JPH07285540A - 包装用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 物品の荷重による裂断を確実に防止し、変形
物品を向きを規制することなく確実に包装でき、印刷面
積を従来のものより大きくでき、しかも、安価に製造で
きること。 【構成】 頂壁２および両側壁４Ａ，４Ｂに連設され物
品の上端部に当接しうる第１ストッパ１４と、底壁（お
よび両側壁４Ａ，４Ｂに連設され物品の下端部に当接し
うる第２ストッパ２３とを有し、第１ストッパ１４およ
び第２ストッパ２３により両端開口３２に臨む物品の上
端部ならびに下端部を確実に保持して収納した物品を安
定的に収納するようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、両端に開口が形成され
ているいわゆる両端開放型の包装用容器に係り、特に、
いわゆる変形物品を安定的に収納できる包装用容器に関
する。

【０００２】

【従来の技術】前述した両端開放型の包装用容器は、板
紙のようなブランクから形成されるものであり、その構
成は、底壁と、この底壁に連設され相互に対向位置をと
る２枚の側壁と、各側壁に連設される頂壁とを有し、両
端にそれぞれ開口が形成されたものである。このような
両端開放型の包装用容器は、ブランク材料を節約するた
めに好適であるが、両端開口を有しているため、内部に
収納した物品の保持のための構成要件を具備しなければ
ならない。

【０００３】このため、従来の両端開放型の包装用容器
は、頂壁と各側壁との連接部に水平方向に延在するよう
に形成され内部に収納する各物品の上端部が嵌合しうる
スリット（トップカット）と、各側壁と底壁との連接部
に水平方向に延在するように形成され内部に収納する各
物品の下端部が嵌合しうるスリット（ボトムカット）と
を有しており、これらの両カットに内部に収納する各物
品の上端部と下端部を嵌合させて物品を保持するように
していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の包装用容器においては、物品の下端部が嵌合す
るボトムカットに物品の荷重の一部が作用するので、こ
のボトムカットの両端からブランクが裂断し、内部の物
品が出てしまうおそれがあった。

【０００５】このような問題点を克服するためには、ブ
ランクの厚さを増すなどして強度を増大しなければなら
ず、コストアップとなるおそれがあった。

【０００６】また、内部に収納する物品が円筒形状のよ
うな周方向に一定な形状を有する定形物品である場合に
は、物品の向きに配慮することなく物品の上端部と下端
部を前述したトップカットおよびボトムカットに確実に
嵌合させることができるが、殺虫剤の容器のように上端
部の周方向に凹凸があり形状が一定していない変形物品
を包装する際には、物品上端部の凸部がトップカットに
対向するように物品の向きを規制するか、あるいは、円
筒形の蓋体を物品に被着したうえで、物品を包装しなけ
ればならなかった。

【０００７】さらに、従来の包装用容器においては、ト
ップカットおよびボトムカットのある部位には印刷を行
うことができないため、印刷しうる面積を大きくでき
ず、宣伝効果を大きくできなかった。

【０００８】本発明は、前述した従来のものにおける問
題点を克服し、物品の荷重による裂断を確実に防止し、
変形物品を向きを規制することなく確実に包装でき、印
刷面積を従来のものより大きくでき、しかも、安価に製
造できる両端開放型の包装用容器を提供することを目的
としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため本発明の包装用容器は、底壁と、この底壁に連設さ
れ相互に対向位置をとる２枚の側壁と、各側壁に連設さ
れる頂壁とを有し、両端にそれぞれ開口が形成されてい
る内部に物品を収納するための包装用容器において、前
記頂壁および両側壁に連設され前記物品の上端部に当接
しうる第１ストッパと、前記底壁および両側壁に連設さ
れ前記物品の下端部に当接しうる第２ストッパとを有す
ることを特徴としている。

【００１０】

【作用】前述した構成からなる本発明によれば、第１ス
トッパおよび第２ストッパにより両端開口に臨む物品の
上端部ならびに下端部を確実に保持して収納した物品を
安定的に収納することができる。

【００１１】

【実施例】図２は、本発明の包装用容器を形成するため
のブランクを示すものであり、このブランク１は、一例
としてほぼ長方形をなす板紙により形成されているが、
硬質プラスチックシートその他の材料により形成するこ
とも可能である。

