によれば、同軸導波管
から誘電体容器内に供給されたマイクロ波電力は、同軸
管の中心導体内に設置された磁界発生手段によって誘電
体容器内に発生した磁界および同軸管の外導体内に設置
された磁界発生手段によって誘電体容器外周内に発生し
た磁界と相互作用し、高密度のプラズマが発生する。し
かも、外導体内に設置された磁界発生手段によって誘電
体容器外周内に発生した磁界は、その磁力線に沿ってプ
ラズマ中の電子が回転運動を行うため電子をトラップす
るようにも作用し、誘電体容器壁での電子の消失を防ぐ
ので、被処理基板外周部分でのプラズマ密度の低下を抑
制し、均一性を向上させることができる。また、磁力線
が被処理基板を貫くことが無いので、被処理基板のダメ
ージを起こさせることが無い。また、均一化のため、磁
界発生手段を大型化する必要性が低いので装置を小型化
することができる。
【0015】また、前記第1の構成において、中心導体
内に設置された磁界発生手段が同心円状にN極とS極の
ある永久磁石という好ましい構成によれば、誘電体容器
の被処理基板対向部分に磁気ギャップを形成するため
に、被処理基板面内に磁力線が貫くことがなお一層無く
なり、被処理基板のダメージを起こさせることが無い。
【0016】また、前記第1の構成において、外導体内
に設置された磁界発生手段は誘電体容器よりも大径のリ
ング状永久磁石であるという好ましい構成によれば、誘
電体容器外周内軸方向に磁界が発生し、その磁力線に沿
ってプラズマ中の電子が回転運動を行うため電子をトラ
ップするようにも作用して誘電体容器壁での電子の消失
を防ぐので、被処理基板外周部分プラズマ密度の低下を
抑制し、均一性を向上させることができる。
【0017】また、前記第1の構成において、外導体内
に設置された磁界発生手段は一方の磁極が中心を向き、
隣合う磁極が相反するように円周状に設置した複数の永
久磁石であるという好ましい構成によれば、誘電体容器
外周内表面の円周方向に磁界が発生し、電子をトラップ
して誘電体容器壁での電子の消失を防ぐので、被処理基
板外周部分プラズマ密度の低下を抑制し、均一性を向上
させることができる。また、さらに、被処理基板の大型
化に対応するときに、リング状磁石に比べ磁石の製作費
を下げて、装置の低コスト化が図れる。
【0018】また、本発明の第1の構成において、中心
導体内に設置された磁界発生手段を回転させるという好
ましい構成によれば、磁場強度分布の拡大と均一化が行
え、処理の均一性を向上させることができる。
【0019】また、本発明の第2の構成によれば、上記
各プラズマ処理装置においては、複数の反応ガス排気口
を有し、前記真空容器と被処理基板設置手段とに接続さ
れたマイクロ波反射板を設けるという好ましい構成によ
れば、誘電体容器内に同軸導波管及びマイクロ波反射板
とで、空洞共振器を形成することとなり、マイクロ波の
吸収効率が上がり、プラズマ密度が上がり、処理の高速
化が図れる。しかも、複数個の排気口を円周方向に多数
設置していることにより、反応ガス導入口から導入され
た反応ガスを被処理基板面上に均一性よく流すような排
気流れとなり、更に処理の均一性が向上することとな
る。
【0020】また、前記本発明のプラズマ処理方法によ
れば、大面積の基板を均一に効率よく処理することが出
来る。
【0021】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。図1は本発明に係るプラズマ処理
装置の第1の実施例における反応室の断面図である。
【0022】図1において、1は真空容器、2は真空排
気系、3は基板加熱ヒータを有する(図示せず)基板保
持台、4は被処理基板、5は同軸導波管の中心導体、6
は同軸導波管の外導体で、中心導体5と外導体6で同軸
導波管を形成しマイクロ波供給装置(図示せず)から供
給されたマイクロ波を輸送する。この同軸導波管は外導
体内径49mm、中心導体外径21.3mmのものから、外
導体内径248mm、中心導体外径220mmのものへマイ
クロ波の進行方向へ45度のテーパー状に拡大し、ドア
ノブ状の形状としている。7は中心導体5内を通り内径
200mm(肉厚5mm)の石英ベルジャー8に接続された
反応ガス導入口、9は中心導体内に設置された永久磁石
のヨークで、9は表面磁場強度が3キロガウスでそれぞ
れN極、S極に着磁された磁極9a,9bを有するサマ
リウム−コバルト系の同心円状の永久磁石、10は2.
