JPH0728890A - ジョブスケジューリング方法および装置 - Google Patents

ジョブスケジューリング方法および装置

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JPH0728890A
JPH0728890A JP16884493A JP16884493A JPH0728890A JP H0728890 A JPH0728890 A JP H0728890A JP 16884493 A JP16884493 A JP 16884493A JP 16884493 A JP16884493 A JP 16884493A JP H0728890 A JPH0728890 A JP H0728890A
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JP
Japan
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job
permutation
partial permutation
partial
storage area
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Pending
Application number
JP16884493A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Shibazaki
真人 柴崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
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Publication of JPH0728890A publication Critical patent/JPH0728890A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/30Computing systems specially adapted for manufacturing

Landscapes

  • General Factory Administration (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フローショップ型の生産ラインにおけるジョ
ブスケジューリングで、スケジュール選択基準を満足す
るスケジュールが存在するなら、それを効率的に必ず見
つけることができるスケジューリング方法および装置を
提供する。 【構成】 探索の途中で、ジョブを選択する際の評価値
として、部分順列でのスケジュールの評価関数の値の代
わりに下界値を用い、その下界値がスケジュール選択基
準を満足しない部分順列を枝切りする(62,63)。
また、下界値が暫定解の評価関数値よりも大きい部分順
列を枝切する(66,71)。さらに、探索途中で、次
に順序づけるジョブを決定するときには、下界値とスケ
ジュール選択基準値との差の最も大きいものを選ぶ(6
3)。 【効果】 探索の途中で、ジョブを選択する際の評価値
として、下界値を用いることにより、探索空間を効率的
に狭め、探索空間を調べつくすことが可能となり、スケ
ジュール選択基準を満足するスケジュールが存在するな
ら、それを効率的に必ず見つけることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジョブスケジューリン
グ方法および装置に関し、さらに詳しくは、フローショ
ップ型の生産ラインにおけるジョブスケジューリング方
法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】製造業におけるフローショップ型の生産
ラインは、次のような特徴を持っている。 ジョブ1からジョブnまでのn個のジョブがあり、各
ジョブは機械1から機械mまでの機械で順に処理され
る。 各機械は、一度に1つのジョブしか処理できない。 このようなフローショップ型の生産ラインにおけるジョ
ブスケジューリング方法としては、m=2の場合(2機
械問題)に対してジョンソンの規則が知られており、m
=3以上の場合に対して分枝限定法が知られている。
【0003】また、従来のジョブスケジューリングシス
テムとして、ISIS(M.S.Fox,S.F.Smith“IS
IS - a knowledge based system for factory scheduli
ng”,Expert Systems,1[1],1984,25-49)が知
られている。このISISにおけるジョブスケジューリ
ング方法では、順列(スケジュール順にジョブを並べた
列)の先頭または最後尾から一方向に探索的にジョブを
順序づけていく。探索途中で、次に順序づけるジョブを
決定するとき、部分順列(スケジュール順に一部のジョ
ブを並べた列)でのスケジュールの評価関数の値を計算
し、スケジュール選択基準を満足し且つスケジュール選
択基準値との差が最も大きい評価関数の値を持つ部分順
列を選択する。もし、スケジュール選択基準を満足する
評価関数の値を持つ部分順列がなければ、スケジュール
選択基準をゆるめ、再度、初めから探索を行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のジョブスケジュ
ーリング方法のうち、ジョンソンの規則は、m=3以上
の場合に対して適用できない。また、分枝限定法は、下
界値を利用して枝切りする(探索の対象から外す)こと
が行われるが、その効率が悪く、調べつくすことが不可
能なほど大きな探索空間となり、解を得られない場合が
ある。
【0005】一方、ISISで採用しているジョブスケ
ジューリング方法では、一方向への探索の途中で、次に
順序づけるジョブを決定するとき、スケジュール選択基
準値との差の最も大きい評価関数の値を持つ部分順列を
選択する。これは、そういった部分順列が、スケジュー
ル選択基準を満足する完全順列の一部である可能性が高
いという仮定に基づいている。しかし、換言すれば、こ
の仮定が成立しない場合もあるということであり、その
場合、スケジュール選択基準を満足する完全順列を見つ
けられない可能性が多分にある。
【0006】そこで、本発明の目的は、m=3以上の場
合に対して適用でき、且つ、スケジュール選択基準を満
足するスケジュールが存在するなら、それを効率的に必
ず見つけることが出来るジョブスケジューリング方法お
よび装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、本発明
