JPH0727410Y2 - ボール弁を使用したインジェクタの弁部材 - Google Patents
ボール弁を使用したインジェクタの弁部材Info
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- JPH0727410Y2 JPH0727410Y2 JP1988047445U JP4744588U JPH0727410Y2 JP H0727410 Y2 JPH0727410 Y2 JP H0727410Y2 JP 1988047445 U JP1988047445 U JP 1988047445U JP 4744588 U JP4744588 U JP 4744588U JP H0727410 Y2 JPH0727410 Y2 JP H0727410Y2
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- valve rod
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- passage hole
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Description
【考案の詳細な説明】 A.考案の目的 (1)産業上の利用分野 この考案は、自動車等における内燃機関に適用される電
磁式燃料噴射弁いわゆるインジェクタに関し、更に詳し
くは、ボール弁(球形弁)を使用したインジェクタにお
ける該ボール弁と磁路の一部に置かれたアーマチュアを
有し可動部を構成する弁棒とからなる弁部材の改良に関
する。
磁式燃料噴射弁いわゆるインジェクタに関し、更に詳し
くは、ボール弁(球形弁)を使用したインジェクタにお
ける該ボール弁と磁路の一部に置かれたアーマチュアを
有し可動部を構成する弁棒とからなる弁部材の改良に関
する。
(2)従来の技術 この種のインジェクタにおいて、第5図に示すように、
磁路の一部を形成するアーマチュアaに内部に燃料通路
孔bを有する弁棒cが固設され、この弁棒cの先端にボ
ール弁dが固設された弁部材は公知である。この場合、
弁棒cへのボール弁dの固設に当って、弁棒cの先端部
eはボール弁dの形状に合わせて凹設され、両者を面接
触させたうえで溶接固着されている。しかし、この構造
によると、弁棒cとボール弁dとは強力に接合される反
面、溶接特には抵抗溶接に要するエネルギーが増大する
ばかりでなく、接合部にひずみが生じ、ボール弁dが弁
棒cの中心部に精確に固設されないという問題がある。
更に、弁棒c内の燃料通路孔bはボール弁dによって閉
塞されるので、弁棒cに横孔fを開口加工する必要があ
り、この加工に手間を要する欠点もある。
磁路の一部を形成するアーマチュアaに内部に燃料通路
孔bを有する弁棒cが固設され、この弁棒cの先端にボ
ール弁dが固設された弁部材は公知である。この場合、
弁棒cへのボール弁dの固設に当って、弁棒cの先端部
eはボール弁dの形状に合わせて凹設され、両者を面接
触させたうえで溶接固着されている。しかし、この構造
によると、弁棒cとボール弁dとは強力に接合される反
面、溶接特には抵抗溶接に要するエネルギーが増大する
ばかりでなく、接合部にひずみが生じ、ボール弁dが弁
棒cの中心部に精確に固設されないという問題がある。
更に、弁棒c内の燃料通路孔bはボール弁dによって閉
塞されるので、弁棒cに横孔fを開口加工する必要があ
り、この加工に手間を要する欠点もある。
また、特公昭60−7139号公報には、ボール弁を弁棒に抵
抗溶接によって取り付ける構造において、弁棒の先端面
に凹部を形成し、この凹部にボール弁を嵌め込んで両者
を線接触させてなるものが開示されているが、このもの
はいわゆるボトムフィード方式のインジェクタであっ
て、弁棒内に燃料通路孔を形成した上述のいわゆるトッ
プフィード方式のインジェクタにそのまま適用したとし
ても、横孔fの開口加工の問題点が依然として残る。
