JPH0729116B2 - 分離膜複合化メタン発酵装置 - Google Patents

分離膜複合化メタン発酵装置

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JPH0729116B2
JPH0729116B2 JP1917790A JP1917790A JPH0729116B2 JP H0729116 B2 JPH0729116 B2 JP H0729116B2 JP 1917790 A JP1917790 A JP 1917790A JP 1917790 A JP1917790 A JP 1917790A JP H0729116 B2 JPH0729116 B2 JP H0729116B2
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、有機物含有排水の処理等に好適なメタン発酵
装置に関し、詳しくは効率的なメタン発酵を行なうこと
ができるメタン発酵装置に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
現在、我国における都市,工場等から排出される有機物
含有排水については、主として好気性の生物による処理
が行なわれている。しかしながら、近年は嫌気性メタン
発酵処理が注目され、産業排水の嫌気性処理装置等が実
用化されるに至っている。その理由として、好気性処
理に比べて処理に必要な電力量が少ないこと,ガス化
による有効エネルギーの回収が可能であること,余剰
汚泥量が少なく汚泥処理コストが低減できることなどが
挙げられ、省エネルギー型の排水処理が可能となるため
である。
メタン発酵は通常、「加水分解→酸発酵→メタン発酵」
の三要素の生化学反応から成っており、高分子のタンパ
ク質や炭水化物等の基質が低分子化して高級脂肪酸とな
り、さらに低級脂肪酸化されてメタン,炭酸ガス等が生
成される。この生化学反応プロセスでメタン発酵菌の増
殖速度は極めて低いため、菌体の系外流出を避けなけれ
ばならない。このような状況下、高速メタン発酵を可能
にするには、高濃度のメタン発酵菌をバイオリアクター
内に保持することが必要となる。高速メタン発酵を実現
するためには、バイオリアクター中に微生物担体を充填
し、菌体を付着せしめて菌体の洗い出し(Wash out)現
象を阻止することにより、バイオリアクター中の菌体濃
度を増加させて効率的なメタン発酵を行なわせることが
必要である。現在、微生物担体としてはポーラスセラミ
ック,砂,活性炭,ケイソウ土等の無機担体やプラスチ
ックの板あるいは粒子,ラシヒリング等の有機担体があ
るが、いずれも菌体を十分に付着することができないた
め、満足できる結果が得られていない。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは上記問題点を解消した高性能メタ
ン発酵用バイオリアクターの実現を目指し鋭意研究を行
なったところ、バイオリアクターを酸発酵槽とメタン発
酵槽とに分け、両槽の間に分離膜を設置し、該分離膜の
透過水はメタン発酵槽へ流入し、濃縮水は酸発酵槽下部
へ返送し、さらに各槽にそれぞれ特定の不織布を微生物
担体として充填し、該担体にメタン発酵菌を担持せしめ
たものを用いるとともに、各槽にそれぞれ上向流を形成
するための循環手段を設けることによりメタン発酵効率
を極めて増大させることができ、処理水質を大幅に改善
できることを見出し、この知見に基いて本発明を完成し
た。
すなわち本発明は、有機含有排水のメタン発酵を行なう
メタン発酵装置において、メタン発酵装置が嫌気性の酸
発酵槽とメタン発酵槽とに分けられており、かつ両槽の
間に分離膜が設置され、該分離膜の透過水はメタン発酵
槽へ流入し、濃縮水は酸発酵槽下部へ返送するととも
に、前記酸発酵槽および前記メタン発酵槽にはそれぞれ
比重1.0以上のプラスチック繊維よりなる不織布担体に
担持された微生物が充填されており、かつ前記酸発酵槽
および前記メタン発酵槽にはそれぞれ上向流を形成する
ための循環手段が備えられていることを特徴とする分離
膜複合化メタン発酵装置を提供するものである。
以下、本発明を図面により詳細に説明する。本発明の装
