JPH0726129B2 - 高炉炉熱予測システム - Google Patents

高炉炉熱予測システム

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JPH0726129B2
JPH0726129B2 JP12222189A JP12222189A JPH0726129B2 JP H0726129 B2 JPH0726129 B2 JP H0726129B2 JP 12222189 A JP12222189 A JP 12222189A JP 12222189 A JP12222189 A JP 12222189A JP H0726129 B2 JPH0726129 B2 JP H0726129B2
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furnace heat
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furnace
heat level
level
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浩一 松田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は安定な高炉の操業を行うための高炉炉熱予測
システムに関するものである。
(従来の技術) 温度センサ等で得られた情報から知識ベースを用いて、
炉熱レベルを予測する従来の高炉炉熱予測システムとし
ては、SICE'88第27回学術講演会予稿集JS60−30「高炉
炉熱エキスパートシステムにおける学習機能」ページ62
7,628に開示されたエキスパートシステムがある。
ここで開示されたエキスパートシステムでは、高炉を制
御するエキスパートシステムの制御性をセンサにより常
に監視し、制御性が悪くなればエキスパートシステム中
の高炉炉熱予測システムの炉熱予測精度が低下したとみ
なし、高炉炉熱予測システム中の知識ベースのルール間
の重みづけの変更等により知識ベースの学習を行い、エ
キスパートシステムの制御性を良好に維持している。
このエキスパートシステムの制御性の判定方法は、以下
に示すようにして行われる。
すなわに、過去数ケ月間の操業実積を蓄積し、1回の出
銑作業(これをタップと称する)の内の最高溶銑温度
(炉熱を最もよく代表するが、出銑開始後2〜4時間経
過しないと得られない)を指標として、以下に示す基準
で炉熱の制御状態を評価する(第14図参照)。
タップ最高溶銑温度は目標温度に達したか タップ最高溶銑温度の変化は目標以内におさまった
か なお、第14図において、ケースAは異常なし、ケースB
〜ケースDは何らかの炉熱異常を判定している。そし
て、ケースB,Cの判定がなされた場合は、重みづけの変
更に関する知識ベースにより高炉炉熱予測システム中の
知識ベースのルール間の重みづけの変更を行うことによ
り、高炉炉熱予測システム中の炉熱予測に関する知識ベ
ースの学習を行い高炉炉熱予測システムの予測精度の向
上を図っている。
(発明が解決しようとする課題) 従来の高炉炉熱予測システムの予測精度向上のための、
ルール間の重みづけの変更等の学習(以下、単に「学
習」と言う。)は以上のように行われており、以下に述
べる問題点があった。
炉熱制御システムが稼動していない場合は、制御状
態を評価することもないため、この期間中の学習は全く
行われない。
制御結果が評価基準を下回るとはじめて学習を行っ
ているため、予測精度の低下を回避するという消極的な
意味での学習にすぎない。
学習は単に、重みづけの変更に関する知識ベースに
よりルール間の重みづけの変更を行うだけのため、最適
な重みに変更できたとは断言できない。
この発明は上記〜の問題点を解決するためになされ
たもので、炉熱制御の有無に関わらず、炉熱予測を行う
規則の重みを常に最適値に設定する学習機能を有する高
炉炉熱予測システムを得ることを目的とする。
(課題を解決するための手段) この発明にかかる高炉炉熱予測システムは、高炉の炉内
状況を示す高炉データを取込み、該高炉データより得ら
れる事象と、1F−THEN形式で記述され、結論部の重要度
を示す重みが設定されている第1の規則とから、ファジ
イ推論により所定時間経過時点の炉熱レベルである予測
