JPH07255526A

JPH07255526A - 歯ブラシ用ケース

Info

Publication number: JPH07255526A
Application number: JP4904294A
Authority: JP
Inventors: Shinji Hanada; 心次花田; Atsushi Hasebe; 敦長谷部
Original assignee: MUTOO SEIKO KK
Current assignee: MUTOO SEIKO KK
Priority date: 1994-03-18
Filing date: 1994-03-18
Publication date: 1995-10-09

Abstract

(57)【要約】【目的】雑菌の繁殖を抑えて、歯ブラシを衛生的に収
容できるようにする。【構成】ケース１を、下ケース２とその下ケース２に
開閉回動可能に取り付けられた上ケース３とより構成す
る。電動歯ブラシ１６の本体１７を下ケース２内の奥側
に収容する。下ケース２内の中間部前側に、下仕切り板
５によりブラシ収容部６を区画形成する。電動歯ブラシ
１６の本体１７の先端部に着脱可能に取り付けられる２
本のブラシ１８を、各植毛部１８ｂがブラシ収容部６内
に配置されるように、下ケース２内の前側に並列に収容
する。ブラシ収容部６と対応する位置において、上ケー
ス３の上面には通気孔１４を形成する。下ケース２及び
上ケース３を、ＡＢＳ、ポリプロピレン或いはポリエチ
レン等の合成樹脂材料に、ソルビン酸やソルビン酸カリ
ウム等のソルビン酸系の物質を含有して形成し、ケース
１全体に抗菌性を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、歯ブラシを収容するた
めのケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
この種のケースは、その全体が合成樹脂材料で形成され
ているのが一般的である。ところが、歯ブラシの植毛部
には雑菌が繁殖し易く、濡れたままの歯ブラシを単に合
成樹脂材料で形成されたケースに収容したままの状態に
すると、不衛生であるという問題があった。

【０００３】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたものであって、その目的は、雑菌の繁殖を抑えて、
歯ブラシを衛生的に収容することができる歯ブラシ用ケ
ースを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項１の発明では、少なくとも歯ブラシの植毛
部と対応する部分に抗菌性を付与したものである。

【０００５】請求項２の発明では、全体を合成樹脂材料
により形成し、その合成樹脂材料にソルビン酸系の物質
を含有させることにより抗菌性を付与したものである。
請求項３の発明では、全体を合成樹脂材料により形成
し、その合成樹脂材料に銀又は銅を含有させることによ
り抗菌性を付与したものである。

【０００６】請求項４の発明では、全体を合成樹脂材料
により形成し、その合成樹脂材料に銀又は銅コーティン
グを施すことにより抗菌性を付与したものである。

【０００７】

【作用】従って、本発明によれば、ケースの少なくとも
歯ブラシの植毛部と対応する部分に抗菌性が付与されて
いるので、歯ブラシの植毛部に雑菌が繁殖することを抑
えることができ、その歯ブラシを衛生的に収容すること
ができる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明を電動歯ブラシ用ケースに具体
化した一実施例を図面に基づいて説明する。

【０００９】図１〜図６に示すように、ケース１は平面
ほぼ長方形状をなし、下ケース２とその下ケース２に開
閉回動可能に取り付けられた上ケース３とより構成され
ている。下ケース２は上面が開口されたほぼ箱型形状を
なし、同ケース２内の奥側（図２の上側）には、電動歯
ブラシ１６の本体１７が収容される。

【００１０】下ケース２内の中間部前側（図２の下側）
には平面ほぼコ字状をなす下仕切り板５が一体形成さ
れ、この下仕切り板５と下ケース２の内壁とで囲まれた
領域がブラシ収容部６となっている。又、この下仕切り
板５には左右一対の凹溝５ａが互いに対向するように形
成されている。そして、前記電動歯ブラシ１６の本体１
７の先端部に着脱可能に取り付けられる２本のブラシ１
８は、それらの柄部１８ａがそれぞれ下仕切り板５の各
凹溝５ａに係合されて位置決めされた状態で、下ケース
２内の前側に並列に収容される。又、各ブラシ１８は先
端の植毛部１８ｂが互いに向き合う方向に収容され、そ
れら植毛部１８ｂがブラシ収容部６内に配置される。３
つを１組とする２組の切欠き溝７は、下ケース２の後側
縁部の左右両端側に形成され、各切欠き溝７をそれぞれ
跨ぐようにして、複数の支軸８が下ケース２に一体形成
されている。

