JPH07297862A - 伝送方法および受信装置 - Google Patents

伝送方法および受信装置

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JPH07297862A
JPH07297862A JP6084913A JP8491394A JPH07297862A JP H07297862 A JPH07297862 A JP H07297862A JP 6084913 A JP6084913 A JP 6084913A JP 8491394 A JP8491394 A JP 8491394A JP H07297862 A JPH07297862 A JP H07297862A
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signal
phase
phase difference
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wave
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JP6084913A
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Takashi Wakutsu
隆司 和久津
Koji Ogura
浩嗣 小倉
Yasuo Takahashi
泰雄 高橋
Shigeru Uchida
茂 内田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】特定階層の情報信号のみを受信・復調できる伝
送方法を提供する。 【構成】複数階層の情報信号を1シンボル区間当たりの
情報伝送量が異なる複数種の多値変調波(4相PSK
波、8相PSK波、16相PSK波)に乗せ、これら複
数種の多値変調波を伝送タイミングを異ならせて周期的
に伝送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報信号の伝送方法お
よびその伝送方法で伝送された信号を受信するための受
信装置に係り、特に階層化した情報信号を伝送するため
の伝送方法および受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル情報の通信によく使用される
変調方式として、4相PSK、8相PSKおよび16相
PSK等がある。これらの変調方式では、信号伝送速度
および耐雑音特性は方式によって一意に定まる。
【0003】このようなディジタル情報の通信におい
て、最近ではユーザによって伝送信号に対する要求が多
様化している。例えば、大量のデータを即時に伝送する
場合のように品質はある程度低くとも高速レートの伝送
が要求される場合と、データの信頼性を重視し伝送レー
トは低くとも高い品質での通信が要求される場合が考え
られる。画像伝送を例にとると、小型携帯端末などでは
大画面のディスプレイを持たないので伝送すべき情報は
少なくともよいが、家庭内に設置される大画面のディス
プレイを有する据置型の大型端末では、多くの情報が必
要とされる。伝送帯域は一定であると仮定すると、即時
性が必要とされる場合には信頼性が減少し、信頼性が要
求される場合には信号伝送に要する時間が長くなる。
【0004】また、このような即時性、品質等に関して
多様な要求を持つユーザを一つのシステムに収容するこ
とが要求されており、変調方式としてもその要求に対応
する必要が生じてきている。様々な要求を持つユーザを
一つのシステムに収容する方法として、情報への冗長性
の持たせ方(符号化率)を可変にする方法や、伝送信号
を階層化した変調方式などが考えられている。後者の階
層化変調は、多様な品質の信号を同時に送る方法であ
り、放送衛星や通信衛星などにおいてS/Nの劣化によ
り急激に受信不可能となることを防ぐ目的で使用され
る。
【0005】この階層化変調は、一般的に誤り訂正など
の符号化と組み合わせて実施する方式と、符号化とは別
に搬送波に情報信号を物理的に乗せる変調によって階層
化を達成する方式とが考えられている。階層変調方式の
従来例として、1993年電子情報通信学会春季大会誌
B−179の“階層変調方式におけるデータ伝送の検
討”が挙げられる。この従来技術による階層8相PSK
変調波上の信号点の配置(コンスタレーションという)
を図17に示す。同図に示されるように、4階層8相P
SK変調波では信号の重みによって符号間の距離を故意
に異ならせて信号を配置することで、耐雑音性を変えて
階層化を達成している。図17の場合、信号点は、±π
/8、±π/4、±7π/8、±3π/4に配置され、
第1ビットはI=0、第2ビットはQ=0、第3ビット
はQ=±(3π/16)Iをそれぞれ識別面とすること
によって復調される。
【0006】伝送すべき情報信号が画像信号である画像
符号化装置においては、画像信号に対して例えばFFT
(高速フーリエ変換)やDCT(離散コサイン変換)な
どの直交変換を施すことで、画像信号を画像の輪郭や大
面積部などの大まかな画像情報(粗い情報)を持つ低周
波成分と、細かい絵柄に対応した高精細の情報(細かい
情報)を持っている高周波成分とに分割する方法がよく
知られている。また、他の様々な画像符号化を施すこと
で、画像信号を画像の基本的なパラメータを含む粗い情
報と、その他の細かい情報とに分解することができる。
【0007】この場合、上述した従来の階層変調方式で
は第1ビットに粗い情報、第2ビットにより細かい情
報、第3ビットにさらに細かい情報をそれぞれ乗せて伝
送することによって階層化を行うことになる。しかし、
この方式では受信側のユーザが低階層の粗い情報のみを
必要とする場合にも、全階層の情報信号を受信可能な受
信機が必要である。符号化された画像信号を上述した階
層8相PSK変調で伝送する例で考えると、第1ビット
