JPH07244239A - 蛍光微分顕微鏡装置及び蛍光像取得方法 - Google Patents

蛍光微分顕微鏡装置及び蛍光像取得方法

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JPH07244239A
JPH07244239A JP3270194A JP3270194A JPH07244239A JP H07244239 A JPH07244239 A JP H07244239A JP 3270194 A JP3270194 A JP 3270194A JP 3270194 A JP3270194 A JP 3270194A JP H07244239 A JPH07244239 A JP H07244239A
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JP
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differential
fluorescence
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fluorescent
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JP3270194A
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Kotaro Oka
浩太郎 岡
Hiroto Ogawa
宏人 小川
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蛍光微分顕微鏡装置の改善に関し、試料の蛍
光画像情報のデータ処理を工夫して、その蛍光微分画像
情報を生成し、人間の感覚として細胞内外の微細構造を
凹凸にするような陰影像として観察する。 【構成】 試料14の蛍光像を取得する画像取得手段1
1と、蛍光像を微分処理して蛍光微分データDOUT を出
力する微分演算手段12と、蛍光微分データDOUT に基
づいて試料14の蛍光画像を表示する表示手段13とを
備える。画像取得手段11には、蛍光顕微鏡又は共焦点
レーザ顕微鏡が用いられ、微分演算手段12は、試料1
4の蛍光像取得信号SINをA/D変換して蛍光像取得デ
ータDINに変換する信号処理部12Aと、蛍光像取得デー
タDINを平滑化するデータ平滑部12Bと、平滑化された
蛍光像取得データDINを二次微分して蛍光微分データD
OUTを出力する微分演算部12Cとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光微分顕微鏡装置及
び蛍光像取得方法に関するものであり、更に詳しく言え
ば、蛍光色素で染色した試料、又は、自家蛍光を有する
生物試料の蛍光像を取得して、その凹凸画像を表示する
装置及びその方法の改善に関するものである。
【0002】近年,生物の神経細胞を観察するために蛍
光顕微鏡又は共焦点レーザ顕微鏡が使用されつつある。
例えば、試料を蛍光色素で染色し、その蛍光像を共焦点
レーザ顕微鏡等により取得し、その蛍光像取得情報をパ
ーソナルコンピュータにより画像処理し、それをモニタ
に表示している。しかし、蛍光色素で染色された細胞、
又は、自家蛍光を有する細胞内外の微細構造が人間の感
覚として単なる濃淡画像や平面像としてとらえらてしま
う。
【0003】そこで、試料の蛍光画像情報のデータ処理
を工夫して、その蛍光微分画像情報を生成し、人間の感
覚として細胞内外の微細構造を凹凸にるような陰影像と
して観察することができる装置及び方法が望まれてい
る。
【0004】
【従来の技術】図9は、従来例に係る蛍光顕微鏡システ
ムの構成図を示している。例えば、試料14の蛍光像を
取得してその蛍光画像を表示するシステムは、図9に示
すように、蛍光顕微鏡1,モニタ2及びパーソナルコン
ピュータ(以下パソコンという)3を有する。
【0005】当該システムの機能は、例えば、蛍光顕微
鏡1により試料14の蛍光像が取得されると、その蛍光
像取得信号SINがパソコン3に出力される。信号SINは
パソコン3内で信号処理されて蛍光像取得データに変換
