JPH07277286A - 航空機用学習型飛行制御装置 - Google Patents

航空機用学習型飛行制御装置

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JPH07277286A
JPH07277286A JP7173794A JP7173794A JPH07277286A JP H07277286 A JPH07277286 A JP H07277286A JP 7173794 A JP7173794 A JP 7173794A JP 7173794 A JP7173794 A JP 7173794A JP H07277286 A JPH07277286 A JP H07277286A
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JP
Japan
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signal
steering
pilot
target
output
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JP7173794A
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English (en)
Inventor
Takashi Kobayashi
小林  孝
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑なゲインスケジュールを行なうことなく
飛行条件に拘らず理想的な機体応答を実現する。 【構成】 操舵量信号120〜122は、規範モデル演
算部211に供給される。規範モデル演算部211は、
この操舵量信号に基づいて理想的な機体応答の時系列デ
ータ信号aを発生する。フィードバック制御部は213
は、現実の機体応答信号cと時系列データ信号aとの差
異に基づいてフィードバック制御信号dを出力する。ニ
ューラルネットワーク部212は、フィードバック制御
信号dと時系列データ信号aとの差異が減少するように
学習を行なうと共に、時系列データ信号aに基づいてフ
ィードフォワード制御コマンド信号bを出力する。そし
て、上記フィードフォワード信号bとフィードバック信
号dとを加算し、サーボ信号として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は航空機、特にフライト・
バイ・ワイヤ(FBW)又はフライト・バイ・ライト
(FBL)操縦方式のヘリコプタのための航空機用学習
型飛行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、飛行条件(速度・高度・機体重量
・重心等)に拘らず常に理想的な操舵応答を得るために
はモデルフォロイング制御と呼ばれる手法が用いられて
いる。従来のモデルフォロイング制御の構成を図10に
示す。
【0003】同図において、1はパイロット・コマンド
入力信号Upに基づいて規範モデル演算を行ない規範モ
デルの応答信号Xmを出力する規範モデル部、2は規範
モデルからの応答信号Xmと機体運動の状態量信号Xと
の差である誤差信号eを基にサーボコマンド信号Uを出
力するフィードバック制御則部、3はサーボコマンド信
号Uに基づいて機体運動を行ない機体運動の状態量信号
Xを出力する機体運動部である。
【0004】上記制御方法は、パイロット・コマンド入
力信号Upに対応して、規範モデル部1において規範モ
デル演算を行なうことによって理想的な機体応答信号
(角速度・加速度・上昇率等の時系列データ)Xmを求
め、この理想的な機体応答信号Xmと現実の機体運動の
状態量信号Xとの偏差を無くすようにフィードバック制
御則部2においてフィードバック制御が行なわれてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のモデルフォロイ
ング制御の構成では、飛行条件や機体条件の影響を受け
易く、常に一定の制御性能を得ようとすると、対気速度
や高度、機体重量等によってフィードバック制御のゲイ
ンを変化させる(ゲインスケジュールと呼ばれる)計算
が非常に複雑になるという問題がある。
【0006】また、従来のモデルフォロイング制御の構
成では、理想的な運動モデルと現実の機体応答との誤差
が生じてから修正を行なうので、応答に遅れを生じ易
く、逆にこれを高い制御ゲインでカバーしようとすると
安定性の余裕が不足するという問題がある。
【0007】本発明は上記実状に鑑みてなされたもの
で、飛行制御コンピュータの演算回路(又はソフトウェ
ア)を過度に複雑とし、且つ設計時点に於いて膨大な計
算や飛行試験を必要とする複雑なゲインスケジュール
や、安定性余裕を損なう高い制御ゲインを使用すること
なしに、飛行条件に拘らず常に理想的な操舵応答を可能
とする航空機用学習型飛行制御装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る航空機用学
習型飛行制御装置は、パイロット及びコパイロットの操
舵量を検出して操舵信号を出力するパイロット操舵量検
出機構と、前記パイロット操舵量検出機構から出力され
る操舵信号に基づいて、パイロット及びコパイロットの
望む理想的な機体応答の時系列データ信号を出力する規
範モデル演算部と、突風等の外乱や、機体重量変化に伴
う機体の特性変化によって生ずる現実の機体応答信号と
前記規範モデル演算部から出力される時系列データ信号
との差異に基づいてフィードバック制御コマンド信号を
計算して出力するフィードバック制御部と、前記規範モ
