JPH07290221A - 鋳造装置 - Google Patents
鋳造装置Info
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- JPH07290221A JPH07290221A JP10610894A JP10610894A JPH07290221A JP H07290221 A JPH07290221 A JP H07290221A JP 10610894 A JP10610894 A JP 10610894A JP 10610894 A JP10610894 A JP 10610894A JP H07290221 A JPH07290221 A JP H07290221A
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- JP
- Japan
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- gate
- casting
- casting material
- chamber
- oxide film
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 酸化膜の混入のない鋳物を得ることのできる
鋳造装置を提供する。 【構成】 鋳造装置1は、固相および液相が共存する鋳
造材料6を設置するチャンバ5と、そのチャンバ5内面
に開口するゲート8と、ゲート8に連通する鋳物成形用
キャビティ9と、チャンバ5内の鋳造材料6をゲート8
を通じてキャビティ9に加圧充填するプランジャ11と
を備える。ゲート8の入口近傍領域内周面12は、大径
端がゲート入口10に位置するテーパ面に形成される。
これにより、鋳造材料6の酸化膜13〜15のうちゲー
ト入口10に臨む部分15aを、ゲート8の入口近傍領
域内周面12に付着等させてその内周面12で捕獲する
ことができる。
鋳造装置を提供する。 【構成】 鋳造装置1は、固相および液相が共存する鋳
造材料6を設置するチャンバ5と、そのチャンバ5内面
に開口するゲート8と、ゲート8に連通する鋳物成形用
キャビティ9と、チャンバ5内の鋳造材料6をゲート8
を通じてキャビティ9に加圧充填するプランジャ11と
を備える。ゲート8の入口近傍領域内周面12は、大径
端がゲート入口10に位置するテーパ面に形成される。
これにより、鋳造材料6の酸化膜13〜15のうちゲー
ト入口10に臨む部分15aを、ゲート8の入口近傍領
域内周面12に付着等させてその内周面12で捕獲する
ことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋳造装置、特に、固相お
よび液相が共存する鋳造材料を設置するチャンバと、チ
ャンバ内面に開口するゲートと、ゲートに連通する鋳物
成形用キャビティと、チャンバ内の鋳造材料をゲートを
通じてキャビティに加圧充填するプランジャとを備えた
鋳造装置の改良に関する。
よび液相が共存する鋳造材料を設置するチャンバと、チ
ャンバ内面に開口するゲートと、ゲートに連通する鋳物
成形用キャビティと、チャンバ内の鋳造材料をゲートを
通じてキャビティに加圧充填するプランジャとを備えた
鋳造装置の改良に関する。
【0002】このような鋳造材料を用いる理由は、合金
設計および形状に関する自由度が大きいことにある。
設計および形状に関する自由度が大きいことにある。
【0003】
【従来の技術】従来、この種鋳造装置として、チャンバ
の底壁内面にゲートの入口を開口させ、そのゲートの入
口近傍領域内周面を、その全長に亘り等径の円筒面に形
成したものが知られている(特開平5−318075号
公報参照)。
の底壁内面にゲートの入口を開口させ、そのゲートの入
口近傍領域内周面を、その全長に亘り等径の円筒面に形
成したものが知られている(特開平5−318075号
公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記鋳造材料は一般に
