JPH07247446A - 防振用塗料組成物 - Google Patents
防振用塗料組成物Info
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- JPH07247446A JPH07247446A JP6647194A JP6647194A JPH07247446A JP H07247446 A JPH07247446 A JP H07247446A JP 6647194 A JP6647194 A JP 6647194A JP 6647194 A JP6647194 A JP 6647194A JP H07247446 A JPH07247446 A JP H07247446A
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- resin powder
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- parts
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 アスファルト、ゴム、合成樹脂及びセルロー
ス誘導体よりなる群から選ばれた1種又は2種以上から
なる展色材100重量部に対して、合成樹脂粉末又は合
成樹脂粉末及び無機充填材を530〜1200重量部の
割合で混合してなる水系の防振用塗料組成物。 【効果】 塗膜硬度が高く、防錆性が良く、表面耐久性
に優れた塗膜を形成することができる。
ス誘導体よりなる群から選ばれた1種又は2種以上から
なる展色材100重量部に対して、合成樹脂粉末又は合
成樹脂粉末及び無機充填材を530〜1200重量部の
割合で混合してなる水系の防振用塗料組成物。 【効果】 塗膜硬度が高く、防錆性が良く、表面耐久性
に優れた塗膜を形成することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防振用塗料組成物に関
し、さらに詳しくは塗膜硬度が高く、防錆性が良く、表
面耐久性に優れた塗膜を形成し、かつ自動車、船舶、洗
濯機、その他各種の産業機器などの鋼及び金属、合成樹
脂板などの基盤に適用した際に優れた塗膜性能と制振性
を示す、厚膜塗布が可能な防振用塗料組成物に関する。
し、さらに詳しくは塗膜硬度が高く、防錆性が良く、表
面耐久性に優れた塗膜を形成し、かつ自動車、船舶、洗
濯機、その他各種の産業機器などの鋼及び金属、合成樹
脂板などの基盤に適用した際に優れた塗膜性能と制振性
を示す、厚膜塗布が可能な防振用塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料は希釈剤として有機溶剤を含
んだ有機溶剤型塗料が使用されてきた。最近、VOC
(揮発性有機化合物)規制に伴い、有機溶剤型塗料に代
わり、有機溶剤を水に置換したいわゆる水系塗料が注目
されている。水系塗料はエマルジョン塗料(ディスバー
ジョン塗料)、水溶性塗料に分類され、これらは、溶媒
として有機溶剤を全く用いないか、用いたとしてもその
量が少ないものが一般的である。例えば、特開平1−2
79981号公報(以下先提案と言う。)では、厚膜塗
布が可能であり、前述の基盤などに適用した際に、優れ
た塗膜性能を示すと共に、制振性も発現するエマルジョ
ン型塗料組成物を開示している。また、上記のような水
系塗料は、常温乾燥タイプであり、表面硬度の点からマ
イルドな条件下で使用している。
んだ有機溶剤型塗料が使用されてきた。最近、VOC
(揮発性有機化合物)規制に伴い、有機溶剤型塗料に代
わり、有機溶剤を水に置換したいわゆる水系塗料が注目
されている。水系塗料はエマルジョン塗料(ディスバー
ジョン塗料)、水溶性塗料に分類され、これらは、溶媒
として有機溶剤を全く用いないか、用いたとしてもその
量が少ないものが一般的である。例えば、特開平1−2
79981号公報(以下先提案と言う。)では、厚膜塗
布が可能であり、前述の基盤などに適用した際に、優れ
た塗膜性能を示すと共に、制振性も発現するエマルジョ
ン型塗料組成物を開示している。また、上記のような水
系塗料は、常温乾燥タイプであり、表面硬度の点からマ
イルドな条件下で使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先提案
の水系塗料は、表面硬度の点から、表面塗膜に傷や亀裂
が生じ、その結果、塗膜性能の低下を起こすことが懸念
されていた。この塗膜性能の低下は、制振材に使用され
る高分子樹脂のガラス転移温度(Tg)が室温近辺のも
のが多いため、使用温度が高くなると、表面が柔らかく
なり、表面塗膜に傷や亀裂が生じ、外観の美粧性を損な
うばかりでなく、塗膜に要求される制振性や密着性など
の性能低下をきたすためと考えられる。本発明は、塗膜
表面硬度が高く、塗膜の破損防止性及び耐久性に優れる