デル演算部から出力される時系列データ信号に基づいて
フィードフォワード制御コマンド信号を計算して出力す
る信号出力手段、及び前記フィードバック制御部から出
力されるフィードバック制御コマンド信号と前記規範モ
デル演算部から出力される時系列データ信号との差異が
減少するように学習する学習手段を備えたニューラルネ
ットワーク部と、前記ニューラルネットワーク部から出
力されるフィードフォワード制御コマンド信号と前記フ
ィードバック制御部から出力されるフィードバック制御
コマンド信号を加算してサーボアクチュエータに出力す
る手段とを具備し、前記ニューラルネットワーク部の学
習が完了した時点では、飛行条件に拘らず理想的な操舵
応答の実現を前記ニューラルネットワーク部が行ない、
外乱に対する修正操舵については前記フィードバック制
御部が行なうことを特徴とする。
【0009】また、本発明は、前記規範モデル演算部の
特性を可変にすることにより、飛行状況或いは飛行任務
の違いに応じて機体の理想的操舵応答を可変にすること
を特徴とする。
【0010】
【作用】パイロット及びコパイロットの操舵量がパイロ
ット操舵量検出機構によって検出され、飛行制御コンピ
ュータに操舵信号が出力される。パイロット操舵量検出
機構からのパイロット操舵信号を用いて、飛行制御コン
ピュータ内の規範モデル演算部がパイロット及びコパイ
ロットの望む理想的な機体応答の時系列データを発生す
る。
【0011】突風等の外乱や、機体重量変化に伴う機体
の特性変化によって生ずる現実の機体応答信号と規範モ
デル演算部から出力される時系列データ信号の差異に基
づいてフィードバック制御部がフィードバック制御コマ
ンドを計算し、フィードバック制御コマンド信号を出力
する。
【0012】ニューラルネットワーク部は、規範モデル
演算部からの時系列データ信号に基づいてフィードフォ
ワード制御コマンド信号を計算し、このフィードフォワ
ード制御コマンド信号を出力する。また、ニューラルネ
ットワーク部はフィードバック制御部から出力されたフ
ィードバック制御コマンド信号と規範モデル演算部から
出力された時系列データ信号の差異が減少するように学
習を行なってニューラルネットワーク部の特性を変化さ
せる。
【0013】そして、ニューラルネットワーク部から出
力されるフィードフォワード制御コマンド信号とフィー
ドバック制御部から出力されるフィードバック制御コマ
ンド信号は加算されてサーボアクチュエータにサーボコ
マンド信号として出力される。
【0014】ニューラルネットワーク部の学習が完了し
た時点では、飛行条件に拘らず理想的な操舵応答の実現
をニューラルネットワーク部で行ない、外乱に対する修
正操舵についてはフィードバック制御部で行なう。
【0015】また、上記規範モデル演算部の特性を可変
することにより、例えばホバリング飛行、高速前進飛行
等の飛行状況、或いは飛行任務の違いに応じて機体の理
想的操舵応答が可変になる。従って、複雑なゲインスケ
ジュールを行なうことなく飛行条件に拘らず理想的な機
体応答を実現することができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。本発明は、ニューラルネットワークを応用して
構成したフィードフォワードループを従来のフィードバ
ック型のモデルフォロイング制御に追加して制御システ
ムを構成し、更にフィードバックループによる制御コマ
ンドが減少するようにニューラルネットワークを学習さ
せ、学習が進んだ状態ではパイロットが望む機体操縦応
答の実現は、ニューラルネットワークで構成したフィー
ドフォーワード部で行ない、ガスト等の外乱に対する細
かい修正操舵はフィードバック部で実行させるように構
成したものである。
【0017】図1は、本発明をヘリコプタ用学習型飛行
制御装置に実施した場合の構成例を示すブロック図であ
る。本発明に係るヘリコプタ用学習型飛行制御装置は、
コクピット操縦装置11、飛行制御コンピュータ12、
コントロールパネル13、機体運動センサ14、操縦用
サーボアクチュエータ15により構成される。
【0018】上記コクピット操縦装置11には、パイロ
ット及びコパイロット用のサイクリックスティック11
1a,111b、コレクティブスティック112a,1
12b、ペダル113a,113bが設けられている。
【0019】サイクリックスティック111a,111
b、コレクティブスティック112a,112b及びペ
ダル113a,113bには、それぞれパイロット(コ
パイロット)操舵量の検出機構114(114a〜11
4d),115(115a,115b),116(11
6a,116b)と、中立位置からの操舵量に比例した
反力を発生する反力発生機構117(117a〜117
d),118(118a,118b),119(119
a,119b)が内蔵されている。
【0020】パイロット用のサイクリックスティック1
11a、コパイロット用のサイクリックスティック11
1bは、それぞれ縦(前後方向)、横(左右方向)二方
向の操舵自由度を有しており、各々縦サイクリック用、
横サイクリック用の操舵量検出機構及び反力発生機構を
有している。
【0021】パイロット及びコパイロットの縦サイクリ
ック操舵量、横サイクリック操舵量は、サイクリック操
舵量検出機構114a〜114dによって検出され、縦
サイクリック操舵信号120a、横サイクリック操舵信
号120bとして飛行制御コンピュータ12内部の規範
モデル演算部に電気信号又は光信号として出力される。
【0022】同様に、パイロット及びコパイロットのコ
レクティブ操舵量は、コレクティブ操舵量検出機構11
5a,115bによって検出され、コレクティブ操舵信
号121として飛行制御コンピュータ12内部の規範モ
