JPH0724509U - デッキプレート穴あけ用ドリルの補助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業者が腰を曲げない楽な姿勢で作業できる
ドリル用補助具が、ビット（回転切削刃）の取付と同じ
要領で簡単にドリル本体に取り付けることができ、しか
も軽量で作業性がよく低コストで製作できるようにし
た。 【構成】 所定長さを有するシャフト(1)の一端部にビ
ット取付用チャック(2)を備え、他端部にドリル(3)のチ
ャック(4)に嵌合するための異径断面を持つ嵌合軸部(5)
を備えている構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建築物の床面の基板となるデッキプレートにインサート金具を取り 付けるための穴をあけるドリルに使用される補助具に関するもので、殊に作業者 が楽な姿勢で穴あけ作業ができるためのドリル用補助具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に建築物の床面を施工する場合、連続した凹凸条を有する薄い金属板製の デッキプレートを敷設し、その上面にコンクリートやモルタルを積層させる工法 が広く採用されている。この床面施工に際して、コンクリート打ち込み前にデッ キプレートの所望位置に、階下住居の天井板や照明器具等の部材を吊り下げるた めのボルトを螺合するインサート金具取付穴をあけている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしこの穴あけ作業は一施工現場で数が多く、しかも作業者が手持ち用の小 型電気ドリルで行うものであるから、疲労度の大きな厳しい作業となっている。 そこで従来では、作業者が腰を曲げない楽な姿勢で作業ができるようにドリルの 本体後端部分に補助ハンドルを延長させて取付け、同時にドリル本体に平行して 補助支持棒をスプリングによって上下に弾性伸縮可能なように取り付けたものが 提案されている。しかしこの従来手段では、ハンドルや支持棒のドリル本体への 着脱操作が面倒であると共に、工具全体が大型重量化して穴あけ位置移動の際の 作業性が悪くなり、且つ構成部材が多いのでコストも高くつく等の問題点があっ た。

【０００４】 そこで本考案の主要な目的は、作業者が腰を曲げない楽な姿勢で作業できるド リル用補助具が、ビット（回転切削刃）の取付と同じ要領で簡単にドリル本体に 取り付けることができ、しかも軽量で作業性がよく低コストで製作できるように した点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案では次のような技術的手段を講じた。即ち 本考案にかかるデッキプレートの穴あけ用ドリルの補助具にあっては、所定長さ を有するシャフト(1)の一端部にビット取付用チャック(2)を備え、他端部にドリ ル(3)のチャック(4)に嵌合するための異径断面を持つ嵌合軸部(5)を備えた構造 としたものである。

【０００６】 また本考案にあっては、前記ビット取付用チャック(2)が、シャフト軸芯に沿 って形成され且つ先端面に向かって開口した異径断面を持つ挿入孔(6)と、該挿 入孔(6)の周壁(6a)を貫通する横孔(7)に遊嵌され且つ周壁(6a)の厚みより大きな 直径を有するボール(8)と、前記周壁(6a)の外周面に所定ストロークだけシャフ ト軸方向に摺動可能に套嵌された外筒(9)とから成り、該外筒(9)の内周面にはボ ール(8)の周面を圧迫して挿入孔(6)の領域内に押し出す押圧面(9a)と、該ボール (8)を挿入孔(2)の領域外に逃がす凹部(9b)を備え、スプリング(10)により常時押 圧面(9a)がボール(8)を圧迫する位置に移動されている構造とした。