45GHzのマイクロ波、11は外導体内に設置され、
石英ベルジャーよりも大径のリング状(内径220mm)
で、表面磁場強度が2.5キロガウスの永久磁石で2
組、相対する磁極が同相となるように設置している。1
2はそれらの永久磁石により発生する磁力線を示す。
尚、誘電体容器である石英ベルジャー8の形状は、ベル
ジャー状であっても円柱状であってもよい。
【0023】以上のように構成されたプラズマ処理装置
について、プラズマCVD装置への応用を例にとり、図
1を用いてその動作を説明する。まず、真空容器1を真
空排気し、ガス導入口7より反応ガスであるSiH4
30cc/分と、H2を70cc/分同時に導入し、5mTorr
に調圧する。次に、マイクロ波電力を同軸導波管に同軸
モードのTEMモードを基本波として500W伝搬さ
せ、石英ベルジャー8内にマイクロ波を放射させる。こ
こで、石英ベルジャー8内には永久磁石9および11に
より磁力線12に示したような磁界が形成されているの
で、マイクロ波と磁界が相互作用し、プラズマ中の電子
を回転運動させるため高密度のプラズマが形成される。
【0024】ここで磁力線12に示したように磁界は石
英ベルジャー8の軸方向内壁に表面磁場として形成して
いるため、被処理基板4を磁力線が貫いておらずダメー
ジを誘起することがなく、また、石英ベルジャー8の内
壁に消失する電子をもトラップするので、被処理基板4
の外周部分でのプラズマ密度の低下がなくなり均一性が
向上する。このシランガスプラズマ内の活性種は拡散し
て被処理基板4に輸送され、250℃に加熱した被処理
基板4上には、a−Si膜が0.3μm/分の成膜速
度、およびφ140mm面内で±4.3%の均一性で成膜
できた。
【0025】図6はアルゴンガス5mTorr、マイクロ波
電力500Wの時の基板面内でのイオン電流密度と基板
面内位置との関係を表す図である。図6に示したように
従来例に比べイオン電流密度の均一性が向上している。
【0026】以上のように本実施例によれば、真空排気
系2と反応ガス導入口7を有する真空容器1と、真空容
器1内に設置された被処理基板を保持する基板保持台3
と、被処理基板4と対向する位置に真空容器1の一部と
して設置された誘電体容器である石英ベルジャー8と、
石英ベルジャー8の外周部分外側に設けられた同軸導波
管の外導体6と、外導体6内の石英ベルジャー8側に設
置された磁界発生手段であるリング状の永久磁石11
と、石英ベルジャー8の被処理基板4との対向部分外側
に設けられた同軸導波管の中心導体4と、中心導体4内
の石英ベルジャー8側に設置された磁界発生手段である
N極とS極が同心円状の永久磁石9とを設け、同軸導波
管の石英ベルジャー8内にマイクロ波電力を供給する構
成としたことにより、同軸導波管から石英ベルジャー内
に供給されたマイクロ波電力は、同軸管の中心導体内に
設置された永久磁石9によって石英ベルジャー8内に発
生した磁界および同軸管の外導体内に設置されたリング
状の永久磁石11によって石英ベルジャー8外周内に発
生した磁界と相互作用し、高密度のプラズマを発生させ
ることができ、処理の高速化が図れる。
【0027】しかも、外導体内に設置されたリング状の
永久磁石11によって石英ベルジャー8の外周内に発生
した磁界は、その磁力線に沿ってプラズマ中の電子が回
転運動を行うため電子をトラップするようにも作用し、
石英ベルジャー8の壁での電子の消失を防ぐので、被処
理基板4の外周部分プラズマ密度の低下を抑制し、均一
性を向上させることができる。また、磁力線が被処理基
板を貫くことが無いので、被処理基板のダメージを起こ
させることが無い。また、磁場コイルを使わないので装
置を小型化することができる。
【0028】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。図2は本発明に係
るプラズマ処理装置の第2の実施例における反応室の断
面図である。
【0029】図2において、13は外導体6内に設置さ
れ、一方の磁極が中心を向き、隣合う磁極が相反するよ
うに円周状に設置した複数の角柱状の永久磁石で、その
表面磁場強度は2.5キロガウスである。その他のもの
は第1の実施例と同じものである。第1の実施例と異な
るのは、外導体6内のリング状の永久磁石を複数の角柱
状の永久磁石とし、さらにこの複数の角柱状の永久磁石
を、一方の磁極が中心を向き、隣合う磁極が相反するよ
うに円周状に設置した点である。
