JPH07292058A - ポリエ−テルウレタン及びその製造方法 - Google Patents

ポリエ−テルウレタン及びその製造方法

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JPH07292058A
JPH07292058A JP6111921A JP11192194A JPH07292058A JP H07292058 A JPH07292058 A JP H07292058A JP 6111921 A JP6111921 A JP 6111921A JP 11192194 A JP11192194 A JP 11192194A JP H07292058 A JPH07292058 A JP H07292058A
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JP6111921A
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Junko Umezawa
順子 梅沢
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Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウレタン系ゴム、エラストマ−のプレポリマ
−等として有用な新規な含フッ素ポリエ−テルウレタン
及びその製造方法の提供。 【構成】 下記の一般式(1) 【化1】 (式中、Rは、二価の飽和又は不飽和の炭化水素基、或は
その置換又は誘導体である二価の基、R'は、オキシトリ
フルオロプロピレン基、或はオキシトリフルオロプロピ
レン基を構成骨格単位として含み、片末端がオキシ基で
あり且つ他の片末端がメチレン基又はメチン基である二
価の基である。)で表される繰り返し単位からなる線状
重合体であるポリエ−テルウレタン。該ポリエ−テルウ
レタンは、対応する含フッ素ジオ−ル H-R'-O-H とジイ
ソシアナ−ト O=C=N-R-N=C=O とを重付加させて製造で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用部品、電気製
品用部品、断熱材、繊維、塗料、接着剤、合成皮革等に
使用されるゴム、エラストマ−のプレポリマ−等として
有用な含フッ素ポリエ−テルウレタン及びその製造方法
に関する。特には、トリフルオロプロピレングリコ−ル
(3,3,3-トリフルオロ-1,2-プロパンジオ−ル)、或は
オキシトリフルオロプロピレン骨格ユニットを有する含
フッ素エ−テルグリコ−ル又は含フッ素ポリエ−テルグ
リコ−ルからなる群より選ばれる含フッ素ジオ−ル(グ
リコ−ル)とジイソシアナ−トとを重付加させて得られ
る骨格ユニットを繰り返し単位とする含フッ素ポリエ−
テルウレタン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエ−テルウレタンは、プロピレング
リコ−ル(例えば、1,2-プロパンジオ−ル)やブチレン
グリコ−ル(例えば、1,4-ブタンジオ−ル:テトラメチ
レングリコ−ル)等のグリコ−ル(二価アルコ−ル)、或
はそれを原料として得られるポリ(オキシプロピレン)
グリコ−ルやポリ(オキシテトラメチレン)グリコ−ル
等のポリエ−テルグリコ−ルと、ジイソシアナ−トとの
重付加反応により得られる。これらのポリエ−テルウレ
タンには、引張り強さ、耐摩耗性、耐熱劣化性、耐薬品
性等に優れた特性を有するものが多く知られており、バ
ンパ−等の自動車用部品、土木建築用材、発泡製品な
ど、或はそれらのプレポリマ−として広く用いられてい
る。また、ポリエ−テルウレタンは、その繰り返し単位
を与えるポリエ−テルグリコ−ル(又はグリコ−ル)及
びジイソシアナ−トの化学構造を変えることにより、そ
の物性が変化する材料である。
【0003】従来より知られているポリエ−テルウレタ
ンは、上記のように優れた特性を有し、有用な材料であ
るが、更に撥水性、撥油性などの特性を付加した新たな
ポリエ−テルウレタンが望まれていた。或は、前記撥水
性等に優れ、且つ良好な溶媒溶解性を保持する新たなポ
リエ−テルウレタンの開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を
解決したものであり、本発明の目的は新規なポリエ−テ
ルウレタン及びその製造方法を提供することにある。本
発明の目的は、より詳細にはポリエ−テルウレタンの繰
り返し単位を与える含フッ素ポリエ−テルグリコ−ル
(又は含フッ素グリコ−ル)及びジイソシアナ−トの化
学構造の組合せが新規である、特には、含フッ素ポリエ
−テルグリコ−ル(又は含フッ素グリコ−ル)にフッ素
が置換基として存在する側鎖を有する含フッ素ポリエ−
テルグリコ−ル(又は含フッ素グリコ−ル)を選択した
新規な含フッ素ポリエ−テルウレタン及びその製造方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエ−テルウ
レタンは、下記の一般式(17)
【化17】 (式中、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、フェニ
レン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数より
構成される基からなる群より選択される二価の基であ
り、R'は、オキシトリフルオロプロピレン基、及びオキ
シトリフルオロプロピレン基を構成骨格単位として含む
ポリエ−テル構造を有し、片末端がオキシ基であり且つ
他の片末端がメチレン基又はメチン基である基からなる
群より選択される二価の基である)で表される繰り返し
単位からなる線状重合体である新規な含フッ素ポリエ−
テルウレタンである。なお、本発明でいうメチン基と
は、一つの置換基を有するメチレン基を指し、一つの水
素原子を有し、且つ二価の基である炭素数1の基をい
う。
【0006】なお、Rとして、一般に、二価の飽和又は
不飽和の炭化水素基、或はその水素を置換してなる置換
炭化水素基、及びそれらの複数を用いて構成される誘導
体である二価の基からなる群より選択される二価の基で
あるものを用いることができるが、その内より、当該二
価の基 R から構成されるジイソシアナ−ト( O=C=N-R-N
=C=O )を容易に入手又は調製できる上記の選択肢のもの
が好適である。
【0007】本発明のポリエ−テルウレタンにおいて
は、下記の一般式(18)
【化18】 (式中、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、フェニ
レン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数より
構成される基からなる群より選択される二価の基であ
り、R'は、オキシトリフルオロプロピレン基、及びオキ
シトリフルオロプロピレン基を構成骨格単位として含む
ポリエ−テル構造を有し、片末端がオキシ基であり且つ
他の片末端がメチレン基又はメチン基である基からなる
群より選択される二価の基である。又、R3は、水素及び
前記のRで表記される二価の基を含むO=C=N-R-NH-(C=O)-
の構造式で表記される基からなる群より選択される一
価の基であり、R4は、水素及び前記のRで表記される二
価の基を含む O=C=N-R-NH-(C=O)- の構造式で表記され
る基からなる群より選択される一価の基である)で表さ
れる化合物であり、特にその末端基が R3 =H且つ R4
= O=C=N-R-NH-(C=O)- であると、他の末端基に置換す
ること、或は他の官能末端基を有する化合物を付加し終
止末端とする誘導体とすることができ、好適である。更
には、 R3 =H且つR4 = O=C=N-R-NH-(C=O)- である化
合物は、他の二官能末端基を有する化合物との共重合体
の原料としても、好適である。加えて、 R3 = R4 = O
=C=N-R-NH-(C=O)- 、又は R3 = R4 =Hである化合物
