JPH07235318A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

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Publication number
JPH07235318A
JPH07235318A JP6325247A JP32524794A JPH07235318A JP H07235318 A JPH07235318 A JP H07235318A JP 6325247 A JP6325247 A JP 6325247A JP 32524794 A JP32524794 A JP 32524794A JP H07235318 A JPH07235318 A JP H07235318A
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JP
Japan
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anode
electrode
layer
cathode
fuel cell
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Pending
Application number
JP6325247A
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English (en)
Inventor
Kunio Shibata
邦雄 柴田
Taiji Kogami
泰司 小上
Takamasa Mitsuzuka
隆正 三塚
Toru Hayakawa
亨 早川
Sanji Ueno
三司 上野
Kentaro Matsunaga
健太郎 松永
Kenichi Kaneda
研一 金田
Kyotaro Iyasu
巨太郎 居安
Shinichi Ikeda
紳一 池田
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Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Inc
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Publication date
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Publication of JPH07235318A publication Critical patent/JPH07235318A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、パージガス中の不純物による単位セ
ルコーナ部の腐食を確実に防止して耐久性を向上させる
と共に、安価な改質器の排気ガスをパージガスとして使
用して運転コストの低減を図れることを最も主要な目的
としている。 【構成】本発明は、マトリックスに電解質を含浸した電
解質層を挟んで一対のカソード電極とアノード電極を配
置してなる単位セルと、当該各単位セル間に挿入される
セパレータ板と、冷却板とを複数個積層して積層体を形
成し、かつ当該積層体の側面に、反応ガス供給・排出用
のガスマニホールドを配置して構成される燃料電池にお
いて、単位セルのコーナ部におけるカソード電極とアノ
ード電極との間を電気的に絶縁して成ることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池に係り、特に
パージガス中の不純物による単位セルコーナ部の腐食を
確実に防止して耐久性を向上させると共に、安価な改質
器の排気ガスをパージガスとして使用して運転コストの
低減を図るようにした燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、燃料の有している化学エネル
ギーを、電気化学プロセスで酸化させることにより酸化
反応に伴なって放出されるエネルギーを、直接電気エネ
ルギーに変換する装置として、燃料電池が知られてい
る。
【0003】この燃料電池は、通常、マトリックスに電
解質を含浸した電解質層を挟んで一対の多孔質電極であ
るアノード電極およびカソード電極を配置して1個の電
池(以下、単位セルと称する)を形成し、一方の電極で
あるアノード電極の背面側に水素等の燃料ガス(反応ガ
ス)を供給すると共に、他方の電極であるカソード電極
の背面側に酸素等の酸化剤ガス(反応ガス)を供給する
ことにより起こる電気化学的反応を利用して、上記一対
の電極間から電気エネルギーを取り出すようにしたもの
であり、上記燃料ガスと酸化剤ガスが供給されている限
り、高い効率で電気エネルギーを取り出すことができる
ものである。
【0004】そして、単位セルの出力電圧は小さい
(0.8ボルト程度)ため、実用機では複数個の単位セ
ルをセパレータ板を介して直列に積層して燃料電池積層
体(以下、単に積層体と称する)を構成している。
【0005】この種の燃料電池を備えて成る燃料電池発
電システムは、比較的小さな規模でも、発電の熱効率が
40〜50%にも達し、新鋭火力発電を遥かに凌ぐと期
待されている。
【0006】また、近年大きな社会問題になってきてい
る公害要因であるSOx、NOxの排出が極めて少な
い、振動が小さい等により騒音・排ガス等の環境問題が
少ない等の利点を有している。
【0007】さらに、負荷変動に対して応答性が良い、
原理的に高い変換効率が期待できると共に、発電と同時
に熱も利用するコジェネシステムに向いている、等の特
徴がある。
【0008】以上のようなことから、その研究開発に期
待と関心が寄せられ、燃料電池発電システムの実用化は
眼前に迫っている。
【0009】そして、この種のシステムとしては、例え
ば“特開昭60−93765号公報”に示されたものが
知られている。
【0010】図26は、燃料電池本体の基本的な構成例
を示す斜視図である。
【0011】すなわち、図26に示すように、燃料電池
本体は、発電のための多数の単位セルと、単位セルで発
生する熱を排出するための冷却板とからなる積層体1、
この積層体1を締め付ける締付板2、積層体1と締付板
2との間に挿入するスペーサ3、反応ガス供給・排出用
のガスマニホールド4(カソード側4a,アノード側4
b)、ガスマニホールド4と積層体1との間をシールす
るシール材5、図示しない冷却水供給・排出用の水マニ
ホールド、図示しない電気出力取出し用のブスバー等に
よって構成されており、積層体1の単位セルには水素等
の燃料ガスと空気(酸素)等の酸化剤ガスが、また冷却
板には水等の冷媒が、それぞれ外部から供給、排出され
る。なお、図中、6は上記単位セルのコーナ部を示して
いる。
【0012】また、図27は、上記燃料電池本体におけ
る単位セルの構成例を示す分解斜視図である。
【0013】すなわち、図27に示すように、単位セル
は、マトリックスに電解質を含浸した電解質層7を挟ん
で一対のカソード電極8とアノード電極9を配置してな
っている。なお、図27中、10は上記シール材5の取
付け位置、11は上記単位セルの反応部をそれぞれ示し
ている。
【0014】ところで、反応ガス圧力が数kg/cm2
の高圧型の燃料電池の場合には、上記積層体1を円筒形
タンク内に収納し、タンクには外部から反応ガスよりも
若干圧力の高い不活性のパージガスを供給し、シール不
良の場合に反応ガスがタンク内へ漏洩して、燃料ガスと
酸化剤ガスが直接反応するのを防止するようにしてい
る。
【0015】すなわち、ガスマニホールド4と積層体1
との間のシールが不良の場合、ガスマニホールド4より
も外側の単位セルコーナ部6からガスマニホールド4内
にパージガスを押し込むことによって、反応ガスのタン
ク内への漏洩を防止するようにしている。
【0016】また、反応ガス圧力がほぼ大気圧の常圧型
の燃料電池の場合には、上記積層体1を少なくとも1個
を筐体内に収納し、筐体内を空気または不活性ガスでパ
ージするようにしている。これにより、反応ガスが筐体
内へ漏洩した場合に、その濃度があまり大きくならない
ようにしている。
【0017】一方、上述したような高圧型の燃料電池の
場合、タンク内のパージガスとして、従来では純窒素ガ
スを用いているが、最近では安価な改質器の排気ガス等
を使用して運転コストの低減を図る方法が検討されてき
ている。
【0018】しかしながら、改質器の排気ガスは、窒素
ガス以外に、燃焼によるSOx、NOx、二酸化炭素、
水蒸気、酸素等の不純物が混入している。すなわち、シ
ステムの負荷レベルに応じて、改質器バーナの燃焼量が
大きく異なるため、これらの不純物の量は、システムの
負荷レベルに応じて、過渡的にも大きく変動する。
【0019】従って、システムの運転条件によっては、
定常的または過渡的に改質器の排気ガス中の不純物の量
が基準値を超えてしまう。
【0020】一方、単位セルコーナ部6はシール部にな
っていることから、システムの運転時には非反応部とな
って電流が流れないため、反応部と比較して高電位とな
る。このため、高温高圧条件下で、基準値を超えた多量
の不純物が、ガスマニホールド4よりも外側の単位セル
コーナ部6に接触すると、カソード電極8とアノード電
極9との間が、電解質層7を介して電気的に非絶縁であ
ることから、単位セルの電位によっては燃料電池の反応
ガスと異常な反応をして、単位セルに腐食が発生すると
いう問題がある。
【0021】また、図28はリブ付き電極型燃料電池ス
タックを示す分解斜視図である。
【0022】このリブ付き電極型燃料電池スタックは、
図28に示すように電解質層を挟んで、反応ガスを供給
するための溝を形成したアノード電極31およびカソー
ド電極32をそれぞれ配置してなる単位セルSを、ガス
不透過性のセパレータ33または冷却板34を介して複
数個積層して構成されている。なお、一般的に冷却板3
4はセパレータ枚数毎に配置されている。図28におい
て、35はアノード電極31のエッジ部36はカソード
電極32のエッジ部、37はアノード電極31のガス出
入口部、38はカソード電極32のガス出入口部をそれ
ぞれ示す。
【0023】以上はリブ付き電極型燃料電池スタックの
構成例であるが、次に平板電極型燃料電池スタックの構
成例について図29に示す分解斜視図により説明する。
【0024】平板電極型燃料電池スタックは電解質層を
挟んで、平板のアノード電極31Aおよびカソード電極
32Aをそれぞれ配置してなる単位セルSを、燃料ガス
または酸化剤ガスをそれぞれ上記電極に供給する溝を形
成した電解液保持板31Bおよび32Bで挟み、ガス不
透過性のセパレータ33または冷却板34を介して複数
個積層して構成されている。なお、一般的に冷却板34
はセパレータ数枚毎に配置されている。図28におい
て、35Aはアノード電極31Aのエッジ部、36Aは
カソード電極32Aのエッジ部、37Aはアノード電極
31Aのガス出入口部、38Aはカソード電極32Aの
ガス出入口部、35Bは電解液保持板31Bのエッジ
部、36Bは電解質保持板32Bのエッジ部、37Bは
電解液保持板31Bのガス出入口部、38Bは電解質保
持板32Bのガス出入口部をそれぞれ示す。
【0025】その他の構成例として、燃料ガスおよび酸
化剤ガスをそれぞれ上記平板電極に供給する溝を表裏に
それぞれ形成したガス不透過性のリブ付きセパレータを
介して上記平板型電極の単位セルSを複数個積層したバ
イポーラ型燃料電池スタックが挙げられるが、上記のバ
イポーラ型燃料電池スタックは前記平板電極型燃料電池
スタックの変形例であり、同一の構造であるとみなせ
る。
【0026】なお、燃料電池本体の構成例については図
26と同様なので、その説明を省略する。
【0027】通常、加圧運転する燃料電池においては、
燃料電池本体は圧力容器等の中に収納されており、運転
中は容器内は不活性ガスで加圧されている。また、燃料
電池スタックのコーナ部からのガスリークによる爆発を
防止するため、圧力容器内は不活性ガスでパージされて
いる。
【0028】従来より、上記燃料電池本体を長時間運転
するとカソード電極のガス出入口部38が徐々に損傷を
受け、電池電圧が低下することが知られている。この原
因のひとつとして、アノードエッジ部35またはカソー
ドエッジ部36での反応ガスリークによるクロスオーバ
(燃料ガスと酸化剤ガスが混合する現象)が考えられて
いる。このため、電極エッジ部からの反応ガスリークを
防止することを目的に、アノードエッジ部35およびカ
ソードエッジ部36を耐電解質性のシートで覆うことが
提案されている。前記技術によれば電極エッジ部からの
反応ガスリークは防止されるが、アノード電極とカソー
ド電極に挟まれるシートの幅が考慮されておらず、依然
カソード電極のガス出入口部38近傍に損傷を受ける場
合があることが明らかとなった。
【0029】また、燃料電池本体を収納している圧力容
器内のガスに酸素および水蒸気が含まれていると燃料電
池スタックのコーナ部6においてカソード電極が損傷を
受けることから、前述の様に圧力容器内を不活性ガスで
パージしている。しかし、不活性ガスにより圧力容器内
をパージするためには、不活性ガス貯蔵設備または不活
性ガス発生設備が必要となる。また、不活性ガス貯蔵設
備では不活性ガス消費、運転管理、保安管理コストが必
要となり、不活性ガス発生設備では、消費電力、運転管
理、保安管理コストがそれぞれ必要となる。それ故、不
活性ガスによるパージは設備コスト、運転コストが高く
なる欠点があった。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
リブ付き電極型燃料電池スタックにおいては、運転コス
トを低減しようとして、改質器の排気ガスをパージガス
として使用した場合に、パージガス中の不純物によって
単位セルコーナ部に腐食が発生するという問題があっ
た。
【0031】また、平板型電極型燃料電池スタックにお
いては、カソード電食の問題が発生するばかりではな
く、設備コスト、運転コストが高くなるという欠点があ
った。本発明は、上記のような問題点を解消し、パージ
ガス中の不純物による単位セルコーナ部の腐食を確実に
防止して耐久性を向上させると共に、安価な改質器の排
気ガスをパージガスとして使用して運転コストの低減を
図り、またカソードの電気化学的腐食(電食)を確実に
防止し、さらに燃料電池本体を収納している圧力容器内