【0030】図3は本発明に係る第2の実施例における
外導体内の角柱状の永久磁石の配置とその磁力線を示す
図で、図2のAーA線断面を示している。
【0031】上記のように構成されたプラズマ処理装置
について、プラズマCVD装置への応用を例にとり、以
下その動作を説明する。石英ベルジャー8内にシランガ
ス等を供給し、マイクロ波を放射するのは第1の実施例
と同様である。石英ベルジャー8内には永久磁石9およ
び13により図2の磁力線12、図3の磁力線12に示
したような磁界が形成されているので、マイクロ波と磁
界が相互作用しプラズマ中の電子を回転運動させるため
高密度のプラズマが形成される。ここで図2,図3の磁
力線12示すような磁界は石英ベルジャー8の円周方向
内壁に表面磁場として形成しているため、被処理基板4
を磁力線が貫いておらずダメージを誘起することがな
く、また、石英ベルジャー8の内壁に消失する電子をも
トラップするので、被処理基板外周部分でのプラズマ密
度の低下がなくなり均一性が向上する。
【0032】第1の実施例で用いたリング状の永久磁石
は更に大面積処理を実施しようとすると、磁石の径が大
型化し装置の製作コストが高くなるが、第2の実施例で
用いた角柱状の永久磁石13はこの問題を抑制でき、装
置製作コストを下げることが出来る。第1の実施例と同
条件でa−Si膜を成膜したところ、被処理基板上に
は、a−Si膜が0.34μm/分の成膜速度、および
φ140mm面内で±3.9%の均一性で成膜できた。
【0033】図6はアルゴンガス5mTorr、マイクロ波
電力500Wの時の基板面内でのイオン電流密度と基板
面内位置との関係を表す図である。図6に示したように
従来例に比べイオン電流密度の均一性が向上している。
【0034】以上のように、外導体内の石英ベルジャー
8側に設置した磁界発生手段である永久磁石を更に改良
し、一方の磁極が中心を向き、隣合う磁極が相反するよ
うに円周状に設置した複数の角柱状の永久磁石13とす
ることにより、被処理基板外周部分のプラズマ密度の低
下を抑制し、均一性を向上させることができ、また、磁
力線が被処理基板を貫くことが無いので、被処理基板の
ダメージを起こさせることが無い。また、均一化のた
め、磁場コイルを使わないので装置を小型化することが
でき、更に、装置の製作コストを低減することができ
る。
【0035】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。図4は本発明に係
るプラズマ処理装置の第3の実施例における反応室の断
面図である。
【0036】図4において、14は永久磁石9に中心を
ずらして接続された回転軸パイプ、15は回転軸パイプ
14の駆動用モータ、16は矩形導波管、17は2.4
5GHzのマイクロ波を発振するマグネトロン、18は
マイクロ波の整合をとる可動短絡板である。その他のも
のは第1の実施例と同様の構成である。第1の実施例と
異なるのは永久磁石9にセンターをずらした回転機構を
設け、外導体6内に永久磁石を設置してない点である。
【0037】上記のように構成されたプラズマ処理装置
について、プラズマCVD装置への応用を例にとり、以
下その動作を説明する。石英ベルジャー8内にシランガ
ス等を供給し、マイクロ波を放射するのは第1の実施例
と同様である。石英ベルジャー8内には永久磁石9によ
り、ある時点で図4の磁力線12に示したようなセンタ
ーのずれた磁界が形成されている。これを永久磁石9の
回転機構である回転軸パイプ14、駆動用モータ15
で、例えば20回転/分で回転させることにより磁場強
度分布の拡大と均一化を行っている。ここで、マイクロ
波と磁界が相互作用しプラズマ中の電子を回転運動させ
るため、高密度のプラズマが径方向に拡大され均一化さ
れて形成される。
【0038】第1の実施例と同条件でa−Si膜を成膜
したところ、被処理基板上には、a−Si膜が0.25
μm/分の成膜速度、およびφ140mm面内で±5.2
%の均一性で成膜できた。
【0039】図6はアルゴンガス5mTorr、マイクロ波
電力500Wの時の基板面内でのイオン電流密度と基板
面内位置との関係を表す図である。図6に示したように
従来例に比べイオン電流密度の均一性が向上している。
【0040】以上のように、中心導体内の永久磁石をセ
ンターをずらして回転させ磁場強度分布の拡大と均一化
を行うことによって、処理の均一性を向上させることが
できる。
