JPH07236892A - 非イオン界面活性剤を含有する排水の処理方法 - Google Patents

非イオン界面活性剤を含有する排水の処理方法

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JPH07236892A
JPH07236892A JP6052692A JP5269294A JPH07236892A JP H07236892 A JPH07236892 A JP H07236892A JP 6052692 A JP6052692 A JP 6052692A JP 5269294 A JP5269294 A JP 5269294A JP H07236892 A JPH07236892 A JP H07236892A
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JP
Japan
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activated carbon
wastewater
nonionic surfactant
carbon adsorption
tank
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Application number
JP6052692A
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English (en)
Inventor
Katsuyori Matsubara
勝頼 松原
Tateshi Mayahara
立志 馬屋原
Yasuhide Takashita
泰秀 高下
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理装置の建設コストが低く、かつ、その維
持管理が簡単で、しかも、ランニングコストが低い、非
イオン界面活性剤を含有する排水の処理方法を提供する
こと。 【構成】 活性炭吸着槽7を用いて排水中W1の非イオ
ン界面活性剤を吸着除去する方法において、活性炭吸着
槽7内に微生物を存在させ、該槽内に空気12を送る排
水処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非イオン界面活性剤を含
有する排水を処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、非イオン界面活性剤を含有する排
水の処理方法として、排水中に凝集剤、酸またはアル
カリ等の薬品を規定量添加し、凝集沈殿法、加圧浮上法
等との組合せにより処理する方法(特開昭51−204
66、同52−36847、特開平03−120464
号公報等)活性炭による吸着除去法(特開昭49−6
6568号公報等)、あるいは生物学的処理方法とし
て活性汚泥法(特開昭63−44999号公報等)、曝
気式酸化池法、接触曝気法等がある。上記の方法は、
排水の濃度、処理量等に応じて規定量の薬品を添加する
必要があり、添加量等の管理方法が複雑である。また、
規定量以上の薬品を添加した場合、目標とするpH値に
ならなかったり、また、十分なフロックの生成が得られ
なかったりする結果、非イオン界面活性剤の除去率が低
下してしまうという問題がある。
【0003】上記の方法は、活性炭の吸着能力が通水
量の増加とともに落ちて来るため定期的に活性炭の交換
が必要となってくるが、活性炭は高価であり、また、交
換の手間がかかることからランニングコストが高くな
る。上記の方法は、処理速度が遅く、滞留時間を長く
する必要があるため貯水のための広大な敷地が必要とな
る。また、高い建設コストを必要とし、さらに、の方
法の処理能力は生物活動量のみに依存するため、流入す
る負荷、汚泥の量、温度等の管理が煩雑となる欠点があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、処理装置の建設コストが低く、
かつ、その維持管理が簡単で、しかもランニングコスト
が低い、非イオン界面活性剤を含有する排水の処理方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、活性炭吸着層を用いて排水中の非イオン界面活性剤
を吸着除去する方法において、活性炭吸着槽内に微生物
を存在させ、該槽内に空気を送ることを特徴とする非イ
オン界面活性剤を含有する排水の処理方法が提供され
る。また、本発明によれば、第二に、活性炭吸着層を用
