JPH07241556A - 冷却水系の腐食防止方法 - Google Patents

冷却水系の腐食防止方法

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JPH07241556A
JPH07241556A JP3148294A JP3148294A JPH07241556A JP H07241556 A JPH07241556 A JP H07241556A JP 3148294 A JP3148294 A JP 3148294A JP 3148294 A JP3148294 A JP 3148294A JP H07241556 A JPH07241556 A JP H07241556A
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JP
Japan
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cooling water
corrosion
viable cell
cell number
bacteria
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Pending
Application number
JP3148294A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Kawaguchi
達也 川口
Shinichi Takasaki
新一 高崎
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微生物に起因する腐食を、簡単な指標を用い
て処理に無駄を生じさせることなく、かつ安定して防止
することができ、しかも種々の冷却水系に汎用的に適用
することができる冷却水系の腐食防止方法を提案する。 【構成】 冷却水の生菌数制御を行って、冷却水中の生
菌数を1×106/ml以下に維持することによって腐
食を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷却水系における微生
物に起因する腐食を防止するための冷却水系の腐食防止
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷却水系、特に大気開放型の冷却水系で
は、大気中に浮遊する微生物が冷却水中に混入、繁殖
し、循環使用している間に土砂などと混ざり合って配管
などの金属表面に付着し、スライムが形成される。スラ
イムが形成されると冷却水系の熱交換効率が低下するほ
か、腐食が促進される。このため従来は、スライムを付
着させないように付着防止剤を添加する方法、微生物を
殺滅させる殺菌剤を添加する方法、または付着した微生
物を早期に剥離させる剥離処理剤を添加する方法など、
種々のスライムコントロール剤を用いる方法により腐食
を防止している。また内陸用小型空調用の冷却水系で
は、冷却水温度30℃前後で、冷却塔を用いることなく
一過式で冷却して運転している。従って濃縮倍数は1〜
2倍であって、高濃縮倍率の冷却水系に比べて腐食性が
低いため、腐食防止剤を添加することなく運転している
が、スラムが付着すると腐食が生じる。
【0003】しかし、従来は微生物に起因した腐食が発
生する臨界条件が明らかになっていないため、スライム
を付着させないこと、または付着したスライムを早期に
剥離させることを腐食防止の指標としている。従って腐
食防止に必要な適切な量で薬剤が使用されておらず、こ
のため腐食防止効果が不十分であったり、必要以上の薬
剤が使用されて無駄が生じるなどの問題点がある。
【0004】一方、特開昭58−160697号には、
腐食抑制剤として亜硝酸塩を使用する系において、亜硝
酸塩の硝酸化を防止するために、配管水中の硝酸菌数を
亜硝酸イオンの減少量から推定し、この推算菌体数に対
応する微生物増殖抑制剤量をプラント配管水中に添加し
て腐食を防止する方法が記載されている。しかし上記方
法は、腐食抑制剤として亜硝酸塩を使用する場合、この
亜硝酸塩が硝酸菌によって硝酸化して腐食性になるのを
防止するために硝酸菌数を制御するものであり、菌数制
御によってスライムの付着が抑制され、これにより腐食
防止効果が得られることは示唆されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、微生物に起因する腐食を、無駄
を生じさせることなく、かつ安定して防止できる冷却水
系の腐食防止方法を提案することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、水中の生菌
数と腐食速度との関係に注目し、水中の生菌数を指標と
して、この値を所定値以下に抑制することにより腐食を
防止できることを見出し、本発明を完成した。すなわち
