JPH07255466A - 新規微生物及びポリエステル系高分子用生分解組成物 - Google Patents

新規微生物及びポリエステル系高分子用生分解組成物

Info

Publication number
JPH07255466A
JPH07255466A JP6072817A JP7281794A JPH07255466A JP H07255466 A JPH07255466 A JP H07255466A JP 6072817 A JP6072817 A JP 6072817A JP 7281794 A JP7281794 A JP 7281794A JP H07255466 A JPH07255466 A JP H07255466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroxybutyrate
cellulomonas
poly
composition
ability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6072817A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Naito
正規 内藤
Takafumi Hataya
隆文 端谷
Takaharu Asano
高治 浅野
Makoto Iijima
誠 飯島
Shozo Fujita
省三 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP6072817A priority Critical patent/JPH07255466A/ja
Publication of JPH07255466A publication Critical patent/JPH07255466A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セルロモナス属に属する微生物に関し、バイ
オプラスチックを安全に生分解することのできる微生物
を提供することを目的とする。 【構成】 セルロモナス属に属し、硝酸塩の還元能を有
し、セルロース分解能を有し、そして3−ヒドロキシア
ルカノエートの重合体及び共重合体を代謝し、分解する
能力を有する、セルロモナス・エスピー(Cellulomona
s sp.)FD−001として命名される微生物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規微生物に関し、さら
に詳しく述べると、セルロモナス属に属する新規な微生
物に関する。この微生物は、ポリエステル系高分子、特
に生分解性プラスチックの一種である3−ヒドロキシア
ルカノエートの重合体及び共重合体、例えばポリ(3−
ヒドロキシブチレート)及びポリ(3−ヒドロキシブチ
レート−コ−3−ヒドロキシバリレート)などを加水分
解する能力を有し、生分解性プラスチックの工業的な分
解に利用可能な微生物である。本発明はまた、このよう
なポリエステル系高分子のための生分解組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題解決の一手法として、微
生物によって分解される「生分解性プラスチック」が注
目されている。生分解性プラスチックは、例えば土肥義
治編著「生分解性高分子材料」工業調査会(1990年
11月発行)などにおいて説明されているように、微生
物によって生産される生体高分子の1種であり、なかで
も特に、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)及びポリ
(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバリ
レート)などのようなバイオポリエステル系のものが良
く知られている。
【0003】現在、生分解性プラスチックは、微生物を
用いた合成や加工を中心に研究開発が行われており、生
分解性プラスチックのための分解菌の探索や工業的な分
解に関しての研究はほとんどなされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、現在
のところ、生分解性プラスチックのための分解菌はほと
んど知られていない。例えば上記ポリ(3−ヒドロキシ
ブチレート)の分解を例にとると、アルカリゲネス・オ
イトロプス(Alcaligenes eutrophus)が有名であるが、
この分解菌は、弱いながらも病原性を有しており、利用
上に問題がある。
【0005】そこで、本発明は、自然界に産生するもの
であって、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)に代表さ
れるバイオプラスチックを安全に生分解することのでき
る微生物を提供することを目的とする。本発明のもう1
つの目的は、ポリエステル系高分子を生分解するための
組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、3−ヒド
ロキシアルカノエートの重合体及び共重合体、特に例え
ばポリ(3−ヒドロキシブチレート)及びポリ(3−ヒ
ドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバリレート)
を高効率で分解する微生物を探索した結果、神奈川県厚
木市内で採取した土壌より分離した微生物に該当能力を
有するものがあることを見い出し、本発明を完成した。
【0007】本発明は、その1つの面において、セルロ
モナス属に属し、硝酸塩の還元能を有し、セルロース分
解能を有し、そして3−ヒドロキシアルカノエートの重
合体及び共重合体を代謝し、分解する能力を有するセル
ロモナス・エスピー(Cellulomonas sp.)FD−001
にある。本発明は、そのもう1つの面において、上記の
ような新規なセルロモナス・エスピーFD−001を含
んでなるポリエステル系高分子用生分解組成物にある。
【0008】本発明による菌株の同定は、それらの菌株
の以下に記載する菌学的性質を次のような文献: Bergey's Manual of Determinative Bacteriology, 8th
Edition, Williams& Wilkins Co., Volume 1-4 (1974) 長谷川武治著「微生物の分類と同定(下)」学会出版セ
ンタ(1990年10月発行) 微生物研究法懇談会編「微生物学実験法」講談社(19
84年7月発行) に記載された性質と比較することにより行った。その結
果、本発明の菌株は、特にセルロース分解能を有する点
からセルロモナス属に属すると判定された。また、セル
ロモナス属の既知の菌株と本発明の菌株とを比較したと
ころ、本発明の菌株は、硝酸塩の還元能を有する点、そ
してポリ(3−ヒドロキシブチレート)分解能を有する
点から、新規な菌株であると判定された。本発明者ら
は、この菌株をセルロモナス・エスピーFD−001と
命名するとともに、工業技術院生命工学工業技術研究所
に寄託の手続をとった。微生物寄託番号、FERM B
P−4612。
【0009】本発明によるセルロモナス・エスピーFD
−001は、次のような特徴的な菌学的性質を有してい
る。
【0010】A.形態 (1)細胞の形及び大きさ 培養時間により球状〜桿状へ変化 球状時 径 0.6〜0.9μm 桿状時 幅 0.4〜0.6μm 長さ 1〜5μm (2)運動性の有無 あり (3)胞子の有無 なし (4)グラム染色性 陽性
