JPH07238814A - 内燃機関用エンジンバルブ - Google Patents

内燃機関用エンジンバルブ

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JPH07238814A
JPH07238814A JP6029354A JP2935494A JPH07238814A JP H07238814 A JPH07238814 A JP H07238814A JP 6029354 A JP6029354 A JP 6029354A JP 2935494 A JP2935494 A JP 2935494A JP H07238814 A JPH07238814 A JP H07238814A
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JP
Japan
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alloy
weight
metal
internal combustion
engine valve
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JP6029354A
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English (en)
Inventor
Yuji Takano
雄次 高野
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Fuji Oozx Inc
Original Assignee
Fuji Oozx Inc
Fuji Valve Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラズマ、レーザ等の高エネルギーにより盛
金溶接を利用できるような盛金組成を提供することによ
り、内燃機関用エンジンバルブにおいて、盛金部への母
材が希釈拡散してもある程度までは盛金部の劣化が生じ
なく、更に、溶接作業での撹拌作用により、盛金材と母
材との均一合金ができるようにし、或いは、均一合金が
形成されても、良いようにしたエンジンバルブを提供す
ることを目的とする。 【構成】 ニッケル−クロム系の超耐熱合金(:インコ
ネル751)からなる内燃機関用エンジンのフェ−ス面
に、プラズマ、レーザ等の高密度エネルギーにおいて耐
摩耗性を有する盛金合金を肉盛溶接した内燃機関用エン
ジンバルブである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケル−クロム系の
超耐熱性合金:例えば、インコネル751からなら内燃
機関用エンジンバルブのフェ−ス面に、プラズマ、レー
ザ等の高密度エネルギーで溶接肉盛できる耐摩耗性合金
を肉盛したエンジンバルブに関し、更に、詳細には、特
に特定な合金組成の耐摩耗性肉盛合金で肉盛溶接したフ
ェ−ス面を有する内燃機関用エンジンバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のエンジンバルブのフェ
ース部材に耐摩耗性を確保するために、Co基、Ni
基、Fe基等の盛金合金を、酸素アセチレンガス、プラ
ズマ、レーザ等により盛金溶接して耐摩耗性盛金部を確
保していた。然し乍ら、これらの盛金溶接において、母
材部と盛金部との溶着強度を確保するために、盛金部中
に母材成分が拡散する程度に溶着されなければ、接合強
度が保持できないために、盛金材は、母材成分により希
釈され、盛金材本来の材料成分が損なわれる。そのため
に、溶接作業においては、母材部と盛金部との溶着強度
を確保しつつ、且つ、材料特性を損なわないように、母
材成分の盛金部への希釈度を抑制する方向で、盛金溶接
作業が行なわれている。
【0003】プラズマ、レーザ等の高密度エネルギーに
より、盛金溶接する場合、盛金部への母材成分の希釈度
をある程度制御できる。通常、その希釈度を10〜20
%程度に制御して、盛金作業が行なわれている。通常の
盛金溶接においては、盛金部への母材成分の希釈度が1
0%以下の場合には、溶着強度が不十分で確保され
ず、”未着”という内部欠陥の発生の危険性が高くな
る。また、盛金部への母材成分の希釈度が、20%を超
えた場合には、盛金合金自体が有する材料特性が、その
希釈度により、著しく低下してしまうことがある。
【0004】また、プラズマ、レーザ等の高密度エネル
ギーにより盛金溶接した場合、盛金部への母材希釈成分
は、高密度エネルギーにより、撹拌され、盛金部と母材
との合金層が形成されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プラズマ、
レーザ等の高エネルギーにより盛金溶接を利用できるよ
うな盛金組成を提供することにより、内燃機関用エンジ
ンバルブにおいて、盛金部への母材が希釈拡散してもあ
る程度までは母材成分中の耐摩耗性に寄与する元素との
希釈により盛金部の劣化が生じなく、更に、溶接作業で
の撹拌作用により、盛金材と母材との均一合金ができる
ようにし、或いは、均一合金が形成されても、良いよう
にしたエンジンバルブを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によると、ニッケ
ル−クロム系の超耐熱合金(:インコネル751)から
なる内燃機関用エンジンバルブのフェ−ス面に、プラズ
マ、レーザ等の高密度エネルギーにおいて耐摩耗性を有
する盛金合金を肉盛溶接した内燃機関用エンジンバルブ
を提供する。そして、耐摩耗性盛金合金は、重量基準
で、2.2〜2.6重量%の炭素、1.1〜1.3重量
%のシリコン、2.6〜3.1重量%のマンガン、1.
