JPH0726651Y2 - 潮位計測・伝送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、海上の作業船に対しリアルタイムに潮位を知
らせるための潮位計測・伝送装置に関する。

（従来の技術） 海上施工により、しゅんせつ、捨石均し、地盤改良等の
各種作業を行う場合、施工条件を設定する上で、潮位を
知ることが重要な要件となる。

従来、この潮位を海上の作業船で知るには、岩壁に設置
した水位スケールを望遠鏡で観察するか、陸上から無線
電話送信された潮位測定値を聴き取るかの方法に頼って
いるのが一般であった。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記水位スケールを観察する方法によれ
ば、船の揺れや波による視界遮断等に影響されて潮位を
正確に測定するのが困難であるばかりか、目視観察のた
め目の疲労をともなって労働負担が増すという問題があ
り、一方、上記無線電話送信を利用する方法によれば、
聴き取りミスを起し易いばかりか、送信側の都合に負う
ところが大きくて必要時に情報を入手し難いという問題
があった。

本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、
陸上の固定点で得た潮位データをリアルタイムに作業船
に知らしめることができる潮位計測・伝送装置を提供す
ることを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 固定場所に設置された水位センサと、陸上に設定され前
記水位センサからの信号にもとづいて求めた潮位データ
を無線伝送する送信装置と、作業船上に設置され前記送
信装置から発信された潮位データを受けて表示する受信
装置とから成り、前記送信装置は、前記水位センサから
の信号をA/D変換するA/D変換コンバータからの信号にも
とづいて一定時間範囲における平均潮位を演算し、この
平均潮位に関する信号を出力する制御部と、該制御部か
らの信号を無線にのせやすい形に変調する無線モデムと
該無線モデムからの信号をアンテナを介して発信する無
線機とを備えている構成としたことを特徴とする。

上記水位センサーとしては、信号化し易いもの、例えば
半導体圧力センサ型の水位センサを使用するのが望まし
い。

また、送信装置は無線器を内蔵するものとなるが、通常
海上施工の範囲が、遠くても陸から15〜20Km程度である
ことを考慮すれば、この無線器としては送信出力5W程度
の小型のもの、いわゆるパーソナル無線器で足りる。

また送信装置の電源としては、太陽電池を用いることが
でき、この場合、太陽電池で得た電気をバッテリに蓄
え、夜間の使用に供するようにする。

さらに上記送信装置には、潮位データを連続的に発信す
る機能をもたせ、あるいは一定間隔で間欠的に送信する
機能をもたせることができる。間欠的に送信する機能を
もたせる場合には、一回の送信時間を、少なくとも波の
周期より長い時間とする必要がある。

（作用） 上記構成の潮位計測・伝送装置においては、陸上に設置
した送信装置で求めた平均潮位のデータを作業船に無線
電信伝送し、受信装置に表示することにより、作業船上
でリアルタイムにかつ正確に潮位を知ることができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。

第１図乃至第３図において、１は岸壁、２は作業船であ
る。前記岸壁１には、その海面３から所定深さとなる側
壁に水位センサ４が設置されると共に、その上部に該水
位センサ４と結ぶ送信装置５が設置されている。この送
信装置５は、前記水位センサ４からの信号にもとづいて
潮位データを算出しこれを時経列で無線伝送し得る機能
を有するもので、これには電源６と発信用アンテナ７と
が付設されている。一方、前記作業船２上には、前記送
信装置５から発信された潮位データを受信しこれを時経
列で表示し得る機能を有する受信装置８が設置されてお
り、これには受信用アンテナ９および電源10が付設され
ている。

こゝで、水位センサ４は、半導体圧力センサ型のもので
あり、例えば市販品であるCTIS K41A型精密水位センサ
（CTIサイエンスシステム社製）を用いることができ
る。

また送信装置５は、第２図にその詳細を示すように、水
位センサ４からの信号をA/D変換するA/Dコンバータ11、
該A/Dコンバータ11からの信号にもとづいて潮位を算出
し、時々刻々の潮位変化を求めると共に、一定時間範囲
における平均潮位の潮位データを求め、この潮位データ
を適宜タイミングで出力する制御部12、該制御部12から
の潮位データに関する信号を無線にのせ易い形に変調す
る無線モデム14、該無線モデム14からの信号をアンテナ
７を通じて発信する無線器13および電源６の電圧を所定
の電圧レベルに調整する電源調整部15から成っている。

さらに受信装置８は、第３図に詳細を示すように、受信
用アンテナ９を通じて潮位データを受ける無線器21、該
無線器21からの信号をデータ処理し易い形に変調する無
線モデム22、該無線モデム22からの信号を表示用に変換
処理する制御部23、該制御部23からの信号をD/A変換す
るD/Aコンバータ24、潮位データや時刻等をプリントま
たは画面表示する表示部25、および電源10の電圧を所定
の電圧レベルに調整する電源調整部26から成っている。

かゝる構成により、水位センサ４にて連続して検出され
た水圧信号が送信装置５に取込まれ、該送信装置５の制
御部12おいて潮位データが算出される。この潮位データ
は、適宜タイミングで無線モデム14を介して無線器13へ
送出され、該無線器13に取付けた発信用アンテナ７から
発信される。前記発信された潮位データは、受信用アン
テナ９を介して受信装置８の無線器21に取込まれ、さら
に無線モデム22を介して制御部23に取込まれる。そして
制御部23において前記潮位データは表示用に変換処理さ
れて表示部25に送出され、そこに表示される。

なお潮位データとしては、上記実施例における平均潮位
に加え、波の周期や波の振幅等を採取するようにするこ
ともできる。

（考案の効果） 以上、詳細に説明したように、本考案は、陸上に設置し
た送信装置で求めた平均潮位のデータを作業船に無線電
信伝送し、受信装置に表示するようにしたので、作業船
上でリアルタイムにかつ正確に潮位を知ることができ、
海上施工における施工管理能力の向上に大きく寄与する
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかゝる潮位計測・伝送装置の全体構造
を示す模式図、第２図はその送信装置の構造を示すブロ
ック図、第３図はその受信装置の構造を示すブロック図
である。 １…岸壁 ２…作業船 ４…水位センサ ５…送信装置 ８…受信装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】固定場所に設置された水位センサと、陸上
   に設定され前記水位センサからの信号にもとづいて求め
   た潮位データを無線伝送する送信装置と、作業船上に設
   置され前記送信装置から発信された潮位データを受けて
   表示する受信装置とから成り、前記送信装置は、前記水
   位センサからの信号をA/D変換するA/D変換コンバータか
   らの信号にもとづいて一定時間範囲における平均潮位を
   演算し、この平均潮位に関する信号を出力する制御部
   と、該制御部からの信号を無線にのせやすい形に変調す
   る無線モデムと該無線モデムからの信号をアンテナを介
   して発信する無線機とを備えていることを特徴とする潮
   位計測・伝送装置。