は、フローショップ型の生産ラインにおけるジョブデー
タとスケジュール選択基準とを与えられ、そのスケジュ
ール選択基準を満足するジョブの完全順列を探索するジ
ョブスケジューリング方法であって、部分順列格納エリ
アをもつセルを1個以上有する部分順列管理表を設け、
前記スケジュール選択基準を基に先頭のジョブの候補を
探索して得た各々を部分順列として前記セルの前記部分
順列格納エリアに個別に格納し、次に、前記部分順列格
納エリアに格納されたジョブの部分順列を保存した上で
生産ラインの制約を緩和した緩和問題を最適に解いて得
た所定の評価関数値を下界値としその下界値が前記スケ
ジュール選択基準を満足する場合のみ前記スケジュール
選択基準を基に当該部分順列に続くジョブを探索して当
該部分順列に付加して新たな部分順列としそれを前記セ
ルの前記部分順列格納エリアに格納し、これを繰り返し
て1個以上の完全順列を探索することを特徴とするジョ
ブスケジューリング方法を提供する。
【0008】第2の観点では、本発明は、上記第1の観
点の構成に加えて、完全順列が得られる毎にそれらの下
界値の最小値を暫定解とし、部分順列格納エリアに格納
されたジョブの部分順列を保存した上で生産ラインの制
約を緩和した緩和問題を最適に解いて得た所定の評価関
数値を下界値とし前記暫定解が設定されているときはそ
の暫定解より下界値が小さい場合のみ前記スケジュール
選択基準を基に当該部分順列に続くジョブを探索して当
該部分順列に付加して新たな部分順列としそれを前記セ
ルの前記部分順列格納エリアに格納し、これを繰り返し
て完全順列を探索する構成をもつことを特徴とするジョ
ブスケジューリング方法を提供する。
【0009】第3の観点では、本発明は、上記第1また
は第2の観点の構成に加えて、探索途中で次に順序づけ
るジョブを決定するとき、下界値とスケジュール選択基
準値との差の最も大きいものを選ぶ構成をもつことを特
徴とするジョブスケジューリング方法を提供する。
【0010】第4の観点では、本発明は、フローショッ
プ型の生産ラインにおけるジョブデータとスケジュール
選択基準とを与えられ、そのスケジュール選択基準を満
足するジョブの完全順列を探索するジョブスケジューリ
ング装置であって、部分順列格納エリアをもつセルを1
個以上有する部分順列管理表と、前記スケジュール選択
基準を基に先頭のジョブの候補を探索して得た各々を部
分順列として前記セルの前記部分順列格納エリアに個別
に格納する先頭ジョブ探索格納手段と、前記部分順列格
納エリアに格納されたジョブの部分順列を保存した上で
生産ラインの制約を緩和した緩和問題を最適に解いて得
た所定の評価関数値を下界値としその下界値が前記スケ
ジュール選択基準を満足する場合は前記スケジュール選
択基準を基に当該部分順列に続くジョブを探索して当該
部分順列に付加して新たな部分順列としそれを前記セル
の前記部分順列格納エリアに格納する部分順列成長手段
と、その部分順列成長手段を繰り返し動作させる制御手
段とを具備したことを特徴とするジョブスケジューリン
グ装置を提供する。
【0011】第5の観点では、本発明は、フローショッ
プ型の生産ラインにおけるジョブデータとスケジュール
選択基準とを与えられ、そのスケジュール選択基準を満
足するジョブの完全順列を探索するジョブスケジューリ
ング装置であって、部分順列格納エリアをもつセルを1
個以上有する部分順列管理表と、前記スケジュール選択
基準を基に先頭のジョブの候補を探索して得た各々を部
分順列として前記セルの前記部分順列格納エリアに個別
に格納する先頭ジョブ探索格納手段と、前記部分順列格
納エリアに格納されたジョブの部分順列を保存した上で
生産ラインの制約を緩和した緩和問題を最適に解いた解
の値である下界値を算出してその下界値が前記スケジュ
ール選択基準を満足する場合は前記スケジュール選択基
準を基に当該部分順列に続くジョブを探索して当該部分
順列に付加して新たな部分順列としそれを前記セルの前
記部分順列格納エリアに格納する第1の部分順列成長手
段と、その第1の部分順列成長手段を繰り返し動作させ
る第1の制御手段と、完全順列が得られる毎にそれらの
下界値の最小値を暫定解とする暫定解設定手段と、暫定
解が設定されているときには部分順列格納エリアに格納
されたジョブの部分順列を保存した上で生産ラインの制
約を緩和した緩和問題を最適に解いた解の値である下界
値を算出してその下界値が暫定解より小さい場合は前記
スケジュール選択基準を基に当該部分順列に続くジョブ
を探索して当該部分順列に付加して新たな部分順列とし
それを前記セルの前記部分順列格納エリアに格納する第
2の部分順列成長手段と、前記暫定解設定手段および前
記第2の部分順列成長手段を繰り返し動作させる第2の
制御手段とを具備したことを特徴とするジョブスケジュ
ーリング装置を提供する。
【0012】第6の観点では、本発明は、上記第4また
は第5の観点によるジョブスケジューリング装置におい
て、部分順列成長手段が、探索途中で次に順序づけるジ
ョブを決定するとき、下界値とスケジュール選択基準値
との差の最も大きいものを選ぶことを特徴とするジョブ
スケジューリング装置を提供する。
【0013】
【作用】上記第1の観点によるジョブスケジューリング
方法および第4の観点によるジョブスケジューリング装
置では、探索の途中で、ジョブを選択する際の評価値と
して、部分順列でのスケジュールの評価関数の値の代わ
りに下界値を用いる。下界値とは、部分順列において、
評価関数の値が最小になるように残りのジョブを順序づ
ける問題を、制約を緩和することにより、緩和問題に変
換し、その緩和問題を数理的に最適に解いた解の値であ
る。そして、下界値がスケジュール選択基準を満足しな
い部分順列を枝切りする。下界値は部分順列でのスケジ
ュールの評価関数値よりも値が大きいので、部分順列で
のスケジュールの評価関数値がスケジュール選択基準を
満足する部分順列を探索の対象とする従来に比べて、枝
切りできる部分順列が多くなり、探索空間を効率的に狭
めることが出来る。そこで、探索空間を調べつくすこと
が可能となり、スケジュール選択基準を満足するスケジ
ュールが存在するなら、それを効率的に必ず見つけるこ
とが出来る。なお、緩和問題を数理的に最適に解く際に
は、OR(Operations Research)の分野での解法を応
用することが出来る。
【0014】上記第2の観点によるジョブスケジューリ
ング方法および第5の観点によるジョブスケジューリン
グ装置では、下界値がスケジュール選択基準を満足しな
い部分順列を枝切りするのに加えて、下界値が暫定解の
評価関数値よりも大きい部分順列を枝切する。暫定解と