デル演算部に電気信号又は光信号として出力され、パイ
ロット及びコパイロットのペダル操舵量は、ペダル操舵
量検出機構116a,116bによって検出され、ペダ
ル操舵信号122として飛行制御コンピュータ12内部
の規範モデル演算部に電気信号又は光信号として出力さ
れる。
【0023】また、パイロット用コクピット操縦装置と
コパイロット用コクピット操縦装置からの操舵入力信号
の配線は結合されており、パイロットとコパイロットが
同時に操舵を行なった場合、二人の操舵量の和が縦サイ
クリック操舵信号120a、横サイクリック操舵信号1
20b、コレクティブ操舵信号121、ペダル操舵信号
122の操舵入力信号として飛行制御コンピュータ12
に入力される。
【0024】上記機体運動センサ14は、縦方向加速度
nx、横方向加速度ny、垂直方向加速度nzを検出す
る3軸方向の加速度計141a〜141c、ピッチレー
トq、ロールレートp、ヨーレートrを検出する3軸方
向のレートジャイロ142a〜142c、ピッチ姿勢角
θ、ロール姿勢角φ、機種方位角ψを検出する姿勢方位
基準装置(AHRS)143、対気速度U、気圧高度H
B 、気圧高度レートHB ′を検出するエアデータシステ
ム144、電波高度HR 、電波高度レートHR′を検出
する電波高度計145で構成されている。
【0025】そして、加速度系141a〜141cで検
出された縦/横/垂直方向加速度信号146及びレート
ジャイロ142a〜142cで検出されたピッチ/ロー
ル/ヨーレート信号147、姿勢方位基準装置(AHR
S)143で検出されたピッチ/ロール姿勢角信号、機
種方位角信号148、エアデータシステム144で検出
された対気速度信号、気圧高度信号、気圧高度レート信
号149、電波高度計145で検出された電波高度信
号、電波高度レート信号150は飛行制御コンピュータ
12に供給される。
【0026】コントロールパネル13は、気圧高度保持
モード及び電波高度保持モードを選択するためのパネル
で、パネルスイッチの操作により選択された気圧高度保
持モード又は電波高度保持モードを選択するためのモー
ド選択信号131を飛行制御コンピュータ12に出力す
る。
【0027】操縦用サーボアクチュエータ15は、飛行
制御コンピュータのピッチサーボコマンドδB1S を受け
て作動するピッチコントロールサーボ151、ロールサ
ーボコマンドδA1S を受けて作動するロールコントロー
ルサーボ152、コレクティブサーボコマンドδθc を
受けて作動するコレクティブコントロールサーボ153
の3本のメインロータ制御用サーボアクチュエータとヨ
ーサーボコマンドδθt を受けて作動するテールロータ
サーボ154で構成される。
【0028】上記飛行制御コンピュータ12は、図2に
示すように規範モデル演算部211、ニューラルネット
ワーク部212及びフィードバック制御部213を主体
として構成される。
【0029】規範モデル演算部211は、コックピット
操舵装置11のパイロット操舵量検出機構114〜11
6からのパイロット操舵入力信号120(120a,1
20b)〜122を用いてパイロットの望む理想的な機
体応答の時系列データ信号aを発生する。
【0030】学習機能を有するニューラルネットワーク
部212は、この理想的な機体応答を実現するためのフ
ィードフォワード制御コマンドを計算し、フィードフォ
ワード制御コマンド信号bとして出力する。フィードバ
ック制御部213は、突風等の外乱や機体重量変化に伴
う機体の特性変化によって生ずる現実の機体応答信号c
と理想的な機体応答の時系列データ信号aとの差異に基
づいてフィードバック制御コマンドを計算してフィード
バック制御コマンド信号dとして出力する。このフィー
ドバック制御コマンド信号dは,ニューラルネットワー
ク部212から出力されるフィードフォワード制御コマ
ンド信号bと加算されてサーボアクチュエータに出力さ
れる。
【0031】一方、フィードバック制御コマンド信号d
は、ローパスフィルタ214により高周波成分が除去さ
れた後、ニューラルネットワーク部212に入力され
る。そして、ニューラルネットワーク部212におい
て、フィードバック制御コマンド信号d(即ち、現実の
機体応答と理想的な機体応答の差異)が減少するように
学習を行なってニューラルネットワーク部212の特性
を変化させることにより、学習が完了した時点では飛行
条件(速度、機体、機体重量・重心等)に拘らず理想的
な応答の実現をニューラルネットワーク部212が行な
い、突風等の外乱に対する修正操舵はフィードバック制
御部部213が行なう。このような構成を採用すること
によって、パイロットの望む理想的な機体応答を実現す
るサーボコマンドが計算され、操縦用サーボアクチュエ
ータに出力される。
【0032】また、上記規範モデル演算部211の特性
を可変することにより、飛行状況(ホバリング飛行、高
速前進飛行)或いは飛行任務の違いに応じて機体の理想
的操舵応答を可変にすることもできる。
【0033】規範モデル演算部211は図3に示すよう
に、縦サイクリック操舵信号120aの一次遅れ要素3
11a、横サイクリック操舵信号120bの一次遅れ要
素311b、コレクティブ操舵信号121の一次遅れ要
素311c、ペダル操舵信号122の一次遅れ要素31
1dが設けられている。
【0034】この一次遅れ要素311a〜311dのう
ち、縦サイクリック操舵信号120aの一次遅れ要素3
11aには制御切替スイッチ312aが接続されてお
り、ペダル操舵信号122の一次遅れ要素311dには
制御切替スイッチ312bが接続されている。
【0035】上記制御切替スイッチ312a,312b
には、低速時用切替制御スイッチ312a−1,312
