JPH07266263A - 触覚伝達装置 - Google Patents

触覚伝達装置

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JPH07266263A
JPH07266263A JP5750694A JP5750694A JPH07266263A JP H07266263 A JPH07266263 A JP H07266263A JP 5750694 A JP5750694 A JP 5750694A JP 5750694 A JP5750694 A JP 5750694A JP H07266263 A JPH07266263 A JP H07266263A
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tactile transmission
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Takeo Asano
武夫 浅野
Hisashi Nishimura
西村  久
Mineyuki Maezawa
峰雪 前沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】他の装置の操作性を阻害することなく、対象物
に対する接触状況を疑似触覚として操作者に伝達するこ
とによって、操作状況を容易且つ正確に知覚し得る触覚
伝達装置を提供する。 【構成】直接触れることができない対象物に対する接触
状況を疑似触覚として伝達可能な疑似触覚伝達手段、及
び、この疑似触覚伝達手段を駆動させる駆動手段を備え
た触覚伝達ユニット(永久磁石1a,ヨーク1b,コイ
ル1c,弾性部材1e,端子1g)と、上記疑似触覚伝
達手段が操作者の体に接触するように、上記触覚伝達ユ
ニットを上記操作者の体の一部に保持させる保持手段
(絶縁性構造体本体1d,サイズ調整ネジ1f)とを具
備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直接触れることができ
ない対象物を操作する際に、その対象物に対する接触情
報を人間の触覚器官に伝達する触覚伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から直接触れることができない微細
対象物を間接的に操作する装置や極限環境下で作業を行
うことができる装置が知られている。このような装置に
は、操作者が操作を行う操作部と、この操作部の操作に
よって例えばマニピュレータ等が対象物に対して直接作
業を行う動作部とが設けられている。
【0003】図9には、マイクロマニピュレータが設け
られた顕微鏡の全体の構成が概略的に示されている。図
9(A),(B)に示すように、この顕微鏡には、顕微
鏡本体9aと、この顕微鏡本体9aに設けられ、例えば
受精卵等の微細な細胞9b(微細対象物)を所定位置に
吸引固定するピペット9cと、このピペット9cによっ
て吸引固定された細胞9bに試薬を注入したり又は異な
る遺伝情報を持った遺伝子を注入することが可能な刺針
9dとが設けられている。また、顕微鏡本体9aには、
顕微鏡で観察しながら、ピペット9c及び刺針9dを操
作可能なピペット用ジョイスティック9f及び刺針用ジ
ョイスティック9eが設けられている(従来例1)。
【0004】このような構成によれば、ピペット用ジョ
イスティック9f及び刺針用ジョイスティック9eを操
作することによって、ピペット9cによって吸引固定さ
れた細胞9bに対して、刺針9eを介して所定の細胞微
細操作が行われる(詳しくは、計測と制御;Vol.23,No.
9 P32-38 細胞微細操作;鹿野 参照)。
【0005】また、図10には、ロボットのマニピュレ
ータシステムの構成が概略的に示されている。図10に
示すように、マニピュレータシステムは、操作者の腕を
セット可能なマスターアーム10fと、操作者の腕の動
きに対応して動作可能なスレイブアーム10cと、操作
者の腕の動きを信号化して出力する第1のコンピュータ
10hと、この第1のコンピュータから出力された信号
に基づいて、スレイブアーム10cを動作させる第2の
コンピュータ10iとを備えている(従来例2)。
【0006】マスターアーム10fには、センサ(図示
しない)が内蔵された複数の関節部10dと、操作者の
腕をホールドして、この腕の動きを複数の間接部10d
に伝達する固定部材10gと、複数の間接部10dの自
由端側に設けられ、腕の動きに応じて且つ追従して移動
する処置部10eとが設けられている。
【0007】第1のコンピュータ10hには、上記セン
サによって検出された腕の動き(即ち、複数の間接部1
0dの動き)に対応した操作信号に所定の信号処理を施
すマスタアーム制御部10j及び操作環境シミュレータ
10mが内蔵されている。
【0008】第2のコンピュータ10iには、第1のコ
ンピュータ10hから出力された信号に所定の信号処理
を施すスレイブアーム制御部10k及びタスク環境シミ
ュレータ10nが内蔵されている。
【0009】スレイブアーム10cには、センサ(図示
しない)が内蔵された複数の間接部10aと、これら複
数の間接部10aの自由端側に固定された処置部10b
とが設けられており、複数の間接部10aは、第2のコ
ンピュータ10iから出力された信号によって処置部1
0bを所定の対象物M方向に移動させて、その対象物M
に所定の処置を施すことが可能に構成されている。
【0010】このような構成によれば、操作者がマスタ
