JPH07229023A - アクリル系繊維 - Google Patents
アクリル系繊維Info
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- JPH07229023A JPH07229023A JP4171994A JP4171994A JPH07229023A JP H07229023 A JPH07229023 A JP H07229023A JP 4171994 A JP4171994 A JP 4171994A JP 4171994 A JP4171994 A JP 4171994A JP H07229023 A JPH07229023 A JP H07229023A
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- acrylonitrile
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- fiber
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- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた保温性、吸水性及び良好な抗ピル性を
有するアクリル系繊維を提供する。 【構成】 アクリロニトリルを主成分とし、アクリル酸
メチルを共重合成分とするアクリロニトリル系重合体を
鞘成分、該鞘成分重合体より10wt%以上少ないアク
リロニトリルを含有し、ハロゲン元素含有ビニル系単量
体を共重合成分とするアクリロニトリル系重合体を芯成
分とし、芯鞘間に繊維軸方向に連続する中空部を有する
繊維であって、繊維の結節強度(g/d)と結節伸度
(%)の積が50以下である繊維。
有するアクリル系繊維を提供する。 【構成】 アクリロニトリルを主成分とし、アクリル酸
メチルを共重合成分とするアクリロニトリル系重合体を
鞘成分、該鞘成分重合体より10wt%以上少ないアク
リロニトリルを含有し、ハロゲン元素含有ビニル系単量
体を共重合成分とするアクリロニトリル系重合体を芯成
分とし、芯鞘間に繊維軸方向に連続する中空部を有する
繊維であって、繊維の結節強度(g/d)と結節伸度
(%)の積が50以下である繊維。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多種の機能を有するア
クリル系繊維に関する。
クリル系繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アクリル繊維の保温性或いは
吸水性を向上させるために、繊維を中空構造とする提案
が多数なされ、例えば、延伸条件によりスキン層を形成
する方法(特開昭61−28014号公報)、芯成分の
重合体濃度を低くし芯鞘複合紡糸する方法(特開昭60
−18332号公報)、芯成分の重合体の親水性を高く
し芯鞘複合紡糸する方法(特公昭62−7286号公
報)、芯成分に高分子量の重合体を用い芯成分の原液を
低くし芯鞘複合紡糸する方法(特開平3−249215
号公報)等が知られている。一方、アクリル繊維に抗ピ
ル性を付与するための提案も多数なされ、例えば、繊維
の断面を真円化する方法(特開昭59−116404号
公報)、繊維の引張強度、結節強伸度を特定化する方法
(特開昭59−192717号公報)、紡糸条件を特定
化する方法(特開平4−57909号公報)等が知られ
ている。
吸水性を向上させるために、繊維を中空構造とする提案
が多数なされ、例えば、延伸条件によりスキン層を形成
する方法(特開昭61−28014号公報)、芯成分の
重合体濃度を低くし芯鞘複合紡糸する方法(特開昭60
−18332号公報)、芯成分の重合体の親水性を高く
し芯鞘複合紡糸する方法(特公昭62−7286号公
報)、芯成分に高分子量の重合体を用い芯成分の原液を
低くし芯鞘複合紡糸する方法(特開平3−249215
号公報)等が知られている。一方、アクリル繊維に抗ピ
ル性を付与するための提案も多数なされ、例えば、繊維
の断面を真円化する方法(特開昭59−116404号
