JPH0723414U - 時計バンドの取り付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 時計バンドの取り付け構造に係り、先カン部
を有する多数種類の時計バンドを、くし歯状バンド取付
部を有する時計ケースに接続可能にして、時計バンドの
交換性を高める。 【構成】 時計バンドの先カン部に取り付けられ一対の
取付片を有する接続駒体と、時計ケースのくし歯状バン
ド取付部と接続駒体との間に配される調整アダプタとを
具備し、調整アダプタは、くし歯状バンド取付部及び取
付片に対してピンにより支持される接続リンクと、間隙
を調整する調整座金とを有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、時計バンドの取り付け構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図５は、時計バンドの取り付け構造の例を示すもので、時計ケース１のバンド 取付部２に、時計バンド３の先カン部３ａがピン（ばね棒）４によって着脱可能 に取り付けられる。 この場合にあって、バンド取付部２における左右一対をなすバンド取付片２ａ の間の切欠部２ｂの幅寸法Ｗは、腕時計の形状及び大きさによって変化するため 、時計バンド３及び先カン部３ａの幅寸法を合わせたものが多数用意されている 。

【０００３】 図６は、時計バンドの取り付け構造の他の例を示すもので、くし歯状をなすバ ンド取付部（くし歯状バンド取付部）５と、デザイン性を考慮した時計バンド６ とが採用され、くし歯状バンド取付部５における各バンド取付片５ａ，５ｂの間 の切欠部５ｃに、時計バンド６の先カン部６ａが挿入されてピン４によって着脱 可能に取り付けられる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、図６例の構造であると、時計バンドの交換時に制約を受け易いという 難点がある。 つまり、腕時計のデザインの多様化によって、くし歯状バンド取付部５や時計 バンド６の形状、寸法が変更されるため、時計バンド６を新規のものに変換しよ うとすると、同一仕様のものや同一寸法のものが容易に得られない場合が多くな る。 また、各デザインに応じて多数の時計バンドを用意するには限界があり、在庫 がない場合には、時計バンドを交換することができなくなるという解決すべき点 がある。

【０００５】 本考案は、これらの事情に鑑みてなされたもので、先カン部を有する多数種類 の時計バンドを、くし歯状バンド取付部を有する時計ケースに接続可能にして、 時計バンドの交換性を高めることを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る時計バンドの取り付け構造では、時計ケースのくし歯状バンド取 付部と時計バンドの先カン部との接続を行なう場合に、先カン部に取り付けられ くし歯状バンド取付部との対向方向に突出状態の一対の取付片を有する接続駒体 と、くし歯状バンド取付部と接続駒体の取付片との間にこれらを接続した状態に 配される調整アダプタとを具備し、調整アダプタは、くし歯状バンド取付部の切 欠部と接続駒体の切欠部との間に配されくし歯状バンド取付部及び取付片に対し てピンにより支持される複数の接続リンクと、ピンの回りに配され接続リンクの 表面との間隙を調整する調整座金とを有する構成を採用している。

【０００７】

【作用】

時計バンドを新しいものと交換する場合には、くし歯状バンド取付部から古い 時計バンドを外すとともに、新しい時計バンドの先カン部に接続駒体を取り付け た状態とし、そして、接続駒体の一対の取付片の間に、くし歯状バンド取付部の 切欠部のピッチに合わせて接続リンクを配し、接続リンクの間隔を調整座金の厚 さで調整するように各接続リンク及び調整座金をピンによって取り付け、さらに 、くし歯状バンド取付部のバンド取付片と接続リンクとをピンによって接続する 。この際のバンド取付片と接続リンクとの間隙は、調整座金の挿入によって調整 される。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案に係る時計バンドの取り付け構造の一実施例について、図１ない し図４に基づいて説明する。 各図において、符号１１は接続駒体、１２は調整アダプタ、１３は接続リンク 、１４，１５は調整座金である。

【０００９】 該一実施例にあっては、時計ケース１のくし歯状バンド取付部５に時計バンド ３を取り付ける場合に、これらの途中に接続駒体１１及び調整アダプタ１２を介 在させるものであり、以下、その詳細について説明する。

【００１０】 前記接続駒体１１には、図１及び図４に示すように、接続方向に突出した状態 の各取付片１１ａが配されることにより、左右一対の取付片１１ａの間に時計バ ンド３の先カン部３ａと調整アダプタ１２とが挿入される切欠部１１ｂが形成さ れ、かつ、取付片１１ａにピン４の先端を挿入するための貫通状態の係止穴１１ ｃが明けられている。

【００１１】 前記調整アダプタ１２は、時計ケース１におけるくし歯状バンド取付部５と接 続駒体１１の取付片１１ａとの間に、ピン４を介在させてこれらを接続するよう に取り付けられるものであり、図１ないし図３に示すように、接続リンク１３及 び調整座金１４，１５を必要数組み合わせてなるものとされる。

【００１２】 前記接続リンク１３は、図１及び図２に示すように、その厚さＴが各種のくし 歯状バンド取付部５の切欠部５ｃの幅寸法Ｄよりも小さくなる設定がなされ、図 ３に示すように、両端部にピン４を挿入するための穴１３ａが明けられている。

【００１３】 前記調整座金１４，１５は、図３に示すように、円盤状に形成され、時計バン ド３の幅方向の厚さ寸法の異なるものが複数用意されるとともに、中心部にピン ４を挿入するための穴１４ａ，１５ａが明けられる。 なお、調整座金１４，１５の外径は、接続リンク１３とともに時計バンド３の 厚さ寸法に合わせて設定される。

