JPH07255657A - 洗浄廃液回収装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 汚れた壁面に洗浄剤を塗布し、この洗浄剤を
水洗除去して該壁面を清掃する際に発生した洗浄廃液を
効率的に回収することができるような洗浄廃液回収装置
を提供する。 【構成】 複数のパイプと連通管とを備えた洗浄廃液吸
引具を有し、前記複数のパイプは互いに略平行に配列さ
れ、かつ先端が揃っており、しかも基端にそれぞれ前記
連通管が連通され、該連通管には吸引ポンプに接続され
たホースが連結されている洗浄廃液回収装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の技術分野】本発明は、洗浄廃液回収装置に関
し、特に、汚れた壁面に洗浄剤を塗布し、この洗浄剤を
水洗除去して該壁面を清掃する際に発生した洗浄廃液を
効率的に回収することができるような洗浄廃液回収装置
に関する。

【０００２】

【発明の技術的背景】従来より、汚れた壁面、たとえば
建造物の汚れた外壁表面に洗浄剤を塗布し、この洗浄剤
を水洗除去することにより壁面の清掃がなされている。

【０００３】このようにして壁面を清掃する際には、洗
浄剤を水洗除去する過程で発生した洗浄廃液の多くは、
壁面に沿って流れ落ちる。このようにして流れ落ちてき
た洗浄廃液は、たとえば路面を濡らしたり、水溜を形成
したりするなどして歩行の妨げとなったり、あるいはこ
の洗浄廃液の一部が下水道に流入したりするといった問
題点があった。

【０００４】

【発明の目的】本発明は、上記従来技術の問題点を克服
するためになされたもので、汚れた壁面に洗浄剤を塗布
し、この洗浄剤を水洗除去して該壁面を清掃する際に発
生した洗浄廃液を効率的に回収することができるような
洗浄廃液回収装置を提供することを目的としている。

【０００５】

【発明の概要】本発明に係る洗浄廃液回収装置は、複数
のパイプと連通管とを備えた洗浄廃液吸引具を有し、前
記複数のパイプは、互いに略平行に配列され、かつ先端
が揃っており、しかも基端にそれぞれ前記連通管が連通
され、該連通管には吸引ポンプに接続されたホースが連
結されていることを特徴としている。

【０００６】上記のように構成した本発明によれば、汚
れた壁面に塗布された洗浄剤を水洗除去して該壁面を清
掃するに際して、洗浄廃液回収装置の洗浄廃液吸引具に
備えられた複数パイプの先端を壁面下部に近接させて配
置し、吸引ポンプで吸引することにより壁面上部から流
れ落ちてくる洗浄廃液を前記複数パイプの先端から吸引
して排除することができる。

【０００７】

【発明の具体的説明】以下、本発明に係る洗浄廃液回収
装置について、図面を用いて具体的に説明する。

【０００８】図１に本発明に係る洗浄廃液回収装置の一
例を示す。この洗浄廃液回収装置１は、洗浄廃液吸引具
１０と、吸引ポンプ２０と、洗浄廃液回収タンク３０と
を有し、洗浄廃液吸引具１０と吸引ポンプ２０、および
吸引ポンプ２０と洗浄廃液回収タンク３０とはそれぞれ
ホース４０によって連結され、吸引ポンプ２０を作動さ
せると洗浄廃液３が洗浄廃液吸引具１０の先端から吸引
され、ホース４０を通して洗浄廃液回収タンク３０に回
収されるようになっている。

【０００９】洗浄廃液吸引具１０は、複数のパイプ１１
と連通管１２とを備えている。このうち、パイプ１１の
それぞれは、互いに略平行に一列に配列されている。こ
のように洗浄廃液回収装置１では洗浄廃液吸引具１０が
複数のパイプ１１を備え、しかもこれらのパイプ１１の
それぞれが互いに略平行に一列に配列されているので、
このパイプ１１の列を地面と略平行に配置して、それぞ
れのパイプ１１の先端１１ａ面を、壁面２と当接させる
か、あるいは壁面２に略等間隔開けて近付けさせ、吸引
ポンプ２０を作動させると、壁面２上部から流れ落ちて
くる洗浄廃液３がそれぞれのパイプ１１の先端１１ａか
ら吸引される。すなわち、パイプ１１の列の長さに相当
する幅の洗浄廃液３が吸引される。

