JPH0728957U - 電磁浮揚溶解炉 - Google Patents
電磁浮揚溶解炉Info
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- JPH0728957U JPH0728957U JP6298793U JP6298793U JPH0728957U JP H0728957 U JPH0728957 U JP H0728957U JP 6298793 U JP6298793 U JP 6298793U JP 6298793 U JP6298793 U JP 6298793U JP H0728957 U JPH0728957 U JP H0728957U
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- water passage
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 水冷セグメントで発生する電流によるターン
形成を阻止して水冷セグメントの過熱を防止して、加熱
効率を向上させると共に、水冷セグメントの脆性破壊を
防止して長寿命化を図った電磁浮揚溶解炉を提供するも
のである。 【構成】 上部を開口した銅管4の側壁5に縦方向のス
リット6を周方向に沿って間隔を置いて放射状に複数個
形成し、この隣接するスリット6の間の側壁5の内部に
夫々通水路7を設けて溶解室2となる水冷セグメント3
を形成して加熱コイル1の内側に配置し、前記水冷セグ
メント3の上部に、環状の通水路10を内側に形成したシ
ールドリング11を設け、前記水冷セグメント3とシール
ドリング11との間に冷却水12を通水する通水口16を開口
した耐熱性絶縁リング15を介在させたことを特徴とする
ものである。
形成を阻止して水冷セグメントの過熱を防止して、加熱
効率を向上させると共に、水冷セグメントの脆性破壊を
防止して長寿命化を図った電磁浮揚溶解炉を提供するも
のである。 【構成】 上部を開口した銅管4の側壁5に縦方向のス
リット6を周方向に沿って間隔を置いて放射状に複数個
形成し、この隣接するスリット6の間の側壁5の内部に
夫々通水路7を設けて溶解室2となる水冷セグメント3
を形成して加熱コイル1の内側に配置し、前記水冷セグ
メント3の上部に、環状の通水路10を内側に形成したシ
ールドリング11を設け、前記水冷セグメント3とシール
ドリング11との間に冷却水12を通水する通水口16を開口
した耐熱性絶縁リング15を介在させたことを特徴とする
ものである。
Description
【0001】
本考案は溶解室の上部構造を改良した電磁浮揚溶解炉に関するものである。
【0002】
従来の断熱耐火材をライニングして溶解室を形成した誘導溶解炉に代わり、溶 解室を金属で形成し、溶湯金属を溶解室内に浮揚させて高温、高純度のクリ−ン 溶解を行なう電磁浮揚溶解炉が開発されている。この電磁浮揚溶解炉の構造は、 例えば図6に示すように形成されている。この溶解炉は水冷銅管を螺旋状に巻回 した加熱コイル1の内側に溶解室2となる水冷セグメント3が設けられている。 この水冷セグメント3は銅ブロックを切り出して上部を開口したるつぼ形の銅管 4を形成し、この側壁5の中間に、縦方向のスリット6…を周方向に沿って間隔 をおいて放射状に複数個形成されている。この隣接するスリット6、6の間の側 壁5の内部に夫々縦方向の通水路7が形成されている。
【0003】 この水冷セグメント3の下部には銅製炉床8が接続され、この内部に給水側の 通水路9が設けられこの通水路9の上部は分岐して水冷セグメント3の内部に形 成した通水路7…に連通している。また溶解室2となる水冷セグメント3のスリ ット6が形成されていない上部側壁5の外周には、内部に環状通水路10が形成さ れたシールドリング11が接合され、この環状通水路10は前記水冷セグメント3の 通水路7の上部に連通して、ここを上昇してきた冷却水12が環状通水路10を流れ て排水側の通水路13から外部に排水されるようになっている。
【0004】 上記構成の電磁浮揚溶解炉は、冷却水を通水した状態で加熱コイル1に電力の 大きな高周波交番電流を流すと、この交番電流によって溶解室2内の溶湯金属14 内に誘起される逆起電電流との相互作用によって溶湯金属14に浮揚力が得られる と共に、溶湯金属自身の抵抗とここを流れる逆起電電流により加熱溶解される。 溶湯金属14は浮揚して加熱溶解されるので溶解室2の側壁5と接触せず、高温溶 解が可能となると共に、高純度の溶解が行なえる。なお溶湯金属14が側壁5に触 れても、この側壁5は水冷セグメント3で形成されているので直ちに急冷されて 、加熱コイル1を保護することができるようになっている。
【0005】 しかしながら上記構造の電磁浮揚溶解炉は溶解室2を構成する水冷セグメント 3は、銅ブロックを一体に切出して上部を開口した銅管4で形成され、その中間 部の側壁5に放射状にスリット6が形成されているが、このスリット6の上部は 連続した筒状となっている。このため水冷セグメント3を貫通する磁束により電 流が誘起されて、この電流はスリット6が形成されている中間部分では周方向に は流れないが、スリット6の上部の連続して筒状になっている部分に流れて、周 方向に電流が流れるターンが形成される。また上部と下部の連続した筒状部の存 在により、隣接セグメント間で軸方向に電流が流れるターンが形成される。この ターン電流と水冷セグメント3自身の抵抗により過熱されるため、電力がロスさ れて加熱効率が低下する問題があった。また水冷セグメント3が過熱されること により、脆性破壊を起し寿命を低下させるおそれもあった。
【0006】
本考案は上記欠点を除去し、水冷セグメントで発生する電流によるターン形成 を阻止して水冷セグメントの過熱を防止して、加熱効率を向上させると共に、水 冷セグメントの脆性破壊を防止して長寿命化を図った電磁浮揚溶解炉を提供する ものである。