が粗い情報であり、第1ビットのみを受信したい場合で
も、識別再生回路以外の部分は全ビットを受信可能な受
信機を使用しなければならない。結局、特定階層のみを
受信するどのユーザも、同じ受信機を持たなければなら
ないことになり、特に低階層の情報信号のみを受信する
必要のある携帯端末では不利となる。
【0008】すなわち、携帯端末は前述したように高精
細のためのビットは必要としていないにもかかわらず、
従来の階層変調方式では受信機の構成をそれに対応して
低階層の情報信号のみを受信できるように簡略化するこ
とができないため、装置の小型化、低消費電力化を図る
ことができない。また、本来必要とする階層以外の不要
な信号を常に受信し続ける必要があることも、低消費電
力化を阻害する要因となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の階層変調方式では受信者がある特定階層の情報のみ必
要とする場合にも、常に全階層の情報を含む伝送信号を
受信しなければならず、特に低階層の情報のみを必要と
する受信者にとっては装置の小型化、低消費電力化の面
で不利であった。本発明の目的は、特定階層の情報信号
のみを選択的に受信して復調することができるようにし
た伝送方法および受信装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係る伝送方法は、複数階層の情報信号を1
シンボル区間当たりの情報伝送量が異なる複数種の多値
変調波に乗せ、これら複数種の多値変調波を伝送タイミ
ングを異ならせて周期的に伝送することを特徴とする。
【0011】また、本発明に係る受信装置は上記のよう
にして伝送された信号を受信し、その受信信号を復調す
る受信装置であって、受信信号と該受信信号に同期した
再生キャリア信号との位相を比較する位相比較手段と、
この位相比較手段の出力信号に基づいて発振周波数が制
御されることにより再生キャリア信号を発生する可変周
波数発振手段と、この可変周波数発振手段から発生され
る再生キャリア信号を用いて受信信号を同期復調する復
調手段と、この復調手段により同期復調された信号から
元の情報信号を再生する再生手段とを具備する。そし
て、位相比較手段は、受信信号と再生キャリア信号との
位相差を所定範囲に位相縮退させて検出して位相差信号
を出力する位相差検出手段と、この位相差検出手段から
出力される位相差信号をその位相差変化範囲を制限して
取り出す位相差変化範囲制限手段とを有することを特徴
とする。
【0012】さらに、本発明による受信装置において
は、受信信号に対する再生キャリア信号の初期同期期間
に、位相差変化範囲制限手段による制限動作を規制する
規制手段、および受信信号に対する再生キャリア信号の
同期状態を観測し、それに基づいて位相差変化範囲制限
手段による制限動作を規制する規制手段の少なくとも一
方を有することを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明によると、受信側において特定の階層の
情報信号のみを受信して復調することが可能となる。す
なわち、本発明では情報信号が1シンボル区間当たりの
情報伝送量が異なる複数種の多値変調波に乗せられ、こ
れらの多値変調波がそれぞれの伝送タイミングを異なら
せて周期的に伝送されるため、同期開始から定常状態に
遷移するまでの過程、つまり初期同期を一旦完了してし
まえば、受信側では必要とする情報信号が乗っている多
値変調波が伝送されるタイミングでのみ受信・復調動作
を行えばよい。
【0014】この場合、1シンボル区間当たりの情報伝
送量と情報信号の階層を対応させ、高階層の情報信号は
1シンボル区間当たりの情報伝送量を大きくし、低階層
の情報信号は1シンボル区間当たりの情報伝送量を小さ
くすることにより、特定の階層の情報信号のみを受信す
ることができる。従って、特定の階層の情報信号のみを
受信する受信装置では、受信したい階層の情報信号が乗
っている多値変調波が伝送されている時間帯でのみ動作
を行えばよい。これにより、低消費電力化が達成され
る。また、特に低階層の情報信号のみを受信する受信装
置は、高階層の情報信号も受信可能とした場合に比較し
て、回路規模が縮小されると共に、動作速度も遅くてよ
いことになり、装置の小型化が可能となる。
【0015】本発明の受信装置においては、受信信号と
再生キャリア信号との位相差を所定範囲に縮退させて検
出して得られた位相差信号をその位相差変化範囲を制限
して取り出すことにより、上述のようにして伝送された
階層変調波のうち所望の情報信号が乗っている多値変調
波のみに対応した簡易なキャリア同期回路によりキャリ
ア同期を確立することができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。まず、本発明の伝送方法を説明する。本発明の伝
送方法では、複数階層の情報信号を1シンボル区間当た
りの情報伝送量が異なる複数種の多値変調波にそれぞれ
乗せ、これらの多値変調波を伝送タイミングを異ならせ
て周期的に伝送する。図1(a)(b)(c)に、本発
明の伝送方法による伝送信号である階調変調波の一例を
示す。
【0017】図1(a)の例では、1シンボル区間当た
りの情報伝送量が異なる複数種の多値変調波として4相
PSK波、8相PSK波、16相PSK波の3種を用い
ている。4相PSK波、8相PSK波、16相PSK波
の1シンボル区間当たり情報伝送量は、各々2ビット、
3ビット、4ビットである。そして、これら4相PSK
波、8相PSK波、16相PSK波を1シンボル区間
(T)毎に切り替えて周期的に伝送する。換言すれば、
伝送の繰り返し周期であるフレームを、1シンボル区間
の長さを持つ3つのタイムスロットに分割し、これら3
のタイムスロットで4相PSK波、8相PSK波、16
相PSK波をそれぞれ伝送する。
【0018】図1(b)の例は、図1(a)とほぼ同様