【００１０】このように洗浄廃液吸引具１０が複数のパ
イプ１１を備え、これらのパイプ１１が互いに略平行に
配列されているので、単一パイプから洗浄廃液３を吸引
する場合に比較して、壁面２上部から流れ落ちてくる洗
浄廃液３を吸引することができる幅が大幅に改善され
る。

【００１１】本発明に係る洗浄廃液回収装置では、洗浄
廃液吸引具１０に備えられている複数のパイプ１１の隣
接間距離を略等間隔とすることが好ましい。これらパイ
プ１１の隣接間距離を吸引ポンプの吸引力に応じて適当
な略等間隔距離とすると、パイプ１１の列の長さに相当
する幅の洗浄廃液３をこの幅全域にわたって吸引むらが
生じることなく均等に効率よくこれらパイプ１１の先端
１１ａから吸引することができるようになる。

【００１２】また、このように洗浄廃液３をパイプ１１
の先端１１ａから吸引むらが生じることなく均等に吸引
するためには、洗浄廃液吸引具１０に備えられている複
数のパイプ１１がほぼ等しい口径を有することが好まし
い。これらのパイプ径が異なる場合には、パイプ径に応
じてパイプ先端面から洗浄廃液を吸引する際の吸引圧力
が変化し、パイプ列間でパイプ先端から吸引される洗浄
廃液に吸引むらが生じることがあるからである。

【００１３】洗浄廃液回収装置１では洗浄廃液吸引具１
０に備えられた複数のパイプ１１の先端１１ａが揃って
おり、このため、これら全パイプ１１の先端１１ａのな
す面を、壁面２と当接させたり、あるいは壁面２に等間
隔で近付けさせたりすることができる。この結果、洗浄
廃液回収装置１では洗浄廃液吸引具１０で全てのパイプ
１１の先端１１ａから洗浄廃液３がむらなく吸引され
る。すなわち、洗浄廃液回収装置１では洗浄廃液３が効
果的に吸引される。

【００１４】パイプ１１は、弾性を有することが好まし
い。パイプ１１が弾性を有する場合には、凹凸がある壁
面２に洗浄廃液吸引具１０のパイプ１１の先端１１ａを
当接させて押圧すると、この壁面２の凹凸に対応してパ
イプ１１が自在に屈曲し、凹部および凸部のどちらの壁
面２にもパイプ１１の先端１１ａが当接し、また、パイ
プ１１の先端１１ａを壁面２から離間させると、パイプ
１１のそれぞれは、その弾性力によって互いに略平行に
配列されている元の状態に復元する。したがって、パイ
プ１１が弾性を有する場合には、凹凸がある壁面２に沿
って流れ落ちてくる洗浄廃液３を、洗浄廃液吸引具１０
で全てのパイプ１１の先端１１ａから効果的に吸引する
ことができる。

【００１５】洗浄廃液回収装置１では洗浄廃液吸引具１
０に備えられた複数のパイプ１１のの基端１１ｂにそれ
ぞれ連通管１２が連通されている。また、連通管１２に
は吸引ポンプ２０に接続されたホース４０が連結されて
いおり、吸引ポンプ２０を作動させるとホース４０を通
して連通管１２内部が減圧されようになっている。

【００１６】ここで、この連通管１２に複数のパイプ１
１の基端１１ｂがそれぞれ連通しているので、吸引ポン
プ２０の作動に伴って連通管１２内部が減圧されると、
それぞれのパイプ１１の内部が減圧され、それぞれのパ
イプ１１の先端１１ａから洗浄廃液３が吸引される。

【００１７】さらに、洗浄廃液回収装置１ではホース４
０が洗浄廃液回収タンク３０に連結されており、それぞ
れのパイプ１１の先端１１ａから洗浄廃液３を吸引する
と、この洗浄廃液３が連通管１２およびホース４０を通
して洗浄廃液回収タンク３０に回収されるようになって
いる。