置は基本的には酸発酵槽とメタン発酵槽の2つの槽およ
び分離膜よりなる。第1図(a)〜(c)は本発明にお
いて用いる酸発酵槽の一態様を示したものであり、第1
図(a)は同酸発酵槽の上部平面図、第1図(b)は同
酸発酵槽の縦断面図および分離膜との接続図、第1図
(c)は同酸発酵槽の一部切欠き下部平面図である。ま
た、第2図(a)〜(c)は本発明において用いるメタ
ン発酵槽の一態様を示したものであり、第2図(a)は
同メタン発酵槽の上部平面図、第2図(b)は同メタン
発酵槽の縦断面図、第2図(c)は同メタン発酵槽の一
部切欠き下部平面図である。
図中、符号1は酸発酵槽であって、酸発酵槽1は外形が
通常、円筒型または角型のものであり、第1図では角型
のものを示している。この酸発酵槽1は上部に、後述す
る不織布担体の流出を防ぐグレーチング2を有するとと
もに、下部に前記不織布担体を維持するグレーチング3
を有している。これらグレーチング2とグレーチング3
の外形は酸発酵槽1と同様であって、大きさは酸発酵槽
1よりわずかに小さいものである。ここで、グレーチン
グ2とグレーチング3は、図示した如く、下水の側溝等
に用いられる格子状のものを意味する。
上記グレーチング2とグレーチング3との間に、不織布
担体に担持された微生物が充填されている。図中、符号
4は、不織布担体に担持された微生物を充填した層であ
る。この不織布担体の詳細については後述する。
上記不織布担体の充填率は、グレーチング2とグレーチ
ング3の間の容積の50〜90%、特に60〜80%とすること
が好ましい。ここで充填率が50%未満であると、逆洗時
の流動は十分に行なわれるものの、不織布担体に付着す
る菌体量が減少し、反応効率が低下するため好ましくな
い。
一方、充填率が90%を超えると、不織布担体に付着した
余剰の菌体を逆洗により剥離する場合に十分な不織布担
体の流動が行なわれず、十分な洗浄効果が得られないた
め好ましくない。
本発明においては、上記酸発酵槽1に有機物を含有する
排水(原排水)を供給するための排水供給管5および排
水供給ポンプ6が、下部のグレーチング3より下側に備
えられている。したがって、排水は排水供給管5および
排水供給ポンプ6を通り、下部のグレーチング3の下に
設置されている穴あき管7を通って酸発酵槽1上方に向
かって流れる。
本発明においては、酸発酵を受けた処理水は配管8を通
り、ポンプ9により分離膜10に供給される。この分離膜
の詳細については後述するが、分離膜10としては限外濾
過膜または精密濾過膜を使用する。分離膜10により、酸
発酵処理中に存在するSS、すなわち微生物や排水中に含
まれている固形物がメタン発酵槽に流出しない。分離膜
10を通過した透過水11は、メタン発酵槽へ行く。透過水
11は外見はきれいであるが、液中に有機酸等を含有して
いる。一方、分離膜10を通過しなかった濃縮水12の一部
は、配管14を通り穴あき管15より酸発酵槽1を上向流と
して循環し、大部分の濃縮水12は循環用管13を通り、再
びポンプ9より分離膜に供給され、循環が行われる。こ
こで、上記手段により酸発酵槽1中に形成される上向流
の流速(原水の流速と循環水の流速の合計の流速)LV
は、ガス発生の始まる前においては6〜8m/hr以上とす
ることが必要である。この範囲以上のLV値をとると酸発
酵槽1内にデッドゾーンがなく、排水および循環水と、
不織布担体に担持された微生物との接触が槽内全体で極
めて効率良く行なわれる。酸発酵槽1よりガスの発生が
始まったら、ガスによる混合が行なわれるため、LV値を
6〜8m/hr未満に下げても良い。
酸発酵槽1は上記の如く不織布担体を固体床として使用
しているため、菌体の増殖により担体の目詰りが発生す
る。このため定期的に担体の逆洗を行なう必要があり、
そのための逆洗手段が酸発酵槽1の下部グレーチング3
より下側に備えられている。逆洗の方法としては、槽内
の上向流の流速LVを増加させる方法と吹き込みガスを槽
内に与える方法が考えられるが、本発明の酸発酵槽1で
はその両方を使用し、目詰りを解消する。
したがって、逆洗手段として広義には槽内の上向流の流
速LVを増加させるための手段を含むが、ここでは狭義の