炉熱レベルを出力する炉熱予測手段と、過去における実
溶銑温度及び過去に行った操業アクションより得られる
事象と、IF−THEN形式で記述された第2の規則とから、
ファジイ推論により過去の所定時点における炉熱レベル
である評価炉熱レベルを、前記予測炉熱レベルと同一レ
ンジで出力する炉熱評価手段と、過去所定期間に遡り、
同一時間帯における、少なくとも1つの前記予測炉熱レ
ベルと前記評価炉熱レベルとの差に基づく評価関数を求
め、該評価関数が最小になるように前記第1の規則の前
記重みを変更する重み変更手段とを備えている。
(作用) この発明における重み変更手段は評価関数が最小になる
ように炉熱予測手段中の第1の規則の重みを変更してお
り、この評価関数は、過去所定期間に遡る、同一時間帯
における、少なくとも1つの予測炉熱レベルと評価炉熱
レベルとの差に基づいて求められているため、常に算出
可能である。
従って、炉熱制御の有無によらず第1の規則の重みを変
更することができる。
(実施例) A.炉熱予測手段 まず、この発明の一実施例である高炉炉熱予測システム
における炉熱予測手段について説明する。
(A−1).ソルロスC量移動平均値の算出 ガスクロマトグラフィーによる炉頂ガス成分分析、送風
条件、原料装入条件などにより、ソルロスC(ソリュー
ションロスカーボン)量(kg/t−p)をサンプリング時
間Δtごとに算出する。ここで、時刻jにおけるソルロ
スC量をxjとし、時刻jよりもkサンプリング時間前
(すなわちΔt×k時間前)のソルロスC量をxj-kとす
ると、現在の時刻jにおける所定時間幅nΔtの各移動
平均xMは、 で計算できる。
(1)式に基づく移動平均xMをサンプリング時間Δtご
とに計算する。このソルロスC量の移動平均xMの増加
は、吸熱反応であるソルロス反応が促進していることを
示しているため、簡単にいえば移動平均xMが大きな値に
なると炉熱低下、小さな値になると炉熱上昇を予測して
いることになる。
(A−2).ソルロス評価点の算出 次に、第1図で示したメンバーシップ関数から、ソルロ
ス評価点Fxを求める。例えばソルロスC量移動平均xM
第1図で示した値をとった場合、SHH=0.8,SH=0.4とな
る。なお、第1図において、SHH,SHはソルロス評価パラ
メータであり、SHHは「非常に高い」、SHは「高い」
を、意味しており、図示していないが、他のソルロス評
価パラメータとしてSLL(「非常に低い」),SH(「低
い」),SM(「安定」)等のパラメータがある。これら
のパラメータは0〜1の適合度をもっている。
(A−3).中間結論の決定 こようにして求められたソルロス評価点Fxと、予め定め
られた炉熱予測ルールとを照合し、成功すると中間結論
C1を得る。以下に、炉熱予測ルールの一例を示す。
IF(SH)THEN(TL) α=0.8 IF(SHH)THEN(TLL) α=0.2 THEN部(結論部)のTL,TLLは炉熱レベルパラメータであ
り、TLは「やや低い」,TLLは「低い」を意味しており、
他のTH(「やや高い」),THH(「高い」),TM(「安
定」)という炉熱レベルパラメータがある。
炉熱レベルパラメータの適合度は、IF部の炉熱評価パラ
メータの値と重みα(α1)との積となり、第1図
とルール,の例では、 TL=0.4(H)×0.8(α)=0.32 TLL=0.8(HH)×0.2(α)=0.16 となる。なお、IF部(条件部)に複数のソルロス評価の
パラメータが存在するときは、最小のソルロス評価パラ
メータと重みαとの積により炉熱レベルパラメータの適
合度を決定する。
中間結論C1が得られると、第2図に示した炉熱レベルパ
ラメータTHH,TH,TM,TL,TLLのメンバーシップ関数からT
L,TLLのメンバーシップ関数をそれぞれ抽出し、適合度
0.32,0.16で上部がそれぞれカットされた中間結論C1の
メンバーシップ関数B1(y),B1′(y)を第3図に示
すように作成する。
(A−4).中間結論のメンバーシップ関数の合成 そして、得られた全ての中間結論C1のメンバーシップ関
数B1(y),B1′(y)を合成し、合成メンバーシップ
関数BB1(y)(斜線で示す)を第3図に示すように作
成する。なお、第2図,第3図において、yは炉熱レベ
ルを示し、正であれば、「炉熱は低い」、負であれば、
「炉熱は高い」という傾向を示している。