b−1及び高速時用切替制御スイッチ312a−2,3
12b−2が設けられている。そして、低速時用制御切
替スイッチ312a−1には、微分要素313a、積分
要素314aが接続され、高速時用制御切替スイッチ3
12a−2には、微分要素313b、積分要素314b
が接続される。同様に、低速時用制御切替スイッチ31
2b−1には、微分要素313e、積分要素314fが
接続され、高速時用制御切替スイッチ312b−2に
は、微分要素313fが接続されている。また、横サイ
クリック操舵信号120bの一次遅れ要素311bに
は、微分要素313c、積分要素314cが接続され、
コレクティブ操舵信号121の一次遅れ要素311cに
は微分要素313d、積分要素314eが接続されてい
る。
【0036】次に、規範モデル演算部211の動作を図
3を参照して説明する。規範モデル演算部211では、
パイロットのスティック(ペダル)操舵に対する理想的
な機体応答(角速度、加速度、上昇率等)をあらかじめ
設定された応答形式に従って発生する。
【0037】本発明に係る実施例では、低速時(50k
t以下)と高速時(50kt以上)に対応した応答形式
が設定されている。縦サイクリック操舵信号120a
は、伝達関数Kq /(1+Tq S)で表わされる一次遅
れ要素311aを介して制御切替スイッチ312aに供
給される。
【0038】低速時においては、制御切替スイッチ31
2a内の低速時用切替制御切替スイッチ312a−1が
「ON」になり、高速時用制御切替スイッチ312a−
1が「OFF」となるので、一次遅れ要素311aの出
力である目標ピッチレート信号qd が出力されるととも
に、この目標ピッチレート信号qd は微分要素313a
を介して目標ピッチ角加速度信号qd ′、積分要素31
4aを介して目標ピッチ姿勢角信号θd として出力され
る。
【0039】一方、高速時においては制御切替スイッチ
312a内の低速時用切替制御切替スイッチ312a−
1が「OFF」になり、高速時用制御切替スイッチ31
2a−1が「ON」となるので、縦サイクリック操舵信
号120aの一次遅れ要素311aから目標縦加速度コ
マンド信号nxdが出力されるとともに、この目標縦加速
度コマンド信号nxdは微分要素313bを介して目標縦
加速度レート信号nxd′、積分要素314bを介して目
標対気速度信号Ud として出力される。
【0040】横サイクリック操舵信号120bは、伝達
関数Kp /(1+Tp S)で表わされる1次遅れ要素3
11bを介して目標ロールレート信号pd として出力さ
れる。
【0041】更に、この目標ロールレート信号pd は微
分要素313cを介して目標ロール角加速度信号pd
′、積分要素314cを介して目標ロール角姿勢角信
号φd として出力される。
【0042】コレクティブ操舵信号121は、伝達関数
Kc /(1+Tc S)で表わされる1次遅れ要素311
cを介して目標垂直速度信号Hd ′として出力される。
更に、目標垂直速度信号Hd ′は微分要素313dを介
して目標垂直加速度信号nzd、積分要素314eを介し
て目標高度信号Hd として出力される。
【0043】ペダル操舵信号122は、伝達関数Ky /
(1+Ty S)で表わされる一次遅れ要素311dを介
して制御切替スイッチ312bに供給される。低速時に
おいては、制御切替スイッチ312b内の低速時用切替
制御切替スイッチ312b−1が「ON」になり、高速
時用制御切替スイッチ312b−2が「OFF」とな
り、一次遅れ要素311dの出力が目標ヨーレート信号
rd として出力されるとともに、この目標ヨーレート信
号rd は微分要素313eを介して目標ヨー角加速度信
号rd ′、積分要素314fを介して目標方位角信号ψ
dとして出力される。
【0044】一方、高速時においては、制御切替スイッ
チ312b内の低速時用切替制御切替スイッチ312b
−1が「OFF」になり、高速時用制御切替スイッチ3
12b−2が「ON」となるので、ペダル操舵信号12
2の一次遅れ要素311dの出力は目標横加速度信号n
ydとして出力され、この目標横加速度信号nydは微分要
素313fを介して目標横加速度レート信号nyd′とし
て出力される。
【0045】縦サイクリック操舵を例にとれば、低速時
では縦サイクリック操舵信号120aに対し、目標ピッ
チレート(機体の左右軸回りの角速度)信号qd が所定
の関数型に基づく理想応答波形として出力される。この
時、パイロット(コパイロット)はサイクリックスティ
ックの反力発生機構によって操舵量に比例した反力(操
舵力)を手に感じており、機体のピッチ姿勢がパイロッ
トの所望の角度となった状態で、パイロットが手をはな
すと反力発生機構の働きによってサイクリックスティッ
クは中立位置に戻る。
【0046】その結果、縦サイクリック操舵量検出機構
から規範モデル演算部211への入力値は「0」とな
り、サイクリックスティック反力が「0」となった瞬間
の機体のピッチ姿勢角信号θd がピッチ姿勢の保持目標
値となり再度パイロットがサイクリックスティック操舵
を行なわない限り、ガスト等に拘らずピッチ姿勢角を自
動的にこの目標値に保持するための制御がフィードバッ
ク制御部213によって行なわれる。
【0047】また、パイロット(コパイロット)の横サ
イクリック操舵に対する横サイクリック操舵信号120
bは、一次遅れ要素311bを介して目標ロールレート
信号pd として出力され、更にこの目標ロールレートp
d は微分要素313cを介して目標ロール角加速度信号
pd ′、積分要素314cを介して目標ロール姿勢角信
号φd として出力される。
【0048】縦サイクリック操舵の場合と同様に、パイ