短柱状をなし、その外周面および両端面には酸化膜が存
する。このような酸化膜が鋳物に混入されると、その強
度が著しく損なわれるので、酸化膜をチャンバ内に残す
か、またはゲート内で捕獲しなければならない。
短柱状をなし、その外周面および両端面には酸化膜が存
する。このような酸化膜が鋳物に混入されると、その強
度が著しく損なわれるので、酸化膜をチャンバ内に残す
か、またはゲート内で捕獲しなければならない。
【0005】従来装置においては、鋳造材料をプランジ
ャによりキャビティに加圧充填する際に、鋳造材料のプ
ランジャ側の一端面に存する酸化膜は、その鋳造材料の
一部をチャンバ内に残すことによりそのチャンバ内に残
置され、また外周面に存する酸化膜およびゲート入口側
の他端面に存する酸化膜のうちチャンバの環状底部内面
に対向する部分は、その環状底部内面およびその近傍に
残置される。
ャによりキャビティに加圧充填する際に、鋳造材料のプ
ランジャ側の一端面に存する酸化膜は、その鋳造材料の
一部をチャンバ内に残すことによりそのチャンバ内に残
置され、また外周面に存する酸化膜およびゲート入口側
の他端面に存する酸化膜のうちチャンバの環状底部内面
に対向する部分は、その環状底部内面およびその近傍に
残置される。
【0006】しかしながら、前記他端面に存する酸化膜
のうちゲート入口に臨む部分は、ゲート入口を通じて必
然的にゲート内に進入する。この場合、ゲートの入口近
傍領域内周面が前記のように円筒面に形成されている
と、鋳造材料のゲート進入部が円錐状をなすことから前
記部分のうち一部は入口近傍領域内周面に付着して捕獲
されるが、残りはキャビティ内まで到達して鋳物に混入
する、といった問題を生ずる。
のうちゲート入口に臨む部分は、ゲート入口を通じて必
然的にゲート内に進入する。この場合、ゲートの入口近
傍領域内周面が前記のように円筒面に形成されている
と、鋳造材料のゲート進入部が円錐状をなすことから前
記部分のうち一部は入口近傍領域内周面に付着して捕獲
されるが、残りはキャビティ内まで到達して鋳物に混入
する、といった問題を生ずる。
【0007】本発明は前記に鑑み、鋳造材料に存する酸
化膜のキャビティへの到達を阻止し得るようにした前記
鋳造装置を提供することを目的とする。
化膜のキャビティへの到達を阻止し得るようにした前記
鋳造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、固相および液
相が共存する鋳造材料を設置するチャンバと、前記チャ
ンバ内面に開口するゲートと、前記ゲートに連通する鋳
物成形用キャビティと、前記チャンバ内の前記鋳造材料
を前記ゲートを通じて前記キャビティに加圧充填するプ
ランジャとを備えた鋳造装置において、前記鋳造材料の
酸化膜のうちゲート入口に臨む部分を、前記ゲートの入
口近傍領域内周面で捕獲すべく、その入口近傍領域内周
面を、大径端が前記ゲート入口に位置するテーパ面に形
成したことを特徴とする。
相が共存する鋳造材料を設置するチャンバと、前記チャ
ンバ内面に開口するゲートと、前記ゲートに連通する鋳
物成形用キャビティと、前記チャンバ内の前記鋳造材料
を前記ゲートを通じて前記キャビティに加圧充填するプ
ランジャとを備えた鋳造装置において、前記鋳造材料の
酸化膜のうちゲート入口に臨む部分を、前記ゲートの入
口近傍領域内周面で捕獲すべく、その入口近傍領域内周
面を、大径端が前記ゲート入口に位置するテーパ面に形
成したことを特徴とする。
【0009】
【作用】前記のように構成すると、鋳造材料のプランジ
ャ側の一端面に存する酸化膜は、その鋳造材料の一部を
チャンバ内に残すことによりそのチャンバ内に残置さ
れ、また外周面に存する酸化膜およびゲート入口側の他
端面に存する酸化膜のうちゲート入口に臨む部分を除く
残りの部分はゲート入口周りのチャンバ内面およびその
近傍に残置される。
ャ側の一端面に存する酸化膜は、その鋳造材料の一部を
チャンバ内に残すことによりそのチャンバ内に残置さ
