JPH0724531Y2 - 防護ネットの支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、倉庫等の２階以上の床面において、その床
面より作業者が転落するの防止するようにした防護ネッ
トの支持装置に関するものである。

従来の技術 第４図は、従来におけるこの種防護ネットの支持装置を
示している。２階以上の床部分において、その床（21）
の側面に、夫々支持パイプ（22）（22）を所定の間隔で
固定し、この支持パイプ（22）（22）へ夫々上方より支
柱（23）（23）を差し込んで立設するとともに、これら
の支柱（23）（23）へ、防護ネット（24）上端の紐
（５）を連結して、これら支柱（23）（23）間を塞ぐよ
うその防護ネット（24）を取り付けている。そして、床
（21）上の保管物を取り出すには、上記支柱（23）（2
3）を支持パイプ（22）より抜き出すか、又は、前記防
護ネット（24）を支柱（23）より取り外しするようにし
ている。

また、他の従来例として、特開昭60−173262号公報に記
載されたものがある。このものは、図４に示した先の従
来例のように、防護ネットが一種類の高さだけのもので
はなく、防護ネットが張設される支柱が組立式のもので
あり、任意の高さの防護ネット（この従来例では養生網
と称している）が張設できるようになっている。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、上記した公報に記載された従来例では、
養生網の張り高さが任意に設定できるとはいえ、養生網
の上端は、最高位に配設される支柱に固定された滑車に
取り付けられるので、張り高さを変更する際には、この
滑車が固定された支柱をいちいち取り替えねばならず、
非常にめんどうであり、かつ、この作業のために、作業
員が２階以上の階に昇って行かねばならず、転落の危険
性を有するという点では、図４に示した先の従来例と全
く同様の欠点を有するものである。

この考案は、このような要求に応えることを目的として
なされたものである。

課題を解決するための手段 そして、上記の目的を達成するため、この考案では、２
種以上の床面より上方に突出して少なくとも一対の垂直
フレーム（４）を配置し、これら各垂直フレーム（４）
には夫々上下方向摺動自在な摺動具（５）を取り付け、
両フレーム（４）間に配置した防護ネット（10）上端の
紐（11）を、前記摺動具（５）に取り付けたガイドロー
ラ（13）へ巻回させるとともに、そのガイドローラ（1
3）より下方において前記のフレーム（４）側へ固定す
る一方、この摺動具（５）より上方において同じく前記
のフレーム（４）側へ掛け吊りした吊り下げ紐（12）の
一端をその摺動具（５）へ連結し、他端を、その摺動具
（５）の重量及び摺動具（５）を下向きに移動させる力
と釣り合うバランスウェイト（15）に連結し、更に、こ
の摺動具（５）には、前記床（２）より階下側において
その摺動具（５）を摺動操作する操作杆（６）を設けた
ことを特徴とするものである。

作用 摺動具（５）に設けられたガイドローラー（13）に、防
護ネット（10）の上端から延設された取付け紐（11）が
巻回されているので、階下側より操作杆（６）を操作し
て摺動具（５）を上下させることにより、防護ネット
（10）の張り高さが任意の高さに調節できる。防護ネッ
ト（10）の張設は、この取付け紐（11）をガイドローラ
ー（13）を介して下方に引き出し、フレーム（４）に固
定して行える。他方、防護ネット（10）の取り外しは、
摺動具（５）を下降するだけで行える。また、摺動具
（５）等はバランスウェイト（15）と常に釣り合ってい
るので、非常に軽い力で前記摺動具（５）の摺動操作を
行なうことができる。

実施例 この考案の実施例を示す第１図及び第２図において、
（１）は、２階の床（２）を支持する柱であり、この柱
（１）の側面に、角パイプからなる垂直フレーム（４）
が、その柱（１）と平行に取り付けられている。（５）
は、この垂直フレーム（４）へ上下方向摺動自在に外嵌
した摺動具であって、この摺動具（５）の外側面には、
操作杆（６）の上端部が固定されている。操作杆（６）
の下端は、垂直フレーム（４）外側面に固着したガイド
パイプ（７）へ挿通されるとともに、そのガイドパイプ
（７）下端より突出する突出部に、操作用の把手（８）
が取り付けられている。この把手（８）部分は、操作杆
（６）を最上部まで押し上げたときに、階下即ち１階側
から手で持つことができるような位置に配置してある。

次に、摺動具（５）の側面には、ガイドローラ（９）が
取り付けられている。防護ネット（10）上端の左右両コ
ーナー部より突出する紐（11）の先端が、このガイドロ
ーラ（９）へ巻回された後、更にその下方へ延出され
て、前記垂直フレーム（４）の中間部分へ連結されてい
る。なお、垂直フレーム（４）は、前記柱（１）ととも
に、床（２）の縁に沿って適宜間隔を置いて少なくとも
一対取り付けられるものであり、防護ネット（10）両端
の紐（11）が互いに対向する一対の垂直フレーム（４）
側に、同様にして連結されるものである。