される。また、当該データがパソコン3によりモニタ2
を駆動する画像表示信号に変換される。これにより、モ
ニタ2に試料14の蛍光像が表示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来例の蛍
光像取得方法によれば、神経細胞等の試料14に蛍光色
素で染色し、その蛍光像を蛍光顕微鏡1により取得し、
その蛍光像取得信号SINをパソコン3により画像処理
し、それをモニタ2に表示している。通常の光学顕微鏡
により、染色無しで細胞を観察すると、そのコントラス
トが低い。コントラストを増加するためには、種々の染
色方法が考案されているが、染色方法の多くは、細胞を
殺してしまう。
【0007】そこで、光学顕微鏡では困難であった染色
像の観察に、共焦点レーザ顕微鏡や蛍光顕微鏡(以下画
像取得手段という)が用いられる。また、生体染色用の
種々の色素が開発され、このような色素の中には、細胞
内の特定の微小器官(オルガネラ)を選択的に染色でき
るようなものもある。これにより、細胞内のイオン濃度
動態や、細胞電位の測定を生きた状態の細胞により観察
されつつある。このような観察には、通常染色した色素
からの蛍光が用いられる。
【0008】しかし、蛍光像取得信号SINをパソコン3
により画像処理した場合には、蛍光染色された細胞、又
は、自家蛍光を有する細胞内外の微細構造が人間の感覚
として単なる濃淡画像としてしか捉えることができない
という問題がある。なお、試料14に染色をすることな
く、透過光路上の位相差をコントラスト又は、凹凸像と
して検出する位相差検鏡法や微分干渉検鏡法も開発され
ている。これらの検鏡方法は、細胞内の組織構造に染色
することなく、細胞の観察が可能である。しかしなが
ら、これらの検鏡法を実行するシステムには、比較的強
い透過光が必要であり、強力な照明光源や収束レンズ等
の光学系を追加する必要がある。
【0009】本発明は、かかる従来例の問題点に鑑み創
作されたものであり、試料の蛍光画像情報のデータ処理
を工夫して、その蛍光微分画像情報を生成し、人間の感
覚として細胞内外の微細構造が凹凸を有するような陰影
像として観察することが可能となる蛍光微分顕微鏡装置
及び画像取得方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明に係る蛍
光微分顕微鏡装置及び蛍光像取得方法の原理図を示して
いる。本発明の蛍光微分顕微鏡装置は、図1に示すよう
に、試料14の蛍光像を取得する画像取得手段11と、
前記蛍光像を微分処理して蛍光微分データDOUT を出力
する微分演算手段12と、前記蛍光微分データDOUT に
基づいて試料14の蛍光画像を表示する表示手段13と
を備えることを特徴とする。
【0011】本発明の蛍光微分顕微鏡装置において、画
像取得手段11には、蛍光顕微鏡又は共焦点レーザ顕微
鏡を用いることを特徴とする。本発明の蛍光微分顕微鏡
装置において、微分演算手段12は、試料14の蛍光像
取得信号SINをA/D変換して蛍光像取得データDINに
変換する信号処理部12Aと、前記蛍光像取得データDIN
を平滑化するデータ平滑部12Bと、平滑化された前記蛍
光像取得データDINを二次微分して蛍光微分データDOU
T を出力する微分演算部12Cとを有することを特徴とす
る。
【0012】本発明の蛍光像取得方法は、蛍光色素で染
色した試料14、又は、自家蛍光を有する試料の蛍光像
を取得し、前記蛍光像を微分演算処理をすることを特徴
とする。本発明の蛍光像取得方法において、前記微分演
算処理は、ゾーベル、プルーイット、又は、ロバーツの
微分オペレータを使用することを特徴とし、上記目的を
達成する。
【0013】
【作 用】本発明の蛍光微分顕微鏡装置の動作を説明す
る。例えば、蛍光顕微鏡又は共焦点レーザ顕微鏡等の画
像取得手段11により試料14の蛍光像が取得される
と、その蛍光像取得信号SINが微分演算手段12に出力
される。微分演算手段12では蛍光像がゾーベル、プル
ーイット、又は、ロバーツのいずれか1つの微分オペレ
ータにより微分演算処理される。例えば、微分演算手段
12の信号処理部12Aにより、試料14の蛍光像取得信