アーム10fに腕をホールドし、任意に動かすことによ
って、その動作状態がセンサによって検出される。この
とき検出された動作信号に基づいて、第1及び第2のコ
ンピュータ10h,10iがスレイブアーム10cを駆
動させる。即ち、操作者の動作は、マスタアーム10f
を介してスレイブアーム10cで再現されることにな
る。
【0011】このとき、スレイブアーム10cによって
移動した処置部10bが、対象物Mから外力を受けた場
合、その外力は、スレイブアーム10c及びマスタアー
ム10fを介して操作者の腕に直接力となって作用す
る。
【0012】このような一連のマニピュレータシステム
は、ロボットのマニピュレータシステムを始めとして現
在数多く発表されている。また、図11には、医療用処
置具である把持鉗子11aの構成が概略的に示されてい
る。
【0013】図11(A),(B)に示すように、把持
鉗子11aは、例えばトラカール等を介して体腔内に挿
入される挿入部11bと、この挿入部11bの先端部に
設けられた鉗子部11cと、挿入部11bの基端部に設
けられた操作部11dとを備えている(従来例3)。
【0014】鉗子部11cには、互いに回動自在に支持
された一対の鉗子部材11e,11fが設けられてい
る。また、操作部11dには、一対の鉗子部材11e,
11fを開閉操作するように、挿入部11bの基端部に
固定された固定操作ハンドル11gと、この固定操作ハ
ンドル11gに対して回動自在に設けられた可動操作ハ
ンドル11hとが設けられている。
【0015】このような構成によれば、可動操作ハンド
ル11hを回動操作して、挿入部11b内の操作軸(図
示しない)を前後方向にスライドさせることによって、
リンク機構(図示しない)を介して一対の鉗子部材11
e,11fが開閉される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1(図9参照)の顕微鏡において、ピペット9cや刺針
9d等の動作系の動作は3次元であるにもかかわらず、
顕微鏡の観察画像は2次元画像であって奥行き情報は像
のピント情報でしか得ることができない。従って、これ
ら動作系が微細対象物に正確に接触しているか否かの情
報は、観察画像から正確に判断でき難いといった問題が
生じる。即ち、動作系を正確に微細対象物に接触させる
ためには、ある程度の熟練を必要とするため、観察効率
及び処理効率が低下するといった問題も発生する。
【0017】更に、医療やバイオ分野等の研究対象は、
細胞から細胞内物質へ、より微細な対象物に変化してき
ている。このため、対象物の観察及び操作部位は、益々
微小化する傾向にあり、これに伴って、マニピュレータ
の操作もより高度で正確な操作が要求されるようになっ
てきた。
【0018】また、従来例2(図10参照)のマニピュ
レータシステムでは、対象物Mの硬さや柔らかさ等の情
報をマスタに表現することが困難であるため、例えば通
常の人間が物体を把持する際に感じる微妙な感触を再現
することはできない。対象物の搬送等のおおまかな動作
状況の再現については、従来例2のシステムで充分対処
できるが、精密で微細な動作や判断が要求されるマイク
ロマニピュレータ等の技術領域において、抵抗感表示に
基づく操作性の向上や把持対象物の正確な認識を望むに
は不充分である。
【0019】また、従来例3(図11参照)において、
把持鉗子11aの機構上、微妙な操作感が得られないた
め、熟練した操作者でさえ、腹腔鏡の観察像を見ながら
一対の鉗子部材11e,11fの開閉度、組織の把持及
び剥離状況を確認するといった非常に慎重で正確な操作
が要求される。このため、処置効率が低下してしまうと
いった問題が生じる。
【0020】また、体腔内に挿入される内視鏡について
も、鉗子と同様の問題がある。即ち、図12に示すよう
に、先端部を介して観察される画像情報及び挿入時の抵
抗のみを頼りに挿入操作を行っている現在の内視鏡12
では、内視鏡12の外壁が患者の器官内壁を圧迫して生
じる苦痛を予測しながら内視鏡12を操作及び挿入する
ことは現状困難である。また、現状の内視鏡12の装置
構成では、どの程度の圧迫を与えると患者は苦痛を感じ
るのかという圧迫レベルと患者の感じる苦痛との間の相
関関係を操作情報として入手するのは不可能である。
【0021】このように、従来例1〜3の構成では、操
作時に対象物又は組織にマニピュレータがどのような状
況で接触しているのか、あるいは、対象物をどれくらい
の力量で把持しているのかという接触状態もしくは把持
状態を確認すること、及び、対象物の表面粗さや表面温
度等の各種の接触情報を得ることができなかった。
【0022】つまり、従来例1〜3では、対象物に対す
る触覚情報や把持状態、対象物の表面粗さや表面温度等
の各種の触覚情報を操作者(術者)にフィードバックす
ることが行われていないため、人間の触覚に基づく微妙
で且つ正確な操作を行うことができなかった。
【0023】そこで、このような問題を解決するため
に、例えば特願平5−007196号公報に開示された
ような触覚呈示装置の提案が成されている。即ち、この
触覚呈示装置には、図13に示すように、台座13a
と、この台座13a上に設けられた磁石13cと、この
磁石13c内に設けられたコイル13bと、このコイル
13bを支持するストッパ13dと、コイル13b上に
設けられた触覚呈示部13eとを備えた電気−機械変換
トランスデューサが構成されている。
【0024】このような構成によれば、コイル13b及
び磁石13cで構成されたボイスコイルを制御して、触
覚呈示部13eを人間の知覚に応じた周波数で駆動させ