いて排水中の非イオン界面活性剤を吸着除去する方法に
おいて、活性炭吸着槽内に微生物を存在させ、活性炭吸
着槽内の温度を微生物の繁殖最適温度に制御することを
特徴とする非イオン界面活性剤を含有する排水の処理方
法が提供される。また、本発明によれば、第三に、活性
炭吸着層を用いて排水中の非イオン界面活性剤を吸着除
去する方法において、活性炭吸着槽内に微生物を存在さ
せ、処理前の排水中に窒素またはリンを添加する非イオ
ン界面活性剤を含有することを特徴とする排水の処理方
法が提供される。また、本発明によれば、第四に、活性
炭吸着層を用いて排水中の非イオン界面活性剤を吸着除
去する方法において、活性炭吸着槽内に微生物を存在さ
せ、処理前排水中の非イオン界面活性剤濃度または排水
量を測定し、前記濃度または前記排水量に応じて活性炭
吸着槽の数および吸着帯の幅(排水が活性炭中を移動す
る距離)を調整することを特徴とする非イオン界面活性
剤を含有する排水の処理方法が提供される。また、本発
明によれば、第五に、活性炭吸着層を用いて排水中の非
イオン界面活性剤を吸着除去する方法において、活性炭
吸着槽内に微生物を存在させ、活性炭吸着槽内の活性炭
を機械的手段により撹拌することを特徴とする非イオン
界面活性剤を含有する排水の処理方法が提供される。ま
た、本発明によれば、第六に、活性炭吸着層を用いて排
水中の非イオン界面活性剤を吸着除去する方法におい
て、活性炭吸着槽内に微生物を存在させ、活性炭吸着槽
内の活性炭を排水の通水方向に移動させることを特徴と
する非イオン界面活性剤を含有する排水の処理方法が提
供される。また、本発明によれば、第七に、活性炭吸着
層を用いて排水中の非イオン界面活性剤を吸着除去する
方法において、活性炭吸着処理前の排水を排水中に含有
される非イオン界面活性剤の曇点以上に加熱して処理す
ることを特徴とする非イオン界面活性剤を含有する排水
の処理方法が提供される。また、本発明によれば、第八
に、活性炭吸着層を用いて排水中の非イオン界面活性剤
を吸着除去する方法において、活性炭吸着槽内にオゾン
を送ることを特徴とする非イオン界面活性剤を含有する
排水の処理方法が提供される。
【0006】以下、本発明を更に詳細に説明する。上記
第一の方法において、吸着槽内に空気を送り込む方法と
しては、コンプレッサー、ブロワー等により直接、排水
中にエアレーションする方法、排水を吸着槽内に送るポ
ンプの吸引側に空気や泡を巻き込ませ排水中に混入する
方法、排水を一度加圧タンクの中に入れて空気を排水中
に溶解させてから吸着槽内に送る方法等がある。上記第
二の方法において、水温を制御する方法としては、排水
にヒーターを作用させる方法、蒸気を排水中に吹き込む
方法、冷却水を作用させる方法、熱交換器に排水を通水
する方法等がある。
【0007】上記第三の方法において、窒素またはリン
の添加量は、窒素で0.01〜1ppm、リンで0.0
01〜0.1ppmで十分である。非イオン界面活性剤
はもともと微生物により分解しやすいため極微量で効果
を発揮する。添加により排水の再汚染の心配はない。ま
た、微生物が、その排水になれてくれば添加を中止して
もよい。上記第四の方法において、処理前の排水濃度お
よび排水量は排水濃度流量計により測定される。測定結
果にもとずいて、吸着槽を1槽または2槽以上直列ある
いは並列に接続して排水を通過させる。
【0008】上記第五の方法において、機械的な撹拌方
法としては、吸着槽内にてインペラやスクリューを回転
させる方法、ポンプの水流による方法、ボールミルのよ
うに吸着槽自身が回転する方法がある。上記第六の方法
において、活性炭の移動は通水しながらも一旦通水を止
めてからでも可能である。
【0009】上記第七の方法において、界面活性剤を分
離する方法としては、スクリーンフィルターやディプス
フィルターなど送液配管中に濾過器を用いる方法、排水
に吸着剤を作用させる方法、ベルト状やローラー状のス
キマーによる方法、重力や遠心分離機などによる比重差
を利用した沈殿または浮上方法、さらに加圧浮上を利用
した方法、真空濾過器を利用した方法などがそれぞれ単
独または組み合わせて用いることができる。
【0010】上記第八の方法において、オゾンガスの発
生方法としては、紫外線による方法、プラズマ放電法、
コロナ騒電法などが用いられる。ガス中のオゾン濃度排
水の種類、量等により適宜選択される。また、排水に、
発生したオゾンガスを溶解作用させる方法としては、排
水を入れたタンク等の容器内にオゾンガスを直接バブリ
ングする方法、排水を入れた容器内にオゾンガスを充満