とすると、それぞれ両末端に−OH基(ヒドロキシ基)
又は−N=C=O基を有するので、ジオ−ル又はジイソ
シアナ−トとして、他の二官能末端基を有する化合物と
の共重合体の原料としても、好適である。
【0008】上記のRとして表記する二価の基の例とし
て、アルキレン基として、ヘキサメチレン基、ヘプタメ
チレン基、オクタメチレン基等を、置換アルキレン基と
して、アルキレン基の対称的位置に置換基を導入し得ら
れる置換アルキレン基、例えば式(19)に示す3-メチ
ル-1,5-ペンチレン基などの対称的な化学構造を有する
分岐を有するアルキレン基等を、フェニレン基として、
p-フェニレン基、m-フェニレン基等を、置換フェニレン
基として、前記p-フェニレン基、m-フェニレン基等にそ
の対称的位置に置換基を導入得られる置換フェニレン基
を、更には、例えば式(20)に示す4-4'-メチレン-1-
1'-ジフェニレン基などの対称的な化学構造を有する前
記する基の複数より構成されるフェニレン基の誘導体等
を挙げることができる。なお、例示する二価の基の如く
対称的な化学構造を有するもの以外に、2、4−トリレ
ン基などの非対称的な化学構造を有するものも、2つの
イソシアノ基の反応性に明確な差異があるものは好適で
ある。また、置換アルキレン基として、ハロゲン化した
アルキレン基、アルキル基置換のアルキレン基等を、置
換フェニレン基として、ハロゲン化したフェニレン基、
アルキル基置換のフェニレン基等を挙げることができ、
これらのハロゲン、特にはフッ素、アルキル基、或はハ
ロゲン化アルキル基は高い反応性を持たない置換基であ
るので、好適である。
【化19】
【化20】
【0009】また、上記のR'として表記する二価の基
は、下記の式(21)に示すオキシトリフルオロプロピ
レン基、或はオキシトリフルオロプロピレン基を構成骨
格単位として含むポリエ−テル構造を有し、片末端がオ
キシ基であり且つ他の片末端がメチレン基又はメチン基
(置換基を有するメチレン基)である二価の基であり、好
適なものとして、線状のポリエ−テルグリコ−ルより、
その一つの片末端に位置するヒドロキシ基を除去しメチ
レン基又はメチン基(置換基を有するメチレン基)とし、
他の片末端に位置するヒドロキシ基の水素を除去しオキ
シ基とする化学構造を有するものを挙げることができ
る。R'として表記する二価の基に好適な具体例として、
下記の式(21)〜式(24)に示すもの等を例示すること
ができる。
【0010】
【化21】
【化22】 (式中、R1は、炭素数が1〜16であり、且つ二価の飽
和又は不飽和炭化水素基、及び前記する二価の炭化水素
基の1以上の水素をハロゲン原子で置換してなる炭化水
素基からなる群より選択される二価の基であり、 m は
1〜20 である)
【化23】 (式中、R2は、アルキレン基、置換アルキレン基、フェ
ニレン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数よ
り構成される基からなる群より選択される二価の基であ
り、 p は 1〜20 である)
【化24】 (式中、 q は 1〜20 、 r は 0〜20 、 s は 0
〜20 、但し r+s > 0であり、且つ t は 1〜20
である)
【0011】本発明の上記の一般式(17)で表される
繰り返し単位からなる線状重合体である新規な含フッ素
ポリエ−テルウレタンに関し、それを構成する式(1
7)で表される繰り返し単位の構造を、プロトンNMR
1H−NMR)、13C−NMR、19F−NMR、及び
赤外吸収スペクトル(IRスペクトル)の測定結果を基
に同定することができる。更には、その末端基も前記の
分光学的手法による測定結果を基に同定することができ
る。
【0012】例えば、上記の式(17)で表される繰り
返し単位において、R 及びR'が、
【化39】 であり、且つ式(18)で構造を表記するとき、その末端
がそれぞれ R3=H、 R4= O=C=N-R-NH-(C=O)- である
含フッ素ポリエ−テルウレタンは下記の手段により構造
を同定とすることができる。
【0013】(1)1H−NMRスペクトル(図1) 下記の各シグナルが認められ、それぞれ -O-CH-CH2-、
-C6H4-CH2 -C6H4- 、-OH、-C6H4-、及び -NH- の各水素
原子に起因するシグナルと帰属される。 3.6〜4.2 ppm ( -O-CH-CH2- ) 4.2〜4.4 ppm ( -C6H4-CH2 -C6H4- ) 5.5 ppm (-OH ) 7.1、7.3 ppm (-C6H4-) 10.1 ppm (-NH- ) これにより、オキシトリフルオロプロピレン基、p-フェ
ニレン基、ウレタン基、及びヒドロキシ基の存在が確認
できる。
【0014】(2)13C−NMRスペクトル(図2) 下記の各シグナルが認められ、それぞれ CH2 、 CH 、
CF3 、 -C6H4- 、及びC=O の各炭素原子に起因するシグ
ナルと帰属される。 68〜69 ppm ( CH2 ) 76〜76.5 ppm ( CH ) 118〜128 ppm ( CF3 ) 118.5、129、136 ppm (-C6H4-) 151、153 ppm ( C=O ) これにより、CF3基の存在が確認できる。更には、オ
キシトリフルオロプロピレン基、p-フェニレン基、及び
ウレタン基の存在が追認され、CH3基、或はオキシプ
ロピレン基は存在しないことが判る。
【0015】(3)19F−NMRスペクトル(図3) 下記の各シグナルが認められ、 CF3 のフッ素原子に起
因するシグナルと帰属され、且つ少なくとも二種類のC
3基に起因することが判る。 −0.8、1.0、1.7 ppm ( CF3 ) これにより、二種類のCF3基を有する構造であり、即
ちオキシトリフルオロプロピレン基の存在が追認され、
且つ少なくとも配向の異なる二種類のオキシトリフルオ
ロプロピレン基が存在することが判る。
【0016】(4)IRスペクトル(図4) 下記の各吸収が明確に認められる。 3350、2950、1740、1600、1520、
1270、1130 cm-1 これにより、カルボニル( C=O )及びCF3基の存在が確
認される。即ち、ウレタン基及びオキシトリフルオロプ
ロピレン基の存在が追認される。
【0017】上記の測定結果に加えて、原料となる下記
の含フッ素ジオ−ル(式(26)に示す含フッ素ポリエ
−テルグリコ−ル)及びジイソシアナ−ト(式(2
5))の化学構造を勘案して、原料及びその反応生成物
のNMRスペクトルに表われる各スペクトル線の強度を
比較することにより、その末端基の一つがヒドロキシ基
であり、当該含フッ素ジオ−ル一分子とジイソシアナ−
ト一分子とをその繰り返し単位に含む含フッ素ポリエ−
テルウレタンであると同定される。
【化25】
【化26】
【0018】また、その重量平均の分子量(MW)の評
価は、GPC法におけるピ−ク分子量(ポリスチレン換
算値)を用いて、代替することができる。例えば、上記
物性を示す含フッ素ポリエ−テルウレタンのGPC法に
おけるピ−ク分子量はポリスチレン換算値で3.3×1
4であるとき、溶媒1,2-ジメトキシエタン(エチレン
グリコ−ルジメチルエ−テル:DME)中での、30℃
における固有粘度は011 dl・g-1 と測定された。ま
た、特定の繰り返し単位からなり、繰り返し数の異なる
一連の化合物は、数平均の分子量(MN)とその繰り返
し単位の式量を基にし、平均の繰り返し数を求めること
ができる。
【0019】本発明の一般式(17)で表される繰り返
し単位からなる含フッ素ポリエ−テルウレタンは、その
繰り返し単位を構成する、式(17)に示す R として
表記する当該二価の基を含むジイソシアナ−トと式(1
7)に示す R' として表記する当該二価の基を含む含フ
ッ素ジオ-ル(含フッ素ポリエ−テルグリコ−ル又は含フ
ッ素グリコ−ル)とを重付加させることにより製造する
ことができる。
【0020】即ち、本発明の製造方法は、一般式(1
7)で表される繰り返し単位からなる含フッ素ポリエ−