ることによって、触覚呈示部13e上に載置された操作
者の指先に、対象物の硬さや柔らかさ等の情報が伝達さ
れる。更に、上記ボイスコイルに流れる電流量を変化さ
せて、触覚呈示部13eが有する保持力を変化させるこ
とによって、対象物を圧潰又は粉砕するような力が加え
られた際、その対象物からの反発力が操作者の指先に伝
達される。
【0025】このような触覚呈示装置によれば、操作者
には、あたかも自分の手によって実際に対象物を直接操
作しているような感覚情報が伝達される。このため、現
状問題となっている操作の乖離感が無くなると共に、装
置の機能向上と高精度な操作性を確保することが可能と
なる。
【0026】しかしながら、このような触覚呈示装置
は、本来、操作が行われる操作部位に設置することが望
ましいが、操作部位に設置したがために、逆に操作性が
悪化してしまう場合もある。特に、触覚呈示装置を例え
ば指先で摘みながら操作するような他の装置に取り付け
た場合、触覚呈示装置を介して装置に触れることになる
ため、接触感の伝達に基づくメリットに比べて、装置自
体の操作性が著しく悪化することに伴うデメリットの方
が大きくなりかねない。
【0027】本発明は、このような弊害を除去するため
になされており、その目的は、他の装置の操作性を阻害
することなく、対象物に対する接触状況を疑似触覚とし
て操作者に伝達することによって、操作状況を容易且つ
正確に知覚し得る触覚伝達装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の触覚伝達装置は、直接触れることが
できない対象物に対する接触状況を疑似触覚として伝達
可能な疑似触覚伝達手段、及び、この疑似触覚伝達手段
を駆動させる駆動手段を備えた触覚伝達ユニットと、前
記疑似触覚伝達手段が操作者の体に接触するように、前
記触覚伝達ユニットを前記操作者の体の一部に保持させ
る保持手段とを具備する。
【0029】
【作用】保持手段によって触覚伝達ユニットを操作者の
体の一部に保持させた状態において、駆動手段によって
疑似触覚伝達手段を駆動させることによって、直接触れ
ることができない対象物に対する接触状況は、疑似触覚
として操作者の体に伝達される。
【0030】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例に係る触覚伝達
装置について、図1を参照して説明する。図1(A),
(B)に示すように、本実施例の触覚伝達装置は、直接
触れることができない対象物に対する接触状況を疑似触
覚として伝達可能な疑似触覚伝達手段、及び、この疑似
触覚伝達手段を駆動させる駆動手段を備えた触覚伝達ユ
ニットと、上記疑似触覚伝達手段が操作者の体に接触す
るように、上記触覚伝達ユニットを上記操作者の体の一
部に保持させる保持手段とを具備する。
【0031】本実施例では、疑似触覚伝達手段自身が駆
動手段としての機能も有しており、駆動手段は、永久磁
石1a及びこの永久磁石1aに接触して配置されたヨー
ク1bによって構成された磁気回路と、この磁気回路中
に配置された弾性部材1eと、磁気回路で形成される磁
界に直交して配置されたコイル1cと、このコイル1c
に所定の駆動信号(即ち、電流)を印加させる端子1g
とを備えている。
【0032】そして、永久磁石1a、ヨーク1b及びコ
イル1cから成る電磁型アクチュエータが構成されてい
る。保持手段は、上記疑似触覚伝達手段即ち駆動手段を
内蔵し且つ操作者の例えば指に装着可能な指輪状の絶縁
性構造体本体1dと、上記疑似触覚伝達手段即ち駆動手
段が操作者の指に接触するように、操作者の指の太さに
応じて装着状態を適切に調整可能なサイズ調整ネジ1f
とを備えている。
【0033】次に、本実施例の動作を説明する。保持手
段によって触覚伝達ユニットを操作者の体の一部に保持
させた状態において、駆動手段即ち疑似触覚伝達手段自
身を駆動させることによって、直接触れることができな
い対象物に対する接触状況は、疑似触覚として操作者の
体に伝達される。
【0034】即ち、端子1gを介してコイル1cに電流
が印加されると、この電流と上記磁気回路内で形成され
る磁界との間にフレミング左手の法則による力が発生す
る。ここで、例えば、コイル1cが構造体本体1d内に
固定されているとすると、上記力を受けて上記磁気回路
が移動することになる。
【0035】この発生する力の方向は、電流印加方向と
磁気回路の磁界方向を適宜選択的に切り換えることによ
って最適化することができる。この結果、駆動手段即ち
疑似触覚伝達手段自身が操作者の指の皮膚表面方向に駆
動して、直接、操作者の指に疑似触覚としての力を伝達
することが可能となる。
【0036】疑似触覚の伝達方法としては、例えば、対
象物に対する接触力の変化は、触覚情報信号検出手段
(図示しない)で検出された触覚感を上記疑似触覚伝達
手段を介して振動の周波数変化として呈示し、また、対
象物に対する押圧力の変化は、予め測定された対象物の
機械的特性と上記触覚情報信号検出手段で検出された接
触力とに基づいて、信号処理手段(図示しない)によっ
て対象物の変形状態(即ち、押圧感)を計算し、その計
算データを疑似触覚伝達手段を介して振動のオフセット
変化として呈示する方法がある。
【0037】つまり、本実施例において、上記電磁型ア
クチュエータを利用することによって、本触覚伝達装置
が装着された操作者の指に、上記疑似触覚伝達手段の振
動に基づく動的な疑似触覚、あるいは、コイル1cに印
加する電流のオフセット変化に基づく静的な疑似触覚を