本発明は、冷却水系の腐食防止方法において、冷却水を
生菌数制御して、冷却水中の生菌数を1×106/ml
以下に維持することを特徴とする冷却水系の腐食防止方
法である。
【0007】本発明の方法は、冷却水系の機器、配管、
ピットなどの金属表面の腐食防止に適用することができ
る。冷却水系の形式は特に限定されず、淡水または海水
を用いた大気開放一過式冷却水系や低濃縮の循環式冷却
水系などに適用できるが、淡水を用いた大気開放一過式
または低濃縮循環式冷却水系に適用するのが好ましい。
また冷却水系に使用されている金属の種類も特に限定さ
れないが、鉄系金属、特に炭素鋼を使用している冷却水
系に適用するのが好ましい。本発明の方法は特に従来で
は処理を行っていなかった内陸用小型空調用冷却水系の
ように、濃縮倍数1〜2倍の低濃縮倍数の冷却水系に適
用するのが好ましい。
【0008】本発明において生菌数は冷却水系に生息す
る菌数であり、一般的にはCFU(コロニー フォーミ
ング ユニット、Colony Forming Unit)で表示するの
が好ましい。これはコロニー計数法により計測される生
菌数で、腐食防止の対象となる冷却水系の水を微生物源
とし、この水の一定量から形成されたコロニーの数を示
すものである。このほか吸光度・濁度測定法、重量測定
法等により得られる生菌数で表示してもよい。
【0009】コロニーの計数法としては公知のコロニー
計数法が採用でき、例えば平板培養法、キャピラリー
法、メンブラン フイルター法などの方法が採用でき
る。平板培養法では、被検水を適当に希釈し、この一定
量を栄養分含有寒天培地とよく混合し、1〜2日間程度
平板培養した後、生成したコロニー数を計測する。具体
的な計数方法は、「微生物学実験法」(微生物研究法懇
談会編、講談社サイエンティクス、1982年発行)の
第203〜205頁などに記載されている。
【0010】本発明の方法では、冷却水中の生菌数制御
により冷却水中の生菌数を1×10 6/ml以下、好ま
しくは1×103〜1×104/mlに維持する。生菌数
が1×106/mlを超えると、腐食性は急激に高くな
る。生菌数制御の方法は特に限定されないが、殺菌処理
により制御するのが好ましい。生菌数制御の方法として
は、例えば紫外線照射処理、殺菌もしくは静菌剤添加処
理、およびこれらを併用する方法などがあげられる。紫
外線照射の場合、紫外線を常時照射する方法、間欠的に
照射する方法、通常は照射せずあるいは低レベルで照射
し、生菌数が一定数を超えた場合にのみ、例えば1×1
4〜1×105/mlを超えた場合にのみ高レベルで照
射する方法などの方法が採用できる。
【0011】前記殺菌もしくは静菌剤としては特に限定
されず、オゾン、過酸化水素、その他の過酸化物、塩
素、次亜塩素酸塩、サラシ粉、その他の遊離塩素剤のほ
か、有機塩素系、有機リン系、イソチアゾリン系、酢酸
エステル系、ニトリル系、メチレンビスチオシアネート
系、ジチオール−3−オン系、スルホン系、アセトアミ
ド系、オキシム系など、公知の殺菌もしくは静菌剤が使
用できる。殺菌もしくは静菌剤の添加も紫外線照射の場
合と同様に、常時または間欠的に添加する方法、通常は
添加せずあるいは低濃度で添加し、生菌数が一定数を超
えた場合にのみ高濃度で添加する方法などが採用でき
る。これらの処理法の中では、紫外線照射およびオゾン
のように毒性および腐食性が低く、残留物が残らない薬
剤による処理、ならびにこれらの組合せによる処理法が
好ましい。
【0012】本発明の方法では上記のような処理によっ
て生菌数制御を行って、冷却水中の生菌数を前記上限値
以下に維持することにより、腐食を防止ないし抑制する
ことができる。この理由は、水中の生菌数が1×106
/ml以下では、金属表面にスライムが付着しにくくな
り、付着微生物に起因する腐食が防止されるためである
と推測されるが、このような生菌数を指標として制御を
行うだけで、腐食性が大幅に低下する。
【0013】本発明の方法において、生菌数の測定をコ
ロニー計数法による場合は、コロニーの計数に1〜2日
間の日数を必要とするため、殺菌もしくは静菌処理を行
う時点での生菌数と被検水採水時点での生菌数とは必ず
しも一致していない。しかし本発明の方法では、生菌数
として1×106/ml以下の値を指標とすることによ
り、腐食防止効果が得られる。冷却水中の生菌数が短期
間で大きく変動する場合は、コロニー計数の頻度を高く
し、例えば2日に1回の割合で計数を行えばよい。一方
比較的変動が小さい場合は、例えば7日に1回の割合で
計数を行えばよい。生菌数の変動の傾向は、例えば冷却
水の吸光度や濁度等の変化により把握することができ
る。
【0014】本発明の方法は、冷却水中の生菌数1×1
6/mlを指標として殺菌もしくは静菌処理を行うこ
とにより腐食を防止することができるので、従来のよう