と共に、制振性に優れた塗膜を形成することができる防
振用塗料組成物を提供することを目的とする。
の水系塗料は、表面硬度の点から、表面塗膜に傷や亀裂
が生じ、その結果、塗膜性能の低下を起こすことが懸念
されていた。この塗膜性能の低下は、制振材に使用され
る高分子樹脂のガラス転移温度(Tg)が室温近辺のも
のが多いため、使用温度が高くなると、表面が柔らかく
なり、表面塗膜に傷や亀裂が生じ、外観の美粧性を損な
うばかりでなく、塗膜に要求される制振性や密着性など
の性能低下をきたすためと考えられる。本発明は、塗膜
表面硬度が高く、塗膜の破損防止性及び耐久性に優れる
と共に、制振性に優れた塗膜を形成することができる防
振用塗料組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、塗膜組成物中
に最密充填程度以上の濃度まで、合成樹脂粉末充填材、
又は合成樹脂粉末充填材及び無機充填材を添加すること
により、塗膜表面硬度が高くなり、塗膜の耐久性に優れ
た塗膜を形成すると同時に、優れた制振性を示すことが
できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、アスファルト、ゴ
ム、合成樹脂及びセルロース誘導体よりなる群から選ば
れた1種又は2種以上からなる展色材100重量部に対
して、合成樹脂粉末を530〜1200重量部の割合で
混合してなることを特徴とする水系の防振用塗料組成物
を提供するものである。また、本発明は、アスファル
ト、ゴム、合成樹脂及びセルロース誘導体よりなる群か
ら選ばれた1種又は2種以上からなる展色材100重量
部に対して、合成樹脂粉末及び無機充填材を530〜1
200重量部の割合で混合してなることを特徴とする水
系の防振用塗料組成物を提供するものである。以下、本
発明を詳細に説明する。
を解決するために鋭意検討を行った結果、塗膜組成物中
に最密充填程度以上の濃度まで、合成樹脂粉末充填材、
又は合成樹脂粉末充填材及び無機充填材を添加すること
により、塗膜表面硬度が高くなり、塗膜の耐久性に優れ
た塗膜を形成すると同時に、優れた制振性を示すことが
できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、アスファルト、ゴ
ム、合成樹脂及びセルロース誘導体よりなる群から選ば
れた1種又は2種以上からなる展色材100重量部に対
して、合成樹脂粉末を530〜1200重量部の割合で
混合してなることを特徴とする水系の防振用塗料組成物
を提供するものである。また、本発明は、アスファル
ト、ゴム、合成樹脂及びセルロース誘導体よりなる群か
ら選ばれた1種又は2種以上からなる展色材100重量
部に対して、合成樹脂粉末及び無機充填材を530〜1
200重量部の割合で混合してなることを特徴とする水
系の防振用塗料組成物を提供するものである。以下、本
発明を詳細に説明する。
【0005】本発明の防振用塗料組成物において使用さ
れる展色材の成分としては、例えば石油系アスファルト
や天然アスファルトのようなアスファルト、ブタジエン
ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴムな
どのゴム、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、アクリル共重合体樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹
脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体樹脂、スチレン−酢酸ビニル共
重合体樹脂などの酢酸ビニル共重合体樹脂、又はこれら
の樹脂誘導体などの合成樹脂、カルボキシメチルセルロ
ース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロースなどのセ
ルロース誘導体などが挙げられる。これらの展色材のう
ち好ましいものは、使用する合成樹脂粉末の種類によっ
ても違うが、アスファルト、アクリル樹脂の併用、アク
リル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂などが挙げられ、
特に合成樹脂粉末がポリエステル樹脂粉末である場合は
アスファルトとアクリル樹脂の併用又はエチレン酢酸ビ
ニル樹脂が好ましく、合成樹脂粉末がエポキシ樹脂粉末
である場合はエチレン酢酸ビニル樹脂が好ましく、合成
樹脂粉末がポリカーボネート樹脂粉末である場合はアク
リル樹脂が好ましい。アスファルトとアクリル樹脂を併
用する場合は、アスファルトとアクリル樹脂は、重量比
でアスファルト:アクリル樹脂が3:1〜1:2の範囲
が好ましく、特に2:1〜1:2の範囲が好ましい。こ
れらの展色材は、1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
