JPH07257619A - 顆粒状物質用小分け器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単に手で調節することによって、連続注出又
は計量した所定量の小分けのいずれかを選択することが
でき、小分け用吐出口それ自体をプッシュ−プルする操
作以上の複雑なことは何も行わなくてもよい顆粒状物質
用の小分け器を提供する。 【構成】 キャップ１８は、可撓性膜４６を通って上下
に延びる吐出口４４を有する。吐出口４４の下方には所
定量小分けカップ３２が設けられ、吐出口４４を引き上
げたときには、膜４４がドーム状になって、容器１４を
逆さまにすることにより、内容物が、チャンバ２２から
開口３８、吐出口４４を通って連続的に流出する。吐出
口４４を押し下げたときには、膜４４が下方に凹んだ状
態になって、吐出口４４の入口下端６０がカップ３２の
内部に入り、容器１４を逆さにしたときに、カップ３２
内の内容物が吐出口４４を通って流出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、砂糖等の顆粒状物質
を、選択的に、連続的に注出し、又は小分けするように
した小分け器に関する。

【０００２】

【従来技術】例えば砂糖などの顆粒状食料品は、一般
に、適当な注出用あるいは小分け用吐出口の付いた容器
に入れて供給される。単純な容器では、通常、吐出口を
通じて内容物が無制限に注がれるため、小分け量を制御
するためには、計量カップあるいはスプーンなど別個の
道具を利用することが必要になる。もちろん、大量の物
質を必要とする場合には、制御されずに自由に小分けで
きることが機能的にきわめて望ましい。さらに、とくに
消費者の健康に対する関心が高まって、使用する特定の
食材あるいは香辛料の量を制御することを望むようにな
ると、選択された所定量を小分けできる手段が組み込ま
れた、又は取り付けられた容器の提供が望まれることに
なる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】小分け器に計量された
量を小分けできる機能を組み込み、調節すれば自由に注
出できるようにしたものはすでに知られているが、この
種の小分け器は、扱いにくくまた機能の切り替えが容易
でなく、例えば、小分け用の管を、小分けすべき香辛料
の中に押し込む必要があったり、あるいは計量用の挿入
具を実際に取り外す必要があったりする。したがって、
既知の小分け器は、レストラン等で広く使用されるのに
適していない。

【０００４】

【発明の概要】本発明の小分け器は、単に手で調節する
ことによって、連続注出または計量した所定量の小分け
のいずれかを選択することができ、そのために小分け器
を開いたり、構成部品を小分け器から取り外したり或い
は小分け器に取り付けたりする必要がなく、小分け用吐
出口それ自体を単に手でプッシュープルする操作以上の
複雑なことはなにも行なわなくてよい。本発明の小分け
器は、望ましくは砂糖の小分け器等として使用する場
合、使用が簡単であり、注出が簡単であり、充填が簡単
であり、且つ、内容物を湿気および埃が混入しないよう
に保つ。この小分け器は、どのような顆粒状または粉末
状物質にも等しく使用できるが、説明の都合上、以下
に、砂糖の小分け器として説明する。この小分け器は、
従来の砂糖の小分け器に似て、容器に螺着されるキャッ
プに設けられた注出用あるいは小分け用吐出口を受け入
れるための一端が開放した内部貯蔵チャンバーを形成す
る縦長の容器を有する。本発明の小分け器は、貯蔵チャ
ンバーの上端に設けられ且つ吐出口キャップによって所
定の位置に固定される別体の取り付け式の小分け用挿入
具を組み込んだ点で、在来の砂糖小分け器と相違する。
この挿入具は、吐出口の内側端の内方且つ該内側端と整
合された計量カップを有する。吐出口つまりノズルは、
在来の吐出口とは異なり、第一の所定量小分け位置と第
二の連続注出位置との間で、計量カップに対して選択的
に縦方向に移動できるように可撓性膜によって取り付け
られている。第一の所定量小分け位置では、吐出口の内
側端が計量カップの上端の下方にあって該計量カップか
らのみ砂糖等を受け入れる。第二の連続注出位置では、
吐出口の内側端が計量カップの上方に間隔が隔てられて
連続注出のために自由に流れるように貯蔵チャンバーと
連通する。小分け器は、蓋つまりオーバー・キャップに
よって完成され、オーバー・キャップは、吐出口キャッ
プを覆うようにして摩擦係合され且ついずれかの調節位
置の吐出口のためのシールを形成する。