抗溶接によって取り付ける構造において、弁棒の先端面
に凹部を形成し、この凹部にボール弁を嵌め込んで両者
を線接触させてなるものが開示されているが、このもの
はいわゆるボトムフィード方式のインジェクタであっ
て、弁棒内に燃料通路孔を形成した上述のいわゆるトッ
プフィード方式のインジェクタにそのまま適用したとし
ても、横孔fの開口加工の問題点が依然として残る。
(3)考案が解決しようとする問題点 本考案は上記実情に鑑みなされたものであり、その目的
とするところは、弁棒内部に燃料通路孔を有するいわゆ
るトップフィード方式のインジェクタにおいて、ボール
弁と弁棒との固設に当たり、抵抗溶接のエネルギー消費
を低減し、接合部でのひずみを抑制し、かつその固設を
確実に行え、かつ該固設作業の容易化を図るとともに横
孔加工の手間を無くして、もって作業の効率化を達成す
る弁部材を提供しようとするものである。
とするところは、弁棒内部に燃料通路孔を有するいわゆ
るトップフィード方式のインジェクタにおいて、ボール
弁と弁棒との固設に当たり、抵抗溶接のエネルギー消費
を低減し、接合部でのひずみを抑制し、かつその固設を
確実に行え、かつ該固設作業の容易化を図るとともに横
孔加工の手間を無くして、もって作業の効率化を達成す
る弁部材を提供しようとするものである。
B.考案の構成 (1)問題点を解決するための手段 本考案のインジェクタの弁部材の構造によれば、内部に
中心軸方向に穿設された燃料通路孔を有する弁棒の基部
はアーマチュア部とされ、該弁棒の本体部は弁箱部内の
案内孔に摺接して嵌装されて軸方向移動を案内され、該
弁棒の先端にボール弁を固設してなる内燃機関用インジ
ェクタの弁部材において、前記燃料通路孔は所定の肉厚
を保持して一定の内径をもって切削による穿孔加工によ
り前記弁棒を貫通して形成されるとともに、前記弁棒の
先端の前記燃料通路孔回りの面は、所定の肉厚幅を有す
るとともに前記ボール弁に面接触しない面とされ、か
つ、該弁棒の先端面には前記燃料通路孔に連通し、前記
燃料通路孔の径よりも大きい一定幅の縦溝が該弁棒の中
心より少なくとも3方向の放射状に凹設され、前記ボー
ル弁は前記縦溝相互の角部に着座されるとともに、この
角部をもつ該弁棒に電気抵抗溶接をもって固着されてな
る、ことを特徴とする。
中心軸方向に穿設された燃料通路孔を有する弁棒の基部
はアーマチュア部とされ、該弁棒の本体部は弁箱部内の
案内孔に摺接して嵌装されて軸方向移動を案内され、該
弁棒の先端にボール弁を固設してなる内燃機関用インジ
ェクタの弁部材において、前記燃料通路孔は所定の肉厚
を保持して一定の内径をもって切削による穿孔加工によ
り前記弁棒を貫通して形成されるとともに、前記弁棒の
先端の前記燃料通路孔回りの面は、所定の肉厚幅を有す
るとともに前記ボール弁に面接触しない面とされ、か
つ、該弁棒の先端面には前記燃料通路孔に連通し、前記
燃料通路孔の径よりも大きい一定幅の縦溝が該弁棒の中
心より少なくとも3方向の放射状に凹設され、前記ボー
ル弁は前記縦溝相互の角部に着座されるとともに、この
角部をもつ該弁棒に電気抵抗溶接をもって固着されてな
る、ことを特徴とする。
上記構成において、弁棒の先端の面における「所定の肉
厚幅」とは、縦溝を受け入れるに足る幅を意味する。ま
た、当該弁棒の先端の面は、平面、ボール弁に対応する
凹曲面において該ボール弁よりも曲率半径の大きな面、
及びボール弁に対向する凸曲面を含む。
厚幅」とは、縦溝を受け入れるに足る幅を意味する。ま
た、当該弁棒の先端の面は、平面、ボール弁に対応する
凹曲面において該ボール弁よりも曲率半径の大きな面、
及びボール弁に対向する凸曲面を含む。
(2)作用 弁部材の製作において、弁棒の中心に燃料通路孔を穿孔
加工したのち、該弁棒の先端面に縦溝が切削加工され
る。
加工したのち、該弁棒の先端面に縦溝が切削加工され
る。
弁部材の組立てにおいて、ボール弁は弁棒の先端に形成
された縦溝相互の角部に当接され、しかる後、電気抵抗
溶接手段により溶接固定される。