は、既に得られている完全順列の下界値の最小値であ
る。これにより、枝切りの効率がさらに高くなり、探索
空間を効率的に狭めることができ、探索空間を調べつく
すことが可能となる。すなわち、スケジュール選択基準
を満足するスケジュールが存在するなら、それを効率的
に必ず見つけることが出来る。
【0015】上記第3の観点によるジョブスケジューリ
ング方法および第6の観点によるジョブスケジューリン
グ装置では、下界値がスケジュール選択基準を満足しな
い部分順列および下界値が暫定解の評価関数値よりも大
きい部分順列を枝切りするのに加えて、探索途中で、次
に順序づけるジョブを決定するときには、下界値とスケ
ジュール選択基準値との差の最も大きいものを選んでゆ
く。下界値は部分順列でのスケジュールの評価関数値よ
りも完全順列でのスケジュールの評価関数値の近似値と
しての精度が高いので、部分順列でのスケジュールの評
価関数値がスケジュール選択基準を満足する部分順列の
中で評価基準値との差の最も大きい部分順列を探索の対
象とする従来に比べて、スケジュール選択基準を満足す
る完全順列に至るための探索の精度が高くなり、枝切り
の効率がさらに高くなる。従って、探索空間を効率的に
狭めることができ、探索空間を調べつくすことが可能と
なる。すなわち、スケジュール選択基準を満足するスケ
ジュールが存在するなら、それを効率的に必ず見つける
ことが出来る。
【0016】
【実施例】以下、図に示す実施例により本発明を詳細に
説明する。なお、これにより本発明が限定されるもので
はない。図1は、本発明のジョブスケジューリング方法
を実施するジョブスケジューリング装置のハードウェア
構成図である。このジョブスケジューリング装置(3
0)は、中央演算装置(31)と,主メモリ(32)
と,補助メモリ(33)と,CRT(34)と,キーボ
ード(35)とを有している。主メモリ(32)には、
スケジューリングプログラム(321)と,ジョブデー
タ(322)と,スケジュール選択基準(323)とが
格納されている。また、主メモリ(32)には、ワーク
エリア(324)が設けられている。
【0017】図2は、ジョブ1からジョブ4までの4個
のジョブを、機械1から機械5で順に処理するためのジ
ョブデータ(322)の例である。着手可能時刻rj
は、ジョブjを機械1で処理開始可能となる時刻であ
る。“0日”は直ちに処理開始可能であることを意味
し、“2日”は2日目から処理開始可能になることを意
味する。ジョブjの機械1・2間のタイムラグtlj2
は、ジョブjの機械1での処理終了時刻から機械2での
処理開始可能時刻までの時間である。“−2日”は、ジ
ョブjの機械1での処理終了時刻よりも2日前から機械
2でジョブjの処理を開始可能であることを意味する。
“1日”は、ジョブjの機械1での処理終了時刻よりも
1日後から機械2でジョブjの処理を開始可能であるこ
とを意味する。タイムラグtlj2により、機械1から機
械2に移るまでの搬送時間や段取り時間を表わすことが
出来る。ジョブjの機械2・3間のタイムラグtlj3,
ジョブjの機械3・4間のタイムラグtlj4,ジョブj
の機械4・5間のタイムラグtlj5も同様である。ジョ
ブjの納期dj は、スケジュールの開始時刻から機械5
での処理終了までにかかる最大許容時間である。ジョブ
jより先行開始するジョブ番号Bj は、ジョブjより先
に処理を開始しなければならないジョブ番号である。
【0018】図3は、図2のジョブデータ(322)に
対するスケジュール選択基準(323)の例である。評
価関数は、総完了時刻と納期遅れジョブ数の2つがあ
る。総完了時刻は、最後のジョブの最後の機械5での処
理完了時刻である。納期遅れジョブ数は、ジョブjの納
期dj から遅れてもよいジョブの数である。総完了時刻
の評価基準値“33日以下”かつ納期遅れジョブ数の評
価基準値“0個”は、スケジュールの開始時刻から33
日目までに全てのジョブの処理を終了し且つ納期遅れの
ジョブが1つもないスケジュールを選択すべきことを意
味する。なお、選択可能なスケジュールが複数あったと
きには、総完了時刻が小さい方を選択するものとする。
【0019】図4は、ワークエリア(324)内に生成
されるデータ構造の例である。ワークエリア(324)
内には、部分順列管理表(11,12,13)と,バッ
クトラック格納スタック(14)と,暫定解格納エリア
15と,注目部分順列格納エリア16とが生成される。
【0020】部分順列管理表(11,12,13)は、
各スケジュールに対応する部分順列セル(115,11
6,117,125,126,135,136)を持
つ。各部分順列セル(115,116,117,12
5,126,135,136)は、部分順列格納エリア
(111,121,131)と,下界値格納エリア(1
12,113,122,123,132,133)と,
探索先格納エリア(114,124,134)とから構
成される。部分順列格納エリア(111,121,13
1)には、順列の先頭からの部分順列が格納される。下
界値格納エリア(112,113,122,123,1
32,133)には、評価関数である総完了時刻と納期
遅れジョブ数とに対する下界値がそれぞれ格納される。
探索ポインタ格納エリア(114,124,134)に
は、次の部分順列管理表(対応する部分順列格納エリア
の部分順列に後続ジョブを付加した部分順列を管理する
部分順列管理表)へのポインタが格納される。
【0021】バックトラック先格納スタック(14)内
のバックトラック先格納セル(141,142,14
3)には、スケジュール選択基準を満足している下界値
を持つ部分順列管理表の部分順列セルへのポインタが格
納される。バックトラック先格納スタック(14)は、
探索木のバックトラック時に利用される。
【0022】暫定解格納エリア(15)には、暫定解で
ある部分順列セルへのポインタが格納される。注目部分
順列格納エリア(16)には、注目している部分順列セ
ルへのポインタを格納しているバックトラック先格納セ
ルへのポインタが格納される。
【0023】図5は、スケジューリングプログラム(3
21)のフローチャートである。図2のジョブデータ
(322)と図3のスケジューリング選択基準(32
3)が与えられている場合を想定して、このフローチャ
ートを説明する。ステップ60では、暫定解格納エリア
(15)に、Nullを格納する。また、注目部分順列
格納エリア(16)に、バックトラック先格納スタック
(14)の先頭のバックトラック先格納セル(141)
へのポインタを格納する。
【0024】ステップ61では、第1の部分順列管理表