のパージガスとして、酸素を含むガスを使用できるよう
にすることにより設備コスト、運転コストの低減を図る
ことが可能な極めて信頼性の高い燃料電池を提供するこ
とを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するた、次のような手段により燃料電池を構成するも
のである。
【0033】請求項1に対応する発明は、マトリックス
に電解質を含浸した電解質層を挟んで一対のカソード電
極とアノード電極を配置してなる単位セルと、当該各単
位セル間に挿入されるセパレータ板と、冷却板とを複数
個積層して積層体を形成し、かつ当該積層体の側面に、
反応ガス供給・排出用のガスマニホールドを配置して構
成される燃料電池において、単位セルのコーナ部におけ
るカソード電極とアノード電極との間を電気的に絶縁し
て成る。
【0034】ここで、特に上記電解質層としては、カソ
ード電極およびアノード電極のコーナ部に対応する部分
が切り欠かれた形状をなしており、当該切欠部に絶縁物
層が設けられている。そして、この場合、絶縁物層とし
ては、その厚さを電解質層の厚さとほぼ同じにしてい
る。
【0035】請求項2及び3に対応する発明は、上記カ
ソード電極およびアノード電極として、その少なくとも
一方の電極における電解質層のコーナ部に対応する部分
が切り欠かれた形状をなしており、当該切欠部に絶縁物
層が設けられている。そして、この場合、絶縁物層とし
ては、その厚さを前記カソード電極、アノード電極の厚
さとほぼ同じにしている。
【0036】請求項4に対応する発明は、上記単位セル
のコーナ部におけるカソード電極と電解質層との間、お
よびアノード電極と電解質層との間の少なくとも一方
に、絶縁物層が挿入されている。
【0037】請求項5に対応する発明は、上記単位セル
のコーナ部における絶縁物層の寸法としては、ガスマニ
ホールドの外部に露出する単位セルコーナ部よりも大き
いと共に、当該単位セルの反応部よりも外部に位置す
る。
【0038】請求項6に対応する発明は、マトリックス
に電解質を含浸した電解質層を挟んで一対のカソード電
極とアノード電極を配置してなる単位セルと、当該各単
位セル間に挿入されるセパレータ板と、冷却板とを複数
個積層して積層体を形成し、かつ当該積層体の側面に、
反応ガス供給・排出用のガスマニホールドを配置して構
成される燃料電池において、前記積層体とガスマニホー
ルドとのシール部よりも外側の前記単位セルのコーナ部
に、耐蝕性を有するコーティング材料からなるコーティ
ング層を設ける。
【0039】請求項7に対応する発明は、上記請求項6
のコーティング層として、単位セルの側面および上下面
の一部まで連続して設ける。
【0040】請求項8に対応する発明は、上記請求項6
のコーティング層として、カソード電極、アノード電極
の少なくとも一方の電極のコーナ部に設ける。
【0041】請求項9に対応する発明は、マトリックス
に電解質を含浸した電解質層を挟んで一対の電極を配置
して成り、前記一方の電極であるアノード電極側に燃料
ガスを供給すると共に他方の電極であるカソード電極側
に酸化剤ガスを供給することにより電気エネルギーを出
力する単位セルを、セパレータを介して複数個積層して
構成した燃料電池において、前記燃料ガスの流通方向と
平行なアノード電極のコーナ部を含むエッジ部の少なく
とも一部について、当該エッジ部の端面、または端面と
一体化面(対極と接する面)、もしくは端面と一体化面
と前記セパレータに接する積層シール面を、耐熱性およ
び耐薬品性を有する樹脂部材で覆う。
【0042】請求項10に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部とカソードガス
出入口部の間に耐電解質性の絶縁シートを、少なくとも
カソードマニホールドの内部に位置する部分に挟み配置
し、前記耐電解質性の絶縁シートはアノード触媒層とア
ノードシールバンド層の境界面を覆いかつカソード触媒
層を覆わないように配置し、前記電解質性の絶縁シート
は少なくともアノードエッジ部でセル外に突出させる。
【0043】請求項11に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部を全長にわたり
耐電解質性の絶縁シートにてコの字に覆い、アノード電
極とカソード電極に挟まれる部分の前記絶縁シートをア
ノード触媒層とアノードシールバンド層の境界面を覆い
かつカソード触媒層を覆わないように配置し、アノード
コーナ部で前記絶縁シートのコの字端部がセル外に突出
させる。
【0044】請求項12に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部を全長にわたり
耐電解質性の絶縁シートにてコの字状に覆うと共に、ア
ノード電極とカソード電極に挟まれる部分の前記絶縁シ
ートをカソード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノー
ドシールバンド層の境界面を覆うように配置し、且つア
ノードコーナ部で前記絶縁シートのコの字端部がセル外
に突出させる。
【0045】請求項13に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部を全長にわたり
耐電解質性の絶縁シートにてコの字状に覆うと共に、ア
ノードコーナ部で前記絶縁シートのコの字端部を融着
し、且つアノード電極とカソード電極に挟まれる部分の
前記絶縁シートをカソード触媒層を覆わずアノード触媒
層とアノードシールバンド層の境界面を覆うように配置
する。
【0046】請求項14に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部の少なくともカ
ソードマニホールドの内部に位置する部分を耐電解質性
の絶縁シートにてコの字に覆うと共に、アノード電極と
カソード電極に挟まれる部分の前記絶縁シートをアノー
ド触媒層とアノードシールバンド層の境界面を覆いかつ
カソード触媒層を覆わないように配置する。
【0047】請求項15に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部とカソード電極
のガス出入口部の間に耐電解質性の絶縁シートを、カソ
ード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノードシールバ
ンド層との境界面を覆うようにしてアノードエッジ部全
長にわたり挟み込み、且つ前記電解質性の絶縁シートは
少なくともアノードエッジ部、アノードコーナ部でセル
外に突出させて配置する。
【0048】請求項16に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部とカソードガス
出入口部の間に耐電解質性の絶縁シートを、カソード触
媒層を覆わずアノードシールバンド層の境界面を覆うよ
うに少なくともカソードマニホールドの内部に位置する
部分に挟み込み、且つ少なくてもアノードエッジ部でセ
ル外に突出させて配置する。
【0049】請求項17に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部を全長にわたり
耐電解質性の絶縁シートにてコの字状に覆うと共に、ア
ノード電極とカソード電極に挟まれる部分の前記絶縁シ
ートをカソード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノー
ドシールバンド層との境界面を覆うように配置し、且つ
アノードコーナ部で前記絶縁シートのコの字端部がセル
外に突出させる。
【0050】請求項18に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部を全長にわたり
耐電解質性の絶縁シートにてコの字状に覆うと共に、ア
ノードコーナ部で前記絶縁シートのコの字端部を融着
し、且つアノード電極とカソード電極に挟まれる部分の
前記絶縁シートをカソード触媒層を覆わずアノード触媒
層とアノードシールバンド層の境界面を覆うように配置
する。
【0051】請求項19に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部の少なくともカ
ソードマニホールドの内部に位置する部分を耐電解質性
の絶縁シートにてコの字状に覆うと共に、アノード電極
とカソード電極に挟まれる部分の前記絶縁シートをカソ
ード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノードシールバ
ンド層の境界面を覆うように配置する。
【0052】請求項20に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部およびアノード
側の電解液保持板のエッジ部を全長にわたり耐電解質性
の絶縁シートにてコの字状に覆うと共に、アノード電極
とカソード電極に挟まれる部分の前記絶縁シートをカソ
ード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノードシールバ
ンド層の境界面を覆うように配置し、且つアノードコー
ナ部で前記絶縁シートのコの字端部をセル外に突出させ
る。
【0053】請求項21に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部およびアノード
側の電解液保持板のエッジ部を全長にわたり耐電解質性
の絶縁シートにてコの字状に覆うと共に、アノードコー
ナ部で前記絶縁シートのコの字端部を融着し、且つアノ
ード電極とカソード電極に挟まれる部分の前記絶縁シー
トをカソード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノード
シールバンド層の境界面を覆うように配置する。
【0054】請求項22に対応する発明は、アノード電
極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部およびアノード
側の電解液保持板のエッジ部の少なくともカソードマニ
ホールドの内部に位置する部分を耐電解質性の絶縁シー
トにてコの字状に覆うと共に、アノード電極とカソード
電極に挟まれる部分の前記絶縁シートをカソード触媒層
を覆わずアノード触媒層とアノードシールバンド層の境
界面を覆うように配置する。
【0055】
【作用】請求項1乃至請求項5に対応する発明の燃料電
池にあっては、単位セルのコーナ部におけるカソード電
極とアノード電極との間を電気的に絶縁することによ
り、単位セルのコーナ部には、単位セルの電位にかかわ
らず腐食の原因である腐食電流が流れなくなるため、パ
ージガス中の不純物と直接接触した場合でも、単位セル
に腐食が発生するのを防止することができる。
【0056】また、単位セルのコーナ部におけるカソー
ド電極とアノード電極との間を電気的に絶縁することに
より、酸素を含むガス(改質器の排気ガス等)をタンク
内部のパージガスとして使用することが可能となり、運
転コストの低減を図ることができる。
【0057】請求項6乃至請求項8に対応する本発明の
燃料電池にあっては、積層体とガスマニホールドとのシ
ール部よりも外側の単位セルのコーナ部に、耐蝕性を有
するコーティング材料からなるコーティング層を設ける
ことにより、積層体とガスマニホールドとのシール部よ
りも外側の単位セルのコーナ部が、パージガス中の不純
物と直接接触することはなくなるため、単位セルに発生
する腐食を防止することができる。
【0058】また、積層体とガスマニホールドとのシー
ル部よりも外側の単位セルのコーナ部に、耐蝕性を有す
るコーティング材料からなるコーティング層を設けるこ
とにより、酸素を含むガス(改質器の排気ガス等)をタ
ンク内部のパージガスとして使用することができ、運転
コストの低減を図ることができる。
【0059】請求項9に対応する発明の燃料電池にあっ
ては、積層体とガスマニホールドとのシール部よりも外
側の単位セルのコーナ部に、耐蝕性を有するコーティン
グ材料からなるコーティング層を設けることにより、積
層体とガスマニホールドとのシール部よりも外側の単位
セルのコーナ部が、パージガス中の不純物と直接接触す
ることはなくなるため、単位セルに発生する腐食を防止
することができる。
【0060】また、積層体とガスマニホールドとのシー
ル部よりも外側の単位セルのコーナ部に、耐蝕性を有す
るコーティング材料からなるコーティング層を設けるこ
とにより、酸素を含むガス(改質器の排気ガス等)をタ
ンク内部のパージガスとして使用することができ、運転
コストの低減を図ることができる。
【0061】以上により、パージガス中の不純物による
単位セルコーナ部の腐食を確実に防止して耐久性を向上
させると共に、安価な改質器の排気ガスをパージガスと
して使用して運転コストの低減を図ることができる。
【0062】一方、請求項10乃至22に対応する発明
にあっては、従来のセル構造と対比すると次のような作
用を奏する。
【0063】従来構造のセルにおいて、カドードマニホ
ールド内部のアノードエッジ部、アノード側電解液保持
板のエッジ部は空気に含まれる酸素に直接触れる。ま
た、酸素を含むガスを圧力容器内部のパージガスとして
使用する場合は、アノード電極のコーナ部は酸素に直接
触れることになる。酸素が接触したアノード電極での酸
素の還元反応の進行により、セル端部の電解質の電位が
低下する。この結果、カソード電極の電食が進行する。
また、アノード触媒層とアノードシールバンド層の境界
面は比較的ガスリークが発生しやすく、ガスリークが発
生し酸化剤ガスが燃料ガスに混入すると、水素が直接消
費され、その結果として電解質電位は低下しカソード電
極が電食する。
【0064】また、上記耐電解質性の絶縁シートをアノ
ード触媒層とアノードシールバンド層の境界面を覆いか
つカソード触媒層を覆わない構造とすることにより、ガ
スリーク発生確率の高いアノード触媒層とアノードシー
ルバンド層の境界面からのガスリークによる電食と、カ
ソード触媒層を耐電解質性の絶縁シートで覆うことによ
る電食を防止することができる。
【0065】電解質性の絶縁シートをアノードエッジ部
でセル外に突出しない場合、セル端部でアノード電解質
層とカソード電解質層は触媒(液絡)する可能性があ
る。液絡が発生すると電解質電位は低下し、カソード電
極が電食する。上記のことから、電解質性の絶縁シート