された縦溝相互の角部に当接され、しかる後、電気抵抗
溶接手段により溶接固定される。
インジェクタの作動において、ボール弁と縦溝との当接
部は大きな開口部を形成することになるので、円滑な燃
料噴射をなすことができる。
部は大きな開口部を形成することになるので、円滑な燃
料噴射をなすことができる。
(3)実施例 本考案のインジェクタの弁部材の実施例を図面に基づい
て説明する。
て説明する。
第1図〜第3図にその一実施例を示す。すなわち、第1
図は本考案が適用されるインジェクタの全体構造を示す
断面図であり、第2図以下は本考案の要部の構造を示
す。
図は本考案が適用されるインジェクタの全体構造を示す
断面図であり、第2図以下は本考案の要部の構造を示
す。
このインジェクタIは、いわゆるトップフィード方式の
ものであって、ハウジング1は円筒状をなし、その後部
は大径のハウジング本体部1aを形成し、その前部は縮径
されて弁箱部1bを形成する。また、中間部において内方
に突出する鍔状のヨーク部1cが形成される。
ものであって、ハウジング1は円筒状をなし、その後部
は大径のハウジング本体部1aを形成し、その前部は縮径
されて弁箱部1bを形成する。また、中間部において内方
に突出する鍔状のヨーク部1cが形成される。
弁箱部1b内には奥部より順次、案内板2、スペーサ3、
弁座部材4、噴射口板5、及びノズル金具6が収容さ
れ、該弁箱部1bの先端部をノズル金具6に対してかしめ
てこれらを一体的に固定保持する。案内板2には中央に
円孔の案内孔8が開設され、弁座部材4には中央部に円
錐面状の弁座9が形成されるとともに該弁座9に連通す
る小径の弁孔10が形成され、更に、噴射口板5には該弁
孔10に連なって更に小口径の噴射口12が開設されてい
る。なお、これらの案内板2・スペーサ3・弁座部材4
・噴射口板5・ノズル金具6は弁箱構成要素を構成す
る。
弁座部材4、噴射口板5、及びノズル金具6が収容さ
れ、該弁箱部1bの先端部をノズル金具6に対してかしめ
てこれらを一体的に固定保持する。案内板2には中央に
円孔の案内孔8が開設され、弁座部材4には中央部に円
錐面状の弁座9が形成されるとともに該弁座9に連通す
る小径の弁孔10が形成され、更に、噴射口板5には該弁
孔10に連なって更に小口径の噴射口12が開設されてい
る。なお、これらの案内板2・スペーサ3・弁座部材4
・噴射口板5・ノズル金具6は弁箱構成要素を構成す
る。
そして、該弁箱1b内には、案内板2の案内孔8に摺接し
て軸方向の移動を案内される円筒状の弁棒14と、該弁棒
14の先端に固着され、弁座部材4の弁座9に離接するボ
ール弁15とからなる弁部材16が装着される。弁棒14は前
部の弁棒本体14aと後部の基部14bとからなり、該基部14
bは膨径部とされアーマチュア部を形成する。該アーマ
チュア部14bはハウジング1のヨーク部1cに微小間隔を
もって嵌挿設置される。また、該弁部材16には弁棒14の
中心を貫通し、後記する固定コアの燃料通路孔に連通す
る燃料通路17が形成されている。
て軸方向の移動を案内される円筒状の弁棒14と、該弁棒
14の先端に固着され、弁座部材4の弁座9に離接するボ
ール弁15とからなる弁部材16が装着される。弁棒14は前
部の弁棒本体14aと後部の基部14bとからなり、該基部14
bは膨径部とされアーマチュア部を形成する。該アーマ
チュア部14bはハウジング1のヨーク部1cに微小間隔を
もって嵌挿設置される。また、該弁部材16には弁棒14の
中心を貫通し、後記する固定コアの燃料通路孔に連通す
る燃料通路17が形成されている。
次に、ハウジング1の本体部1a内には、その軸心方向に
貫通する内孔19を有し磁気コイル20を捲回したボビン21
と、該ボビン21の内孔19内に挿入された固定コア23と
が、該固定コア23の中間部位に突設された鍔体24を介し
てかしめ固定され、更に、該固定コア23の前端と弁棒14
の後端とは戻しばね26を介して一定の間隔を存して相対
向して配されている。