れる展色材の成分としては、例えば石油系アスファルト
や天然アスファルトのようなアスファルト、ブタジエン
ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴムな
どのゴム、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、アクリル共重合体樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹
脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体樹脂、スチレン−酢酸ビニル共
重合体樹脂などの酢酸ビニル共重合体樹脂、又はこれら
の樹脂誘導体などの合成樹脂、カルボキシメチルセルロ
ース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロースなどのセ
ルロース誘導体などが挙げられる。これらの展色材のう
ち好ましいものは、使用する合成樹脂粉末の種類によっ
ても違うが、アスファルト、アクリル樹脂の併用、アク
リル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂などが挙げられ、
特に合成樹脂粉末がポリエステル樹脂粉末である場合は
アスファルトとアクリル樹脂の併用又はエチレン酢酸ビ
ニル樹脂が好ましく、合成樹脂粉末がエポキシ樹脂粉末
である場合はエチレン酢酸ビニル樹脂が好ましく、合成
樹脂粉末がポリカーボネート樹脂粉末である場合はアク
リル樹脂が好ましい。アスファルトとアクリル樹脂を併
用する場合は、アスファルトとアクリル樹脂は、重量比
でアスファルト:アクリル樹脂が3:1〜1:2の範囲
が好ましく、特に2:1〜1:2の範囲が好ましい。こ
れらの展色材は、1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0006】上記の展色材は、水で分散あるいは乳化し
て(水系で)使用するか、又は芳香族炭化水素系、石油
炭化水素系、アルコール系あるいはエステル系などの溶
剤で溶解して(溶剤系で)使用することができるが、環
境対策の面では一般に前者の水系の方が好ましい。この
展色材の分散液又は乳化液の濃度は、通常展色材の固形
分濃度を15〜65重量%にすることが好ましい。
て(水系で)使用するか、又は芳香族炭化水素系、石油
炭化水素系、アルコール系あるいはエステル系などの溶
剤で溶解して(溶剤系で)使用することができるが、環
境対策の面では一般に前者の水系の方が好ましい。この
展色材の分散液又は乳化液の濃度は、通常展色材の固形
分濃度を15〜65重量%にすることが好ましい。
【0007】本発明の防振用塗料組成物において使用さ
れる合成樹脂粉末としては、例えばアルキド樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリエチレン
樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
スルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、酢
酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン
樹脂などの熱硬化性樹脂粉末や熱可塑性樹脂粉末、これ
らの共重合体樹脂粉末、これらの樹脂のブレンド体粉
末、さらには粉末塗料回収物、樹脂成形物の研磨工程で
生じる樹脂粉末、樹脂製廃棄物を粉砕したものなどを使
用することができる。これらの合成樹脂粉末の好ましい
ものとしては、エポキシ樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉
末、ポリカーボネート樹脂粉末が挙げられる。これらの
合成樹脂粉末は、1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。本発明の防振用塗料組成物にお
いては、合成樹脂粉末と共に無機充填材を併用すること
が好ましい。合成樹脂粉末と共に無機充填材を併用する
と、塗膜硬度及び剛性がさらに上がり、かつ展色材への
充填材の充填が緻密になる。なお、無機充填材のみの場
合は、塗膜形成が劣り、塗膜の密着性が劣る。
れる合成樹脂粉末としては、例えばアルキド樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリエチレン
樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
スルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、酢
酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン
樹脂などの熱硬化性樹脂粉末や熱可塑性樹脂粉末、これ
らの共重合体樹脂粉末、これらの樹脂のブレンド体粉
末、さらには粉末塗料回収物、樹脂成形物の研磨工程で
生じる樹脂粉末、樹脂製廃棄物を粉砕したものなどを使
用することができる。これらの合成樹脂粉末の好ましい
ものとしては、エポキシ樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉
末、ポリカーボネート樹脂粉末が挙げられる。これらの
合成樹脂粉末は、1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。本発明の防振用塗料組成物にお
いては、合成樹脂粉末と共に無機充填材を併用すること
が好ましい。合成樹脂粉末と共に無機充填材を併用する
と、塗膜硬度及び剛性がさらに上がり、かつ展色材への
充填材の充填が緻密になる。なお、無機充填材のみの場
合は、塗膜形成が劣り、塗膜の密着性が劣る。
【0008】本発明の防振用塗料組成物において使用さ
れる無機充填材としては、例えば炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、クレイ、タルク、ケイ石粉、ケイソウ土、ア
ルミナ、石膏、セメント、風砕スラグ、シラスバルー
ン、ガラスバルーンなどの無機体質顔料などが挙げられ
る。これらの無機充填材の好ましいものは、炭酸カルシ
ウム、タルクが挙げられ、特に合成樹脂粉末がポリエス
テル樹脂粉末であり、展色材が石油系アスファルトとア
クリル樹脂を併用する場合は炭酸カルシウム、タルクが
好ましい。これらの無機充填材は、1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
れる無機充填材としては、例えば炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、クレイ、タルク、ケイ石粉、ケイソウ土、ア
ルミナ、石膏、セメント、風砕スラグ、シラスバルー
ン、ガラスバルーンなどの無機体質顔料などが挙げられ
る。これらの無機充填材の好ましいものは、炭酸カルシ
ウム、タルクが挙げられ、特に合成樹脂粉末がポリエス
テル樹脂粉末であり、展色材が石油系アスファルトとア
クリル樹脂を併用する場合は炭酸カルシウム、タルクが
好ましい。これらの無機充填材は、1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0009】本発明の防振用塗料組成物においては、上
記展色材100重量部に対して、合成樹脂粉末、又は合
成樹脂粉末及び無機充填材を530〜1200重量部、
好ましくは550〜1000重量部、特に好ましくは5
50〜900重量部の割合で混合する。合成樹脂粉末、
又は合成樹脂粉末及び無機充填材の配合量が、530重
量部未満であると塗膜硬度及び制振性が低下する。ま
た、合成樹脂粉末、又は合成樹脂粉末及び無機充填材の
配合量が、1200重量部を超えると塗膜が形成しにく
くなり、制振性が低下する。また、合成樹脂粉末と無機
充填材を併用する場合には、無機充填材の配合割合は、
合成樹脂粉末100重量部に対し、通常50〜500重
量部の範囲が好ましく、特に100〜450重量部の範
囲が好ましい。無機充填材の配合割合が100重量部未
満であると、塗膜の剛性及び硬度の向上が小さく、50
0重量部を超えると、合成樹脂粉末の特性が失われ、制
振性の低下傾向がある。
記展色材100重量部に対して、合成樹脂粉末、又は合
成樹脂粉末及び無機充填材を530〜1200重量部、
好ましくは550〜1000重量部、特に好ましくは5
50〜900重量部の割合で混合する。合成樹脂粉末、
又は合成樹脂粉末及び無機充填材の配合量が、530重
量部未満であると塗膜硬度及び制振性が低下する。ま
た、合成樹脂粉末、又は合成樹脂粉末及び無機充填材の
配合量が、1200重量部を超えると塗膜が形成しにく
くなり、制振性が低下する。また、合成樹脂粉末と無機
充填材を併用する場合には、無機充填材の配合割合は、
合成樹脂粉末100重量部に対し、通常50〜500重
量部の範囲が好ましく、特に100〜450重量部の範
囲が好ましい。無機充填材の配合割合が100重量部未
満であると、塗膜の剛性及び硬度の向上が小さく、50
0重量部を超えると、合成樹脂粉末の特性が失われ、制
振性の低下傾向がある。
【0010】本発明の防振用塗料組成物においては、上
記の配合により、充填材は、塗膜中で最密充填程度以上
にすることが好ましく、特に充填材の容積率が70〜9
0%のものが好ましく、特に73〜88%のものが好ま
しい。このように高密度充填すると、塗膜硬度を向上さ
せ、かつ制振性を向上させることができる。最密充填程
度以上にするためには、粒子径の異なる充填材を添加す
ることが好ましく、これにより、大きい粒子の隙間に小
さい粒子を充填することができ、塗膜表面の硬度を著し