直接伝達することができる。
【0038】このように本実施例の触覚伝達装置は、指
輪状を成しており、通常の機器操作に必要な指先を解放
させておくことができるため、他の装置の操作性を阻害
することなく、対象物に対する接触状況を疑似触覚とし
て操作者に伝達することが可能となる。また、本実施例
によれば、従来技術に存在したような乖離感を無くする
ことができるため、操作者に対して操作状況を正確に伝
達させることが可能となる。この結果、装置の操作性の
向上が達成される。
【0039】また、本実施例に適用された上記電磁型ア
クチュエータは、特に応答感度が高く且つDC的動作が
可能という点で最適である。更に、かかる電磁型アクチ
ュエータを用いることによって、上記のような接触感と
押圧感の双方を操作者の指に伝達することが可能とな
る。
【0040】また、一般的な電磁型アクチュエータにお
いて、印加電流、磁界強度及び発生力の間には、線形関
係が存在するため、装置の大きさと発生力との間には、
トレードオフの関係が存在する。このような電磁型アク
チュエータを本実施例の触覚伝達装置に適用した場合、
上記疑似触覚伝達手段の機械的運動を操作者に感覚とし
て充分認識させる必要上、装置の大きさには制限が課せ
られる。つまり、単に装置を小型化しても、その装置か
らの発生力は、操作者が感覚として認識可能な範囲を下
回った極めて微弱なものとなる。
【0041】しかしながら、本実施例によれば、上記電
気回路を充分に小型化しても、コイル1cの寸法は、構
造体本体1dの径に沿ったある程度の大きさを確保する
ことが可能であるため、発生力を操作者が感覚として認
識可能な範囲内に維持させることができる。
【0042】次に、本発明の第2の実施例に係る触覚伝
達装置について、図2を参照して説明する。図2
(A),(B)に示すように、本実施例の触覚伝達装置
は、上記第1の実施例に適用された触覚伝達ユニットの
改良に係り、疑似触覚伝達手段は、後述する駆動手段を
内蔵し且つ駆動手段によって与えられ衝撃に起因した振
動を操作者の体(指)に伝達する伝達部材2cを備えて
いる。
【0043】駆動手段は、電圧を印加することによって
振動する圧電体2aと、この圧電体2aの振動力を受け
て所定方向に自由運動可能な弾性体2bと、圧電体2a
の振動が伝達部材2cに伝達されないように阻止するダ
ンピング材2dと、圧電体2aに所定の駆動信号(即
ち、電流)を印加させる端子2gとを備えている。
【0044】保持手段は、上記疑似触覚伝達手段及び駆
動手段を操作者の例えば指に装着可能な指輪状の絶縁性
構造体本体2eと、上記疑似触覚伝達手段が操作者の指
に適切に接触するように、操作者の指の太さに応じて装
着状態を適切に調整可能なサイズ調整ネジ2fとを備え
ている。
【0045】ある周波数の電圧を印加することによって
圧電体2aを振動させる場合、通常、圧電体2aの加振
には、kHzオーダの共振周波数が最適であり、現実的
には、数100Hz程度までの振動駆動には不向きであ
ることは既知である。
【0046】通常、人間は、DCから1kHz程度まで
は振動として認識できることが知られている。そのた
め、圧電体2aの高周波振動を直接操作者の体に伝達す
ることは不合理であり、例えば電気−機械変換素子とし
て圧電体を触覚伝達装置に用いる場合には、何等かの方
法で振動周波数を下げる必要がある。
【0047】本実施例によれば、所定周波数の電圧を印
加して圧電体2aを振動させると、その振動力は、弾性
体2bに伝達される。この結果、弾性体2bは、圧電体
2aの振動方向と同方向に自由運動を開始する。運動エ
ネルギーの増加に伴って、この弾性体2bは、ある条件
の下に跳躍運動を開始する。
【0048】この跳躍運動によって、弾性体2bは、運
動の境界として設置された伝達部材2cに衝突した後、
反射させられる。このとき伝達部材2cに加えられた衝
突(衝撃)力は、操作者の指に接触している伝達部材2
cを介して操作者の指に伝達される。このような衝突
は、圧電体2aが振動し続けている間、繰り返し行われ
るため、操作者には、継続的振動としての疑似触覚が伝
達されることになる。
【0049】このような継続的振動は、圧電体2a自身
の振動周期よりも遅い周期で繰り返されるため、実際に
指に伝達される振動周波数を低く抑えることができる。
この振動周波数のエネルギー交換効率は、弾性体2bの
機械的属性に応じて変化するため、弾性体2bの構成材
料を適宜選択することによって、指に伝達する振動周波
数を最適化させることが可能となる。
【0050】なお、本実施例の疑似触覚の伝達方法は、
上記第1の実施例と同様であるため、その説明は省略す
る。また、本実施例の他の効果も上記第1の実施例と同
様であるため、その説明は省略する。
【0051】次に、本発明の第3の実施例に係る触覚伝
達装置について、図3を参照して説明する。図3
(A),(B)に示すように、本実施例には、上記第2
の実施例の構成を3層に並列接続して適用されている。
即ち、指に3層に積層して装着された絶縁性構造体本体
3eには、夫々、上記第2の実施例と同様の疑似触覚伝
達手段を備えた触覚伝達ユニット3a,3b,3c,3
d(図3(B)参照)が設けられている。例えば、触覚
伝達ユニット3bには、弾性体2bが内蔵されている。
なお、他の構成については、図2(A)と同一であるた
め、その説明は省略する。
【0052】ここで、2つの疑似触覚伝達手段を同時に
駆動させた場合、これら疑似触覚伝達手段が伝達するエ
ネルギー(刺激強度、周波数等)を互いに変化させる
と、夫々の装置本来の運動位置とは異なった位置で運動