をセル外に突出することは重要である。
【0066】なお、請求項10、15に対応する発明に
おいては、電解質性の絶縁シートを電池コーナ部まで挿
入する構造としているため、燃料電池本体を収納した容
器内のパージガスに酸素が含まれていても、カソード電
極の電食を防止する作用が有る。
【0067】請求項12、13、14、17、18、1
9、20、21、22に対応する発明において、アノー
ド電極とカソード電極の間に挿入した部分の耐電解質性
の絶縁シートの作用は上記で説明した請求項10、1
1、15、16に対応する発明の作用と同様である。さ
らに本発明の特徴は、耐電解質性の絶縁シートにてアノ
ード電極のエッジ部、アノード側電解液保持板のエッジ
部を包み込む構造としたことにより、電触を防止でき
る。
【0068】以上に説明した二重の防食対策により、電
食防止に関する信頼性はさらに向上する。
【0069】なお、請求項12、17、20に対応する
発明においては、電池コーナ部まで電解質性の絶縁シー
トにてアノード電極のエッジ部、アノード側電解液保持
板のエッジ部を包み込む構造としているため、燃料電池
本体を収納した容器内のパージガスに酸素が含まれてい
ても、カソード電極の電食を防止する作用が有る。な
お、電解液の液絡を防止するために、絶縁シートのコの
字端部は少なくてもセル外の突出させている。
【0070】また、請求項13、18、21に対応する
発明においては、アノード電極のコーナ部で絶縁シート
のコの字端部を熱融着する構造としているため、酸素と
の触媒を防止できる。よって、セルコーナ部でも二重の
防食対策となり、電食防止に関する信頼性はさらに向上
する。
【0071】さらに、セル平面全体にわたってアノード
側のガス圧力をカソード側のガス圧力よりも高くするよ
うに運転することにより、セル内に欠陥が生じてクロス
オーバが発生しても酸化剤ガスがアノード側にリークし
なくなり、カソード電極の電食を防止することができ
る。
【0072】以上のことにより、さらに二重、三重の防
食対策となり、さらにセル電食防止に対する信頼性が向
上する。
【0073】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0074】まず、リブ付き電極型燃料電池に対して、
前述した単位セルのコーナ部におけるカソード電極とア
ノード電極との間を電気的に絶縁する本発明の構成につ
いて述べる。
【0075】図1は、本発明による燃料電池の第1の実
施例における単位セルの構成を示す分解斜視図であり、
図26および図27と同一要素には同一符号を付してそ
の説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べ
る。
【0076】すなわち、図1に示すように、本実施例で
は、電解質層7として、カソード電極8およびアノード
電極9のコーナ部に対応する部分が切り欠かれた形状を
なしており、かつこの切欠部に絶縁物層12を設けるこ
とにより、単位セルのコーナ部6におけるカソード電極
8とアノード電極9との間を電気的に絶縁した構成とし
ている。そして、絶縁物層12としては、その厚さを電
解質層7の厚さとほぼ同じにしている。
【0077】ここで、単位セルのコーナ部6における絶
縁物層12の寸法としては、ガスマニホールド4の外部
に露出する単位セルコーナ部6よりも大きいと共に、単
位セルの反応部11よりも外部に位置するようにしてい
る。
【0078】また、絶縁物層12を単位セルコーナ部6
に設ける方法としては、例えば接着による方法、あるい
はマスキング処理を施した後にコーティングする等の方
法を用いることができる。
【0079】さらに、絶縁物層12としては、例えばフ
ッ素樹脂を用いることができる。
【0080】次に、以上のように構成した単位セルから
なる本実施例の燃料電池においては、電解質層7とし
て、カソード電極8およびアノード電極9のコーナ部に
対応する部分が切り欠かれた形状をなし、かつこの切欠
部に絶縁物層12を設けていることから、単位セルのコ
ーナ部6におけるカソード電極8とアノード電極9との
間は、絶縁物層12により電気的に絶縁されており、単
位セルのコーナ部6には、単位セルの電位にかかわらず
腐食の原因である腐食電流が流れなくなるため、パージ
ガスに不純物が存在しても、単位セルに腐食が発生する
のを防止することができる。
【0081】これにより、単位セルの腐食を確実に防止
でき、また不純物を含むガス(改質器の排気ガス等)を
タンク内部のパージガスとして使用して運転コストの低
減を図れることになる。
【0082】上述したように、本実施例の燃料電池は、
電解質層7として、カソード電極8およびアノード電極
9のコーナ部に対応する部分が切り欠かれた形状をな
し、かつこの切欠部に絶縁物層12を設けることによ
り、単位セルのコーナ部6におけるカソード電極8とア
ノード電極9との間を電気的に絶縁するようにしたもの
である。
【0083】従って、単位セルのコーナ部6には、単位
セルの電位にかかわらず腐食の原因である腐食電流が流
れなくなるため、タンク内部のパージガスに不純物が存
在しても、カソード電極8の腐食を防止することができ
る。
【0084】これにより、単位セルの腐食を確実に防止
することが可能となる。
【0085】また、単位セルのコーナ部6におけるカソ
ード電極8とアノード電極9との間が、絶縁物層12に
より電気的に絶縁されているため、不純物を含むガス
(改質器の排気ガス等)をタンク内部のパージガスとし
て使用することができ、運転コストの低減を図ることが
可能となる。
【0086】次に、図2は、本発明による燃料電池k第
2の実施例における単位セルの構成を示す分解斜視図で
あり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明を
省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0087】すなわち、図2に示すように、本実施例で
は、アノード電極9における電解質層7のコーナ部に対
応する部分が切り欠かれた形状をなし、この切欠部に絶
縁物層12を設けることにより、単位セルのコーナ部6
におけるカソード電極8とアノード電極9との間を電気
的に絶縁した構成としている。そして、絶縁物層12と
しては、その厚さをアノード電極9の厚さとほぼ同じに
している。
【0088】ここで、絶縁物層12の寸法、絶縁物層1
2を設ける方法、絶縁物層12の材料としては、図1に
示した場合と全く同様である。
【0089】以上のように構成した単位セルからなる本
実施例の燃料電池においても、前述の場合と全く同様に
して、単位セルのコーナ部6には、単位セルの電位にか
かわらず腐食の原因である腐食電流が流れなくなるた
め、パージガスに不純物が存在しても、単位セルの腐食
を確実に防止でき、また不純物を含むガス(改質器の排
気ガス等)をタンク内部のパージガスとして使用して運
転コストの低減を図ることが可能である。
【0090】次に、図3は、本発明による燃料電池の第
3の実施例における単位セルの構成を示す分解斜視図で
あり、図1および図2と同一要素には同一符号を付して
その説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述
べる。
【0091】すなわち、図3に示すように、本実施例で
は、カソード電極8における電解質層7のコーナ部に対
応する部分が切り欠かれた形状をなし、この切欠部に絶
縁物層12を設けることにより、単位セルのコーナ部6
におけるカソード電極8とアノード電極9との間を電気
的に絶縁した構成としている。そして、絶縁物層12と
しては、その厚さをカソード電極8の厚さとほぼ同じに
している。
【0092】ここで、絶縁物層12の寸法、絶縁物層1
2を設ける方法、絶縁物層12の材料としては、図1に
示した場合と全く同様である。
【0093】以上のように構成した単位セルからなる本
実施例の燃料電池においても、前述の場合と全く同様に
して、単位セルのコーナ部6には、単位セルの電位にか
かわらず腐食の原因である腐食電流が流れなくなるた
め、パージガスに不純物が存在しても、単位セルの腐食
を確実に防止でき、また不純物を含むガス(改質器の排
気ガス等)をタンク内部のパージガスとして使用して運
転コストの低減を図ることが可能である。
【0094】次に、図4は、本発明による燃料電池の第
4の実施例における単位セルの構成を示す分解斜視図で
あり、図1ないし図3と同一要素には同一符号を付して
その説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述
べる。
【0095】すなわち、図4に示すように、本実施例で
は、単位セルのコーナ部6におけるカソード電極8と電
解質層7との間に、絶縁物テープ13を挿入することに
より、単位セルのコーナ部6におけるカソード電極8と
アノード電極9との間を電気的に絶縁した構成としてい
る。
【0096】以上のように構成した単位セルからなる本
実施例の燃料電池においても、前述の場合と全く同様に
して、単位セルのコーナ部6には、単位セルの電位にか
かわらず腐食の原因である腐食電流が流れなくなるた
め、パージガスに不純物が存在しても、単位セルの腐食
を確実に防止でき、また不純物を含むガス(改質器の排
気ガス等)をタンク内部のパージガスとして使用して運
転コストの低減を図ることが可能である。
【0097】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、次のようにしても同様に実施できるものであ
る。
【0098】(a)上記各実施例では、絶縁物層12と
して、フッ素樹脂を用いる場合について説明したが、こ
れに限らず、絶縁物層12として、例えばフッ素ゴムを
用いるようにしてもよい。
【0099】(b)上記図2または図3の実施例では、
アノード電極9またはカソード電極8における電解質層
7のコーナ部に対応する部分が切り欠かれた形状をな
し、この切欠部に絶縁物層12を設けることにより、単
位セルのコーナ部6におけるカソード電極8とアノード
電極9との間を電気的に絶縁する場合について説明した
が、これに限らず、アノード電極9およびカソード電極
8の両方の電極における電解質層7のコーナ部に対応す
る部分がそれぞれ切り欠かれた形状をなし、これらの切
欠部に絶縁物層12をそれぞれ設けることにより、単位
セルのコーナ部6におけるカソード電極8とアノード電
極9との間を電気的に絶縁するようにしても、前述の場
合と同様の効果を得ることが可能である。
【0100】(c)上記図4の実施例では、単位セルの
コーナ部6におけるカソード電極8と電解質層7との間
に、絶縁物テープ13を挿入することにより、単位セル
のコーナ部6におけるカソード電極8とアノード電極9
との間を電気的に絶縁する場合について説明したが、こ
れに限らず、単位セルのコーナ部6におけるアノード電
極9と電解質層7との間に、絶縁物テープ13を挿入し
たり、あるいは単位セルのコーナ部6におけるカソード
電極8と電解質層7との間、ならびにアノード電極9と
電解質層7との間、およびカソード電極8と電解質層7
との間の両方に、絶縁物テープ13を挿入するようにし
ても、前述の場合と同様の効果を得ることが可能であ
る。
【0101】次に、リブ付き電極型燃料電池に対して、
前述した積層体とガスマニホールドとのシール部よりも
外側の単位セルのコーナ部の表面を、耐蝕性を有する材
料によりコーティングする本発明の構成について述べ
る。
【0102】図5は、本発明による燃料電池の第5の実
施例における単位セルの構成を示す分解斜視図であり、
図26および図27と同一要素には同一符号を付してそ
の説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べ
る。
【0103】すなわち、図5に示すように、本実施例で
は、積層体1とガスマニホールド4との間に取り付けら
れるシール材5の取付け位置10よりも外側の単位セル
コーナ部6における、カソード電極8のコーナ部の側面
および上下面の一部まで連続して、耐蝕性を有するコー
ティング材料からなるコーティング層14を設けた構成
としている。
【0104】図6は、図5におけるカソード電極8のコ
ーナ部におけるコーティング層14の形状を拡大して示
す断面図である。
【0105】ここで、コーティング層14を設ける方法
としては、カソード電極8の処理工程中に、コーティン
グ材料として例えばフッ素樹脂を分散剤に溶かしたもの
を、カソード電極8のコーナ部に塗布した後、乾燥加熱
する等の方法を用いることができる。
【0106】次に、以上のように構成した単位セルから
なる本実施例の燃料電池においては、積層体1とガスマ
ニホールド4とのシール材5の取付け位置10よりも外
側の単位セルコーナ部6における、カソード電極8のコ
ーナ部の側面および上下面の一部まで連続して、耐蝕性
を有するコーティング材料からなるコーティング層14
を設けていることから、カソード電極8のコーナ部は、
コーティング層14により完全に覆われた構造となるた
め、ガスマニホールド4の外側で単位セルコーナ部6
が、パージガス中の不純物と直接接触することがなく、
またパージガスに不純物が存在しても、カソード電極8
と不純物との接触を防止することができる。
【0107】これにより、単位セルの腐食を確実に防止
でき、また不純物を含むガス(改質器の排気ガス等)を
タンク内部のパージガスとして使用して運転コストの低
減を図れることになる。
【0108】一方、本実施例の燃料電池においては、コ
ーティング層14は、単位セルを構成する要素のうちの
カソード電極8に設け、電解質層7には設けていない。
すなわち、単位セル内の燃料側と酸化剤側との間のシー
ルが不良になり、燃料ガスと酸化剤ガスとが直接接触す
ると、単位セルに大きな損傷を与える恐れがあるが、こ
の点本実施例では、コーティング層14が電解質層7に
は設けられていないため、燃料側と酸化剤側との間のシ
ールが何らかの原因で不良になったような場合には、電
解質層7、または電解質層7と単位セルとの接触面等か
ら、反応ガスよりも若干圧力の高いパージガスが単位セ
ル内に流入し、燃料ガスと酸化剤ガスとの直接接触を防
止することができる。
【0109】また、積層体1とガスマニホールド4との
間のシールが何らかの原因で不良になったような場合に
は、反応ガスよりも若干圧力の高いパージガスがガスマ