貫通する内孔19を有し磁気コイル20を捲回したボビン21
と、該ボビン21の内孔19内に挿入された固定コア23と
が、該固定コア23の中間部位に突設された鍔体24を介し
てかしめ固定され、更に、該固定コア23の前端と弁棒14
の後端とは戻しばね26を介して一定の間隔を存して相対
向して配されている。
ボビン21の後部には該ボビン21に捲回された磁気コイル
20に電流を供給する端子27が埋め込まれるとともに、固
定コア23の鍔体24を貫通して外部に取り出される。該端
子27は樹脂ソケット28により保護されている。
20に電流を供給する端子27が埋め込まれるとともに、固
定コア23の鍔体24を貫通して外部に取り出される。該端
子27は樹脂ソケット28により保護されている。
また、固定コア23には軸心方向に貫通する燃料通路とな
る内孔30が形成され、該内孔30には戻しばね26の固定座
となる調整管31が圧入固定される。固定コア23の後部23
aは膨径部とされ、該部をもって燃料の入口部とされ、
この燃料入口部23aの内孔30a内には燃料フィルタ32が装
着されている。
る内孔30が形成され、該内孔30には戻しばね26の固定座
となる調整管31が圧入固定される。固定コア23の後部23
aは膨径部とされ、該部をもって燃料の入口部とされ、
この燃料入口部23aの内孔30a内には燃料フィルタ32が装
着されている。
その他、このインジェクタIにおいて、34は弁座部材4
回りに配されたOリング、35,36はボビン21回りに配さ
れたOリングである。
回りに配されたOリング、35,36はボビン21回りに配さ
れたOリングである。
以上の部在中、ハウジング本体1a、該ハウジング本体1a
から内方に突設されたヨーク部1c、弁棒14のアーマチュ
ア部14b、固定コア23、該固定コア23の鍔体24を経てハ
ウジング本体1aに戻る磁路部が形成され、ボビン21から
外部に取り出された端子27を介して電磁コイル20に電流
が付与されると、その磁気吸引力により弁棒14を戻しば
ね26の付勢力に抗して固定コア23側に吸引する。
から内方に突設されたヨーク部1c、弁棒14のアーマチュ
ア部14b、固定コア23、該固定コア23の鍔体24を経てハ
ウジング本体1aに戻る磁路部が形成され、ボビン21から
外部に取り出された端子27を介して電磁コイル20に電流
が付与されると、その磁気吸引力により弁棒14を戻しば
ね26の付勢力に抗して固定コア23側に吸引する。
このインジエクタIは弁部材16の構造に特徴を有するも
のであって、第2図及び第3図を参照して、その詳細構
造を説明する。
のであって、第2図及び第3図を参照して、その詳細構
造を説明する。
弁棒14はその中心軸方向に貫通する燃料通路孔17が穿設
されてなるが、弁棒14の先端面には弁棒本体14aの軸中
心より90°間隔で開き、この燃料通路孔17に連通する4
本の縦溝40(40a,40b,40c,40d)が放射状に凹設されて
いる。これらの縦溝40a〜40dの断面形状は矩形とされ、
かつ、その幅は、該縦溝40が燃料通路孔17の後で加工さ
れることから、燃料通路孔17の径よりも幅広とされる。
従って、これらの縦溝40の互いに交わる角部42は、燃料
通路孔17と中心を共有し、燃料通路孔17の径より大きな
円の円周上に配されることになる。なお、これらの縦溝
40a〜40dは、90°間隔であるので、互いに対向する縦
溝、すなわち40aと40c、及び40bと40dは直線状となり、
2本の直線よりなる縦溝からなるものとみなされる。
されてなるが、弁棒14の先端面には弁棒本体14aの軸中
心より90°間隔で開き、この燃料通路孔17に連通する4
本の縦溝40(40a,40b,40c,40d)が放射状に凹設されて
いる。これらの縦溝40a〜40dの断面形状は矩形とされ、
かつ、その幅は、該縦溝40が燃料通路孔17の後で加工さ
れることから、燃料通路孔17の径よりも幅広とされる。
従って、これらの縦溝40の互いに交わる角部42は、燃料