く向上させることができる。このため、合成樹脂粉末の
平均粒子径は、10〜300μmのものが好ましく、無
機充填材の平均粒子径は、0.1〜50μmのものが好
ましく、特に1〜30μmのものが好ましい。また、無
機充填材の平均粒子径は、合成樹脂粉末の平均粒子径の
1/2以下のものが好ましい。
記の配合により、充填材は、塗膜中で最密充填程度以上
にすることが好ましく、特に充填材の容積率が70〜9
0%のものが好ましく、特に73〜88%のものが好ま
しい。このように高密度充填すると、塗膜硬度を向上さ
せ、かつ制振性を向上させることができる。最密充填程
度以上にするためには、粒子径の異なる充填材を添加す
ることが好ましく、これにより、大きい粒子の隙間に小
さい粒子を充填することができ、塗膜表面の硬度を著し
く向上させることができる。このため、合成樹脂粉末の
平均粒子径は、10〜300μmのものが好ましく、無
機充填材の平均粒子径は、0.1〜50μmのものが好
ましく、特に1〜30μmのものが好ましい。また、無
機充填材の平均粒子径は、合成樹脂粉末の平均粒子径の
1/2以下のものが好ましい。
【0011】本発明の防振用塗料組成物には、前記成分
の他、必要に応じて他の成分、例えば、酸化防止剤、ベ
ントナイト、カオリン、ヒドロキシエチルセルロースな
どの粘度調節剤、有機増粘材、及びアルコール類、エチ
レングリコールなどの凍結防止剤などの補助成分を適量
配合することができる。本発明の防振用塗料組成物は、
水系の防振用塗料組成物であり、水の量により塗料粘度
を調製することができ、塗料粘度としては100Pa・
sec以下の粘度が好ましい。このような粘度にするた
めには、通常水の量は30〜50重量%に調製される。
本発明の防振用塗料組成物を調製する際の各成分の添加
順序及び混合方法は特に限定されるものではなく種々の
方法により行うことができる。本発明の防振用塗料組成
物の塗装方法としては、通常用いられる方法、例えばハ
ケ塗り塗装、ヘラ塗り塗装、浸漬塗装、スプレー塗装、
流れ塗装などが挙げられる。被塗物上には、通常0.5
〜10mm、好ましくは1〜5mmの厚さに塗布し、こ
れを室温〜100℃、好ましくは室温〜80℃にて加熱
乾燥することにより、短時間で良好な塗膜が得られ、被
塗物にはこの塗膜により優れた制振性が付与される。
の他、必要に応じて他の成分、例えば、酸化防止剤、ベ
ントナイト、カオリン、ヒドロキシエチルセルロースな
どの粘度調節剤、有機増粘材、及びアルコール類、エチ
レングリコールなどの凍結防止剤などの補助成分を適量
配合することができる。本発明の防振用塗料組成物は、
水系の防振用塗料組成物であり、水の量により塗料粘度
を調製することができ、塗料粘度としては100Pa・
sec以下の粘度が好ましい。このような粘度にするた
めには、通常水の量は30〜50重量%に調製される。
本発明の防振用塗料組成物を調製する際の各成分の添加
順序及び混合方法は特に限定されるものではなく種々の
方法により行うことができる。本発明の防振用塗料組成
物の塗装方法としては、通常用いられる方法、例えばハ
ケ塗り塗装、ヘラ塗り塗装、浸漬塗装、スプレー塗装、
流れ塗装などが挙げられる。被塗物上には、通常0.5
〜10mm、好ましくは1〜5mmの厚さに塗布し、こ
れを室温〜100℃、好ましくは室温〜80℃にて加熱
乾燥することにより、短時間で良好な塗膜が得られ、被
塗物にはこの塗膜により優れた制振性が付与される。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によ
って何ら制限されるものではない。また、実施例及び比
較例の評価試験は、次の方法により行った。 (1)制振性 鋼板(25×200×0.8mm)に乾燥塗膜が1.6
mmになるように塗布し、常温乾燥したものを試験片と
して、中央加振法による機械インピーダンスを測定し、
300Hzの対数減衰率を測定する。 (2)硬度 JIS K6301加硫ゴム物理試験方法のスプリング
式硬さ試験法に準拠して測定する。 (3)塩水噴霧 JIS K5400塗料一般試験方法9.1項耐塩水噴
霧性(72時間)に準拠して測定する。 なお、充填材の体積率は、次の計算方法により算出し
た。 展色材A、Bと合成樹脂粉末C及び無機充填材Dから成
る下記の塗料組成物の場合 原料 A B C D 密度 Da Db Dc Dd 配合量 Wa Wb Wc Wd
に具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によ
って何ら制限されるものではない。また、実施例及び比
較例の評価試験は、次の方法により行った。 (1)制振性 鋼板(25×200×0.8mm)に乾燥塗膜が1.6
mmになるように塗布し、常温乾燥したものを試験片と
して、中央加振法による機械インピーダンスを測定し、