ロットがスティックから手を離すとスティックに内蔵さ
れた反力発生機構の働きによってスティックは中立位置
に戻り、操舵量検出機構からのパイロット操舵入力信号
は「0」となる。目標ロールレート信号pd 及び目標ロ
ール角加速度信号pd ′もこれに対応して「0」となる
が、積分要素314cにはパイロットがスティックから
手を離した瞬間の目標ロール姿勢角信号φd が保存され
るので、パイロット操舵が行なわれていない間は機体の
ロール姿勢角信号φを目標ロール姿勢角信号φd に保つ
制御が行なわれる。
【0049】同様に、パイロット(コパイロット)のコ
レクティブ操舵に対するコレクティブ操舵信号121
は、伝達関数Kc/(1+TcS)で表わされる一次遅
れ要素311cを介して目標垂直速度信号Hd′として
出力され、更にこの目標垂直速度信号Hd′は微分要素
313dを介して目標垂直加速度信号nzd、積分要素3
14eを介して目標高度信号Hd として出力され、パイ
ロット(コパイロット)がコレクティブ操舵を行なって
いない時には目標高度信号Hd が一定に保たれる。
【0050】パイロット(コパイロット)のペダル操舵
に対するペダル操舵信号122は、伝達関数Ky/(1
+TyS)で表わされる一次遅れ要素311dを介して
制御切替スイッチ311dに供給される。
【0051】低速時においては、制御切替スイッチ31
2b内の低速時用切替制御切替スイッチ312b−1が
「ON」になり、高速時用制御切替スイッチ312b−
2が「OFF」となるので、一次遅れ要素311dの出
力である目標ヨーレート信号rd が出力されるととも
に、この目標ヨーレート信号rd は微分要素313eを
介して目標ヨー角加速度信号rd ′、積分要素314f
を介して目標機首方位角信号ψd として出力される。な
お、この目標機首方位角信号ψd は高速時には横サイク
リック操舵中の機首方位角ψに常時更新されている。
【0052】一方、高速時においては制御切替スイッチ
312b内の低速時用切替制御切替スイッチ312b−
1が「OFF」になり、高速時用制御切替スイッチ31
2b−2が「ON」となるので、ペダル操舵信号122
の一次遅れ要素311dから目標横加速度信号nydが出
力されるとともに、この目標横加速度信号nydは微分要
素313fを介して目標横加速度レート信号nyd′とし
て出力される。
【0053】同図において、パイロット(コパイロッ
ト)の縦サイクリック操舵及びペダル操舵に対して出力
される縦サイクリック操舵信号120a及びペダル操舵
信号122は規範モデル演算部211に供給される。こ
の供給された縦サイクリック操舵信号120a及びペダ
ル操舵信号122に基づいて、規範モデル演算部211
が出力する目標応答信号は、低速時(50kt以下)と
高速時(50kt以上)で違うタイプの信号が出力され
ている。
【0054】即ち、低速時における縦サイクリック操舵
に対しては目標ピッチレート信号qd を発生させ、縦サ
イクリック操舵がないときは目標ピッチ姿勢角信号θd
が一定に保たれる。高速時の縦サイクリック操舵に対し
ては目標縦加速コマンドnxdを発生させ、縦サイクリッ
ク操舵がない時は目標対気速度Ud が一定に保たれる。
【0055】これは、一般的に低速時にはピッチ姿勢制
御が重視され、高速時には対気速度制御が重視されるこ
とに配慮したものである。また、低速時のペダル操舵信
号122に対しては目標ヨーレート信号rd を発生さ
せ、ペダル操舵がない時は目標方位角信号ψd が一定に
保たれる。高速時のペダル操舵信号122に対しては目
標横滑り(横加速度)信号nydが出力される。
【0056】高速時のペダル操舵信号122入力に対し
ては積分要素が用意されていないので、ペダル操舵が行
なわれていないときは、横加速度(横滑り)信号nydは
「0」となる。
【0057】これは、一般的に低速時にはペダル操作が
機種方位を制御することに用いられ、高速時には旋回中
の横滑りの制御に主として用いられることを考慮したも
のである。
【0058】次にニューラルネットワーク部212につ
いて説明する。ニューラルネットワークは,図4に示す
ような人間の脳の神経細胞をモデル化したニューロンを
複数個組み合わせたもので通常、入力層、中間層、出力
層の3層から構成される。
【0059】同図において、u1 〜un は前の層の1番
目〜n番目のニューロンの軸索からの出力信号を表わし
ており、この1番目〜n番目のニューロンの出力信号u
1 〜un はシナプス結合の重み係数w1 〜wn を介して
ニューロン401の樹状突起402−1〜402−nに
供給される。
【0060】ニューロン401は、その特性を表す伝達
関数に基づいて出力信号yi を軸索403に出力する。
この伝達関数は、例えばf(I)=1/(1+exp
(−I)−0.5の形で表される。ここで、Iは重み付
けされた1番目〜n番目のニューロンの出力信号w1 u
1 〜wn un の総和で、 I=w1 u1 +w2 u2 +w3 u3 +・・・・+wn un の形で表される。
【0061】ニューロン401の軸索403は、他のニ
ューロンの樹状突起に出力信号yiを供給するために4
04−1〜404−mに枝分かれしている。ニューラル
ネットワーク部の層数、ニューロン数の設定は任意に行
なうことが出来るが、基本的に入力層のニューロン数は
規範モデル演算部の出力信号の数と一致させ、出力層の
ニューロン数は操縦系統のサーボアクチュエータの個数
(メインロータ制御用3個、テールロータ制御用1個)
と一致させる。
【0062】ニューラルネットワーク部には、機体運動
の逆モデル(機体の応答を入力データとして与え、逆に
それを実現するためのパイロット操舵量を計算できるよ
うにする数学モデル)が学習によって形成されており、