【００１２】本実施例において前記ブランク１は、７個
の物品を１列に包装しうるような寸法を有している。そ
して、ブランク１は、その中央部に細長い長方形状の頂
壁２を有しており、この頂壁２の両側には、それぞれ折
曲線３Ａ，３Ｂを介して側壁４Ａ，４Ｂが連設されてい
る。各側壁４Ａ，４Ｂは、内部に収納する物品の形状に
合わせて上部より下部の横方向寸法が多少大きな等脚台
形状に形成されており、両側壁４Ａ，４Ｂは、包装用容
器３１（図１）を形成したときに、ほぼ平行に近い位置
をとって相互に対向するようになっている。

【００１３】このうち、一方の側壁４Ａの下部の左右に
おけるほぼ中央部には、指を挿入しうる開口５が形成さ
れており、この開口５に連なるようにして側壁４Ａから
頂壁２にかけて多数の破断線６，６…が微小間隙をおい
て連設されている。これらの破断線６は、前記開口５か
ら側壁４Ａの上部に向かって拡開するように斜めに延在
し、側壁４Ａの幅近くまで拡開した後は頂壁２の方向に
真直ぐ延在するようになっている。

【００１４】前記各側壁４Ａ，４Ｂの下端には、折曲線
７Ａ，７Ｂを介して底壁８Ａ，８Ｂが連設されており、
これらの底壁８Ａ，８Ｂは、包装用容器３１を組み立て
ると前記頂壁２に対向する１枚の底壁８を構成すること
になる。

【００１５】このうち、一方の底壁８Ａは他方の底壁８
Ｂのほぼ２倍の幅寸法を有するように形成されており、
この底壁８Ａの幅方向のほぼ中央部には、底壁８Ａの長
手方向に間隔を隔てて４個の湾曲状切断線９，９…が形
成されている。一方、前記底壁８Ｂの側縁には、前記各
切断線９に対向し切断線９内に挿入されうる４個の突起
１０，１０…が連設されている。各突起１０は、前記切
断線９の長さよりかなり短い寸法の基部１０ａと、この
基部１０ａの先端に連設されたフック状の先端膨大部１
０ｂとにより構成されており、各切断線９内に突起１０
が挿入されると、突起１０の先端膨大部１０ｂが切断線
９の縁部に引掛かるため突起１０は切断線９から容易に
抜けないことになる。

【００１６】なお、各切断線９内に突起１０が挿入され
ることにより形成される底壁６の幅寸法は、前記頂壁２
の幅寸法より多少大きく形成されており、したがって、
頂壁２、両側壁４Ａ，４Ｂおよび底壁８により構成され
る包装用容器３１の縦断面形状はほぼ等脚台形状に形成
されることになる。

【００１７】また、前記各側壁４Ａ，４Ｂの下端部およ
び底壁８Ａ，８Ｂには、底壁８Ａ，８Ｂに底壁８Ａ，８
Ｂの長手方向に延在するように形成された線分１１ａと
線分１１ａの両端から側壁４Ａ，４Ｂ側に短く延在する
２本の切込み１１ｂ，１１ｂとにより全体としてコ字状
をなす複数の切断線１１，１１…が底壁８Ａ，８Ｂの長
手方向に間隔を隔てて形成されており、各切断線１１の
内側には、包装用容器３１の形成時に折曲線７Ａより下
方に突出し、包装用容器３１の転倒を防止する多数の脚
部材１２，１２…が形成されることになる。

【００１８】前記頂壁２の両端には、それぞれ折曲線１
３を介して後述する第１ストッパ１４のほぼ正方形状の
端壁１５が連設されている。この端壁１５はブランク１
に合計２枚形成されている。一方、前記各側壁４Ａ，４
Ｂの両端には、それぞれ折曲線１７を介して補助フラッ
プ１８が連設されている。この補助フラップ１８はブラ
ンク１に合計４枚形成されており、各補助フラップ１８
は、隣接位置にある前記端壁１５とそれぞれ折曲線１９
を介して連接されている。

【００１９】前記両折曲線１７と折曲線１９の交点近傍
となる前記補助フラップ１８の隅部には開口２０が形成
されている。この開口２０は、前記折曲線１９上に位置
する第１線分２０ａと、前記折曲線１９のほぼ中央部に
おいてこの第１線分２０ａと直交する第２線分２０ｂ
と、前記折曲線１７と折曲線１９の交点から第２線分２
０ｂの先端に到達する円弧部２０ｃとによりほぼ扇形状
に形成されている。