300Hzの対数減衰率を測定する。 (2)硬度 JIS K6301加硫ゴム物理試験方法のスプリング
式硬さ試験法に準拠して測定する。 (3)塩水噴霧 JIS K5400塗料一般試験方法9.1項耐塩水噴
霧性(72時間)に準拠して測定する。 なお、充填材の体積率は、次の計算方法により算出し
た。 展色材A、Bと合成樹脂粉末C及び無機充填材Dから成
る下記の塗料組成物の場合 原料 A B C D 密度 Da Db Dc Dd 配合量 Wa Wb Wc Wd
【0013】
【式1】(展色材容積(E))=(Wa/Da)+(W
b/Wb) (充填材容積(F))=(Wc/Dc)+(Wd/D
d) (充填材の体積率)=100F/(E+F)
b/Wb) (充填材容積(F))=(Wc/Dc)+(Wd/D
d) (充填材の体積率)=100F/(E+F)
【0014】実施例1 アスファルト50重量部、アクリル樹脂50重量部から
成る展色材を水に添加して展色材分散水溶液を調製し、
展色材100重量部に対して、さらに平均粒径32μm
のポリエステル樹脂粉末570重量部及び粘度調整液を
添加し、水含量が40重量%の防振用塗料組成物を調製
した。
成る展色材を水に添加して展色材分散水溶液を調製し、
展色材100重量部に対して、さらに平均粒径32μm
のポリエステル樹脂粉末570重量部及び粘度調整液を
添加し、水含量が40重量%の防振用塗料組成物を調製
した。
【0015】実施例2 実施例1において、平均粒径32μmのポリエステル樹
脂粉末の添加量を570重量部の代わりに800重量部
にした以外は実施例1と同様にして防振用塗料組成物を
調製した。得られた防振用塗料組成物の水含量は42%
であった。
脂粉末の添加量を570重量部の代わりに800重量部
にした以外は実施例1と同様にして防振用塗料組成物を
調製した。得られた防振用塗料組成物の水含量は42%
であった。
【0016】実施例3 エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂から成る展色材を水
に添加して展色材分散水溶液を調製し、展色材の固形分
100重量部に対して、さらに平均粒径70μmのエポ
キシ樹脂粉末950重量部を添加し、防振用塗料組成物
を調製した。得られた防振用塗料組成物の水含量は42
%であった。
に添加して展色材分散水溶液を調製し、展色材の固形分
100重量部に対して、さらに平均粒径70μmのエポ
キシ樹脂粉末950重量部を添加し、防振用塗料組成物
を調製した。得られた防振用塗料組成物の水含量は42
%であった。
【0017】実施例4 実施例3において、平均粒径70μmのエポキシ樹脂粉
末の添加量を950重量部の代わりに平均粒径32μm
のポリエステル樹脂粉末の添加量を300重量部、さら
に平均粒径3μmのタルクを添加した以外は実施例3と
同様にして防振用塗料組成物を調製した。得られた防振
用塗料組成物の水含量は40%であった。
末の添加量を950重量部の代わりに平均粒径32μm
のポリエステル樹脂粉末の添加量を300重量部、さら
に平均粒径3μmのタルクを添加した以外は実施例3と
同様にして防振用塗料組成物を調製した。得られた防振
用塗料組成物の水含量は40%であった。
【0018】実施例5 実施例1において、平均粒径32μmのポリエステル樹
脂粉末の添加量を570重量部の代わりに230重量部
にし、さらに平均粒径7μmの炭酸カルシウムを340
重量部添加した以外は実施例1と同様にして防振用塗料
組成物を調製した。得られた防振用塗料組成物の水含量
は40%であった。
脂粉末の添加量を570重量部の代わりに230重量部
にし、さらに平均粒径7μmの炭酸カルシウムを340
重量部添加した以外は実施例1と同様にして防振用塗料
組成物を調製した。得られた防振用塗料組成物の水含量
は40%であった。
【0019】実施例6 アクリル樹脂100重量部から成る展色材を水に添加し
て展色材分散水溶液を調製し、展色材の固形分100重
量部に対して、さらに平均粒径50μmのポリカーボネ
ート樹脂粉末730重量部を添加し、防振用塗料組成物
を調製した。得られた防振用塗料組成物の水含量は40
%であった。
て展色材分散水溶液を調製し、展色材の固形分100重
量部に対して、さらに平均粒径50μmのポリカーボネ
ート樹脂粉末730重量部を添加し、防振用塗料組成物
を調製した。得られた防振用塗料組成物の水含量は40
%であった。
【0019】実施例7 実施例5において、平均粒径32μmのポリエステル樹
脂粉末の添加量を230重量部の代わりに350重量部
にし、さらに平均粒径7μmの炭酸カルシウムを340
重量部の代わりに400重量部添加した以外は実施例5
と同様にして防振用塗料組成物を調製した。得られた防
振用塗料組成物の水含量は40重量%であった。
脂粉末の添加量を230重量部の代わりに350重量部
にし、さらに平均粒径7μmの炭酸カルシウムを340
重量部の代わりに400重量部添加した以外は実施例5