5重量%以下のニッケル、28〜31重量%のクロム、
10〜11重量%の鉄、13.5〜15.5重量%のタ
ングステン及び不可避不純物からなるCo基の盛金合金
を用いることができる。また、肉盛溶接時の盛金部への
母材希釈度を、25〜35%に調整して、肉盛溶接する
ことにより、優れた耐摩耗性を付与したものが好適であ
る。更に、ニッケル−クロム系の超耐熱合金は、インコ
ネル751合金が好適である。
【0007】
【作用】本発明によるエンジンバルブでは、そこで、プ
ラズマ、レーザ等の高エネルギーにより盛金溶接を利用
できるように、構成したことが、重要な特徴である。即
ち、本発明の内燃機関用エンジンバルブにおいて、1.
盛金部への母材希釈を制御できる成分の盛金合金にした
こと、2.撹拌作用により、盛金材と母材との均一合金
ができるようにし、或いは、均一合金が形成されても、
耐熱特性の劣化のないようにした。超耐熱性合金、即
ち、Ni−Cr系の超耐熱性合金を母材とする内燃機関
用エンジンバルブのフェ−ス面に、従来の盛金合金本来
の材料特性では、有害とされた盛金部への母材希釈を逆
に利用して母材の優れた化学成分を希釈により、盛金材
と合金化させることにより、耐摩耗性にすぐれた盛金合
金層を形成させた盛金を利用したエンジン用バルブを提
供した。
【0008】本発明で利用する超耐熱性合金は、Ni−
Cr系の超耐熱性合金を母材とするエンジンバルブのフ
ェース面に、特定の組成の盛金合金を適用したものであ
る。そのNi−Cr系の超耐熱性合金としては、インコ
ネル合金、特に、インコネル751が最も好適である
が、モネルメタル合金、ハステロイ合金によるものにも
適用できる。そのインコネル751合金の組成は、次の
表1に示される。
【表1】 金属 炭素 Si Mn Ni Cr Al Ti Nb,Ta Fe 重量% 0.05 0.2 0.2 71.0 16.0 1.2 2.5 1.0 8.0
【0009】このような超耐熱合金のフェース面に対し
て、本発明に従って、耐摩耗性を有する特定の組成の盛
金合金を適用する。その特定の盛金合金の各成分につい
て、重量%基準で上記のように限定した根拠を以下説明
する。炭素は、含有量が2.2重量%未満では、溶接作
業で生じる希釈された盛金部に所望の硬さ、例えば耐摩
耗性を確保することができない。また、含有量が2.6
重量%を超えると、溶接作業で生じる希釈された盛金部
の硬さが過大になり盛金部の靭性が低下する。
【0010】珪素Siは、脱酸及び溶湯湯流れ性等溶接
作業性に影響を与える元素であり、1.1重量%未満で
は、脱酸効果がでず、ピンホール等の溶接欠陥につなが
る。また、含有量が1.3重量%を超えると、溶湯湯流
れ性の一層の効果がでず、また耐PbO、PbSO4
の低下につながる。
【0011】ニッケルは耐蝕性、溶接作業で生じる希釈
された盛金部の特に耐PbO性及び耐PbO+PbSO
4 性の向上に貢献するが、含有量が1.3重量%を超え
ると、Niが高価なために、コスト高になる。また、マ
ンガンは、2.6重量%未満では、溶接作業で生じる希
釈された盛金部に脱酸効果不足であり、3.1重量%を
超えると、より一層の向上効果が得られない。
【0012】クロムは、溶接作業で生じる希釈された盛
金部に耐食性、特に耐酸化性の向上に貢献するが、2
8.0重量%未満では、充分な耐酸化性の向上が得られ
ず、31.0重量%を超えると、耐熱衝撃性が低下傾向
にあり、溶接作業において肉盛後割れ等の欠陥発生の危
険性が高くなる。鉄は、耐熱衝撃性の向上に貢献する
が、10.0重量%未満では、耐熱衝撃性を確保するこ
とができず、11重量%を超えると、高温硬度が低下
し、耐摩耗性が劣る。
【0013】タングステンWは、微細炭化物を形成し
て、高温域で、耐摩耗性を確保するが、13.5重量%
未満では、高温硬度及び高温強度の向上が得られず、1
