JPH07294466A - 温度依存特性測定装置 - Google Patents

温度依存特性測定装置

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Publication number
JPH07294466A
JPH07294466A JP8607194A JP8607194A JPH07294466A JP H07294466 A JPH07294466 A JP H07294466A JP 8607194 A JP8607194 A JP 8607194A JP 8607194 A JP8607194 A JP 8607194A JP H07294466 A JPH07294466 A JP H07294466A
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JP
Japan
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temperature
sample
measured
measuring device
measurement
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JP8607194A
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Masaaki Osagawa
雅昭 長川
Kazukado Kita
和門 北
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被測定試料が入れられる測定室の中を連続的
に冷却又は加熱するときに被測定試料の温度を速やかに
応答させ、被測定試料の測定室への搬入を容易にする。 【構成】 測定室20の側部に被測定試料7を出し入れ
するための密閉自在な扉21を有し、被測定試料7を載
置する台座ボックス30はヒータ33及び中空部31を
通過する冷却媒によって被測定試料7が載置される表面
金属32をほぼ直接的に冷却又は加熱するようにした。
台座ボックス30は、ヒータ33への給電量及び冷却媒
の供給量をそれぞれ別々に又は同時に制御して、低温か
ら高温にわたって所定の温度勾配で正確に昇温制御され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温度依存特性測定装置に
関し、特に透明材料の屈折率の温度係数、熱膨張係数、
及び不透明材料の熱膨張係数などの、温度を関数とする
物性を低温から高温にわたって温度制御された同一装置
内で測定可能とする温度依存特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、温度係数、熱膨張係数など、温度
を関数とする材料の物性を測定するには、被測定試料を
一定の昇温速度に制御された真空雰囲気下に置く測定室
と測定のための光学系とから構成される温度依存特性測
定装置が用いられている。
【0003】図9は従来の温度依存特性測定装置の概略
構成図である。この図において、従来の温度依存特性測
定装置の測定室は外周が断熱された二重壁構造の槽1を
有している。この槽1の上部には測定光及び試料からの
反射光が通過するガラス窓2を備え、槽1内には管状ニ
クロム線ヒータ3を備えたクライオスタットが配置され
ている。さらに、このクライオスタットの内部には真鍮
製の試料台4が設けられており、測定時にはこの試料台
4の上に光学原器5,6とともに被測定試料7が載置さ
れる。
【0004】槽1には、また、図示はしないが、二重壁
内に冷却媒体である液体窒素を充填するための冷却媒体
供給設備及び槽1内を排気し減圧するための減圧設備が
接続されている。さらに、槽1の上部に設置されたガラ
ス窓2の上方には、フィゾー干渉法を使用した測定を行
うための測定用光束を出射する光源を持った光学系が配
置されている。光学系としては、レーザー光源8、ミラ
ー9、10、ハーフミラー11、及び測定光検出器1
2、13を備えている。さらには、図示はしないが、測
定光検出器12、13の出力側に測定光解析用の設備が
接続されている。
【0005】このような温度依存特性測定装置におい
て、たとえば、被測定試料として光学ガラスの屈折率の