な過剰な殺菌処理は必要でなく、無駄が生じない。また
このような単純な制御だけで安定した腐食防止効果が得
られる。さらに微生物の種類は限定されないので汎用的
であり、あらゆる冷却水系に適用できる。本発明の方法
では、上記の処理に防食剤を併用しなくても腐食防止効
果が得られるが、併用してもよい。また併用する場合で
も、亜硝酸塩のような分解により腐食性物質を生成する
ものは避ける必要がある。
【0015】
【発明の効果】本発明の冷却水系の腐食防止方法は、生
菌数制御により冷却水中の生菌数を1×106/ml以
下に制御するようにしたので、微生物に起因する腐食
を、無駄を生じさせることなく、かつ安定して防止する
ことができる。また種々の冷却水系に汎用的に適用する
ことができる。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。 実施例1 図1に示す循環式試験装置を用いて、水中の生菌数と腐
食速度との関係を試験した。図1の装置は、大気開放型
の100 literの補給水タンク1、大気開放型の
15 literの循環タンク2、流量計3およびカラ
ム4を備え、ポンプ5により補給水タンク1から循環タ
ンク2に補給した水が、ポンプ6により循環管7、8を
通して循環され、流量はバルブ9、10により調節さ
れ、循環管8の流量は流量計3により測定されるように
構成されている。循環タンク2中の水は、排水管11か
らオーバーフローにより排水され、一定量が保たれるよ
うに構成されている。12はそれぞれテストピースであ
る。
【0017】循環タンク2のピットおよびカラム4にテ
ストピース12を配置し、下記条件で腐食試験を行っ
た。 補給水:活性炭カラムを通過させて残存塩素を除去した
水道水 補給水タンからの給水速度:9.0ml/min 循環タンクでの滞留時間:24時間 水温:30℃一定 試験期間:6日間 テストピース:軟鋼テストピースSPCC(50×50
×1(穴4mm)、表面積約15cm2) カラムの通水方向:上向流 カラムの流速:0.3m/sec 濃縮倍数:1倍
【0018】水中の生菌数を1×106/ml以下に保
持するための殺菌もしくは静菌処理として、紫外線照射
処理または殺菌もしくは静菌剤処理を行った。紫外線照
射処理では、UVランプ(15W)を循環タンク2の上
部に設け、タンク中の液面に向けて試験期間中常時照射
した。殺菌もしくは静菌剤処理では、殺菌もしくは静菌
剤として次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素5%以
上)を用い、この溶液を2mg/lの量で補給水タンク
1に添加した。このときの循環タンク2中の残存塩素濃
度は0.4mgCl/l以上であった。殺菌もしくは静
菌剤溶液の添加は試験開始前の一回だけとし、その後の
添加は行わなかった。
【0019】殺菌もしくは静菌処理を行わないものを対
照とした。対照では生菌数を調節するため補給水に活性
汚泥0〜10ml/10 literを添加した。生菌
数は次のようにして測定した。 試料水を滅菌水に入れ、10倍希釈液をつくる。 希釈液から1ml採取し、シャーレに入れる。 保温している下記寒天培地をシャーレに流し込み混和
する。 30℃、48時間培養後、コロニー数を求める。 培地組成(1/10PY寒天培地) ペプトン 1g 酵母エキス 1g NaCl 0.5g 寒 天 15g 水道水 1000ml
【0020】生菌数は実施例および対照いずれの場合も
試験開始後1〜2日間でオーダー的に安定な値になっ
た。ピットとカラムのテストピースの結果を表1に示
す。なおカラムとピットとで同様の結果が得られ、配置
場所での差は認められなかった。
【0021】
【表1】 *1 試験開始6日後の値
【0022】表1の結果から、生菌数が増加するに従っ
て腐食速度が上昇することがわかる。また生菌数が1×
106CFU/ml以下の場合、腐食速度が小さく、良
好な結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた循環式試験装置を示す系統図で
ある。
【符号の説明】 1 補給水タンク 2 循環タンク 3 流量計 4 カラム 5、6 ポンプ 7、8 循環管 9、10 バルブ 11 排水管 12 テストピース

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却水系の腐食防止方法において、冷却
    水を生菌数制御して、冷却水中の生菌数を1×106
    ml以下に維持することを特徴とする冷却水系の腐食防
    止方法。
JP3148294A 1994-03-01 1994-03-01 冷却水系の腐食防止方法 Pending JPH07241556A (ja)

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