号SINがA/D変換されて蛍光像取得データDINに変換
される。A/D変換された蛍光像取得データDINは、デ
ータ平滑部12Bにより平滑化される。この平滑化された
蛍光像取得データDINが微分演算部12Cにより二次微分
されて蛍光微分データDOUT が微分演算部12Cから表示
手段13に出力される。これにより、蛍光微分データD
OUT に基づく試料14の蛍光画像が表示手段13に表示
される。
【0014】このため、表示手段13には、試料14の
微細構造を浮き立たせるような陰影像が表示される。こ
こに表示される蛍光画像は、蛍光染色された細胞、又
は、自家蛍光を有する細胞内外の微分構造を人間の感覚
として、従来例のような単なる濃淡画像に比べて、より
凹凸部の差を顕著に捉えることができる。これにより、
従来では困難であった蛍光微分画像を容易に観測するこ
とが可能となる。また、細胞内のイオン濃度動態や、細
胞電位の測定を生きた状態の細胞により観察することが
可能となる。
【0015】本発明の蛍光像取得方法によれば、蛍光色
素で染色した試料14、又は、自家蛍光を有する試料1
4の蛍光像を取得し、蛍光像がゾーベル、プルーイッ
ト、又は、ロバーツのいずれか1つの微分オペレータに
より微分演算処理される。このため、新規な蛍光色素を
細胞内の特定の微小器官に選択的に染色し、その蛍光像
を微分演算処理すると、細胞内外の微細構造の凹凸面を
浮き立たせるような陰影像として、多くの細胞情報を選
択的に観察することが可能となる。
【0016】これにより、蛍光顕微鏡又は共焦点レーザ
顕微鏡等の性能向上に寄与するところが大きい。
【0017】
【実施例】次に、図を参照しながら本発明の実施例につ
いて説明をする。図2〜8は、本発明の実施例に係る蛍
光微分顕微鏡装置及び蛍光像取得方法を説明する図であ
る。図2は、本発明の実施例に係る蛍光微分顕微鏡装置
の構成図であり、図3は、その微分演算器の構成図であ
る。図4は、プルーイットの微分オペレータの説明図で
あり、図5はその微分動作の説明図である。図6は、ゾ
ーベルの微分オペレータの説明図であり、図7は、ロバ
ーツの微分オペレータの説明図である。図8(A),
(B)はミミズ神経節の背側像及びその腹側像の写真
(蛍光画像)をそれぞれ示している。
【0018】例えば、試料(生物)14の蛍光像を取得
してその蛍光画像を表示する装置は、図2に示すよう
に、落射蛍光顕微鏡21,微分演算器22及びモニタ2
3を備える。すなわち、落射蛍光顕微鏡21は画像取得
手段11の一例であり、試料14の蛍光像を取得する。
落射蛍光顕微鏡21(カールツアィス社製)は、キセノ
ンランプ201 ,ハーフミラー202 ,フィルタ203 ,CC
Dカメラ204 及びフィルタ205 を有する。
【0019】キセノンランプ201 及びフィルタ205 とは
波長546nmの励起光を発生する光源である。ハーフ
ミラー202 は励起光を試料14に照射したり、試料14
からの波長610nm以上の蛍光をCCDカメラ204 に
入射する光学系である。フィルタ203 は波長610nm
以上の蛍光を通過させる光学系である。CCDカメラ20
4 は、試料14からの蛍光を取得して蛍光像取得信号S
INを微分演算器22に出力するものである。なお、画像
取得手段11には、落射蛍光顕微鏡の他に共焦点レーザ
顕微鏡を用いても良い。
【0020】微分演算器22は微分演算手段12の一例
であり、図3に示すようにA/D変換回路22Aと、平滑
化回路22Bと、二次微分演算回路22C及びフレームメモ
リ22Dを有する。A/D変換回路22AはA/D変換部12
Aの一例であり、蛍光像取得信号SINをA/D変換し
て、それを蛍光像取得データDINに変換する回路であ
る。例えば、A/D変換回路22Aは信号SINをA/D変
換して、8ビットのデータにする。平滑化回路22Bはデ
ータ平滑部12Bの一例であり、蛍光像取得データDINを
平滑化する回路である。例えば、平滑化回路22Bは、照
明のちらつき、背景ノイズ,外部環境等のノイズ成分を
除去する。
【0021】二次微分演算回路22Cは微分演算部12Cの
一例であり、平滑化された蛍光像取得データDINを二次
微分して蛍光微分データDOUT を出力する回路である。