させる撹拌機やポンプ等により混合する方法、オゾンガ
スを充満させた容器内に排水を噴射する方法、オゾンガ
スをあらかじめ排水以外の水に溶解させてオゾン水を生
成させ、そのオゾン水を排水に混合させる方法などが用
いられる。次に本発明方法の対象となる排水中に含まれ
る非イオン界面活性剤の例を挙げる。
【0011】ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチ
レンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、単一鎖長ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級ア
ルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテ
ル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェ
ノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンヒマシ油および硬化ヒマシ油、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレング
リコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪
酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエ
チレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、アルキルアミンオキサイド、フッ素系非イオン界面
活性剤等があり、これらはそれぞれ1種類または2種類
以上組合せて用いることができる。
【0012】また、その他の洗浄剤、添加剤、例えば、
合成ゼオライト、炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、硫酸
塩、クエン酸塩、ニトリロトリ酢酸塩、グリコン酸塩、
グリコール酸塩、アンモニウム塩、EDTA、ベンゾト
リアゾール、亜硝酸塩、自己乳化シリコーン、プロピレ
ノキシドエチレノキシドブロックポリマー、その他炭化
水素類、アルコール類、エーテル類、アセタール類、エ
ステル類、ケトン類、アミン類、アミド類、アミノエタ
ノール類、ベンゾトリアゾール類、脂肪酸類、ニトロア
ルカン類、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、
セッケン等を適宜配合して用いてもよい。
【0013】本発明において生物処理に使用される微生
物の種類としては、好気性および嫌気性のゾールクレア
やスフェロティルスなどの細菌、アメーバ類、繊毛虫
類、ベン毛虫類などの原生動物、ラン藻類、緑藻類、ケ
イ藻類などの藻類等があり、それぞれ単独、または組み
合わせて用いることができる。
【0014】
【作用】第一の方法においては、活性炭吸着槽内に微生
物を存在させ該吸着槽内に空気を送り込むことにより、
活性炭に吸着された非イオン界面活性剤を栄養とする好
気性の微生物の量を増大させる。この処理方法によれば
活性炭吸着のみで処理した場合よりさらに処理水が浄化
され、一度吸着された非イオン界面活性剤も分解され、
活性炭自身も再生されるため見かけ上の吸着量が著しく
増加し、活性炭交換サイクルを長くしランニングコスト
を低くできる。
【0015】また、排水中の非イオン界面活性剤負荷が
低下した場合でも、微生物は吸着された非イオン界面活
性剤と空気により活性炭吸着槽内で生息できる。すなわ
ち、負荷変動の大きい排水でも安定した微生物量を維持
し処理能力も安定する。その他、空気を送り込むことに
より活性炭が撹拌され、活性炭が排水に接触する機会が
増えることから吸着速度が速くなり、同じ量の排水を処
理するのに吸着槽を小型化でき、従って建設コストを低
く押えられる。
【0016】第二の方法においては、吸着槽内が微生物
の繁殖に適した温度に制御されるため活性炭に吸着され
た非イオン界面活性剤を栄養にする微生物の量を増大さ
せ、上記第一の方法と同様の処理効果をもたらす。一般
に微生物の活動の大きさは水温による影響が大きく、温
度の違いにより繁殖する微生物の種類も異なってくる。
すなわち、水温の違いは溶存酸素量の違いとなり、水温
が高いと溶存酸素量が低くなり、嫌気性微生物の繁殖が
多くなる。逆に水温が低いと溶存酸素量が高くなり、好
気性微生物の繁殖が多くなる。このようなことから必要