意味における逆洗手段、すなわち吹き込みガスを槽内に
与える手段について述べる。吹き込みガスは窒素等の不
活性ガスや槽内から発生するガスを利用する。本発明に
おいては図示した如く、酸発酵槽1の最下部に逆洗用ガ
ス管16およびスパージャー17を備えており、逆洗用のガ
スは逆洗用ガス管16を通り、スパージャー17より槽内へ
吹き込まれる。
以上の如き構造を有する酸発酵槽1内において、排水中
の有機物は微生物により酸発酵反応を受け、分離膜10を
通り透過水11は後段のメタン発酵槽21に導かれる。ま
た、酸発酵槽1より発生するガスは、ガス管18より取り
出され、必要により一部は上記逆洗用の吹き込みガスと
して利用される。
上記酸発酵槽1とは別に、分離膜10と接続して後段にメ
タン発酵槽21が設けられている。このメタン発酵槽21は
外形が通常、円筒型または角型のものであり、第2図で
は角型のものを示している。
このメタン発酵槽21は、前記の酸発酵槽1とほぼ同様の
構造を有するものであるが、酸発酵槽1とは担体充填率
および使用する担体の形状が通常異なっている。
すなわち、メタン発酵槽21は上部と下部にそれぞれグレ
ーチング22,グレーチング23を有しており、上部グレー
チング22により不織布担体の浮上を防ぐとともに、下部
グレーチング23により不織布担体を維持している。これ
らグレーチング22とグレーチング23は、前記酸発酵槽1
におけるグレーチング2とグレーチング3と同様のもの
である。
このグレーチング22とグレーチング23との間に、不織布
担体に担持された微生物が充填されている。図中、符号
24は不織布担体に担持された微生物を充填した層であ
る。
このメタン発酵槽21に充填される不織布担体の充填率
は、グレーチング22とグレーチング23の間の容積の70〜
100%である。その理由は、メタン発酵槽21内のメタン
発酵菌は増殖が遅く、かつ酸発酵菌ほど粘着性がなく、
不織布担体の流動を行なわなくとも微生物の剥離が行な
われるためである。
本発明においては、上記メタン発酵槽21に分離膜10を通
過した透過水を供給するための供給管25が備えられてい
る。この供給管25は、下部のグレーチング23より下側に
備えられている。したがって、酸発酵処理水は、供給管
25に導かれ、下部のグレーチング23の下に設置されてい
る穴あき管26を通ってメタン発酵槽21上方に向かって流
れる。
さらに本発明においては、メタン発酵槽21に上向流を形
成するための循環手段を、下部のグレーチング23より下
側に備えている。この循環手段は具体的には循環用管27
および循環用ポンプ28からなっており、上部のグレーチ
ング22の上方の処理水を循環用管27および循環用ポンプ
28を通して穴あき管29により処理水の一部を循環させ
る。
ここで、上記手段により形成される上向流の流速(メタ
ン発酵水の流速と循環水の流速の合計の流速)LVは、ガ
ス発生の始まる前は6〜8m/hr以上とすることが必要で
ある。この範囲以上のLV値をとると、メタン発酵槽21内
にデッドゾーンがなく、排水(メタン発酵水)および循
環水と、不織布担体に担持された微生物との接触が槽内
全体で極めて効率良く行なわれる。メタン発酵槽21より
ガスの発生が始まったら、ガスによる混合が行なわれる
ため、LV値を6〜8m/hr未満に下げても良い。
メタン発酵槽21は、酸発酵槽1と同様に、不織布担体を
固定床として使用しているため、長期間では菌体の増殖
により担体の目詰りが発生する。このため定期的に担体
の逆洗を行なう必要があり、そのための逆洗手段がメタ
ン発酵槽21の下部グレーチング23より下側に備えられて
いる。逆洗方法は、前記酸発酵槽1の逆洗方法と同様で
あり、槽内の上向流の流速LVを増加させるとともに、吹
き込みガスを槽内に与えることにより行なう。
ここで、吹き込みガスを槽内に与えるために、メタン発
酵槽21の最下部に、逆洗用ガス管30およびスパージャー
31が備えられている。窒素等の不活性ガスや槽内から発
生するガスを利用した吹き込みガスは、逆洗用ガス管30
を通り、スパージャー31より槽内へ吹き込まれる。
本発明においては、排水中の有機物は酸発酵槽1内で微
生物により酸発酵を行ない、分離膜10により固形物を除