であるが、16相PSK波のみ2シンボル区間(2T)
連続して伝送している。この場合、フレームの3つ目の
タイムスロットのみ2シンボル区間の長さを持つ。複数
階層の情報信号のうちで特に高品質の情報信号を伝送す
るような場合、このように16相PSK波を連続して2
シンボル区間伝送することが有効である。なお、4相P
SK波、8相PSK波を2シンボル区間連続して伝送す
ることも可能である。また、同じ相数のPSK波を連続
して伝送するシンボル区間の数は、3シンボル区間(3
T)あるいはそれ以上であってもよい。
【0019】また、1シンボル区間当たりの情報伝送量
(ここではPSK波の相数)および伝送の繰り返し周期
であるフレームを、想定される伝送路状況や伝送したい
信号の品質(階層)に応じて選定することも可能であ
る。図1(c)はその一例であり、低階層と高階層を中
心に4階層の情報信号を伝送するために、複数種の多値
変調波として2相PSK波、4相PSK波、8相PS
K、16相PSK波の4種を用い、かつ低階層と高階層
を重視するために、フレーム構成を2相PSK波−4相
PSK波−16相PSK波−2相PSK波−8相PSK
波−16相PSK波としている。フレームを構成するP
SK波の相数(シンボル区間当たりの情報伝送量)の選
定順序は、伝送品質に影響を与えないので任意に選択す
ることが可能である。
【0020】図1(a)(b)(c)の伝送信号(階層
変調波)におけるI−Q平面上の信号点の配置、つまり
コンスタレーションは、図2に示すようになる。図2で
は、4相PSK波、8相PSK波および16相PSK波
が全て存在する信号点を○、8相PSK波と16相PS
K波が存在する信号点を×、16相PSK波のみが存在
する信号点を△でそれぞれ表している。通常の4相PS
K波、8相PSK波および16相PSK波のコンスタレ
ーションは図3に示した通りであり、図2のコンスタレ
ーションは、これら図3(a)(b)(c)に示すコン
スタレーションが、順次ずれた伝送タイミングで同一位
相面(I−Q平面)上に存在することになる。
【0021】図2のコンスタレーションにおいて、4相
PSK波、8相PSK波、16相PSK波の各々のコン
スタレーションは、図3(a)(b)(c)と同様であ
るので、それぞれの相数(1シンボル区間当たりの情報
伝送量)で定まる耐雑音性の違いによって、伝送すべき
情報信号の階層化を実現できる。例えば、伝送する情報
信号が画像信号の場合、4相PSK波に粗い情報の信
号、8相PSK波により細かい情報の信号、16相PS
K波にさらに細かい情報の信号をそれぞれ乗せて伝送す
ることによって階層化が実現される。
【0022】このようにして伝送された階層変調波にお
いては、異なる伝送タイミングで伝送される各々の多値
変調波に乗っている情報信号の階層が異なっているの
で、特定のタイムスロットのみ、つまり特定の多値変調
波のみを受信して復調することで、特定の階層の情報信
号のみを容易に得ることが可能となる。
【0023】次に、上述した伝送方法を実現する送信装
置の実施例を説明する。図4は、本発明による送信装置
の一実施例であり、直交変調器を用いて構成した場合の
例である。本実施例では、各階層の情報信号は変調前に
信号切替スイッチで切り替えられて選択され、選択され
た階層の情報信号に対して直交変換器で多値変調方式の
一種であるPSK変調が施される。
【0024】図4において、入力端子10−1〜10−
MにはM階層の情報信号S1〜SMが入力される。これ
らの情報信号S1〜SMは、例えば異なる符号化品質で
符号化された画像信号である。情報信号S1〜SMはM
入力・1出力の信号切替スイッチ11に入力され、一つ
の階層の情報信号が選択的に取り出される。信号切替ス
イッチ11は、クロック入力端子12に入力されるシン
ボル周期TのタイミングクロックTCKをM進カウンタ
13により分周することで生成されたmビットのバイナ
リ信号B1〜Bmからなる制御信号14によって切り替
え制御される。なお、このような制御信号は予め定めら
れた順序でROMからデータを読み出すことで生成され
る信号であってもよい。
【0025】信号切替スイッチ11で選択された情報信
号は、マッピング回路15に入力される。マッピング回
路15では、信号切替スイッチ11から出力される情報
信号を制御信号14によってI,Qの直交信号16,1
7に変換して出力する。これらの直交信号16,17は
直交変調器18に入力され、直交変調が施されることに
より、図1に示したような階層変調波19として出力端
子20から出力される。階層変調波19は図示しない送
信回路を経て伝送路に送出され、伝送される。
【0026】図5は、本発明による送信装置の他の実施
例であり、各階層の情報信号は個別に多値変調され、変
調波切替スイッチで切り替えられて送出される。すなわ
ち、入力端子10−1〜10−Mに入力されるM階層の
情報信号S1〜SMは、階層毎に用意された多値変調器
である多値QAM変調器に入力される。具体的には、情
報信号S1は4値QAM変調器21−1に、情報信号S
2は16値QAM変調器21−2に、情報信号21−3
は64値QAM変調器21−3にそれぞれ入力され、以
下同様に情報信号21−Mはn値QAM変調器21−M
に入力される。この場合、情報信号のビット数は、それ
が入力される多値QAM変調器をx値QAM変調器とす
ると、x1/2 ・a(aは定数)の関係にある。すなわ
ち、4値QAM変調器21−1に入力される情報信号S
1は2・aビット、8値QAM変調器21−2に入力さ
れる情報信号S2は3・aビット、16値QAM変調器
21−3に入力される情報信号S3は4・aビットとな
る。
【0027】こうして得られたQAM変調器21−1〜
21−Mから出力される4値、16値、64値、…n値
の多値QAM変調波22−1〜22−Mは、M入力・1
出力の変調波切替スイッチ23に入力される。変調波切