微分演算部12Cの微分オペレータには図4〜7に示すよ
うなゾーベル、プルーイット、又は、ロバーツを適用す
る。なお、エッジ検出に有効なラプラシアンは蛍光微分
の画像処理には不適当である。この3つのオペレータを
適用したのは、試料14の凹凸面に一方向から光を照射
した場合に、人間の感覚により陰影像として蛍光の強弱
を捉えることができ、蛍光像の観察に有効となるからで
ある。
【0022】フレームメモリ22DはA/D変換された蛍
光像取得データDIN、平滑化された蛍光像取得データD
IN及び二次微分された蛍光微分データDOUT を一時記憶
する。フレームメモリ22Dには磁気ディスク及び光磁気
ディスク等を用いる。これにより、微分演算器22から
モニタ23に蛍光微分データDOUT を出力することがで
きる。
【0023】モニタ23は表示手段13の一例であり、
蛍光微分データDOUT に基づいて試料14の蛍光画像を
表示するものである。例えば、モニタ23には図8
(A),(B)に示すような蛍光画像が表示される。こ
こで、微分演算部12Cに適用する微分オペレータについ
て説明する。ゾーベルの微分オペレータは、図4に示す
ように、m行×n列=3×3画素の中心画素の濃淡レベ
ル値を演算する演算子である。入力画像のターゲット画
素をFm,nとすると、その周辺の8つの画素〔Fm−
1,n−1〕,〔Fm−1,n〕,〔Fm−1,n+
1〕,〔Fm,n−1〕,〔Fm,n+1〕,〔Fm+
1,n−1〕,〔Fm+1,n〕及び〔Fm+1,n+
1〕が演算の対象となる。
【0024】また、入力画像のターゲット画素Fm,n
に対する出力画像は(1)式により演算される。
【0025】
【数1】
【0026】但し、aijは(1)式の第1項目(マスク
1)の積算乗数であり、i行×j列=3×3画素の場
合、a11=1,a12=0,a13=−1,a21=2,a22
=0,a23=−2,a31=1,a32=0,a33=−1で
ある。同様に、bijは(1)式の第2項目(マスク2)
の積算乗数であり、i行×j列=3×3画素の場合、b
11=1,b12=2,b13=1,b21=0,b22=0,b
23=0,b31=−1,b32=−2,b33=−1である。
【0027】プルーイットの微分オペレータは、図6に
示すように、m行×n列=3×3画素の濃淡レベル値を
演算する演算子である。ゾーベルの微分オペレータに対
して演算式は同じであるが、積算乗数aij,bijが異な
る。すなわち、積算乗数aijはa11=1,a12=0,a
13=−1,a21=1,a22=0,a23=−1,a31=
1,a32=0,a33=−1である。同様に、bijはb11
=1,b12=1,b13=1,b21=0,b22=0,b23
=0,b31=−1,b32=−1,b33=−1である。
【0028】ロバーツの微分オペレータは、図7に示す
ように、m行×n列=2×2画素の濃淡レベル値を演算
する微分オペレータである。入力画像のターゲット画素
をFm,nとすると、その下部,右横及び斜め右下の3
つの画素〔Fm,n+1〕,〔Fm+1,n〕及び〔F
m+1,n+1〕が演算の対象となる。また、入力画像
のターゲット画素Fm,nに対する出力画像は(2)式
により演算される。
【0029】
【数2】
【0030】次に、本発明の実施例に係る蛍光像取得方
法について、当該装置の動作を補足説明図しながら説明
する。例えば、ミミズ腹髄神経節に蛍光色素で染色した
試料14の画像を取得し、その蛍光像をゾーベルの微分
オペレータにより微分演算処理をする場合について説明
する。まず、アカミミズより腹髄神経節を摘出し、酵素
処理を行って、神経節表面を覆っている結合組織を除
く。次に、膜電位感受性色素と知られているRH414
(モレキュラープローブ社製)を含むミミズリンゲル中
で3時間染色(最終色素濃度は40μM)する。この色
素は細胞膜を選択的に染色することが知られている。な
お、染色した神経節の過剰な色素は洗浄する。
【0031】その後、試料14を落射蛍光顕微鏡21に
セットし、その蛍光像を観察する。ここで、落射蛍光顕
微鏡21では、キセノンランプ201 及びフィルタ205 か
ら波長546nmの励起光が試料14に照射される。試