(A−5).予測炉熱レベルの算出 この合成メンバーシップ関数BB1(y)とy軸で囲まれ
た領域の重心Gの位置のy座標(y1)を、次の(2)
式により求める。
この(y1)がファジイ推論により得られた、所定時間
経過後の炉熱レベルの予測値である予測炉熱レベルであ
り、予測炉熱レベル(y1)は1に近い程、炉熱レベル
の低下傾向が強いことを示し、(y1)が−1に近い
程、炉熱レベルの上昇傾向が強いことを示し、(y1)
が0近傍であれば炉熱レベルが安定傾向にあることを示
している。
このように、所定時間経過時点での予測炉熱レベル(y
1)は、ファジイ推論により得られるため、−1〜1
の間に定量的に決定する。
(A−6).炉熱予測手段のフロー 第4図はこの発明の一実施例における炉熱予測手段の処
理の流れを示すフローチャートである。以下、同図に参
照しつつそのフローを説明する。
まず、ステップS1で、(A−1).で述べたように
(1)式より、ソルロスC量の移動平均値xMを算出す
る。
次にステップS2で、(A−2).で述べたように、ソル
ロスC量移動平均値xMから、メンバーシップ関数により
ソルロス評価点Fxを得る。
そして、ステップS3で(A−3).で述べたように、炉
熱評価点Fxを炉熱予測ルールに照合し、中間結論C1を得
て、この中間結論C1のメンバーシップ関数B1(y)を作
成する。
その後、ステップS4で、(A−4).で述べたように、
中間結論C1のメンバーシップ関数B1(y)を合成し、合
成メンバーシップ関数BB1(y)を作成する。
そして、ステップS5で(A−5).で述べたように、合
成メンバーシップ関数BB1(y)とy軸で囲まれた領域
の重心のy座標(y1)、すなわち、予測炉熱レベルを
得る。
B.炉熱評価手段 次に、この発明の一実施例である高炉炉熱予測システム
における炉熱評価手段について説明する。なお、ここで
は過去3回の出銑時A1〜A3の溶銑温度代表値T1〜T3
ら、出銑時A2における評価炉熱レベルを判定している。
(B−1).変換溶銑温度の算出 まず、過去3回の出銑時A1〜A3において、実アクション
変化予測値Z(t)を用いることにより、所定時間間隔
ごとに測定された実溶銑温度y(t)から、操業アクシ
ョン(昇熱アクション,降熱アクション)による影響を
取除いた変換溶銑温度y′(t)を求める。
以下、実アクション変化予測値Z(t)について、第5
図を参照しつつ詳述する。実アクション変化予測値Z
(t)とは、風温,調湿等の操業アクションを行った場
合における時刻tにおける溶銑温度の変化量の予測値で
ある。
第5図に示すように、時刻0に操業アクションを起こす
と、その応答(溶銑温度y(t)に影響を与える力)が
徐々に現れる。
この応答の変化に基づく、操業アクションを行った後の
溶銑温度変化の予測値が、実アクション変化予測値Z
(t)である。この実アクション変化予測値Z(t)
は、風温,調湿等のアクションに対する溶銑温度の応答
を数式モデルあるいはデータ解析等により求めることで
算出される。数式モデルによる実アクション変化予測値
Z(t)として、例えば、“高炉非定常シミュレーショ
ンプログラムの開発”(「鉄と鋼」No.12.vol173,S825
(1987)第89頁)に開示されたものがある。
上記したアクション変化予測値Z(t)を用い、下記
(3)式により、操業アクションの影響を取除いた、つ
まり操業アクションが行われなかった場合における溶銑
温度の予測値である変換溶銑温度y′(t)を得る。
y′(t)=y(t)−Z(t) …(3) 第6図に昇熱アクションが生じた場合の変換溶銑温度
y′(t)の経時変化を示す。なお、操業アクションの
影響が全くない場合は、当然のことながら、実アクショ
ン変化予測値Z(t)=0となる。
(B−2).溶銑温度代表値の測定 そして、変換溶銑温度y′(t)に基づき、過去3回の
出銑時A1〜A3におけるそれぞれの溶銑温度代表値T1〜T3
(T1が1番古く、T3が1番新しい)を求める。溶銑温度
代表値T1〜T3としては、最高温度あるいは平均温度等か
らある。
(B−3).炉熱評価点の算出 次に、第7図で示したメンバーシップ関数から、溶銑温
度代表値T1〜T3の炉熱評価点F1〜F3を求める。例えば溶
銑温度代表値T1が1490℃であれば、溶銑温度代表値T1