温度係数(dn/dt)を測定しようとする場合には、
測定室内は、通常、−80℃〜+150℃の温度域にわ
たり、たとえば1℃/分の昇温速度をもって温度制御さ
れる。
【0006】光学ガラスの温度依存特性を測定するとき
は、先ず、2つの光学原器5,6で両側から密着挟持し
た被測定試料7の光学ガラスを測定室に入れ、減圧設備
を作動させて測定室を排気、減圧した後、二重壁内に液
体窒素を入れて室内を所定の冷却温度まで冷却し、自然
昇温により測定開始温度まで光学ガラスが昇温するのを
待つ。その間、被測定試料7の昇温速度は、ほぼ1℃/
分に飽和した段階で管状ニクロム線ヒータ3に給電し、
昇温速度を1℃/分に保持するようにする。そして、光
学ガラスが測定開始温度に達したところで、光学ガラス
の屈折率の温度係数の測定を開始する。測定はガラス窓
2の上方に設置された光学系により、フィゾー干渉法を
用いて行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したク
ライオスタットは、被測定試料を外側から液体窒素及び
管状ニクロム線ヒータにより間接的に冷却又は加熱する
という構造を有するため、冷却又は加熱時の応答速度が
遅いという特性を有し、このため、被測定試料温度の正
確な自動制御は困難である。
【0008】また、測定室の構造上外壁からの輻射を受
けて、自然昇温だけで0.5℃/分を越える昇温速度に
なる。このため、昇温速度が1℃/分以上の場合は管状
ニクロム線ヒータの使用により制御可能であるが、0℃
以下の低温域にあって被測定試料の昇温速度を1℃/分
未満に制御することは不可能である。
【0009】被測定試料を冷却するには、測定開始温度
よりも更に低い温度まで冷却しなければならない。測定
開始温度よりも低い温度に冷却するのに必要な冷却最低
温度及び冷却速度は、充填する液体窒素の量に依存する
が、この量は、経験的なものに頼っている。
【0010】また、槽の壁面は二重構造となってその内
部には液体窒素が存在するため、被測定試料のクライオ
スタット内への搬出入は、槽上部の測定光が入出射する
窓ガラスに設けられたフランジの開閉によって行われる
ことになるが、被測定試料の上下面を光学原器で挟み込
んだ状態で、クライオスタット内の試料台上に搬入し設
置することは熟練を要する困難な作業である。
【0011】さらに、測定に必要な光束のクライオスタ
ット内への照射は、ガラス窓の方向のみに限定され、か
つその上方には測定光学系が配置されているため、測定
中に限らず被測定試料の状態を観測することはできな
い。
【0012】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、冷却又は加熱時の応答速度が速く、1℃/分
未満の昇温速度に制御することができ、液体窒素の充填
量の制御を可能にし、被測定試料の測定室への搬入を容
易にした、温度依存特性測定装置を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、被測定試料を連続的に冷却又は加熱して
温度を関数とした物性を測定する温度依存特性測定装置
において、側部に前記被測定試料を出し入れするための
密閉自在な扉を有し、上部に測定用の光束を入出射させ
るための透明材料製の窓を有する測定室と、前記測定室
の内部を減圧する減圧手段と、加熱手段と前記測定室の
外部より冷却媒が供給される冷却手段とを有し、前記測
定室の内部に設置されていて測定時には前記被測定試料
が載置される台座ボックスと、前記測定室の窓の上方に
配設されて前記測定用の光束を出射する光源を有する光
学系とを備えたことを特徴とする温度依存特性測定装置
が提供される。
【0014】
【作用】上述の手段によれば、被測定試料が載置される
台座ボックスは、加熱手段と冷却手段とを有して、台座
ボックス自体が直接加熱・冷却される構成にされてお
り、これにより被測定試料を冷却又は加熱する時の応答
速度が速くなり、これに伴って1℃/分未満の温度勾配
の設定が可能になる。測定室にはその側部に密閉自在な
扉を有しているため、被測定試料の測定室への搬入が容
易である。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の温度依存特性測定装置の一構成