ニホールド4内に流入することによって、反応ガスがタ
ンク内へ漏洩するのを防止することができる。
【0110】さらに、積層後に電解質層7を含む単位セ
ル全体をコーティングすると、単位セル内のシール、ま
たはガスマニホールド4のシールが不良になったような
場合、コーティング層14の内側を通して燃料ガスと酸
化剤ガスとが直接接触して、単位セルに大きな損傷を与
える恐れがあるが、この点本実施例のようにコーティン
グすることによって、単位セル内のシール、またはガス
マニホールド4のシールが不良になったような場合で
も、従来の場合と同様に燃料ガスと酸化剤ガスとの直接
接触が防止でき、単位セルに大きな損傷を与えるような
ことがない。
【0111】上述したように、本実施例の燃料電池は、
積層体1とガスマニホールド4との間に取り付けられる
シール材5の取付け位置10よりも外側の単位セルコー
ナ部6における、カソード電極8のコーナ部の側面およ
び上下面の一部まで連続して、耐蝕性を有するコーティ
ング材料からなるコーティング層14を設けるようにし
たものである。
【0112】従って、ガスマニホールド4外部でカソー
ド電極8が不純物と接触することがなく、またタンク内
部のパージガスに不純物が存在しても、カソード電極8
と不純物との接触を防止することができる。
【0113】これにより、単位セルの腐食を確実に防止
することが可能となる。
【0114】また、カソード電極8のコーナ部の側面お
よび上下面の一部まで連続して、耐蝕性を有するコーテ
ィング層14で覆っているため、不純物を含むガス(改
質器の排気ガス等)をタンク内部のパージガスとして使
用することができ、運転コストの低減を図ることが可能
となる。
【0115】図7は、本発明による燃料電池の第6の実
施例における単位セルの構成を示す分解斜視図であり、
図26および図27と同一要素には同一符号を付してそ
の説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べ
る。
【0116】すなわち、図7に示すように、本実施例で
は、積層体1とガスマニホールド4との間に取り付けら
れるシール材5の取付け位置10よりも外側の単位セル
コーナ部6における、アノード電極9のコーナ部の側面
および上下面の一部まで連続して、耐蝕性を有するコー
ティング材料からなるコーティング層14を設けた構成
としている。
【0117】ここで、コーティング層14の形状は、図
6に示したものと全く同様である。また、コーティング
層14を設ける方法についても、前述の場合と全く同様
である。
【0118】以上のように構成した単位セルからなる本
実施例の燃料電池においても、前述の場合と全く同様に
して、ガスマニホールド4の外側で単位セルコーナ部6
が、パージガス中の不純物と直接接触することがなく、
またパージガスに不純物が存在しても、アノード電極9
と不純物との接触を防止することができることにより、
単位セルの腐食を確実に防止でき、また不純物を含むガ
ス(改質器の排気ガス等)をタンク内部のパージガスと
して使用して運転コストの低減を図ることが可能であ
る。
【0119】図8は、本発明による燃料電池の第7の実
施例における単位セルの構成を示す分解斜視図であり、
図5ないし図7と同一要素には同一符号を付してその説
明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0120】すなわち、図8に示すように、本実施例で
は、積層体1とガスマニホールド4との間に取り付けら
れるシール材5の取付け位置10よりも外側の単位セル
コーナ部6における、カソード電極8、アノード電極9
のコーナ部の側面および上下面の一部まで連続して、耐
蝕性を有するコーティング材料からなるコーティング層
14を設けた構成としている。
【0121】ここで、コーティング層14の形状は、図
6に示したものと全く同様である。また、コーティング
層14を設ける方法についても、前述の場合と全く同様
である。
【0122】以上のように構成した単位セルからなる本
実施例の燃料電池においても、前述の場合と全く同様に
して、ガスマニホールド4の外側で単位セルコーナ部6
が、パージガス中の不純物と直接接触することがなく、
またパージガスに不純物が存在しても、カソード電極
8、アノード電極9と不純物との接触を防止することが
できることにより、単位セルの腐食を確実に防止でき、
また不純物を含むガス(改質器の排気ガス等)をタンク
内部のパージガスとして使用して運転コストの低減を図
ることが可能である。
【0123】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、次のようにしても同様に実施できるものであ
る。
【0124】(a)上記各実施例では、耐蝕性を有する
コーティング材料として、フッ素樹脂を用いる場合につ
いて説明したが、これに限らず、耐蝕性を有するコーテ
ィング材料として、例えばフッ素ゴム、またはポリエー
テルサルホン樹脂を用い、これを溶剤に溶かしたものを
塗布した後、乾燥加熱する等の方法を用いるようにして
もよい。
【0125】(b)上記各実施例では、コーティング材
料として、耐蝕性を有するコーティング材料を用いる場
合について説明したが、これに限らず、コーティング材
料として、耐蝕性の他に、耐熱性を有するコーティング
材料を用いるようにしてもよい。
【0126】図9は、本発明による燃料電池スタックの
第8の実施例の構成を示す分解斜視図である。
【0127】図9において、燃料電池スタックは、マト
リックスに電解質を含浸した電解質層を挟んで、アノー
ド電極31およびカソード電極32の一対の多孔質電極
を配置して成り、一方の電極であるアノード電極31の
背面側に水素等の燃料ガスを供給すると共に他方の電極
であるカソード電極32の背面側に酸素等の酸化剤ガス
を供給することにより電気エネルギーを出力する単位セ
ルを、セパレータ33または冷却板34を介して複数個
積層して構成している。
【0128】なお、図5中、35はアノード電極31の
エッジ部、36はカソード電極32のエッジ部、37は
アノード電極31のガス出入口部、38はカソード電極
32のガス出入口部をそれぞれ示している。
【0129】かかる構成の燃料電池スタックにおいて、
本実施例では、図9に示すように燃料ガスの流通方向と
平行なアノード電極31のコーナ部6(図26に示す)
を含むエッジ部35の全体または一部について、これら
エッジ部35の端面A、または端面Aと一体化面(対極
と接する面)B、もしくは端面Aと一体化面Bとセパレ
ータ33に接する積層シール面Cを、耐熱性および耐薬
品性を有する樹脂部材で覆うものである。
【0130】以下、その具体例について詳細に説明す
る。
【0131】すなわち、図9に示すように、耐熱性およ
び耐薬品性を有する樹脂部材として、25μm厚さのテ
フロン(PTFE:ポリテトラフルオロエチレン)フィ
ルム21により、燃料ガスの流通方向と平行なアノード
電極1のコーナ部6(図26に示す)を含むエッジ部3
5の全体を覆う、すなわちアノード電極31の燃料ガス
流通方向と平行なコーナ部6(図26に示す)を含むエ
ッジ部35の端面Aと、アノード電極31とカソード電
極32の一体化面Bと、アノード電極31とそれに接す
るセパレータ34の積層シール面Cとを覆うことが可能
な袋体をあらかじめ製作し、この袋体を、触媒層、電解
質層を形成したアノード電極31のエッジ部35に取り
付けて、カソード電極32と一体化することにより、燃
料電池スタック(25単位セル積層)を構成している。
【0132】次に、以上のように構成した本実施例の燃
料電池スタックにおいては、アノード電極31のコーナ
部6(図26に示す)、エッジ部35は、テフロンフィ
ルム21により完全に覆われた構造となるため、カソー
ドマニホールド4(図26に示す)内部でアノード電極
31が酸素と接触することがなく、また容器内部のパー
ジガスに酸素が存在しても、アノード電極31と酸素と
の接触を防止することができる。これにより、カソード
電極32の電食を確実に防止でき、また酸素を含むガス
を容器内部のパージガスとして使用して運転コストの低
減を図れることになる。
【0133】この点についてより具体的に述べる。
【0134】本実施例の燃料電池スタックについて、5
000時間の高圧連続発電試験を行ない(容器内パージ
ガスを空気とした)、また比較例として、テフロンフィ
ルムにより覆わない従来構成の燃料電池スタックについ
ても、同時に連続運転を行なった。
【0135】その結果、従来の燃料電池スタックでは、
カソード電極32のコーナ部6が電食により軟化した。
また、場所によっては、カーボン材料が欠損して、パー
ジガスがカソード電極32反応ガス流通部までリークし
ていることが確認できた。
【0136】これに対して、本実施例の燃料電池スタッ
クでは、カソード電極32のコーナ部6の電食による軟
化、カソード電極32反応ガス流通部の軟化、潰れ、テ
フロンフィルム21の破損等の異常は見られなかった。
【0137】上述したように、本実施例の燃料電池スタ
ックは、燃料ガスの流通方向と平行なアノード電極31
のコーナ部6を含むエッジ部35の全体について、エッ
ジ部35の端面Aと、アノード電極1とカソード電極3
2の一体化面Bと、アノード電極31とそれに接するセ
パレータ34の積層シール面Cとを、耐熱性および耐薬
品性を有する樹脂部材であるテフロンフィルム21によ
り覆うようにしたものである。
【0138】従って、カソードマニホールド4(図26
に示す)内部でアノード電極31が酸素と接触すること
がなく、また容器内部のパージガスに酸素が存在して
も、アノード電極31と酸素との接触を防止することが
できる。
【0139】さらに、万一、アノード電極31端部のテ
フロンフィルム21が破損して、酸素がアノード電極3
1に接触しても、アノード電極31とカソード電極32
はテフロンフィルム21で分離されているため、カソー
ド電極32電位に対する影響は極めて小さく、電食は発
生しない。
【0140】これにより、カソード電極32の電食を確
実に防止できる。
【0141】また、アノード電極31のコーナ部6を、
耐熱性および耐薬品性を有するテフロンフィルム21に
より覆っているため、酸素を含むガス(改質器の排気ガ
ス等)を容器内部のパージガスとして使用することがで
き、運転コストの低減を図ることが可能となる。
【0142】次に図10は、本発明による燃料電池スタ
ックの第9の実施例の構成を示す分解斜視図であり、図
9と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0143】すなわち、図10に示すように、本実施例
では、触媒層、電解質層を形成したアノード電極31、
カソード電極32にリン酸を含浸した後、アノード電極
31とカソード電極32の一体化面Bと、アノード電極
31とそれに接するセパレータ34の積層シール面Cと
に、耐熱性および耐薬品性を有する樹脂部材として、2
5μm厚さのテフロン(PTFE:ポリテトラフルオロ
エチレン)フィルム22の端部を挟み、このテフロンフ
ィルム22が燃料ガスの流通方向と平行なアノード電極
31のコーナ部6(図26に示す)を含むエッジ部35
をコの字型に覆うように、単位セルをそれぞれ一体化、
積層した後、アノード電極31のコーナ部6でテフロン
フィルム22を溶融圧着して、燃料電池スタック(25
単位セル積層)を構成している。
【0144】次に、以上のように構成した本実施例の燃
料電池スタックにおいては、アノード電極31のコーナ
部6、エッジ部35は、テフロンフィルム22により完
全に覆われた構造となるため、カソードマニホールド4
(図26に示す)内部でアノード電極31が酸素と接触
することがなく、また容器内部のパージガスに酸素が存
在しても、アノード電極31と酸素との接触を防止する
ことができる。これにより、カソード電極32の電食を
確実に防止でき、また酸素を含むガスを容器内部のパー
ジガスとして使用して運転コストの低減を図れることに
なる。
【0145】この点についてより具体的に述べる。
【0146】本実施例の燃料電池スタックについて、5
000時間の高圧連続発電試験を行ない(容器内パージ
ガスを空気とした)、また比較例として、テフロンフィ
ルムにより覆わない従来構成の燃料電池スタックについ
ても、同時に連続運転を行なった。
【0147】その結果、従来の燃料電池スタックでは、
カソード電極32のコーナ部6が電食により軟化した。
また、場所によっては、カーボン材料が欠損して、パー
ジガスがカソード電極32反応ガス流通部までリークし
ていることが確認できた。
【0148】これに対して、本実施例の燃料電池スタッ
クでは、カソード電極32のコーナ部6の電食による軟
化、カソード電極32反応ガス流通部の軟化、潰れ、テ
フロンフィルム21の破損等の異常は見られなかった。
【0149】上述したように、本実施例の燃料電池スタ
ックは、燃料ガスの流通方向と平行なアノード電極31
のコーナ部6を含むエッジ部35の全体について、アノ
ード電極31とカソード電極32の一体化面Bと、アノ
ード電極31とそれに接するセパレータ34の積層シー
ル面Cとを、耐熱性および耐薬品性を有する樹脂部材で
あるテフロンフィルム21により覆うようにしたもので
ある。
【0150】従って、カソードマニホールド4内部でア
ノード電極31が酸素と接触することがなく、また容器
内部のパージガスに酸素が存在しても、アノード電極3
1と酸素との接触を防止することができる。
【0151】さらに、万一、アノード電極31端部のテ
フロンフィルム21が破損して、酸素がアノード電極3
1に接触しても、アノード電極31とカソード電極32
はテフロンフィルム21で分離されているため、カソー
ド電極32電位に対する影響は極めて小さく、電食は発
生しない。
【0152】これにより、カソード電極32の電食を確
実に防止できる。
【0153】また、アノード電極31のコーナ部6を、
耐熱性および耐薬品性を有するテフロンフィルム21に
より覆っているため、酸素を含むガス(改質器の排気ガ
ス等)を容器内部のパージガスとして使用することがで
き、運転コストの低減を図ることが可能となる。
【0154】次に、図11は、本発明による燃料電池ス
タックの第10の実施例の構成を示す分解斜視図であ
り、図9および図10と同一要素には同一符号を付して