替スイッチ23は、図4の信号切替スイッチ11と同
様、クロック入力端子12に入力されるシンボル周期T
のタイミングクロックTCKをM進カウンタ13により
分周することで生成されたmビットのバイナリ信号から
なる制御信号14によって切り替え制御される。なお、
このような制御信号は予め定められた順序でROMから
データを読み出すことで生成される信号であってもよ
い。
【0028】このようにして変調波切替スイッチ23で
は、各階層の情報信号が乗った多値QAM変調波が1シ
ンボル区間毎に順次選択されることにより、図1に示し
たような階層変調波24が出力端子25から出力され
る。階層変調波24は図示しない送信回路を経て伝送路
に送出され、伝送される。
【0029】上述した本発明の伝送方法によれば、各階
層の情報信号を1シンボル区間当たりの情報伝送量が異
なる複数種の多値変調波に乗せ、これらの多値変調波を
それぞれの伝送タイミングを異ならせて周期的に伝送す
るため、受信側では初期同期を完了してしまえば必要と
する階層の情報信号が乗っている多値変調波が伝送され
るタイミングでのみ受信・復調を行えばよいことにな
る。従って、受信装置の低消費電力化が可能であり、ま
た低階層の情報信号、例えば情報信号S1のみを受信す
る受信装置は、より高階層の情報信号も受信できるよう
に構成した場合に比較して回路規模が縮小され、動作速
度も遅くてよいから、装置の小型化が可能となる。
【0030】次に、本発明による受信装置の実施例につ
いて説明する。図6は、本発明による受信装置の一実施
例を示すブロック図である。アンテナ30で受信された
階層変調波である受信信号31は、アンプ32で増幅さ
れた後、バンドパスフィルタ(BPF)33に入力さ
れ、受信側のユーザが希望する特定階層の情報信号が乗
った多値変調波のみが選択される。バンドパスフィルタ
33の出力は、同期復調器34に入力される。同期復調
器34はミキサ35とキャリア同期回路36により構成
される。キャリア同期回路36は、後述するようにPL
L(Phase-LockedLoop) を用いて構成され、受信信号2
1から受信信号31中のキャリア成分に同期した再生キ
ャリア信号を再生する。ミキサ35は、キャリア同期回
路36から出力される再生キャリア信号を受信信号32
と乗算して同期復調を行う。
【0031】ミキサ35の出力信号はローパスフィルタ
37に入力され、不要な高周波成分が除去されて必要な
低域成分のみが抽出される。ローパスフィルタ37の出
力信号は、タイミング再生回路38と識別判定回路39
に入力される。タイミング再生回路38は、ローパスフ
ィルタ37の出力信号からタイミング信号(クロック成
分)を再生し、それをキャリア同期回路36と識別判定
回路39に供給する。識別判定回路39は、タイミング
再生回路38からのタイミング信号を用いてローパスフ
ィルタ37の出力信号のデータを識別判定し、所望の階
層の情報信号である復調データ40を生成し、出力端子
41へ出力する。
【0032】ここで、本発明においてはキャリア同期回
路36の一部を変更するのみで、受信装置全体としては
従来とほぼと同様の構成により、上述した実施例で示し
た伝送方法により伝送されてきた受信信号から所望の特
定階層の情報信号のみを受信・復調することが可能であ
る。そこで、次にキャリア同期回路36について説明す
る。
【0033】従来、階層変調波の受信信号から特定階層
の情報信号のみを受信・復調する受信装置においてキャ
リア同期を行うために使用されるPLLは、一般的に階
層変調波の最大伝送レートの信号を受信することを想定
して設計される。この従来の考え方に沿えば、図1に示
した本発明による階層変調波に対して、キャリア同期回
路のPLLとしては16相PSK波に同期できるような
回路構成を使うことになる。
【0034】しかしながら、このことは特定階層の情報
信号のみを受信・復調することができればよい受信装置
についても、伝送信号のうち最も1シンボル区間当たり
の情報伝送量が大きい変調波に同期可能なPLLを持た
なければならないことを意味する。すなわち、図1に示
した階層変調波において、4相PSK変調波のみが受信
できれば十分な携帯端末のような受信装置においても、
16相PSK波に同期できるPLLを持たなければなら
ない。これは、携帯端末のような小型端末においては消
費電力および小型化点で不利となる。従って、受信した
い階層の情報信号が乗った変調波にのみ同期するPLL
でキャリア同期可能な技術の開発が望まれる。本発明に
よれば、特定階層の情報信号を受信・復調する受信装置
においては、その特定階層の情報信号がのった多値変調
波のみに同期できるような簡単な構成のPLL(以下、
特定階層用PLLという)によって、キャリア同期を実
現することが可能である。
【0035】本発明におけるキャリア同期回路の原理
は、以下の通りである。本発明によると上述した特定階
層用PLLによってキャリア同期が可能となることを説
明するために、図1に示した階層変調波を受信する場合
を考える。
【0036】まず、図18に示した従来の構成のPLL
でキャリア同期回路を構成して図1の階層変調波を受信
するものとし、その問題点を以下に示す。図18におい
て、位相比較器1は受信信号と可変周波数発振器である
VCO(電圧制御発振器)3の出力である再生キャリア
信号を入力とし、両信号の位相差に対応した信号を出力
する。この位相比較器1の出力信号は、ループフィルタ
2を介してVCO3に制御信号として供給される。
【0037】今、VCO3の出力信号と受信信号との位
相縮退(後述)後の位相差が零であると仮定すると、受
信信号である図1に示した階層変調波の図7(a)(図
2と同じ)に示すコンスタレーションに対して、位相比
較器1の出力信号のコンスタレーションは図7(b)と
なる。位相比較器1では、受信信号に対して4相PSK
波に対して行うのと同様の位相縮退を行い、VCO3の