公報)、繊維の引張強度、結節強伸度を特定化する方法
(特開昭59−192717号公報)、紡糸条件を特定
化する方法(特開平4−57909号公報)等が知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アク
リル繊維を特定の芯鞘構造の複合繊維とし、かつ複合繊
維中に中空構造を導入したことにより、従来のアクリル
繊維には勿論のこと、従来の提案にも全くない、優れた
保温性、吸水性及び良好な抗ピル性を有するアクリル系
繊維を提供することにある。
リル繊維を特定の芯鞘構造の複合繊維とし、かつ複合繊
維中に中空構造を導入したことにより、従来のアクリル
繊維には勿論のこと、従来の提案にも全くない、優れた
保温性、吸水性及び良好な抗ピル性を有するアクリル系
繊維を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリロニト
リルを主成分とし、アクリル酸メチルを共重合成分とす
るアクリロニトリル系重合体を鞘成分、該鞘成分重合体
より10wt%以上少ないアクリロニトリルを含有し、
ハロゲン元素含有ビニル系単量体を共重合成分とするア
クリロニトリル系重合体を芯成分とし、芯鞘間に繊維軸
方向に連続する中空部を有する繊維であって、繊維の結
節強度(g/d)と結節伸度(%)の積が50以下であ
ることを特徴とするアクリル系繊維にある。
リルを主成分とし、アクリル酸メチルを共重合成分とす
るアクリロニトリル系重合体を鞘成分、該鞘成分重合体
より10wt%以上少ないアクリロニトリルを含有し、
ハロゲン元素含有ビニル系単量体を共重合成分とするア
クリロニトリル系重合体を芯成分とし、芯鞘間に繊維軸
方向に連続する中空部を有する繊維であって、繊維の結
節強度(g/d)と結節伸度(%)の積が50以下であ
ることを特徴とするアクリル系繊維にある。
【0005】本発明のアクリル系繊維は、2種のアクリ
ロニトリル系重合体からなる芯鞘構造の複合繊維であ
り、鞘は、アクリロニトリルを主成分とし、アクリル酸
メチルを共重合成分とするアクリロニトリル系重合体で
構成される。鞘を構成する成分、即ち鞘成分をアクリル
酸メチル共重合のアクリロニトリル系重合体であること
が、抗ピル性の付与、中空部の形成上、必要である。鞘
成分のアクリロニトリル系重合体としては、好ましくは
アクリロニトリル90wt%以上、かつアクリル酸メチ
ル1wt%以上、より好ましくはアクリロニトリル90
wt%以上、かつアクリル酸メチル3wt%以上の共重
合体が用いられる。
ロニトリル系重合体からなる芯鞘構造の複合繊維であ
り、鞘は、アクリロニトリルを主成分とし、アクリル酸
メチルを共重合成分とするアクリロニトリル系重合体で
構成される。鞘を構成する成分、即ち鞘成分をアクリル
酸メチル共重合のアクリロニトリル系重合体であること
が、抗ピル性の付与、中空部の形成上、必要である。鞘
成分のアクリロニトリル系重合体としては、好ましくは
アクリロニトリル90wt%以上、かつアクリル酸メチ
ル1wt%以上、より好ましくはアクリロニトリル90
wt%以上、かつアクリル酸メチル3wt%以上の共重
合体が用いられる。
【0006】鞘成分のアクリロニトリル系重合体は、染
色性等の性能を向上させるため、抗ピル性の付与、中空
部の形成を阻害しない範囲で更に他の共重合成分を含有
していてもよく、かかる他の共重合成分として、酢酸ビ
ニル、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、メタク
リルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
色性等の性能を向上させるため、抗ピル性の付与、中空
部の形成を阻害しない範囲で更に他の共重合成分を含有
していてもよく、かかる他の共重合成分として、酢酸ビ
ニル、アクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸メチ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、メタク
リルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0007】また、芯は、鞘成分重合体より10wt%
以上少ないアクリロニトリルを含有し、ハロゲン元素含
有ビニル系単量体を共重合成分とするアクリロニトリル
系重合体で構成される。芯を構成する成分、即ち芯成分
をハロゲン元素含有ビニル系単量体共重合のアクリロニ
トリル系重合体であって、かつ鞘成分重合体より10w
t%以上少ないアクリロニトリルを含有するアクリロニ
トリル系重合体であることが、中空部の形成上、必要で
ある。
以上少ないアクリロニトリルを含有し、ハロゲン元素含
有ビニル系単量体を共重合成分とするアクリロニトリル
系重合体で構成される。芯を構成する成分、即ち芯成分
をハロゲン元素含有ビニル系単量体共重合のアクリロニ
トリル系重合体であって、かつ鞘成分重合体より10w
t%以上少ないアクリロニトリルを含有するアクリロニ
トリル系重合体であることが、中空部の形成上、必要で
ある。
【0008】芯成分のアクリロニトリル系重合体として
は、鞘成分重合体より10wt%以上少ないアクリロニ
トリルを含有し、好ましくはアクリロニトリル80〜4
0wt%、ハロゲン元素含有ビニル系単量体20〜60
wt%、より好ましくはアクリロニトリル65〜50w
t%、ハロゲン元素含有ビニル系単量体35〜50wt
%の共重合体が用いられる。アクリロニトリル含有量が
80wt%を超え、ハロゲン元素含有ビニル系単量体の
共重合量が20wt%未満では、中空部の形成が不良と
なり、アクリロニトリル含有量が40wt%未満で、ハ
ロゲン元素含有ビニル系単量体の共重合量が60wt%
を超えると、繊維形成の際の紡糸性や強度等の繊維物性
が低下する。芯成分のアクリロニトリル系重合体のハロ
ゲン元素含有ビニル系単量体としては、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、臭化ビニル等が好適に用いられる。
は、鞘成分重合体より10wt%以上少ないアクリロニ
トリルを含有し、好ましくはアクリロニトリル80〜4
0wt%、ハロゲン元素含有ビニル系単量体20〜60
wt%、より好ましくはアクリロニトリル65〜50w
t%、ハロゲン元素含有ビニル系単量体35〜50wt
%の共重合体が用いられる。アクリロニトリル含有量が
80wt%を超え、ハロゲン元素含有ビニル系単量体の
共重合量が20wt%未満では、中空部の形成が不良と
なり、アクリロニトリル含有量が40wt%未満で、ハ
ロゲン元素含有ビニル系単量体の共重合量が60wt%
を超えると、繊維形成の際の紡糸性や強度等の繊維物性
が低下する。芯成分のアクリロニトリル系重合体のハロ
ゲン元素含有ビニル系単量体としては、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、臭化ビニル等が好適に用いられる。
【0009】また、芯成分のアクリロニトリル系重合体
は、染色性等の性能を向上させるため、中空部の形成を
阻害しない範囲で更に他の共重合成分を含有していても
よく、かかる他の共重合成分として、酢酸ビニル、アク
リルアミド、アクリル酸、アククリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、メタクリルスルホン酸ナトリウム等が挙
げられる。また芯成分のアクリロニトリル系重合体に
は、酸化アンチモン等の難燃化剤の如き添加剤が含まれ
ていてもよい。
は、染色性等の性能を向上させるため、中空部の形成を
阻害しない範囲で更に他の共重合成分を含有していても
よく、かかる他の共重合成分として、酢酸ビニル、アク
リルアミド、アクリル酸、アククリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、メタクリルスルホン酸ナトリウム等が挙
げられる。また芯成分のアクリロニトリル系重合体に
は、酸化アンチモン等の難燃化剤の如き添加剤が含まれ
ていてもよい。
【0010】本発明のアクリル系繊維における芯鞘比
は、特に限定はされないが、中空部の形成及び保持上、
好ましくは芯/鞘比(重量比)が1/1〜1/20、よ
り好ましくは1/3〜1/10である。