テルウレタンを、その繰り返し単位を構成する一般式
(17)に示す R として表記する二価の基を含む一般
式(27)に示すジイソシアナ−トと一般式(17)に
示す R' として表記する二価の基を含む式(28)に示
す含フッ素ジオ−ルとを重付加させることにより当該含
フッ素ポリエ−テルウレタンを製造する方法である。例
えば、目的とする式(17)で表される繰り返し単位か
らなる含フッ素ポリエ−テルウレタンが、Rとして表記
する二価の基が上記の式(21)〜式(24)に示すもので
あるとき、それぞれ下記の式(29)〜式(32)に示す含
フッ素ジオ−ルと式(27)で表されるジイソシアナ−
トとを重付加させることにより製造することができる。
【0021】
【化27】 (式中、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、フェニ
レン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数より
構成される基からなる群より選択される二価の基であ
る)
【化28】 (式中、R'は、オキシトリフルオロプロピレン基、及び
オキシトリフルオロプロピレン基を構成骨格単位として
含むポリエ−テル構造を有し、片末端がオキシ基であり
且つ他の片末端がメチレン基又はメチン基である基から
なる群より選択される二価の基である)
【化29】
【化30】 (式中、R1は、炭素数が1〜16であり、且つ2価の飽
和又は不飽和炭化水素基、及び前記する二価の炭化水素
基の1以上の水素をハロゲン原子で置換してなる炭化水
素基からなる群より選択される二価の基であり、 m は
1〜20 である)
【化31】 (式中、R2は、アルキレン基、置換アルキレン基、フェ
ニレン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数を
より構成される基からなる群より選択される二価の基で
あり、 p は 1〜20 である)
【化32】 (式中、 q は 1〜20 、 r は 0〜20 、 s は 0
〜20 、但し r+s > 0であり、且つ t は 1〜20
である)
【0022】上記の式(29)に示す含フッ素グリコ−ル
は、トリフルオロプロピレンオキシド(TFPO:トリ
フルオロメチル-オキシラン)を原料とし、オキシラン
の加水分解により1,2-ジオ−ルの生成に用いる酸触媒
(例えば、E. T. McBee ら、J.Amer. Chem. Soc., 74,
3022 (1952) を参照)を用いて調製することができる。
【0023】上記の一般式(30)に示す含フッ素ジオ−
ルは、例えばTFPOと式(30)において R1 で表記さ
れる二価の基により H-O-R1-O-H と示されるジオ−ルと
を、触媒となるアルカリ金属水酸化物或はアルカリ金属
アルコキシドの存在下に有機溶媒中で重合させて、調製
することができる(特願 平4−143635号を参
照)。なお、前記の R1 で表記される二価の基、即ち、
炭素数が1〜16であり、且つ二価の飽和又は不飽和炭
化水素基、及び前記する二価の炭化水素基の1以上の水
素をハロゲン原子で置換してなる炭化水素基からなる群
より選択される二価の基として、メチレン基、エチレン
基、1,2-プロピレン基、トリメチレン基、1,2-ブチレン
基、1,3-ブチレン基、テトラメチレン基、デカメチレン
基、テトラデカメチレン基、1,2-オクチレン基、1,2-ド
デセン基等のアルキレン基、3,3,3-トリフルオロ-1,2-
プロピレン基、3-パ−フルオロイソペンチル-1,2-プロ
ピレン基等のハロゲン化アルキレン基などを挙げること
ができる。また、オキシトリフルオロプロピレン基の繰
り返しの数 m は、TFPOの1モルに対して、該触媒
0.005 モルを用いると m 〜200、該触媒 1 モ
ルを用いると m 〜1となり、該触媒の用量を0.00
5〜1 モルの範囲で目標とする m に応じて適宜選択す
ることで制御でき、生成物中の繰り返しの数 m は、1
−NMRスペクトルで測定されるメチン、メチレン、及
びメチルのシグナル強度比より推定できる。
【0024】上記の一般式(31)に示す含フッ素ジオ−
ルは、例えば下記の式(33)に示す片末端にヒドロキシ
基、片末端にベンジルエ−テルを有する鎖状オリゴマ−
化合物と、式(31)において R2 で表記される二価の基
により XOC-R2-COX ( X はハロゲンである。)と示され
る二酸ハロゲン化物、特には二酸塩化物とを、第3級ア
ミン等の塩基性触媒存在下に炭化水素溶媒中で反応さ
せ、式(34)に示すエステル化合物を得て、次に該エス
テル化合物をパラジウム活性炭等の水素化触媒の存在下
にアルコ−ル等の有機溶媒中で脱ベンジル反応を行うこ
とで、調製することができる(特願 平5−80328号
を参照)。
【化33】
【化34】
【0025】なお、式(33)に示す鎖状オリゴマ−化合
物は、ベンジルアルコ−ルとTFPOとを、触媒となる
アルカリ金属水酸化物或はアルカリ金属アルコキシドの
存在下にエ−テル類等の有機溶媒中で重合反応させ、酸
で反応を停止することで、調製することができる(特願
平4−257652号を参照)。また、オキシトリフル
オロプロピレン基の繰り返しの数 p は、TFPOの1
モルに対して、該触媒0.01 モルを用いると p 〜1
00、該触媒 1 モルを用いると p 〜1となり、該触
媒の用量を0.01〜1 モルの範囲で目標とする p に
応じて適宜選択することで制御でき、生成物中の繰り返
しの数 p は、1H−NMRスペクトルで測定されるメチ
ン及びフェニルのシグナル強度比より推定できる。
【0026】上記の式(32)に示す含フッ素ジオ−ル
は、例えば下記の式(35)に示す鎖状のポリアルキレン
グリコ−ル誘導体とTFPOとを、触媒となるアルカリ
金属水酸化物の存在下にエ−テル類等の有機溶媒中で重
合反応させ、酸で反応を停止することで、調製すること
ができる(特願 平5−80327号を参照)。また、オ
キシトリフルオロプロピレン基の繰り返しの数 q は、
TFPOの1モルに対して、該触媒 0.01 モルを用
いると q 〜100、該触媒 1 モルを用いるとq 〜1
となり、該触媒の用量を0.01〜1 モルの範囲で目
標とする p に応じて適宜選択することで制御でき、生
成物中の繰り返しの数 q は、1H−NMRスペクトルで
測定されるメチン、メチレン、及びメチルのシグナル強
度比より推定できる。
【化35】
【0027】なお、式(35)に示す鎖状のポリアルキレ
ングリコ−ル誘導体は、例えば、プロピレンオキシドを
原料として、触媒となるアルカリ金属水酸化物の存在下
にエ−テル類等の有機溶媒中で重合させて、所定の繰り
返しの数 r のポリプロピレングリコ−ル誘導体に予め
調製し、更にエチレンオキシドを触媒となるアルカリ金
属水酸化物の存在下にエ−テル類等の有機溶媒中で重合
させることにより、所定の繰り返しの数 r 及び s を有
するジオ−ルを得て、次に該ジオ−ルを原料として、所
定の繰り返しの数 t を有する重合体として調製でき
る。
【0028】また、式(27)で表されるジイソシアナ
−トとして、Rで表される二価の基が対称的な化学構造
を有するものでは、二つのイソシアナ−ト基の反応性は
等しく、得られる生成物は何れのイソシアナ−ト基より
反応が開始しても同じとなり好ましい。なお、Rで表さ
れる二価の基が非対称的な化学構造を有するものあると
き、二つのイソシアナ−ト基の反応性に大きな差異があ
る2,4-トリレンジイソシアナ−ト等を用いると、反応性
の高いイソシアナ−ト基より反応が開始するので、Rで
表される二価の基に関して、特定方向に配列するものが
選択的に生成物として得られ好ましい。
【0029】本発明の製造方法においては、原料の含フ
ッ素ジオ−ルとジイソシアナ−トとの重付加反応は、有
機溶媒中において行うことができる。好適な有機溶媒と
して、クロロベンゼン、アニソ−ル、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等を例示でき、又それらを