去し、その透過水がメタン発酵槽21にてメタン等のガス
になり、ガス管33より取り出される。また、メタン発酵
処理水は、処理水管32を通して外部に放流される。
さて、本発明で微生物担体として用いる不織布担体につ
いて述べると、この不織布担体は無数の複雑な空間を有
する不織布を素材としたものである。この不織布素材は
水より比重が大きい。比重1.0以上のプラスチック繊維
よりなるものである。
酸発酵とメタン発酵の反応は、それぞれの反応を司る菌
相が異なるため、菌相に合った素材を選ぶことが必要で
ある。具体例を示すと、ポリ塩化ビニリデン,ポリ塩化
ビニル,ナイロン,ビニロンなどを挙げることができ、
中でもポリ塩化ビニリデンは酸発酵に関与する微生物と
メタン発酵に関与する微生物のいずれもが付着しやすい
ので好ましい。
また、酸発酵用バイオリアクターに充填する不織布担体
の目開きは2〜9mm,メタン発酵用バイオリアクターに充
填する不織布担体の目開きは0.6〜3mmとすることが好ま
しいことを究明した(この詳細は特願昭63−6836号明細
書に開示されている。)。
本発明において、不織布担体の形状は連続生産が可能で
安価に生産されるものが好ましい。一般に使用される不
織布担体の形状が第3図(a)〜(e)に示される。第
3図(a)は円柱状、第3図(b)は角型状、第3図
(c)は球型状、第3図(d)は中空円筒状のものを示
しており、さらに第3図(e)はプラスチック基板と不
織布を交互に組み合わせた立方体モジュールを示してい
る。
本発明において不織布担体の形状は、酸発酵槽1とメタ
ン発酵槽21とで同一のものであってもよいが、好ましく
は異なるものを使用する。すなわち、反応効率からする
と第3図(e)に示す如き形状のものが良いが、このも
のは流動性の点で第3図(a)のものに劣っている。し
たがって、担体の洗浄時に流動性が特に要求される酸発
酵槽1には第3図(a)の如き円柱状のもの、或いはこ
れにさらに流動性向上のため穴あきプラスチックフィル
ムを円周に被覆したものを用い、メタン発酵槽21には第
3図(e)の如き形状のものを用いることが好ましい。
次に、本発明で用いる分離膜について述べる。この分離
膜10としては、限外濾過膜あるいは精密濾過膜を使用す
る。従来の濾過は多孔性の濾材を通して数μm以上の固
形物を分離していたが、限外濾過膜(UF)では通常100
〜1nmの物質を、また精密濾過膜(MF)では通常10〜0.1
μmの物質を分離することができる。負荷する圧力は、
UFで0.5〜10kg/cm2、MFで0.1〜2kg/cm2である。
分離膜の素材としては、有機物あるいはセラミック膜の
ような無機物等があるが、どのような素材でも本発明に
使用できる。また、分離膜の形態としては、平膜型,ス
パイラル型,中空糸型等様々なものがあるが、本発明に
はどのような形態のものも使用することができる。
本発明の分離膜のように細かい物質を分離することので
きる膜は、通常膜にゲル層が形成されるゲル分極が起き
るため、本発明では第1図(b)に示したように、循環
用管13より循環水を流すことによりゲル層の形成を防止
している。
このように、酸発酵槽1の後に分離膜10を設置し、酸発
酵槽1中の菌体濃度を高めると共に原水中に含まれるSS
を酸発酵槽1に閉じ込めておくことが可能となった。SS
のうち、有機性のものは酸発酵槽1の中で可溶化し、有
機酸に変換される。従って、排水中に含まれる有機物を
効率よく次のメタン発酵槽21で利用することが可能とな
る。これに対し、分離膜を使用しない場合は、排水中に
含まれているSSは、酸発酵槽で一部未分解のままメタン
発酵槽に流入することがあり、本来メタン発酵を行うべ
きメタン発酵槽でSSの可溶化や酸発酵の反応が行われ、
メタン発酵の効率を悪くする。さらに、本発明のような
固定床型2槽発酵プロセスにおいて、酸発酵槽の後に分
離膜を設置することは分離膜を透過する透過水量の増加
につながり、従って分離膜の膜面積を減らすことができ
るため、経済的にも大きなメリットがある。すなわち、
分離膜の透過水量は一般的に、原水中に存在するSSの濃
度が高い程少なくなる傾向があることが立証されてい
る。固定床型の発酵槽では、ほとんどの菌体が発酵槽内
