JPH0729092U - 汚水ます内設型監視通報器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】汚水ますの内側に設けることにより、雨水、積
雪の影響を受けることがなく、保守管理の負担軽減がで
きる。しかも、汚水から内部機器を確実に保護すること
ができる。 【構成】 収容ケース１は耐水性、耐食性を有するＡＢ
Ｓ樹脂等の合成樹脂からなっている。収容ケース１を構
成するケース本体２は有底の円筒体からなっており、上
端側外周には雄ねじ部２Ｆが形成してある。ケース本体
２内は隔壁７によって回路基板収容室５と電源収容室６
に画成してあり、回路基板収容室５は中蓋１１によって
密閉する。ケース本体２は雄ねじ部２ＦにＯリング１４
を介して螺着する蓋体１３によって液密に密閉する。蓋
体１３には汚水ますＡ内に汚水の通常貯溜面Ｄより上方
に位置して着脱可能に吊設するための吊下げ用アイボル
ト１５が螺着してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、真空式汚水収集装置に関し、特に汚水ます内に設けられた真空弁の 異常動作等を検出して通報するための汚水ます内設型監視通報器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

真空式汚水収集装置は、例えば特開平３ー１８３８３３号公報、特開平５ー５ １９５９号公報に示されるように、汚水ますと汚水ますに内設する真空弁とを基 本的構成要素としており、また、特開平３ー４３５２７号公報或いは特開平３ー １８３８３３号公報に示されるように、真空弁の開閉動作積算回数を検出したり 、真空弁の閉弁不全といった異常状態を検出して警報を行う真空弁の監視装置を 備えている。

【０００３】 そして、従来の監視装置は地上設置型のものであって、各汚水ますに近い建屋 に設置し、真空弁側と信号伝送線を介して接続する構成（特開平３ー４３５２７ 号公報）、或いは歩道と車道の境の場所に立設したポスト状の地上露出部内に設 ける構成（特開平３ー１８３８３３号公報）になっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来の地上設置型の監視装置は、降雪地の冬期には積雪の中に埋も れてしまうため、異常警報が確認されない恐れがあり、これを避けるために監視 装置の周囲を除雪して常に露出させておかなければならないといった作業を必要 とする。 また、上記監視装置は赤色燈等で住民に警報し、住民が管理者に通報するシス テムになっているため、管理者に確実に通報されない恐れがある。 他方、電話回線を介して集中管理装置に通報する方法も知られているが、監視 装置を汚水、雨水或は積雪から保護する手段は何等知られていない。

【０００５】 本考案は上述した従来技術の欠点及び問題点に鑑みなされたもので、汚水ます に内設することにより雨水、積雪に対して保護することができると共に維持管理 が容易であり、しかも汚水に対して内部機器を確実に保護することができる汚水 ます内設型監視通報器を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述した課題を解決するために構成された本考案の手段は、少なくとも耐水、 耐食性を有し、汚水の通常貯溜面より上方に位置して汚水ますの内側に着脱可能 に係止する収容ケースと、該収容ケース内に収容され、前記汚水ますに内設され る真空弁の動作を監視して通報する監視通報装置とからなる。

【０００７】 そして、前記収容ケースは、底部を有し、上端側外周に雄ねじ部を有する円筒 体からなり、前記底部にはコネクタ挿着穴を有するケース本体と、該ケース本体 内に形成された回路基板収容室及び電源収容室と、該回路基板収容室及び電源収 容室の上方を覆うべく前記ケース本体の雄ねじ部にシール部材を介して着脱可能 に螺着され、該ケース本体内を液密に密閉する蓋体と、該蓋体又は前記ケース本 体に設けられ、汚水の通常貯溜面より上方に位置して前記汚水ますの内側に着脱 可能に係止される係合部とから構成するとよい。

【０００８】

【作用】

収容ケースは、汚水の通常貯溜面より上方に位置して汚水ます内に着脱可能に 支持される。 収容ケースを構成する円筒体からなるケース本体にシール部材を介して蓋体を 螺着することにより、収容ケースは高い水密性を確保し、内部の監視通報装置を 保護する。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳述する。 図において、１は耐水性、耐食性を有するＡＢＳ樹脂等の合成樹脂によって成 形した収容ケースを示す。２は該収容ケース１を構成する有底円筒状のケース本 体を示し、該ケース本体２は上方が開口し、下側半分が半円筒状に切欠かれた円 筒部２Ａと、該円筒部２Ａの下端を閉塞する半円状の一側底部２Ｂ及び他側底部 ２Ｃと、該一側及び他側底部２Ｂ、２Ｃ間の側面を閉塞する側壁部２Ｄと、円筒 部２Ａの上端側に周設した環状段部２Ｅと、該環状段部２Ｅの上側に位置して円 筒部２Ａの外周面に形成した雄ねじ部２Ｆとからなっている。 かくして、ケース本体２の下端側には半円筒状の凹陥部３が形成されており、 該凹陥部３に位置して他側底部２Ｃには一対のコネクタ挿着穴４、４が形成して ある。