れ、また外周面に存する酸化膜およびゲート入口側の他
端面に存する酸化膜のうちゲート入口に臨む部分を除く
残りの部分はゲート入口周りのチャンバ内面およびその
近傍に残置される。
【0010】さらに前記他端面に存する酸化膜のうちゲ
ート入口に臨む部分は、割れると共に鋳造材料の円錐状
ゲート進入部外面に付着してゲート内に進入するが、ゲ
ートの入口近傍領域内周面が前記のようにテーパ面に形
成されていて、鋳造材料の円錐状ゲート進入部と合致す
るので、そのゲート進入部外面に付着している酸化膜は
前記入口近傍領域内周面に付着したり、またはその内周
面近傍でよどみ、爾後、凝固して入口近傍領域内周面で
捕獲される。
ート入口に臨む部分は、割れると共に鋳造材料の円錐状
ゲート進入部外面に付着してゲート内に進入するが、ゲ
ートの入口近傍領域内周面が前記のようにテーパ面に形
成されていて、鋳造材料の円錐状ゲート進入部と合致す
るので、そのゲート進入部外面に付着している酸化膜は
前記入口近傍領域内周面に付着したり、またはその内周
面近傍でよどみ、爾後、凝固して入口近傍領域内周面で
捕獲される。
【0011】
【実施例】図1において、加圧鋳造装置1は水平な固定
金型2と、それと対向して上下方向に移動する可動金型
3とを有し、その固定金型2の上面にスリーブ4が立設
される。固定金型2とスリーブ4との協働によりチャン
バ5が形成され、そのチャンバ5は上下方向に延び、そ
の内周面は全長に亘り等径の円筒面に形成される。チャ
ンバ5には、固相および液相が共存する短柱状鋳造材料
6が立設される。
金型2と、それと対向して上下方向に移動する可動金型
3とを有し、その固定金型2の上面にスリーブ4が立設
される。固定金型2とスリーブ4との協働によりチャン
バ5が形成され、そのチャンバ5は上下方向に延び、そ
の内周面は全長に亘り等径の円筒面に形成される。チャ
ンバ5には、固相および液相が共存する短柱状鋳造材料
6が立設される。
【0012】また固定および可動金型2,3の協働によ
りチャンバ5の底部内面7に開口するゲート8と、その
ゲート8に連通する鋳物成形用キャビティ9とが形成さ
れる。ゲート入口10はチャンバ5と同軸上に配設さ
れ、したがってゲート入口10周りにおいて、チャンバ
5の底部内面7は環状をなす。
りチャンバ5の底部内面7に開口するゲート8と、その
ゲート8に連通する鋳物成形用キャビティ9とが形成さ
れる。ゲート入口10はチャンバ5と同軸上に配設さ
れ、したがってゲート入口10周りにおいて、チャンバ
5の底部内面7は環状をなす。
【0013】スリーブ4にプランジャ11が摺動自在に
嵌合され、そのプランジャ11によりチャンバ5内の鋳
造材料6を加圧しつつ、ゲート8を通じてキャビティ9
に高速層流逐次充填するようになっている。
嵌合され、そのプランジャ11によりチャンバ5内の鋳
造材料6を加圧しつつ、ゲート8を通じてキャビティ9
に高速層流逐次充填するようになっている。
【0014】ゲート8において、その入口近傍領域内周
面12は、酸化膜を捕獲すべく、大径端がゲート入口1
0に位置するテーパ面に形成される。
面12は、酸化膜を捕獲すべく、大径端がゲート入口1
0に位置するテーパ面に形成される。
【0015】鋳造作業に当っては、固相と液相とが共存
する鋳造材料6を調製し、その鋳造材料6を図2に示す
ようにチャンバ5内に立設する。この場合、鋳造材料6
の全表面、したがってプランジャ11側の上端面、外周
面およびゲート入口10側の下端面は酸化膜13〜15
により覆われている。
する鋳造材料6を調製し、その鋳造材料6を図2に示す
ようにチャンバ5内に立設する。この場合、鋳造材料6
の全表面、したがってプランジャ11側の上端面、外周
面およびゲート入口10側の下端面は酸化膜13〜15
により覆われている。
【0016】プランジャ11を下降させて鋳造材料6を
加圧すると、図3に示すように、鋳造材料6の下端部側
がゲート入口10よりゲート8内に進入する。このと
き、鋳造材料6のゲート入口10側の下端面に存する酸