の不織布担体に付着しているため、分離膜へ送られる酸
発酵を受けた処理水中には不織布担体より剥離した菌体
および元々排水流に含まれていたSSが存在するのみであ
る。したがって、この処理水中のSS濃度は、通常の浮遊
式発酵槽において処理された処理水に含まれるSS濃度、
すなわち全菌体量および元々排水中に含まれていたSSの
合計量に比べて極めて低いものである。それ故、固定床
型発酵槽の後に分離膜を設置することにより、分離膜の
所要膜面積を大幅に低減することができるのである。
本発明のように、固定床型発酵槽−分離膜−固定床型メ
タン発酵槽という構成とすることにより、メタン発酵効
率,処理水質および分離膜の効率のいずれの点において
も装置的に優れている。よって、この装置を用いるメタ
ン発酵プロセスは当然のことながら従来のプロセスより
も格段にすぐれたものである。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により説明するが、本発明の範囲
を超えない限り、これに限定するものではない。
実施例 酸発酵槽,メタン発酵槽および分離膜を有するメタン発
酵装置(分離膜複合化固定床型メタン発酵バイオリアク
ター)を用いたベンチプラントを油脂・タンパク製造工
場に設置し、長期連続嫌気性メタン発酵のフィールドテ
ストを実施した。本廃水はBOD約1000mg/lで、流量7.5m3
/日、水温30℃の条件にて装置設計を行なった。
以下、実験内容を第4図に示すフローシートに従って説
明する。
(1)フローシートの説明 廃水(原水)は、調整槽101に貯留された後、原水ポン
プ102によって原水供給管103を通り酸発酵槽104へ供給
される。酸発酵槽104内は不織布担体が充填されてい
る。酸発酵槽104内は、上向流で流れ、原水基準で3.2時
間の滞留時間である。酸発酵槽104上部より流出する酸
発酵処理水は導管105を通り分離膜用貯槽106に貯えられ
る。その後、分離膜供給ポンプ107および分離膜用循環
ポンプ108を通り、分離膜109へ供給される。分離膜透過
水114はメタン発酵槽115へ流入するが、一方濃縮水は大
部分が導管111を通り、分離膜用循環ポンプ108にて循環
する。残りの濃縮水は導管110を通り酸発酵槽用循環ポ
ンプ112により再び酸発酵槽104に循環する。また、酸発
酵処理水の一部は酸発酵槽用循環ポンプ112および導管1
03を通り循環されるが、これは本実験用に使用したライ
ンであり、通常は導管110のみでよい。メタン発酵槽115
においては、酸発酵槽104と同様に不織布担体が充填さ
れており、メタン発酵処理水の一部が導管116を通り循
環用ポンプ117によって上向流で液循環されている。原
水基準で6.4時間の滞留時間の後、オーバーフローした
メタン発酵処理水は、導管118を通り、一旦処理水槽119
に貯えられ、適宜処理水ポンプ120によって放流され
る。また、バイオリアクター内で増殖する微生物は、余
剰汚泥として酸発酵槽104,メタン発酵槽115それぞれの
低部より、配管128,129を介して適宜引き抜くことがで
きるようになっている。
一方、バイオリアクターから発生したガスは、各々ガス
配管122,123を通り、酸化鉄触媒を充填した脱流塔124、
124′に流入し、硫化水素等の悪臭成分が除去される。
次いで、脱硫塔124,124′を出たガスは洗浄塔126へと導
かれ、微量に残存する悪臭成分が、アルカリを主成分と
する水溶液によって吸収される。脱硫塔124,124′と洗
浄塔126の中間にあるクッション槽125は、汚泥を引き抜
いたときなどに、バイオリアクター内が負圧となって大
気を吸引することが起こらないように、発生ガスを少量
貯留しておくものである。このようにして悪臭成分が除
去された発生ガスはエネルギーとして利用できることと
なる。
(2)実験装置 第4図のフローシートに示された実験装置の主要機器に
ついて説明する。
調整槽 2,000mmφ×2,000mmH,容積6.3m3,有効容積5.0m3×2基 固定床型メタン発酵バイオリアクター 〔酸発酵槽〕 第1図に示す構造のものを用いた。