【００２０】前記開口２０の第２線分２０ｂと円弧部２
０ｃの交点から前記補助フラップ１８の外側に向かって
斜めに延在する折曲線２１が形成されており、この折曲
線２１の延長上には、前記折曲線１７と折曲線１９の交
点が位置している。そして、頂壁２と各側壁４Ａ，４Ｂ
の一方の端において２本の折曲線１９，２１と開口２０
の第１線分２０ａとに囲繞され前記第１ストッパ１４の
端壁１５とそれぞれ連接されている合計２つの部位は、
端壁１５の移動を拘束する第１ストッパ１４の２個の支
持片１６，１６を構成している。なお、前記開口２０
は、前記第１ストッパ１４の端壁１５などの折曲を安定
的に行うためのいわゆるぬすみである。

【００２１】前記各底壁８Ａ，８Ｂの両端には、それぞ
れ前記折曲線１７のほぼ延長方向に延在する折曲線２２
を介して第２ストッパ２３の端壁２４が連設されてお
り、各端壁２４は、前記各折曲線７Ａ，７Ｂのほぼ延長
方向に延在する折曲線２６を介して隣接する前記補助フ
ラップ１８と連接されている。各端壁２４は、前記両折
曲線２２，２６を含む不等辺四角形状とされており、両
折曲線２２，２６のなす内角は、包装用容器Ｃの形成時
に前記各側壁４Ａ，４Ｂと底壁８とのなす角度とほぼ等
しくされている。また、前記折曲線２２の先端から延在
している前記端壁２４の短辺２４ａと前記折曲線２２と
の内角は直角とされており、この短辺２４ａおよび折曲
線２６を連結する長辺２４ｂと前記短辺２４ａのなす内
角は鈍角とされ、包装用容器Ｃ内に収納した物品の下端
部を必要最小限の大きさで保持するようになっている。

【００２２】前記端壁２４の近傍の各補助フラップ１８
には、両折曲線２２，２６の交点から折曲線２６と鋭角
をなすように斜めに延在する折曲線２７が形成されてお
り、この折曲線２７と前記折曲線２６ならびに前記補助
フラップ１８の外側縁とに囲繞される三角形の部位は、
端壁２４の移動を拘束する第２ストッパ２３の支持片２
５を構成している。

【００２３】前記両折曲線１７と折曲線２７の交点近傍
となる前記補助フラップ１８の隅部には開口２８が形成
されている。この開口２８は、前記折曲線１７上に位置
する第１線分２８ａと、前記折曲線２７上に形成され第
１線分２８ａより短い寸法の第２線分２８ｂと、これら
の両線分２８ａ，２８ｂの先端間を連結する円弧部２８
ｃとにより偏平扇形状に形成されている。この開口２８
は、前記開口２０と同様、前記第２ストッパ２３の端壁
１５などの折曲を安定的に行うためのいわゆるぬすみで
ある。

【００２４】つぎに、前述した図２のブランク１から図
１の包装用容器３１を組立てる手順について説明する。

【００２５】ブランク１から図１の包装用容器３１を組
立てるに際しては、図示しない物品を整列させておき、
これらの物品の上方からブランク１を被せるようにし
て、物品を包装しつつ包装用容器３１を組立てることに
なるが、便宜上、物品の包装についての図示は省略し、
包装用容器３１の組立てのみについて説明する。また、
ブランク１は、図２に表面が示されているものとして説
明する。

【００２６】まず、頂壁２および各側壁４Ａ，４Ｂ間の
折曲線３Ａ，３Ｂを山折りし、頂壁２および両側壁４
Ａ，４Ｂを各物品の外周面に沿わせる。このとき、前記
各折曲線３Ａ，３Ｂの両端の延長上にある各折曲線１９
も山折りされることになる。

【００２７】つぎに、各側壁４Ａ，４Ｂおよび各底壁８
Ａ，８Ｂ間の折曲線７Ａ，７Ｂを山折りするとともに、
底壁８Ｂに突設されている各突起１０を底壁８Ａの対応
する各切断線９内に挿入し、両底壁８Ａ，８Ｂにより１
枚の底壁８を形成する。前記折曲線７Ａ，７Ｂの山折り
の際に、前記各折曲線７Ａ，７Ｂの両端の延長上にある
各折曲線２６も山折りされることになる。そして、この
状態においては、各物品は、包装用容器３１の頂壁２、
両側壁４Ａ，４Ｂおよび底壁８により両端開放状態で包
装用容器３１内に位置される。