【0011】B.培地における生育状態 (1)ブイヨン(肉汁)寒天平板培地 円形、クリーム色のコロニーを形成。表面は滑らかで光
沢あり。全縁、隆起あり。基生菌糸あり。気菌糸なし。 (2)ブイヨン液体培地 30℃にて生育良好。一様に懸濁。表面に極僅かの菌膜
を形成する。
【0012】 C.生理学的性質 (1)酸素に対する態度 通性嫌気性 ガス発生 − (2)発酵性試験 発酵性 (3)カタラーゼ試験 陽性 (4)オキシダーゼ試験 陰性 (5)色素生成 非水溶性色素 − 蛍光性色素 − (6)耐塩性 − (7)セルロース分解能 + (8)硝酸塩の還元能 + (9)ゼラチン分解能 + (10)硫化水素の生成 − (11)エスクリンの加水分解 + (12)インドール生成 − (13)VP試験 − (14)有機酸の利用 クエン酸 − マロン酸 − (15)アミノ酸の利用 アルギニン − オルニチン − リシン − (16)β−ガラクトシダーゼ産生 + (17)ウレアーゼ産生 − (18)ポリ(3−ヒドロキシブチレート)分解能 + (19)糖類からの酸の生成の有無 ラフィノース − L−ラムノース − ソルビトール − ショ糖 + D−マンニット − L−アラビノース + D−グルコース + D−フルクトース + マルトース + D−ガラクトース + D−キシロース + ラクトース + (20)生育の温度範囲 生育 5℃〜40℃ 増殖至適温度 25℃〜37℃
【0013】本発明のセルロモナス・エスピーFD−0
01は、それを含む生分解性組成物として種々の生分解
性プラスチックの分解に有利に使用することができる。
本発明の生分解性組成物は、各種の溶液、粉末、ペレッ
ト、成形品などの形態をとることができ、好ましい形態
として、例えば、破砕して得た粉末を懸濁させたものを
挙げることができる。また、かかる組成物中における本
発明の菌株の使用量は、分解対象のプラスチックの種類
や量、分解場所などのいろいろなファクタに応じて広い
範囲で変更することができる。一例を示すと、ポリ(3
−ヒドロキシ−コ−3−ヒドロキシバリレート)を30
℃で分解させるような場合、用いられる菌株の量は、一
般にプラスチック重量の1/100以上、好ましくは1
/10〜同量程度(湿重量基準)である。
【0014】分解されるべき生分解性プラスチックは、
前記したとおり、ポリエステル系高分子、特に生分解性
プラスチックの一種である3−ヒドロキシアルカノエー
トの重合体及び共重合体を包含する。このような重合体
及び共重合体の例は、例えば、ポリ(3−ヒドロキシブ
チレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3
−ヒドロキシバリレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチ
レート−コ−4−ヒドロキシブチレート)などである。
また、その他のアルカノエート成分、例えばカプロレー
トやヘプタノエートがかかる重合体及び共重合体の重合
成分として含まれていてもよい。
【0015】
【作用】本発明のセルロモナス・エスピーFD−001
は、3−ヒドロキシアルカノエートの重合体及び共重合
体を加水分解する能力を有し、従って、これらの重合体
及び共重合体に適用した時にそれを低分子化し、最終的
には水と二酸化炭素にまで代謝し、生分解することがで
きる。
【0016】
【実施例】次のような組成のブイヨン液体培地及びポリ
(3−ヒドロキシブチレート)寒天培地を調製した。ブイヨン液体培地 乾燥ブイヨン粉末(市販品) 30g 水 1000ml 121℃で15分間加熱することによって滅菌した。ポリ(3−ヒドロキシブチレート)寒天培地 標準寒天培地(市販品) 25g 粉末ポリ(3−ヒドロキシブチレート) 1.5g 水 1000ml 121℃で15分間加熱することによって滅菌した後、
平板シャーレに分注して冷却、凝固させた。
【0017】上記組成のブイヨン液体培地にセルロモナ
ス・エスピーFD−001株を接種し、30℃で一晩振
盪培養した。この培養液を上記組成のポリ(3−ヒドロ
キシブチレート)寒天培地におよそ50コロニー/プレ
ートとなるように希釈して菌を接種し、30℃で7日間
培養した。その結果、コロニーの周囲に、半径約5mmの
領域において、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)の分
解によるクリアゾーンが形成された。このクリアゾーン
の形成は、図1に添付する写真において、ポリ(3−ヒ
ドロキシブチレート)の微粉末を分散含有する培地で培
養した菌の周りにクリアゾーンができていることから容
易に理解されるであろう。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
セルロモナス・エスピーFD−001株を用いることに
よって、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)に代表され
るバイオポリエステルを、安全に分解することができ、
かつ環境問題も解決できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微生物によりプラスチックの分解が進
行したことを示す、生物の形態を示す図面代用写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) (72)発明者 飯島 誠 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 藤田 省三 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロモナス属に属し、硝酸塩の還元能
    を有し、セルロース分解能を有し、そして3−ヒドロキ
    シアルカノエートの重合体及び共重合体を代謝し、分解
    する能力を有するセルロモナス・エスピーFD−00
    1。
  2. 【請求項2】 セルロモナス属に属し、硝酸塩の還元能
    を有し、セルロース分解能を有し、そして3−ヒドロキ
    シアルカノエートの重合体及び共重合体を代謝し、分解
    する能力を有するセルロモナス・エスピーFD−001
    を含んでなるポリエステル系高分子用生分解組成物。
JP6072817A 1994-03-18 1994-03-18 新規微生物及びポリエステル系高分子用生分解組成物 Withdrawn JPH07255466A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6072817A JPH07255466A (ja) 1994-03-18 1994-03-18 新規微生物及びポリエステル系高分子用生分解組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6072817A JPH07255466A (ja) 1994-03-18 1994-03-18 新規微生物及びポリエステル系高分子用生分解組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07255466A true JPH07255466A (ja) 1995-10-09