とする処理に適した微生物を、水温を制御することのよ
り選択的に繁殖させることができる。
【0017】第三の方法においては、活性炭吸着槽に微
生物を存在させる一方、処理前の排水に窒素またはリン
を添加して該吸着槽内に送り込むことにより、活性炭に
吸着された微生物の量を増大させ、上記第一の方法と同
様の処理効果が得られる。非イオン界面活性剤の種類ま
たは排水中の非イオン界面活性剤以外の物質の混入によ
っては適応できる微生物が少なかったり、繁殖不十分な
場合があるが、処理前の排水に窒素またはリンを添加し
吸着槽内に送り込むことにより微生物が繁殖しやすくな
る。なお、窒素やリンの添加による再汚染の心配はな
い。また、微生物がその排水になれてくれば添加を中止
してもよい。
【0018】第四の方法においては、活性炭吸着槽に微
生物を存在させる一方、処理前の排水中の非イオン界面
活性剤濃度または排水量を測定し、該濃度または排水量
により吸着槽の数、吸着帯(排水が活性炭中を移動する
距離)の幅を調整するもので、これにより活性炭の再生
効率を上げるとともに装置全体のランニングコストを低
減することができる。一般に、活性炭吸着法において
は、処理量が多い場合には単位時間当たりに排水が通過
する活性炭の面積を大きくし、処理濃度が高い場合には
吸着帯の幅を大きくする。本発明においては一般法と同
様、排水量が多い場合には吸着槽の数を増やすことによ
り有効吸着面積を増やし、同時に処理する能力を向上さ
せるが、排水量が少ない場合には吸着槽の数を減らし吸
着を休止する。休止する吸着槽は槽内に存在する微生物
により活性炭に吸着された非イオン界面活性剤が分解さ
れ、活性炭は再生されるが、その吸着槽の吸着条件を吸
着中の条件と異なった状態とすることができるため、再
生効率が高くなるような条件をとるオフライン処理を行
うことができる。
【0019】例えば再生効率を上げるために温度を上げ
る必要がある場合、昇温は休止している吸着槽のみ行え
ばよく、エネルギー効率が高くなる。また、好気性微生
物による再生と嫌気性微生物による再生をそれぞれ行い
たいような場合でも休止槽の条件を各槽単独に設定でき
るため可能となる。また、処理濃度が高く、吸着帯の幅
を大きくしたい場合には吸着槽を直列に接続したり、活
性炭の充填量を多くしたりすることは可能であるが、処
理濃度が低い場合は、吸着槽の直列接続数を減らした
り、吸着槽内の活性炭を抜き出して充填量を減らす。吸
着槽を減らす場合においても活性炭を抜き出した場合に
おいても処理法はオフライン処理となり、吸着槽に存在
させる微生物による活性炭再生の効率を上げることがで
きる。
【0020】第五の方法においては、活性炭吸着槽内に
微生物を存在させ、さらに、吸着槽内の活性炭を機械的
手段により撹拌することにより吸着槽内の液溜りの発生
が防止される他、吸着速度が速くなる等ランニングコス
トを低くすることができる。すなわち、液が滞留してい
る場所では供給される酸素量が低くなりやすく、嫌気性
微性物が生息しやすくなる。そのためメタンガスや硫化
水素が発生し異臭が問題になる場合がある。また発生す
るフロックが大型化しやすく、いわゆる膨化現象(バル
キング)により処理効率を低下させる。本発明において
は、活性炭を機械的に撹拌するため活性炭が均一に混じ
りあい、吸着槽内の液溜りがなくなる。また、活性炭が
排水に接触する機会が増えることから、吸着速度が速く
なる上、活性炭単位質量当たりの吸着量を高くできラン
ニングコストを低くすることができる。
【0021】第六の方法においては、活性炭吸着槽内に
微生物を存在させ、さらに、吸着槽内の活性炭を排水の
方向とは逆の方向に移動させることにより、吸着槽内の
上流では高濃度の非イオン界面活性剤の処理が可能とな
り、下流では再生炭や新炭との接触が可能となり装置全
体として微生物処理能力ならびに活性炭吸着能力を最大
に利用することができる。すなわち、本発明において
は、一定時間通水した後、活性炭を排水の通水方向とは
逆の方向に移動させ、層内で最も古い活性炭を一部抜き
出し、同量の再生炭または新炭を最も下流側に補給す
る。活性炭吸着槽内での微生物による非イオン界面活性
剤の分解能力は微生物の増加にともない向上するが、微
生物を増加させるためには時間がかかる。すなわち、活
性炭に含有される微生物が少ない場合、例えば活性炭が
新しいうちは微生物による分解能力はほとんど期待でき
ないが、時間が経過し微生物が増加した後は分解能力が
向上し、高濃度の非イオン界面活性剤の処理が可能とな
る。