【0007】
本考案は、上部を開口した銅管の側壁に縦方向のスリットを周方向に沿って間 隔を置いて放射状に複数個形成し、この隣接するスリットの間の側壁内部に夫々 通水路を設けて溶解室となる水冷セグメントを形成して、これを加熱コイルの内 側に配置すると共に、前記水冷セグメントの上部に、環状の通水路を内側に形成 したシールドリングを設け、前記水冷セグメントとシールドリングとの間に冷却 水を通水する通水口を開口した耐熱性絶縁リングを介在させたことを特徴とする ものである。
【0008】
本考案の電磁浮揚溶解炉は、水冷セグメントの通水路に冷却水を通水すると、 冷却水はここを上昇して、耐熱性絶縁リングの通水口を通ってシールドリングの 環状通水路に流入し、更にここから通水路を通って外部に排水される。加熱コイ ルに電力の大きな高周波交番電流を流すと、この交番電流によって溶解室内に投 入した金属内に誘起される逆起電電流との相互作用によって溶湯金属に浮揚力が 得られると共に、溶湯金属自身の抵抗と、ここを流れる逆起電電流により加熱溶 解される。
【0009】 このとき水冷セグメントを貫通する磁束により電流が誘起されて、この電流は スリットが形成されている側壁部分では周方向には流れず、上部のシールドリン グとの間には耐熱性絶縁リングが介在して絶縁されているので、周方向および隣 接軸方向に電流の流れるターンが形成されず過熱を防止することができる。
【0010】 また溶解室の上部側壁には環状通水路を形成したシールドリングが設けられて 、連続した短絡リングが形成されているので、加熱コイルから溶解室の上部に漏 れた磁束がシールドリングと鎖交し、ここで逆起電力により短絡電流が流れる。 この短絡電流によって誘起された磁束が、加熱コイルからの磁束を打ち消して溶 解室の上方に磁束が漏れるのを防止すると共に、溶解室の上部から盛上がろうと する溶湯金属を押え込む作用が働いて、溶解室から飛出すのを阻止することがで きる。
【0011】
以下本考案の一実施例を図1ないし図5を参照して詳細に説明する。この電磁 浮揚溶解炉は、水冷銅管を螺旋状に巻回した加熱コイル1の内側に溶解室2とな る水冷セグメント3が設けられている。この水冷セグメント3は銅ブロックを切 り出して上部を開口したるつぼ形の銅管4を形成し、この側壁5の中間から上端 に、縦方向のスリット6…を周方向に沿って間隔を置いて放射状に複数個形成さ れている。この隣接するスリット6、6の間の側壁5の内部には図3および図4 に示すように夫々縦方向の通水路7…が形成されている。
【0012】 この水冷セグメント3の下部には図1に示すように銅製炉床8が接続され、こ の内部に給水側の通水路9が設けられ、更にこの通水路9の上部は分岐して水冷 セグメント3の内部に夫々形成した通水路7…に連通している。またスリット6 を形成した水冷セグメント3の上部には、耐熱性絶縁リング15を介在させてシー ルドリング11が設けられている。このシールドリング11は銅リングを組合わせて 、内部に環状通水路10が形成され、この環状通水路10は排水側の通水路13に連通 している。
【0013】 また前記耐熱性絶縁リング15は外径がシールドリング11と同じで、セラミック などの耐熱性と絶縁性に優れた材料で形成され、水冷セグメント3の内部に形成 した複数個の通水路7…に対応して、図5に示すように複数個の通水口16…が同 一円周上に開口され、水冷セグメント3の通水路7…とシールドリング11の環状 通水路10とを連通して冷却水12を通水するようになっている。
【0014】 また水冷セグメント3の上端外周には図3に拡大して示すように、外径がシー ルドリング11と同じ板状のフランジ部17…が各通水路7…に対応して放射状に突 設され、この周縁側にボルト取付け孔18が開口されている。またシールドリング 11の周縁側にも図2に示すように前記ボルト取付け孔18と対応して内部を絶縁し た複数個のボルト取付け孔19が開孔されて、両ボルト取付け孔18、19に絶縁ワッ シャ20を介してボルト21を貫通させてナット22で締め付けて、水冷セグメント3 とシールドリング11を一体に連結している。
【0015】 上記構成の電磁浮揚溶解炉は、図1に示すように銅製炉床8の内部に設けた通 水路9から給水すると、ここに連通する水冷セグメント3の通水路7に流れて上 昇し、耐熱性絶縁リング15の通水口16を通ってシールドリング11の環状通水路10 に流入し、更にここから通水路13を通って外部に排水される。
【0016】 この状態で加熱コイル1に電力の大きな高周波交番電流を流すと、この交番電 流によって溶解室2内の溶湯金属14内に誘起される逆起電電流との相互作用によ って溶湯金属14に浮揚力が得られると共に、溶湯金属自身の抵抗とここを流れる 逆起電電流により加熱溶解される。溶湯金属14は浮揚して加熱溶解されるので溶 解室2の側壁5と接触せず、高温溶解が可能となると共に、高純度の溶解が行な える。
【0017】 また水冷セグメント3を貫通する磁束により電流が誘起されて、この電流はス リット6が形成されている側壁部分とフランジ部17では周方向には流れず、また 上部のシールドリング11との間には耐熱性絶縁リング15が介在して絶縁されてい るので、周方向および軸方向に電流の流れるターンが形成されない。このためタ ーン電流による過熱がないので、電力のロスがなく加熱効率を向上させることが できる。また水冷セグメント3が過熱されないので、脆性破壊を防止して寿命を 長くすることができる。
【0018】 また溶解室2の上部側壁5には環状通水路10を形成したシールドリング11が設 けられて、連続した短絡リングが形成されているので、加熱コイル1から溶解室 2の上部に漏れた磁束が、シールドリング11と鎖交し、ここで逆起電力により短 絡電流が流れる。この短絡電流によって誘起された磁束が、加熱コイル1からの 磁束を打ち消して溶解室2の上方に磁束が漏れるのを防止することができる。