（12）は、摺動具（５）へその一端を連結した吊り下げ
紐であり、この吊り下げ紐（12）は、摺動具（５）より
も上方において、前記の垂直フレーム（４）へ取り付け
たもう１つのガイドローラ（13）へ巻回されて掛け吊り
された後、その他方の端部が、第２図で示すように、垂
直フレーム（４）内へ挿入された後、この垂直フレーム
（４）内へ上下方向摺動自在に内装されたバランスウェ
イト（15）へ連結されている。このバランスウェイト
（15）は、上記摺動具（５）の重量及びその摺動具
（５）を下方へ移動させようとする力、即ち操作杆
（６）重量や防護ネット（10）の重量と釣り合うように
なっており、これによって、摺動具（５）は、その上下
方向の任意の位置で常に停止することができ、かつ、上
方若しくは下方へ僅かの力を加えることによって摺動で
きるようになっている。

第１図及び第２図は、防護ネット（10）を引き上げて張
設した状態を示しており、この状態では、摺動具（５）
は、垂直フレーム（４）の上端部近傍位置にある。この
状態から階下側より前記把手（８）を持ち、操作杆
（６）を介して摺動具（５）を引き下げると、前述した
ように、防護ネット（10）の紐（11）がガイドローラ
（９）より繰り出されるから、これに伴って、防護ネッ
ト（10）がその重量により下降して、取外し状態とな
る。これにより、２階の床（２）上面より外方へ保管物
を搬出することができる。なお、防護ネット（10）の下
端部分は、その下端の左右両側のコーナー部より延出す
る紐体（14）によって、床（２）側に連結されている。
そして、第３図の状態から再び前記の把手（８）を持っ
て摺動具（５）を上方に摺動させると、防護ネット（1
0）の紐体（14）がガイドローラ（９）を介して、その
ガイドローラ（９）側に繰り込まれることになるから、
これに伴って防護ネット（10）の上端縁が上昇して、再
び張設状態に保持される。前述したように摺動具（５）
は、前記バランスウェイト（15）との釣り合いによって
常にどの位置でも保持することができるが、特に安全の
ため、摺動具（５）を上方へ摺動させた状態で固定保持
するための係止具を、前記把手（８）側に係脱自在に設
けることが望ましい。

考案の効果 以上のように、この考案によれば、２階以上の床の柱に
併設された垂直フレームに摺動具を設け、この摺動具に
設けられたガイドローラーに、防護ネットの上端から延
設された紐を取り付けるので、防護ネットの張り高さ
が、階下側に設けられる摺動具の操作杆を操作するだけ
で任意の高さに設定できる。従って、組立式の支柱に防
護ネットの上端が固定され、この支柱を盛り替えること
によって防護ネットの張り高さを変更するようなものに
比べて、格段に操作性がよく、何よりも、２階部分ある
いはそれ以上の階上部分へ昇る作業を必要としないの
で、この点に関しての完全な安全性が確保できる。ま
た、前記摺動具は、バランスウェイトと釣り合いにより
常に軽い操作で行なうことができる。加えて、この考案
では、防護ネットを支持する紐がガイドローラを介し
て、摺動具よりも下方の垂直フレーム側へ固定されてお
り、防護ネットを降ろす際に、その紐が前記ガイドロー
ラ側より繰り出されるようになることから、防護ネット
の両端を常に同時に操作する必要がなく、一つ一つ摺動
具を操作すればよいという効果がある。即ち、防護ネッ
トの紐を摺動具へ直接固定することも可能であるが、そ
うすると、一方の摺動具を下方へ摺動させると、その紐
が引っ張られる状態となるため、防護ネットの両端側で
両摺動具を同時に下降させる必要があるが、この考案で
は、そのような不都合がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例を示す防護ネット支持部分
の斜視図、第２図は、垂直フレームの中心部で縦断した
縦断面図、第３図は、防護ネットの解放状態を示す斜視
図、第４図は、従来の防護ネットの支持装置を示す斜視
図である。 （２）……床、（４）……垂直フレーム、（５）……摺
動具、（６）……操作杆、（９）……ガイドローラ、
（10）……防護ネット、（11）……防護ネットの紐、
（12）……吊り下げ紐、（15）……バランスウェイト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】２階以上の床面より上方に突出して少なく
   とも一対の垂直フレームを配置し、これら各垂直フレー
   ムには各々上下方向摺動自在な摺動具を取り付け、両フ
   レーム間に配置した防護ネット上端の紐を、前記ガイド
   ローラーへ巻回させるとともに、そのガイドローラーよ
   り下方において前記のフレーム側へ固定する一方、この
   摺動具より上方において同じく前記のフレーム側へ掛け
   吊りした吊り下げ紐の一端をその摺動具へ連結し、他端
   を、その摺動具の重量及び摺動具を下向きに移動させる
   力と釣り合うバランスウエイトに連結し、更に、この摺
   動具には、前記床より階下側においてその摺動具を摺動
   操作する操作杆を設けたことを特徴とする防護ネットの
   支持装置。