【0022】本発明によれば、活性炭を排水の通水方向
とは逆の方向に移動させるため、非イオン界面活性剤濃
度の高い排水は常に槽内で最も微生物の繁殖した活性炭
に接触するので微生物による分解能力を最大限利用で
き、また下流では微生物の繁殖が大きくない場所でも排
水の濃度が低くなっているため十分な処理能力を持つこ
とができる。さらに、活性炭の吸着能力から見ても、吸
着槽内下流の排水は常に再生炭または新炭と接触するた
めに高度に浄化されたものが得られ、上流では常に高濃
度排水に接触し最大吸着量に近ずく。
【0023】第七の方法においては、活性炭吸着処理前
の排水を、その非イオン界面活性剤の曇点以上に加熱、
昇温させて処理することにより、界面活性剤が簡単に分
離され、排水中の界面活性剤濃度は低くなるため活性炭
の負荷が小さくなり、そのため活性炭の寿命が長くな
り、ランニングコストの低減が可能となる。すなわち、
本発明における排水温度を排水中に非イオン界面活性剤
が持つ固有の曇点により決定される。非イオン界面活性
剤はその曇点以上に加熱されると水に対する溶解性が急
激に減少することが知られており、水から析出する。排
水温度は曇点以上で用いられるが、省エネ等の観点から
好ましくは曇点より0〜50℃高い温度に設定される。
析出した非イオン界面活性剤は見かけ上、大きな集団を
形成するため、簡単に水より分離される。非イオン界面
活性剤が加熱分離された後の排水はその濃度も低く、活
性炭吸着によりさらに高度に浄化されるが、活性炭の負
荷が小さくなるため活性炭の寿命が長くなり、ランニン
グコストの低減が加能となる。また、排水を一度高い温
度にすることにより排水処理に寄与しない微生物の殺菌
効果も期待できる。
【0024】第八の方法においては、活性炭吸着槽内に
オゾンを送り込み、排水中の非イオン界面活性剤に作用
させることにより活性炭に対する吸着性を高度に高める
ことができる。すなわち、オゾンは天然物質ではフッ素
に次いで酸化還元電位が高く、強い酸化力を有すること
が知られており、本発明においてはオゾンを非イオン界
面活性剤に作用させることによりその一部が界面活性剤
中の水素元素、炭素元素を酸化して、それぞれH2O、
CO2となり、その一部が酸化分解するが、さらに、オ
ゾンは界面活性剤の分子構造の一部に酸素を結合させ、
このとき非イオン界面活性剤の分子同士が酸素によるエ
ーテル結合をし、分子量が大きくなる。特に、非イオン
界面活性剤中には二重結合が多く存在するため、この作
用が大きくなる。一方、活性炭に対する吸着性は吸着さ
れる物質の分子量が大きいほど高いことが知られてお
り、オゾンを作用させた後の非イオン界面活性剤を含有
する排水を活性炭に通すと高い吸着性を実現することが
できる。また、好気性微生物による排水処理は、酸化分
解作用であるため、すでに分子構造の一部に酸素が結合
した界面活性剤は微生物による生分解が容易になるた
め、好気性微生物による排水処理との組合せで相乗効果
が期待される。
【0025】以下、図1ないし図4により本発明をさら
に詳細に説明する。図1は、排水処理装置の一例を示す
ものである。図1において、排水原水W1は第1タンク
1に流入して貯留され、第1タンク1内に設置されたヒ
ーター2により排水中に含有される非イオン界面活性剤
の曇点以上に昇温される。昇温により析出、浮上した非
イオン界面活性剤は第1タンク1上部に設置されたベル
トスキマー3により回収される。ポンプP1は第1タン
ク1下部より排水を抜き出し、第2タンク4に投入す
る。薬液タンク5内には窒素およびリンが混合された栄
養液Dが入れられており、定量ポンプPaにて栄養液E
を第2タンク4内に滴下する。ポンプP2により第2タ
ンク4下部より排水を抜き出し、吸着槽7下部より投入
し、吸着槽7内を下から上に移動し、処理水W2として
排水する。このときにオゾン水発生装置8により発生し
たオゾン水(図中、OZ)はオゾン水混合器9により排
水中に混入され、吸着槽7に送り込まれる。
【0026】吸着槽7の中には活性炭22が充填されて
おり、撹拌器10により撹拌されている。吸着槽7内の
水温は温度センサー23により検出され、第2タンク4
内に設置された冷却器11により温度制御される。吸着
槽7下部からは圧搾空気12が送り込まれ、吸着槽7上
部に設置されたエアー抜き13により余剰空気は排出さ
れる。また、第2タンク4から吸着槽7に投入される排
水の濃度および排水量は排水濃度流量計14により検出
される。吸着槽7内の活性炭22は、排水の濃度、排水
量により吸着槽7下部に設置された排水バルブ15より