【００１４】 このように構成されている時計バンドの取り付け構造にあって、図６に示す時 計バンド６に代えて図５に示す時計バンド３を取り付ける場合には、ピン４を抜 いてくし歯状バンド取付部５から時計バンド６を外した状態とするとともに、新 しい時計バンド３、接続駒体１１及び調整アダプタ１２を用意する。

【００１５】 〔接続駒体の取り付け〕 時計バンド３の先カン部３ａを接続駒体１１の切欠部１１ｂに挿入するととも に、図４に鎖線で示すように、ピン４を挿入してさらにピン４の両端を係止穴１ １ｃに挿入することにより、時計バンド３と接続駒体１１とを接続する。

【００１６】 〔調整アダプタの組み付け〕 そして、接続駒体１１の一対の取付片１１ａの間に、図２及び図３に示すよう に並べた調整アダプタ１２を配してピン４によって接続状態とする。 この場合にあって、接続リンク１３の間の調整座金１４の枚数等を調整するこ とにより、図１に示すくし歯状バンド取付部５の各切欠部５ｃに接続リンク１３ が位置合わせされた状態となるとともに、調整アダプタ１２の寸法が接続駒体１ １の切欠部１１ｂの寸法に合わされた状態となる。

【００１７】 〔時計ケースへの取り付け〕 さらに、くし歯状バンド取付部５のバンド取付片５ａと接続リンク１３とをピ ン４によって接続するようにするとともに、バンド取付片５ａ，５ｂと接続リン ク１３との間隙を調整座金１５の挿入によってほぼ消滅させるように調整する。 図１に示すように、時計ケース１のくし歯状バンド取付部５と時計バンド３と を接続駒体１１及び調整アダプタ１２を介在させることによって接続すると、仕 様やデザインの異なるものを相互に取り付けることができる。

【００１８】 〔他の実施態様〕 本考案の時計バンドの取り付け構造にあっては、一実施例に代えて次の技術を 適用することができる。 ａ）接続リンク１３にあって、厚さの異なるものを複数種類用意しておいて、く し歯状バンド取付部５の切欠部５ｃの幅寸法に対応させるようにすること。 ｂ）くし歯状バンド取付部５の切欠部５ｃが任意数であるものに対して適用する こと。 ｃ）くし歯状バンド取付部５及び時計バンド３に対して、接続駒体１１、接続リ ンク１３及び調整座金１４，１５を任意手順で取り付けること。

【００１９】

【考案の効果】

本考案に係る時計バンドの取り付け構造によれば、以下の効果を奏する。 （１） 時計バンドの先カン部に一対の取付片を有する接続駒体を取り付け、接 続駒体と時計ケースのくし歯状バンド取付部とを調整アダプタで接続し、調整ア ダプタは接続リンクと調整座金とを複数組み合わせたものとされるから、時計バ ンドの交換時の制約を受けることが少なくなり、先カン部を有する流通している 多くの時計バンドを使用することができる。 （２） 調整アダプタの接続リンクの間隔が調整座金の厚さによって設定され、 くし歯状バンド取付部の形状、寸法及び切欠部の数の変化に対して容易に適用す ることができる。 （３） 接続駒体や調整アダプタは、小部品で安価に大量生産可能であり、モデ ルの異なる時計バンドとの交換用部品としての在庫負担等を低減することができ る。 （４） 上記により、くし歯状バンド取付部専用の時計バンドをモデル毎に常時 在庫させておく必要性がなくなり、かつ、時計バンド交換需要に既存の時計バン ドを合わせて、速やかに対応することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る時計バンドの取り付け構造の一実
施例を示す正面図である。

【図２】図１の調整アダプタの部分の正面図である。

【図３】図１の調整アダプタの部分の組み合わせ状況を
示す斜視図である。

【図４】図１の接続駒体の部分の組み合わせ状況を示す
斜視図である。

【図５】時計バンドの取り付け構造の従来例を示す正面
図である。

【図６】時計バンドの取り付け構造の他の従来例を示す
正面図である。

【符号の説明】

１ 時計ケース ２ バンド取付部 ２ａ バンド取付片 ２ｂ 切欠部 ３ 時計バンド ３ａ 先カン部 ４ ピン（ばね棒） ５ くし歯状バンド取付部 ５ａ，５ｂ バンド取付片 ５ｃ 切欠部 ６ 時計バンド ６ａ 先カン部 １１ 接続駒体 １１ａ 取付片 １１ｂ 切欠部 １１ｃ 係止穴 １２ 調整アダプタ １３ 接続リンク １３ａ 穴 １４，１５ 調整座金 １４ａ，１５ａ 穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 金澤 圭介 東京都江東区新大橋１丁目12番13号 株式 会社セイコーサービスセンター内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 時計ケース（１）のくし歯状バンド取付
   部（５）と時計バンド（３）の先カン部（３ａ）との接
   続を行なうものであって、先カン部に取り付けられくし
   歯状バンド取付部との対向方向に突出状態の一対の取付
   片（１１ａ）を有する接続駒体（１１）と、くし歯状バ
   ンド取付部と接続駒体の取付片との間にこれらを接続し
   た状態に配される調整アダプタ（１２）とを具備し、調
   整アダプタは、くし歯状バンド取付部の切欠部（５ｃ）
   と接続駒体の切欠部（１１ｂ）との間に配されくし歯状
   バンド取付部及び取付片に対してピン（４）により支持
   される複数の接続リンク（１３）と、ピンの回りに配さ
   れ接続リンクの表面との間隙を調整する調整座金（１
   ４）（１５）とを有することを特徴とする時計バンドの
   取り付け構造。