【００１０】 ５、６はケース本体２内に画成した回路基板収容室及び電池収容室を示し、該 回路基板収容室５及び電池収容室６は円筒部２Ａの中央に円筒部２Ａの上端から 側壁部２Ｄにかけて形成した隔壁７により、それぞれ略半円筒状に形成されてい る。そして、回路基板収容室５内には該隔壁７及び円筒部２Ａの上端側に位置し て周設した段部からなる中蓋受部８が形成してあると共に、円筒部２Ａの内面に は隔壁７と平行に一対の基板嵌着溝９、９が対向して形成してある。

【００１１】 他方、電池収容室６内には、上方にＵ形の切欠き１０Ａ、１０Ａを有する一対 の電池支持板１０、１０が隔壁７と円筒部２Ａの内面にかけて一体に形成してあ る。

【００１２】 １１は回路基板収容室５を密閉する中蓋を示す。該中蓋１１は合成樹脂によっ て成形した半円形状平板に４個のコネクタ挿着穴１２、１２、・・・を周方向に 隔設したものからなっており、ケース本体２の中蓋受部８に接着されている。

【００１３】 更に、１３はケース本体の２の上方を液密に密閉する蓋体を示す。該蓋体１３ は周壁部１３Ａと、該周壁部１３Ａの内面に形成され、ケース本体２の雄ねじ部 ２Ｆと螺合する雌ねじ部１３Ｂと、周壁部１３Ａの上側を覆う天面部１３Ｃと、 該天面部１３Ｃの上側中心に形成したボルト穴１３Ｄとからなっており、ケース 本体２と同じ合成樹脂によって一体に成形してある。 そして、前記蓋体１３はケース本体２に螺嵌してあり、蓋体１３とケース本体 ２との間は、Ｏリング１４によって液密に封止してある。

【００１４】 １５は蓋体１３のボルト穴１３Ｄに螺着した吊下用アイボルトを示し、該吊下 用アイボルト１５は汚水ますＡの内面上方に突設した係止具Ｂに着脱可能に係合 するようになっている。

【００１５】 他方、１６は前述の構成からなる収容ケース１内に設けた監視通報装置を示す 。該監視通報装置１６は図示しないセンサによって検知した真空弁の作動回数を 積算すると共に、所定作動回数に達したか否かを判定する機能、真空弁の作動の 異常を検知する機能、汚水ます異常高水位検出機能、電源電圧の低下を検知する 機能、及びこれら判定、検出結果を記憶素子に記憶し、公衆電話回線を介して監 視局に通報する機能を有するもので、回路基板１６Ａに電子部品を搭載した構成 からなっており、基板嵌着溝９、９に挿嵌した状態で回路基板収容室５に支持さ れている。そして、回路基板１６Ａに接続した各信号線１６Ｂ、１６Ｂ、・・・ は中蓋１１のコネクタ挿着穴１２、１２、・・・に密嵌した密閉型内側コネクタ １７、１７、・・・とそれぞれ接続されており、該密閉型内側コネクタ１７、１ ７、・・・はケース本体２のコネクタ挿着穴４、４に密嵌した密閉型外側コネク タ１８、１８と信号用ケーブル１９、１９を介して接続してある。

【００１６】 他方、２０は前記監視通報装置１６を構成する電源電池を示し、該電源電池２ ０は電池収容室６内に位置して電池支持板１０、１０に交換可能に嵌合支持され 、前記回路基板１６Ａに給電するようになっている。なお、図中２１はシリカゲ ル等からなる乾燥剤である。

【００１７】 本実施例の監視通報器は上述の構成からなっており、一方の密閉型外側コネク タ１８に真空弁側の信号用ケーブルＣ、他方の密閉型外側コネクタ１８に公衆電 話回線側の信号用ケーブル（図示せず）を接続した後、汚水ますＡの係止具Ｂに 吊下用アイボルト１５を係合することにより、汚水の液面Ｄにより上方の位置に 吊下げた状態で使用する。