抜き出すことにより吸着槽7内を水流と逆の上から下に
移動し、排水計量器16により排水量が計量され、計量
された排出量と同量の活性炭22を吸着槽7上部に設置
されたホッパー19から投入バルブ20を通して活性炭
22が充填される。
【0027】上例では、各部分は各1台で実施している
が、第1タンク1、ベルトスキーマー3、ヒーター2、
ポンプP1を複数台使用するなど、機器の台数を自由に
増やすことができる。図2、図3および図4は、排水の
濃度または排水量により、吸着槽の数および吸着帯の幅
を変えるため、吸着槽の接続数や接続ルートを種々変え
た例を示すものである。まず、図2は、排水濃度が低
く、かつ、排水量が少ない場合を示し、流入した排水
は、バルブV0、V1を開けることにより吸着槽Aのみ通
過するものである。図3は、排水濃度が高く、かつ、排
水量が少ない場合を示し、流入した排水は、バルブ
1、V2を開けることにより吸着槽Aおよび吸着槽Bを
通過するため、吸着帯の幅が大きくなり、高濃度吸着が
できる。
【0028】図4は、排水濃度が低く、かつ、排水量が
増えた場合を示し、流入した排水は、V0、V1、V3
開けることにより吸着槽Aおよび吸着槽Cを通過するた
め、処理量を増やせる。このように、吸着槽の直列数や
並列数を自由に変えることができる。上例では、休止中
の吸着槽は活性炭を充填したまま、または活性炭を抜き
出して、含有する微生物により再生を行うことができ
る。次に上記装置を使用して生物処理をした例を挙げ
る。なお、以下の例ではゾークレア等の細菌類を増殖さ
せてゼラチン状にしたものを活性炭に付着させて使用し
た。
【0029】
【実施例】
【0030】実施例1 非イオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル濃度が50ppm処理量50 l/時である
排水、該濃度が500ppm、処理量50 l/時であ
る排水、該濃度が50ppm、処理量500 l/時で
ある排水の3種類が2時間ごとに切り替わる排水処理を
行った。第1タンク1の温度を60℃とし、栄養Eとし
て窒素およびリンの第2タンク4内の排水中の濃度が窒
素0.1ppm、リン0.05ppmとなるように滴下
し、オゾン水混合後のオゾン濃度が3ppm、圧搾空気
の吹き込み量が1Nm2/分、撹拌器の回転数を10回
転/時、吸着槽内の温度が30〜40℃となるようにし
て、吸着槽1台のみで処理を行ったときの最終処理水を
1時間ごとにサンプリングし、BOD値をJIS KO
102−21にて測定した結果を図5に示す。
【0031】実施例2 活性炭の排出量および投入量が3g/時となるよう排出
バルブ、投入バルブを調節した他は実施例1と同様に行
った。
【0032】実施例3 非イオン界面活性剤濃度が50ppm、処理量が50
l/時であるときに図2に示す1槽吸着とし、濃度50
0ppm、処理量が50 l/時であるときに図3で示
す直列の2槽吸着とし、濃度が50ppm、処理量が5
00 l/時であるときに図4で示す並列の1槽吸着と
し、休止する吸着槽には窒素1ppm、リン0.5pp
mとなるように添加した他は実施例1と同様に行った。
【0033】比較例 従来の活性炭を用いた活性炭吸着槽を1台使用し、実施
例1と同じ排水を通水した。
【0034】以上の実施例および比較例の結果をまとめ
ると次の通りである。 比較例の方法は排水を活性炭の吸着力のみ利用した
処理方法であるため、経時での積算処理量が増えるに従
って吸着能力は低下していく。 これに対して実施例1の方法は微生物を存在させ、
吸着層内への圧搾空気の吹き込み、槽内温度の調整等に
より、活性炭の寿命が比較例より延びた。また、実施例
2の方法は活性炭の抜き出し、追加により、実施例1に
比べ経時的に安定した処理能力が得られた。さらに、実
施例3の方法は排水濃度、処理量により活性炭吸着槽の
直列数、並列数を変えることにより一定の処理能力を得
ることができた。
【0035】
【発明の効果】活性炭吸着層に微生物を存在させる本発
明の排水処理方法によれば、従来の活性炭吸着槽による
処理に比べ、同じ量の排水処理を行うのに吸着槽を小型
化できるため建設コストを低く押えることができる(第
一の方法)。また、(a)吸着量が増大し活性炭交換サ
イクルを長くさせる(第二、第三の方法)、(b)活性
炭吸着効率と微生物再生効率を上げる(第四の方法)、
(c)活性炭単位質量当たりの吸着量を高くできる(第
五の方法)、(d)微生物処理能力と活性炭吸着能力を
最大にできる(第六の方法)、(e)活性炭の寿命を長