【００１１】一方、前記上ケース３は下面が開口された
ほぼ箱型形状をなし、その内部には前記下ケース２の下
仕切り板５に対応する上仕切り板１０が一体形成されて
いる。３つを１組とする２組の取付片１１は、前記下ケ
ース２の切欠き溝７に対応するように、上ケース３の後
側縁部に一体形成され、各取付片１１には前記支軸８に
係合可能な係合溝１１ａが形成されている。

【００１２】そして、取付片１１を切欠き溝７内に位置
させた状態で、同取付片１１の係合溝１１ａ内に支軸８
を弾性的に挟入して、同溝１１ａの最奥部に位置させる
ことにより、上ケース３が下ケース２に支軸８を中心と
して開閉回動可能に取り付けられる。尚、両ケース２，
３をそれらの後側縁部の左右両側においてそれぞれ３箇
所で連結することにより、両ケース２，３が強固に連結
されるとともに、上ケース３が下ケース２に対して安定
して開閉される。又、両ケース２，３をそれらの後側縁
部の左右両側においてそれぞれ２箇所で連結するように
構成してもよい。

【００１３】又、下ケース２の前面の中間部には係合凸
部１２が形成されるとともに、上ケース３にはその係合
凸部１２に係合可能な係合凹部１３が形成されている。
そして、上ケース３を下ケース２上の閉鎖位置に回動配
置したときに、係合凸部１２と係合凹部１３とが弾性的
に係合されることにより、ケース１が閉鎖状態で確実に
保持される。又、ケース１の閉鎖状態では、下ケース２
の下仕切り板５の上端面と上ケース３の上仕切り板１０
の下端面とが互いに密着され、その結果、２本のブラシ
１８の植毛部１８ｂが、ブラシ収容部６内に密閉された
状態となる。

【００１４】前記ブラシ収容部６と対応する位置におい
て、上ケース３の上面には多数の細かな透孔を配列して
なるメッシュ状の通気孔１４が形成され、この通気孔１
４を通してブラシ収容部６内が外部と連通されている。
従って、ブラシ１８をケース１内に収容した状態でも、
ブラシ１８の植毛部１８ｂのみは外部との間の通気性を
確保される。又、通気孔１４を構成する多数の透孔は、
その大きさが例えば０．６ｍｍ四方という非常に小さな
ものであるので、ブラシ収容部６内に塵埃等が侵入する
ことを極力阻止できる。

【００１５】前記下ケース２及び上ケース３は、ＡＢ
Ｓ、ポリプロピレン或いはポリエチレン等の合成樹脂材
料に、ソルビン酸やソルビン酸カリウム等のソルビン酸
系の物質を含有して形成され、ケース１全体に抗菌性が
付与されている。ここで、本願発明者らは、次のような
試験を行って、ケース１に抗菌性が付与されていること
を確認した。

【００１６】即ち、先ず試験片として、ポリプロピレン
にソルビン酸を含有してなる略５ｃｍ四方の合成樹脂板
Ａと、単なるポリプロピレンよりなる略５ｃｍ四方の合
成樹脂板Ｂとを用意する。そして、各合成樹脂板Ａ，Ｂ
上に２．１×１０⁴個の大腸菌を含む菌液を滴下すると
ともに、その上にポリエチレンフィルムを被せて、合成
樹脂板Ａ，Ｂと菌液とを密着させる。そして、これらを
２５℃の温度で２４時間保存した後、各合成樹脂板Ａ，
Ｂ上の生菌数を測定した。その結果、ソルビン酸が含有
されている合成樹脂板Ａにおいては生菌数が３０個、ソ
ルビン酸が含有されていない合成樹脂板Ｂにおいては生
菌数が４．６×１０⁵個となり、ソルビン酸が含有され
ている合成樹脂板Ａに抗菌性が付与されていることが確
認された。

【００１７】又、黄色ブドウ球菌についても同様に試験
を行った。この場合、各合成樹脂板Ａ，Ｂ上には、４．
８×１０⁴個の黄色ブドウ球菌を含む菌液が滴下され
た。そして、前記と同様に、それらを２５℃の温度で２
４時間保存した後、各合成樹脂板Ａ，Ｂ上の生菌数を測
定した。その結果、合成樹脂板Ａにおいては生菌数が１
０個、合成樹脂板Ｂにおいては生菌数が８．２×１０³
個となり、この場合もソルビン酸が含有されている合成
樹脂板Ａに抗菌性が付与されていることが確認された。