(11)を作成する。ジョブデータ(322)の先行制
約データBj から、ジョブ3よりジョブ2を先行しなけ
ればならないので、ジョブ1,2,4は先頭のジョブに
なりうるが、ジョブ3は先頭のジョブになりえない。そ
こで、部分順列{1},{2},{4}を、部分順列格
納エリア(111)に書き込む。ステップ62では、直
前に作成した部分順列管理表の各部分順列の評価関数の
下界値を計算し、下界値格納エリアに書き込む。ただ
し、部分順列から完全順列が一意に定まる場合は、当該
部分順列を完全順列で置換してから、評価関数の下界値
を計算し、下界値格納エリアに書き込む。第1の部分順
列管理表(11)の部分順列{1},{2},{4}か
らは完全順列が定まらないので、部分順列{1},
{2},{4}の総完了時刻の下界値を計算し、総完了
時刻の下界値格納エリア(112)に書き込む。また、
納期遅れジョブ数の下界値を計算し、納期遅れジョブ数
の下界値格納エリア(113)に書き込む。下界値の導
出方法については後述するが、部分順列{1},
{2},{4}の総完了時刻の下界値は“29”,“2
8”,“26”となり、納期遅れジョブ数に対する下界
値は“0”,“1”,“1”となる。これらを、対応す
る部分順列セル(115,116,117)の総完了時
刻の下界値格納エリア(112)および納期遅れジョブ
数の下界値格納エリア(113)に書き込む。
【0025】ステップ63では、前記ステップ62で計
算した下界値がスケジュール選択基準を満足する部分順
列セルへのポインタを、総完了時刻の下界値の大きい順
に、注目部分順列格納エリア(16)が指すバックトラ
ック先格納スタック(14)のバックトラック先格納セ
ルから順に格納していく。第1の部分順列管理表(1
1)の部分順列セルの中で下界値がスケジュール選択基
準を満足するものは、部分順列セル(115)のみであ
る。また、注目部分順列格納エリア(16)が指すバッ
クトラック先格納スタック(14)のセルは、先頭のバ
ックトラック先格納セル(141)である。そこで、部
分順列セル(115)へのポインタを、バックトラック
先格納スタック(14)の先頭のバックトラック先格納
セル(141)に格納する。
【0026】ステップ64では、最新のバックトラック
先格納セルへのポインタを注目部分順列格納エリア(1
6)に格納する。最新のバックトラック先格納セルは、
バックトラック先格納セル(141)であるから、これ
へのポインタを注目部分順列格納エリア(16)に格納
する。図6に、この時点までにワークエリア(324)
内に生成されたデータ構造を示す。
【0027】ステップ65では、暫定解格納エリア(1
5)がNullか否か判定し、Nullならステップ6
7に進み、Nullでないならステップ66に進む。暫
定解格納エリア(15)はNullなので、ステップ6
7に進む。
【0028】ステップ67では、注目部分順列格納エリ
ア(16)が指すバックトラック先格納セルに格納され
ているポインタが指す部分順列セルが、完全順列である
か否か判定し、完全順列であるならステップ70に進
み、完全順列でないならステップ68に進む。当該部分
順列セルは部分順列セル(115)であるが、その部分
順列は{1}であり、これは完全順列でないから、ステ
ップ68に進む。
【0029】ステップ68では、新たな部分順列管理表
を作成し、その先頭の部分順列セルへのポインタを、先
の完全順列でない部分順列セルの探索先格納エリアに格
納する。また、完全順列でない部分順列に後続するジョ
ブを追加する。ここでは、第2の部分順列管理表(1
2)を作成し、その先頭の部分順列セル(125)への
ポインタを、部分順列セル(115)の探索先格納エリ
ア(114)に格納する。また、部分順列{1}に後続
可能なジョブは、ジョブ2とジョブ4である(ジョブ3
よりジョブ2を先行しなければならないので、この時点
では、ジョブ3はジョブ1に後続できない)から、部分
順列{1,2},{1,4}を、部分順列格納エリア
(121)に書き込む。
【0030】ステップ62に戻り、下界値を計算して下
界値格納エリアに書き込む。部分順列{1,2}の総完
了時刻の下界値は“25”,納期遅れジョブ数の下界値
は“0”となる。これらを、部分順列セル(125)の
総完了時刻の下界値格納エリア(122)と納期遅れジ
ョブ数の下界値格納エリア(123)に書き込む。部分
順列{1,4}に対しては、先行制約により、ジョブ2
のみ後続可能なので、完全順列{1,4,2,3}が確
定する。そこで、完全順列{1,4,2,3}を、部分
順列セル(126)の部分順列格納エリア(121)に
上書きし、それの総完了時刻の下界値33と納期遅れジ
ョブ数の下界値0を、部分順列セル(126)の総完了
時刻の下界値格納エリア(122)と納期遅れジョブ数
の下界値格納エリア(123)に書き込む。なお、今後
は、(126)を完全順列セルという。
【0031】ステップ63では、部分順列{1,2}と
完全順列{1,4,2,3}は、スケジュール選択基準
(323)を満足している。また、総完了時刻の下界値
は、完全順列セル(126)の方が大きい。そこで、注
目部分順列格納エリア(16)のポインタの指すバック
トラック先格納セル(141)に、完全順列セル(12
6)へのポインタを格納し、次のバックトラック先格納
セル(142)に部分順列セル(125)へのポインタ
を格納する。ステップ64では、最新のバックトラック
先格納セル(142)へのポインタを、注目部分順列格
納エリア(16)に格納する。図7に、この時点までに
ワークエリア(324)内に生成されたデータ構造を示
す。
【0032】ステップ65では、暫定解格納エリア(1
5)がNullであるから、ステップ67に進む。ステ
ップ67では、注目部分順列格納エリア(16)が指す
バックトラック先格納セル(142)に格納されている
ポインタが指す部分順列セル(125)の部分順列
{1,2}は完全順列でないので、ステップ68に進
む。ステップ68では、新たな部分順列管理表(13)
を作成し、その先頭の部分順列セル(135)へのポイ
ンタを、先の部分順列セル(125)の探索先格納エリ
ア(124)に格納する。また、部分順列{1,2}に
後続可能なジョブは、ジョブ3とジョブ4であるから、
部分順列格納エリア(131)に、部分順列{1,2,
3}と{1,2,4}とを書き込む。
【0033】ステップ62に戻り、部分順列{1,2,
3}から完全順列{1,2,3,4}が定まるので、部
分順列セル(135)の部分順列格納エリア(131)
を完全順列{1,2,3,4}で上書きする。そして、
それの総完了時刻の下界値“36”と納期遅れジョブ数