くさせる(第七の方法)、(f)活性炭の吸着性を増大
させる(第八の方法)ことから排水処理におけるランニ
ングコストを低下させることができる。さらに、これら
の処理にメンテナンスの手間はほとんどかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水処理方法の一例を示す概略説明図
である。
【図2】本発明における吸着槽の接続例を示す説明図で
ある。
【図3】本発明における吸着槽の接続例を示す他の説明
図である。
【図4】本発明における吸着槽の接続例を示す更に別の
説明図である。
【図5】本発明による排水処理時間(hr)とBOD
(ppm)の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 第1タンク 2 ヒーター 4 第2タング 5 薬液タンク 7 吸着槽 8 オゾン発生装
置 9 オゾン混合器 10 撹拌機 11 冷却器 12 圧搾空気 14 排水濃度流量計 16 排出計量器 18 排出活性炭 19 ホッパー 21 モーター 22 活性炭 W1 排水原水 W2 処理水 E 窒素−リン混合栄養 P1 ポンプ1 P2 ポンプ Pa 定量ポンプ OZ オゾン水

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭吸着層を用いて排水中の非イオン
    界面活性剤を吸着除去する方法において、活性炭吸着槽
    内に微生物を存在させ、該槽内に空気を送ることを特徴
    とする非イオン界面活性剤を含有する排水の処理方法。
  2. 【請求項2】 活性炭吸着層を用いて排水中の非イオン
    界面活性剤を吸着除去する方法において、活性炭吸着槽
    内に微生物を存在させ、活性炭吸着槽内の温度を微生物
    の繁殖最適温度に制御することを特徴とする非イオン界
    面活性剤を含有する排水の処理方法。
  3. 【請求項3】 活性炭吸着層を用いて排水中の非イオン
    界面活性剤を吸着除去する方法において、活性炭吸着槽
    内に微生物を存在させ、処理前の排水中に窒素またはリ
    ンを添加することを特徴とする非イオン界面活性剤を含
    有する排水の処理方法。
  4. 【請求項4】 活性炭吸着層を用いて排水中の非イオン
    界面活性剤を吸着除去する方法において、活性炭吸着槽
    内に微生物を存在させ、処理前排水中の非イオン界面活
    性剤濃度または排水量を測定し、前記濃度または前記排
    水量に応じて活性炭吸着槽の数および吸着帯の幅(排水
    が活性炭中を移動する距離)を調整することを特徴とす
    る非イオン界面活性剤を含有する排水の処理方法。
  5. 【請求項5】 活性炭吸着層を用いて排水中の非イオン
    界面活性剤を吸着除去する方法において、活性炭吸着槽
    内に微生物を存在させ、活性炭吸着槽内の活性炭を機械
    的手段により撹拌することを特徴とする非イオン界面活
    性剤を含有する排水の処理方法。
  6. 【請求項6】 活性炭吸着層を用いて排水中の非イオン
    界面活性剤を吸着除去する方法において、活性炭吸着槽
    内に微生物を存在させ、活性炭吸着槽内の活性炭を排水
    の通水方向に移動させることを特徴とする非イオン界面
    活性剤を含有する排水の処理方法。
  7. 【請求項7】 活性炭吸着層を用いて排水中の非イオン
    界面活性剤を吸着除去する方法において、活性炭吸着処
    理前の排水を排水中に含有される非イオン界面活性剤の
    曇点以上に加熱して処理することを特徴とする非イオン
    界面活性剤を含有する排水の処理方法。
  8. 【請求項8】 活性炭吸着層を用いて排水中の非イオン
    界面活性剤を吸着除去する方法において、活性炭吸着槽
    内にオゾンを送ることを特徴とする非イオン界面活性剤
    を含有する排水の処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007319789A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Sharp Corp 水処理方法および水処理装置
JP2014111231A (ja) * 2012-12-05 2014-06-19 Hitachi Ltd 炭素被覆多孔体並びにこれを用いた水浄化用吸着槽及び水浄化システム

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