が伝達されているように認識される。この現象は、「フ
ァントムセンセーション」あるいは「仮現運動」として
知られている。
【0053】本実施例の触覚伝達装置は、この「ファン
トムセンセーション」あるいは「仮現運動」を利用して
構成されている。例えば、今、疑似触覚伝達手段3a,
3bが同時に同じ力(同じ振幅、同じ周波数)で駆動し
たと仮定する。このとき、触覚伝達装置を装着している
操作者は、疑似触覚伝達手段3a,3bの2点からの振
動感覚を認識するのではなく、これら2点の中間位置か
ら振動感覚が伝達されていると認識する。この場合、か
かる2点の伝達エネルギーの比が2対1の場合には、操
作者が認識する振動感覚の伝達位置は、2点間の距離の
うち、疑似触覚伝達手段3aから2/3だけ離れた位置
となる。
【0054】この現象を利用した本実施例の触覚伝達装
置において、限られた個数の疑似触覚伝達手段を的確に
駆動制御することによって、振動感覚(疑似触覚情報)
として伝達される刺激部位を、疑似触覚伝達手段の実際
の設置位置にかかわらず、広範に変化させることが可能
となる。
【0055】この場合、伝達する刺激が隣り合う疑似触
覚伝達手段に移行するように、時間的に駆動制御するこ
とによって、例えば疑似触覚伝達手段3aの位置から疑
似触覚伝達手段3bの位置へ、あたかも刺激が順次移動
するような感覚を伝達することが可能になり、移動感も
表現することができる。
【0056】なお、本実施例の疑似触覚の伝達方法は、
上記第1の実施例と同様であるため、その説明は省略す
る。また、本実施例の他の効果も上記第1の実施例と同
様であるため、その説明は省略する。
【0057】次に、本発明の第4の実施例に係る触覚伝
達装置について、図4を参照して説明する。本実施例
は、疑似触覚伝達手段及び駆動手段の改良に係り、保持
手段としては、上記疑似触覚伝達手段及び駆動手段を内
蔵し且つ操作者の例えば指に装着可能な指輪状の絶縁性
構造体本体4hと、上記疑似触覚伝達手段が操作者の指
に接触するように、操作者の指の太さに応じて装着状態
を適切に調整可能なサイズ調整ネジ4gとを備えてい
る。
【0058】図4に示すように、本実施例に適用された
疑似触覚伝達手段は、後述する駆動手段の外周を覆って
回転自在に配置され且つ駆動手段の振動を操作者の指に
伝達する筒状部材4bを備えている。
【0059】駆動手段は、弾性部材4aと、この弾性部
材4aの周面内に周方向に等間隔で配置され且つ両端が
構造体本体4hに支持された4つの圧電体4c,4d,
4e,4f(図4(B)参照)とを備えており、圧電体
4c,4d,4e,4fに電圧を印加して圧電体4c,
4d,4e,4fを振動させることによって、弾性部材
4aが振動(屈曲回転運動)するように構成されてい
る。
【0060】なお、4つの圧電体4c,4d,4e,4
fは、言わばロータの変形を屈曲回転運動に変換するた
めの軸としての機能も有する。このような構成によれ
ば、互いに異なる位相で適当な周波数の電圧を印加する
と、圧電体4c及び4e,圧電体4d及び4fが、夫々
組になって振動を開始する。このとき発生した振動は、
弾性部材4aに定在波として伝搬する。
【0061】この結果、弾性部材4aは、その固有モー
ドで振動を開始し、あたかも縄跳びの縄のような屈曲回
転運動を開始する。かかる屈曲回転運動は、弾性部材4
aが筒状部材4bの内壁と接触することによって、筒状
部材4bに伝搬され、この筒状部材4bを回転させる。
【0062】筒状部材4bは、操作者の指に直接接触し
ているため、筒状部材4bの回転運動は、直接、指に伝
達される。即ち、弾性部材4aの屈曲回転運動は、筒状
部材4bを介して操作者の指に伝達され、操作者には、
指上を滑る感覚(移動感)として知覚される。
【0063】このような実施例の効果は、上記第1の実
施例と同様であるため、その説明は省略する。次に、本
発明の第5の実施例に係る触覚伝達装置について、図5
を参照して説明する。
【0064】図5(A),(B),(C)に示すよう
に、本実施例の触覚伝達装置は、直接触れることができ
ない対象物に対する接触状況を疑似触覚として伝達可能
な疑似触覚伝達手段、及び、この疑似触覚伝達手段を駆
動させる駆動手段を備えた触覚伝達ユニット5fと、上
記疑似触覚伝達手段が操作者の体に接触するように、触
覚伝達ユニット5fを上記操作者の手首に保持させる保
持手段とを具備する。
【0065】疑似触覚伝達手段及び駆動手段は、上記第
2の実施例(図2(A)参照)と同様の作用効果を奏
し、電圧を印加することによって振動する圧電体5a
と、この圧電体5aの振動力を受けて所定方向に運動す
る弾性体5bと、これら圧電体5a及び弾性体5bを内
蔵し且つ弾性体5bの運動力を操作者の手首に伝達する
伝達部材5cと、この伝達部材5cに内蔵され且つ圧電
体5aの振動が伝達部材5cに伝達されないように阻止
するダンピング材5dと、圧電体5aに所定の駆動信号
(即ち、電流)を印加させる端子5gとを備えている。
【0066】なお、保持手段は、触覚伝達ユニット5f
を操作者の手首に保持させるベルト5eを備えている。
なお、このベルト5eは、操作者の手首の太さに応じ
て、適宜、その長さが調整可能に構成されている。
【0067】このような構成によれば、触覚伝達ユニッ
ト5fは、ベルト5eによって手首に装着されるため、
操作者の手のひら全体及び全ての指を解放させることが
できる。この結果、他の装置の操作性を全く阻害するこ
となく、対象物に対する接触状況を疑似触覚として操作