熱評価点F1はLL=0.0,LM=0.3,M=0.7,HM=0.0,HH=0.0
となる。
なお、第7図において、LL,LM,M,HM,HHは、炉熱評価パ
ラメータであり、各パラメータは、 LL…低い LM…やや低い M…安定 HM…やや高い HH…高い を意味している。これらのパラメータLL,LM,M,HM,HHは
0〜1の適合度をもつ。また、第7図で示したメンバー
シップ関数の形状は、高炉,管理温度の違い等により変
更できる。
(B−4).中間結論の決定 このようにして求められた炉熱評価点F1〜F3と、予め作
成された炉熱評価ルール(第1表参照)とを照合し、成
功すると中間結論C2を得る。照合が成功するのは、条件
F1〜F3で示したパラメータ(LL,LM,M,HM,HHのいずれ
か)の全てが正の値となる場合である。なお、第1表に
おいて、TLL,TL,TM,TH,THHは第2図で示した炉熱レベル
パラメータである。
以下、例を挙げて第1表のルールと炉熱評価点F1〜F3と
の照合を説明する。例えば、タップ溶銑温度代表値T1
T2=1460℃,T3=1515℃であれば、炉熱評価点F1,F2は
[LL=1.0,HM=HH=LM=M=0.0]となり、炉熱評価点F
3は[HH=0.3,HM=0.7,M=LM=LL=0.0]となる。この
ような炉熱評価点F1〜F3とNo.121のルールとの照合を行
う場合を考える。この場合、 条件部 F1=LL=1.0 〃 F2=LL=1.0 〃 F3=HH=0.3 と、すべての炉熱評価点F1〜F3が正の適合度を得たた
め、照合が成功し、No.121のルールの結論である炉熱レ
ベルパラメータTMを中間結論C1として導き出す。このと
き、炉熱レベルパラメータTMの適合度は、条件部の最小
の適合度である条件部F3の適合度0.3になる。
そして、第2図で示した炉熱レベルパラメータTHH,TH,T
M,TL,TLLのメンバーシップ関数から、炉熱レベルパラメ
ータTMのメンバーシップ関数を抽出し、第8図で示した
ように、適合度0.3で上部がカットされた中間結論C2の
メンバーシップ関数B2(y)を作成する。
上記した照合を第1表のすべてのルールに対して行い、
照合が成功すると第8図に示すような、中間結論C2のメ
ンバーシップ関数B2(y)を作成する。したがって、上
記した例ではNo.121以外に、No.122のルールの照合が成
功する。この場合、 条件部 F1=LL=1.0 〃 F2=LL=1.0 〃 F3=HM=0.7 となり、No.122のルールの結論である炉熱レベルパラメ
ータTLを中間結論C2として導き出す。このとき、炉熱レ
ベルパラメータTLの適合度は、条件部の最小の適合度で
ある条件部F3の適合度0.7になる。その後、メンバーシ
ップ関数B2(y)の作成と同様に、炉熱レベルパラメー
タTLのメンバーシップ関数を抽出し、適合度0.7で上部
がカットされた中間結論C2のメンバーシップ関数B2′
(y)を作成する。
(B−5).中間結論のメンバーシップ関数の合成 そして、得られた全ての中間結論C2のメンバーシップ関
数B2′(y),B2(y)を合成し、合成メンバーシップ
関数BB2(y)を作成する。第9図は(B−4).で例
示した2つのメンバーシップ関数B2(y),B2′(y)
の合成例を示している。同図に示すように、炉熱レベル
yに対し、適合度が最大となるようにメンバーシップ関
数B2(y),B2′(y)を合成する。
(B−6).過去の出銑時における評価炉熱レベルの判
定 そして、合成メンバーシップ関数BB 2(y)とy軸で
囲まれた領域(第9図斜線で示す)の重心Gの位置のy
座標(y2)を、次の(4)式により求める。
この(y2)がファジイ推論((B−4).〜(B−
6).のステップ)により得られた出銑時A2における評
価炉熱レベルを示している。つまり(y2)が1に近い
程、炉熱レベルが低いと判定され、(y2)が−1に近
い程、炉熱レベルが高いと判定され、(y2)が0近傍
であれば炉熱レベルは安定していると判定される。
(B−7).炉熱評価手段のフロー 第10図は炉熱評価手段の処理の流れを示すフローチャー
トである。以下、同図を参照しつつそのフローを説明す
る。
まず、ステップS11で、(B−1).で述べたように
(3)式より、実溶銑温度y(t)から、操業アクショ
ンによる影響を取除いた変換溶銑温度y′(t)を得
る。