【００１８】洗浄廃液回収装置１を用いた洗浄廃液の回
収は、たとえば次のようにして行なわれる。 １）まず、図２に示すように清掃する壁２の直下に洗浄
廃液吸引具１０に備えられた複数のパイプ１１を、これ
によって形成されるパイプ１１の列が地面と略平行にな
るように配置し、それぞれのパイプ１１の先端１１ａ面
を、壁面２と当接させるか、あるいは壁面２に略等間隔
開けて近付ける。

【００１９】２）次いで、壁面２に洗浄剤を塗布し、こ
の洗浄剤を水洗除去することにより壁面を清掃する。こ
の際、洗浄廃液３が発生し、壁面２上部から流れ落ちて
くる。

【００２０】３）この壁面２上部から流れ落ちてくる洗
浄廃液３が壁面２下部のパイプ１１が配置されている位
置に到達するまでの間に吸引ポンプ２０を作動させる。
吸引ポンプ２０を作動させると、壁面２上部から流れ落
ちてきた洗浄廃液３が、それぞれのパイプ１１の先端１
１ａから吸引され、連通管１２およびホース４０を通し
て洗浄廃液回収タンク３０に回収される。

【００２１】以上、本発明に係る洗浄廃液回収装置およ
び洗浄廃液の回収方法の一例を示したが、本発明に係る
洗浄廃液回収装置および洗浄廃液の回収方法は、特許請
求の範囲を逸脱しない範囲内で様々な変形が可能であ
る。

【００２２】たとえば、洗浄廃液回収装置１は、上記洗
浄廃液吸引具１０に代えてパイプ１１の列が複数列形成
された洗浄廃液吸引具１０’あるいはパイプ１１の列が
環状または楕円環状に形成された洗浄廃液吸引具１０’
を備えていてもよい。また、これらのパイプ１１の列の
間に、この列を形成しているパイプ１１よりも短い補助
パイプ１３を設け、パイプ１１の先端１１ａと補助パイ
プ１３の先端１３ｂとの間に段差を形成してもよい。

【００２３】図３には本発明で用いられる洗浄廃液吸引
具の一例が示されている。この洗浄廃液吸引具１０’で
は、パイプ１１の列が環状に形成され、この管の内側に
複数の補助パイプ１３が設けられている。この洗浄廃液
吸引具１０’のパイプ１１の先端１１ａを壁面２の凹部
に当接させ、補助パイプ１３の先端１３ａを壁面２の凸
部に当接させて洗浄廃液３を吸引すると、壁面２凹部お
よび凸部の洗浄廃液３がより一層効果的に吸引される。

【００２４】図４には本発明で用いられる洗浄廃液吸引
具の他の一例が示されている。この洗浄廃液吸引具１
０”では、パイプ１１の列が複数列形成され、しかもそ
れぞれのパイプ１１が弾性を有している。

【００２５】これらのパイプ１１のうち、一部の先端１
１ａを凹凸がある壁面２に当接させて押圧すると、この
壁面２の凹凸に対応してパイプ１１が自在に屈曲し、凹
部および凸部のどちらの壁面２にも全てのパイプ１１の
先端１１ａが当接する。

【００２６】図５には、壁面２の凹凸形状によらず、洗
浄廃液吸引具１０”の全てのパイプ１１の先端１１ａが
壁面２に当接している様子が模式的に示されている。こ
のように洗浄廃液吸引具１０”の複数のパイプ１１をこ
れによって形成されるパイプ列が地面と略平行になるよ
うに配置し、図５に示すようにそれぞれのパイプ１１の
先端１１ａ面を凹凸がある壁面２と当接させて吸引ポン
プ２０を作動させると、壁面２上部から流れ落ちてくる
洗浄廃液３が最上列のパイプ１１の先端１１ａから吸引
される。この最上列のパイプ１１の先端１１ａで吸引さ
れなかった洗浄廃液３はこの最上列のパイプ１１と隣接
する第２列目のパイプ１１の先端１１ａで吸引され、さ
らに第２列目のパイプ１１の先端１１ａで吸引されなか
った洗浄廃液３は第２列目のパイプ１１の先端１１ａで
吸引される。このようにして図４に示す洗浄廃液吸引具
１０”を備えた洗浄廃液回収装置１では、図５に示すよ
うに壁面２に凹凸がある場合でも、洗浄廃液３のほとん
どを路面などに落下させることなく吸引することが可能
である。