出力信号との位相差に対応した位相差信号を出力する。
ここで、位相縮退とは4相PSKの場合には、位相差x
に対して出力の位相差yを y=x+π/2(-3π/4<x≦−π/4) x ( -π/4<x≦−π/4) x−π/2( π/4<x≦ 3π/4) x−π ( 3π/4<x≦ 5π/4) (1) とする変換をいう。すなわち、位相平面内で位相差xの
存在する領域に応じて、位相差xに対して0,+π/
2,−2π/2,−πの位相回転を施すことにより、出
力の位相差yの変化範囲を縮退させる操作である。この
位相縮退は受信信号の位相成分に乗っている情報信号の
影響を取り除き、位相を揃える働きをする。従来のPL
Lに図1の階層変調波を入力すると、理想的には図7
(b)に示したコンスタレーションの信号が得られる。
図7(b)における4相PSK波、8相PSK波、16
相PSK波の存在確率、つまり○と△と×のそれぞれの
存在確率は、伝送信号がランダムであると仮定すると、
14:3:2となる。
【0038】通常の位相比較器の入出力特性を図8の8
1に示す。位相比較器の入出力特性は、原点0に対して
点対称であるために、信号点の存在確率が正負で等確率
で出現するならば、つまり信号点が図9(a)に示すよ
うに、原点0と4相PSK波の信号点(図7の○)とを
結ぶ破線で示す直線に対して対称に存在するならば、P
LLは追従位相誤差を0にできると考えられる。このこ
とを式で表すと、PLLの収束位相(追従位相誤差の収
束値)xは、図10(a)より 3*(π/4+x)+2*(π/8+x)+14*x =2*(π/8−x)+3*(π/4−x) (2) であるから、 x=0 (3) となる。
【0039】ところが、実際の受信波のコンスタレーシ
ョンは、図7(b)のように理想的なものとはならな
い。特に、キャリア同期回路の初期同期(PLLの引き
込み動作の最初の期間)には、受信信号とVCO3の出
力信号の位相は異なっており、両信号の位相差は零では
ない。そのため、図7(b)の4相PSK波の信号点○
はI軸上に位置しない。このような場合でも、仮に受信
信号のコンスタレーションが図9(a)のように原点と
信号点○とを結ぶ破線で示した直線に対して対称に等確
率で存在するならば、式(2)からPLLの収束位相x
は零となる。
【0040】しかし、図9(a)の信号点のうち8相P
SK波の信号点×の一つは、π/4以上の位置にあるた
めに前述した位相面縮退の効果を受けるので、実際に得
られるコンスタレーションは、図9(b)あるいは
(c)となる。すなわち、π/4以上の位置にある信号
点×は、受信信号とVCO3の出力信号の位相が一致し
ていない場合、±π/4の範囲の外にあり、位相面縮退
に伴い図9(b)あるいは(c)のように±π/4の範
囲内に入り込んでくる。従って、図9(b)(c)に示
されるコンスタレータションでは、原点0と信号点○と
を結ぶ破線で示した直線に対して信号点が等確率には存
在しないため、PLLはこの存在確率に応じた位相に誤
引き込みしてしまうことになる。具体的には、信号点の
存在確率が高い方の位相に引き込まれてしまう。すなわ
ち、PLLが小さな外乱に対しても影響を受けることに
より、正しくキャリア同期をすることが不可能な状態に
陥ることになる。このようにPLLが誤引き込みをする
ときの収束位相yは、図10(b)より 2*(π/8+y)+14*y =2*(π/8−y)+3*(π/4−y)*2 (4) であるから、 y=π/16 (5) となる。つまり、受信信号の位相に対して±π/16だ
けずれた位相に誤引き込みされることになる。
【0041】このような問題を解決するため、本発明で
はキャリア同期回路における位相比較器に、I−Q平面
上では図7(c)に斜線で示す領域71,72に相当す
る位置に不感帯(位相差変化制限領域)を設け、位相縮
退した後の位相差信号をさらに位相差変化範囲を制限し
て取り出すようにする。
【0042】本発明を図1に示した階調変調波を受信信
号とする受信装置に適用した場合の位相比較器の入出力
特性を図8の82に示す。この入出力特性82は、位相
比較器の入力(受信信号と再生キャリア信号との位相
差)をx、出力をyとすると、入力xが予め定められた
値dに対して以下の関係を満足するものとする。
【0043】 y=f(x) 0<x≦d y=g(x) −d<x≦0 y=α |x|>d (6) ここで、f(x)およびg(x)は任意の連続関数、α
は任意の定数(例えば0)とする。
【0044】このような入出力特性の位相比較器をキャ
リア同期回路に用いることにより、雑音等の外乱により
位相縮退後の位相点の位置が変化しても、信号点はQ=
0の線を中心として対称的に、つまり等確率で存在する
ようになるため、PLLの収束位相を0とすることがで
きる。これにより、図1に示した階層変調波を受信信号
とする受信装置において、特定階層用PLLによるキャ
リア同期回路によりキャリア同期を実現することが可能
となる。
【0045】次に、キャリア同期回路の具体的な構成を
説明する。図11は、図6におけるキャリア同期回路3
6の一実施例を示すブロック図である。図11におい
て、図6のバンドパスフィルタ32から出力される受信
信号100は位相比較器101に入力される。位相比較
器101は、位相差検出回路102、サンプルホールド
回路103および位相差変化範囲制限回路104により
構成される。
【0046】位相差検出回路102は図12に示すよう
に、受信信号100とVCO107からの再生キャリア
信号108との位相差を検出する位相差検出部201
と、この位相差検出部201から出力される位相差信号
に対して位相回転を行うことによって、式(1)に示し
た位相縮退を行う位相回転部202とからなる。
【0047】位相差検出回路102から出力される位相
縮退後の位相差信号は、サンプルホールド回路103に
入力され、図6のタイミング再生回路38からのタイミ