は、特に限定はされないが、中空部の形成及び保持上、
好ましくは芯/鞘比(重量比)が1/1〜1/20、よ
り好ましくは1/3〜1/10である。
【0011】本発明のアクリル系繊維においては、芯鞘
間の一部または全部に繊維軸方向に連続する中空部を有
する。繊維断面における中空部の割合は、任意に選択し
うるが、好ましくは繊維断面に対し5〜30%、より好
ましくは15〜25%である。中空部の割合が5%未満
では、中空部による保温性、吸湿性の確保が不十分であ
り、30%を超えると、繊維のつぶれ等が生じ易くな
る。
間の一部または全部に繊維軸方向に連続する中空部を有
する。繊維断面における中空部の割合は、任意に選択し
うるが、好ましくは繊維断面に対し5〜30%、より好
ましくは15〜25%である。中空部の割合が5%未満
では、中空部による保温性、吸湿性の確保が不十分であ
り、30%を超えると、繊維のつぶれ等が生じ易くな
る。
【0012】本発明のアクリル系繊維は、その繊維の結
節強度(g/d)と結節伸度(%)の積が50以下、好
ましくは30以下であることが必要であり、積が50を
超えると、十分な抗ピル性を奏しない。
節強度(g/d)と結節伸度(%)の積が50以下、好
ましくは30以下であることが必要であり、積が50を
超えると、十分な抗ピル性を奏しない。
【0013】以下に本発明のアクリル系繊維の製造方法
について説明する。本発明のアクリル系繊維の製造に
は、アクリル繊維の製造に一般に用いられている紡糸方
法が適用され、アクリル酸メチル共重合のアクリロニト
リル系重合体からなる鞘成分の紡糸原液、鞘成分重合体
より10wt%以上少ないアクリロニトリルを含有しハ
ロゲン元素含有ビニル系単量体共重合のアクリロニトリ
ル系重合体からなる芯成分の紡糸原液を調製し、鞘成分
の紡糸原液、芯成分の紡糸原液を用い、通常の芯鞘複合
紡糸口金を用いて複合紡糸する。
について説明する。本発明のアクリル系繊維の製造に
は、アクリル繊維の製造に一般に用いられている紡糸方
法が適用され、アクリル酸メチル共重合のアクリロニト
リル系重合体からなる鞘成分の紡糸原液、鞘成分重合体
より10wt%以上少ないアクリロニトリルを含有しハ
ロゲン元素含有ビニル系単量体共重合のアクリロニトリ
ル系重合体からなる芯成分の紡糸原液を調製し、鞘成分
の紡糸原液、芯成分の紡糸原液を用い、通常の芯鞘複合
紡糸口金を用いて複合紡糸する。
【0014】鞘成分、芯成分の各紡糸原液に用いられる
溶剤としては、アクリロニトリル系重合体の溶剤として
一般に用いられている溶剤が適用可能であり、例えばジ
メチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、γ−ブチ
ロラクトン、エチレンカーボネート、硝酸チオシアン酸
ナトリウム、塩化亜鉛水溶液等が挙げられる。各紡糸原
液の濃度は、特に限定されるものではないが、少なくと
も一方の紡糸原液の重合体濃度を22wt%以下とする
ことは、結節強度と結節伸度の積が50以下の繊維を得
る上での容易さの点から好ましいことである。複合紡糸
における紡糸方式としては、紡糸原液を凝固浴に紡出す
る方式の湿式紡糸法、乾湿式紡糸法が好ましく用いられ
る。
溶剤としては、アクリロニトリル系重合体の溶剤として
一般に用いられている溶剤が適用可能であり、例えばジ
メチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、γ−ブチ
ロラクトン、エチレンカーボネート、硝酸チオシアン酸
ナトリウム、塩化亜鉛水溶液等が挙げられる。各紡糸原
液の濃度は、特に限定されるものではないが、少なくと
も一方の紡糸原液の重合体濃度を22wt%以下とする
ことは、結節強度と結節伸度の積が50以下の繊維を得
る上での容易さの点から好ましいことである。複合紡糸
における紡糸方式としては、紡糸原液を凝固浴に紡出す
る方式の湿式紡糸法、乾湿式紡糸法が好ましく用いられ
る。
【0015】本発明のアクリル系繊維の製造に際して
は、複合紡糸後、乾燥緻密化処理に先立ち、80℃以下
の温度で紡出された繊維を乾燥処理することにより中空
部を形成を容易にすることもできる。乾燥処理には、例