【0041】なお比較のために、外導体内には永久磁石
を設置しない例で説明したが、第1及び第2の実施例と
本実施例を組み合わせれば更に均一化が図れることは言
うまでもない。
【0042】(実施例4)以下本発明の第4の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。図5は本発明に係
るプラズマ処理装置の第4の実施例における反応室の断
面図である。
【0043】図5において、19は複数の反応ガス排気
口のあるステンレス製のマイクロ波反射板で、真空容器
1と基板保持台3とに接続されている。このマイクロ波
反射板19のガス排気口は、直径7cm以下にすれば2.
45GHzのマイクロ波を遮断するのでマイクロ波を反
射する反射板として働く。ここでは、排気口の直径を2
cmとし、円周方向に多数設置している。他は第2の実施
例と同一である。
【0044】上記のように構成されたプラズマ処理装置
について、プラズマCVD装置への応用を例にとり、以
下その動作を説明する。石英ベルジャー8内にシランガ
ス等を供給し、マイクロ波を放射するのは第1の実施例
と同様である。第4の実施例ではマイクロ波反射板19
を設置しているために、プラズマに吸収されずに漏れた
マイクロ波電力をマイクロ波反射板19で石英ベルジャ
ー8内に反射させることができる。即ち、石英ベルジャ
ー8内に同軸導波管と反射板19とで、空洞共振器を形
成することとなり、マイクロ波の吸収効率が上がり、プ
ラズマ密度が上がる。しかも、複数個の排気口を円周方
向に多数設置していることにより、反応ガス導入口7か
ら導入された反応ガスを被処理基板4面上に均一性よく
流すような排気流れとなり、更に処理の均一性が向上す
ることとなる。
【0045】図6はアルゴンガス5mTorr、マイクロ波
電力500Wの時の基板面内でのイオン電流密度と基板
面内位置との関係を表す図である。図6に示したように
従来例に比べイオン電流密度の均一性が向上し、さらに
マイクロ波吸収効率が上がりプラズマ密度も向上してい
るので、イオン電流が増加している。
【0046】本実施例のプラズマ処理装置を用い第1の
実施例と同一条件でa−Si膜を成膜すると、0.38
μm/分の成膜速度、およびφ140mm面内で±3.8
%の均一性で成膜でき、成膜速度、均一性とも向上し
た。
【0047】以上のように本実施例によれば、複数の反
応ガス排気口があり、真空容器1と基板保持台3とに接
続されているマイクロ波反射板19を設けることによ
り、処理速度と均一性を向上させることができる。ま
た、本実施例のマイクロ波反射板は、第1,3の実施例
においても適用可能である。
【0048】なお、第1の実施例の永久磁石9において
磁極9aをN極、磁極9bをS極としたが、この逆でも
同様の効果が得られる。また、リング状の永久磁石11
を2組、対向する面が同極で設置したが、異極を相対さ
せても同様の効果が得られる。また、2組の永久磁石を
1個のみとしても少ないながら効果が得られる。
【0049】また、各実施例において誘電体容器を石英
のベルジャーとしたが、マイクロ波を透過し真空保持で
きる材質であればよく、例えばアルミナ等を用いてもよ
い。また、各実施例において、プラズマCVD装置を例
にとって説明したが、ガスの種類をフッ素系、塩素系、
臭素系、酸素系等のエッチングガスに変えることにと
り、ドライエッチング装置に本発明を用いてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るプラズマ処
理装置の第1の構成によれば、同軸導波管から誘電体容
器内に供給されたマイクロ波電力は、同軸管の外導体内
に設置された磁界発生手段によって誘電体容器外周内に
発生した磁界および同軸管の中心導体内に設置された磁
界発生手段によって誘電体容器内に発生した磁界と相互
作用し、高密度のプラズマが発生する。しかも、外導体
内に設置された磁界発生手段によって誘電体容器外周内
に発生した磁界は、その磁力線に沿ってプラズマ中の電
子が回転運動を行うため電子をトラップするようにも作
用し、誘電体容器壁での電子の消失を防ぐので、被処理
基板外周部分プラズマ密度の低下を抑制し、均一性を向
上させることができる。また、磁力線が被処理基板を貫
くことが無いので、被処理基板のダメージを起こさせる
ことが無い。また、均一化のため、磁界発生手段を大型
化する必要性が低いので装置を小型化することができ