【０００７】

【作用】

上記のごとく構成されたドリルの補助具にあっては、図６に示すように、嵌合 軸部(5)をドリル(3)のチャック(4)に取付け、補助具先端部に所望のビット(11) を取り付けて、デッキプレート(12)に穴あけするのに使用される。この際、ドリ ル(3)からビット(11)の先端までが長尺のシャフト(1)によって適宜な長さに保持 されているので、作業者が腰を曲げない楽な姿勢で作業を行うことができるもの である。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の詳細を図面に示した実施例に基いて説明する。 図に於いて、符号(1)は所定の長さを有するシャフトであって、その一端部に ビット取付用チャック(2)を備え、他端部にドリル(3)のチャック(4)に嵌合する ための三角形又は四角形等の異径断面を持つ嵌合軸部(5)を備えている。前記シ ャフト(1)は、図６に示すようにこれをドリル(3)に取り付け且つ先端にビット(1 1)を取り付けてデッキプレート(12)の穴あけ作業を行うときに作業者が腰を曲げ ないで楽な姿勢で作業できるような長さがよく、例えば先端のビット取付用チャ ック(2)を含むシャフト(1)の有効長さは３５cm乃至５５cmの長さが好ましく、殊 に４８cmが適切である。またシャフト(1)の直径は１０mm乃至１５mmが好ましい 。

【０００９】 また、本考案では前記ビット取付用チャック(2)が下記の構成によってワンタ ッチでビット(11)を着脱できるようになっている。即ち、該チャック(2)は、シ ャフト軸芯に沿って形成され且つ先端面に向かって開口した例えば四角形の異径 断面を持つ挿入孔(6)と、該挿入孔(6)の周壁(6a)を貫通する横孔(7)に孔軸方向 に移動可能に遊嵌され且つ周壁(6a)の厚みより大きな直径を有するボール(8)と 、前記周壁(6a)の外周面に所定ストロークだけシャフト軸方向に摺動可能に套嵌 された外筒(9)とから構成されている。そして、該外筒(9)の内周面にはボール(8 )の周面を圧迫して挿入孔(6)の領域内に押し出す押圧面(9a)と、該ボール(8)を 挿入孔(2)の領域外に逃がす凹部(9b)を備え、スプリング(10)により常時押圧面( 9a)がボール(8)を圧迫する位置に移動されている。尚外筒(9)は止めリング(13) により周壁(6a)からの抜脱が阻止されている。

【００１０】 この補助具のチャック(2)に装着されるビット(11)は、図３乃至図５に示すよ うに、チャックの挿入孔(6)に嵌合挿入される断面四角形の挿入軸部(11a)の中間 部分にリング状の係合溝(11b)が設けられている。そしてこのビット(11)をチャ ック(2)に取り付けるときは、図４に示すように外筒(9)をスプリング(10)に抗し て右方向に移動させてボール(8)を凹部(9)に落としこみ挿入孔(2)の領域外に回 避させる。これにより抵抗なくビット(11)の挿入軸部(11a)を挿入孔(6)に挿入す ることができる。そのあと、外筒(9)から手をはなせば外筒(9)はスプリング(10) の弾力により元位置に復帰して図５に示すようにボール(8)がビット(11)の係合 溝(11b)に係合し、ビット(11)の抜脱を確実に防止するものである。また反対に 、ビット(8)を取り外すときは、外筒(9)をスプリング(10)に抗して図４の位置に 移動させた状態でビットを引き抜けばよい。

【００１１】 このように構成された補助具は図６に示すように、嵌合軸部(5)をドリル(3)の チャック(4)に取付け、補助具先端部に所望のビット(11)を取り付けて、デッキ プレート(12)に穴あけするのに使用される。この際、ドリル(3)からビット(11) の先端までが長尺のシャフト(1)によって適宜な長さに保持されているので、作 業者が腰を曲げない楽な姿勢で作業をおこなうことができる。このデッキプレー ト(12)にあけられた穴には図７に示すように、下向きに開口したボルト孔(14a) を有するインサート金具(14)が挿入され、そのあとデッキプレート(12)の上面に 適当な厚みのコンクリート(15)を流し込んで床面を形成するものである。尚、イ ンサート金具(14)のボルト孔(14a)には階下の天井板や照明器具等の部材を吊り 下げるためのボルト(16)が螺入される。

【００１２】 以上本考案の代表的な実施例について説明したが、本考案は必ずしも上記の実 施例構造のみに限定されるものでなく、その構成要件を備え、且つ効果を有する 範囲内で適宜変更して実施出来ることは勿論である。