混合するものも好適である。例示するもの以外に、原料
の含フッ素ジオ−ル及びジイソシアナ−トの何れをも溶
解することが可能な有機溶媒であり、且つ原料の含フッ
素ジオ−ル又はジイソシアナ−トと反応して目的とする
生成物以外の化合物を生成しないものも好適に用いるこ
とができる。
【0030】なお、重付加反応は、原料の含フッ素ジオ
−ル及びジイソシアナ−トがともに液相となる温度、例
えば有機溶媒中において何れもが溶解している温度にお
いて行うことが好ましい。或は、有機溶媒中おいて反応
させる場合には、該有機溶媒の融点以上、好ましくは沸
点以下又は還流器を用いて蒸散を防止できる温度以下の
温度範囲に反応温度を選択するのが好ましく、更には、
原料或は有機溶媒が熱分解する温度の何れよりも低い温
度を選択するのが好ましい。通常、反応温度を0〜20
0℃の範囲に選択するのが好ましく、特に、60〜18
0℃の範囲に選択するとより好ましい。
【0031】また、本発明の製造方法において、重付加
反応を無触媒で行うことも可能であるが、トリエチレン
ジアミン(1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン)、ジ
メチルエタノ−ルアミン(2-ジメチルアミノエタノ−
ル)等の第三級アミン、或はオクタン酸スズ(II)(tin
caprylate )、ジブチルスズ(II)ジラウレ-ト(dibutyl
tin dilaurate : ジドデカン酸ジブチルスズ(II))等の
有機酸スズ(II)化合物を触媒として用いることができ
る。これらの触媒は、原料の含フッ素ジオ−ル或はジイ
ソシアナ−ト1モルに対して、0.001〜0.05モ
ルを用いることが好ましい。
【0032】原料の含フッ素ジオ−ル及びジイソシアナ
−トを等モル用いると、末端に−OH基(ヒドロキシ
基)と−N=C=O基とを各1つ有する含フッ素ポリエ
−テルウレタンを主に得ることができる。一方、用いる
原料の含フッ素ジオ−ルとジイソシアナ−トとのモル比
を変えることにより、末端に含フッ素グリコ−ルを残基
する生成物(両末端に−OH基(ヒドロキシ基)を有す
る生成物)、或は末端にジイソシアナ−トを残基する生
成物(両末端に−N=C=O基を有する生成物)を得る
ことができる。更には、用いる原料の含フッ素ジオ−ル
とジイソシアナ−トとのモル比を適宜変えることによ
り、生成する含フッ素ポリエ−テルウレタンに含まれる
繰り返し単位の数(平均値)、即ち平均分子量を変えるこ
とができる。
【0033】重付加反応を所定の時間継続した後、生成
する含フッ素ポリエ−テルウレタンは、例えば反応液に
含まれる溶媒を留去し、更に減圧乾燥することにより、
回収することができる。また、反応液に残存する触媒
は、当該含フッ素ポリエ−テルウレタンが難溶であり、
且つ触媒が可溶である溶媒を適宜選択し、減圧乾燥前に
該溶媒を用いて洗浄し、予め除去することができる。未
反応の原料が残存する場合には、前記の洗浄に用いる溶
媒として、原料の含フッ素ジオ−ル及びジイソシアナ−
トが可溶である溶媒を適宜選択することにより、除去す
ることできる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を、例を挙げて具体的に説明す
る。実施例1 原料として、式(25)に示すジフェニルメタンジイソ
シアナ−ト(以降、DPMDIと記す。)と式(26)
に示すポリ(オキシトリフルオロプロピレン)グリコ−
ル(以降、ジオ−ルAと記す。)を用いた。即ち、該ジ
オ−ルAは、一般的に式(30)に示す含フッ素ジオ−
ルにおいて、繰り返し数 m の平均値 mAV.が 4.0 であ
り、且つ R1 = -CH2CH(CF3)- であるものであり、繰り
返し数 mに分布を有する混合物を用いた。また、反応に
用いる溶媒には、蒸留したアニソ−ルを用いた。予め窒
素乾燥した三ッ口フラスコに、蒸留したDPMDI
1.25g(5.0 mmol)とアニソ−ル 4 ml とを入
れ、溶解した。この溶液に、該ジオ−ルA 3.17g
(5.5 mmol)をアニソ−ル 15 ml に溶解した溶液
を添加混合した。得られた混合液を120℃で、2時間
加熱した。次に、前記混合液に、触媒のジブチルスズジ
ラウレ−ト 10 μl を加えて、更に120℃で、2時間
加熱した。その後、加熱を停止することにより反応を終
え、該混合液に含まれる溶媒アニソ−ルを減圧留去し
て、濃縮した。得られた濃縮液を、アセトン1容とヘキ
サン25容とを混合した混合溶媒 50 ml で、通合3
回撹拌洗浄した。該濃縮液に僅かに残余している溶媒ア
ニソ−ルは、この操作により除去される。この洗浄した
濃縮液を更に濃縮し、50℃で、2時間真空乾燥するこ
とにより、生成物の含フッ素ポリエ−テルウレタン
4.13gを回収した。原料のDPMDI及びジオ−ル
Aの総和(4.42g)に対する収率は、93%であっ
た。
【0035】得られた含フッ素ポリエ−テルウレタン
は、以下の物性を示した。 (1)1H−NMRスペクトル(図1) 下記の各シグナルが認められ、それぞれ -O-CH-CH2-、
-C6H4-CH2 -C6H4- 、-OH、-C6H4-、及び -NH- の各水素
原子に起因するシグナルと帰属される。 3.6〜4.2 ppm ( -O-CH-CH2- ) 4.2〜4.4 ppm ( -C6H4-CH2 -C6H4- ) 5.5 ppm (-OH ) 7.1、7.3 ppm (-C6H4-) 10.1 ppm (-NH- ) これにより、オキシトリフルオロプロピレン基、p-フェ
ニレン基、ウレタン結合、及び水酸基の存在が確認でき
る。
【0036】(2)13C−NMRスペクトル(図2) 下記の各シグナルが認められ、それぞれ CH2 、 CH 、
CF3 、 -C6H4- 、及びC=O の各炭素原子に起因するシグ
ナルと帰属される。 68〜69 ppm ( CH2 ) 76〜76.5 ppm ( CH ) 118〜128 ppm ( CF3 ) 118.5、129、136 ppm (-C6H4-) 151、153 ppm ( C=O ) これにより、CF3基の存在が確認できる。更には、オ
キシトリフルオロプロピレン基、p-フェニレン基、及び
ウレタン結合の存在が追認される。
【0037】(3)19F−NMRスペクトル(図3) 下記の各シグナルが認められ、 CF3 のフッ素原子に起
因するシグナルと帰属され、且つ少なくとも二種類のC
3基に起因することが判る。 −0.8、1.0、1.7 ppm ( CF3 ) これにより、二種類のCF3基を有する構造であり、即
ちオキシトリフルオロプロピレン基の存在が追認され、
且つ少なくとも配向の異なる二種類のオキシトリフルオ
ロプロピレン基が存在することが判る。
【0038】(4)IRスペクトル(図4) 下記の各吸収が明確に認められた。 3350、2950、1740、1600、1520、
1270、1130 cm-1 これにより、カルボニル( C=O )及びCF3基の存在が確
認される。即ち、ウレタン結合及びオキシトリフルオロ
プロピレン基の存在が追認される。
【0039】上記の測定結果に加えて、原料の化学構造
を勘案して、原料及び当該生成物のNMRスペクトルに
表われる各スペクトル線の強度を比較することにより、
その末端基が水酸基であり、且つ上記の一般式(17)
で表される繰り返し単位において、R 及びR'が
【化40】 である繰り返し単位からなる線状重合体を主に含むと同
定された。また、GPC法におけるピ−ク分子量はポリ
スチレン換算値で3.3×104であり、DME中、3
0℃における固有粘度は0.11 dl・g-1 と測定され
た。なお、本実施例1及び以下に記す各実施例における
GPC法の測定条件は、カラムはShodex KF−
80M×2本を用い、溶媒はTHFを用いた。また、平
均分子量の3.3×104は、前記繰り返し単位の繰り
返し数 n が40の式量に相当する。
【0040】実施例2 予め窒素乾燥した三ッ口フラスコに、DPMDI 1.