通路孔17と中心を共有し、燃料通路孔17の径より大きな
円の円周上に配されることになる。なお、これらの縦溝
40a〜40dは、90°間隔であるので、互いに対向する縦
溝、すなわち40aと40c、及び40bと40dは直線状となり、
2本の直線よりなる縦溝からなるものとみなされる。
縦溝40により残された弁棒14の先端面部は4つの4分円
柱44を形成することになるが、この4分円柱44の先端面
45は本実施例では平面を採る。
柱44を形成することになるが、この4分円柱44の先端面
45は本実施例では平面を採る。
ボール弁15は弁棒14の先端部において燃料通路孔17に臨
むとともに、これらの4箇所の角部42に点接触して配さ
れ、この点接触部で両者は溶接により固定される。従っ
て、ボール弁15は燃料通路孔17側に向って該燃料通路孔
17を閉塞するように突設され、ボール弁15の底部でみか
け上縦溝40の深さも最も浅い。このため、縦溝40の深さ
はボール弁15がこの燃料通路孔17に対して十分な燃料通
路断面を確保するように決められる。
むとともに、これらの4箇所の角部42に点接触して配さ
れ、この点接触部で両者は溶接により固定される。従っ
て、ボール弁15は燃料通路孔17側に向って該燃料通路孔
17を閉塞するように突設され、ボール弁15の底部でみか
け上縦溝40の深さも最も浅い。このため、縦溝40の深さ
はボール弁15がこの燃料通路孔17に対して十分な燃料通
路断面を確保するように決められる。
このように構成された本実施例のインジェクタIは、機
関の吸気管にそのノズル金具6を臨ませて取り付けら
れ、上方に向けて配した固定コア23の燃料入口部23aに
燃料ホース(図示せず)を装着し、また、端子27を介し
てコントロールユニットからの信号が入力されるように
接続される。
関の吸気管にそのノズル金具6を臨ませて取り付けら
れ、上方に向けて配した固定コア23の燃料入口部23aに
燃料ホース(図示せず)を装着し、また、端子27を介し
てコントロールユニットからの信号が入力されるように
接続される。
(実施例の作用) この実施例のインジェクタIの組立てにおいて、弁部材
16の製作は次のようにして行われる。
16の製作は次のようにして行われる。
燃料通路孔17を穿孔加工した弁棒14の先端を切削工具に
より所定の幅と深さで縦溝40を切削形成する。通常は、
溝フライスによるフライス加工がなされる。このとき、
縦溝40は燃料通路孔17の中心を通ることよりも、弁棒本
体14aの中心を通るように精確に切削されることが肝要
である。このようにして、燃料通路孔17に連通する縦溝
40を穿設し、これらの縦溝40が相交わる角部42を形成す
る。
より所定の幅と深さで縦溝40を切削形成する。通常は、
溝フライスによるフライス加工がなされる。このとき、
縦溝40は燃料通路孔17の中心を通ることよりも、弁棒本
体14aの中心を通るように精確に切削されることが肝要
である。このようにして、燃料通路孔17に連通する縦溝
40を穿設し、これらの縦溝40が相交わる角部42を形成す
る。
次いで、弁棒14の弁棒本体14aの外周に案内板2を挿通
した後、弁棒14の先端にその角部42をもってボール弁15
を当接させる。このとき、ボール弁15は正確に円周上に
並んだ4点の角部42によりその芯出しが自動的に行われ
る。
した後、弁棒14の先端にその角部42をもってボール弁15
を当接させる。このとき、ボール弁15は正確に円周上に
並んだ4点の角部42によりその芯出しが自動的に行われ
る。
この状態で、電気抵抗溶接手段の一方の電極を弁棒14側
に設置し、また他方の電極をボール弁15側に設置し、こ
れらの電極間に大きな電圧を付与するとともに、弁棒14
あるいはボール弁15側を互いに他側に押し付けて両者を
接合する。このとき、この溶接態様はいわゆるフラッシ
ュ溶接の態様を採ることにより芯合わせはより確実に行
われる。
に設置し、また他方の電極をボール弁15側に設置し、こ
れらの電極間に大きな電圧を付与するとともに、弁棒14