次に、ステップS12で(B−2).で述べたように変換
溶銑温度′(t)から過去3回の溶銑温度代表値T1〜T3
を算出する。
次にステップS13で、(B−3).で述べたように、溶
銑温度代表値T1〜T3から、メンバーシップ関数により炉
熱評価点F1〜F3を得る。
そして、ステップS14で(B−4).で述べたように、
炉熱評価点F1〜F3を炉熱評価ルールに照合し、中間結論
C2を得、この中間結論C2のメンバーシップ関数B2(y)
を作成する。
その後、ステップS15で、(B−5).で述べたよう
に、中間結論C2のメンバーシップ関数B2(y)を合成
し、メンバーシップ関数BB2(y)を作成する。
そして、ステップS16で(B−6).で述べたように、
合成メンバーシップ関数BB2(y)とy軸で囲まれた領
域の重心のy座標(y2)、すなわち、評価炉熱レベル
を得る。
C.重みαの学習 A.で述べた炉熱予測手段により得られる予測炉熱レベル
(y1)とB.で述べた炉熱評価手段により得られる評価
予測レベル(y2)は共に同一のメンバーシップ関数TH
H,TH,TM,TL,TLLを利用したファジイ推論により算出して
いるため、(y1),(y2)は互いに−1〜1の範囲
の同一レンズ内で表現できている。従って、過去の同一
時間帯における両者(y1),(y2)を比較すること
により、A.で述べた炉熱予測手段の予測精度を正確に評
価することができる。
そこで、過去において、2番目に新しい出銑時刻y′に
おける炉熱レベル(y1),(y2)値をそれぞれ(y
1)j,(y2)jとし、その1出銑前の炉熱レベル
を、(y1)j-1,(y2)j-1として、次の(5)式で
示す如く、評価値Jを求める。
予測炉熱レベル(y1)j-1は重みα1を可変にし
た場合、重みα1に基づく関数とみなすことができ
ることから、(y1)j-1は関数fy1(α1)j-1
して表わすことができる。一方、評価炉熱レベル(y2)
は定数となることから、評価値Jは下の(6)式に示
す如く、引数をα1とした評価関数J(α1
と表現できる。
そして、(6)式で示した評価関数J(α1)の値
が最小となるようにA.で述べた炉熱予測手段の炉熱予測
ルールの重みα1を決定する。これが重みαの学習
である。
第11図は評価関数J(α1)の経時変化を示すグラ
フである。同図において、(a)〜(e)はそれぞれ重
みα1が (a) α=1.0 α=0.0 (b) α=0.8 α=0.2 (c) α=0.5 α=0.5 (d) α=0.2 α=0.8 (e) α=0.0 α=1.0 の場合の経時変化を示している。
例えば、第11図の(a)〜(e)のいずれかに重みα1,
αを決定する場合、時刻t1では、(e)[α=0.0,
α=1.0]が決定され、時刻t2では(a)[α=1.
0,α=0.0]が決定されることになる。このように炉
熱予測手段が常にその時点での最高の予測精度を得るよ
うに、重み変更手段が炉熱予測レールの重みα1
時々刻々変化させることにより、炉熱予測ルールの重み
づけの学習を行っている。
第12図は重み変更手段の処理手順を示すフローチャート
である。以下、同図を参照しつつそのフローを説明す
る。
まず、ステップS21で、(6)式に基づき、評価関数J
(α1)を求める。そして、ステップS22で評価関
数J(α1)を最小にする、炉熱予測ルールの重み
α(α1)の変更を行う。
D.高炉炉熱予測システム 第13図は、この発明の一実施例である高炉炉熱予測シス
テムの概念図である。同図に示すように、A.で述べた炉
熱予測手段10が、ソルロスC量の変化に基づき、所定時
間経過時点での予測炉熱レベル(y1)を予測してい
る。
一方、B.で述べた炉熱評価手段20が、過去の実溶銑温度
変化と操業アクションとに基づき、過去の出銑時におけ
る、操業アクショが無かった場合の評価炉熱レベル(y
2)を判定している。
そして、重み変更手段30は(6)式に示すように、過去
の同一時間帯における予測炉熱レベル(y1)と評価予
測レベル(y2)との差に基づき、炉熱予測手段10の炉
熱予測ルールの重みα1を引数とした評価関数J
(α1)を求め、この評価関数J(α1)が最
小となるように、炉熱予測手段10の炉熱予測ルールの重
みα1を時々刻々変更している。
このように、炉熱制御の有無に関わらず、重み変更手段
30により、常に重み学習が続けられているため、炉熱制