の下界値“0”を、総完了時刻の下界値格納エリア(1
32)と納期遅れジョブ数の下界値格納エリア(13
3)に書き込む。一方、部分順列{1,2,4}から完
全順列{1,2,4,3}が定まるので、部分順列セル
(136)の部分順列格納エリア(131)を完全順列
{1,2,4,3}で上書きする。そして、それの総完
了時刻の下界値“32”と納期遅れジョブ数の下界値
“0”を、総完了時刻の下界値格納エリア(132)と
納期遅れジョブ数の下界値格納エリア(133)に書き
込む。なお、今後は、(135)(136)を完全順列
セルという。
【0034】ステップ63では、完全順列{1,2,
3,4}と完全順列{1,2,4,3}は、スケジュー
ル選択基準(323)を満足している。また、総完了時
刻の下界値は、完全順列セル(135)の方が大きい。
そこで、注目部分順列格納エリア(16)のポインタの
指すバックトラック先格納セル(142)に、完全順列
セル(135)へのポインタを格納し、次のバックトラ
ック先格納セル(143)に部分順列セル(136)へ
のポインタを格納する。ステップ64では、最新のバッ
クトラック先格納セル(143)へのポインタを、注目
部分順列格納エリア(16)に格納する。図8に、この
時点までにワークエリア(324)内に生成されたデー
タ構造を示す。
【0035】ステップ65では、暫定解格納エリア(1
5)がNullであるから、ステップ67に進む。ステ
ップ67では、注目部分順列格納エリア(16)が指す
バックトラック先格納セル(143)に格納されている
ポインタが指す部分順列セル(136)の部分順列
{1,2,4,3}は完全順列であるから、ステップ7
0に進む。
【0036】ステップ70では、暫定解格納エリア(1
5)に、注目部分順列格納エリア(16)が指すバック
トラック先格納セル(143)に格納されているポイン
タが指す部分順列セル(136)へのポインタを格納す
る。なお、注目部分順列格納エリア(16)が指すバッ
クトラック先格納セルに格納されているポインタが指す
部分順列セルを、注目部分順列セルという。
【0037】ステップ71では、注目部分順列格納エリ
ア(16)のポインタを1つ戻す。すなわち、バックト
ラック先格納セル(142)へのポインタを、注目部分
順列格納エリア(16)に格納する。図9に、この時点
までにワークエリア(324)内に生成されたデータ構
造を示す。そして、ステップ66に進む。
【0038】ステップ66では、注目部分順列セルの総
完了時刻の下界値が、暫定解格納エリア(15)が指す
完全順列セルの総完了時刻の下界値よりも大きいなら、
ステップ71に進み、大きくないならステップ67に進
む。ここでは、注目部分順列セル(135)の総完了時
刻の下界値“36”が、暫定解格納エリア(15)が指
す完全順列セル(136)の総完了時刻の下界値“3
2”よりも大きいから、ステップ71に進む。ステップ
71では、バックトラック先格納セル(141)へのポ
インタを、注目部分順列格納エリア(16)に格納す
る。先述した図4のデータ構造は、この時点でワークエ
リア(324)内に生成されているデータ構造を示した
ものである。そして、ステップ66に進む。
【0039】ステップ66では、注目部分順列セル(1
26)の総完了時刻の下界値“33”が、暫定解格納エ
リア(15)が指す完全順列セル(136)の総完了時
刻の下界値“32”よりも大きいから、ステップ71に
進む。ステップ71では、注目部分順列格納エリア(1
6)のポインタが、バックトラック先格納エリア(1
4)の先頭のバックトラック先格納セル(141)を指
しているので、処理を終了する。かくして、暫定解格納
エリア(15)が指す完全順列セル(136)の完全順
列{1,2,4,3}が解として得られる。
【0040】図10に、完全順列{1,2,4,3}に
対するガントチャートを示す。白抜き四角1001は、
ジョブの処理を表わす。メッシュ四角1002は、正の
タイムラグを表わす。ハッチング四角1003は、負の
タイムラグを表している。
【0041】次に、図11〜図14により下界値の導出
方法を説明する。また、図15〜図22に具体例を示
す。図11は、総完了時刻を評価関数とするときの緩和
問題の作成フローチャートである。元の問題は、着手可
能時刻制約とタイムラグ制約と先行制約とをもつ4機械
問題であるが、制約を緩和することにより、タイムラグ
制約のみをもつ2機械問題に緩和する。機械1,3,5
に対し、「各機械は、一度に1つのジョブしか処理でき
ない。」という制約を取り除き、「機械1,3,5は、
一度に複数のジョブを処理できる」とする。これによ
り、元の問題を、機械2を1番目の機械とし、機械4を
2番目の機械とする2機械問題とみなすことが出来る。
【0042】緩和問題におけるジョブjの1番目の機械
での着手可能時刻Rjは、ジョブjの機械1での処理開
始時刻とジョブjの機械1での処理時間pj1とジョブj
の機械1・2間のタイムラグtlj2との合計である(7
1)。ここで、ジョブjの機械1での処理開始時刻は、
既に順序づけられた部分順列の最後尾のジョブの機械1
での処理完了時刻C01と,先行制約によりジョブjより
先に処理を開始しなければならないジョブ(i¬Bj )
の処理時間pi の総和との合計またはジョブjの機械1
での着手可能時刻rj の大きい方である。
【0043】緩和問題におけるジョブjの1番目の機械
での処理時間Pj1は、ジョブjの機械2での処理時間p
j2と変わらない(72)。緩和問題におけるジョブjの
1番目の機械から2番目の機械までのタイムラグTLj2
は、ジョブjの機械2・3間のタイムラグtlj3とジョ
ブjの機械3での処理時間pj3とジョブjの機械3・4
間のタイムラグtlj4との合計である(73)。
【0044】緩和問題におけるジョブjの2番目の機械
での処理時間Pj2は、ジョブjの機械4での処理時間p
j4と変わらない(74)。緩和問題におけるジョブjの
2番目の機械での処理を終えた後での経過時間QTj
は、ジョブjの機械4・5間のタイムラグtlj5とジョ
ブjの機械5での処理時間pj5とジョブjの後に処理を
開始しなければならないジョブ(i¬Aj )の機械5で
の処理時間pi5の総和との合計である(75)。この時
点で、元の問題は、着手可能時刻制約と処理後の経過時
間制約とタイムラグ制約をもつ2機械問題に緩和されて
いる。
【0045】次に、着手可能時刻制約と処理後の経過時
間制約を緩和する。まず、全ジョブの着手可能時刻Rを
最小値(minRj)で置き換える(76)。これにより、
全ジョブの着手可能時刻は等しくなったので、このとき
の総完了時刻は、着手可能時刻を0としたときの総完了