Family

ID=13500355

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6072817A Withdrawn JPH07255466A (ja) 1994-03-18 1994-03-18 新規微生物及びポリエステル系高分子用生分解組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07255466A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005224223A (ja) * 2004-02-16 2005-08-25 Mikasa Sangyo Kk 樹脂分解微生物培養物
EP2180374A1 (en) 2008-10-21 2010-04-28 Xerox Corporation Toner compositions and processes

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005224223A (ja) * 2004-02-16 2005-08-25 Mikasa Sangyo Kk 樹脂分解微生物培養物
JP4520176B2 (ja) * 2004-02-16 2010-08-04 三笠産業株式会社 樹脂分解微生物培養物
EP2180374A1 (en) 2008-10-21 2010-04-28 Xerox Corporation Toner compositions and processes
US8187780B2 (en) 2008-10-21 2012-05-29 Xerox Corporation Toner compositions and processes

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mergaert et al. Microbial degradation of poly (3-hydroxybutyrate) and poly (3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate) in soils
Nishida et al. Distribution of poly (β-hydroxybutyrate) and poly (ε-caprolactone) aerobic degrading microorganisms in different environments
Hayase et al. Isolation and characterization of poly (butylene succinate-co-butylene adipate)-degrading microorganism
Patel et al. Isolation and characterization of an anaerobic, cellulolytic microorganism, Acetivibrio cellulolyticus gen. nov., sp. nov.
Calabia et al. Microbial degradation of poly (D-3-hydroxybutyrate) by a new thermophilic Streptomyces isolate
Tokiwa et al. A modified method for isolating poly (vinyl alcohol)-degrading bacteria and study of their degradation patterns
Hsu et al. Biodegradation of poly (β-hydroxybutyrate) by a novel isolate of Streptomyces bangladeshensis 77T-4.
Takeda et al. Caldimonas manganoxidans gen. nov., sp. nov., a poly (3-hydroxybutyrate)-degrading, manganese-oxidizing thermophile.
Elbanna et al. Schlegelella thermodepolymerans gen. nov., sp. nov., a novel thermophilic bacterium that degrades poly (3-hydroxybutyrate-co-3-mercaptopropionate)
Jarerat et al. Degradation of poly (tetramethylene succinate) by thermophilic actinomycetes
Mergaert et al. Isolation and identification of poly (3-hydroxyvalerate)-degrading strains of Pseudomonas lemoignei
Quinteros et al. Extracellular degradation of medium chain length poly (β-hydroxyalkanoates) by Comamonas sp.
JPH07255466A (ja) 新規微生物及びポリエステル系高分子用生分解組成物
US5346817A (en) Method for producing a microbial polyester
JP4175746B2 (ja) 新規な耐熱性コラーゲン分解酵素、前記酵素を産生する新規な微生物および前記酵素の製造方法
Schloe et al. Polyphasic characterization of poly-3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate (P (HB-co-HV)) metabolizing and denitrifying Acidovorax sp. strains
Kim et al. Poly (l‐lactide)‐degrading activity of a newly isolated bacterium
Weon et al. Uliginosibacterium gangwonense gen. nov., sp. nov., isolated from a wetland, Yongneup, in Korea
Tansengco et al. Microbial degradation of poly‐β‐hydroxybutyrate using landfill soils
JPH10295367A (ja) バチルス属に属する新規微生物
Odeniyi et al. Effects of media components and agricultural by-products on γ-polyglutamic acid production by Bacillus toyonensis As8.
JP4104932B2 (ja) 生分解性重合体およびそれを産生する新規微生物、生分解性重合体の製造方法、ならびに生分解性ランダムコポリマーおよびその単離方法
JP4649593B2 (ja) ポリヒドロキシアルカノエート系樹脂の分解方法
Mukai et al. Microbial degradation of polyesters
Nishida et al. Confirmation of colonization of degrading bacterium strain SC-17 on poly (3-hydroxybutyrate) cast film

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010605