えば80℃以下の温度の低温ローラーの通過やエアーの
吹き付けによる方法等が適宜選択可能である。この乾燥
処理は、乾燥緻密化処理の直前、或いはカスケード延伸
の直前で行ってもよい。
は、複合紡糸後、乾燥緻密化処理に先立ち、80℃以下
の温度で紡出された繊維を乾燥処理することにより中空
部を形成を容易にすることもできる。乾燥処理には、例
えば80℃以下の温度の低温ローラーの通過やエアーの
吹き付けによる方法等が適宜選択可能である。この乾燥
処理は、乾燥緻密化処理の直前、或いはカスケード延伸
の直前で行ってもよい。
【0016】本発明のアクリル系繊維における中空部
は、鞘成分、芯成分の重合体の組成差に基づき、紡糸及
び紡糸に引き続く製糸過程での凝固性の差、芯鞘間の密
着性の減少により生ずる芯鞘間の界面剥離により形成さ
れる。
は、鞘成分、芯成分の重合体の組成差に基づき、紡糸及
び紡糸に引き続く製糸過程での凝固性の差、芯鞘間の密
着性の減少により生ずる芯鞘間の界面剥離により形成さ
れる。
【0017】また、本発明のアクリル系繊維の製造に当
たって、繊維の結節強度と結節伸度の積を50以下とす
るには、前述の如く紡糸原液の重合体濃度を低めとする
ほか、紡糸ドラフトを高めとすることも好ましいことで
ある。用いられる紡糸ドラフトは、紡糸性と両立させる
上から、0.6〜1.4の程度の範囲とする。
たって、繊維の結節強度と結節伸度の積を50以下とす
るには、前述の如く紡糸原液の重合体濃度を低めとする
ほか、紡糸ドラフトを高めとすることも好ましいことで
ある。用いられる紡糸ドラフトは、紡糸性と両立させる
上から、0.6〜1.4の程度の範囲とする。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、繊維の結節強度、結節伸度の測定は、JIS
L1013、抗ピル性の判定は、JIS L1076
A法、吸水性の測定は、JIS L1018B法バイレ
ック法に拠った。
る。なお、繊維の結節強度、結節伸度の測定は、JIS
L1013、抗ピル性の判定は、JIS L1076
A法、吸水性の測定は、JIS L1018B法バイレ
ック法に拠った。
【0019】(実施例1)アクリロニトリル95wt%
及びアクリル酸メチル5wt%のアクリロニトリル系重
合体の24wt%ジメチルアセトアミド溶液を鞘成分の
紡糸原液とし、アクリロニトリル60wt%及び塩化ビ
ニリデン40wt%のアクリロニトリル系重合体の21
wt%ジメチルアセトアミド溶液を芯成分の紡糸原液と
して、芯鞘複合紡糸口金を用い、芯/鞘紡糸原液吐出比
を1/5、紡糸ドラフトを0.8とし、ジメチルアセト
アミド55wt%水溶液、50℃の凝固浴中に紡出し、
カスケード延伸で5倍に延伸し、約25℃のエアー吹き
付けの乾燥処理後、130℃の加熱ローラーで乾燥緻密
化処理を行い、単糸繊度3デニールのアクリル系繊維を
安定性よく得た。得られたアクリル系繊維は、繊維軸方
向に連続する中空部を有し、下記の物性を有していた。 引張強度:2.7g/d 引張伸度:25% 中空率:20% 結節強度×結節伸度:(1.8g/d×25%)45 抗ピル性:3級 吸水性:93mm
及びアクリル酸メチル5wt%のアクリロニトリル系重
合体の24wt%ジメチルアセトアミド溶液を鞘成分の
紡糸原液とし、アクリロニトリル60wt%及び塩化ビ
ニリデン40wt%のアクリロニトリル系重合体の21
wt%ジメチルアセトアミド溶液を芯成分の紡糸原液と
して、芯鞘複合紡糸口金を用い、芯/鞘紡糸原液吐出比
を1/5、紡糸ドラフトを0.8とし、ジメチルアセト
アミド55wt%水溶液、50℃の凝固浴中に紡出し、
カスケード延伸で5倍に延伸し、約25℃のエアー吹き
付けの乾燥処理後、130℃の加熱ローラーで乾燥緻密
化処理を行い、単糸繊度3デニールのアクリル系繊維を
安定性よく得た。得られたアクリル系繊維は、繊維軸方
向に連続する中空部を有し、下記の物性を有していた。 引張強度:2.7g/d 引張伸度:25% 中空率:20% 結節強度×結節伸度:(1.8g/d×25%)45 抗ピル性:3級 吸水性:93mm
【0020】(実施例2)アクリロニトリル95wt%
及びアクリル酸メチル5wt%のアクリロニトリル系重