その説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述
べる。
【0155】すなわち、図11に示すように、本実施例
では、触媒層、電解質層を形成したアノード電極31の
燃料ガス流通方向と平行なコーナ部6を含むエッジ部3
5の端面Aと、アノード電極31とカソード電極32の
一体化面Bとに、耐熱性および耐薬品性を有する樹脂部
材として、メチレンクロライド(CH2 Cl2 )に溶解
したPES(ポリエーテルサイフォン)を塗布、乾燥す
ることにより、PESフィルム23をあらかじめ製作
し、このアノード電極31を使用して燃料電池スタック
(25単位セル積層)を構成している。
【0156】次に、以上のように構成した本実施例の燃
料電池スタックにおいては、アノード電極31のコーナ
部6、エッジ部35は、PESフィルム23により完全
に覆われた構造となるため、カソードマニホールド4内
部でアノード電極31が酸素と接触することがなく、ま
た容器内部のパージガスに酸素が存在しても、アノード
電極31と酸素との接触を防止することができる。これ
により、カソード電極32の電食を確実に防止でき、ま
た酸素を含むガスを容器内部のパージガスとして使用し
て運転コストの低減を図れることになる。
【0157】この点についてより具体的に述べる。
【0158】本実施例の燃料電池スタックについて、5
000時間の高圧連続発電試験を行ない(容器内パージ
ガスを空気とした)、また比較例として、テフロンフィ
ルムにより覆わない従来構成の燃料電池スタックについ
ても、同時に連続運転を行なった。
【0159】その結果、従来の燃料電池スタックでは、
カソード電極32のコーナ部6が電食により軟化した。
また、場所によっては、カーボン材料が欠損して、パー
ジガスがカソード電極32反応ガス流通部までリークし
ていることが確認できた。
【0160】これに対して、本実施例の燃料電池スタッ
クでは、カソード電極32のコーナ部6の電食による軟
化、カソード電極32反応ガス流通部の軟化、潰れ、テ
フロンフィルム21の破損等の異常は見られなかった。
【0161】上述したように、本実施例の燃料電池スタ
ックは、燃料ガスの流通方向と平行なアノード電極31
のコーナ部6を含むエッジ部35の全体について、エッ
ジ部35の端面Aと、アノード電極31とカソード電極
32の一体化面Bとを、耐熱性および耐薬品性を有する
樹脂部材であるPESフィルム23により覆うようにし
たものである。
【0162】従って、カソードマニホールド4内部でア
ノード電極31が酸素と接触することがなく、また容器
内部のパージガスに酸素が存在しても、アノード電極3
1と酸素との接触を防止することができる。
【0163】さらに、万一、アノード電極31端部のP
ESフィルム23が破損して、酸素がアノード電極31
に接触しても、アノード電極31とカソード電極32は
PESフィルム23で分離されているため、カソード電
極32の電位に対する影響は極めて小さく、電食は発生
しない。
【0164】これにより、カソード電極2の電食を確実
に防止できる。
【0165】また、アノード電極31のコーナ部6を、
耐熱性および耐薬品性を有するPESフィルム23によ
り覆っているため、酸素を含むガス(改質器の排気ガス
等)を容器内部のパージガスとして使用することがで
き、運転コストの低減を図ることが可能となる。
【0166】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、次のようにしても同様に実施できるものであ
る。
【0167】(a)上記各実施例では、燃料ガスの流通
方向と平行なアノード電極31のコーナ部6を含むエッ
ジ部35の全体について、エッジ部35の端面A、また
は端面Aと一体化面B、もしくは端面Aと一体化面Bと
セパレータに接する積層シール面Cを、耐熱性および耐
薬品性を有する樹脂部材で覆う場合について説明した
が、これに限らず、燃料ガスの流通方向と平行なアノー
ド電極31のコーナ部6を含むエッジ部35の一部のみ
について、エッジ部35の端面A、または端面Aと一体
化面B、もしくは端面Aと一体化面Bとセパレータに接
する積層シール面Cを、耐熱性および耐薬品性を有する
樹脂部材で覆うようにしてもよい。
【0168】(b)上記各実施例において、カソード電
極32のガス出入口部38に前述した溌水処理が施され
ている場合には、例えば図12に示すように、アノード
電極31のコーナ部6のみを耐熱性および耐薬品性を有
する樹脂部材(例えば、テフロンフィルムあるいはPE
Sフィルム)24で覆うようにすることも可能である。
【0169】(c)上記各実施例では、燃料ガスの流通
方向と平行なアノード電極31のコーナ部6を含むエッ
ジ部35を、耐熱性および耐薬品性を有する樹脂部材と
して、テフロンフィルムあるいはPESフィルムで覆う
場合について説明したが、これに限らず、耐熱性および
耐薬品性を有するその他の樹脂部材で覆うようにしても
よい。
【0170】以上述べた第8乃至第10の実施例では、
マトリックスに電解質を含浸した電解質層を挟んで一対
の電極を配置して成り、一方の電極であるアノード電極
側に燃料ガスを供給すると共に他方の電極であるカソー
ド電極側に酸化剤ガスを供給することにより電気エネル
ギーを出力する単位セルを、セパレータを介して複数個
積層して構成した燃料電池において、燃料ガスの流通方
向と平行なアノード電極のコーナ部を含むエッジ部の少
なくとも一部について、当該エッジ部の端面、または端
面と一体化面(対極と接する面)、もしくは端面と一体
化面とセパレータに接する積層シール面を、耐熱性およ
び耐薬品性を有する樹脂部材で覆うようにしたので、カ
ソード電極の電食を確実に防止すると共に、酸素を含む
ガスを容器内部のパージガスとして使用して運転コスト
の低減を図ることができる。
【0171】図13は、本発明による燃料電池スタック
の第11の実施例の構成を示すもので、図28と同一要
素には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異
なる部分についてのみ述べる。
【0172】第11の実施例では、図28に示すリブ付
き電極型燃料電池スタックにおいて、10μ〜150μ
厚さのテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(以降PFAと記す)シートを
アノードエッジ部35とカソードガス出入口部38の間
に、アノードエッジ部全長にわたり挟み込むように配置
する。この場合、PFAシート50のセル内部側端面は
[アノード触媒層31d/アノードシールバンド層31
c]の境界面と[カソード触媒層32d/カソードシー
ルバンド層32c]の境界面の中央に位置するように配
置する。また、アノードエッジ部、アノード電極のコー
ナ部6(図26に示す)でPFAシートをセル外に1m
m突出させる。カソードマニホールド4aを電池本体に
取り付ける時に、マニホールドシール部における突出し
たPFAシートがカソード電極の酸化剤ガス流通溝を閉
塞しないように、PFAシートをアノードエッジ部側に
折り上げる。アノードマニホールド4b(図26に示
す)を電池本体に取り付ける時にはPFAシートをカソ
ードエッジ部に折り下げる。本実施例では、アノードエ
ッジ部およびコーナ部には酸素が直接接触するが、PF
Aシートを挿入することにより、カソードエッジ部35
の電位は変化しない。
【0173】上記本実施例のリブ付き電極型燃料電池ス
タックと、比較例としてシートを挟まない従来構造のリ
ブ付き電極型燃料電池スタック(図28)それぞれにつ
いて、圧力容器内パージガスを空気として8.4at
a、約5000時間の加圧連続発電試験を行った。その
結果、従来構造のリブ付き電極型燃料電池スタックはカ
ソードガス出入口部38およびカソード電極のコーナ部
6は電食により軟化した。また、ガス出入口部38では
軟化によるガス流通溝の変形が、コーナ部ではカーボン
材料が欠損してパージガスがカソードの反応ガス流通溝
までリークしていることが確認された。これに対し、本
実施例による燃料電池スタックでは、カソードガス出入
口部およびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確認
されなかった。また、使用したPFAシートについても
形状およびその物性に変化は認められなかった。
【0174】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノード電極およびカソード電極間にPFAシートを挿入
したため、PFAシートは電解質層の中央に位置してい
るが、PFAシートがアノードシールバンド層またはカ
ソードシールバンド層のいずれかに一方に接触するよう
に配置しても同様の作用が得られる。
【0175】次に、図14は本発明による燃料電池スタ
ックの第12の実施例の構成を示すもので、図28と同
一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここで
は異なる部分についてのみ述べる。
【0176】第12の実施例では、図28に示すリブ付
き電極型燃料電池スタックにおいて、アノードエッジ部
35とカソードガス出入口部38の間に、10μ〜15
0μ厚さのテトラフルオロエチレン/パーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体(以降PFAと記す)シー
トをカソードマニホールド4aの内部に位置する部分に
挟み配置した。この場合、PFAシート50のセル内部
側端面は[アノード触媒層31d/アノードシールバン
ド層31c]の境界面と[カソード触媒層32d/カソ
ードシールバンド層32c]の境界面の中央に位置する
ように配置する。また、アノードエッジ部でPFAシー
トはセル外に1mm突出させる。カソードマニホールド
4aを電池本体に取り付ける時に、マニホールドシール
部における突出したPFAシートがカソード電極の酸化
剤ガス流通溝を閉塞しないように、PFAシートをアノ
ードエッジ部側に折り上げた。本実施例では、アノード
エッジ部においてのみ前記第11の実施例と同様の作用
を期待できる。一方、コーナ部6の防食については別の
対策が必要となる。
【0177】上記本実施例のリブ付き電極型燃料電池ス
タックと、比較例としてシートを挟まない従来構造のリ
ブ付き電極型燃料電池スタック(図28)それぞれにつ
いて、圧力容器内パージガスを窒素ガスとして8.4a
ta、約5000時間の加圧連続発電試験を行った。そ
の結果、従来構造のリブ付き電極型燃料電池スタックは
カソードガス出入り口部38は電食により軟化し、ガス
流通溝が変形していることが確認された。これに対し、
本実施例による燃料電池スタックでは、カソードガス出
入口部およびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確
認されなかった。また、使用したPFAシートについて
も形状およびその物性に変化は認められなかった。
【0178】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノード電極およびカソード電極間にPFAシートを挿入
したため、PFAシートは電解質層の中央に位置してい
るが、PFAシートがアノードシールバンド層またはカ
ソードシールバンド層のいずれかに一方に接触するよう
に配置しても同様の作用が得られる。
【0179】次に、図15は本発明による燃料電池スタ
ックの第13の実施例の構成を示すもので、図28と同
一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここで
は異なる部分についてのみ述べる。
【0180】第13の実施例では、図28に示すリブ付
き電極型燃料電池スタックにおいて、アノード電極31
の燃料ガス流通方向のエッジ部35を全長にわたり10
μ〜150μ厚さのテトラフルオロエチレン/パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体(以降PFAと記
す)シートにてコの字に覆う。この場合、PFAシート
51のセル内部側端面は[アノード触媒層31d/アノ
ードシールバンド層31c]の境界面と[カソード触媒
層32d/カソードシールバンド層32c]の境界面の
中央に位置するように配置する。また、アノード電極3
1とセパレータ33の積層接触界面ではPFAシートの
端面は、燃料ガス供給溝より2mm程度外側に配置す
る。アノードコーナ部では、PFAシートはセル外に1
mm突出させた。本実施例では、前記第11の実施例と
同様の作用を期待できるばかりではなく、アノードエッ
ジ部をPFAシートでコの字で覆っていることから、酸
素はアノードエッジ部に直接接触することはなく、電解
質層の電位低下も起こらない。
【0181】上記本実施例のリブ付き電極型燃料電池ス
タックと、比較例としてシートを挟まない従来構造のリ
ブ付き電極型燃料電池スタック(図28)それぞれにつ
いて、圧力容器内パージガスを空気として8.4at
a、約5000時間の加圧連続発電試験を行った。その
結果、従来構造のリブ付き電極型燃料電池スタックはカ
ソードガス出入口部38およびカソードのコーナ部6は
電食により軟化した。また、ガス出入口部38では軟化
によるガス流通溝の変形が、コーナ部ではカーボン材料
が欠損してパージガスがカソード電極の反応ガス流通溝
までリークしていることが確認された。これに対し、本
実施例による燃料電池スタックでは、カソードガス出入
口部およびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確認
されなかった。また、使用したPFAシートについても
形状およびその物性に変化は認められなかった。
【0182】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノードエッジ部をPFAシートで覆い同じく電解質層を
形成したカソードと一体化したため、セル内部ではPF
Aシートは電解質層の中央に位置しているが、PFAシ
ートがアノードシールバンド層またはカソードシールバ
ンド層のいずれかに一方に接触するように配置しても同
様の作用が得られる。
【0183】次に、図16は本発明による燃料電池スタ
ックの第14の実施例の構成を示すもので、図28と同