【０００５】吐出口を取り付ける可撓性の膜は、比較的
硬く、また、吐出口と外側の取付カラーにある同心のヒ
ンジ部分を介して、自由注出位置と所定量小分け位置の
両位置にスナップ的に変化し、また、オーバセンター位
置で保持される。所定量小分けカップつまり計量カップ
は、砂糖を所定量小分けカップ内に自由に流入させる
か、吐出口を通って自由に流れるようにさせる「放射
状」支持システムによって、容器の上端の下方に間隔を
隔てた関係で保持される。本発明のその他の特徴および
効果は、以下の詳細な説明から明かとなろう。

【０００６】

【実施例】図面を具体的に参照して、小分け器１０は、
三つの基本構成部品とオーバー・キャップ１２とを有す
る。基本構成部品とは、容器１４、所定量小分け用挿入
具１６、および吐出口キャップ１８である。図示のよう
に、容器１４は、標準的な砂糖の小分け器の形状、すな
わち垂直方向に細長い円筒状の構造で、中に内部貯蔵チ
ャンバー２２が形成され、開放口２０を有する形状とす
ることができる。容器１４は、内部に残っている注出可
能な物質の量を容易に判別できるように透明なポリカー
ボネート等からなるのが好ましい。その表面は、こすり
傷等を避けるために細かくエッチングし、最大充填可能
レベルを示す表示部２４を有するものとすることができ
る。このような表示部は、エッチングで形成されたエッ
ジ、小さな肩等の形をとることができる。容器１４の上
端の開放口２０の周囲には、外側にねじ切りされた首部
２６が配設され、容器は、最大充填可能線２４から２８
で外側および上方にわずかに広がった外表面を有し、そ
れによって首部２６の基部に肩部３０が形成される。

【０００７】所定量小分け用挿入具１６は、適当な大き
さでよいが砂糖の場合には好ましくは標準的な角砂糖の
重さである約３グラムの砂糖を保持する大きさとされる
中央の所定量小分けカップ３２を有する。カップ３２の
上端部は、外側にわずかに広がって排出口を形成し、ま
た、透かし細工の支持部つまり放射状部３４と一体に形
成される。放射状部３４は、カップ３２の周囲で周方向
に互いに間隔を置いて配設されてかなり大きい一連のア
クセス用開口を形成する上方および外側に広がるリブ３
６で構成される。支持部つまり放射状部３４は、一体構
成の環状外側支持リップ部４０まで延び、このリップ部
４０は、横方向に伸び、周方向に容器の口２０を形成す
るリップ部４２の上にのる構成で、その状態で、カップ
３２は、容器１４内の中央に配置される。図面から明ら
かなように、カップ３２は、容器１４の上方部分内に保
持され、カップ３２の底部は、ほぼ容器１４の最大充填
可能レベルにある。吐出口又はノズル・キャップ１８
は、中央の垂直方向に細長い吐出口つまりノズル４４を
含み、ノズル４４は、円形でディスク状の可撓性の膜４
６を通って同軸状に延び、又膜４６に一体に連結され、
吐出口４４は、膜の上方および下方にかなりの距離にわ
たって延び、好ましくは膜４６の上方部分が僅かに長
い。

【０００８】膜４６の外周部は、外側の垂下する周方向
カラー４８と一体に形成される。カラー４８は、その下
方周囲の回りに、外側にオフセットして垂下し且つ内側
にねじ山が配設されたフランジ５０と一体に形成され、
該フランジによって下方に向いた保持用肩部５２が形成
される。フランジ５０を容器１４の外側にねじ切りされ
た首部２６に螺合すると、保持用肩部５２は、所定量小
分け用部品のリップ部４０と係合し、リップ部４０を容
器１４の縁部４２にクランプし、かくして、小分け組立
体の組み付けが完了する。装置の側壁に添って外側に突
起が生じるのを避けるためにも、また美的な配慮から
も、フランジ５０の外側の環状表面は、容器の部分２８
の広がりに対応してわずかに上方および外側に広がるも
のとすることができる。それ自身および吐出口４４を以
下に説明する二つの調節位置に保持するように比較的硬
い可撓性の膜４６は、内側および外側の環状で一体構成
の可動ヒンジあるいはヒンジ部分５４および５６を含
み、これらヒンジ部分は、それぞれ、吐出口４４および
カラー４８に隣接して配設され、膜４６の可撓性を高め
ている。膜４６、従って吐出口４４の二つの位置は、図
２および図５で示されている。図２にあっては、膜４４
は、オーバセンタ位置で外側に曲げられてドーム状をな
し、手でその位置から動かされるまでその状態を保つ。
この第一の位置では、吐出口４４の下端つまり入口端６
０は、放射状部あるいは透かし細工の支持システム３４
と整合され、又は、それより僅かに上方に位置し、その
ため、容器を逆さまにすると、内容物が容器の貯蔵チャ
ンバー２２から開口３８および吐出口４４の入口端６０
を通って自由に流れ、吐出口４４の遠隔の出口から連続
的に小分けする。