【００１８】 かくして、本実施例によればケース本体２及び蓋体１３を耐水、耐食性を有す るＡＢＳ樹脂等の合成樹脂で成型したから、使用条件の悪い汚水ますＡ内で長期 間にわたって使用可能な耐久性のある収容ケース１にできる。

【００１９】 また、ケース本体２と蓋体１３は円筒状に形成し、雄ねじ部２Ｆ、雌ねじ部１ ３Ｂを螺合するように構成することにより、収容ケース１内を液密に密閉するよ うにしたから、防水が必要な電子部品を含んで構成される監視通報装置１６を確 実に保護することができる。

【００２０】 しかも、ケース本体２内に画成した回路基板収容室５は中蓋１１によって液密 に密閉する構造にしたから、監視通報装置１６を汚水から一層確実に保護するこ とができる。

【００２１】 更に、収容ケース１は汚水ますＡ内に汚水の通常貯溜面Ｄより上方に位置させ て吊設するように構成したから、収容ケース１が汚水に漬る事態を殆どなくする ことができる。

【００２２】 更にまた、ケース本体２の下側に凹陥部３を形成し、該凹陥部３に位置して他 側底部２Ｃに密閉型外側コネクタ１８を挿着する構成にしたから、組付け作業の 際に信号用ケーブルＣの根本が過度に屈曲された損傷する事態を避けることがで きる。

【００２３】 なお、本実施例では蓋体１３に吊下用アイボルト１５を螺着する構成にしたが 、ケース本体２に吊下用の係合部を設けるようにしてもよい。

【００２４】

【考案の効果】 本考案は以上詳述した如く構成したから、下記の諸効果を奏する。

【００２５】 （１）収容ケースは、汚水の通常貯溜面より上方に位置して汚水ます内に支持す る構成にしたから、収容ケースの外面が汚水によって汚染されたり、収容ケース 内に汚水が侵入する可能性を可及的に少なくすることができると共に、保守管理 が容易であるし、機器の信頼性を高めることができる。

【００２６】 （２）上記（１）と同じ理由から、汚水内に手を入れることなく保守点検作業を 行うことができるので、作業性に優れている。

【００２７】 （３）耐水、耐食性を有する収容ケース内に電源電池を含んで構成される監視通 報装置を収容した監視通報器を汚水ますの内側に設ける構成とし、監視信号は電 話回線を介して通報するようにしたから、雨水、積雪による影響を受けたり、住 民による通報忘れといったミスを生じることがないし、除雪等の作業を不要にで きる。

【００２８】 （４）収容ケースを構成するケース本体は円筒体に形成し、シール部材を介して 蓋体を螺着する構成にしたから、収容ケース内を液密に密閉することができ、汚 水が侵入して内部の監視通報装置が水漏れすることのない信頼性の高い監視通報 器にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る汚水ます内設型監視通報
器の全体構成を示す縦断面図である。

【図２】ケース本体の平面図である。

【図３】中蓋の平面図である。

【符号の説明】

１ 収容ケース ２ ケース本体 ５ 回路基板収容室 ６ 電源収容室 １３ 蓋体 １４ Ｏリング １５ 吊下用アイボルト １６ 監視通報装置 Ａ 汚水ます Ｄ 汚水の通常貯溜面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも耐水、耐食性を有し、汚水の
   通常貯溜面より上方に位置して汚水ますの内側に着脱可
   能に係止する収容ケースと、該収容ケース内に収容さ
   れ、前記汚水ますに内設される真空弁の動作を監視して
   通報する監視通報装置とから構成してなる汚水ます内設
   型監視通報器。
2. 【請求項２】 前記収容ケースは、底部を有し、上端側
   外周に雄ねじ部を有する円筒体からなり、前記底部には
   コネクタ挿着穴を有するケース本体と、該ケース本体内
   に形成された回路基板収容室及び電源収容室と、該回路
   基板収容室及び電源収容室の上方を覆うべく前記ケース
   本体の雄ねじ部にシール部材を介して着脱可能に螺着さ
   れ、該ケース本体内を液密に密閉する蓋体と、該蓋体又
   は前記ケース本体に設けられ、汚水の通常貯溜面より上
   方に位置して前記汚水ますの内側に着脱可能に係止され
   る係合部とから構成したことを特徴とする請求項１記載
   の汚水ます内設型監視通報器。