JPH0723093B2 - 乗車率測定方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、旅客列車の乗車率を容易に且つ高い精度で測
定することのできる方法に関するものである。

（従来の技術） 従来乗車率を調査する為には、車掌の報告によるか、臨
時に調査員をプラツトホームに配置して、乗降人員を目
視により計測する方法がとられてきた。また、最近で
は、車両の空気ばねの圧力を測定する方法が提案され、
実用に供されようとしている。

（発明が解決しようとする課題） 旅客鉄道事業者にとつて、利用状況の動向を確実に把握
する事は、運行計画、設備計画を樹立したり、その効果
を判定する上で重要な事項である。このためには季節、
曜日、時間帯、特別な時期などごとの乗車率と、その経
年変化を測定したデータを蓄積する必要がある。

目視による従来の方法では、調査のために多数の人員を
必要とし、このための経費が多額であり、また特に多く
の旅客が集中する駅においては、乗車率の誤差が認めら
れる等の問題点がある。

次に、車上測定の方法は、簡単に移動できるような装置
ではないため、きめこまかい測定をするためには数多く
の車両に設備しなければならない。この結果、莫大な設
備費を要し、また、測定の精度も十分とは言えない状況
にある。

更に、測定可能な車両が空気ばねを装備したものに限定
され、一般の渦巻ばねを装備した車両には適用できない
等の問題点を有する。

乗車率の測定は、旅客鉄道事業者がその公共的な使命
と、企業としての合理的な運営に必要な資料の収集のた
めに実施するものであるから、少ない費用で頻繁に実施
できて高い測定精度を得られる方法が望ましい。

本発明は、従来の技術における問題点を排除し、安価で
精度の高い乗車率測定方法を提供することを目的とする
ものである。

（課題を解決するための手段） 乗車率の測定を必要とする区間で、レールに歪みゲージ
を貼着し、車両の通過時にレールに発生する応力から車
両重量を測定し、車両重量から乗客重量を算出する。こ
のため、鉄道軌道を形成する２本のレールの対応する位
置に夫々２対以上の歪みゲージを貼着し、歪みゲージの
直上を通過する車輪の重量を検出する。

（作用） 車両通過時における歪みゲージの伸縮による電気抵抗の
変化より、レールに発生する応力を測定する。レール応
力の測定値から車輪をかいしてレールに及ぼす荷重を演
算し、両側のレール荷重を合算して車両重量を算出す
る。

予め測定された空車重量を上記車両重量から差し引いて
乗客重量を求め、経験的に判明している平均体重で乗客
重量を割り、乗車人員を算出する。

この方法によれば、誤差百分の１程度の高い精度で旅客
重量を算出できる。

（実施例） 本発明の実施例を第１図について説明する。

両側のレール１、１の相対する位置に２対の車両重量測
定歪みゲージ２、２、２、２を貼着し、リード線３、
３、３、３により歪み測定装置４と結線する。歪み測定
装置４に演算装置６を接続し、演算装置６に記録装置５
及び記憶装置７を接続する。

レール１、１に貼着された歪みゲージ２、２、２、２が
２対となつているのは次の理由による。

旅客車は、通常、それぞれ２本の車軸が取り付けられた
二つの台車を有するいわゆる２軸ボギー車であり、台車
の前後の車軸が歪みゲージの直上を通過するに要する僅
かな時間にも、前軸と後軸の重量分担が変化する可能性
がある。したがつて、ほぼ車軸間距離に等しい間隔に２
対の歪みゲージを貼着し、同時に４個の車輪重量を測定
することにより測定精度が向上する。

歪み測定装置４は、各歪みゲージ２、２、２、２の検出
値により４個の車輪重量を測定し演算装置６へ出力す
る。演算装置６は、歪み測定装置４の測定重量より１車
両毎の車両重量を計算し、記憶装置７のデータにより、
車両重量から空車重量を差し引いて乗客重量を求め、平
均体重で乗客重量を割り、乗車人数を求め、また車両あ
るいは列車毎の定員で乗車人数を割り、乗車率を求め
る。

記憶装置７は、予め測定された車両毎の空車重量、乗車
定員、季節により或いは線区により経験的に判明してい
る乗客の平均体重、列車の進入順序等を入力し記憶させ
ておき、必要な時に演算装置６に出力する。

電磁オツシログラフなどの記録装置５は、計算された乗
車率と列車通過時刻、列車番号等を記録する。

なお、上記実施例では２対の歪みゲージを使用したが、
歪みゲージの対を増すことにより、更に精度の向上を達
成できる。

（発明の効果） 本発明による乗車率測定方法は、鉄道軌道の両側のレー
ル（１）の相対する位置にほゞ車軸間距離に等しい間隔
で貼着された２対以上の歪みゲージ（２）と、各歪みゲ
ージ（２）に接続された歪み測定装置（４）と、歪み測
定装置（４）に接続された演算装置（６）と、演算装置
（６）に接続された記録装置（５）及び記憶装置（７）
とを具え、車両通過時に各レール（１）に発生する応力
を各歪みゲージ（２）により検出し、各歪みゲージ
（２）の検出値に基づき歪み測定装置（４）により、各
レール（１）上を通過する鉄道車両の各車輪重量を測定
し、予め記憶装置（７）に記憶した空車重量及び乗客の
平均体重と歪み測定装置（４）による測定重量とに基づ
き演算装置（６）で乗車人数及び乗車率を算定し記録装
置（５）に表示することにより、僅かな人員で迅速且つ
正確に車両の乗車率を把握することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の概略図である。 １……レール、２……歪みゲージ、４……歪み測定装
置、５……記録装置、６……演算装置、７……記憶装
置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 良雄 埼玉県飯能市大字中山382―１ Ａ―314 (72)発明者 山本 陽一 千葉県柏市松葉町４丁目１番８号 (56)参考文献 特開 昭63−301167（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−252063（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−37834（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鉄道軌道の両側のレール（１）の相対する
   位置にほゞ車軸間距離に等しい間隔で貼着された２枚以
   上の歪みゲージ（２）と、各歪みゲージ（２）に接続さ
   れた歪み測定装置（４）と、歪み測定装置（４）に接続
   された演算装置（６）と、演算装置（６）に接続された
   記録装置（５）及び記憶装置（７）とを具え、車両通過
   時に各レール（１）に発生する応力を各歪みゲージ
   （２）により検出し、各歪みゲージ（２）の検出値に基
   づき歪み測定装置（４）により、各レール（１）上を通
   過する鉄道車両の各車輪重量を測定し、予め記憶装置
   （７）に記憶した空車重量及び乗客の平均体重と歪み測
   定装置（４）による測定重量とに基づき演算装置（６）
   で乗車人数及び乗車率を算定し記録装置（５）に表示す
   ることを特徴とする乗車率測定方法。