JPH07252709A - 伝導熱分配方式暖房手袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】手軽にまた機能的に使用でき、その熱源も手軽
に交換可能且つ発熱の保温維持性に富む手袋であって、
熱源を手袋に収容すると共に、熱源から発熱を手袋の指
部分に分配的に導くことにより、手袋全体を強制的に暖
房するようにした伝導熱分配方式暖房手袋を提供する。 【構成】手袋の甲部に設けた開閉自在の熱源収容スペー
スに熱源体を収容し、該熱源体に可撓性且つ熱伝導性に
優れた材料から成る熱伝導体を接触させて該熱伝導体を
前記手袋の各部に分配することにより、前記熱源体から
の発生熱を前記熱伝導体を介して前記手袋の各部に伝導
するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、防寒用の暖房手袋に関
し、手袋の甲側に設けた各種の熱源を手袋の指部分に分
配的に伝導するようにした伝導熱分配方式暖房手袋に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、防寒用の手袋としては、用途別に
各種の材質及び形状を有したものが開発され使用されて
いる。

【０００３】手袋は、通常、可撓性のある保温性材料で
構成したものを手にはめ、もっぱら手の体温を熱源とし
て、これを保温することにより防寒としての機能を為し
ていたのであるが、寒冷の環境下、寒冷地での釣り或は
スキーやオートバイ走行の際の寒風にさらされる場合等
には、人体の発熱だけでは十分の温度が得られず、手袋
をしていながらも、手がかじかんだりするという不都合
は多く経験するところである。

【０００４】従来、このような事態に対処して、電池又
はバッテリー電源によって昇熱するニクロム線を手袋の
指先に導いて、暖房方式で手袋を暖めるものが開発され
たが、電源の収容スペースを手袋に確保するのが困難で
あり、またすぐに電源を消耗して実際の使用に際して有
用性がまったく認められなかったのである。

【０００５】なお、近年コンパクトなカイロ方式の携帯
暖房具が使用されるに至っているが、このような暖房具
を使用者の工夫で手袋の中に入れたとしても、すべての
指の先端までこの発熱を行き渡らせるのは不可能であ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みて為されたもので、手軽にまた機能的に使用
でき、その熱源も手軽に交換可能且つ発熱の保温維持性
に富む手袋であって、熱源を手袋に収容すると共に、熱
源から発熱を手袋の指部分に分配的に導くことにより、
手袋全体を強制的に暖房するようにした伝導熱分配方式
暖房手袋を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明の伝導熱分配方式暖房手袋は、手袋の甲
部に設けた開閉自在の熱源収容スペースに熱源体を収容
し、該熱源体に可撓性且つ熱伝導性に優れた材料から成
る熱伝導体を接触させて該熱伝導体を前記手袋の各部に
分配することにより、前記熱源体からの発生熱を前記熱
伝導体を介して前記手袋の各部に伝導するようにしたの
である。

【０００８】また、可撓性且つ熱伝導性に優れた薄板又
は線状体から成る熱伝導体に前記手袋の各指部の甲に沿
って分配した伸長部を形成し、該伸長部を前記手袋の各
指部内に収容するようにした構成としてもよい。

【０００９】さらに、前記熱伝導体は、可撓性且つ熱伝
導性に優れた金属薄板又は金属線状体から構成してもよ
い。

【００１０】さらにまた、前記熱伝導体は、銅メッキを
施したメッシュ状の布又は炭素繊維から構成してもよ
い。

【００１１】また、前記手袋を銅メッキを施したメッシ
ュ状の布又は炭素繊維等の可撓性熱伝導材料を用いて前
記手袋の甲部を含む各部又は全体を縫製し、該手袋の甲
部に設けた前記熱源収容スペースに前記熱源体を収容す
るようにした構成としてもよい。

【００１２】

【作用】本発明の構成において、手袋の甲に熱源収容ス
ペースが設けられ、この熱源収容スペースに熱源体が収
容される。

【００１３】熱源体には熱伝導体を接触させてあり、該
熱伝導体は手袋の各部に分配されることにより、熱源体
からの発生熱が熱伝導体を介して手袋の各部に伝導さ
れ、熱源収容スペースの周辺のみならず、手袋各部の強
制的暖房がなされる。

【００１４】熱伝導体の構成を、可撓性且つ熱伝導性に
優れた薄板又は線状体から成る熱伝導体によって手袋の
各指の甲に沿って分配した伸長部を形成し、各伸長部を
手袋の各指部内に収容するようにすると、熱源体からの
発生熱が熱伝導体の伸長部を介して手袋の各指部に伝達
され、手袋の甲部のみならず手袋の各指部の温度を上昇
することができる。

【００１５】また、熱伝導体を、可撓性且つ熱伝導性に
優れた金属薄板又は金属線状体、或は銅メッキを施した
メッシュ状の布又は炭素繊維から構成すると、上記の各
部の温度上昇を達成すると共に、手袋の指部の屈曲を妨
げず、装着者の作業性は良好に確保される。

【００１６】さらに、手袋を銅メッキを施したメッシュ
状の布又は炭素繊維等の可撓性材料で手袋の甲部を含む
各部又は全体を縫製し、該手袋の甲部に設けた熱源収容
スペースに熱源体を収容するように構成すると、熱源体
からの発生熱は手袋の甲部から手袋の各部又は全体に伝
達されて強制暖房が行われる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。

【００１８】図１は本発明の伝導熱分配方式暖房手袋の
全体図である。図２は本発明の手袋に収容すべき、伸長
部を含む熱伝導体の平面図である。図３は本発明の手袋
の指部を示し、そのうち一本を切断して内部構造を示し
た一部破断図である。