る。
【0051】また前記第1の構成において、中心導体内
に設置された磁界発生手段を同心円状にN極とS極のあ
る永久磁石とすれば、誘電体容器の被処理基板対向部分
に磁気ギャップを形成するために、被処理基板面内に磁
力線が貫くことがなお一層無くなり、被処理基板のダメ
ージを起こさせることが無い。
【0052】また、前記第1の構成において、外導体内
に設置された磁界発生手段を誘電体容器よりも大径のリ
ング状永久磁石とすれば、誘電体容器外周内軸方向に磁
界が発生し、その磁力線に沿ってプラズマ中の電子が回
転運動を行うため電子をトラップするようにも作用して
誘電体容器壁での電子の消失を防ぐので、被処理基板外
周部分プラズマ密度の低下を抑制し、均一性を向上させ
ることができる。
【0053】また、前記第1の構成において、外導体内
に設置された磁界発生手段を一方の磁極が中心を向き、
隣合う磁極が相反するように円周状に設置した複数の永
久磁石とすれば、誘電体容器外周内表面の円周方向に磁
界が発生し、電子をトラップして誘電体容器壁での電子
の消失を防ぐので、被処理基板外周部分プラズマ密度の
低下を抑制し、均一性を向上させることができる。ま
た、さらに、被処理基板の大型化に対応するときに、リ
ング状磁石に比べ磁石の製作費を下げて、装置の低コス
ト化が図れる。
【0054】また、本発明の第2の構成において、中心
導体内に設置された磁界発生手段を回転させる構成とす
れば、磁場強度分布の拡大と均一化が行え、処理の均一
性を向上させることができる。
【0055】また、上記のいずれかのプラズマ処理装置
において、複数の反応ガス排気口を有し、前記真空容器
と基板保持手段とに接続されたマイクロ波反射板を設け
る構成とすれば、誘電体容器内に同軸導波管及びマイク
ロ波反射板とで、空洞共振器を形成することとなり、マ
イクロ波の吸収効率が上がるとともに、プラズマ密度が
上がり、処理の高速化が図れる。しかも、マイクロ波反
射板に複数個の排気口を円周方向に多数設置して構成と
することにより、反応ガス導入口から導入された反応ガ
スを被処理基板面上に均一性よく流すような排気流れと
なり、更に処理の均一性が向上することとなる。
【0056】また、本発明のプラズマ処理方法によれ
ば、大面積の基板を均一に効率よく処理することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ処理装置の第1の実施例
における反応室の断面図
【図2】本発明に係るプラズマ処理装置の第2の実施例
における反応室の断面図
【図3】第2の実施例における外導体内の永久磁石の配
置とその磁力線を示す図
【図4】本発明に係るプラズマ処理装置の第3の実施例
における反応室の断面図
【図5】本発明に係るプラズマ処理装置の第4の実施例
における反応室の断面図
【図6】本発明の実施例および従来例のプラズマ特性図
【図7】従来例のプラズマ処理装置における反応室の断
面図
【符号の説明】
1 真空容器 2 真空排気系 3 試料保持台 4 被処理基板 5 同軸導波管の中心導体 6 同軸導波管の外導体 7 反応ガス導入口 8 石英ベルジャー 9 永久磁石 10 マイクロ波 11 リング永久磁石 12 磁力線 13 角柱状の永久磁石 14 回転軸パイプ 15 モータ 16 矩形導波管 17 マグネトロン 18 可動短絡板 19 マイクロ波反射板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/205 21/3065 21/31 H01P 5/08 L

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空排気手段と反応ガス導入口を有する真
    空容器と、前記真空容器内に設置された被処理基板を保
    持する基板保持手段と、前記被処理基板と対向する位置
    に真空容器の一部として設置されたベルジャー状もしく
    は円柱状の誘電体容器と、前記誘電体容器の外周部の外
    側に設けられた同軸導波管の外導体と、前記外導体内の
    誘電体容器側に設置された磁界発生手段と、前記誘電体
    容器の被処理基板との対向部分の外側に設けられた同軸
    導波管の中心導体と、前記中心導体内の誘電体容器側に
    設置された磁界発生手段と、前記同軸導波管の誘電体容
    器にマイクロ波電力を供給する手段とを備えたプラズマ
    処理装置。