規範モデル演算部から出力される時々刻々の機体応答信
号(ピッチレート、加速度等の時系列データ信号)の目
標値を実現するためのサーボコマンドを出力する。
【0063】以下、ニューラルネットワーク部212の
学習について説明する。ニューラルネットワーク部21
2では、フィードバック制御部213から入力される信
号を理想的出力(ニューラルネットワーク理論で通常
「教師信号」と呼ばれるもの)と現実の出力の差として
捉え、この差を「0」に近づけるように図5に示すよう
なバック・プロパゲーション手法等を用いてニューラル
ネットワークの学習、即ちシナプス結合の重み係数の修
正を行なう。
【0064】同図において、u1 〜u4 は前の層の1番
目〜4番目のニューロン501a〜501dの軸索から
の出力信号を表わしており、この1番目〜4番目のニュ
ーロン501a〜501dの出力信号u1 〜u4 はシナ
プス結合の重み係数w1 〜w4 を介して出力層のニュー
ロン503の樹状突起502a〜502dに出力され
る。
【0065】ニューロン503は、自己の特性を表す伝
達関数に基づいて信号yを出力する。一例として、同図
における重み係数w1 に着目するとw1 の学習は次式の
ように行なわれる。
【0066】 w1 (新)=w1 (旧)+u1 (旧)×f* (yT −y) ここで、f* (φ)はニューロンの伝達関数f(I)の
逆関数(出力から入力への伝達関数)、yT は教師信号
である。
【0067】即ち、ニューロン503の出力信号yが教
師信号yT よりも小さい場合(y<yT )には、前層の
ニューロンが出力増に貢献(出力信号u1 が正値)して
いれば重み係数w1 が増大し、前層のニューロンが出力
減に貢献(出力信号u1 が負値)をしていれば重み係数
w1 が減少することによって、出力信号yが教師信号y
T に近づくように重み係数w1 の修正が行なわれる。
【0068】図6及び図7はニューラルネットワーク部
212の構成を示したもので、規範モデル演算部211
の特性が低速時と高速時とで分かれていることに対応し
て、低速時用と高速時用の2つのニューラルネットワー
ク部が用意されている。図6が低速時用、図7が高速時
用である。
【0069】何れも入力層、中間層、出力層から成る3
層のニューラルネットワークであり、入力層は低速時用
では規範モデル演算部211の出力のうち、目標ピッチ
角加速度信号qd ′、目標ピッチレート信号qd 、目標
ロール角加速度信号pd ′、目標ロールレート信号pd
、目標垂直加速度信号nzd、目標垂直速度信号H
d′、目標ヨー角加速度信号rd ′、目標ヨーレート信
号rd の8個の信号を入力とする8個のニューロン60
1a〜601hで構成されている。
【0070】高速時用では目標縦加速度レート信号nx
d′、目標縦加速度信号nxd、目標ロール角加速度信号
pd ′、目標ロールレート信号pd 、目標垂直加速度信
号nzd、目標垂直速度信号Hd ′、目標横加速度レート
信号nyd′、目標横加速度信号nydの8個の信号を入力
とする8個のニューロン701a〜701hで構成され
ている。
【0071】高速時及び低速時、何れの場合も各入力値
は、通常の運用中に発生する最大値で割ることによって
無次元化し、数値の大きさが著しく不揃いとなってニュ
ーラルネットワークの学習速度に影響がでるのを防いで
いる。
【0072】中間層は、低速時用及び高速時用ともに入
力層のニューロン数に合わせて8個のニューロン602
a〜602h,702a〜702hで構成されている。
出力層は、低速時用及び高速時用ともに操縦用サーボア
クチュエータの個数に合わせて4個のニューロン603
a〜603d,703a〜703dで構成されている。
【0073】次に、フィードバック制御部213につい
て説明する。フィードバック制御部213は、規範モデ
ル演算部211の特性が低速時と高速時で分かれている
ことに対応して、低速時用と高速時用の2つのフィード
バック制御部で構成される。
【0074】低速時用のフィードバック制御部の構成を
図8に、高速時用のフィードバック制御部の構成を図9
に示す。低速時用のフィードバック制御部は、図8に示
すようにピッチサーボコマンド信号δB1S を計算するピ
ッチチャンネル制御則部801、ロールサーボコマンド
信号δA1S を計算するロールチャンネル制御則部80
2、コレクティブサーボコマンド信号δθcを計算する
コレクティブチャンネル制御則部803、ヨーサーボコ
マンド信号δθt を計算するヨーチャンネル制御則部8
04に大別される。
【0075】上記ピッチチャンネル制御則部801は、
規範モデル演算部からの目標ピッチレート信号qd とレ
ートジャイロからのピッチレート信号qの差に乗じられ
るKp1で表される比例ゲイン805及び目標ピッチ姿勢
角信号θd と姿勢方位基準装置からのピッチ姿勢角信号
θの差に乗じられるKp2で表される比例ゲイン806を
主体として構成される。
【0076】上記ロールチャンネル制御則部802は、
目標ロールレート信号pd とロールレート信号pの差に
乗じられるKr1で表される比例ゲイン807及び目標ロ
ール姿勢角信号φd とロール姿勢角信号φの差に乗じら
れるKr2で表される比例ゲイン806を主体として構成
される。
【0077】上記コレクティブチャンネル制御則部80
3は、目標垂直速度信号Hd ′と気圧高度レート信号H
B ′又は電波高度レート信号HR ′の差に乗じられるK
c1で表される比例ゲイン809及び目標高度信号Hd と
目標垂直速度信号Hd ′又は気圧高度レート信号HB ′
又は電波高度レート信号HR ′の差に乗じられるKc2で
表される比例ゲイン810を主体として構成される。