者に伝達することが可能となる。他の効果は、第1の実
施例と同様であるため、その説明は省略する。
【0068】次に、本発明の第6の実施例に係る触覚伝
達装置について、図6を参照して説明する。図6に示す
ように、本実施例は、触覚伝達ユニット及び保持手段の
改良に係り、保持手段には、上記第3の実施例(図3
(A)参照)と同一の構成を有する2つの触覚伝達ユニ
ット6a,6bを並列保持した絶縁性保持手段本体6c
と、この保持手段本体6cを操作者の手首に保持させる
ベルト6eとが設けられている。 このように、2つの
触覚伝達ユニット6a,6bを一定間隔で並列させるこ
とによって、上記第3の実施例と同様の作用、即ち「フ
ァントムセンセーション」あるいは「仮現運動」に基づ
く接触状況の表現を実現することが可能となる。
【0069】本実施例によれば、操作者の手のひら全体
及び全ての指を解放させることができるため、他の装置
の操作性を全く阻害することなく、対象物に対する接触
状況を疑似触覚として操作者に伝達することが可能とな
る。他の効果は、第3の実施例と同様であるため、その
説明は省略する。
【0070】次に、本発明の第7の実施例に係る触覚伝
達装置について、図7を参照して説明する。図7
(A),(B)に示すように、本実施例は、触覚伝達ユ
ニット7e及び保持手段の改良に係り、触覚伝達ユニッ
ト7eは、上記第4の実施例(図4参照)と同一の構成
を有し、保持手段は、触覚伝達ユニット7eを操作者の
手首に保持させるベルト7dを備えている。なお、この
ベルト7dは、操作者の手首の太さに応じて、適宜、そ
の長さが調整可能に構成されている。
【0071】このような構成によれば、弾性部材7bの
周面内に周方向に等間隔で設けられた圧電体7aを調和
させて駆動させることによって、弾性部材7bはあたか
も縄跳びの縄のような屈曲回転運動を開始する。この回
転運動によって弾性部材7bと接触した筒状部材(特
に、図示しないが、図4参照)に回転力が伝達され、筒
状部材を回転させる。
【0072】筒状部材は、操作者の手首に直接接触して
いるため、筒状部材の回転運動は、直接手首に伝達され
る。即ち、弾性部材7bの屈曲回転運動は、操作者にと
って筒状部材を介して指上を滑る感覚(移動感)として
知覚される。
【0073】このような実施例の他の効果は、上記第4
の実施例と同様であるため、その説明は省略する。次
に、本発明の第8の実施例に係る触覚伝達装置につい
て、図8を参照して説明する。
【0074】図8に示すように、本実施例は、第1の実
施例に適用された触覚伝達ユニット(図面上に表された
第1の実施例と同一構成のみ同一符号を付す)を用いた
駆動手段の改良に関する。
【0075】本実施例に適用された駆動手段は、対象物
に対する接触状態を検出して、その疑似触覚信号を出力
可能な触覚信号検出手段8bと、この触覚信号検出手段
8bから出力された疑似触覚信号に基づいて、疑似触覚
伝達手段(図1(A)参照)を駆動させる信号処理手段
8aとを備えている。
【0076】信号処理手段8aは、触覚信号検出手段8
bから出力された疑似触覚信号を上記疑似触覚伝達手段
を駆動するための信号に変換して出力する機能を有す
る。通常、人間の振動知覚システムは、振動周波数が低
くなるほど、知覚するのに充分な振幅が必要となるが、
振動周波数が高くなるほど、小さい振幅でも充分に知覚
することができる。一般的に、人間は、DCから1kH
z程度までは振動として認識できることが知られてお
り、この範囲内に最も知覚し易い周波数域が存在する。
【0077】従って、本実施例に適用された信号処理手
段8aは、人間の知覚特性を考慮して、触覚信号検出手
段8bから出力された信号を疑似触覚伝達手段を駆動す
るための信号に変換して最適な駆動信号を生成するよう
に構成されている。また、信号処理手段8aには、予め
測定された対象物の機械的特性がデータとして記憶され
ており、触覚信号検出手段8bから出力された接触力に
基づいて、上記データから接触時の対象物の変形量を計
算することによって、変形量を表示する機能が設けられ
ている。
【0078】即ち、信号処理手段8aは、接触の度合い
又は接触変化を人間の振動知覚特性に合わせるように、
振動振幅と振動周波数を調整して出力する機能を有す
る。つまり、信号処理手段8aでは、接触状況に基づく
対象物の硬さや柔らかさ、移動感や表面粗さ等の各種触
覚情報を疑似触覚として表現するための信号に変換する
処理が行われる。そして、この信号処理手段8aから出
力された駆動信号によって上記疑似触覚伝達手段を駆動
させて、操作者に疑似触覚を伝達させることになる。
【0079】このように本実施例によれば、触覚信号検
出手段8bから出力された信号に基づいて、最適な駆動
パラメータが演算処理され、その結果をもとに、疑似触
覚伝達手段を駆動して、操作者に疑似触覚を的確に伝達
することが可能となる。
【0080】なお、本発明は、上述した各実施例の構成
に限定されることはなく、例えば、下記のように構成す
ることも可能である。 (1) 直接触れることができない対象物に対する接触
状況を疑似触覚として伝達可能な疑似触覚伝達手段、及
び、この疑似触覚伝達手段を駆動させる駆動手段を備え
た触覚伝達ユニットと、前記疑似触覚伝達手段が操作者
の体に接触するように、前記触覚伝達ユニットを前記操
作者の体の一部に保持させる保持手段とを具備している
ことを特徴とする触覚伝達装置。
【0081】このような構成によれば、保持手段によっ
て触覚伝達ユニットを操作者の体の一部に保持させた状
態において、駆動手段によって疑似触覚伝達手段を駆動