時刻に前記の総完了時刻(minRj)を加えたものとみな
せる。同様に、全ジョプの処理後の経過時間(QT)を
最小値(minQTj)で置き換える(76)。これによ
り、全ジョブの処理後の経過時間は等しくなったので、
このときの総完了時刻は、処理後の経過時間を0とした
ときの総完了時刻に前記の処理後の経過時間(minQT
j)を加えたものとみなせる。以上により、緩和問題は
タイムラグ制約をもつ2機械問題になった。
【0046】図12に、総完了時刻の下界値を導出する
ためのフローチャートを示す。タイムラグ制約をもつ2
機械問題の最適解法は、M.Johnsonにより報告されて
いる(M.Johnson,“Discussion:Sequencing n Jobs o
n Two Machines withArbitrary Time Lags”,Manageme
nt Science,5,1958,299-303)。ジョブiの次に順序
づけられるジョブがジョブjのとき、 min(Pi1+TLi2,TLj2+Pj2)≦min(Pj1+TLj2,TLi2+Pi
2) となるように全ジョブを順序づければよい(81)。こ
の順列は、最悪の場合でも、nlogn の定数倍回の前記
関係の比較を行なうことにより得ることが出来る。
【0047】次に、緩和問題におけるこの順列の総完了
時刻を計算し、これに前述のRとQTを加えればよい
(82)。
【0048】図13は、納期遅れジョブ数を評価関数と
するときの緩和問題の作成フローチャートである。元の
問題は、着手可能時刻制約とタイムラグ制約と先行制約
とをもつ4機械問題であるが、制約を緩和することによ
り、1機械問題に緩和する。機械1,3,4,5に対
し、「各機械は、一度に1つのジョブしか処理できな
い。」という制約を取り除き、「機械1,3,4,5
は、一度に複数のジョブを処理できる」とする。これに
より、緩和問題を、機械2のみからなる1機械問題とみ
なすことが出来る。
【0049】緩和問題における1番目の機械での全ジョ
ブ共通の着手可能時刻Rは、総完了時刻を評価関数とし
たときと同じである(131,132)。緩和問題にお
けるジョブjの1番目の機械での処理を終えた後での経
過時間Ljは、ジョブjの機械2・3間のタイムラグt
lj3とジョブjの機械3での処理時間pj3とジョブjの
機械3・4間のタイムラグtlj4とジョブjの機械4で
の処理時間pj4とジョブjの機械4・5間のタイムラグ
tlj5とジョブjの機械5での処理時間pj5との合計で
ある(133)。これにより、制約なしの1機械問題で
ある緩和問題が得られた。ただし、このとき、ジョブj
の納期Dj は、本来の納期dj から全ジョブ共通の着手
可能時刻Rと1番目の機械での処理を終えた後での経過
時間Lj を引いた値である(134)。
【0050】図14に、納期遅れジョブ数の下界値を導
出するフローチャートを示す。制約をもたない1機械問
題の最適解法は、J.M.Mooreにより報告されている
(J.M.Moore,“An n Job,One Machine Sequencing Alg
orithm for Minimizingthe Number of Late Jobs”,Ma
nagement Science,15,1968,102-109)。ステップ9
1では、ジョブを納期順に並べ、先頭のジョブから順に
1,2,…,nとジョブ番号を付け直し、i=1とす
る。ステップ92では、ジョブiが納期に間に合ってい
るかどうかをチェックする。ジョブiが納期に間に合っ
ているならステップ95に進み、ジョブiが納期に遅れ
ているならステップ93に進む。
【0051】ステップ93では、ジョブiが順列の先頭
かどうかをチェックする。先頭ならステップ95に進
み、先頭でないならステップ94に進む。ステップ94
では、先頭のジョブからi番目のジョブまでの中で処理
時間の最大のジョブを順列の最後に順序づける。そし
て、前記ステップ92へ戻る。
【0052】ステップ95では、i=i+1とする。ス
テップ96では、i=nかどうかをチェックする。i=
nでないなら、前記ステップ92に戻る。i=nなら、
ステップ97に進む。ステップ97では、緩和問題にお
けるこの順列の納期遅れジョブ数を求め、それを下界値
とする。
【0053】図15は、図4の部分順列{1}に対する
総完了時刻の下界値の導出の具体例である。まず、図1
1の緩和問題作成処理により緩和問題を作成する。既に
順序づけられた部分順列{1}の最後尾のジョブ1の機
械1での処理完了時刻C01は、ジョブ1の着手可能時刻
r1=0とジョブ1の機械1での処理時間p11=2の和
であり、0+2=2である。先行制約によりジョブ2よ
り先に処理を開始しなければならないジョブはないの
で、Σpi=0である。そこで、C01+Σpi=2+0
=2である。C01+Σpi=2と,ジョブ2の着手可能
時刻r2=2とは同じ値なので、ジョブ2の機械1での
処理開始時刻max{C01+Σpi,r2}=max
{2+0,2}=2である。これにジョブ2の機械1で
の処理時間p21=1と,ジョブ2の機械1・2間のタイ
ムラグtl22=1とを合計して、緩和問題におけるジョ
ブ2の1番目の機械での着手可能時刻R2=2+1+1
=4である(図11の71)。同様にして、R3=3,
R4=7である。
【0054】緩和問題におけるジョブ2の1番目の機械
での処理時間P21は、ジョブ2の機械2での処理時間p
22と等しいから、P21=p22=5である(図11の7
2)。同様にして、P31=7,P41=3である。
【0055】緩和問題におけるジョブ2の1番目の機械
から2番目の機械までのタイムラグTL22は、ジョブ2
の機械2・3間のタイムラグtl23=−2と,ジョブ2
の機械3での処理時間p23=1と,ジョブ2の機械3・
4間のタイムラグtl24=2との合計であり、−2+1
+2=1である(図11の73)。同様に、TL32=−
4,TL42=7である。
【0056】緩和問題におけるジョブ2の2番目の機械
での処理時間P22は、ジョブ2の機械4での処理時間p
24と等しいから、P22=p24=4である(図11の7
4)。同様にして、P32=2,P42=6である。
【0057】緩和問題におけるジョブ2の2番目の機械
での処理を終えた後での経過時間QT2は、ジョブ2の
機械4・5間のタイムラグtl25=0と,ジョブ2の機
械5での処理時間p25=1と,ジョブ2の後に処理を開
始しなければならないジョブ3の機械5での処理時間p
35=3との合計であり、0+1+3=4である(図11
の75)。同様にして、QT3=4,QT4=4であ
る。