化膜15のうち、ゲート入口10に臨む部分15aは複
数に割れると共に鋳造材料6のゲート進入部6a外面に
付着してゲート8内に進入する。
加圧すると、図3に示すように、鋳造材料6の下端部側
がゲート入口10よりゲート8内に進入する。このと
き、鋳造材料6のゲート入口10側の下端面に存する酸
化膜15のうち、ゲート入口10に臨む部分15aは複
数に割れると共に鋳造材料6のゲート進入部6a外面に
付着してゲート8内に進入する。
【0017】引続くプランジャ11の下降により鋳造材
料6のゲート進入部6aは、図4に示すように円錐状と
なってゲート8のテーパ状入口近傍領域内周面12に合
致し、これにより前記ゲート進入部6a外面に付着して
いる酸化膜15aは入口近傍領域内周面12に付着した
り、またはその内周面12近傍でよどみ、爾後、凝固し
て入口近傍領域内周面12で捕獲される。
料6のゲート進入部6aは、図4に示すように円錐状と
なってゲート8のテーパ状入口近傍領域内周面12に合
致し、これにより前記ゲート進入部6a外面に付着して
いる酸化膜15aは入口近傍領域内周面12に付着した
り、またはその内周面12近傍でよどみ、爾後、凝固し
て入口近傍領域内周面12で捕獲される。
【0018】一方、鋳造材料6のプランジャ11側の上
端面に存する酸化膜13は、その鋳造材料6の一部をチ
ャンバ5内に残すことによりそのチャンバ5内に残置さ
れ、また外周面に存する酸化膜14およびゲート入口1
0側の下端面に存する酸化膜15のうち、ゲート入口1
0に臨む部分15aを除く残りの部分15bはチャンバ
5の環状底部内面7およびその近傍に残置される。
端面に存する酸化膜13は、その鋳造材料6の一部をチ
ャンバ5内に残すことによりそのチャンバ5内に残置さ
れ、また外周面に存する酸化膜14およびゲート入口1
0側の下端面に存する酸化膜15のうち、ゲート入口1
0に臨む部分15aを除く残りの部分15bはチャンバ
5の環状底部内面7およびその近傍に残置される。
【0019】ゲート8を通過してキャビティ9に高速層
流逐次充填された鋳造材料6には、引続き加圧力を付与
し、その加圧下で鋳造材料6を凝固させる。
流逐次充填された鋳造材料6には、引続き加圧力を付与
し、その加圧下で鋳造材料6を凝固させる。
【0020】ゲート8に進入した酸化膜15aをそのゲ
ート8の入口近傍領域内周面12で確実に捕獲するた
め、図2に示すように酸化膜15のうち、ゲート入口1
0に臨む部分15aの直径Dと、入口近傍領域内周面1
2の母線長さLとの関係は、L>D/2に設定される。
L≦D/2では前記部分15aがその中心部から割れた
とき、割れ片の長さよりも母線長さLが短くなることが
あるからである。
ート8の入口近傍領域内周面12で確実に捕獲するた
め、図2に示すように酸化膜15のうち、ゲート入口1
0に臨む部分15aの直径Dと、入口近傍領域内周面1
2の母線長さLとの関係は、L>D/2に設定される。
L≦D/2では前記部分15aがその中心部から割れた
とき、割れ片の長さよりも母線長さLが短くなることが
あるからである。
【0021】以下、具体例について説明する。
【0022】表1は、固体鋳造材料を構成するAl合金
の組成を示す。
の組成を示す。
【0023】
【表1】 固体鋳造材料は、Al合金組成の溶湯を用い、電磁攪拌
連続鋳造法の適用下で製造された長尺材より切出された
もので、直径76.2mm、長さ85mmの短柱状をなす。
連続鋳造法の適用下で製造された長尺材より切出された
もので、直径76.2mm、長さ85mmの短柱状をなす。
【0024】誘導加熱装置を用い、固体鋳造材料を周波
数 1kH2 、出力 37kWの条件で580℃に加熱
して、固相および液相が共存する半溶融状鋳造材料6を
調製した。この鋳造材料6における酸化膜13〜15の
厚さは約1μmであった。
数 1kH2 、出力 37kWの条件で580℃に加熱
して、固相および液相が共存する半溶融状鋳造材料6を
調製した。この鋳造材料6における酸化膜13〜15の
厚さは約1μmであった。