させることによって、直接触れることができない対象物
に対する接触状況は、疑似触覚として操作者の体に伝達
される。
【0082】この触覚伝達装置において、保持手段によ
って触覚伝達ユニットを操作者の体の一部に保持させる
ことができるため、他の装置の操作性を阻害することな
く、対象物に対する接触状況を疑似触覚として操作者に
伝達することが可能となる。また、本装置によれば、従
来技術に存在したような乖離感を無くすることができる
ため、操作者に対して操作状況を正確に伝達させること
が可能となる。この結果、装置の操作性の向上が達成さ
れる。 (2) 前記保持手段には、他の装置の操作性を阻害す
ることがないように、前記触覚伝達ユニットを前記操作
者の指に装着させる装着手段が設けられていることを特
徴とする上記(1)に記載の触覚伝達装置。
【0083】このような構成によれば、他の装置の操作
性を阻害することがないように、触覚伝達ユニットは、
装着手段によって操作者の指に装着される。この触覚伝
達装置において、触覚伝達ユニットを操作者の指に装着
させることができる装着手段を備えたことによって、通
常の機器操作に必要な指先を解放させておくことができ
る。この結果、他の装置の操作性を阻害することなく、
対象物に対する接触状況を疑似触覚として操作者に伝達
することが可能となる。 (3) 前記保持手段には、他の装置の操作性を阻害す
ることがないように、前記触覚伝達ユニットを前記操作
者の手首に装着させる装着手段が設けられていることを
特徴とする上記(1)に記載の触覚伝達装置。
【0084】このような構成によれば、他の装置の操作
性を阻害することがないように、触覚伝達ユニットは、
装着手段によって操作者の手首に装着される。この触覚
伝達装置において、触覚伝達ユニットを操作者の手首に
装着させることができる装着手段を備えたことによっ
て、通常の機器操作に必要な指先のみならず手のひら全
体を解放させておくことができる。この結果、他の装置
の操作性を阻害することなく、対象物に対する接触状況
を疑似触覚として操作者に伝達することが可能となる。 (4) 前記駆動手段は、その突出及び振動によって表
される接触状況を疑似触覚として前記操作者の体に直接
伝達するように、永久磁石、ヨーク及びコイルから成る
電磁型アクチュエータを備えていることを特徴とする上
記(1)に記載の触覚伝達装置。
【0085】このような構成によれば、コイルに電流を
印加すると、フレミング左手の法則により永久磁石及び
ヨークで構成された電気回路は、電流方向に直交する方
向に力を受ける。このとき発生した力を受けた駆動手段
が疑似触覚伝達手段として機能して、所定の運動を開始
する。即ち、駆動手段即ち疑似触覚伝達手段自身が操作
者の指の皮膚表面方向に駆動することによって、直接、
操作者の指に疑似触覚としての力が伝達される。
【0086】この触覚伝達装置において、電磁型アクチ
ュエータは、特に応答感度が高く且つDC的動作が可能
という点で最適である。更に、かかる電磁型アクチュエ
ータを用いることによって、上記のような接触感と押圧
感の双方を操作者の指に伝達することが可能となる。更
に、電気回路を充分に小型化しても、コイルの寸法は、
ある程度の大きさを確保することが可能であるため、疑
似触覚としての力を操作者が感覚として認識可能な範囲
内に維持させることができる。 (5) 前記駆動手段は、電圧を印加することによって
振動する圧電体と、この圧電体の振動力を受けて所定方
向に自由運動可能な弾性体とを備えており、また、前記
疑似触覚伝達手段は、前記駆動手段を内蔵し且つこの駆
動手段によって与えられ衝撃に起因した振動を疑似触覚
として操作者の体に伝達する伝達部材を備えていること
を特徴とする上記(1)に記載の触覚伝達装置。
【0087】このような構成によれば、所定周波数の電
圧を印加して圧電体を振動させると、その振動力は、弾
性体に伝達される。この結果、弾性体は、圧電体の振動
方向と同方向に自由運動を開始する。運動エネルギーの
増加に伴って、この弾性体は、ある条件の下に跳躍運動
を開始する。この跳躍運動によって、弾性体は、運動の
境界として設置された伝達部材に衝突した後、反射させ
られる。このとき伝達部材に加えられた衝撃力は、操作
者の指に接触している伝達部材を介して操作者の指に伝
達される。このような衝突は、圧電体が振動し続けてい
る間、繰り返し行われるため、操作者には、疑似触覚と
しての継続的振動が伝達される。
【0088】この触覚伝達装置において、上述した構成
の駆動手段及び疑似触覚伝達手段を備えたことによっ
て、疑似触覚として操作者に伝達される継続的振動の周
波数を低く抑えることが可能となる。この結果、操作者
に対して操作状況を正確に伝達させることが可能とな
る。 (6) 前記駆動手段は、弾性部材と、この弾性部材の
周面内に周方向に等間隔で配置され且つ両端が前記保持
手段に支持された複数の圧電体とを備えており、これら
圧電体に電圧を印加して前記圧電体を振動させることに
よって、前記弾性部材が振動(屈曲回転運動)するよう
に構成されており、また、疑似触覚伝達手段は、前記駆
動手段の外周を覆って回転自在に配置され且つ前記駆動
手段の振動を操作者の体に伝達する筒状部材を備えてい
ることを特徴とする上記(1)に記載の触覚伝達装置。
【0089】このような構成によれば、圧電体を調和し
て振動させることによって弾性体は、あたかも縄跳びの
縄のような屈曲回転運動を開始する。この運動によって
弾性体と接触した筒状部材に回転力が伝達され、筒状部
材は回転運動を開始する。筒状部材は、操作者の体に直