【0058】全ジョブの着手可能時刻Rは、R2=4,
R3=3,R4=7の最小値であり、3である。また、
全ジョプの処理後の経過時間QTは、QT2=6,QT
3=4,QT4=4の最小値であり、4である(図11
の76)。
【0059】次に、図12の総完了時刻の下界値導出処
理により下界値を導出する。ジョブk=2,3,4に対
して、Pk1+TLk2,TLk2+Pk2を計算して、ジョブiの次に
順序づけられるジョブがジョブjのとき、 min(Pi1+TLi2,TLj2+Pj2)≦min(Pj1+TLj2,TLi2+Pi
2) となるように全ジョブを順序づける(図12の81)。
これにより、最適順列{4,2,3}が得られる。順列
{4,2,3}の総完了時刻は、図15の1.3から
“22”である。これにR=3,QT=4を加えて、部
分順列{1}に対する総完了時刻の下界値は“29”と
なる。
【0060】図16は、図4の部分順列{1}に対する
納期遅れジョブ数の下界値の導出の具体例である。ま
ず、図13の緩和問題作成処理により緩和問題を作成す
る。上記と同様にして、R=3となる(図13の13
1,132)緩和問題におけるジョブ2の1番目の機械
での処理を終えた後での経過時間L2は、ジョブ2の機
械2・3間のタイムラグtl23=−2と,ジョブ2の機
械3での処理時間p23=1と,ジョブ2の機械3・4間
のタイムラグtl24=2と,ジョブ2の機械4での処理
時間p24=4と,ジョブ2の機械4・5間のタイムラグ
tl25=0と,ジョブ2の機械5での処理時間p25=1
との合計であり、−2+1+2+4+0+1=6である
(図13の133)。同様にして、L3=2,L4=1
7である。ジョブ2の納期D2は、本来の納期d2=3
0から全ジョブ共通の着手可能時刻R=3と,1番目の
機械での処理を終えた後での経過時間L2=6を引いた
値であり、30−3−6=21である(図13の13
4)。同様にして、D3=27,D4=13である。
【0061】次に、図14の納期遅れジョブ数の下界値
導出処理によって下界値を導出する。ジョブ2,3,4
を納期順Djの順に並べ変えると、D2=21,D3=
27,D4=13なので、ジョブ4,2,3の順になる
(図14の91)。ジョブ4,2,3の納期は、図16
の2.2のようになる。D4,D2,D3と比較する
と、いずれも間に合っている(図14の92,95,9
6)。そこで、納期遅れジョブ数の下界値は“0”とな
る(図14の97)。
【0062】図17,図18は、図4の部分順列{2}
に対する下界値の導出の具体例である。図19,図20
は、図4の部分順列{4}に対する下界値の導出の具体
例である。図21,図22は、図4の部分順列{1,
2}に対する下界値の導出の具体例である。
【0063】
【発明の効果】本発明のジョブスケジューリング方法お
よび装置によれば、下界値がスケジュール選択基準を満
足する部分順列のみを探索の対象とするので、従来に比
べて枝切りできる部分順列が多くなり、探索空間を効率
的に狭めることが出来る。そこで、探索空間を調べつく
すことが可能となり、スケジュール選択基準を満足する
スケジュールが存在するなら、それを効率的に必ず見つ
けることが出来る。また、暫定解よりも小さい下界値を
もつ部分順列のみを探索の対象とすることにより、探索
空間をさらに効率的に狭めることが出来る。そこで、探
索空間を調べつくすことが可能となり、スケジュール選
択基準を満足するスケジュールが存在するなら、それを
効率的に必ず見つけることが出来る。さらに、下界値が
スケジュール選択基準を満足する部分順列の中で評価基
準値との差の最も大きい部分順列を探索の対象とするこ
とにより、スケジュール選択基準を満足する完全順列に
至るための探索の精度も高くなり、探索空間を調べつく
すことにより、スケジュール選択基準を満足するスケジ
ュールが存在するなら、それを効率的に必ず見つけるこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジョブスケジューリング装置の一実施
例のブロック図である。
【図2】ジョブデータの例示図である。
【図3】スケジュール選択基準の例示図である。
【図4】部分順列管理表の第1の例示図である。
【図5】スケジューリング処理のフローチャートであ
る。
【図6】部分順列管理表の第2の例示図である。
【図7】部分順列管理表の第3の例示図である。
【図8】部分順列管理表の第4の例示図である。
【図9】部分順列管理表の第5の例示図である。
【図10】得られたスケジュールのガントチャートであ
る。
【図11】総完了時刻を評価関数とする緩和問題作成処
理のフローチャートである。
【図12】総完了時刻の下界値導出処理のフローチャー
トである。
【図13】納期遅れジョブ数を評価関数とする緩和問題
作成処理のフローチャートである。
【図14】納期遅れジョブ数の下界値導出処理のフロー
チャートである。
【図15】部分順列{1}に対する総完了時刻の下界値
導出の説明図である。
【図16】部分順列{1}に対する納期遅れジョブ数の
下界値導出の説明図である。
【図17】部分順列{2}に対する総完了時刻の下界値
導出の説明図である。
【図18】部分順列{2}に対する納期遅れジョブ数の
下界値導出の説明図である。
【図19】部分順列{4}に対する総完了時刻の下界値
導出の説明図である。
【図20】部分順列{4}に対する納期遅れジョブ数の
下界値導出の説明図である。
【図21】部分順列{1,2}に対する総完了時刻の下
界値導出の説明図である。
【図22】部分順列{1,2}に対する納期遅れシ゛ョフ゛
数の下界値導出の説明図である。
【符号の説明】
30 ジョブスケジューリング装
置 31 中央演算装置 32 主メモリ 321 スケジューリングプログラ
ム 322 ジョブデータ 323 スケジュール選択基準 324 ワークエリア 11,12,13 部分順列管理表 115,116,117,125,126,135,136 部分順列格納
セル 111,121,131 部分順列格納エリア 112,122,132 総完了時刻の下界値格納エ
リア 113,123,133 納期遅れジョブ数の下界値
格納エリア 114,124,134 探索先格納エリア 14 バックトラック先格納スタ
ック 141,142,143 バックトラック先格納セル 15 暫定解格納エリア 16 注目部分順列格納エリア

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フローショップ型の生産ラインにおける
    ジョブデータとスケジュール選択基準とを与えられ、そ
    のスケジュール選択基準を満足するジョブの完全順列を