一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここで
は異なる部分についてのみ述べる。
【0184】第14の実施例では、図28に示すリブ付
き電極型燃料電池スタックにおいて、アノード電極31
の燃料ガス流通方向のエッジ部35を全長にわたり、予
め袋状に両端を熱融着した10μ〜150μ厚さのテト
ラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体(以降PFAと記す)シートにてコの字状
に覆う。この場合、PFAシート50のセル内部側端面
は[アノード触媒層31d/アノードシールバンド層3
1c]の境界面と[カソード触媒層32d/カソードシ
ールバンド層32c]の境界面の中央に位置するように
配置する。なお、アノード電極31とセパレータ33の
積層接触界面でのPFAシートの端面は、セル内部のP
FAシート端部と一致させる。
【0185】本実施例では、前記第11の実施例と同様
の作用を期待できるばかりではなく、アノードエッジ
部、コーナ部をPFAシートでコの字状に覆っているこ
とから、酸素はアノードエッジ部、コーナ部に直接接触
することはなく、電解質層の電位低下も起こらない。
【0186】上記本実施例のリブ付き電極型燃料電池ス
タックと、比較例としてシートを挟まない従来構造のリ
ブ付き電極型燃料電池スタック(図28)それぞれにつ
いて、圧力容器内パージガスを空気として8.4at
a、約5000時間の加圧連続発電試験を行った。その
結果、従来構造のリブ付き電極型燃料電池スタックはカ
ソードガス出入口部38およびカソードのコーナ部6は
電食により軟化した。また、ガス出入口部38では軟化
によるガス流通溝の変形が、コーナ部ではカーボン材料
が欠損してパージガスがカソードの反応ガス流通溝まで
リークしていることが確認された。これに対し、本実施
例による燃料電池スタックでは、カソードガス出入口部
およびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確認され
なかった。また、使用したPFAシートについても形状
およびその物性に変化は認められなかった。
【0187】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノードエッジ部をPFAシートで覆い同じく電解質層を
形成したカソード電極と一体化したため、セル内部では
PFAシートは電解質層の中央に位置しているが、PF
Aシートがアノードシールバンド層またはカソードシー
ルバンド層のいずれかに一方に接触するように配置して
も同様の作用が得られる。
【0188】次に、図17は本発明による燃料電池スタ
ックの第15の実施例の構成を示すもので、図28と同
一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここで
は異なる部分についてのみ述べる。
【0189】第15の実施例では、図28に示すリブ付
き電極型燃料電池スタックにおいて、アノード電極31
の燃料ガス流通方向のエッジ部35のカソードマニホー
ルド4aの内部に位置する部分を10μ〜150μ厚さ
のテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体(以降PFAと記す)シートにてコ
の字状に覆う。
【0190】本実施例では、アノードエッジ部において
のみ前記第11の実施例と同様の作用を期待できるばか
りではなく、アノードエッジ部をPFAシートでコの字
状に覆っていることから、酸素はアノードエッジ部に直
接接触することはなく、電解質層の電位低下を抑制する
作用がある。一方、コーナ部6の防食については別の対
策が必要となる。
【0191】上記本実施例のリブ付き電極型燃料電池ス
タックと、比較例としてシートを挟まない従来構造のリ
ブ付き電極型燃料電池スタック(図28)それぞれにつ
いて、圧力容器内パージガスを窒素ガスとして8.4a
ta、約5000時間の加圧連続発電試験を行った。そ
の結果、従来構造のリブ付き電極型燃料電池スタックは
カソードガス出入口部38は電食により軟化し、ガス流
通溝の変形していることが確認された。これに対し、本
実施例による燃料電池スタックでは、カソードガス出入
口部およびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確認
されなかった。また、使用したPFAシートについても
形状およびその物性に変化は認められなかった。
【0192】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノードエッジ部をPFAシートで覆い同じく電解質層を
形成したカソード電極と一体化したため、PFAシート
は電解質層の中央に位置しているが、PFAシートがア
ノードシールバンド層またはカソードシールバンド層の
いずれかに一方に接触するように配置しても同様の作用
が得られる。
【0193】以上の第11の実施例乃至第15の実施例
はリブ付き電極型燃料電池スタックの構成であるが、次
に平板電極型燃料電池について述べる。
【0194】図18は、本発明による平板型燃料電池ス
タックの第16の実施例の構成を示すもので、図29と
同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、ここ
では異なる部分についてのみ述べる。
【0195】第16の実施例では、図29に示す平板電
極型燃料電池スタックにおいて、第11の実施例と同様
にPFAシートをアノードエッジ部35Aとカソードガ
ス出入口部38Aの間に配置し、同様の加圧連続発電試
験を行った。本実施例においても第11の実施例と同様
の作用が期待できる。
【0196】本実施例による燃料電池スタックでは、発
電試験の結果、カソードガス出入口部38A,38Bお
よびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確認されな
かった。また、使用したPFAシートについても形状お
よびその物性に変化は認められなかった。
【0197】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノード電極およびカソード電極間にPFAシートを挿入
したため、PFAシートは電解質層の中央に位置してい
るが、PFAシートがアノードシールバンド層またはカ
ソードシールバンド層のいずれかに一方に接触するよう
に配置しても同様の作用が得られる。
【0198】次に図19は、本発明による平板型燃料電
池スタックの第17の実施例の構成を示すもので、図2
9と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0199】第17の実施例では、図29に示す平板電
極型燃料電池スタックにおいて、第12の実施例と同様
にアノードエッジ部35Aとカソードガス出入口部38
Aの間に、PFAシートをカソードマニホールド4aの
内部に位置する部分に配置し、同様の加圧連続発電試験
を行った。本実施例においても第12の実施例と同様の
作用が期待できる。発電試験の結果、本実施例による燃
料電池スタックでは、カソードガス出入口部38A,3
8Bおよびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確認
されなかった。また、使用したPFAシートについても
形状およびその物性に変化は認められなかった。
【0200】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノード電極およびカソード電極間にPFAシートを挿入
したため、PFAシートは電解質層の中央に位置してい
るが、PFAシートがアノードシールバンド層またはカ
ソードシールバンド層のいずれかに一方に接触するよう
に配置しても同様の作用が得られる。
【0201】次に図20は、本発明による平板型燃料電
池スタックの第18の実施例の構成を示すもので、図2
9と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0202】第18の本実施例では、図29に示す平板
電極型燃料電池スタックにおいて、第13の実施例と同
様にアノード電極31Aの燃料ガス流通方向のエッジ部
35Aを全長にわたりPFAシートにてコの字状に覆
い、同様の加圧連続発電試験を行った。本実施例では、
アノード側電解液保持板エッジ部35Bおよびコーナ部
には酸素が直接接触するが、アノードエッジ部35A、
コーナ部をPFAシートにて覆うことにより、カソード
電極の電位の傾きを抑制することができる。
【0203】また、本実施例による燃料電池スタックで
は、発電試験の結果、カソードガス出入口部38A,3
8Bおよびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確認
されなかった。また、使用したPFAシートについても
形状およびその物性に変化は認められなかった。
【0204】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノードエッジ部をPFAシートで覆い同じく電解質層を
形成したカソード電極と一体化したため、PFAシート
は電解質層の中央に位置しているが、PFAシートがア
ノードシールバンド層またはカソードシールバンド層の
いずれかに一方に接触するように配置しても同様の作用
が得られる。
【0205】次に図21は、本発明による平板型燃料電
池スタックの第19の実施例の構成を示すもので、図2
9と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0206】第19の実施例では、図29に示す平板電
極型燃料電池スタックにおいて、第14の実施例と同様
にアノード電極31Aの燃料ガス流通方向のエッジ部3
5Aを全長にわたり、予め袋状に両端を熱融着したPF
Aシートにてコの字状に覆い、同様の加圧連続発電試験
を行った。本実施例では、第18の実施例と同様の作用
が期待できる。
【0207】本実施例による燃料電池スタックでは、発
電試験の結果、カソードガス出入口部38A,38Bお
よびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確認されな
かった。また使用したPFAシートについても形状およ
びその物性に変化は認められなかった。
【0208】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノードエッジ部をPFAシートで覆い同じく電解質層を
形成したカソードと一体化したため、PFAシートは電
解質層の中央に位置しているが、PFAシートがアノー
ドシールバンド層またはカソードシールバンド層のいず
れかに一方に接触するように配置しても同様の作用が得
られる。
【0209】次に図22は、本発明による平板型燃料電
池スタックの第20の実施例の構成を示すもので、図2
9と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0210】第20の実施例では、図29に示す平板電
極型燃料電池スタックにおいて、第15実施例と同様
に、アノード電極31Aの燃料ガス流通方向のエッジ部
35Aのカソードマニホールド4aの内部に位置する部
分をPFAシートにてコの字状に覆い、同様の加圧連続
発電試験を行った。本実施例では、アノード側電解液保
持板エッジ部35Bおよびコーナ部には酸素が直接接触
するが、アノードエッジ部35AをPFAシートにて覆
うことにより、カソード電極の電位の傾きを抑制するこ
とができる。一方、コーナ部の防食対策として圧力容器
内は不活性ガスでパージする必要がある。
【0211】本実施例による燃料電池スタックでは、発
電試験の結果、カソードガス出入口部38A,38Bお
よびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確認されな
かった。また、使用したPFAシートについても形状お
よびその物性に変化は認められなかった。
【0212】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノードエッジ部をPFAシートで覆い同じく電解質層を
形成したカソード電極と一体化したため、PFAシート
は電解質層の中央に位置しているが、PFAシートがア
ノードシールバンド層またはカソードシールバンド層の
いずれかに一方に接触するように配置しても同様の作用
が得られる。
【0213】次に図23は、本発明による平板型燃料電
池スタックの第21の実施例の構成を示すもので、図2
9と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0214】第21の実施例では、図29に示す平板電
極型燃料電池スタックにおいて、第13の実施例と同様
にアノード電極31Aおよびアノード側電解液保持板3
1Bの燃料ガス流通方向のエッジ部35Aおよび35B
を全長にわたりPFAシートコの字状に覆い、同様の加
圧連続発電試験を行った。本実施例では第13の実施例
と同様の作用を期待できる。
【0215】本実施例による燃料電池スタックでは、発
電試験の結果、カソードガス出入口部38A,38Bお
よびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確認されな
かった。また使用したPFAシートについても形状およ
びその物性に変化は認められなかった。
【0216】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノードエッジ部をPFAシートで覆い同じく電解質層を
形成したカソード電極と一体化したため、PFAシート
は電解質層の中央に位置しているが、PFAシートがア
ノードシールバンド層またはカソードシールバンド層の
いずれかに一方に接触するように配置しても同様の作用
が得られる。
【0217】次に図24は、本発明による平板型燃料電
池スタックの第22の実施例の構成を示すもので、図2
9と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0218】第22の実施例では、図29に示す平板電
極型燃料電池スタックにおいて、第14の実施例と同様
にアノード電極31Aおよびアノード側電解液保持板3