例を示す図である。この図において、図9に示した要素
と同一又は同等の部分については同一の符号を付してあ
る。
【0016】本発明による温度依存特性測定装置は、被
測定試料7が入る測定室20及び光学系により構成され
る。測定室20は、その上部に測定のための入射光束と
被測定試料7及び光学原器5,6からの反射光束とを透
過させるための固定設置のガラス窓2を有し、さらに、
図では左側に示した側部に、被測定試料7を出し入れす
るための扉21を有している。この扉21には測定中の
被測定試料7を観測できるようガラスが嵌め込まれてい
る。また、扉21は蝶番22により前方に開閉自在であ
り、フランジ構造を有していて、Oリング、ノブ付ボル
ト23などを用いて密閉できるようにしている。
【0017】測定室20内の底部には、被測定試料7及
び光学原器5,6を載置する台座ボックス30が備えら
れている。この台座ボックス30の詳細な構成を以下に
説明する。
【0018】図2は台座ボックスの一実施例を示す平面
図であり、図3は図2のA−A矢視図である。これらの
図において、被測定試料が載置される台座ボックス30
は内部が中空の中空部31とこの中空部31の上部に設
けられた表面金属板32とで構成される。
【0019】表面金属板32の表面(上面)は、光学原
器6が載置されるため平面研磨されている。表面金属板
32の背面(中空内部側)には、凹部が設けられてお
り、この凹部にヒータ33が密着して配設されている。
このヒータ33としては、たとえば、板状のセラミック
ヒータが使用される。また、この表面金属板32は熱変
形を防止するために中空部31とは分離可能な構造にし
てある。さらに、表面金属板32は高伝熱材で作られて
おり、好適には、銅製とすることができる。なお、台座
ボックス30の中空部31は表面金属板32と同じ材質
の金属によって作られるのが好ましい。
【0020】台座ボックス30の中空部31には、表面
金属板32の背面に設けられたヒータ33の下方に所定
の空間を保って、冷却媒である液体窒素を導入するため
のパイプ34が配設されている。液体窒素が供給される
パイプ34の入口部35は、図1に示したように、測定
室20の外部に設けられた電磁弁36を介して液体窒素
タンク37に接続されている。一方、パイプ34の出口
部38は測定室20の外部に導き出されて大気中に開口
されている。
【0021】台座ボックス30の表面金属板32のほぼ
中央には、熱電対孔39が穿設されており、この熱電対
孔39に台座ボックス30の温度を計測する熱電対40
が内側より挿入されている。
【0022】図1に戻って、測定室20の外側には、制
御装置41が設置されており、台座ボックス30の温度
を計測するための熱電対40が接続されている。制御装
置41にはまた、その熱電対40の測定値に基づいて台
座ボックス30の温度を制御するため、制御出力が台座
ボックス30内に装着したヒータ33及び液体窒素を供
給するパイプ34の途中に設置された電磁弁36にそれ
ぞれ接続されており、これらヒータ33の給電量及び液
体窒素の供給量制御用の電磁弁36をたとえばPID制
御又はON/OFF制御することによって所望の温度勾
配を得るようにしている。制御装置41はさらに、測定
室20を排気し減圧する減圧設備、たとえばロータリポ
ンプ42に接続されている。
【0023】さらに、測定室20の上部に設置されたガ
ラス窓2の上方には、フィゾー干渉法を使用した測定を
行うための光学系が配置されている。すなわち、レーザ
ー光源8、ミラー9、10及びハーフミラー11が、レ
ーザー光源8からの特定波長の光束をガラス窓2を介し
て光学原器5,6及び被測定試料7の全面に投射される
ように構成されている。一方、光学原器5,6及び被測
定試料7からの反射光は、ガラス窓2、ミラー10及び
ハーフミラー11を介して、ピンホールを備えそれぞれ
光学原器側の光束上と被測定試料側からの光束上とに配
置されたたとえばホトセルで構成の測定光検出器12、
13で受光される。被測定試料7の温度変化に伴って変
化する干渉縞の強度つまり濃度変化は測定光検出器1
2、13にて電気信号に変換され、その出力は増幅回路
51、52を経て電圧変換され、ディジタルマルチメー
タ53、54にて測定されるよう構成されている。ま