    探索するジョブスケジューリング方法であって、部分順
    列格納エリアをもつセルを1個以上有する部分順列管理
    表を設け、前記スケジュール選択基準を基に先頭のジョ
    ブの候補を探索して得た各々を部分順列として前記セル
    の前記部分順列格納エリアに個別に格納し、次に、前記
    部分順列格納エリアに格納されたジョブの部分順列を保
    存した上で生産ラインの制約を緩和した緩和問題を最適
    に解いて得た所定の評価関数値を下界値としその下界値
    が前記スケジュール選択基準を満足する場合のみ前記ス
    ケジュール選択基準を基に当該部分順列に続くジョブを
    探索して当該部分順列に付加して新たな部分順列としそ
    れを前記セルの前記部分順列格納エリアに格納し、これ
    を繰り返して1個以上の完全順列を探索することを特徴
    とするジョブスケジューリング方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のジョブスケジューリン
    グ方法において、完全順列が得られる毎にそれらの下界
    値の最小値を暫定解とし、部分順列格納エリアに格納さ
    れたジョブの部分順列を保存した上で生産ラインの制約
    を緩和した緩和問題を最適に解いて得た所定の評価関数
    値を下界値とし前記暫定解が設定されているときはその
    暫定解より下界値が小さい場合のみ前記スケジュール選
    択基準を基に当該部分順列に続くジョブを探索して当該
    部分順列に付加して新たな部分順列としそれを前記セル
    の前記部分順列格納エリアに格納し、これを繰り返して
    完全順列を探索することを特徴とするジョブスケジュー
    リング方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のジョブ
    スケジューリング方法において、探索途中で次に順序づ
    けるジョブを決定するとき、下界値とスケジュール選択
    基準値との差の最も大きいものを選ぶことを特徴とする
    ジョブスケジューリング方法。
  4. 【請求項4】 フローショップ型の生産ラインにおける
    ジョブデータとスケジュール選択基準とを与えられ、そ
    のスケジュール選択基準を満足するジョブの完全順列を
    探索するジョブスケジューリング装置であって、部分順
    列格納エリアをもつセルを1個以上有する部分順列管理
    表と、前記スケジュール選択基準を基に先頭のジョブの
    候補を探索して得た各々を部分順列として前記セルの前
    記部分順列格納エリアに個別に格納する先頭ジョブ探索
    格納手段と、前記部分順列格納エリアに格納されたジョ
    ブの部分順列を保存した上で生産ラインの制約を緩和し
    た緩和問題を最適に解いて得た所定の評価関数値を下界
    値としその下界値が前記スケジュール選択基準を満足す
    る場合は前記スケジュール選択基準を基に当該部分順列
    に続くジョブを探索して当該部分順列に付加して新たな
    部分順列としそれを前記セルの前記部分順列格納エリア
    に格納する部分順列成長手段と、その部分順列成長手段
    を繰り返し動作させる制御手段とを具備したことを特徴
    とするジョブスケジューリング装置。
  5. 【請求項5】 フローショップ型の生産ラインにおける
    ジョブデータとスケジュール選択基準とを与えられ、そ
    のスケジュール選択基準を満足するジョブの完全順列を
    探索するジョブスケジューリング装置であって、部分順
    列格納エリアをもつセルを1個以上有する部分順列管理
    表と、前記スケジュール選択基準を基に先頭のジョブの
    候補を探索して得た各々を部分順列として前記セルの前
    記部分順列格納エリアに個別に格納する先頭ジョブ探索
    格納手段と、前記部分順列格納エリアに格納されたジョ
    ブの部分順列を保存した上で生産ラインの制約を緩和し
    た緩和問題を最適に解いた解の値である下界値を算出し
    てその下界値が前記スケジュール選択基準を満足する場
    合は前記スケジュール選択基準を基に当該部分順列に続
    くジョブを探索して当該部分順列に付加して新たな部分
    順列としそれを前記セルの前記部分順列格納エリアに格
    納する第1の部分順列成長手段と、その第1の部分順列
    成長手段を繰り返し動作させる第1の制御手段と、完全
    順列が得られる毎にそれらの下界値の最小値を暫定解と
    する暫定解設定手段と、暫定解が設定されているときに
    は部分順列格納エリアに格納されたジョブの部分順列を
    保存した上で生産ラインの制約を緩和した緩和問題を最
    適に解いた解の値である下界値を算出してその下界値が
    暫定解より小さい場合は前記スケジュール選択基準を基
    に当該部分順列に続くジョブを探索して当該部分順列に
    付加して新たな部分順列としそれを前記セルの前記部分
    順列格納エリアに格納する第2の部分順列成長手段と、
    前記暫定解設定手段および前記第2の部分順列成長手段
    を繰り返し動作させる第2の制御手段とを具備したこと
    を特徴とするジョブスケジューリング装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載のジョブ
    スケジューリング装置において、部分順列成長手段は、
    探索途中で次に順序づけるジョブを決定するとき、下界
    値とスケジュール選択基準値との差の最も大きいものを
    選ぶことを特徴とするジョブスケジューリング装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007102435A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Kobe Steel Ltd 生産スケジューリング装置及び生産スケジューリング方法、並びにプログラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007102435A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Kobe Steel Ltd 生産スケジューリング装置及び生産スケジューリング方法、並びにプログラム

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