【００２７】さらに洗浄廃液３が酸性またはアルカリ性
である場合、洗浄廃液回収タンク３０に接続してドラム
５０を設け、このドラム５０で洗浄廃液３を中和処理す
ることが好ましい。

【００２８】図６に本発明で用いられる洗浄廃液処理ド
ラムの一例を示す。この洗浄廃液処理ドラム５０は、下
部周面に排水管５１が連通し、かつ頂部開口に取外し自
在に蓋体５２が取付けられている。

【００２９】この蓋体５２を貫通して水位計５３、自動
ｐＨ測定装置５４が、それぞれドラム５０内に収容され
た洗浄廃液３の水位およびｐＨが測定可能であって、し
かもドラム５０の外側からそれぞれの測定値が観測でき
るように取付けられている。さらに、このこの蓋体５２
を貫通して中和剤供給管５５が設けられている。

【００３０】そして、排水管５１および中和剤供給管５
５にはそれぞれバルブ５６、５７が取付けられている。
この洗浄廃液処理ドラム５０による洗浄廃液３の処理
は、たとえば次のようにして行なわれる。

【００３１】ａ）まず、排水管５１のバルブ５６を閉じ
た状態で洗浄廃液回収タンク３０からドラム５０内に洗
浄廃液３を供給する。 ｂ）水位計５３で洗浄廃液３の容量を測定し、洗浄廃液
３がドラム５０の容量の７０％に達した時点でたとえば
ブザーが鳴り、この時点で自動ｐＨ測定装置５４で洗浄
廃液３のｐＨを測定する。

【００３２】ｃ）中和剤供給管５５のバルブ５７を開け
て洗浄廃液３のｐＨに応じた適当な中和剤をドラム５０
内に供給し、ドラム５０内の洗浄廃液３を中和する。洗
浄廃液３のｐＨが７未満であって洗浄廃液３が酸性であ
ることが確認された場合には、適当なアルカリ、たとえ
ば苛性ソーダの水溶液をドラム５０内に供給し、洗浄廃
液３のｐＨが７を越え、洗浄廃液３がアルカリ性である
ことが確認された場合には、適当な酸、たとえば希塩酸
をドラム５０内に供給する。

【００３３】ｄ）ドラム５０内の洗浄廃液３の中和が終
了した時点でバルブ５７を閉じて中和剤供給管５５から
の中和剤の供給を停止し、バルブ５６を開けて排水管５
１からドラム５０内部の洗浄廃液３を排出する。

【００３４】

【発明の効果】以上、説明してきたように、本発明に係
る洗浄廃液回収装置によれば、汚れた壁面に洗浄剤を塗
布し、この洗浄剤を水洗除去して該壁面を清掃する際に
発生した洗浄廃液を効率的に回収することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る洗浄廃液回収装置の一例を模式的
に示した図面

【図２】本発明に係る洗浄廃液回収装置を用いた洗浄廃
液の回収方法の一例を説明するための図面

【図３】本発明に係る洗浄廃液回収装置に用いられる洗
浄廃液吸引具の一例を説明するための図面

【図４】本発明に係る洗浄廃液回収装置に用いられる洗
浄廃液吸引具の他の一例を説明するための図面

【図５】図４に示す洗浄廃液吸引具の効果を説明するた
めの図面

【図６】本発明に係る洗浄廃液回収装置に用いられる洗
浄廃液処理ドラムの一例を説明するための図面

【符号の説明】

１ …洗浄廃液回収装置 １０ …洗浄廃液吸引具 １１ …パイプ １２ …連通管 ２０ …吸引ポンプ ３０ …洗浄廃液回収タンク ４０ …ホース ５０ …洗浄廃液処理ドラム ５１ …排水管 ５２ …蓋体 ５３ …水位計 ５４ …自動ｐＨ測定装置 ５６、５７…バルブ ２ …壁面 ３ …洗浄廃液

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のパイプと連通管とを備えた洗浄廃液
   吸引具を有し、前記複数のパイプは互いに略平行に配列
   され、かつ先端が揃っており、しかも基端にそれぞれ前
   記連通管が連通され、該連通管には吸引ポンプに接続さ
   れたホースが連結されていることを特徴とする洗浄廃液
   回収装置。