合体の20wt%ジメチルアセトアミド溶液を鞘成分の
紡糸原液とし、アクリロニトリル60wt%及び塩化ビ
ニリデン40wt%のアクリロニトリル系重合体の18
wt%ジメチルアセトアミド溶液を芯成分の紡糸原液と
して、芯鞘複合紡糸口金を用い、芯/鞘紡糸原液吐出比
を1/5、紡糸ドラフトを0.6とし、ジメチルアセト
アミド30wt%水溶液、40℃の凝固浴中に紡出し、
カスケード延伸で5倍に延伸し、約25℃のエアー吹き
付けの乾燥処理後、130℃の加熱ローラーで乾燥緻密
化処理を行い、単糸繊度3デニールのアクリル系繊維を
安定性よく得た。得られたアクリル系繊維は、繊維軸方
向に連続する中空部を有し、下記の物性を有していた。 引張強度:2.7g/d 引張伸度:24% 中空率:23% 結節強度×結節伸度:(1.7g/d×17.5%)3
0 抗ピル性:4級 吸水性:95mm
及びアクリル酸メチル5wt%のアクリロニトリル系重
合体の20wt%ジメチルアセトアミド溶液を鞘成分の
紡糸原液とし、アクリロニトリル60wt%及び塩化ビ
ニリデン40wt%のアクリロニトリル系重合体の18
wt%ジメチルアセトアミド溶液を芯成分の紡糸原液と
して、芯鞘複合紡糸口金を用い、芯/鞘紡糸原液吐出比
を1/5、紡糸ドラフトを0.6とし、ジメチルアセト
アミド30wt%水溶液、40℃の凝固浴中に紡出し、
カスケード延伸で5倍に延伸し、約25℃のエアー吹き
付けの乾燥処理後、130℃の加熱ローラーで乾燥緻密
化処理を行い、単糸繊度3デニールのアクリル系繊維を
安定性よく得た。得られたアクリル系繊維は、繊維軸方
向に連続する中空部を有し、下記の物性を有していた。 引張強度:2.7g/d 引張伸度:24% 中空率:23% 結節強度×結節伸度:(1.7g/d×17.5%)3
0 抗ピル性:4級 吸水性:95mm
【0021】(比較例1)実施例1において、芯成分の
紡糸原液に代えて、アクリロニトリル90wt%及び塩
化ビニリデン10wt%のアクリロニトリル系重合体の
21wt%ジメチルアセトアミド溶液を用いた以外は、
実施例1と同様にしてアクリル繊維を得た。繊維は、不
十分な中空部が形成され、下記の物性を有していたが、
吸水性に劣るものであった。。 引張強度:2.7g/d 引張伸度:25% 中空率:5%以下 結節強度×結節伸度:(1.8g/d×24.5%)4
3 抗ピル性:3級 吸水性:70mm
紡糸原液に代えて、アクリロニトリル90wt%及び塩
化ビニリデン10wt%のアクリロニトリル系重合体の
21wt%ジメチルアセトアミド溶液を用いた以外は、
実施例1と同様にしてアクリル繊維を得た。繊維は、不
十分な中空部が形成され、下記の物性を有していたが、
吸水性に劣るものであった。。 引張強度:2.7g/d 引張伸度:25% 中空率:5%以下 結節強度×結節伸度:(1.8g/d×24.5%)4
3 抗ピル性:3級 吸水性:70mm
【0022】(比較例2)実施例1において、鞘成分の
紡糸原液に代えて、アクリロニトリル95wt%及び酢
酸ビニル5wt%のアクリロニトリル系重合体の21w
t%ジメチルアセトアミド溶液を用いた以外は、実施例
1と同様にしてアクリル繊維を得た。得られた繊維は、
繊維軸方向に連続する中空部を有していたが、下記の物
性を有し、抗ピル性に劣るものであった。 引張強度:2.1g/d 引張伸度:29% 中空率:20% 結節強度×結節伸度:(1.7g/d×41.0%)7
0 抗ピル性:1級 吸水性:91mm
紡糸原液に代えて、アクリロニトリル95wt%及び酢
酸ビニル5wt%のアクリロニトリル系重合体の21w
t%ジメチルアセトアミド溶液を用いた以外は、実施例
1と同様にしてアクリル繊維を得た。得られた繊維は、
繊維軸方向に連続する中空部を有していたが、下記の物
性を有し、抗ピル性に劣るものであった。 引張強度:2.1g/d 引張伸度:29% 中空率:20% 結節強度×結節伸度:(1.7g/d×41.0%)7
0 抗ピル性:1級 吸水性:91mm
【0023】
【発明の効果】本発明のアクリル系繊維は、繊維軸方向
に連続した中空部を有し、かつ結節強度、結節伸度の少
なくとも一方を低下させた繊維であり、中空部に基づく