【0078】上記ヨーチャンネル制御則部804は、目
標ヨーレート信号rd とヨーレート信号rの差に乗じら
れるKy1で表される比例ゲイン811及び目標機種方位
角信号ψd と機種方位角信号ψの差に乗じられるKy2で
表される比例ゲイン812を主体として構成される。
【0079】高速時用のフィードバック制御部は、図9
に示すように低速時用のフィードバック制御部と同様に
ピッチサーボコマンド信号δB1S を計算するピッチチャ
ンネル制御則部901、ロールサーボコマンド信号δA1
S を計算するロールチャンネル制御則部902、コレク
ティブサーボコマンド信号δθcを計算するコレクティ
ブチャンネル制御則部903、ヨーサーボコマンド信号
δθt を計算するヨーチャンネル制御則部904に大別
される。
【0080】上記ピッチチャンネル制御則部901は、
機体運動センサからのピッチレート信号qに乗じられる
Kp1で表される比例ゲイン905及び目標縦加速度信号
nxdと縦方向加速度信号nx の差に乗じられるKp2で表
される比例ゲイン906と目標対気速度信号Ud と対気
速度信号Uの差に乗じられるKp3で表される比例ゲイン
907を主体として構成される。
【0081】ロールチャンネル制御則部902は、目標
ロールレート信号pd とロールレート信号pの差に乗じ
られるKr1で表される比例ゲイン908と目標ロール姿
勢角信号φd とロール姿勢角信号φの差に乗じられるK
r2で表される比例ゲイン909を主体として構成され
る。
【0082】コレクティブチャンネル制御則部903
は、目標垂直速度信号Hd ′と気圧高度レート信号HB
′又は電波高度レート信号HR ′の差に乗じられるKc
1で表される比例ゲイン910及び目標高度信号Hd と
目標垂直速度信号Hd ′又は気圧高度レート信号HB ′
又は電波高度レート信号HR ′の差に乗じられるKc2で
表される比例ゲイン911を主体として構成される。
【0083】ヨーチャンネル制御則部904は、目標機
種方位角信号ψd と機種方位角信号ψの差に乗じられる
Ky2で表される比例ゲイン913と目標横加速度信号n
ydと横方向加速度信号ny の差に乗じられるKy3で表さ
れる比例ゲイン914を主体として構成される。
【0084】次に、フィードバック制御部の動作を図8
及び図9を参照して説明する。低速時のフィードバック
制御部には、規範モデル演算部からの目標ピッチレート
信号qd 、目標ピッチ姿勢角信号θd 、目標ロールレー
ト信号pd 、目標ロール姿勢角φd 、目標垂直速度信号
Hd ′、目標高度信号Hd 、目標ヨーレート信号rd 、
目標機種方位角信号ψd 、レートジャイロからのピッチ
レート信号q、ロールレート信号p、ヨーレート信号
r、姿勢方位基準装置からのピッチ姿勢角信号θ、ロー
ル姿勢角信号φ、機種方位角信号ψが入力され、更に、
コントロールパネル上のスイッチ操作により機体高度保
持モードが選択されている場合はエアデータシステムか
らの気圧高度信号HB 及び気圧高度レート信号HB ′、
電波高度保持モードが選択されている場合には、電波高
度計電波高度信号HR 及び電波高度レート信号HR ′が
入力される。
【0085】そして、規範モデル演算部から入力された
各目標値と機体運動センサから入力された対応するセン
サ信号との差にゲインが乗じられ、フィードバック制御
コマンドが計算され、フィードバック制御コマンド信号
として出力される。
【0086】高速時のフィードバック制御部への入力デ
ータは、ロールチャンネル制御則部902及びコレクテ
ィブチャンネル制御則部903の制御については低速時
と同一であり、ピッチチャンネル制御則部901の制御
については目標ピッチレート信号qd 、目標ピッチ姿勢
角信号θd の代わりに目標縦加速度信号nxd、目標対気
速度信号Ud が入力され、機体運動センサからの信号に
ついてはピッチ姿勢角信号θが削除され縦加速度信号n
xd、対気速度信号Uが追加されている。
【0087】ヨーチャンネル制御則部904の制御につ
いては、目標ヨーレート信号rd の代わりに目標横加速
度信号nydが入力され、機体運動センサからの信号につ
いて横加速度信号ny が追加されている。
【0088】目標値として目標ピッチレート信号qd と
目標ヨーレート信号rd が入力データから消えたにも拘
らず、機体運動センサ信号のピッチレート信号qとヨー
レート信号rが入力データとして残っているのはガスト
等に対するダンピング制御項として働かせるためであ
る。
【0089】また、目標機種方位角信号ψd と機首方位
角信号ψが残ったのは、パイロット(コパイロット)が
高速時でも旋回のための横サイクリック操舵を行ってい
ない場合には機種方位角信号ψを保持している必要があ
るためで、図3における説明で述べたように、目標機種
方位ψd にはパイロット(コパイロット)が旋回のため
の横サイクリック操舵を終了した時点の最終的な機種方
位角の値が保持されている。
【0090】上記実施例では、規範モデル演算部の特性
を飛行速度のみに着目して低速時に適した特性と高速時
に適した特性に分けて飛行速度に応じて自動的に選択が
行なわれるように考えられているが、飛行任務(救難ホ
バリング、薬剤散布等)の違いに応じて更に細かく特性
を変化させるように設計し、コントロールパネル上のス
イッチ操作によって自由に特性のタイプを選択できるよ
うにすることも可能である。
【0091】また、上記実施例では、説明を簡単にする
ために飛行制御コンピュータや機体運動センサは、すべ
て1重の装備となっているが、実際の応用に当たっては
操縦系統全体の信頼を確保するため、これら電子器機に
ついては3重以上の冗長装備が望ましい。