御を行っていない場合でも、炉熱予測手段10の予測精度
の向上を図ることができる。
また、炉熱評価手段20により出力される評価炉熱レベル
(y2)は、炉熱予測手段10により出力される予測炉熱
レベル(y1)と同一のメンバーシップ関数に基づいた
ファジイ推論により得られる値、つまり、評価炉熱レベ
ル(y2)と予測炉熱レベル(y1)とは全く同一レベ
ルの指標である。
このため、過去の同一時間帯における両者(y1)
(y2)の差に基づいた評価関数は、炉熱予測手段10の
過去における予測精度を正確に反映した値となり、この
評価関数に基づいて行う重み変更手段30による重み変更
は重みを最適な値に変更できていると断言できる。
E.補足 なお、炉熱予測手段10はソルロスC量の経時変化に基づ
いて、炉熱予測を行ったが、他にガスコロマトグラフィ
ーにより検出される炉頂ガス中の窒素量(%)、高炉の
炉壁温度、所定時間当りの原料装入回数等の高炉の炉内
状況を示す高炉データの経時変化に基づいて、炉熱予測
を行うことも考えられる。
また、炉熱評価手段20では、過去3回の溶銑温度代表値
に基づき炉熱評価を行ったが、これに限定されない。ま
た、出銑時A2における評価炉熱レベルを判定したが、こ
れに限定されない。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明によれば、重み変更手段
により評価関数が最小になるように炉熱予測手段中の第
1の規則の重みを変更している。この評価関数は、過去
所定期間に遡る、同一時間帯における、少なくとも1つ
の予測炉熱レベルと評価炉熱レベルとの差に基づいて求
められているため、常に算出可能である。
従って、炉熱制御の有無によらず、重み変更手段により
第1の規則の重みを変更することができる効果がある。
また、炉熱評価手段は評価炉熱レベルを、予測炉熱レベ
ルと同一レンジで出力しており、重み変更手段で用いる
評価関数は、予測精度を正確に反映した値をとるため、
重みを変更手段による第1の規則の重み変更は常に重み
を最適値に変更できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はメンバーシップ関数を示すグラ
フ、第3図は合成メンバーシップ関数BB1(y)の作成
方法を示すグラフ、第4図は炉熱予測手段の処理の流れ
を示すフローチャート、第5図は昇熱アクション後の状
況を示す説明図、第6図は変換溶銑温度y′(t)の経
時変化を示す説明図、第7図はメンバーシップ関数を示
すグラフ、第8図は中間結論C2のメンバーシップ関数B2
(y)の作成方法を示すグラフ、第9図は合成メンバー
シップ関数BB2(y)の作成方法を示すグラフ、第10図
は炉熱評価手段の処理の流れを示すフローチャート、第
11図は評価関数の経時変化を示すグラフ、第12図は重み
変更手段の処理の流れを示すフローチャート、第13図は
この発明の一実施例である高炉炉熱予測システムの概念
図、第14図は従来の高炉炉熱評価の処理の流れを示すフ
ローチャートである。 10……炉熱予測手段、 20……炉熱評価手段、 30……重み変更手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高炉の炉内状況を示す高炉データを取込
    み、該高炉データより得られる事象と、1F−THEN形式で
    記述され、結論部の重要度を示す重みが設定されている
    第1の規則とから、ファジイ推論により所定時間経過時
    点の炉熱レベルである予測炉熱レベルを出力する炉熱予
    測手段と、 過去における実溶銑温度及び過去に行った操業アクショ
    ンより得られる事象と、IF−THEN形式で記述された第2
    の規則とから、ファジイ推論により過去の所定時点にお
    ける炉熱レベルである評価炉熱レベルを、前記予測炉熱
    レベルと同一レンジで出力する炉熱評価手段と、 過去所定期間に遡り、同一時間帯における、少なくとも
    1つの前記予測炉熱レベルと前記評価炉熱レベルとの差
    に基づく評価関数を求め、該評価関数が最小になるよう
    に前記第1の規則の前記重みを変更する重み変更手段と
    を備えた高炉炉熱予測システム。
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