ング信号105によってサンプリングされホールドされ
ることにより、最適識別時点における信号のみが有効信
号として取り出される。サンプルホールド回路103の
出力信号は、位相差変化範囲制限回路104に入力され
る。位相差変化範囲制限回路104は、図8に破線で示
した3π/16〜π/4、および−3π/16〜−π/
4の位相差領域での位相差信号を零(またはある一定の
値)にして位相差信号の変化範囲を制限する回路であ
る。これをI−Q平面上で表わすと、図7(c)に示す
ように斜線で示す領域71,72のような不感帯を設け
ることに相当する。
【0048】このように構成された位相比較器101の
入出力特性は、位相差変化範囲制限回路104のない通
常の位相比較器の図8の特性81に対して、位相差変化
範囲制限回路104が設けられたことにより、図8の特
性82を有する。なお、図8の入出力特性では入出力が
正比例の関係となっているが、いわゆるtan-1特性や
S特性でも構わない。位相比較器101の出力信号は、
PLLの閉ループ特性を決定するためのループフィルタ
106に入力される。そして、このループフィルタ10
6の出力信号がVCO107に制御信号として与えられ
る。
【0049】上述した図8の入出力特性82を有する位
相比較器101により、信号点の存在確率が対称とな
り、受信信号100に対してキャリア同期が可能とな
る。一旦初期同期が完了してしまえば、受信信号100
として受信したい特定シンボル区間のみを入力するか、
またはタイミング信号105として、受信したい特定シ
ンボル区間の信号が送出されるタイミングを表す信号を
入力することにより、PLLの特性を改善することがで
きる。
【0050】本実施例では、タイマ110がさらに設け
られており、このタイマ109からの制御信号111に
よって、再生キャリア信号の初期同期期間に位相差変化
範囲制限回路104による位相差信号の変化範囲の制限
動作が規制されるように構成されている。また、タイマ
110からはループフィルタ106に対しても制御信号
112が供給され、この制御信号112によってループ
フィルタ106の伝達特性が変化されることにより、P
LLの閉ループ特性が変化するように構成されている。
【0051】タイマ110は、キャリア同期開始時にリ
セットされて時間計測を開始し、所定時間後に制御信号
111,112をオフからオンに切り替える。位相差変
化範囲制限回路104は、制御信号111がオンになる
と位相差信号の変化範囲の制限動作を行う。すなわち、
位相比較器101の入出力特性は、制御信号111がオ
フのときは従来の位相比較器と同じ図8の特性81であ
り、制御信号111がオンになると特性82となる。
【0052】次に、タイマ110からの制御信号111
により位相差変化範囲制限回路104による位相差信号
の変化範囲の制限動作を規制することによる効果につい
て述べる。
【0053】キャリア同期回路36の初期同期時には、
受信信号100と再生キャリア信号105との位相差は
不確定である。そのために、位相比較器101の出力が
零となる領域に4相PSKの信号点(図13の○)が位
置することが考えられる。このとき、PLLの収束位相
zは、位相比較器の予め定められた位相差領域における
出力が0であるとすると、図10(c)より 2*(π/8+z)+3*z=2*(π/8−z) (7) であるから、 z=0 (8) となる。従来のPLLでは、4相PSK波の信号点○が
位相比較器の出力が零またはある一定値となる領域に位
置しても、○の位置がθ=0となるように制御を行う。
すなわち、○が(I,Q)=(1,0)に位置するよう
にPLLが制御を行う。これに対し、本実施例では位相
比較器101の出力が常に図13の斜線で示す不感帯領
域71,72で零またはある一定値であり、これら不感
帯領域71,72に4相PSK波の信号点○が位置して
いると、PLLが初期状態を維持し続けた場合、キャリ
ア信号105は受信信号100の位相に対して±π/4
だけずれた位相に誤引き込み(擬似ロックという)され
ることになる。
【0054】また、特定階層用PLLによって階層変調
波に対してキャリア同期を行う場合、例えば図1に示し
た階層変調波に対して4相PSK波用PLLによってキ
ャリア同期を行った場合には、4相PSK波以外の信号
点、つまり8相PSK波もしくは16相PSK波のみで
存在する信号点は、雑音成分と考えられる。このこと
は、通常のPLLよりも雑音に対して本発明のキャリア
同期回路が厳しい仕様を課せられていることを意味して
いる。
【0055】そこで、本実施例では初期引き込み時には
タイマ110からの制御信号111をオフとして位相差
変化範囲制限回路104で位相差信号の変化範囲を制限
せずに、位相比較器101の入出力特性を図8の特性8
1のままとし、位相差信号を±π/16だけずれた位相
に引き込む。そして、この後にタイマ110からの制御
信号111をオンとして位相差変化範囲制限回路104
の制限動作の規制を解除し、位相比較器101の入出力
特性を図8の特性82に切り替えることによって、位相
差信号を0にする。
【0056】さらに、このときタイマ110からの制御
信号112によって時間的にループフィルタ106の特
性を切り替えることによって、雑音に対して厳しい仕様
が課せられる本発明によるキャリア同期回路の引き込み
時間を短縮し、雑音特性を良好にすることも可能であ
る。
【0057】図14は、図6におけるキャリア同期回路
36の他の実施例を示すブロック図である。図11の実
施例と異なる点は、タイマ110に代えて切替タイミン
グ検出回路120を用いていることである。この切替タ
イミング検出回路120は、受信信号100と再生キャ
リア信号108を比較してキャリア同期の状態を観測
し、キャリア同期の状態が初期引き込み時のように悪い
場合は制御信号121をオフとする。これにより、位相
差変化範囲制限回路104で位相差信号の変化範囲を制