料14からの蛍光はフィルタ203 を通過(波長610n
m以上)し、CCDカメラ204 に入射する。また、CC
Dカメラ204 により試料14の蛍光像が取得されると、
その蛍光像取得信号SINが微分演算器22に出力され
る。まず、微分演算器22のA/D変換回路22Aによ
り、試料14の蛍光像取得信号SINがA/D変換されて
蛍光像取得データDINにされる。A/D変換された蛍光
像取得データDINは、平滑化回路22Bにより平滑化され
る。この平滑化された蛍光像取得データDINが二次微分
演算回路22Cにより二次微分される。微分演算部22Cで
は蛍光像が図4に示すようなゾーベルの微分オペレータ
により微分演算処理される。
【0032】具体的には、図5に示すように、m行×n
列=3×3画素の中心画素を濃淡レベル値をゾーベルの
微分オペレータにより演算する。入力画像のターゲット
画素Fm,nに対する出力画像Gm,nの濃淡レベル値
は(1)式により演算する。すなわち、マスク1の乗数
aijについて積和演算した結果と、マスク2の乗数bij
について積和演算した結果とを加算する。この加算結果
が1画素の蛍光微分データDOUT を構成する。
【0033】ここで微分演算処理された蛍光微分データ
DOUT は、当該演算回路22Cからモニタ23に出力され
る。これにより、蛍光微分データDOUT に基づく試料1
4の蛍光画像がモニタ23に表示される。このようにし
て、本発明の実施例に係る蛍光微分顕微鏡装置によれ
ば、図2に示すように、落射蛍光顕微鏡21、微分演算
器22及びモニタ23を備える。
【0034】このため、微分演算器22からモニタ23
に蛍光微分データDOUT が出力されることにより、当該
データDOUT に基づく試料14の蛍光画像がモニタ23
に表示される。モニタ23には、図8(A),(B)に
示すような細胞内外の微細構造の凹凸面を浮き立たせる
ような陰影像として蛍光画像が表示される。ここに表示
される蛍光画像は、蛍光染色された細胞、又は、自家蛍
光を有する細胞内外の微細構造を人間の感覚として、従
来例のような単なる濃淡画像に比べて、凹凸部の差とし
て顕著に捉えることができる。なお、図8(A)はミミ
ズ神経節の背側の蛍光画像の写真であり、図8(B)は
ミミズ神経節の腹側の蛍光画像の写真おそれぞれ示して
いる。
【0035】これにより、従来では困難であった蛍光微
分画像を容易に観測することが可能となる。例えば、微
分処理後の蛍光像,すなわち、ゾーベルの微分オペレー
タにより微分演算処理した図8(A)に示すようなミミ
ズ神経節の背側像や、同様に処理した図8(B)に示す
ようなミミズ神経節の腹側像を観測することができる。
【0036】この2つの図から神経節背側の神経細胞体
細胞膜が凸像として確認された。また、神経節腹側では
腹髄を縦走している3本の巨大軸索を観察することが可
能となった。なお、細胞内のイオン濃度動態や、細胞電
位の測定を生きた状態の細胞により観察することが可能
となる。また、本発明の蛍光像取得方法によれば、蛍光
色素で染色した試料14、又は、自家蛍光を有する試料
14の蛍光像を取得し、蛍光像がプルーイット,ゾーベ
ル又はロバーツの微分オペレータにより微分演算処理さ
れる。
【0037】このため、自家蛍光を発する特異的なミド
リコンドリア,葉緑体等の細胞内器官や、特異的な蛍光
色素で染色できる膜構造(例えば、膜電位感受性色素で
染色できる細胞膜等)、細胞内外で発現している特定タ
ンパク質の蛍光抗体像(例えば、ニューロフィラメント
等をFITC結合した免疫抗体で染色する場合等)を、
人間の視覚感覚に対して、凹凸画像として与えることが
できる。このような凹凸(微分)画像を蛍光像から再現
することが可能となる。これにより、従来例のような蛍
光像では明らかではなかった強度差、又は、微細な構造
について知見を容易に得ることが可能となる。
【0038】このことから、落射蛍光顕微鏡又は共焦点
レーザ顕微鏡等の性能向上に寄与するところが大きい。
なお、本発明の実施例では、ハードウエアにより構成す
る場合について説明したが、微分演算は、ソフトウエア
としてデータ処理しても良い。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の蛍光微分