【００１３】

【考案の効果】

上記のごとく本考案のドリル用補助具は、長尺のシャフト(1)の一端部にビッ ト取付用チャック(2)を、他端部にドリルのチャックに嵌合するための異径断面 を持つ嵌合軸部(5)を設けた構造としたから、嵌合軸部(5)を介してドリル(3)に 取り付けてデッキプレート(12)の穴あけに使用する際、ドリル(3)からビット(11 )の先端までが長尺のシャフト(1)によって適宜な長さに保持されているので、作 業者が腰を曲げない楽な姿勢で作業をおこなうことができる。この場合、補助具 はシャフトとビット取付用チャックだけの簡単な構成により軽量に構成されてい るから持ち運びが便利であると共に操作性がよく、これにより容易に多数の穴あ けを行うことができる。また構造が簡単であるから安価で提供することが可能と なる。

【００１４】 さらに加えて本考案では、前記ビット取付用チャック(2)が、シャフト軸芯に 沿って形成され且つ先端面に向かって開口した異径断面を持つ挿入孔(6)と、該 挿入孔(6)の周壁(6a)を貫通する横孔(7)に遊嵌され且つ周壁(6a)の厚みより大き な直径を有するボール(8)と、前記周壁(6a)の外周面に所定ストロークだけシャ フト軸方向に摺動可能に套嵌された外筒(9)とから成り、該外筒(9)の内周面には ボール(8)の周面を圧迫して挿入孔(6)の領域内に押し出す押圧面(9a)と、該ボー ル(8)を挿入孔(2)の領域外に逃がす凹部(9b)を備え、スプリング(10)により常時 押圧面(9a)がボール(8)を圧迫する位置に移動されている構造とすることにより 、外筒(9)をスライドさせるだけでビット(11)をワンタッチで簡単にチャック(2) に着脱することができると共に、チャック(2)に装着されたビット(11)は抜き方 向に大なる力が付加されても外筒(9)をスライドさせない限りその抜脱を確実に 防止することができるという大なる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る補助具の平面図。

【図２】図１におけるＡ−Ａ線に沿った断面図。

【図３】上記補助具のチャック部分の拡大断面図。

【図４】上記チャック部分の動作を示す拡大断面図

【図５】上記チャックにビットを取り付けた状態を示す
断面図。

【図６】上記補助具の使用状態を示す側面図。

【図７】デッキプレートを使用した床面構造を示す断面
図。

【符号の説明】

(1) シャフト (2) ビット取付用チャック (3) ドリル (4) ドリルのチャック (5) 嵌合軸部 (6) 挿入孔 (6a) 挿入孔の周壁 (7) 横孔 (8) ボール (9) 外筒 (9a) 押圧面 (9b) 凹部 (10) スプリング (11) ビット (12) デッキプレート

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定長さを有するシャフト(1)の一端部
   にビット取付用チャック(2)を備え、他端部にドリル(3)
   のチャック(4)に嵌合するための異径断面を持つ嵌合軸
   部(5)を備えたデッキプレート穴あけ用ドリルの補助
   具。
2. 【請求項２】 前記ビット取付用チャック(2)が、シャ
   フト軸芯に沿って形成され且つ先端面に向かって開口し
   た異径断面を持つ挿入孔(6)と、該挿入孔(6)の周壁(6a)
   を貫通する横孔(7)に遊嵌され且つ周壁(6a)の厚みより
   大きな直径を有するボール(8)と、前記周壁(6a)の外周
   面に所定ストロークだけシャフト軸方向に摺動可能に套
   嵌された外筒(9)とから成り、該外筒(9)の内周面にはボ
   ール(8)の周面を圧迫して挿入孔(6)の領域内に押し出す
   押圧面(9a)と、該ボール(8)を挿入孔(2)の領域外に逃が
   す凹部(9b)を備え、スプリング(10)により常時押圧面(9
   a)がボール(8)を圧迫する位置に移動されている請求項
   １に記載のデッキプレート穴あけ用ドリルの補助具。