あるいはボール弁15側を互いに他側に押し付けて両者を
接合する。このとき、この溶接態様はいわゆるフラッシ
ュ溶接の態様を採ることにより芯合わせはより確実に行
われる。
このようにして、弁棒14の外周に案内板2が取り付けら
れ、先端にボール弁15が固着された弁部材16が作成さ
れ、他の部材、すなわちスペーサ3・弁座部材4・Oリ
ング34・噴射口板5・ノズル6とともに順次ハウジング
1の弁箱部1b内に組み込み、該弁箱部1bの先端をかしめ
込んでこれらの部材の一体化を図る。
れ、先端にボール弁15が固着された弁部材16が作成さ
れ、他の部材、すなわちスペーサ3・弁座部材4・Oリ
ング34・噴射口板5・ノズル6とともに順次ハウジング
1の弁箱部1b内に組み込み、該弁箱部1bの先端をかしめ
込んでこれらの部材の一体化を図る。
なお、この弁部材16の製作に当たり、弁棒14の先端面に
縦溝40を形成する溝加工を行った後、弁棒14の中心軸を
貫通する燃料通路孔17の穿孔加工を弁棒14の後端より行
う態様を採ることができる。
縦溝40を形成する溝加工を行った後、弁棒14の中心軸を
貫通する燃料通路孔17の穿孔加工を弁棒14の後端より行
う態様を採ることができる。
次に、このようにして組み立てられた本実施例のインジ
ェクタIの作動について説明する。
ェクタIの作動について説明する。
所定圧に加圧された液体状の燃料は燃料ホース50を介し
て、このインジェクタIの燃料入口部23aに設置した濾
過装置32を通して燃料通路30a内に送り込まれ、調整管3
1の管路内を流れ、弁部材16の燃料通路17を通ってボー
ル弁15まで供給されている。
て、このインジェクタIの燃料入口部23aに設置した濾
過装置32を通して燃料通路30a内に送り込まれ、調整管3
1の管路内を流れ、弁部材16の燃料通路17を通ってボー
ル弁15まで供給されている。
電磁コイル20に電流が供給されず電磁コイル20が非励磁
すなわち消磁状態にあるときは、戻しばね26のばね付勢
により弁部材16は第1図に示す位置(消磁位置)にあ
り、ボール弁15は弁座9に着座している。このため、加
圧燃料は噴射口12より噴射されない。
すなわち消磁状態にあるときは、戻しばね26のばね付勢
により弁部材16は第1図に示す位置(消磁位置)にあ
り、ボール弁15は弁座9に着座している。このため、加
圧燃料は噴射口12より噴射されない。
電磁コイル20に電流が供給されると電磁コイル20は励磁
状態となり、電磁コイル20による磁束がハウジング1・
ヨーク1c・弁棒基部14a・固定コア23を経てハウジング
1に戻る閉ループの磁路を形成し、固定コア23と弁部材
16との間に磁気吸引力が生じる。これに伴って、弁部材
16は戻しばね26の付勢力に抗して軸方向に移動し、ボー
ル弁15は弁座9から離れるので、加圧燃料は噴射口12よ
り噴出される。
状態となり、電磁コイル20による磁束がハウジング1・
ヨーク1c・弁棒基部14a・固定コア23を経てハウジング
1に戻る閉ループの磁路を形成し、固定コア23と弁部材
16との間に磁気吸引力が生じる。これに伴って、弁部材
16は戻しばね26の付勢力に抗して軸方向に移動し、ボー
ル弁15は弁座9から離れるので、加圧燃料は噴射口12よ
り噴出される。
電磁コイル20への電流が遮断されると、弁部材16の吸引
力は消えるのでボール弁15は戻しばね26の付勢力を受け
て弁座9の方向へ押し戻される。
力は消えるのでボール弁15は戻しばね26の付勢力を受け
て弁座9の方向へ押し戻される。
(変形例) 第4図は第3図と同様の図であって、弁棒14の先端部の
他の態様を示す。図において、先の図のものと同等の部
材については同一の符号が付されている。
他の態様を示す。図において、先の図のものと同等の部
材については同一の符号が付されている。
この態様においては、縦溝40(40e,40f,40g)は弁棒本
体14aの中心より120°間隔に開く放射状に設けられ、角
部42は3箇所となっている。ボール弁15はこの3点の角