a)寸法 〇900mm×750mm×1,800mmH,容積1.2m3,有効容積1.0m3 〇上下グレーチング間隔の容積:900mm×750mm×1,050mm
H,容積0.71m3 b)不織布担体形状 第3図(a)に示す円柱状担体(50mmφ×50mmL)に、
穴あきプラスチックフィルムを円周に被覆したもの(プ
ラスチックフィルムの穴径:7.8mmφ,プラスチックフィ
ルムの開孔率:30%)を用いた。
c)不織布担体充填量と率 充填量 0.54m3 グレーチング間隔の容積当り充填率 76% d)不織布担体の目開き 不織布担体の目開きは3.6mmのものを使用した。
〔メタン発酵槽〕
第2図に示す構造のものを用いた。
a)寸法 〇900mm×900mm×3,000mmH,容積2.4m3,有効容積2.0m3 〇上下グレーチング間隔の容積:900mm×900mm×2,050mm
H,容積1.7m3 b)不織布担体形状 第3図(e)に示すプラスチック基板と不織布とを組み
合わせた立方体モジュールを使用した。なお、プラスチ
ック基板は表面に凹凸を有するものを使用した。この基
板の厚さは0.7mm、基板の間隔は33mm、不織布の厚さは2
0mmであり、単位モジュール寸法は450mm×450mm×500mm
であった。
c)不織布担体充填量と率 充填量 1.7m3 グレーチング間隔の容積当り充填率 100% d)不織布担体の目開き 不織布担体の目開きは2.1mmのものを使用した。
〔分離膜〕
膜形式:外圧式キャピラリー型 膜素材:有機性膜(ポリスルホンとポリビニルアルコー
ルの複合したもの) キャピラリー形状:中空糸状(外径1.35mm,内径0.80m
m) 分画分子量:約15,000 膜モジュール形状:内径100mm,長さ1,000mm 中空糸充填率:約60% モジュール1本当たりの膜面積:約10m2/本 〔処理水槽〕 1,800mmφ×2,100mmH,容積5m3 〔脱硫塔〕 酸発酵槽104およびメタン発酵槽115のそれぞれに用いる
脱硫塔124,124′は同寸法(300mmφ×1,750mmH,容積120
l)であり、酸化鉄70lを充填した。
〔クッション槽〕
容積 140l 〔洗浄塔〕 200mmφ×2,000mmH,容積60l (3)実験方法および結果 運転開始に際し、消化汚泥を種菌として、酸発酵槽104
とメタン発酵槽115に投入した。各槽のpHは前者が6.0〜
6.7、後者が7.2〜7.8の範囲にコントロールし、槽内温
度を30℃に保持した。その後、分離膜なしの運転、すな
わち酸発酵処理水113をメタン発酵槽115下部に連結した
装置で微生物の増殖運転を半年行なったところ、定常状
態となったので、これを分離膜なしの実験データ(1ケ
月間の実験の平均値)とした。結果を第1〜3表に示
す。その後、分離膜を複合化した本発明の装置で実験を
行い、約半年後の1ケ月間の実験の平均値を第1〜3表
に示す。
以上の如き長期連続実験の結果、BOD負荷約2kgBOD/m3
日という、従来の活性汚泥法(BOD負荷約1kgBOD/m3
日)以上の値および水温30℃というほぼ常温の条件下で
十分なガス発生が可能であり、排水1m3当たりの回収ガ
ス量についてみると、分離膜なしの場合0.33Nm3/m3
分離膜を中間に設置した場合0.47Nm3/m3となり、且つ
排水1m3当たりのメタンガス回収量をみても同様に各々
0.30Nm3/m3,0.37Nm3/m3となり、酸発酵槽とメタン発
酵槽の中間に分離膜を設置することにより極めて高いエ
ネルギーを回収することができることが判明した。さら
に、水質においてはBOD除去率が約92.0%であり、分離
膜なしの場合のBOD除去率60.7%より大幅に改善でき
た。BOD除去率は活性汚泥法と比較するとほぼ同程度の
高率が得られ、曝気動力が不必要なメタン発酵において
約92%のBOD除去が達成されたことは、極めて画期的な
ことである。特に、今回のように比較的低濃度BODの排
水を常温に近い条件で処理したにもかかわらず、よい結
果が得られたことは、本発明の装置が優れていることを
実験的に証明したことになる。
〔発明の効果〕
本発明ではメタン発酵装置が酸発酵槽とメタン発酵槽と
に分けられていると共に、両槽の間に分離膜を設置して
いる。さらに、これら両槽には特定の不織布担体に担持