【００１８】更に、ポリエチレンにソルビン酸を含有し
てなる略５ｃｍ四方の合成樹脂板Ｃと、単なるポリエチ
レンよりなる略５ｃｍ四方の合成樹脂板Ｄとについて
も、前記と同様な試験を行った。その結果、先ず大腸菌
については、合成樹脂板Ｃにおける生菌数が１０個以
下、合成樹脂板Ｄにおける生菌数が４．５×１０⁵個で
あった。又、黄色ブドウ球菌については、合成樹脂板Ｃ
における生菌数が１０個以下、合成樹脂板Ｄにおける生
菌数が２．０×１０³個であった。従って、ポリエチレ
ンについても、ソルビン酸が含有されている合成樹脂板
Ｃに抗菌性が付与されていることが確認された。

【００１９】以上のように、本実施例では、電動歯ブラ
シ１６を収容するためのケース１に抗菌性が付与されて
いる。従って、ブラシ１８の植毛部１８ａに雑菌が繁殖
することを抑えることができ、電動歯ブラシ１６を衛生
的に収容することができる。しかも、本実施例では、電
動歯ブラシ１６をケース１内に収容しても、ブラシ１８
の植毛部１８ａのみは通気孔１４を通して外部との間の
通気性を確保されている。従って、電動歯ブラシ１６を
そのブラシ１８の植毛部１８ａが濡れたままの状態でケ
ース１内に収容しても、植毛部１８ａを極力乾燥させる
ことができ、雑菌の繁殖をより確実に抑えることができ
る。

【００２０】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、各部の構成を例えば以下のように変更して
具体化することも可能である。（１）ケース１の材料として、ＡＢＳ、ポリプロピレン
或いはポリエチレン等の合成樹脂材料に銀又は銅を含有
させたものを使用することにより、ケース１全体に抗菌
性を付与するようにすること。この場合、合成樹脂材料
に銀や銅の粉末を混ぜるようにしてもよいし、或いは銀
や銅の溶剤を混ぜるようにしてもよい。

【００２１】（２）ＡＢＳ、ポリプロピレン或いはポリ
エチレン等の合成樹脂材料よりなるケース１の全面に、
銀又は銅コーティングを施すことにより、ケース１全体
に抗菌性を付与するようにすること。この場合、銀や銅
のコーティング部分を、ブラシ収容部６内だけにしても
よい。

【００２２】（３）前記実施例、或いは前記（１），
（２）において、合成樹脂材料にゼオライトをも含有さ
せること。このようにすれば、ゼオライトの作用により
ソルビン酸系の物質や銀や銅を合成樹脂材料中に確実に
吸着保持することができて、ケース１の抗菌性能をより
向上させることができるとともに、その性能を長期に亘
って維持できる。

【００２３】（４）本発明を電動ではない通常の歯ブラ
シのケースで具体化すること。上記実施例から把握でき
る請求項以外の技術思想について、以下にその効果とと
もに記載する。

【００２４】（１）請求項１において、歯ブラシ１６の
植毛部１８ｂと対応する部分に通気孔１４を形成した歯
ブラシ用ケース。このようにすれば、雑菌の繁殖をより
確実に抑えることができる。

【００２５】（２）請求項２〜４の何れかにおいて、合
成樹脂材料にゼオライトを含有させた歯ブラシ用ケー
ス。このようにすれば、ケース１の抗菌性能をより向上
させることができるとともに、その性能を長期に亘って
維持できる。

【００２６】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、雑
菌の繁殖を抑えて、歯ブラシを衛生的に収容することが
できるという優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を電動歯ブラシ用ケースに具体化した一
実施例を示す全体斜視図である。

【図２】上ケースを開放した状態を示す平面図である。

【図３】上ケースを開放した状態を示す正面図である。

【図４】上ケースを閉じた状態を示す正面図である。

【図５】図４のＡ−Ａ線における断面図である。

【図６】図４のＢ−Ｂ線における断面図である。

【符号の説明】

１…ケース、２…下ケース、３…上ケース、１６…電動
歯ブラシ、１８…ブラシ、１８ｂ…植毛部。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】歯ブラシを収容するためのケースであっ
て、少なくとも歯ブラシの植毛部と対応する部分に抗菌
性を付与した歯ブラシ用ケース。
【請求項２】全体を合成樹脂材料により形成し、その
合成樹脂材料にソルビン酸系の物質を含有させることに
より抗菌性を付与した請求項１に記載の歯ブラシ用ケー
ス。
【請求項３】全体を合成樹脂材料により形成し、その
合成樹脂材料に銀又は銅を含有させることにより抗菌性
を付与した請求項１に記載の歯ブラシ用ケース。
【請求項４】全体を合成樹脂材料により形成し、その
合成樹脂材料に銀又は銅コーティングを施すことにより
抗菌性を付与した請求項１に記載の歯ブラシ用ケース。