25g(5.0 mmol)とアニソ−ル 4 ml とを入れ、
溶解した。この溶液に、該ジオ−ルA 3.80g
(6.6 mmol)をアニソ−ル 18 ml に溶解した溶液
を添加混合した。以降の操作は上記する実施例1と同じ
操作を行い、生成物の含フッ素ポリエ−テルウレタン
4.32gを回収した。原料のDPMDI及びジオ−ル
Aの総和(5.05g)に対する収率は、86%であっ
た。
【0041】得られた含フッ素ポリエ−テルウレタン
は、IRスペクトル(図5)に下記の各吸収が明確に認
められた。 3350、2950、1740、1600、1520、
1100 cm-1 これにより、カルボニル( C=O )及びCF3基の存在が確
認される。即ち、ウレタン結合及びオキシトリフルオロ
プロピレン基の存在が追認される。なお、1H−NM
R、13C−NMR、及び19F−NMRスペクトルの結果
では、上記の実施例1の化合物と同じ繰り返し単位から
なる化合物と判るのみであるが、IRスペクトル(図
5)の測定結果は、前記実施例1の化合物のIRスペク
トル(図4)と異なることを基にして、繰り返し数 n
が実施例1の化合物と異なることが判る。また、GPC
法におけるピ−ク分子量は6.3×103であり、DM
E中、30℃における固有粘度は0.067 dl・g-1
と測定された。平均分子量の6.3×103は、前記繰
り返し単位の繰り返し数 n が8の式量に相当する。
【0042】実施例3 原料として、DPMDIと式(29)に示すトリフルオ
ロプロピレングリコ−ル(以降、ジオ−ルBと記す。)
を用いた。予め窒素乾燥した三ッ口フラスコに、DPM
DI 2.50g(10 mmol)とアニソ−ル 8 ml と
を入れ、溶解した。この溶液に、該ジオ−ルB 1.3
0g(10 mmol)をアニソ−ル 10 mlに溶解した溶
液を添加混合した。以降の操作は上記する実施例1と同
じ操作を行い、生成物の含フッ素ポリエ−テルウレタン
3.71gを回収した。原料のDPMDI及びジオ−
ルBの総和(3.80g)に対する収率は、98%であっ
た。
【0043】得られた含フッ素ポリエ−テルウレタン
は、以下の物性を示した。 (1)1H−NMRスペクトル(図6) 下記の各シグナルが認められ、それぞれ -O-CH(CF3)-CH
2-、 -C6H4-CH2 -C6H4-、-OH、-C6H4-、及び -NH- の各
水素原子に起因するシグナルと帰属される。 4.3、4.6 ppm ( -O-CH(CF3)-CH2- ) 3.8 ppm ( -C6H4-CH2 -C6H4- ) 5.7 ppm (-OH ) 7.1、7.3 ppm (-C6H4-) 9.7、10.1 ppm (-NH- ) これにより、オキシトリフルオロプロピレン基、p-フェ
ニレン基、ウレタン結合、及び水酸基の存在が確認でき
る。
【0044】(2)13C−NMRスペクトル(図7) 下記の各シグナルが認められ、それぞれ CH2 、 CH 、
CF3 、 -C6H4- 、及びC=O の各炭素原子に起因するシグ
ナルと帰属される。 60 ppm ( CH2 ) 67〜68 ppm ( CH ) 118〜129 ppm ( CF3 ) 118.5、129、136 ppm (-C6H4-) 151、152.5 ppm ( C=O ) これにより、CF3基の存在が確認できる。更には、オ
キシトリフルオロプロピレン基、p-フェニレン基、及び
ウレタン結合の存在が追認される。
【0045】(3)19F−NMRスペクトル(図8) 下記の各シグナルが認められ、 CF3 のフッ素原子に起
因するシグナルと帰属される。 −0.6、1.7 ppm ( CF3 ) これにより、CF3基を有する構造であり、即ちオキシ
トリフルオロプロピレン基の存在が追認される。
【0046】(4)IRスペクトル(図9) 下記の各吸収が明確に認められた。 3300、3050、2950、2900、1710、
1600、1520、1410、1310、1180 c
m-1 これにより、カルボニル( C=O )及びCF3基の存在が確
認される。即ち、ウレタン結合及びオキシトリフルオロ
プロピレン基の存在が追認される。
【0047】上記の1H−NMR、13C−NMR、19
−NMR、及びIRスペクトルの測定結果を基に、原料
の化学構造を勘案して、上記の一般式(17)で表され
る繰り返し単位において、R及びR'が、
【化41】 である繰り返し単位からなる線状重合体と同定される。
また、GPC法におけるピ−ク分子量はポリスチレン換
算値で8.7×104であり、DME中、30℃におけ
る固有粘度は0.29 dl・g-1 と測定された。平均分
子量の8.7×104は、前記繰り返し単位の繰り返し
数 n が240程度の式量に相当する。
【0048】実施例4 予め窒素乾燥した三ッ口フラスコに、DPMDI 2.
50g(10 mmol)とアニソ−ル 8 ml とを入れ、溶
解した。この溶液に、該ジオ−ルB 1.56g(12
mmol)をアニソ−ル 12 ml に溶解した溶液を添加混
合した。以降の操作は上記する実施例3と同じ操作を行
い、生成物の含フッ素ポリエ−テルウレタン 4.01
gを回収した。原料のDPMDI及びジオ−ルBの総和
(4.01g)に対する収率は、99%であった。
【0049】得られた含フッ素ポリエ−テルウレタン
は、IRスペクトル(図10)に下記の各吸収が明確に
認められた。 3300、3050、2950、1720、1600、
1520、1410、1310、1200 cm-1 これにより、カルボニル( C=O )及びCF3基の存在が確
認される。即ち、ウレタン結合及びオキシトリフルオロ
プロピレン基の存在が追認される。なお、1H−NM
R、13C−NMR、及び19F−NMRスペクトルの結果
では、上記の実施例3の化合物と同じ繰り返し単位から
なる化合物と判るのみであるが、IRスペクトル(図1
0)の測定結果を基にし、繰り返し数 n が実施例3の
化合物と異なることが判る。更に、末端に該ジオ−ルB
が残基するものと推定される。また、GPC法における
ピ−ク分子量はポリスチレン換算値で3.7×103
あり、DME中、30℃における固有粘度は0.076
dl・g-1 と測定された。平均分子量の3.7×10
3は、前記繰り返し単位の繰り返し数 n が10の式量に
相当する。
【0050】実施例5 原料として、DPMDIと式(36)に示すポリエ−テ
ルグリコ−ル(以降、ジオ−ルCと記す。)を用いた。
なお、用いたジオ−ルCは、それを構成するオキシトリ
フルオロプロピレン単位の繰り返し数 p が 平均値
3.7 を示す分布を持つ混合物である。予め窒素乾燥
した三ッ口フラスコに、DPMDI 1.25g(5.