部42によって自動的に球心され、かつ安定的に設置さ
れ、溶接作業を容易に行うことができる。
体14aの中心より120°間隔に開く放射状に設けられ、角
部42は3箇所となっている。ボール弁15はこの3点の角
部42によって自動的に球心され、かつ安定的に設置さ
れ、溶接作業を容易に行うことができる。
本考案は上記実施例に限定されるものではなく、本考案
の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能であ
る。すなわち、以下の様態は本考案の技術的範囲に包含
されるものである。
の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能であ
る。すなわち、以下の様態は本考案の技術的範囲に包含
されるものである。
叙上の実施例では、ハウジング1の弁箱部1b内に弁
箱構成要素を収容したものを示したが、弁箱部1b自体を
弁箱構成要素及びその一部を兼ねる一体型の態様を採る
ことができる。あるいはまた、弁箱部をハウジング1と
独立させる態様を採ることも自由である。そして、これ
らの態様においては、弁箱部自体がその内部に形成され
た案内孔をもって弁棒の軸方向移動を案内させる。
箱構成要素を収容したものを示したが、弁箱部1b自体を
弁箱構成要素及びその一部を兼ねる一体型の態様を採る
ことができる。あるいはまた、弁箱部をハウジング1と
独立させる態様を採ることも自由である。そして、これ
らの態様においては、弁箱部自体がその内部に形成され
た案内孔をもって弁棒の軸方向移動を案内させる。
弁棒本体14aとアーマチュア部14bを別体とし、この
アーマチュア部14bにより弁棒本体14aをかしめ固定して
なる態様。
アーマチュア部14bにより弁棒本体14aをかしめ固定して
なる態様。
案内板2とスペーサ3とを一体とする態様。
C.考案の効果 本考案のインジェクタの弁部材によれば、ボール弁の弁
棒への固着作業において、ボール弁は弁棒先端に複数個
所において点接触で安定的に中心保持がなされるので、
抵抗溶接のエネルギー消費が格段に低減され、溶接ひず
みが生じることなく、確実な固着作業が実施例できる。
棒への固着作業において、ボール弁は弁棒先端に複数個
所において点接触で安定的に中心保持がなされるので、
抵抗溶接のエネルギー消費が格段に低減され、溶接ひず
みが生じることなく、確実な固着作業が実施例できる。
また、溶接点を得るための縦溝の穿設がそのまま燃料通
路として使用でき、別途燃料通路用の横孔を穿設するこ
となく作業工程の省略化が図られ、作業効率が向上す
る。
路として使用でき、別途燃料通路用の横孔を穿設するこ
となく作業工程の省略化が図られ、作業効率が向上す
る。
更に、ボール弁と縦溝との開口が大きく採れ、円滑な燃
料噴射を達成することができる。
料噴射を達成することができる。
第1図〜第4図は本考案のインジェクタの弁部材の実施
例を示し、第1図はその一実施例の弁部材を有するイン
ジェクタの縦断面図、第2図はその要部の拡大断面図、
第3図は第2図のX−X線拡大断面図、第4図は弁部材
の他の様態を示す第3図と同様の断面図である。第5図
は従来の弁部材の構造を示す断面図である。 1……ハウジング、1b……弁箱部、8……案内孔、14…
…弁棒、14a……弁棒本体、14b……アーマチュア部、15
……ボール弁、16……弁部材、17……燃料通路孔、40…
…縦溝、42……角部、45……先端面
例を示し、第1図はその一実施例の弁部材を有するイン
ジェクタの縦断面図、第2図はその要部の拡大断面図、
第3図は第2図のX−X線拡大断面図、第4図は弁部材
の他の様態を示す第3図と同様の断面図である。第5図
は従来の弁部材の構造を示す断面図である。 1……ハウジング、1b……弁箱部、8……案内孔、14…
…弁棒、14a……弁棒本体、14b……アーマチュア部、15
……ボール弁、16……弁部材、17……燃料通路孔、40…
…縦溝、42……角部、45……先端面
Claims (1)