た、被測定試料7の温度を検出するため、被測定試料7
に設けられた横穴の中に熱電対55が挿入されており、
この出力がディジタル温度計56に入力されている。デ
ィジタルマルチメータ53、54及びディジタル温度計
56の測定出力はそれぞれコンピュータ57に入力する
よう構成されている。コンピュータ57には表示装置5
8が接続されており、コンピュータ57による温度依存
特性の解析結果を表示するようにしている。
【0024】さらに、測定室20内において、台座ボッ
クス30の上には、円筒形状の銅製の輻射防止カバー5
9が取り外し自在に配設されている。この輻射防止カバ
ー59は測定時に光学原器5,6及び被測定試料7を囲
って周囲からの輻射熱による温度上昇の影響を防止する
のに使用されるもので、必要に応じて、台座ボックス3
0に被測定試料7を載置した後に上から被せるようにす
る。もちろん、光学原器5,6及び被測定試料7を測定
室20内に搬入し、台座ボックス30の所定位置に設置
する場合には、この輻射防止カバー59は外に取り出さ
れる。輻射熱による温度上昇が無視できるような測定時
には使用されない。さらに、輻射防止カバー59を使用
した測定時における被測定試料7の観測が必要な場合に
備えて、輻射防止カバー59の側部に開閉自在な観測用
窓60を備えるようにすることもできる。
【0025】図4は被測定試料の台座ボックスへの設置
状態を示す断面図であり、図5は被測定試料の台座ボッ
クスへの設置状態を示す平面図である。被測定試料7の
屈折率の温度係数及び熱膨張係数のフィゾー干渉法を用
いた測定を行う場合には、被測定試料7は両面が高精度
に光学研磨された2つのオプティカルフラット面を有す
る光学原器5,6で密着挟持した状態で台座ボックス3
0の上に載置される。光学原器5,6は中央が開いてい
てリング状の形状を有し、被測定試料7は直径が光学原
器5,6の開口円の直径より大きく外径より小さな円板
状の形状に形成されていて、それぞれは平行平面を有し
ている。被測定試料7の側部には横穴が開けられてお
り、その横穴の中に熱電対55が挿入されて、被測定試
料7の屈折率の温度係数及び熱膨張係数測定時の温度と
して検出するようにしている。
【0026】これら光学原器5,6及び被測定試料7は
レーザー光源8からの光束に対して若干傾斜して設置さ
れる。被測定試料7に入射した試料光側の入射光束a,
bは被測定試料7の表面と裏面とで反射する。反射され
たこれらの干渉光cは伝播距離に差があるので、干渉縞
が発生する。この干渉縞の間隔は被測定試料7の厚さに
よって変化するので、干渉縞の間隔から被測定試料7の
屈折率、熱膨張係数が測定される。測定は試料光側の光
束のみの測定だけではなく、光学原器5,6のオプティ
カルフラットの裏面及び表面の反射光による標準光側干
渉光で得られた干渉縞による測定と比較して行われ、測
定精度を上げるようにしている。
【0027】次に、本発明の温度依存特性測定装置を用
いて、透明な光学材料の屈折率の温度係数を測定する場
合について説明する。被測定試料7を、その上下面を2
枚の光学原器5,6で密着挟持して、測定室20内の台
座ボックス30上の所定位置に載置する。次に、被測定
試料7を搬入するために開けておいた測定室20の扉2
1を閉じる。そして、所定の波長光、たとえばHe−N
e又はアルゴンレーザーのレーザー光源8からの光束
を、ミラー9、10及びハーフミラー11を介しガラス
窓2を透過して光学原器5の全面に投射し、光学原器5
の下面と光学原器6の上面とで反射してきた光が干渉し
て干渉縞が得られるように測定室20の上方の光学系の
位置調整をする(以後、標準光側干渉光という)。被測
定試料7の上面と下面とで反射してきた光についても干
渉縞が得られるように光学系の位置調整を行う(以後、
試料光側干渉光という)。
【0028】次に、ロータリポンプ42により測定室2
0内を排気し、たとえば真空度5×10-3キロパスカル
程度まで減圧した後、液体窒素タンク開閉用の電磁弁3
6を開き、台座ボックス30内に液体窒素を導入し、被
測定試料7の温度を所定の最低冷却温度、たとえば−1
30℃まで冷却する。台座ボックス30を介して冷却さ
れる被測定試料7の温度は熱電対55によって測定さ
れ、最低冷却温度に達すると電磁弁36は閉じられる。