0 mmol)とアニソ−ル 4 ml とを入れ、溶解した。こ
の溶液に、該ジオ−ルC 4.64g(5.0 mmol)を
アニソ−ル 20 ml に溶解した溶液を添加混合した。
以降の操作は上記する実施例1と同じ操作を行い、生成
物の含フッ素ポリエ−テルウレタン 5.19gを回収
した。原料のDPMDI及びジオ−ルCの総和(5.8
9g)に対する収率は、89%であった。
【化36】 (式中、 p の平均値は 3.7 である。)
【0051】得られた含フッ素ポリエ−テルウレタン
は、以下の物性を示した。 (1)1H−NMRスペクトル(図11) 下記の各シグナルが認められ、それぞれ -O-CH(CF3)-CH
2-、 -C6H4-CH2 -C6H4-、-OH、-C6H4-、及び -NH- の各
水素原子に起因するシグナルと帰属される。 3.5〜4.9 ppm ( -O-CH(CF3)-CH2- 及び -C6H4-CH
2 -C6H4- ) 5.9 ppm (-OH ) 7.1、7.3、8.1 ppm (-C6H4-) 9.7 ppm (-NH- ) これにより、オキシトリフルオロプロピレン基、p-フェ
ニレン基、ウレタン結合、及び水酸基の存在が確認でき
る。
【0052】(2)13C−NMRスペクトル(図12) 下記の各シグナルが認められ、それぞれ CH2 、 CH 、
CF3 、 -C6H4- 、及びC=O の各炭素原子に起因するシグ
ナルと帰属される。 60、67〜70 ppm ( CH2 ) 75〜77 ppm ( CH ) 118〜129 ppm ( CF3 ) 118、129、130、132、136 ppm (-C6H
4-) 153、163 ppm ( C=O ) これにより、CF3基の存在が確認できる。更には、オ
キシトリフルオロプロピレン基、p-フェニレン基、及び
ウレタン結合の存在が追認される。
【0053】(3)19F−NMRスペクトル(図13) 下記の各シグナルが認められ、 CF3 のフッ素原子に起
因するシグナルと帰属され、且つ少なくとも二種類のC
3基に起因することが判る。 −0.7、−0.4、0.9、2.1 ppm ( CF3 ) これにより、二種類以上のCF3基を有する構造であ
り、即ちオキシトリフルオロプロピレン基の存在が追認
される。
【0054】(4)IRスペクトル(図14) 下記の各吸収が明確に認められた。 3350、2950、1730、1600、1520、
1410、1260、1150 cm-1 これにより、カルボニル( C=O )及びCF3基の存在が確
認される。即ち、ウレタン結合及びオキシトリフルオロ
プロピレン基の存在が追認される。
【0055】上記の1H−NMR、13C−NMR、19
−NMR、及びIRスペクトルの測定結果を基に、原料
の化学構造を勘案して、上記の一般式(17)で表され
る繰り返し単位において、R及びR'が、
【化42】 (但し、 p の平均値は 3.7 )である繰り返し単位か
らなる線状重合体と同定される。また、GPC法におけ
るピ−ク分子量はポリスチレン換算値で1.4×104
であり、DME中、30℃における固有粘度は0.07
7 dl・g-1 と測定された。平均分子量の1.4×104
は、前記繰り返し単位の繰り返し数 n が11の式量に
相当する。
【0056】実施例6 原料として、式(37)に示すヘキサメチレンジイソシ
アナ−ト(以降、HMDIと記す。)とジオ−ルCを用
いた。なお、用いたジオ−ルCは、上記実施例5と同じ
分布を持つ混合物である。予め窒素乾燥した三ッ口フラ
スコに、該HMDI 0.84g(5.0 mmol)とアニ
ソ−ル 20 ml とを入れ、溶解した。この溶液に、該
ジオ−ルC 4.64g(5.0 mmol)をアニソ−ル
40 mlに溶解した溶液を添加混合した。以降の操作は
上記する実施例1と同じ操作を行い、生成物の含フッ素
ポリエ−テルウレタン 5.48gを回収した。原料の
HMDI及びジオ−ルCの総和(5.48g)に対する収
率は、100%であった。
【化37】
【0057】得られた含フッ素ポリエ−テルウレタン
は、以下の物性を示した。 (1)1H−NMRスペクトル(図15) 下記の各シグナルが認められ、それぞれ -O-CH(CF3)-CH
2-、 -(CH2)6- 、-C6H4- 、-OH、及び -NH- の各水素原
子に起因するシグナルと帰属される。 1.1〜1.4 ppm ( -CH2- ) 3.0 ppm ( -CH2- ) 3.7〜4.6 ppm ( -O-CH(CF3)-CH2 - ) 5.9 ppm ( -OH ) 7.0、7.3 ppm ( -NH- ) 8.2 ppm ( -C6H4- ) これにより、オキシトリフルオロプロピレン基、p-フェ
ニレン基、複数のメチレン基、ウレタン結合、及び水酸
基の存在が確認できる。
【0058】(2)13C−NMRスペクトル(図16) 下記の各シグナルが認められ、それぞれ CH2 、 CH 、
CF3 、 -C6H4- 、及びC=O の各炭素原子に起因するシグ
ナルと帰属される。 26、29 ppm ( CH2 ) 60、69 ppm ( CH2 ) 76 ppm ( CH ) 117〜130 ppm ( CF3 ) 130、132 ppm (-C6H4-) 155、163 ppm ( C=O ) これにより、CF3基の存在が確認できる。更には、オ
キシトリフルオロプロピレン基、p-フェニレン基、複数
のメイレン基、及びウレタン結合の存在が追認される。
【0059】(3)19F−NMRスペクトル(図17) 下記の各シグナルが認められ、 CF3 のフッ素原子に起
因するシグナルと帰属され、且つ少なくとも二種類のC
3基に起因することが判る。 −0.9、−0.6、0.8、1.9 ppm ( CF3 ) これにより、二種類以上のCF3基を有する構造であ
り、即ちオキシトリフルオロプロピレン基の存在が追認
される。
【0060】(4)IRスペクトル(図18) 下記の各吸収が明確に認められた。 3350、2950、1700、1520、1460、
1100 cm-1 これにより、カルボニル( C=O )及びCF3基の存在が確
認される。即ち、ウレタン結合及びオキシトリフルオロ
プロピレン基の存在が追認される。
【0061】上記の1H−NMR、13C−NMR、19
−NMR、及びIRスペクトルの測定結果を基に、原料
の化学構造を勘案して、上記の一般式(17)で表され
る繰り返し単位において、R及びR'が、
【化43】 (但し、 p の平均値は 3.7 )である繰り返し単位か
らなる化合物と同定される。また、GPC法におけるピ
−ク分子量はポリスチレン換算値で1.2×10 3であ
り、DME中、30℃における固有粘度は0.047 d
l・g-1 と測定された。平均分子量の1.2×103は、
前記繰り返し単位の繰り返し数 n が1の式量に相当す
る。
【0062】実施例7 原料として、HMDIとジオ−ルBを用いた。予め窒素
乾燥した三ッ口フラスコに、該HMDI 2.52g
(15 mmol)とアニソ−ル 8 ml とを入れ、溶解し
た。この溶液に、該ジオ−ルB 1.95g(15 mmo
l)をアニソ−ル 15 ml に溶解した溶液を添加混合し
た。以降の操作は上記する実施例1と同じ操作を行い、
生成物の含フッ素ポリエ−テルウレタン 1.45gを
回収した。原料のHMDI及びジオ−ルBの総和(4.
47g)に対する収率は、32%であった。
【0063】得られた含フッ素ポリエ−テルウレタン
は、DME等の溶媒に対する溶解度が極めて小さいた
め、1H−NMR、13C−NMR、19F−NMR、及び
IRスペクトルの測定は困難であるが、原料の化学構造
を勘案して、上記の一般式(17)で表される繰り返し
単位において、R 及びR'が、
【化44】 である繰り返し単位からなる線状重合体と推定される。
なお、GPC法におけるピ−ク分子量及び固有粘度の測
定も、溶媒に対する溶解度が極めて小さいため困難であ
るが、前記繰り返し単位の繰り返し数 n が大きいこと
が予測される。
【0064】実施例8 原料として、DPMDIと式(38)に示すポリエ−テ
ルグリコ−ル(以降、ジオ−ルDと記す。)を用いた。
なお、本例のジオ−ルDは、それを構成するオキシプロ
ピレン単位の繰り返し数tが3であり、オキシトリフル
オロプロピレン単位の繰り返し数qが平均値qAV.