優れた保温性、吸水性を有すると共に繊維構成の重合体
組成に基づく良好な抗ピル性を奏するアクリル系繊維で
ある。また本発明のアクリル系繊維は、芯成分にハロゲ
ン元素含有ビニル系単量体の高共重合の重合体を用いる
ときは、難燃性をも有するより多機能な繊維となる。従
い、本発明によれば、衣料用途等に好適な機能を有する
アクリル系繊維を提供することができる。
に連続した中空部を有し、かつ結節強度、結節伸度の少
なくとも一方を低下させた繊維であり、中空部に基づく
優れた保温性、吸水性を有すると共に繊維構成の重合体
組成に基づく良好な抗ピル性を奏するアクリル系繊維で
ある。また本発明のアクリル系繊維は、芯成分にハロゲ
ン元素含有ビニル系単量体の高共重合の重合体を用いる
ときは、難燃性をも有するより多機能な繊維となる。従
い、本発明によれば、衣料用途等に好適な機能を有する
アクリル系繊維を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/40
Claims (1)
- 【請求項1】 アクリロニトリルを主成分とし、アクリ
ル酸メチルを共重合成分とするアクリロニトリル系重合
体を鞘成分、該鞘成分重合体より10wt%以上少ない
アクリロニトリルを含有し、ハロゲン元素含有ビニル系
単量体を共重合成分とするアクリロニトリル系重合体を
芯成分とし、芯鞘間に繊維軸方向に連続する中空部を有
する繊維であって、繊維の結節強度(g/d)と結節伸
度(%)の積が50以下であることを特徴とするアクリ
ル系繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4171994A JPH07229023A (ja) | 1994-02-17 | 1994-02-17 | アクリル系繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4171994A JPH07229023A (ja) | 1994-02-17 | 1994-02-17 | アクリル系繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07229023A true JPH07229023A (ja) | 1995-08-29 |
Family
ID=12616239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4171994A Pending JPH07229023A (ja) | 1994-02-17 | 1994-02-17 | アクリル系繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07229023A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008285778A (ja) * | 2007-05-16 | 2008-11-27 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | アクリル系三角形断面繊維とその製造方法 |
JP5122133B2 (ja) * | 2004-02-27 | 2013-01-16 | 株式会社カネカ | 人工頭髪繊維束及びそれからなる頭飾製品 |
-
1994
- 1994-02-17 JP JP4171994A patent/JPH07229023A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5122133B2 (ja) * | 2004-02-27 | 2013-01-16 | 株式会社カネカ | 人工頭髪繊維束及びそれからなる頭飾製品 |
JP2008285778A (ja) * | 2007-05-16 | 2008-11-27 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | アクリル系三角形断面繊維とその製造方法 |
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