【０００９】図５に示されるように、手で膜４６自身ま
たは吐出口４４を下方に押して膜４６を内側に曲げる
と、膜４４は、中心を超えて下方に凹んだ第二の位置に
スナップ的に移行し、該位置では、吐出口４４の入口下
端６０は、所定量小分けカップ３２の口の広がった周囲
のリップ部を越える距離だけこのカップの口の下方にき
て、内容物がチャンバー２２から吐出口の入口端の中に
直接流れ込むのを防ぐ。この状態では、容器１４を逆さ
まにすると、所定量小分けカップ３２内、又は、吐出口
４４の直径がカップ３２より僅かに小さいために少なく
とも該物質の入口端６０と整合した部分内の流出可能な
物質のみが、吐出口４４を通って小分けされる。容器の
主チャンバー２２から物質が連続的に流れ出ることはな
い。図５に示す状態に調節された容器を逆さまにする
と、主チャンバー２２内の物質は、単に、膜４６の端部
へ向かって流れ、さらに開口を通ってカップ３２の口の
外側縁部すなわち周囲のリップ部のレベルまで流れ込
む。この領域は、物質を十分な量だけ収容するように形
成されており、したがって、容器をさらに逆さまにする
すなわち直立状態にすると、この部分に受けられた流動
性物質は、所定量小分けカップ３２を適当に充填して二
回目の計量された所定量の小分けに備える。

【００１０】図１と図６を比較して理解できるように、
膜４６の状態は、小分け器の上端部を見ただけで容易に
わかり、小分け器が注出位置にあるか所定量小分け位置
にあるかをただちに判別することができる。さらに、図
２から分かるように、オーバー・キャップ１２は、吐出
口４４がいずれの位置にあっても容器の上端部と小分け
装置を密閉することができる。図３の詳細に断面図から
理解できるように、該オーバー・キャップ１２は、カラ
ー４８の周囲に周方向にまたオーバー・キャップ１２の
内表面の下方縁部に周方向にそれぞれ設けられた小さな
拡大部つまり突出部６２、６４を相互に係合させること
によってカラー４８にスナップ固定され且つ摩擦係合す
る。この状態で、該オーバー・キャップの下方縁部は、
内側にねじ山が配設されたフランジ５０の上方でカラー
４８のすぐ下方に形成された肩部上にのる。図５の小分
け位置では、所定量小分けカップ３２の上方部分の容積
は、そのレベルを吐出口４４の内側にずれた入口端６０
より高くすることなくカップ３２内部に適当な所定量の
物質を確保するようなものであり、したがって、通常
は、吐出口４４を所定量小分け位置へ動かすにあたって
吐出口を物質内に押し込む必要はない。すでに述べたよ
うに、砂糖の小分け器を想定した場合、所定量小分けカ
ップ３２の大きさは、吐出口に対して、標準の角砂糖に
ほぼ等しい量を小分けするように調節されることが好ま
しい。

【００１１】容器１４に充填するためには、単に吐出口
キャップ１８を回して外し、挿入具１６を持ち上げ、砂
糖、顆粒状チョコレート、粉末ミルク等の物質を好まし
いレベル、好ましくは所定量小分けカップ３２の最下端
の位置まで容器の中に注ぎ込むだけでよい。その後は、
該小分け用部品を素早く組み合わせれば、該小分け器
は、使用可能状態となる。注出にあたっては、吐出口４
４を手で引き上げて膜４６を外側にドーム状に膨れた位
置にスナップ固定させれば、内容物を自由に注出するこ
とができる。所定量を小分けする場合には、吐出口４４
を膜４６と共に内側に押し込み、凹んだ位置にやはりス
ナップ固定させる。これで容器１４を逆さまにし、さら
に直立状態に戻してカップ３２への充填を行なう。これ
によって、同様な動作で容器を逆さまにすれば、再び一
回分の所定量を小分けすることができ、その後に容器を
再び直立させれば、所定量のカップが自動的に充填され
る。小分け器の部品は、すべて、好ましくは食品を汚染
しない合成樹脂材料でつくられる。また、顆粒状という
用語は、総称的な意味で用いており、通常の砂糖などの
顆粒、粉末砂糖などの粉末等を含む流動可能な固体を含
むものであることも理解されよう。

【００１２】以上の説明は、本発明の原理を明らかにす
るためのものであって、当業者には、容器の形状を異な
らせるなど、本発明の諸特徴を組み込みまた特許請求の
範囲内に入るさまざまな変更ならびに修正が可能となろ
う。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の小分け器を、オーバー・キャップを外
した状態で示す斜視図。