された微生物が充填されており、しかもこれら両槽には
それぞれ上向流を形成するための循環手段が備えられて
いる。そのため、この分離膜複合化メタン発酵装置を用
いて有機物含有排水の処理を行うと、メタン発酵効率を
著しく増大させることができ、処理水水質を大幅に改善
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)は本発明において用いる酸発酵槽
の一態様を示したものであり、第1図(a)は同酸発酵
槽の上部平面図、第1図(b)は同酸発酵槽の縦断面図
および分離膜との接続図、第1図(c)は同酸発酵槽の
一部切欠き下部平面図である。また、第2図(a)〜
(c)は本発明において用いるメタン発酵槽の一態様を
示したものであり、第2図(a)は同メタン発酵槽の上
部平面図、第2図(b)は同メタン発酵槽の縦断面図、
第2図(c)は同メタン発酵槽の一部切欠き下部平面図
である。なお、図中、符号1は酸発酵槽、符号2は(上
部)グレーチング、符号3は(下部)グレーチング、符
号4は微生物担体充填層、符号5は排水供給管、符号6
は排水供給ポンプ、符号7および15は穴あき管、符号9
はポンプ、符号10は分離膜、符号12は濃縮水、符号13は
循環用管、符号16は逆洗用ガス管、符号17はスパージャ
ー、符号18はガス管、符号21はメタン発酵槽、符号22は
(上部)グレーチング、符号23は(下部)グレーチン
グ、符号24は微生物担体充填槽、符号25は供給管、符号
26および29は穴あき管、符号27は循環用管、符号28は循
環用ポンプ、符号30は逆洗用ガス管、符号31はスパージ
ャー、符号32は処理水用管である。 第3図(a)〜(c)が不織布担体の各種形状を示した
ものであり、第3図(a)は円柱状、第3図(d)は中
空円筒状、第3図(e)はプラスチック基板と不織布を
交互に組み合わせた立方体モジュールを示している。 第4図は本発明の実施例におけるフローシートである。
図中、符号101は調整槽、符号102は原水ポンプ、符号10
3は原水供給管、符号104は酸発酵槽、符号106は分離用
貯槽、符号107は分離膜供給ポンプ、符号108は分離膜用
循環ポンプ、符号109は分離膜、符号115はメタン発酵
槽、符号117は循環用ポンプ、符号119は処理水槽、符号
120は処理水ポンプ、符号122および123はそれぞれガス
管、符号124および124′はそれぞれ脱硫塔、符号125は
クッション槽、符号126は洗浄塔である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 9/00 ZAB 7446−4D 502 E 7446−4D 503 C 7446−4D 504 A 7446−4D (72)発明者 小山 時彦 神奈川県横浜市港南区芹が谷1―11 2― 711 (72)発明者 藤谷 淳二 神奈川県横浜市保土ケ谷区東川島町63―2 (72)発明者 野村 久志 神奈川県横浜市保土ケ谷区東川島町63―2 (56)参考文献 特開 昭63−16098(JP,A) 特開 昭61−249598(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機物含有排水のメタン発酵を行なうメタ
    ン発酵装置において、メタン発酵装置が嫌気性の酸発酵
    槽とメタン発酵槽とに分けられており、かつ両槽の間に
    分離膜が設置され、該分離膜の透過水はメタン発酵槽へ
    流入し、濃縮水は酸発酵槽下部へ返送するとともに、前
    記酸発酵槽および前記メタン発酵槽にはそれぞれ比重1.
    0以上のプラスチック繊維よりなる不織布担体に担持さ
    れた微生物が充填されており、かつ前記酸発酵槽および
    前記メタン発酵槽にはそれぞれ上向流を形成するための
    循環手段が備えられていることを特徴とする分離膜複合
    化メタン発酵装置。
  2. 【請求項2】酸発酵槽およびメタン発酵槽の間に設置さ
    れる分離膜が限外濾過膜または精密濾過膜である請求項
    (1)記載の分離膜複合化メタン発酵装置。
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