限せずに、位相比較器101の入出力特性を図8の特性
81のままとし、位相差信号を±π/16だけずれた位
相に引き込む。そして、切替タイミング検出回路120
はキャリア同期の状態が良好になったら制御信号121
をオンとして、位相差変化範囲制限回路104の制限動
作の規制を解除して、位相比較器101の入出力特性を
図8の特性82に切り替えることによって、位相差信号
を0にする。
【0058】また、切替タイミング検出回路120から
の制御信号212によってキャリア同期の状態に応じて
ループフィルタ106の特性を切り替えることによっ
て、雑音に対して厳しい仕様が課せられる本発明による
キャリア同期回路の引き込み時間を短縮し、雑音特性を
良好にすることも可能である。
【0059】図11の実施例と図14の実施例を比較す
ると、図11ではタイマ110を用いることによりキャ
リア同期の状態を観測する回路が不要となるので、回路
の簡素化を図ることが可能となる。一方、図14の実施
例では切替タイミング検出回路120にキャリア同期の
状態を観測する回路が必要であるため、タイマ110を
用いた場合より回路が複雑となるが、キャリア同期の引
き込み時間をより短縮して、引き込み特性を改善するこ
とが可能となる。なお、タイマ110と切替タイミング
検出回路120の両方を併用することももちろん可能で
ある。
【0060】次に、図11に示したキャリア同期回路を
16相PSK波を受信して復調する受信装置に適用した
場合の動作例を説明する。位相比較器101は4相PS
K用の構成、つまり4相PSK波の位相を揃える働きを
有しているものとする。受信信号である16相PSK波
には、絶対位相を表す情報信号があるタイムスロットに
含まれているものとする。この場合、位相比較器101
に絶対位相を検出する機能を持つことにより、位相差検
出回路102においては16相PSK波に対して4相P
SK波と同等の位相縮退を行うことでキャリア同期が可
能となる。従って、位相縮退後の位相面では伝送符号を
キャリアの位相情報として変調したことによる影響を完
全には取り除くことが出来ない。しかし、上述した本発
明によるキャリア同期回路の構成によって、キャリア同
期を行うことは可能である。これ以外の動作は、先の通
りであるため、説明を省略する。
【0061】以上の動作によって、16相PSK波に対
してキャリア同期が可能となる。本発明を16相PSK
受信装置に適用することによって、16相PSK受信装
置で用いるキャリア同期回路に課せられる許容位相誤差
や周波数変動の仕様よりも簡易な仕様で回路を構成する
ことが可能となる。
【0062】図15に、キャリア同期回路のさらに別の
実施例を示す。図1に示した階層変調波は、繰り返し周
期(フレーム長)が既知である。これを利用してキャリ
ア同期回路を図15に示す構成とすることにより、PL
Lの引き込み特性を改善することが可能となる。図11
と同一部分に同一符号を付して説明すると、本実施例で
は位相比較器101内のサンプルホールド回路103に
タイミング信号切替回路130からタイミング信号が入
力される。タイミング信号切替回路130にはタイミン
グ信号131と、4相PSK波のタイミング信号132
が入力される。
【0063】タイミング切替回路130は、PLLがキ
ャリア同期の初期引き込みを行っている時にはタイミン
グ信号131を選択し、初期引き込みが終了して同期確
立状態に入った時に4相PSK波のタイミング信号13
2に切り替える。タイミング信号の切替えは、図11に
示したタイマ110からの制御信号111、または図1
4に示した切替タイミング検出回路120からの制御信
号121がしきい値を超えた場合に行われる。本実施例
のようにタイミング信号の切り替えを実施することによ
って、キャリア同期回路の位相追従特性をさらに改善す
ることが可能となる。
【0064】図16は、図15における位相差信号生成
の過程を示している。図16(a)の受信信号に対して
タイミング信号1311は図17(b)となる。図16
(c)は位相差検出回路101の出力であり、図16
(c)の信号をサンプルホールド回路103において
(b)のタイミング信号131によりサンプルホールド
すると、図16(d)の信号が生成される。また、図1
6(c)の信号を図16(e)の4相PSK波のタイミ
ング信号132でサンプルホールドすると、図16
(f)の信号が生成される。
【0065】キャリア同期回路のPLLは、受信信号と
VCO107から出力される再生キャリア信号108と
の位相差信号によって追従動作を行う。前述したように
本発明のキャリア同期回路では、階層変調波の多値成分
(8相PSK波及び16相PSK波)がキャリア同期に
悪影響となる。しかし、本実施例によれば4相PSK波
のタイミング信号を用いて4相PSK波のみの情報PL
Lに与えることが可能となるため、再生キャリア信号の
周波数ジッタを抑圧することが可能となる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば複
数階層の情報信号を1シンボル区間当たりの情報伝送量
が異なる複数種の多値変調波に乗せ、これらの多値変調
波をそれぞれの伝送タイミングを異ならせて周期的に伝
送することにより、受信側では必要とする階層の情報信
号が乗っている多値変調波が伝送されるタイミングでの
み受信・復調を行うことができる。従って、特定の階層
の情報信号がのみを受信する受信装置では、受信したい
階層の情報信号が乗っている多値変調波が伝送されてい
る時間帯でのみ動作を行えばよい。これにより、低消費
電力化が達成される。また、特に低階層の情報信号のみ
を受信する受信装置は、高階層の情報信号も受信可能と
した場合に比較して、回路規模が縮小されると共に、動
作速度も遅くてよいことになり、装置の小型化が可能と
なる。
【0067】また、本発明の受信装置においては、受信
信号と再生キャリア信号との位相差を所定範囲に縮退さ