  2. 【請求項2】中心導体内に設置された磁界発生手段は、
    同心円状にN極とS極のある永久磁石である請求項1記
    載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】外導体内に設置された磁界発生手段は、誘
    電体容器よりも大径のリング状永久磁石である請求項1
    記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】外導体内に設置された磁界発生手段は、一
    方の磁極が中心を向いて、隣合う磁極が相反するように
    円周状に設置した複数の永久磁石である請求項1記載の
    プラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】真空排気手段と反応ガス導入口を有する真
    空容器と、前記真空容器内に設置された被処理基板を保
    持する基板保持手段と、前記被処理基板と対向する位置
    に真空容器の一部として設置されたベルジャー状もしく
    は円柱状の誘電体容器と、前記誘電体容器の外周部の外
    側に設けられた同軸導波管の外導体と、前記外導体内の
    誘電体容器側に設置された磁界発生手段と、前記誘電体
    容器の被処理基板との対向部分の外側に設けられた同軸
    導波管の中心導体と、前記中心導体内の誘電体容器側に
    設置された磁界発生手段と、前記中心導体内に設置され
    た磁界発生手段を回転させる手段と、前記同軸導波管の
    誘電体容器にマイクロ波電力を供給する手段とを備えた
    プラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】真空排気手段と反応ガス導入口を有する真
    空容器と、前記真空容器内に設置された被処理基板を保
    持する基板保持手段と、前記被処理基板と対向する位置
    に真空容器の一部として設置されたベルジャー状もしく
    は円柱状の誘電体容器と、前記誘電体容器の外周部の外
    側に設けられた同軸導波管の外導体と、前記外導体内の
    誘電体容器側に設置された磁界発生手段と、前記誘電体
    容器の被処理基板との対向部分の外側に設けられた同軸
    導波管の中心導体と、前記中心導体内の誘電体容器側に
    設置された磁界発生手段と、前記同軸導波管の誘電体容
    器にマイクロ波電力を供給する手段と、複数の反応ガス
    排気口を有し前記真空容器と基板保持手段とに接続され
    たマイクロ波反射板とを備えたプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】真空排気手段を有する真空容器内に反応ガ
    スを導入し、マイクロ波電力によって前記反応ガスをプ
    ラズマ化し、前記真空容器内に設けた被処理基板を処理
    するプラズマ処理方法であって、前記真空容器に接続さ
    れた誘電体容器内に同軸導波管によってマイクロ波電力
    を放射し、かつ、同軸導波管の外導体及び中心導体内そ
    れぞれに設置した磁界発生手段により誘電体容器内に発
    生した磁界とマイクロ波を相互作用させることにより発
    生させたプラズマを用いて、前記被処理基板を処理する
    ことを特徴とするプラズマ処理方法。
JP6094846A 1994-05-09 1994-05-09 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Pending JPH07302693A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005528755A (ja) * 2002-06-04 2005-09-22 サントル、ナショナール、ド、ラ、ルシェルシュ、シアンティフィク、(セーエヌエルエス) シート状プラズマの発生装置

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JP2005528755A (ja) * 2002-06-04 2005-09-22 サントル、ナショナール、ド、ラ、ルシェルシュ、シアンティフィク、(セーエヌエルエス) シート状プラズマの発生装置

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