すると、その温度は上昇し始めるが、測定温度域をたと
えば−50℃〜+110℃として、その下限温度より予
め低く設定した制御開始温度、たとえば−80℃に達し
たとき、台座ボックス30の表面金属板32に設置され
た熱電対40からの出力を得てプログラムコントローラ
付の制御装置41により、ヒータ33及び電磁弁36を
PID制御及びON/OFF制御することで、台座ボッ
クス30の温度制御を開始する。制御装置41に予め設
定入力された昇温勾配に基づき、時間に対する設定温度
と熱電対40からの出力温度との比較演算をして、その
結果に基づき台座ボックス30に内蔵されたヒータ33
への給電制御及び電磁弁36による液体窒素供給量を制
御するこによって、測定温度域にわたって所定の、たと
えば昇温速度1℃/分で制御される。
【0029】照射された光の反射光である標準光側干渉
光及び試料光側干渉光は、それぞれ別個にピンホール付
の測定光検出器12、13に導かれて電気信号に変換さ
れ、増幅回路51、52で増幅された後、ディジタルマ
ルチメータ53、54で測定され、その出力がコンピュ
ータ57に送られる。一方、熱電対55で検出された被
測定試料7の温度はディジタル温度計56を通ってコン
ピュータ57に送られる。コンピュータ57に入力され
たディジタルマルチメータ53、54及びディジタル温
度計56の各出力値を比較演算することによって、各温
度での屈折率の温度係数(dn/dt)値が求められ、
表示装置58に表示される。又は、必要に応じて、図示
はしないが、コンピュータ57に接続されたプリンタに
て各温度での屈折率の温度係数値データが出力される。
【0030】熱膨張係数(α=dl/dt)を測定する
場合には、標準光側干渉光の検出のみで可能なため、被
測定試料が不透明材料であってもその測定は可能であ
る。図6は台座ボックスの別の実施例を示す平面図であ
り、図7は図6のB−B矢視図である。これらの図にお
いて、被測定試料7が載置される台座ボックス30は内
部が中空の中空部31aとこの中空部31aの上部に設
けられ表面が平面研磨されてた表面金属板32aとで構
成され、さらに表面金属板32aの背面と中空部31a
の上部との間に設けられた凹部にはヒータ33aが密着
して配設されている。ヒータ33aとしては、たとえ
ば、板状のセラミックヒータが使用される。また、表面
金属板32aの表面にはその周囲から中心部に向かって
溝39aが設けられており、その溝39aには熱電対4
0aが配設されている。台座ボックス30の中空部31
a及び表面金属板32aは、好ましくは、銅製とする。
【0031】台座ボックス30の中空部31aは冷却媒
である液体窒素が直接導入される容器を構成し、その入
口部35aは測定室20の外に設置された電磁弁36か
らのパイプに接続され、出口部38aは測定室20の外
に導かれるパイプに接続されている。したがって、この
台座ボックス30によれば、表面金属板32aは中空部
31aに導入される液体窒素により直接冷却が可能にな
り、被測定試料7の温度を下げる場合及び温度制御時の
応答時間を短縮することができる。
【0032】図8は測定温度域における測定室内の温度
変化を示す図である。この図において、実線で示した曲
線は本発明の測定装置による、すなわち台座ボックス3
0を使用して冷却・加熱した場合の温度特性である。ま
た、比較のために、従来の測定装置による、すなわちク
ライオスタット使用時の温度特性を一点鎖線の曲線で示
してある。
【0033】曲線T1は制御装置41により液体窒素及
びヒータを使用する温度制御で得られた昇温速度1.5
℃/分の温度変化を示し、曲線T2は昇温速度1.0℃
/分の温度変化を示し、曲線T3は昇温速度0.5℃/
分の温度変化を示している。本発明の測定装置によれ
ば、液体窒素及びヒータを使用して、台座ボックス30
をほとんど時間差なく直接的に温度制御することができ
るため、昇温速度として1℃/分以下の温度勾配に設定
して制御することができる。したがって、実質的には、
0.1℃/分あるいは0.2℃/分単位で任意の温度勾
配を設定することができることになる。
【0034】一方、比較のために示した曲線T1aはク
ライオスタットによる温度制御で得られた昇温速度1.
5℃/分の温度変化を示し、曲線T2aは昇温速度1.