1Bの燃料ガス流通方向のエッジ部35A,35Bを全
長にわたり、予め袋状に両端を熱融着したPFAシート
にてコの字状に覆い、同様の加圧連続発電試験を行っ
た。本実施例では、第14の実施例と同様の作用が期待
できる。
【0219】本実施例による燃料電池スタックでは、発
電試験の結果、カソードガス出入口部38A,38Bお
よびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確認されな
かった。また、使用したPFAシートについても形状お
よびその物性に変化は認められなかった。
【0220】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノードエッジ部をPFAシートで覆い同じく電解質層を
形成したカソード電極と一体化したため、PFAシート
は電解質層の中央に位置しているが、PFAシートがア
ノードシールバンド層またはカソードシールバンド層の
いずれかに一方に接触するように配置しても同様の作用
が得られる。
【0221】次に図25は、本発明による平板型燃料電
池スタックの第23の実施例の構成を示すもので、図2
9と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0222】第23の実施例では、図29に示す平板電
極型燃料電池スタックにおいて、第15の実施例と同様
に、アノード電極31Aおよびアノード側電解液保持板
31Bの燃料ガス流通方向のエッジ部35A,35Bの
カソードマニホールド4aの内部に位置する部分をPF
Aシートにてコの字状に覆い、同様の加圧連続発電試験
を行った。本実施例では、第15の実施例と同様の作用
が期待できる。
【0223】本実施例による燃料電池スタックでは、発
電試験の結果、カソードガス出入口部38A,38Bお
よびコーナ部はもちろん他の部分にも電食は確認されな
かった。また、使用したPFAシートについても形状お
よびその物性に変化は認められなかった。
【0224】なお、本実施例では電解質層を形成したア
ノードエッジ部をPFAシートで覆い同じく電解質層を
形成したカソード電極と一体化したため、PFAシート
は電解質層の中央に位置しているが、PFAシートがア
ノードシールバンド層またはカソードシールバンド層の
いずれかに一方に接触するように配置しても同様の作用
が得られる。
【0225】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、パ
ージガス中の不純物による単位セルコーナ部の腐食を確
実に防止して耐久性を向上させると共に、安価な改質器
の排気ガスをパージガスとして使用して運転コストの低
減を図ることができ、またカソードの電気化学的腐食
(電食)を確実に防止し、さらに燃料電池本体を収納し
ている圧力容器内のパージガスとして、酸素を含むガス
を使用できるようにすることにより設備コスト、運転コ
ストの低減を図ることが可能な極めて信頼性の高い燃料
電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料電池における単位セルの第1
の実施例を示す分解斜視図。
【図2】本発明による燃料電池における単位セルの第2
の実施例を示す分解斜視図。
【図3】本発明による燃料電池における単位セルの第3
の実施例を示す分解斜視図。
【図4】本発明による燃料電池における単位セルの第4
の実施例を示す分解斜視図。
【図5】本発明による燃料電池における単位セルの第5
の実施例を示す分解斜視図。
【図6】同実施例のコーナ部におけるコーティング層の
形状を拡大して示す断面図。
【図7】本発明による燃料電池における単位セルの第6
の実施例を示す分解斜視図。
【図8】本発明による燃料電池における単位セルの第7
の実施例を示す分解斜視図。
【図9】本発明による燃料電池スタックの第8の実施例
を示す分解斜視図。
【図10】本発明による燃料電池スタックの第9の実施
例を示す分解斜視図。
【図11】本発明による燃料電池スタックの第10の実
施例を示す分解斜視図。
【図12】第10の実施例における変形例を示す分解斜
視図。
【図13】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第11の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図14】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第12の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図15】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第13の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図16】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第14の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図17】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第15の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図18】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第16の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図19】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第17の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図20】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第18の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図21】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第19の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図22】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第20の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図23】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第21の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図24】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第22の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図25】(a)および(b)は本発明による燃料電池
スタックの第23の実施例を示す単位セルの断面図およ
び平面図。
【図26】燃料電池本体の基本的な構成例を示す斜視
図。
【図27】従来の燃料電池における単位セルの構成例を
示す分解斜視図。
【図28】従来のリブ付き電極型燃料電池スタックの構
成例を示す分解斜視図。
【図29】従来の円板型電極燃料電池スタックの構成例
を示す分解斜視図。
【符号の説明】
1…積層体、2…締付板、3…スペーサ、4a,4b…
反応ガス供給・排出用のガスマニホールド、5…シール
材、6…単位セルコーナ部、7…電解質層、8…カソー
ド電極、9…アノード電極、10…シール材5の取付け
位置、11…単位セル反応部、12…絶縁物層、13…
絶縁テープ、14……コーティング層、21…テフロン
フィルム、22…テフロンフィルム、23…PESフィ
ルム、24…樹脂部材、31,31A…アノード電極、
31B…アノード側電解液保持板、31c…アノードシ
ールバンド層、31d…アノード触媒層、31e…アノ
ード電解質層、32,32A…カソード電極、32B…
カソード側電解液保持板、32c…カソードシールバン
ド層、32d…カソード触媒層、32e…カソード電解
質層、33…セパレータ、34…冷却板、35、35A
…アノード電極31のエッジ部、35B…アノード側電
解液保持板エッジ部、36…カソード電極32のエッジ
部、37…アノード電極31のガス出入口部、38,3
8A…カソード電極32,32Aのガス出入口部、38
B…カソード側電解液保持板ガス出入口部、39…燃料
電池スタック、50…耐電解質性の絶縁シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小上 泰司 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 三塚 隆正 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 早川 亨 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 上野 三司 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 松永 健太郎 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 金田 研一 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 居安 巨太郎 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 池田 紳一 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックスに電解質を含浸した電解質
    層を挟んで一対のカソード電極とアノード電極を配置し
    てなる単位セルと、当該各単位セル間に挿入されるセパ
    レータ板と、冷却板とを複数個積層して積層体を形成
    し、かつ当該積層体の側面に、反応ガス供給・排出用の
    ガスマニホールドを配置して構成される燃料電池におい
    て、 前記単位セルのコーナ部におけるカソード電極とアノー
    ド電極との間を電気的に絶縁して成ることを特徴とする
    燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記電解質層としては、前記カソード電
    極およびアノード電極のコーナ部に対応する部分が切り
    欠かれた形状をなしており、当該切欠部に絶縁物層が設
    けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電
    池。
  3. 【請求項3】 前記カソード電極およびアノード電極と
    しては、その少なくとも一方の電極における前記電解質
    層のコーナ部に対応する部分が切り欠かれた形状をなし
    ており、当該切欠部に絶縁物層が設けられていることを
    特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  4. 【請求項4】 前記単位セルのコーナ部におけるカソー
    ド電極と電解質層との間、およびアノード電極と電解質
    層との間の少なくとも一方に、絶縁物層が挿入されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  5. 【請求項5】 前記単位セルのコーナ部における絶縁物
    層の寸法としては、ガスマニホールドの外部に露出する
    単位セルコーナ部よりも大きいと共に、当該単位セルの
    反応部よりも外部に位置することを特徴とする請求項1
    に記載の燃料電池。
  6. 【請求項6】 マトリックスに電解質を含浸した電解質
    層を挟んで一対のカソード電極とアノード電極を配置し
    てなる単位セルと、当該各単位セル間に挿入されるセパ
    レータ板と、冷却板とを複数個積層して積層体を形成
    し、かつ当該積層体の側面に、反応ガス供給・排出用の
    ガスマニホールドを配置して構成される燃料電池におい
    て、 前記積層体とガスマニホールドとのシール部よりも外側
    の前記単位セルのコーナ部に、耐蝕性を有するコーティ
    ング材料からなるコーティング層を設けて成ることを特
    徴とする燃料電池。
  7. 【請求項7】 前記コーティング層としては、前記単位
    セルの側面および上下面の一部まで連続して設けるよう
    にしたことを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
  8. 【請求項8】 前記コーティング層としては、前記カソ
    ード電極、アノード電極の少なくとも一方の電極のコー
    ナ部に設けるようにしたことを特徴とする請求項6に記
    載の燃料電池。
  9. 【請求項9】 マトリックスに電解質を含浸した電解質
    層を挟んで一対の電極を配置して成り、前記一方の電極
    であるアノード電極側に燃料ガスを供給すると共に他方
    の電極であるカソード電極側に酸化剤ガスを供給するこ
    とにより電気エネルギーを出力する単位セルを、セパレ
    ータを介して複数個積層して構成した燃料電池におい
    て、 前記燃料ガスの流通方向と平行なアノード電極のコーナ
    部を含むエッジ部の少なくとも一部について、当該エッ
    ジ部の端面、または端面と一体化面(対極と接する
    面)、もしくは端面と一体化面と前記セパレータに接す
    る積層シール面を、耐熱性および耐薬品性を有する樹脂
    部材で覆って成ることを特徴とする燃料電池。
  10. 【請求項10】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を、また触
    媒層形成面と反対側の面に反応ガスを供給するための溝
    を形成したアノード電極およびカソード電極をそれぞれ