接接触しているため、筒状部材の回転運動は、直接、体
に伝達される。
【0090】この触覚伝達装置において、弾性部材の屈
曲回転運動は、筒状部材を介して操作者の体に伝達され
るため、滑る感覚(移動感)として知覚させることが可
能となる。 (7) 前記保持手段には、複数の前記触覚伝達ユニッ
トが所定の間隔で配置されていることを特徴とする上記
(1)に記載の触覚伝達装置。
【0091】このような構成によれば、例えば、2つの
触覚伝達ユニットの疑似触覚伝達手段を同時に駆動させ
た場合、これら疑似触覚伝達手段が伝達するエネルギー
(刺激強度、周波数等)を互いに変化させると、夫々の
装置本来の運動位置とは異なった位置で運動が伝達され
ているように認識される。この現象は、「ファントムセ
ンセーション」あるいは「仮現運動」として知られてい
る。
【0092】この触覚伝達装置において、限られた個数
の疑似触覚伝達手段を的確に駆動制御することによっ
て、振動感覚(疑似触覚情報)として伝達される刺激部
位を、疑似触覚伝達手段の実際の設置位置にかかわら
ず、広範に変化させることが可能となる。 (8) 前記駆動手段は、対象物に対する接触状態を検
出して、その疑似触覚信号を出力可能な触覚信号検出手
段と、この触覚信号検出手段から出力された疑似触覚信
号に基づいて、疑似触覚伝達手段を駆動させる信号処理
手段とを備えていることを特徴とする上記(1)に記載
の触覚伝達装置。
【0093】このような構成によれば、触覚信号検出手
段は、対象物に対する接触状態を検出して、その疑似触
覚信号を出力する。信号処理回路は、接触の度合い又は
接触変化を人間の振動知覚特性に合わせるように、振動
振幅と振動周波数を調整して出力する機能を有する。つ
まり、信号処理手段では、接触状況に基づく対象物の硬
さや柔らかさ、移動感や表面粗さ等の各種触覚情報を疑
似触覚として表現するための信号に変換する処理が行わ
れる。そして、この信号処理手段から出力された駆動信
号によって上記疑似触覚伝達手段を駆動させて、操作者
に疑似触覚を伝達させることになる。
【0094】この触覚伝達装置において、触覚信号検出
手段から出力された信号に基づいて、最適な駆動パラメ
ータが演算処理され、その結果をもとに、疑似触覚伝達
手段を駆動して、操作者に疑似触覚を的確に伝達するこ
とが可能となる。
【0095】
【発明の効果】本発明の触覚伝達装置によれば、他の装
置の操作性を阻害することなく、対象物に対する接触状
況を疑似触覚として操作者に伝達することによって、操
作状況を容易且つ正確に知覚させることができる。ま
た、本実施例によれば、従来技術に存在したような乖離
感を無くすることができるため、操作者に対して操作状
況を正確に伝達させることが可能となる。この結果、装
置の操作性の向上が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明の第1の実施例に係る触覚伝
達装置の主要な構成を拡大して示す図、(B)は、触覚
伝達装置の全体の構成を概略的に示す図。
【図2】(A)は、本発明の第2の実施例に係る触覚伝
達装置の主要な構成を拡大して示す図、(B)は、触覚
伝達装置の全体の構成を概略的に示す図。
【図3】(A)は、本発明の第3の実施例に係る触覚伝
達装置を操作者の指に装着した状態を示す斜視図、
(B)は、触覚伝達装置を断面方向から見た図。
【図4】(A)は、本発明の第4の実施例に係る触覚伝
達装置の全体の構成を概略的に示す図、(B)は、疑似
触覚伝達手段及び駆動手段の断面図。
【図5】(A)は、本発明の第5の実施例に係る触覚伝
達装置の全体の構成を概略的に示す斜視図、(B)及び
(C)は、触覚伝達装置を操作者の手首に装着した状態
を示す斜視図。
【図6】本発明の第6の実施例に係る触覚伝達装置を操
作者の手首に装着した状態を示す斜視図。
【図7】(A)は、本発明の第7の実施例に係る触覚伝
達装置の全体の構成を概略的に示す斜視図、(B)は、
触覚伝達装置を操作者の手首に装着した状態を示す斜視
図。
【図8】本発明の第8の実施例に係る触覚伝達装置の全
体の構成を概略的に示す図。
【図9】(A)は、マイクロマニピュレータが設けられ
た顕微鏡の構成を概略的に示す図、(B)は、ピペット
に吸引固定された細胞に刺針が接触している状態を示す
部分拡大図。
【図10】ロボットのマニピュレータシステムの構成を
概略的に示す図。
【図11】(A)は、医療用処置具である把持鉗子の全
体の構成を概略的に示す図、(B)は、把持鉗子の先端
部の拡大図。
【図12】内視鏡の外壁が患者の器官内壁を圧迫してい
る状態を示す図。
【図13】操作者の指先に対象物の硬さや柔らかさ等の
情報を伝達する触覚呈示装置の構成を概略的に示す断面
図。
【符号の説明】
1a…永久磁石、1b…ヨーク、1c…コイル、1d…
絶縁性構造体本体、1e…弾性部材、1f…サイズ調整
ネジ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直接触れることができない対象物に対す
    る接触状況を疑似触覚として伝達可能な疑似触覚伝達手
    段、及び、この疑似触覚伝達手段を駆動させる駆動手段
    を備えた触覚伝達ユニットと、 前記疑似触覚伝達手段が操作者の体に接触するように、
    前記触覚伝達ユニットを前記操作者の体の一部に保持さ
    せる保持手段とを具備していることを特徴とする触覚伝
    達装置。
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