を中心に分布する混合物であり、更に、上記の一般式
(32)に示すポリエ−テルグリコ−ルにおいて、構成
するオキシプロピレン単位の繰り返し数rが1、オキシ
エチレン単位の繰り返し数sが0、それらの繰り返し数
tが3、オキシトリフルオロプロピレン単位の繰り返し
数qが平均値qAV. 4 を中心に分布するものに対応す
る。予め窒素乾燥した三ッ口フラスコに、DPMDI
1.75g(7 mmol)とアニソ−ル 5 ml とを入れ、
溶解した。この溶液に、該ジオ−ルD 4.48g(7
mmol)をアニソ−ル8 ml に溶解した溶液を添加混合し
た。以降の操作は上記する実施例1と同じ操作を行い、
生成物の含フッ素ポリエ−テルウレタン 5.78gを
回収した。原料のDPMDI及びジオ−ルDの総和
(6.23g)に対する収率は、93%であった。
【化38】 (式中、 q の平均値qAV. は 4である)
【0065】得られた含フッ素ポリエ−テルウレタン
は、以下の物性を示した。 (1)1H−NMRスペクトル(図19) 下記の各シグナルが認められ、それぞれ -O-CH(CF3)-CH
2-、 -O-CH(CH3)-CH2-、 -C6H4-CH2 -C6H4- 、-OH、-C6H
4-、及び -NH- の各水素原子に起因するシグナルと帰属
される。 0.9〜1.3 ppm ( -CH3 ) 3.2〜4.5 ppm ( -CH-, -CH2- ) 4.9 ppm (-OH ) 5.55 ppm (-OH ) 7.1〜7.5 ppm (-C6H4-) 9.55、10.1 ppm (-NH- ) これにより、オキシトリフルオロプロピレン基、オキシ
プロピレン基、p-フェニレン基、ウレタン結合、及び水
酸基の存在が確認できる。
【0066】(2)13C−NMRスペクトル(図20) 下記の各シグナルが認められ、それぞれ CH3 、 CH2
CH 、 CF3 、 -C6H4-、及び C=O の各炭素原子に起因
するシグナルと帰属される。 17 ppm ( CH3 ) 68〜77 ppm ( -O-CH(CF3)-CH2 -、 -O-CH(CH3)-CH2 -
) 118、129 ppm (-C6H4-) 118〜129 ppm ( CF3 ) 135〜137 ppm (-C6H4-) 151、152.5 ppm ( C=O ) これにより、CF3基の存在が確認できる。更には、オ
キシトリフルオロプロピレン基、オキシプロピレン基、
p-フェニレン基、及びウレタン結合の存在が追認され
る。
【0067】(3)19F−NMRスペクトル(図21) 下記の各シグナルが認められ、 CF3 のフッ素原子に起
因するシグナルと帰属される。 −0.7、1.0、1.65、1.75 ppm ( CF3 ) これにより、CF3基を有する構造であり、即ちオキシ
トリフルオロプロピレン基の存在が追認される。
【0068】(4)IRスペクトル(図22) 下記の各吸収が明確に認められた。 3250、2900、1700、1500、1100 c
m-1 これにより、カルボニル( C=O )及びCF3基の存在が確
認される。即ち、ウレタン結合及びオキシトリフルオロ
プロピレン基の存在が追認される。
【0069】上記の1H−NMR、13C−NMR、19
−NMR、及びIRスペクトルの測定結果を基に、原料
の化学構造を勘案して、上記の一般式(17)で表され
る繰り返し単位において、R及びR'が、
【化45】 (式中、繰り返し数qは平均値qAV. 4 を中心に分布す
る)である繰り返し単位からなる線状重合体と同定され
る。また、GPC法におけるピ−ク分子量はポリスチレ
ン換算値で2.7×104と測定された。平均分子量の
2.7×104は、前記繰り返し単位の繰り返し数 n が
3程度の式量に相当する。
【0070】上記の実施例1〜8に示す含フッ素ポリエ
−テルウレタンの特性と室温における形状、及びその製
造に用いた原料及び溶媒の使用量とを、表1に示す。
又、各種溶媒に対する溶解性を表2に記す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】本発明の含フッ素ポリエ−テルウレタン
は、新規なポリエ−テルウレタンであり、ウレタン系の
ゴム、エラストマ−のプレポリマ−として有用である。
また、本発明の化合物は、それを構成する繰り返し単位
にフッ素置換のあるオキシアルキレン骨格ユニットを有
するので、フッ素化率が高いものは、撥水、撥油性など
の特性が向上したポリエ−テルウレタンとなる。一方、
低フッ素化率にすることにより、溶媒溶解性を良好に保
つものとなる。また、本発明の製造方法は、当該含フッ
素ポリエ−テルウレタンを、予めそれに含まれるオキシ
アルキレン骨格ユニットとその繰り返しの数を制御して
調製した含フッ素ポリエ−テルグリコ−ル(又は含フッ
素グリコ−ル)とジイソシアナ−トとを重付加反応する
ことで製造する方法であるので、当該生成物を構成する
繰り返し単位が所望の構造となるものを高い効率で製造
することができる。特には、有機溶媒中、触媒の存在下
に反応を行うことにより、目的の生成物を高収率で製造
することができる。更には、原料に用いるグリコ−ルと
ジイソシアナ−トのモル比を変えることにより、生成物
に含まれる繰り返し単位の繰り返しの数を変えることが
できる。また、原料に用いるグリコ−ルとジイソシアナ
−トのモル比を1:1より変えることで、生成物の両末
端に原料に用いるグリコ−ル或はジイソシアナ−トを残
基することが可能である。なお、両末端にグリコ−ル或
はジイソシアナ−トを残基する生成物は末端が反応性残
基であるので、更に他の化合物との重付加反応に用いる
原料ともなり、高い利用価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得たポリエ−テルウレタンの1
−NMRスペクトル。
【図2】 実施例1で得たポリエ−テルウレタンの13
−NMRスペクトル。
【図3】 実施例1で得たポリエ−テルウレタンの19
−NMRスペクトル。
【図4】 実施例1で得たポリエ−テルウレタンのIR
スペクトル。
【図5】 実施例2で得たポリエ−テルウレタンのIR
スペクトル。
【図6】 実施例3で得たポリエ−テルウレタンの1
−NMRスペクトル。
【図7】 実施例3で得たポリエ−テルウレタンの13
−NMRスペクトル。
【図8】 実施例3で得たポリエ−テルウレタンの19
−NMRスペクトル。
【図9】 実施例3で得たポリエ−テルウレタンのIR
スペクトル。
【図10】 実施例4で得たポリエ−テルウレタンのI
Rスペクトル。
【図11】 実施例5で得たポリエ−テルウレタンの1
H−NMRスペクトル。
【図12】 実施例5で得たポリエ−テルウレタンの13
C−NMRスペクトル。
【図13】 実施例5で得たポリエ−テルウレタンの19
F−NMRスペクトル。
【図14】 実施例5で得たポリエ−テルウレタンのI
Rスペクトル。
【図15】 実施例6で得たポリエ−テルウレタンの1
H−NMRスペクトル。
【図16】 実施例6で得たポリエ−テルウレタンの13
C−NMRスペクトル。
【図17】 実施例6で得たポリエ−テルウレタンの19
F−NMRスペクトル。
【図18】 実施例6で得たポリエ−テルウレタンのI
Rスペクトル。
【図19】 実施例8で得たポリエ−テルウレタンの1
H−NMRスペクトル。
【図20】 実施例8で得たポリエ−テルウレタンの13
C−NMRスペクトル。
【図21】 実施例8で得たポリエ−テルウレタンの19
F−NMRスペクトル。
【図22】 実施例8で得たポリエ−テルウレタンのI
Rスペクトル。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【化5】 で表される繰り返し単位からなる線状重合体であり、上
記の一般式(5)中、Rは、アルキレン基、置換アルキ
レン基、フェニレン基、置換フェニレン基、及び前記す
る基の複数より構成される基からなる群より選択される
二価の基であり、R”は、下記の式(6)〜式(9)
【化6】
【化7】 (式中、Rは、炭素数が1〜16であり、且つ二価の
飽和又は不飽和炭化水素基、及び前記する二価の炭化水
素基の1以上の水素をハロゲン原子で置換してなる炭化
水素基からなる群より選択される二価の基であり、mは
1〜20である)
【化8】 式中、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、フェ
ニレン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数よ
り構成される基からなる群より選択される二価の基であ
り、pは1〜20である)
【化9】 (式中、qは1〜20、rは0〜20、sは0〜20、
但しr+s>0であり、且つtは1〜20である)で表
される基からなる群より選択される二価の基であること
を特徴とするポリエーテルウレタン。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【化10】 (式中、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、フェ
ニレン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数よ
り構成される基からなる群より選択される二価の基であ
る)で表される化合物からなる群より選択されるジイソ
シアナートと、下記の一般式(11)
【化11】 で表され、且つ前記一般式(11)中のR”が、下記の
式(12)〜式(15)
【化12】
【化13】 (式中、Rは、炭素数が1〜16であり、且つ2価の
飽和又は不飽和炭化水素基、及び前記する二価の炭化水
素基の1以上の水素をハロゲン原子で置換してなる炭化
水素基からなる群より選択される二価の基であり、mは
1〜20である)
【化14】 (式中、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、フ
ェニレン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数
をより構成される基からなる群より選択される二価の基
であり、pは1〜20である)