【００１９】図１において、手袋１は、スキー用或はオ
ートバイ走行用の手袋のほか、各種の作業に使用される
手袋全般に通用するものである。

【００２０】この手袋１の甲部に熱源収容スペース２を
設ける。熱源収容スペース２は、熱源体３の形状に見合
った内部形状とし、例えば手袋１の甲部に蓋体４を設け
て、該蓋体４をファスナー５又はボタン等で着脱自在に
開閉するようにする。従って、熱源収容スペース２に収
容した熱源体３は、その交換を手軽に行うことができ
る。

【００２１】このような熱源収容スペース２に収容する
熱源体３は、図２に示すように、小型で薄型の熱伝導性
に優れた金属製ケース３ａの中に、激しい揺動や振動に
も発生熱効率が影響せず、且つ発熱の持続性に優れた熱
源３ｂを収容して構成する。なお、図２において熱源３
ｂの外周の二点鎖線は金属ケース３ａに設けた空気用通
孔である。そのような熱源３ｂとしては、特に種別を問
わないが、石油、アルコール、燃焼性化学物質、熱分解
性の化学薬品等によるカイロ方式、ランプ方式等が好適
するものである。

【００２２】熱伝導体６としては、図２に示すように、
可撓性且つ熱伝導性に優れた銅、リンセイ銅、真鍮等か
ら成る金属薄板又は金属線状体、或は銅メッキを施した
メッシュ状の布又は炭素繊維を用いて、熱源体３との接
触部６ａと、この接触部６ａから夫々の指に向けて分配
した複数の伸長部６ｂを有する形状に形成し、接触部６
ａを熱源体３の金属ケース３ａの表面に固着する。な
お、図２において、熱伝導体６と伸長部６ｂは実線で示
し、熱源体３は二点鎖線で示してある。

【００２３】この熱伝導体の各伸長部６ｂを、図３に示
すように、手袋１の指部７の甲内に収容する。即ち、図
３において、手袋１の指部の通孔７ａの周りに設けられ
たクッション性のある保温性材料８の各甲側に、熱源収
容スペース２から連続する隙間７ｂを設ける。そして、
熱源収容スペース２に収容した熱源体３の熱伝導体６か
ら分配された伸長部６ｂの夫々を各隙間７ｂ、７ｂ…に
挿通する。

【００２４】さらに、本発明は、図１に示す手袋１を銅
メッキを施したメッシュ状の布又は炭素繊維等の可撓性
材料を用いて手袋１の甲部を含む各部又は全体を縫製
し、手袋１の甲部に、上記のような開閉式及び着脱式の
熱源収容スペース２を設け、該熱源収容スペース２に、
上記のような熱源体３を収容した構成とすることもでき
る。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の伝導熱分
配方式暖房手袋によれば、手袋の甲部に収容した熱源体
からの発生熱を、熱伝導体を介して手袋の各部に分配す
ることにより、手袋の甲部のみならず、手袋各部の強制
的な暖房を行うことができるのである。

【００２６】また、手袋全体としては、手袋の甲部に熱
源体を収容するスペースを必要とするだけで、重量的に
も使用勝手上も通常の手袋とほとんど変りなく手軽に使
用でき、また手袋の指部の可撓性が良好に保たれるよう
にされているから、スキー等のスポーツ、オートバイ等
の使用者、冷寒地での釣り、極寒の環境下での手作業等
が快適な暖房温度を保って行えるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の伝導熱分配方式暖房手袋の全体
図である。

【図２】図２は本発明の手袋に収容すべき、伸長部を含
む熱伝導体の平面図である。

【図３】図３は本発明の手袋の指部を示し、そのうち一
本を切断して内部構造を示した一部破断図である。

【符合の説明】

１…手袋、２…熱源収容スペース、３…熱源体、３ａ…
金属製ケース、３ｂ…熱源、４…蓋体、５…ファスナ
ー、６…熱伝導体、６ａ…熱伝導体における熱源体との
接触部、６ｂ…伸長部、７…指部、７ａ…通孔、７ｂ…
隙間、８…保温性材料。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】手袋の甲部に設けた開閉自在の熱源収容ス
   ペースに熱源体を収容し、該熱源体に可撓性且つ熱伝導
   性に優れた材料から成る熱伝導体を接触させて該熱伝導
   体を前記手袋の各部に分配することにより、前記熱源体
   からの発生熱を前記熱伝導体を介して前記手袋の各部に
   伝導するようにしたことを特徴とする伝導熱分配方式暖
   房手袋。
2. 【請求項２】可撓性且つ熱伝導性に優れた薄板又は線状
   体から成る熱伝導体に前記手袋の各指部の甲に沿って分
   配した伸長部を形成し、該伸長部を前記手袋の各指部内
   に収容するようにしたことを特徴とする請求項１記載の
   伝導熱分配方式暖房手袋。
3. 【請求項３】前記熱伝導体は、可撓性且つ熱伝導性に優
   れた金属薄板又は金属線状体から成ることを特徴とする
   請求項１記載の伝導熱分配方式暖房手袋。
4. 【請求項４】前記熱伝導体は、銅メッキを施したメッシ
   ュ状の布又は炭素繊維から成ることを特徴とする請求項
   １記載の伝導熱分配方式暖房手袋。
5. 【請求項５】前記手袋を銅メッキを施したメッシュ状の
   布又は炭素繊維等の可撓性熱伝導材料を用いて前記手袋
   の甲部を含む各部又は全体を縫製し、該手袋の甲部に設
   けた前記熱源収容スペースに前記熱源体を収容するよう
   にしたことを特徴とする請求項１記載の伝導熱分配方式
   暖房手袋。