【００２８】その後、各補助フラップ１８の上下端部の
各折曲線２１，２７を谷折りするようにして、各補助フ
ラップ１８を側壁４Ａまたは４Ｂと連接している各折曲
線１７を１８０度転回するように山折りし、各側壁４
Ａ，４Ｂの裏面に接触させる。すると、前述した各補助
フラップ１８の山折りに連動して、第１ストッパ１４の
端壁１５が折曲線１３および２本の折曲線１９，１９を
山折りするようにして頂壁２と直交する位置をとり、こ
の端壁１５は、いずれかの補助フラップ１８と接続され
ている２つの支持片１６，１６により支持されているの
で、頂壁２と直交する位置に保持される。また、前述し
た各補助フラップ１８の山折りに連動して、各第２スト
ッパ２３の端壁２４が折曲線２２および折曲線２６を山
折りするようにして底壁８と直交する位置をとり、この
端壁２４は、いずれかの補助フラップ１８と接続されて
いる支持片２５により支持されているので、底壁８と直
交する位置に保持される。

【００２９】したがって、第１ストッパ１４の端壁１５
および第２ストッパ２３の端壁２４が包装用容器３１内
に収納され包装用容器３１の両端開口３２，３２に臨む
物品の上端部および下端部に当接して物品の脱落を防止
することができる。

【００３０】なお、前記各側壁４Ａ，４Ｂおよび各底壁
８Ａ，８Ｂ間の折曲線７Ａ，７Ｂを山折りする際に各底
壁８Ａ，８Ｂから離間して各側壁４Ａ，４Ｂと同一平面
内に位置するようにして形成される複数の脚部材１２
は、本実施例における比較的偏平な包装用容器３１が転
倒するのを確実に防止することができる。

【００３１】前述したように本実施例の包装用容器３１
によれば、それぞれ支持片１６または２５を介して補助
フラップ１８と連結され位置を一定に保持されている第
１ストッパ１４の端壁１５および第２ストッパ２３の端
壁２４により物品を安定的に収納することができる。

【００３２】また、本実施例の包装用容器３１によれ
ば、内部に収納した物品を両ストッパ１４，２３の存在
により、従来のもののようなトップカットおよびボトム
カットを設けることなく安定的に保持できるので、内部
に収納する物品が変形物品であっても、物品の向きを規
制したり、円筒形の蓋体を物品に被着することなく収納
することができる。

【００３３】さらに、本実施例の包装用容器３１によれ
ば、トップカットおよびボトムカットを設けることなく
物品を保持できるので、ブランクの強度をそれ程高くし
なくとも物品の荷重によるブランク１の裂断が生じず、
したがって、安価に製造することができる。

【００３４】さらにまた、本実施例の包装用容器３１に
よれば、トップカットおよびボトムカットを設けること
なく物品を保持できるので、包装用容器３１の表面の広
範囲に印刷を行うことができ、この結果、宣伝効果を高
めることができる。

【００３５】なお、本発明は、前述した実施例に限定さ
れるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能であ
る。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、物
品の荷重による裂断を確実に防止し、変形物品を向きを
規制することなく確実に包装でき、印刷面積を従来のも
のより大きくでき、しかも、安価に製造できるという効
果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る包装用容器の実施例を示す一部を
省略した斜視図

【図２】図１のブランクの平面図

【符号の説明】

１ ブランク ２ 頂壁 ４Ａ，４Ｂ 側壁 ８，８Ａ，８Ｂ 底壁 １４ 第１ストッパ １５ 端壁 １６ 支持片 １８ 補助フラップ ２３ 第２ストッパ ２４ 端壁 ２５ 支持片 ３１ 包装用容器 ３２ 両端開口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底壁と、この底壁に連設され相互に対向
   位置をとる２枚の側壁と、各側壁に連設される頂壁とを
   有し、両端にそれぞれ開口が形成されている内部に物品
   を収納するための包装用容器において、前記頂壁および
   両側壁に連設され前記物品の上端部に当接しうる第１ス
   トッパと、前記底壁および両側壁に連設され前記物品の
   下端部に当接しうる第２ストッパとを有することを特徴
   とする包装用容器。