- 【請求項1】内部に中心軸方向に穿設された燃料通路孔
を有する弁棒の基部はアーマチュア部とされ、該弁棒の
本体部は弁箱部内の案内孔に摺接して嵌装されて軸方向
移動を案内され、該弁棒の先端にボール弁を固設してな
る内燃機関用インジェクタの弁部材において、 前記燃料通路孔は所定の肉厚を保持して一定の内径をも
って切削による穿孔加工により前記弁棒を貫通して形成
されるとともに、 前記弁棒の先端の前記燃料通路孔回りの面は、 所定の肉厚幅を有するとともに前記ボール弁に面接触し
ない面とされ、かつ、該弁棒の先端面には前記燃料通路
孔に連通し、前記燃料通路孔の径よりも大きい一定幅の
縦溝が該弁棒の中心より少なくとも3方向に放射状に凹
設され、 前記ボール弁は前記縦溝相互の角部に着座されるととも
に、この角部をもって該弁棒に電気抵抗溶接をもって固
着されてなる、 ことを特徴とするインジェタクの弁部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988047445U JPH0727410Y2 (ja) | 1988-04-08 | 1988-04-08 | ボール弁を使用したインジェクタの弁部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988047445U JPH0727410Y2 (ja) | 1988-04-08 | 1988-04-08 | ボール弁を使用したインジェクタの弁部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01149569U JPH01149569U (ja) | 1989-10-17 |
JPH0727410Y2 true JPH0727410Y2 (ja) | 1995-06-21 |
Family
ID=31273654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1988047445U Expired - Lifetime JPH0727410Y2 (ja) | 1988-04-08 | 1988-04-08 | ボール弁を使用したインジェクタの弁部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0727410Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2509778Y2 (ja) * | 1989-12-12 | 1996-09-04 | 株式会社ユニシアジェックス | 電磁式燃料噴射弁装置 |
FR2988021B1 (fr) * | 2012-03-15 | 2015-01-09 | Bosch Gmbh Robert | Procede de realisation d'une soupape ainsi qu'outil de matricage d'une calotte dans la broche d'induit d'une soupape |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5887964U (ja) * | 1981-12-11 | 1983-06-15 | 愛三工業株式会社 | 電磁燃料噴射器 |
JPS607139A (ja) * | 1983-06-24 | 1985-01-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ボンデイング方法 |
-
1988
- 1988-04-08 JP JP1988047445U patent/JPH0727410Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01149569U (ja) | 1989-10-17 |
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