と同様にして防振用塗料組成物を調製した。得られた防
振用塗料組成物の水含量は40重量%であった。
【0020】比較例1 実施例1において、平均粒径32μmのポリエステル樹
脂粉末の添加量を570重量部の代わりに400重量部
にした以外は実施例1と同様にして防振用塗料組成物を
調製した。
脂粉末の添加量を570重量部の代わりに400重量部
にした以外は実施例1と同様にして防振用塗料組成物を
調製した。
【0021】比較例2 実施例1において、平均粒径32μmのポリエステル樹
脂粉末の添加量を570重量部の代わりに1530重量
部にした以外は実施例1と同様にして防振用塗料組成物
を調製した。なお、表1及び表2において、展色材及び
充填材の配合量の単位は、重量部である。
脂粉末の添加量を570重量部の代わりに1530重量
部にした以外は実施例1と同様にして防振用塗料組成物
を調製した。なお、表1及び表2において、展色材及び
充填材の配合量の単位は、重量部である。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明の防振用塗料組成物によると、塗
膜硬度が高く、防錆性が良く、表面耐久性に優れた塗膜
を形成することができ、自動車、船舶、洗濯機、その他
各種の産業機器などの鋼及び金属、合成樹脂板などの基
盤などの制振性を要求される部分に適用して、優れた塗
膜性能と制振性を示すことができる。
膜硬度が高く、防錆性が良く、表面耐久性に優れた塗膜
を形成することができ、自動車、船舶、洗濯機、その他
各種の産業機器などの鋼及び金属、合成樹脂板などの基
盤などの制振性を要求される部分に適用して、優れた塗
膜性能と制振性を示すことができる。
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 正綱 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内
Claims (2)
- 【請求項1】 アスファルト、ゴム、合成樹脂及びセル
ロース誘導体よりなる群から選ばれた1種又は2種以上
からなる展色材100重量部に対して、合成樹脂粉末を
530〜1200重量部の割合で混合してなることを特
徴とする水系の防振用塗料組成物。 - 【請求項2】 アスファルト、ゴム、合成樹脂及びセル
ロース誘導体よりなる群から選ばれた1種又は2種以上
からなる展色材100重量部に対して、合成樹脂粉末及
び無機充填材を530〜1200重量部の割合で混合し
てなることを特徴とする水系の防振用塗料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6647194A JPH07247446A (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | 防振用塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6647194A JPH07247446A (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | 防振用塗料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07247446A true JPH07247446A (ja) | 1995-09-26 |
Family
ID=13316740
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6647194A Pending JPH07247446A (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | 防振用塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07247446A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7011277B2 (en) * | 2003-04-07 | 2006-03-14 | Newfrey Llc | Antivibration clamp for elongated objects |
-
1994
- 1994-03-11 JP JP6647194A patent/JPH07247446A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7011277B2 (en) * | 2003-04-07 | 2006-03-14 | Newfrey Llc | Antivibration clamp for elongated objects |
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