5.5重量%を超えると、肉盛溶接性と切削性が劣化す
る。
【0014】以上のような特定組成の盛金合金は、プラ
ズマ、レーザ等の処理による盛金溶接に際して、母体の
ニッケル−クロム系の超耐熱性合金により、希釈され、
組成が変化しても、超耐熱性合金の組成のものが盛金部
となり、特性の劣化が見られないものとなる。
【0015】従来使用される盛金合金として、例えば、
ステライト合金に相当する組成の合金を用いてきた。ス
テライト合金とは、米国ハイネス ステライト(Haynes
Stellite)社が開発したCo−Cr−W系合金の商品名
であり、硬さが大きく、すぐれた耐摩耗性、耐酸化性を
持ち、赤熱温度でもその特性があまり劣化しない合金で
ある。即ち、もともと、内燃機関のエンジンバルブ等の
摩耗部分に用いられるものである。そして、本発明によ
る盛金を有するエンジンバルブでは、高エネルギーによ
る溶接処理で得られた盛金部の合金、即ち、母材により
希釈された盛金部合金組成が、このような合金と同様な
ものとなる。従って、その耐摩耗性、耐酸化性は、保証
されたと同様である。
【0016】次に、本発明のエンジンバルブを更に、比
較例と比較して、実施例により説明するが、本発明はそ
れらによって限定されるものではない。
【0017】
【比較例】以下、本発明によるエンジンバルブを比較例
合金と比較して説明する。ニッケル−クロム系の超耐熱
合金、例えば、インコネル751合金等を母材とするエ
ンジンバルブのフェ−ス面にプラズマ、レーザ等の高密
度エネルギーにより、耐摩耗性にすぐれた合金成分を盛
金した場合、盛金した後の盛金合金成分は、盛金後の合
金成分=(1−盛金部への母材希釈度/100)×盛金
材化学成分+盛金部への母材希釈度/100×母材化学
成分となり、ほぼ近似することができる。
【0018】オーステナイト系耐熱合金SUH36を母
材とするエンジルバルブのフェ−ス面にプラズマ、レー
ザ等の高エネルギーにより、粉末状にした盛金合金ステ
ライト F(以下、STL Fと略称する)を盛金部へ
の母材希釈度:15%により盛金溶接した場合の盛金後
の化学組成成分を表2に示す。合わせて、盛金合金ステ
ライト F(以下、STL Fと略称する)の化学組成
を示し、オーステナイト系耐熱合金SUH36の母材の
化学組成を示し、盛金後に得られる化学組成成分を計算
するために、各々のSUH36母材の15%の成分量
と、STL Fの80%の成分量を示してある。この母
材と盛金材の組合わせは、市場での充分な実績のある組
合わせである。
【0019】
【表2】
【0020】このようにして、本発明による溶接盛金し
た盛金部は、表2の第6欄に示すような化学組成とな
り、そのような合金盛金部を試験にかける。形成した合
金盛金部の硬さを、ビッカース硬度計(荷重5kg)に
より測定した。また、大気酸化試験を1000℃×10
0時間行ない、耐酸化性を、STLF合金(図1の最左
のグラフ)、STL FにSUH36合金で15重量%
希釈させた合金(図1のまん中のグラフ)及び本発明に
よる母材(インコネル751)30%希釈の合金の盛金
(図1の最右のグラフ)の3種について、測定した。そ
の結果を図1に示す。
【0021】更に、上記の3種の合金について、耐Pb
O及び耐PbO+PbSO4性を測定するために、Pb
O試験を920℃×1時間及び6PbO+4PbSO4
試験を900℃×1時間、テストピースの大きさが直径
5mm×長さ20mmの条件で行なった。その結果を図
2に示す。
【0022】次に、上記の3種の合金について、常温及
び800℃の高温において、荷重5kgでビッカース硬
度を測定した。その結果を図3に示す。試験温度を上げ
ると、ビッカース硬度は、下がっていく。
【0023】
【実施例】次に、母材にインコネル751とするエンジ
ンバルブのフェース面へ盛金する合金として、下記の表
3に組成成分を示す盛金合金を使用した。この盛金合金