【図２】オーバー・キャップが取り付けられ且つ吐出口
が連続注出位置にある状態の小分け器の縦断面図。

【図３】計量カップ挿入具、吐出口キャップ並びに容器
のオーバ・キャップの間の取付関係を示す拡大断面図。

【図４】容器および小分け用部品の分解斜視図。

【図５】オーバー・キャップが取り外され且つ吐出口が
所定量小分け位置にある状態の縦断面図。

【図６】吐出口が所定量小分け位置にある状態の容器の
上部分の斜視図。

【符号の説明】

１０ 小分け器 １４ 容器 ２２ 貯蔵チャンバー ３２ 所定量小分けカップ ３４ 放射状部 ４０ 外側リップ部 ４４ 吐出口 ４６ 可撓性膜 ５４ ヒンジ ６０ 吐出口の入口端

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 顆粒状物質の連続注出および単一の所定
   量の小分けを選択的に行なうための小分け器であって、 該小分け器は、 内部貯蔵チャンバーを形成する容器と、 前記チャンバーに向かって内側に向けられた一つの内側
   入口端および前記容器の外部の外側出口端を有する小分
   け用吐出口と、 前記チャンバー内に設けられ、前記吐出口と整合され且
   つ前記吐出口に向かって開放する排出口を有する所定量
   小分けカップと、 第一の連続注出位置と第二の所定量小分け位置との間で
   選択的に移動可能に前記吐出口を前記容器に取り付ける
   ための手段とを有し、 前記吐出口の前記入口端は、前記吐出口の前記第一の位
   置では、前記所定量小分けカップの排出口に対して外方
   に間隔が隔てられて、前記チャンバーから前記入口端へ
   前記カップの外部に顆粒状物質の連続流路を形成し、 前記吐出口の前記入口端は、前記吐出口の前記第二の位
   置では、前記カップ内で前記排出口の内側にあって該入
   口端へ前記カップからのみの顆粒状物質の流路を形成し
   且つ前記チャンバーから前記入口端への顆粒状物質の流
   れを阻止する、ことからなる小分け器。
2. 【請求項２】 前記吐出口を取り付けるための前記手段
   が、前記吐出口に固定されてそこから径方向外方へ延び
   る可撓性の膜からなり、 該膜は、前記容器に固定された外周部分で終わり、前記
   吐出口の前記第一の位置では、前記容器に対して外方に
   向けられ、前記吐出口の前記第二の位置では、前記容器
   に対して内方に向けられる、請求項１に記載の小分け
   器。
3. 【請求項３】 前記容器は、前記内部貯蔵チャンバーと
   連通する口を有し、 前記所定量小分けカップが前記容器の口の内側に配置さ
   れ、 前記膜は、前記吐出口が前記カップと整合した状態で前
   記容器の口を覆い、 更に、前記膜を前記容器の口の回りに固定するための解
   放可能な取り付け手段を有する、請求項２に記載の小分
   け器。
4. 【請求項４】 前記膜は、前記吐出口と、前記膜を前記
   容器に固定するための前記手段とに隣接する一体のヒン
   ジ手段を有する、請求項３に記載の小分け器。
5. 【請求項５】 前記吐出口が、前記膜を貫通して同軸状
   に延び、且つ、その両側を越えて横方向に延びる、請求
   項４に記載の小分け器。
6. 【請求項６】 前記第一および前記第二の位置の前記膜
   および吐出口を覆う解放可能に取り付けられたオーバー
   ・キャップを有する、請求項５に記載の小分け器。
7. 【請求項７】 前記所定量小分けカップと一体であり、
   且つ、前記所定量小分けカップが前記容器チャンバー内
   で前記容器の口の下方に垂下可能に前記容器の口で前記
   容器と係合するように延びる透かし細工構造体を有し、 該透かし細工構造体は、物質が自由に流れることができ
   る開口を有する、請求項３又は請求項６に記載の小分け
   器。
8. 【請求項８】 前記吐出口の前記内側入口端は、前記吐
   出口の前記第一の外側位置で、物質が前記透かし細工構
   造体と前記吐出口とを通って自由に流れることができる
   ように、前記透かし細工構造体と整合する、請求項７に
   記載の小分け器。
9. 【請求項９】 前記吐出口の前記内側入口端が、前記カ
   ップの前記排出口の内側の前記第二の位置で、前記透か
   し細工構造体の内側に位置して、前記カップからのみの
   流れを可能にする、請求項８に記載の小分け器。
10. 【請求項１０】 前記容器が、前記容器の口を取り囲ん
    で該容器の口を形成する縁部を有し、 前記透かし細工構造体が、前記容器の縁部に重なり且つ
    前記膜を前記容器に取り付けるための前記手段によって
    そこにクランプ止めされる外周部分を有する、請求項９
    に記載の小分け器。