【0025】その鋳造材料6をチャンバ5内に立設し、
プランジャ11の移動速度 0.07m/sec 、金型温
度 250℃、ゲート8のキャビティ近傍領域における
鋳造材料6の通過速度 2.3m/sec 、ゲート8の入
口近傍領域内周面12のテーパ角度θ 20°(図1参
照)の条件で、鋳造材料6を加圧しつつゲート8を通過
させてキャビティ9に高速層流逐次充填した。その後、
プランジャ11をストローク終端に保持することによっ
てキャビティ9に充填された鋳造材料6に加圧力を付与
し、その加圧下で鋳造材料6を凝固させて鋳物Aを得
た。
プランジャ11の移動速度 0.07m/sec 、金型温
度 250℃、ゲート8のキャビティ近傍領域における
鋳造材料6の通過速度 2.3m/sec 、ゲート8の入
口近傍領域内周面12のテーパ角度θ 20°(図1参
照)の条件で、鋳造材料6を加圧しつつゲート8を通過
させてキャビティ9に高速層流逐次充填した。その後、
プランジャ11をストローク終端に保持することによっ
てキャビティ9に充填された鋳造材料6に加圧力を付与
し、その加圧下で鋳造材料6を凝固させて鋳物Aを得
た。
【0026】その後、チャンバ5の環状底部内面7およ
びその近傍ならびにゲート8の入口近傍領域内周面12
およびその近傍を目視にて調べたところ、それらに凝固
酸化膜が認められた。
びその近傍ならびにゲート8の入口近傍領域内周面12
およびその近傍を目視にて調べたところ、それらに凝固
酸化膜が認められた。
【0027】比較のため、前記テーパ角度θをθ=0°
に設定した以外は、前記と同一条件にて鋳物Bを得た。
に設定した以外は、前記と同一条件にて鋳物Bを得た。
【0028】図5は鋳物Aの破断面における金属組織を
示す顕微鏡写真であり、また図6は鋳物Bの破断面にお
ける金属組織を示す顕微鏡写真である。図5,6におい
て、大きな球状部分は初晶α−Al、微細な灰色の点状
部分は共晶Siであり、図6において黒色の点状および
片状部分は酸化膜である。したがって図5の鋳物Aにお
いては酸化膜の混入が発生していないが、図6の鋳物B
には酸化膜の混入が発生していることが判る。
示す顕微鏡写真であり、また図6は鋳物Bの破断面にお
ける金属組織を示す顕微鏡写真である。図5,6におい
て、大きな球状部分は初晶α−Al、微細な灰色の点状
部分は共晶Siであり、図6において黒色の点状および
片状部分は酸化膜である。したがって図5の鋳物Aにお
いては酸化膜の混入が発生していないが、図6の鋳物B
には酸化膜の混入が発生していることが判る。
【0029】次に、前記テーパ角度θを0〜40°の範
囲で変化させて、酸化膜が混入した鋳物の発生率を調べ
たところ、図7の結果を得た。
囲で変化させて、酸化膜が混入した鋳物の発生率を調べ
たところ、図7の結果を得た。
【0030】調査方法は、各テーパ角度θに応じて50
個の鋳物を製造し、次いで各鋳物から引張り試験片を作
製し、その後各試験片について引張り試験を行った。こ
の引張り試験において、伸びが2%以下といったように
極めて低いものについて、その破面を顕微鏡観察したと
ころ、酸化膜の混入が認められた。
個の鋳物を製造し、次いで各鋳物から引張り試験片を作
製し、その後各試験片について引張り試験を行った。こ
の引張り試験において、伸びが2%以下といったように
極めて低いものについて、その破面を顕微鏡観察したと
ころ、酸化膜の混入が認められた。
【0031】そこで、前記発生率aは、酸化膜混入試験
片の個数をbとしたとき、各テーパ角度θに対応する試
験片の総個数は50個であるから、a=(b/50)×
100(%)として求められた。
片の個数をbとしたとき、各テーパ角度θに対応する試
験片の総個数は50個であるから、a=(b/50)×
100(%)として求められた。
【0032】図7から明らかなように、テーパ角度θを
θ≧20°に設定すると、鋳物における酸化膜の混入を
確実に回避することができる。
θ≧20°に設定すると、鋳物における酸化膜の混入を
確実に回避することができる。