【0092】また、上記実施例では、ヘリコプタの飛行
制御装置に実施した場合について説明したが、同様の操
縦方式を有する固定翼機の飛行制御装置としても適用し
得るものである。
【0093】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、学
習によりニューラルネットワークにその時点の機体運動
の逆モデルが自然に形成されるので、複雑なゲインスケ
ジュールを行なうことなしに、飛行条件(速度、高度、
機体重量、重心等)に拘らず理想的な機体応答を実現す
ることができる。
【0094】また、従来のフィードバック制御を併有し
ているのでニューラルネットワークの学習が不十分で機
体運動特性を正しく反映できていない時点でも、それな
りの機体応答が得られるので飛行安全性が常に確保でき
ることである。
【0095】更に、学習が完了した時点ではパイロット
操舵に対応する制御(CAS制御)はニューラルネット
ワークで構成されたフィードフォワードループが分担
し、ガスト等の外乱に対する機体の安定性を増強するた
めの制御はフィードバックループが分担するという役割
分担が行なわれるので、操縦性と安定性を両立すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るヘリコプタ用学習型飛
行制御装置を示す図。
【図2】同実施例における飛行制御コンピュータの構成
を示す図。
【図3】同実施例における規範モデル演算部の構成を示
す図。
【図4】同実施例におけるニューラルネットワークの説
明図。
【図5】同実施例におけるニューラルネットワーク部に
おける学習の説明図。
【図6】同実施例における低速時用のニューラルネット
ワーク部の構成を示す図。
【図7】同実施例における高速時用のニューラルネット
ワーク部の構成を示す図。
【図8】同実施例における低速時用のフィードバック制
御部の構成を示す図。
【図9】同実施例における高速時用のフィードバック制
御部の構成を示す図。
【図10】従来のモデルフォロイング制御方法を示すブ
ロック図。
【符号の説明】
11…コクピット操縦装置、12…飛行制御コンピュー
タ、13…コントロールパネル、14…機体運動セン
サ、15…操縦用サーボアクチュエータ、111…サイ
クリックスティック、112…コレクティブスティッ
ク、113…ペダル、114〜116…パイロット(コ
パイロット)操舵量の検出機構、117〜119…反力
発生機構、120…サイクリック操舵信号、121…コ
レクティブ操舵信号、122…ペダル操舵信号、141
…加速度計、142…レートジャイロ、143…姿勢方
位基準装置(AHRS)、144…エアデータシステ
ム、145…電波高度計、146…加速度信号、147
…ピッチ/ロール/ヨーレート信号、148…機種方位
角信号、149…気圧高度レート信号、150…電波高
度レート信号、151…ピッチコントロールサーボ、1
52…ロールコントロールサーボ、153…コレクティ
ブコントロールサーボ、154…テールロータサーボ、
211…規範モデル演算部、212…ニューラルネット
ワーク部、213…フィードバック制御部、214…ロ
ーパスフィルタ、311…一次遅れ要素、312…制御
切替スイッチ、313…微分要素、314…積分要素、
801,901…ピッチチャンネル制御則部、802,
902…ロールチャンネル制御則部、803,903…
コレクティブチャンネル制御則部、804,904…ヨ
ーチャンネル制御則部、805〜812,905〜91
4…比例ゲイン。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイロット及びコパイロットの操舵量を
    検出して操舵信号を出力するパイロット操舵量検出機構
    と、 前記パイロット操舵量検出機構から出力される操舵信号
    に基づいて、パイロット及びコパイロットの望む理想的
    な機体応答の時系列データ信号を出力する規範モデル演
    算部と、 突風等の外乱や、機体重量変化に伴う機体の特性変化に
    よって生ずる現実の機体応答信号と前記規範モデル演算
    部から出力される時系列データ信号との差異に基づいて
    フィードバック制御コマンド信号を計算して出力するフ
    ィードバック制御部と、 前記規範モデル演算部から出力される時系列データ信号
    に基づいてフィードフォワード制御コマンド信号を計算
    して出力する信号出力手段、及び前記フィードバック制
    御部から出力されるフィードバック制御コマンド信号と
    前記規範モデル演算部から出力される時系列データ信号
    との差異が減少するように学習する学習手段を備えたニ
    ューラルネットワーク部と、 前記ニューラルネットワーク部から出力されるフィード
    フォワード制御コマンド信号と前記フィードバック制御
    部から出力されるフィードバック制御コマンド信号を加
    算してサーボアクチュエータに出力する手段とを具備
    し、 前記ニューラルネットワーク部の学習が完了した時点で
    は、飛行条件に拘らず理想的な操舵応答の実現を前記ニ
    ューラルネットワーク部が行ない、外乱に対する修正操
    舵については前記フィードバック制御部が行なうことを
    特徴とする航空機用学習型飛行制御装置。
  2. 【請求項2】 前記規範モデル演算部の特性を可変にす
    ることにより、飛行状況或いは飛行任務の違いに応じて
    機体の理想的操舵応答を可変することを特徴とする請求
    項1記載の航空機用学習型飛行制御装置。
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