顕微鏡装置によれば、画像取得手段、微分演算手段及び
表示手段を備える。このため、画像取得された蛍光像が
微分演算処理されることにより、蛍光微分データに基づ
いて、試料の微細構造を浮き立たせるような陰影像を表
示することが可能となる。
【0040】また、本発明の蛍光像取得方法によれば、
蛍光色素で染色した試料、又は、自家蛍光を有する試料
の蛍光像を取得し、蛍光像がゾーベル、プルーイット、
又は、ロバーツのいずれか1つの微分オペレータにより
微分演算処理される。このため、蛍光染色された細胞、
又は、自家蛍光を有する細胞内外の微分構造を人間の感
覚として、従来例のような単なる濃淡画像に比べて、凹
凸部の差として顕著に捉えることができる。
【0041】これにより、蛍光微分画像を容易に観測す
ること、また、細胞内のイオン濃度動態や、細胞電位の
測定を生きた状態により観察することが可能となる。こ
のことから、高機能かつ高性能の蛍光微分顕微鏡や共焦
点レーザ顕微鏡等の提供に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蛍光微分顕微鏡装置及び蛍光像取
得方法の原理図である。
【図2】本発明の実施例に係る蛍光微分顕微鏡システム
の構成図である。
【図3】本発明の実施例に係る微分演算器の内部構成図
である。
【図4】本発明の実施例に係るゾーベルの微分オペレー
タの説明図である。
【図5】本発明の実施例に係るゾーベルの微分動作の説
明図である。
【図6】本発明の実施例に係るプルーイットの微分オペ
レータの説明図である。
【図7】本発明の実施例に係るロバーツの微分オペレー
タの説明図である。
【図8】本発明の実施例に係る生物状態を表す写真であ
る。
【図9】従来例に係る蛍光顕微鏡システムの構成図であ
る。
【符号の説明】
11…画像取得手段、 12…微分演算手段、 13…表示手段、 12A…信号処理部、 12B…データ平滑部、 12C…微分演算部、 SIN…蛍光像取得信号、 DIN…蛍光像取得データ、 DOUT …蛍光微分データ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料(14)の蛍光像を取得する画像取
    得手段(11)と、前記蛍光像を微分処理して蛍光微分
    データ(DOUT )を出力する微分演算手段(12)と、
    前記蛍光微分データ(DOUT )に基づいて試料(14)
    の蛍光画像を表示する表示手段(13)とを備えること
    を特徴とする蛍光微分顕微鏡装置。
  2. 【請求項2】 画像取得手段(11)には、蛍光顕微鏡
    又は共焦点レーザ顕微鏡を用いることを特徴とする請求
    項1記載の蛍光微分顕微鏡装置。
  3. 【請求項3】 微分演算手段(12)は、試料(14)
    の蛍光像取得信号(SIN)を信号処理して蛍光像取得デ
    ータ(DIN)に変換する信号処理部(12A)と、前記蛍
    光像取得データ(DIN)を平滑化するデータ平滑部(12
    B)と、平滑化された前記蛍光像取得データ(DIN)を
    二次微分して蛍光微分データ(DOUT )を出力する微分
    演算部(12C)とを有することを特徴とする請求項1記
    載の蛍光微分顕微鏡。
  4. 【請求項4】 蛍光色素で染色した試料(14)、又
    は、自家蛍光を有する試料(14)の蛍光像を取得し、
    前記蛍光像を微分演算処理をすることを特徴とする蛍光
    像取得方法。
  5. 【請求項5】 前記微分演算処理は、ゾーベル、プルー
    イット、又は、ロバーツのいずれか1つの微分オペレー
    タを使用することを特徴とする請求項4記載の蛍光像取
    得方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012524276A (ja) * 2009-04-14 2012-10-11 ザ ジェネラル ホスピタル コーポレーション 生体組織をマルチモーダルにイメージングするための方法及び装置

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