【0033】図8は他の実施例を示し、ゲート8の入口
近傍領域内周面12の小径端に、水平な環状段付面16
を連設したものである。このように構成すると、万一、
酸化膜15aの一部が前記内周面12を通過した場合に
も、その流れを水平な環状段付面16の位置でよどませ
て、そこに留め、これにより酸化膜15aの捕獲を一層
確実に行うことができる。
近傍領域内周面12の小径端に、水平な環状段付面16
を連設したものである。このように構成すると、万一、
酸化膜15aの一部が前記内周面12を通過した場合に
も、その流れを水平な環状段付面16の位置でよどませ
て、そこに留め、これにより酸化膜15aの捕獲を一層
確実に行うことができる。
【0034】図9はさらに他の実施例を示し、チャンバ
5の内周面にゲート8を開口させたものである。このよ
うな構成においては、鋳造材料6の外周面に存する酸化
膜14のうちゲート入口10に臨む部分14aを、ゲー
ト8の入口近傍領域内周面12で捕獲することができ
る。
5の内周面にゲート8を開口させたものである。このよ
うな構成においては、鋳造材料6の外周面に存する酸化
膜14のうちゲート入口10に臨む部分14aを、ゲー
ト8の入口近傍領域内周面12で捕獲することができ
る。
【0035】この場合、鋳造材料6の外周面に存する酸
化膜14のうちゲート入口10上方に存する部分14b
をゲート8内に押込まないようにするため、プランジャ
11の下端部においてゲート入口10上方に存する部位
に切欠き17が形成され、この切欠き17の長さL1 は
鋳造材料6の長さL2 よりも長くなるように設定される
(即ち、L1 >L2 )。前記部分14aを除く残りの酸
化膜13、酸化膜14の大部分および酸化膜15はチャ
ンバ5内に残置される。
化膜14のうちゲート入口10上方に存する部分14b
をゲート8内に押込まないようにするため、プランジャ
11の下端部においてゲート入口10上方に存する部位
に切欠き17が形成され、この切欠き17の長さL1 は
鋳造材料6の長さL2 よりも長くなるように設定される
(即ち、L1 >L2 )。前記部分14aを除く残りの酸
化膜13、酸化膜14の大部分および酸化膜15はチャ
ンバ5内に残置される。
【0036】なお、加圧鋳造装置には、図1の装置1を
紙面に直交する軸線回りに反時計方向に90°回転させ
た形式のもの、即ち、水平なプランジャ11により鋳造
材料6を上下方向に延びるゲート8を介してそのゲート
8上方のキャビティ9に充填するようにしたものも該当
する。
紙面に直交する軸線回りに反時計方向に90°回転させ
た形式のもの、即ち、水平なプランジャ11により鋳造
材料6を上下方向に延びるゲート8を介してそのゲート
8上方のキャビティ9に充填するようにしたものも該当
する。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、ゲートの入口近傍領域
内周面を前記のようにテーパ面に形成することによっ
て、鋳造材料の酸化膜のうち、ゲート入口に臨む部分
を、前記内周面で捕獲することができ、これにより酸化
膜の混入のない高品質な鋳物を得ることが可能な鋳造装
置を提供することができる。
内周面を前記のようにテーパ面に形成することによっ
て、鋳造材料の酸化膜のうち、ゲート入口に臨む部分
を、前記内周面で捕獲することができ、これにより酸化
膜の混入のない高品質な鋳物を得ることが可能な鋳造装
置を提供することができる。
【図1】鋳造装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】鋳造材料を鋳造装置に設置した状態を示す、図
1の要部拡大図である。
1の要部拡大図である。
【図3】鋳造材料がゲートの入口近傍領域に進入開始し
た状態を示す、図1の要部拡大図である。
た状態を示す、図1の要部拡大図である。
【図4】鋳造材料がゲートの入口近傍領域に進入完了し
た状態を示す、図1の要部拡大図である。
た状態を示す、図1の要部拡大図である。
【図5】鋳物の破断面における金属組織の一例を示す顕