をプラズマ溶接盛金すると、その盛金合金を、母材か
ら、25〜35重量%の範囲で希釈される。すると、表
3に示すように、盛金後の合金組成が得られる。表3で
は、希釈度25%と、35%の2つの場合について、計
算された。即ち、表3の第5欄(25%希釈)と第8欄
(35%希釈)に示した組成の合金の盛金部が得られ
た。得られた合金盛金部は、前記のステライトFを15
%希釈で盛金したときと同等の化学組成であった。
【0024】
【表3】
【0025】以上のような本発明による盛金合金を使用
したエンジンバルブでは、ステライトF同等以上の耐摩
耗性にすぐれた盛金合金層を形成させることができる。
また、母材成分を強制的に希釈させることにより、溶着
強度が一層安定に確保され、且つ、通常の盛金重量よ
り、10〜20%程度の重量減少により、盛金溶接作業
が可能となった。
【0026】本実施例では、プラズマ粉末溶接法を用い
たが、レーザ粉末溶接のような他の不活性ガスシールド
溶接によっても同様な効果が得られることは明らかであ
る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエンジン
バルブにより、プラズマ、レーザ等の高エネルギーによ
り盛金溶接を利用できるような盛金組成を提供すること
により、内燃機関用エンジンバルブにおいて、盛金部へ
の母材が希釈拡散してもある程度までは盛金部の劣化が
生じなく、更に、溶接作業での撹拌作用により、盛金材
と母材との均一合金ができるようにし、或いは、均一合
金が形成されても、良いようにしたエンジンバルブを提
供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジンバルブに用いられる合金と他
の合金を特性比較するために、酸化増量を測定した結果
を示すグラフである。
【図2】本発明のエンジンバルブに用いられる合金と他
の合金を特性比較するために、各腐食減量を測定した結
果を示すグラフである。
【図3】本発明のエンジンバルブに用いられる合金と他
の合金を特性比較するために、試験温度を上げた場合の
硬度変化を測定した結果を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル−クロム系の超耐熱合金からな
    る内燃機関用エンジンバルブのフェ−ス面に、プラズ
    マ、レーザ等の高密度エネルギーにより、耐摩耗性を有
    する盛金合金を肉盛溶接した内燃機関用エンジンバル
    ブ。
  2. 【請求項2】 前記の耐摩耗性盛金合金は、2.2〜
    2.6重量%の炭素、1.1〜1.3重量%のシリコ
    ン、2.6〜3.1重量%のマンガン、1.5重量%以
    下のニッケル、28〜31重量%のクロム、10〜11
    重量%の鉄、13.5〜15.5重量%のタングステン
    及び不可避不純物からなるCo基の盛金合金を用いるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の肉盛溶接した内燃機関
    用エンジンバルブ。
  3. 【請求項3】 肉盛溶接時の盛金部への母材希釈度を、
    25〜35%に調整して、肉盛溶接することにより、優
    れた耐摩耗性を付与したことを特徴とする請求項1或い
    は2に記載の内燃機関用エンジンバルブ。
  4. 【請求項4】 前記のニッケル−クロム系の超耐熱合金
    は、インコネル751合金である請求項1〜3のいずれ
    かに記載の内燃機関用エンジンバルブ。
JP6029354A 1994-02-28 1994-02-28 内燃機関用エンジンバルブ Pending JPH07238814A (ja)

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