【0019】 このため溶解室2内の上部から盛上がろうとする溶湯金属14を押え込む作用が 働いて溶解室2から露出せず、また必要以上に大きな電力をかけてもこれに比例 して押え込む力が大きくなるので溶湯金属14の飛出しが阻止される。またこのよ うに、溶解室2の上部にシールドリング11を配置することにより、周辺機器への 熱的な影響を防止することができる。なおシールドリング11に短絡電流が流れる と発熱するが、内部に環状通水路10が形成されてここで十分に冷却され、しかも シールドリング11の断面積が大きく抵抗が小さいので発生する熱を少なくして溶 解炉の大容量化が可能である。
【0020】
以上説明した如く本考案によれば、水冷セグメントとシールドリングとの間に 耐熱性絶縁リングを介在させているので、水冷セグメントで発生する誘導電流に よるターン形成を阻止して水冷セグメントの過熱を防止し、加熱効率を向上させ ると共に、水冷セグメントの脆性破壊を防止して長寿命化を図った電磁浮揚溶解 炉を得ることができる。
【図1】本考案の一実施例による電磁浮揚溶解炉を示す
断面図である。
断面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】水冷セグメントの上部を拡大して示す斜視図で
ある。
ある。
【図4】図1のAーA線断面図である。
【図5】耐熱性絶縁リングの平面図である。
【図6】従来の電磁浮揚溶解炉を示す断面図である。
1 加熱コイル 2 溶解室 3 水冷セグメント 4 銅管 5 側壁 6 スリット 7 通水路 8 銅製炉床 10 環状通水路 11 シールドリング 12 冷却水 14 溶湯金属 15 耐熱性絶縁リング 16 通水口 17 フランジ部 20 絶縁ワッシャ 21 ボルト
Claims (1)
- 【請求項1】 上部を開口した銅管の側壁に縦方向のス
リットを周方向に沿って間隔を置いて放射状に複数個形
成し、この隣接するスリットの間の側壁内部に夫々通水
路を設けて溶解室となる水冷セグメントを形成して、こ
れを加熱コイルの内側に配置すると共に、前記水冷セグ
メントの上部に、環状の通水路を内側に形成したシール
ドリングを設け、前記水冷セグメントとシールドリング
との間に冷却水を通水する通水口を開口した耐熱性絶縁
リングを介在させたことを特徴とする電磁浮揚溶解炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993062987U JP2604687Y2 (ja) | 1993-10-30 | 1993-10-30 | 電磁浮揚溶解炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993062987U JP2604687Y2 (ja) | 1993-10-30 | 1993-10-30 | 電磁浮揚溶解炉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0728957U true JPH0728957U (ja) | 1995-05-30 |
JP2604687Y2 JP2604687Y2 (ja) | 2000-05-22 |
Family
ID=13216234
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993062987U Expired - Lifetime JP2604687Y2 (ja) | 1993-10-30 | 1993-10-30 | 電磁浮揚溶解炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2604687Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8599899B2 (en) | 2008-10-29 | 2013-12-03 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Agitation device, melting apparatus and melting method |
US8767794B2 (en) | 2012-02-14 | 2014-07-01 | Korea Hydro & Nuclear Power Co., Ltd. | Low temperature melting furnace and metal sector using an external cooling passage |
-
1993
- 1993-10-30 JP JP1993062987U patent/JP2604687Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8599899B2 (en) | 2008-10-29 | 2013-12-03 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Agitation device, melting apparatus and melting method |
US8767794B2 (en) | 2012-02-14 | 2014-07-01 | Korea Hydro & Nuclear Power Co., Ltd. | Low temperature melting furnace and metal sector using an external cooling passage |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2604687Y2 (ja) | 2000-05-22 |
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