せて検出して得られた位相差信号をその位相差変化範囲
を制限して取り出すことにより、上述のようにして伝送
された信号のうち特定の階層の情報信号が乗っている多
値変調波のみに対応した簡易な構成のキャリア同期回路
によりキャリア同期を確立することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る伝送方法により伝送
される階層変調波の例を示す図
【図2】 図1の階層変調波におけるコンスタレーショ
ンを示す図
【図3】 4相PSK波、8相PSK波および16相P
SK波のコンスタレーションを示す図
【図4】 本発明による送信装置の一実施例を示すブロ
ック図
【図5】 本発明による送信装置の他の実施例を示すブ
ロック図
【図6】 本発明による受信装置の一実施例を示すブロ
ック図
【図7】 本発明による階層変調波に対して位相差信号
の位相縮退と位相差変化範囲を制限した場合のコンスタ
レーシヨンを示す図
【図8】 本発明における位相比較器と通常の位相比較
器の入出力特性を比較して示す図
【図9】 本発明による階層変調波に対して位相縮退を
行った場合の信号点の不均等分布を示す図
【図10】本発明による階層変調波に対するPLLの収
束位相を算出するために用いた図
【図11】図6におけるキャリア同期回路の一実施例を
示すブロック図
【図12】図11における位相差検出回路の詳細な構成
を示す図
【図13】キャリア同期回路の擬似ロックについて説明
するための図
【図14】図6におけるキャリア同期回路の他の実施例
を示すブロック図
【図15】図6におけるキャリア同期回路の他の実施例
を示すブロック図
【図16】図15のキャリア同期回路の動作を説明する
ためのタイミングチャート
【図17】従来の階層8相PSK波のコンスタレーショ
ンを示す図
【図18】従来のキャリア同期回路(PLL)の構成を
示す図
【符号の説明】
10−1〜10−M…情報信号入力端子 11…信号
切替スイッチ 12…クロック入力端子 13…m進
カウンタ 14…制御信号 15…マッ
ピング回路 16,17…直交信号 18…直交
変調器 19…階層変調波 20…出力
端子 21−1〜21−M…多値QAM変調器 22−1〜22−M…多値QAM変調波 23…変調波切替スイッチ 24…階層
変調波 25…出力端子 30…アン
テナ 31…受信信号 32…アン
プ 33…バンドパスフィルタ 34…同期
復調器 35…ミキサ 36…キャ
リア同期回路 37…ローパスフィルタ 38…タイ
ミング再生回路 39…識別再生回路 40…復調
データ 41…出力端子 71,72…位相差変化範囲制限領域 81,82
…入出力特性 100…受信信号 101…位相
比較器 102…位相差検出回路 103…サン
プルホールド回路 104…位相差変化範囲制限回路 105…タイ
ミング信号 106…ループフィルタ 107…電圧
制御発振器 108…再生キャリア信号 110…タイ
マ 111,112…制御信号 120…切替
タイミング検出回路 121,122…制御信号 130…タイ
ミング信号切替回路 131…タイミング信号 132…4相PSK波のタイミング信号 201…位相差検出部 202…位相
回転部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 茂 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝小向工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数階層の情報信号を1シンボル区間当た
    りの情報伝送量が異なる複数種の多値変調波に乗せ、こ
    れら複数種の多値変調波を伝送タイミングを異ならせて
    周期的に伝送することを特徴とする伝送方法。
  2. 【請求項2】複数階層の情報信号を1シンボル区間当た
    りの情報伝送量が異なる複数種の多値変調波に乗せ、こ
    れら複数種の多値変調波を伝送タイミングを異ならせて
    周期的に伝送する伝送方法によって伝送された信号を受
    信し、その受信信号から所望の階層の情報信号を復調す
    る受信装置であって、 受信信号と該受信信号に同期した再生キャリア信号との
    位相を比較する位相比較手段と、この位相比較手段の出
    力信号に基づいて発振周波数が制御されることにより前
    記再生キャリア信号を発生する可変周波数発振手段と、
    この可変周波数発振手段から発生される再生キャリア信
    号を用いて前記受信信号を同期復調する復調手段と、こ
    の復調手段により同期復調された信号から元の情報信号
    を再生する再生手段とを具備し、 前記位相比較手段は、前記受信信号と再生キャリア信号
    との位相差を所定範囲に位相縮退させて検出して位相差
    信号を出力する位相差検出手段と、この位相差検出手段
    から出力される前記位相差信号をその位相差変化範囲を
    制限して取り出す位相差変化範囲制限手段とを有するこ
    とを特徴とする受信装置。
  3. 【請求項3】前記受信信号に対する前記再生キャリア信
    号の初期同期期間に、前記位相差変化範囲制限手段によ
    る制限動作を規制する規制手段を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の受信装置。
  4. 【請求項4】前記受信信号に対する前記再生キャリア信
    号の同期状態を観測し、その観測結果に基づいて前記位
    相差変化範囲制限手段による制限動作を規制する規制手
    段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の
    受信装置。
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