微鏡写真である。
微鏡写真である。
【図6】鋳物の破断面における金属組織の他例を示す顕
微鏡写真である。
微鏡写真である。
【図7】テーパ角度θと酸化膜混入鋳物の発生率との関
係を示すグラフである。
係を示すグラフである。
【図8】鋳造装置の他例を示す要部縦断面図である。
【図9】鋳造装置のさらに他例を示す要部縦断面図であ
る。
る。
5 チャンバ 6 鋳造材料 8 ゲート 9 キャビティ 10 ゲート入口 11 プランジャ 12 入口近傍領域内周面 13〜15 酸化膜 15a ゲート入口に臨む部分
Claims (2)
- 【請求項1】 固相および液相が共存する鋳造材料
(6)を設置するチャンバ(5)と、前記チャンバ
(5)内面に開口するゲート(8)と、前記ゲート
(8)に連通する鋳物成形用キャビティ(9)と、前記
チャンバ(5)内の前記鋳造材料(6)を前記ゲート
(8)を通じて前記キャビティ(9)に加圧充填するプ
ランジャ(11)とを備えた鋳造装置において、前記鋳
造材料(6)の酸化膜(13〜15)のうちゲート入口
(10)に臨む部分(15a)を、前記ゲート(8)の
入口近傍領域内周面(12)で捕獲すべく、その入口近
傍領域内周面(12)を、大径端が前記ゲート入口(1
0)に位置するテーパ面に形成したことを特徴とする鋳
造装置。 - 【請求項2】 前記入口近傍領域内周面(12)におけ
るテーパ角度θはθ≧20°である、請求項1記載の鋳
造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10610894A JPH07290221A (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | 鋳造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10610894A JPH07290221A (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | 鋳造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07290221A true JPH07290221A (ja) | 1995-11-07 |
Family
ID=14425295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10610894A Pending JPH07290221A (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | 鋳造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07290221A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100338925B1 (ko) * | 2000-08-17 | 2002-05-30 | 김임용 | 세미 솔리드 금형 |
WO2005018852A1 (ja) * | 2003-08-26 | 2005-03-03 | Honda Motor Co., Ltd. | 鋳鉄のチクソキャスティング装置と方法 |
-
1994
- 1994-04-21 JP JP10610894A patent/JPH07290221A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100338925B1 (ko) * | 2000-08-17 | 2002-05-30 | 김임용 | 세미 솔리드 금형 |
WO2005018852A1 (ja) * | 2003-08-26 | 2005-03-03 | Honda Motor Co., Ltd. | 鋳鉄のチクソキャスティング装置と方法 |
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