    配置してなる単位セルを、ガス不透過性の平板セパレー
    タまたは冷却板を介して複数積層して構成したリブ付き
    電極型燃料電池スタックにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部とカ
    ソード電極のガス出入口部の間に耐電解質性の絶縁シー
    トを、カソード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノー
    ドシールバンド層との境界面を覆うようにしてアノード
    エッジ部全長にわたり挟み込み、且つ少なくともアノー
    ドエッジ部、アノードコーナ部でセル外に突出させて配
    置したことを特徴とする燃料電池。
  11. 【請求項11】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を、また触
    媒層形成面と反対側の面に反応ガスを供給するための溝
    を形成したアノード電極およびカソード電極をそれぞれ
    配置してなる単位セルを、ガス不透過性の平板セパレー
    タまたは冷却板を介して複数積層して構成したリブ付き
    電極型燃料電池スタックにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部とカ
    ソードのガス出入口部の間に耐電解質性の絶縁シート
    を、カソード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノード
    シールバンド層との境界面を覆うようにして少なくとも
    カソードマニホールドの内部に位置する部分に挟み込
    み、且つ少なくともアノードエッジ部でセル外に突出さ
    せて配置したことを特徴とする燃料電池。
  12. 【請求項12】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を、また触
    媒層形成面と反対側の面に反応ガスを供給するための溝
    を形成したアノード電極およびカソード電極をそれぞれ
    配置してなる単位セルを、ガス不透過性の平板セパレー
    タまたは冷却板を介して複数積層して構成したリブ付き
    電極型燃料電池スタックにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部を全
    長にわたり耐電解質性の絶縁シートにてコの字状に覆う
    と共に、アノード電極とカソード電極に挟まれる部分の
    前記絶縁シートをカソード触媒層を覆わずアノード触媒
    層とアノードシールバンド層の境界面を覆うように配置
    し、且つアノードコーナ部で前記絶縁シートのコの字端
    部がセル外に突出させたことを特徴とする燃料電池。
  13. 【請求項13】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を、また触
    媒層形成面と反対側の面に反応ガスを供給するための溝
    を形成したアノード電極およびカソード電極をそれぞれ
    配置してなる単位セルを、ガス不透過性の平板セパレー
    タまたは冷却板を介して複数積層して構成したリブ付き
    電極型燃料電池スタックにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部を全
    長にわたり耐電解質性の絶縁シートにてコの字状に覆う
    と共に、アノードコーナ部で前記絶縁シートのコの字端
    部を融着し、且つアノード電極とカソード電極に挟まれ
    る部分の前記絶縁シートをカソード触媒層を覆わずアノ
    ード触媒層とアノードシールバンド層の境界面を覆うよ
    うに配置したことを特徴とする燃料電池。
  14. 【請求項14】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を、また触
    媒層形成面と反対側の面に反応ガスを供給するための溝
    を形成したアノード電極およびカソード電極をそれぞれ
    配置してなる単位セルを、ガス不透過性の平板セパレー
    タまたは冷却板を介して複数積層して構成したリブ付き
    電極型燃料電池スタックにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部の少
    なくともカソードマニホールドの内部に位置する部分を
    耐電解質性の絶縁シートにてコの字状に覆うと共に、ア
    ノード電極とカソード電極に挟まれる部分の前記絶縁シ
    ートをカソード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノー
    ドシールバンド層の境界面を覆うように配置したことを
    特徴とする燃料電池。
  15. 【請求項15】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を形成した
    平板のアノード電極およびカソード電極をそれぞれ配置
    してなる単位セルを、燃料ガスまたは酸化剤ガスをそれ
    ぞれ上記電極に供給する溝を形成した電解液保持板で挟
    み、ガス不透過性のセパレータまたは冷却板を介して複
    数個積層して構成されている平板電極型燃料電池スタッ
    クにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部とカ
    ソード電極のガス出入口部の間に耐電解質性の絶縁シー
    トを、カソード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノー
    ドシールバンド層との境界面を覆うようにしてアノード
    エッジ部全長にわたり挟み込み、且つ前記電解質性の絶
    縁シートは少なくともアノードエッジ部、アノードコー
    ナ部でセル外に突出させて配置したことを特徴とする燃
    料電池。
  16. 【請求項16】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を形成した
    平板のアノード電極およびカソード電極をそれぞれ配置
    してなる単位セルを、燃料ガスまたは酸化剤ガスをそれ
    ぞれ上記電極に供給する溝を形成した電解液保持板で挟
    み、ガス不透過性のセパレータまたは冷却板を介して複
    数個積層して構成されている平板電極型燃料電池スタッ
    クにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部とカ
    ソードガス出入口部の間に耐電解質性の絶縁シートを、
    カソード触媒層を覆わずアノードシールバンド層の境界
    面を覆うように少なくともカソードマニホールドの内部
    に位置する部分に挟み込み、且つ少なくてもアノードエ
    ッジ部でセル外に突出させて配置したことを特徴とする
    燃料電池。
  17. 【請求項17】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を形成した
    平板のアノード電極およびカソード電極をそれぞれ配置
    してなる単位セルを、燃料ガスまたは酸化剤ガスをそれ
    ぞれ上記電極に供給する溝を形成した電解液保持板で挟
    み、ガス不透過性のセパレータまたは冷却板を介して複
    数個積層して構成されている平板電極型燃料電池スタッ
    クにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部を全
    長にわたり耐電解質性の絶縁シートにてコの字状に覆う
    と共に、アノード電極とカソード電極に挟まれる部分の
    前記絶縁シートをカソード触媒層を覆わずアノード触媒
    層とアノードシールバンド層との境界面を覆うように配
    置し、且つアノードコーナ部で前記絶縁シートのコの字
    端部がセル外に突出させたことを特徴とする燃料電池。
  18. 【請求項18】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を形成した
    平板のアノード電極およびカソード電極をそれぞれ配置
    してなる単位セルを、燃料ガスまたは酸化剤ガスをそれ
    ぞれ上記電極に供給する溝を形成した電解液保持板で挟
    み、ガス不透過性のセパレータまたは冷却板を介して複
    数個積層して構成されている平板電極型燃料電池スタッ
    クにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部を全
    長にわたり耐電解質性の絶縁シートにてコの字状に覆う
    と共に、アノードコーナ部で前記絶縁シートのコの字端
    部を融着し、且つアノード電極とカソード電極に挟まれ
    る部分の前記絶縁シートをカソード触媒層を覆わずアノ
    ード触媒層とアノードシールバンド層の境界面を覆うよ
    うに配置したことを特徴とする燃料電池。
  19. 【請求項19】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を形成した
    平板のアノード電極およびカソード電極をそれぞれ配置
    してなる単位セルを、燃料ガスまたは酸化剤ガスをそれ
    ぞれ上記電極に供給する溝を形成した電解液保持板で挟
    み、ガス不透過性のセパレータまたは冷却板を介して複
    数個積層して構成されている平板電極型燃料電池スタッ
    クにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部の少
    なくともカソードマニホールドの内部に位置する部分を
    耐電解質性の絶縁シートにてコの字状に覆うと共に、ア
    ノード電極とカソード電極に挟まれる部分の前記絶縁シ
    ートをカソード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノー
    ドシールバンド層の境界面を覆うように配置したことを
    特徴とする燃料電池。
  20. 【請求項20】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を形成した
    平板のアノード電極およびカソード電極をそれぞれ配置
    してなる単位セルを、燃料ガスまたは酸化剤ガスをそれ
    ぞれ上記電極に供給する溝を形成した電解液保持板で挟
    み、ガス不透過性のセパレータまたは冷却板を介して複
    数個積層して構成されている平板電極型燃料電池スタッ
    クにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部およ
    びアノード側の電解液保持板のエッジ部を全長にわたり
    耐電解質性の絶縁シートにてコの字状に覆うと共に、ア
    ノード電極とカソード電極に挟まれる部分の前記絶縁シ
    ートをカソード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノー
    ドシールバンド層の境界面を覆うように配置し、且つア
    ノードコーナ部で前記絶縁シートのコの字端部をセル外
    に突出させたことを特徴とする燃料電池。
  21. 【請求項21】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を形成した
    平板のアノード電極およびカソード電極をそれぞれ配置
    してなる単位セルを、燃料ガスまたは酸化剤ガスをそれ
    ぞれ上記電極に供給する溝を形成した電解液保持板で挟
    み、ガス不透過性のセパレータまたは冷却板を介して複
    数個積層して構成されている平板電極型燃料電池スタッ
    クにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部およ
    びアノード側の電解液保持板のエッジ部を全長にわたり
    耐電解質性の絶縁シートにてコの字状に覆うと共に、ア
    ノードコーナ部で前記絶縁シートのコの字端部を融着
    し、且つアノード電極とカソード電極に挟まれる部分の
    前記絶縁シートをカソード触媒層を覆わずアノード触媒
    層とアノードシールバンド層の境界面を覆うように配置
    したことを特徴とする燃料電池。
  22. 【請求項22】 電解質層を挟んで、前記電解質層に接
    する面に触媒層とその周辺にシールバンド層を形成した
    平板のアノード電極およびカソード電極をそれぞれ配置
    してなる単位セルを、燃料ガスまたは酸化剤ガスをそれ
    ぞれ上記電極に供給する溝を形成した電解液保持板で挟
    み、ガス不透過性のセパレータまたは冷却板を介して複
    数個積層して構成されている平板電極型燃料電池スタッ
    クにおいて、 アノード電極の燃料ガス流通方向に平行なエッジ部およ
    びアノード側の電解液保持板のエッジ部の少なくともカ
    ソードマニホールドの内部に位置する部分を耐電解質性
    の絶縁シートにてコの字状に覆うと共に、アノード電極
    とカソード電極に挟まれる部分の前記絶縁シートをカソ
    ード触媒層を覆わずアノード触媒層とアノードシールバ
    ンド層の境界面を覆うように配置したことを特徴とする
    燃料電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005062409A1 (ja) * 2003-12-24 2005-07-07 Honda Motor Co., Ltd. スタックの冷却方法及び固体高分子電解質型燃料電池
JP2008226646A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Sanyo Electric Co Ltd 燃料電池
CN111971832A (zh) * 2018-01-17 2020-11-20 努威拉燃料电池有限责任公司 流体流动设计改进的电化学电池

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