0℃/分の温度変化を示している。なお、クライオスタ
ットを用いた場合の温度制御は、クライオスタットによ
って一旦、−100℃まで冷却した後、自然昇温により
測定開始温度である−50℃まで昇温させるが、このと
きの昇温速度は自然昇温だけでも0.5℃/分を越える
ため、1.0℃/分以下の昇温速度に制御することは不
可能である。1.0℃/分以上の昇温速度に制御するこ
とについては、測定開始温度以上でヒータを使用するこ
とにより制御が可能である。
【0035】本発明の測定装置は、測定室20内への測
定光の導入が扉21側からも可能であるため、低温から
高温域にわたって、台座ボックス30上に載置された透
明な被測定試料7の分光計測、歪み計測も可能である。
かつ、低温から高温域にわたっての被測定試料の電気的
特性、たとえば体積抵抗率、表面抵抗率、誘電率の温度
係数などの計測装置としても使用できる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、試料を
置く台として台座ボックスを設け、その内部に循環供給
される液体窒素及びその内部に設けられたヒータによっ
て台座ボックスの温度を直接制御し得るように構成し
た。このため、台座ボックス上に載置される被測定試料
の低温域における温度応答特性が改善され、被測定試料
は高い精度での所定の温度勾配に従って昇温し、極めて
精度の高い屈折率の温度係数(dn/dt)、熱膨張係
数(dl/dt)を得ることできる。
【0037】さらに、本発明の測定装置は、台座ボック
スを使用することによって、測定室内の周囲からの加熱
/冷却が不要なため、装置の側方に開閉自在な扉を設け
ることができ、被測定試料の出し入れが容易、かつ測定
中の被測定試料の観察が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度依存特性測定装置の一構成例を示
す図である。
【図2】台座ボックスの一実施例を示す平面図である。
【図3】図2のA−A矢視図である。
【図4】被測定試料の台座ボックスへの設置状態を示す
断面図である。
【図5】被測定試料の台座ボックスへの設置状態を示す
平面図である。
【図6】台座ボックスの別の実施例を示す平面図であ
る。
【図7】図6のB−B矢視図である。
【図8】測定温度域における測定室内の温度変化を示す
図である。
【図9】従来の温度依存特性測定装置の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
5,6 光学原器 7 被測定試料 20 測定室 21 扉 30 台座ボックス 31 中空部 32 表面金属板 33 ヒータ 34 パイプ 36 電磁弁 37 液体窒素タンク 40 熱電対 41 制御装置 42 ロータリポンプ 55 熱電対 59 輻射防止カバー 60 観測用窓

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定試料を連続的に冷却又は加熱して
    温度を関数とした物性を測定する温度依存特性測定装置
    において、 側部に前記被測定試料を出し入れするための密閉自在な
    扉を有し、上部に測定用の光束を入出射させるための透
    明材料製の窓を有する測定室と、 前記測定室の内部を減圧する減圧手段と、 加熱手段と前記測定室の外部より冷却媒が供給される冷
    却手段とを有し、前記測定室の内部に設置されていて測
    定時には前記被測定試料が載置される台座ボックスと、 前記測定室の窓の上方に配設されて前記測定用の光束を
    出射する光源を有する光学系と、 を備えたことを特徴とする温度依存特性測定装置。
  2. 【請求項2】 前記光学系より得られた光束を計測して
    解析する解析手段をさらに備えたことを特徴とする請求
    項1記載の温度依存特性測定装置。
  3. 【請求項3】 前記台座ボックスは、上面に光学原器に
    よって密着挟持された前記被測定試料が載置される表面
    を有し下面には前記加熱手段が配設される表面金属板
    と、前記表面金属板に密着配置され中に前記冷却手段を
    有する中空部とから構成されていることを特徴とする請
    求項1記載の温度依存特性測定装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱手段は、板状のセラミックヒー
    タであることを特徴とする請求項1記載の温度依存特性
    測定装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却手段は、前記中空部の中に前記
    測定室の外部より導入された冷却媒が流れるパイプを収
    容するように構成したことを特徴とする請求項3記載の
    温度依存特性測定装置。
  6. 【請求項6】 前記冷却手段は、前記測定室の外部より
    供給された冷却媒を前記中空部に直接導入するように構
    成したことを特徴とする請求項3記載の温度依存特性測
    定装置。
  7. 【請求項7】 前記台座ボックスの前記表面金属板の温
    度を検出して前記加熱手段の加熱量及び前記冷却媒の供
    給量を制御し、前記表面金属板の温度を所定の温度勾配
    にて昇温制御する制御手段をさらに備えたことを特徴と
    する請求項1記載の温度依存特性測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004069380A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Mitsutoyo Corp 線膨張係数測定装置
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