【化15】 (式中、qは1〜20、rは0〜20、sは0〜20、
但しr+s>0であり、且つtは1〜20である)で表
される二価の基からなる群より選択される含フッ素ジオ
ールとを重付加させることを特徴とする下記の一般式
(16)
【化16】 で表される繰り返し単位からなる線状重合体であり、且
つ、上記の−般式(16)中、Rは、上記の一般式(1
0)と同じ二価の基であり、R”は、上記の一般式(1
1)と同じ二価の基であるポリエーテルウレタンの製造
方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエーテルウ
レタンは、下記の一般式(17)
【化17】 (式中、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、フェ
ニレン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数よ
り構成される基からなる群より選択される二価の基であ
り、R’は、オキシトリフルオロプロピレン基、及びオ
キシトリフルオロプロピレン基を構成骨格単位として含
むポリエーテル構造を有し、片末端がオキシ基であり且
つ他の片末端がメチレン基又はメチン基である基からな
る群より選択される二価の基である)で表される繰り返
し単位からなる線状重合体である新規な含フッ素ポリエ
ーテルウレタンである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】例えば、上記の式(17)で表される繰り
返し単位において、R及びR’が、
【化39】 であり、且つ式(18)で構造を表記するとき、その末
端がそれぞれR=H、R=O=C=N−R−NH−
(C=O)−である含フッ素ポリエーテルウレタンは下
記の手段により構造を同定とすることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】上記の式(32)に示す含フッ素ジオール
は、例えば下記の式(35)に示す鎖状のポリアルキレ
ングリコール誘導体とTFPOとを、触媒となるアルカ
リ金属水酸化物の存在下にエーテル類等の有機溶媒中で
重合反応させ、酸で反応を停止することで、調製するこ
とができる(特願平5−80327号を参照)。また、
オキシトリフルオロプロピレン基の繰り返しの数qは、
TFPOの1モルに対して、該触媒0.01モルを用い
るとq〜100、該触媒1モルを用いるとq〜1とな
り、該触媒の用量を0.01〜1モルの範囲で目標とす
るqに応じて適宜選択することで制御でき、生成物中の
繰り返しの数qは、H−NMRスペクトルで測定され
るメチン、メチレン、及びメチルのシグナル強度比より
推定できる。
【化35】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】得られた含フッ素ポリエーテルウレタン
は、IRスペクトル(図5)に下記の各吸収が明確に認
められた。 3350、2950、1740、1600、1520、
1100cm−1 これにより、カルボニル(C=0)及びCF基の存在
が確認される。即ち、ウレタン結合及びオキシトリフル
オロプロピレン基の存在が追認される。なお、H−N
MR、13C−NMR、及び19F−NMRスペクトル
の結果では、上記の実施例1の化合物と同じ繰り返し単
位からなる化合物と判るのみであるが、IRスペクトル
(図5)の測定結果は、前記実施例1の化合物のIRス
ペクトル(図4)と異なることを基にして、繰り返し数
nが実施例1の化合物と異なることが判る。また、GP
C法におけるピーク分子量はポリスチレン換算値で6.
3×10であり、DME中、30℃における固有粘度
は0.067dl・g−1と測定された。平均分子量の
6.3×10は、前記繰り返し単位の繰り返し数nが
8の式量に相当する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】(2)13C−NMRスペクトル(図1
6) 下記の各シグナルが認められ、それぞれCH、CH、
CF、−C−、及びC=0の各炭素原子に起因
するシグナルと帰属される。 26、29ppm(CH) 60、69ppm(CH) 76ppm(CH) 117〜130ppm(CF) 130、132ppm(−C−) 155、163ppm(C=0) これにより、CF基の存在が確認できる。更には、オ
キシトリフルオロプロピレン基、p−フェニレン基、複
数のメチレン基、及びウレタン結合の存在が追認され
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1) 【化1】 (式中、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、フェニ
    レン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数より
    構成される基からなる群より選択される二価の基であ
    り、R'は、オキシトリフルオロプロピレン基、及びオキ
    シトリフルオロプロピレン基を構成骨格単位として含む
    ポリエ−テル構造を有し、片末端がオキシ基であり且つ
    他の片末端がメチレン基又はメチン基である基からなる
    群より選択される二価の基である)で表される繰り返し
    単位からなる線状重合体であるポリエ−テルウレタン。
  2. 【請求項2】 下記の一般式(2) 【化2】 (式中、R'は、オキシトリフルオロプロピレン基、及び
    オキシトリフルオロプロピレン基を構成骨格単位として
    含むポリエ−テル構造を有し、片末端がオキシ基であり
    且つ他の片末端がメチレン基又はメチン基である基から
    なる群より選択される二価の基である)で表される含フ
    ッ素化合物からなる群より選択される含フッ素ジオ−ル
    と、下記の一般式(3) 【化3】 (式中、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、フェニ
    レン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数より
    構成される基からなる群より選択される二価の基であ
    る)で表される化合物からなる群より選択されるジイソ
    シアナ−トとを重付加させることを特徴とする下記の一
    般式(4) 【化4】 (式中、Rは、上記の一般式(3)と同じ二価の基であ
    り、且つR'は、上記の一般式(2)と同じ二価の基であ
    る)で表される繰り返し単位からなる線状重合体である
    ポリエ−テルウレタンの製造方法。
  3. 【請求項3】 下記の一般式(5) 【化5】 で表される繰り返し単位からなる線状重合体であり、上
    記の一般式(5)中、Rは、アルキレン基、置換アルキ
    レン基、フェニレン基、置換フェニレン基、及び前記す
    る基の複数より構成される基からなる群より選択される
    二価の基であり、R'は、下記の式(6)〜式(9) 【化6】 【化7】 (式中、R1は、炭素数が1〜16であり、且つ二価の飽
    和又は不飽和炭化水素基、及び前記する二価の炭化水素
    基の1以上の水素をハロゲン原子で置換してなる炭化水
    素基からなる群より選択される二価の基であり、 m は
    1〜20 である) 【化8】 (式中、R2は、アルキレン基、置換アルキレン基、フェ
    ニレン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数よ
    り構成される基からなる群より選択される二価の基であ
    り、 p は 1〜20 である) 【化9】 (式中、 q は 1〜20 、 r は 0〜20 、 s は 0
    〜20 、但し r+s > 0であり、且つ t は 1〜20
    である)で表される基からなる群より選択される二価の
    基であることを特徴とするポリエ−テルウレタン。
  4. 【請求項4】 下記の一般式(10) 【化10】 (式中、Rは、アルキレン基、置換アルキレン基、フェニ
    レン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数より
    構成される基からなる群より選択される二価の基であ
    る)で表される化合物からなる群より選択されるジイソ
    シアナ−トと、下記の一般式(11) 【化11】 で表され、且つ前記一般式(11)中のR'が、下記の式
    (12)〜式(15) 【化12】 【化13】 (式中、R1は、炭素数が1〜16であり、且つ2価の飽
    和又は不飽和炭化水素基、及び前記する二価の炭化水素
    基の1以上の水素をハロゲン原子で置換してなる炭化水
    素基からなる群より選択される二価の基であり、 m は
    1〜20 である) 【化14】 (式中、R2は、アルキレン基、置換アルキレン基、フェ
    ニレン基、置換フェニレン基、及び前記する基の複数を
    より構成される基からなる群より選択される二価の基で
    あり、 p は 1〜20 である) 【化15】 (式中、 q は 1〜20 、 r は 0〜20 、 s は 0
    〜20 、但し r+s > 0であり、且つ t は 1〜20
    である)で表される二価の基からなる群より選択される
    含フッ素ジオ−ルとを重付加させることを特徴とする下
    記の一般式(16) 【化16】 で表される繰り返し単位からなる線状重合体であり、且
    つ、上記の一般式(16)中、Rは、上記の一般式(1
    0)と同じ二価の基であり、R'は、上記の一般式(1
    1)と同じ二価の基であるポリエ−テルウレタンの製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105970663A (zh) * 2016-03-08 2016-09-28 安徽安利材料科技股份有限公司 一种高耐水解和高耐紫外光照老化自去污聚氨酯合成革的制造方法

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