JPH07226669A - 出力回路 - Google Patents

出力回路

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JPH07226669A
JPH07226669A JP6015337A JP1533794A JPH07226669A JP H07226669 A JPH07226669 A JP H07226669A JP 6015337 A JP6015337 A JP 6015337A JP 1533794 A JP1533794 A JP 1533794A JP H07226669 A JPH07226669 A JP H07226669A
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信一 田中
Takehiro Takayanagi
武浩 高柳
Yasuhisa Uchida
康久 内田
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Texas Instruments Japan Ltd
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HINODE HIGHTECH KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】動作速度の向上を図れ、貫通電流を低減でき、
低消費電力化をも図れ、また大型化を防止できる出力回
路を実現する。 【構成】電源と接地ラインとの間に直列に接続され、そ
の接続点により出力ノードND12が構成されるpMOS
トランジスタPT2 およnMOSトランジスタNT
2 と、pMOSトランジスタPT3 〜PT6 よりなるウ
ィルソン型カレントミラー回路と、カレントミラー回路
に電流の流れを誘起させるnMOSトランジスタNT3
と、カレントミラー回路の電流出力ノードND1 と接地
ラインとの間に接続されたnMOSトランジスタNT1
とを設け、pMOSトランジスタPT2のゲートを電流
出力ノードND1 に接続し、nMOSトランジスタNT
1 とnMOSトランジスタNT2 ,NT3 とのゲートを
互いに逆相の信号INおよびXINの入力ラインに接続
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力信号電圧を他の電
圧レベルに変換するレベルシフタや演算増幅器などの出
力回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は、従来の出力回路としてのレベ
ルシフタの構成例を示す回路図である。図12におい
て、PT1 ,PT2 はpチャネルMOS(pMOS)ト
ランジスタ、NT1 ,NT2 はnチャネルMOS(nM
OS)トランジスタ、IN,XINは相補的レベルの入
力信号をそれぞれ示している。
【0003】pMOSトランジスタPT1 およびPT2
のソースが高電圧VEE(たとえば15V)の供給ライン
に接続され、nMOSトランジスタNT1 およびNT2
のソースが接地ラインに接続されている。pMOSトラ
ンジスタPT1 およびnMOSトランジスタNT1 のド
レイン同士が接続され、その接続中点によりノードND
1 が構成され、このノードND1がpMOSトランジス
タPT2 のゲートに接続されている。pMOSトランジ
スタPT2 およびnMOSトランジスタNT2 のドレイ
ン同士が接続され、その接続中点によりノードND2
構成され、このノードND2が出力端TOUT に接続され
ているとともに、pMOSトランジスタPT1 のゲート
に接続されている。そして、nMOSトランジスタNT
1 のゲートが信号INの入力端TINに接続され、nMO
SトランジスタNT2 のゲートが信号XINの入力端T
XIN に接続されている。
【0004】このような構成において、たとえば接地レ
ベル0Vから電源電圧VDDレベル、たとえば5Vに切り
替えられた信号INがnMOSトランジスタNT1 のゲ
ートに供給され、信号INと相補的レベルをとる信号X
INが5Vから0Vに切り替えられてnMOSトランジ
スタNT2 のゲートに供給される。その結果、nMOS
トランジスタNT1 はオン状態となり、nMOSトラン
ジスタNT2 はオフ状態となる。nMOSトランジスタ
NT1 がオン状態になったことにより、ノードND1
接地レベルに引き込まれ、これに伴いpMOSトランジ
スタPT2 のゲート電位も下降することから、pMOS
トランジスタPT2 がオン状態となる。その結果、ノー
ドND2 が高電圧VEEに引き上げられる。すなわち、5
Vの入力電圧が15Vの高電圧VEEに変換され、OUT
として出力される。また、出力側ノードND2 の高電圧
EEレベルはpMOSトランジスタPT1のゲートに供
給される。これにより、pMOSトランジスタPT1
オフ状態に安定に保持され、高電圧VEEの入力側ノード
ND1 への供給が遮断される。その結果、ノードND1
の電位下降が加速され、出力OUTは高電圧VEEレベル
に安定に保持される。
【0005】ここで、入力信号レベルが切り替わり、信
号INが0VでnMOSトランジスタNT1 のゲートに
供給され、信号INと相補的レベルをとる信号XINが
5VでnMOSトランジスタNT2 のゲートに供給され
ると、nMOSトランジスタNT1 はオン状態からオフ
状態に切り替わり、nMOSトランジスタNT2 はオフ
状態からオン状態に切り替わる。nMOSトランジスタ
NT2 がオン状態になったことに伴い、出力側ノードN
2 が接地レベルに引き込まれる。その結果、0Vの入
力電圧が0VのままでOUTとして出力される。出力側
ノードND2 が接地レベルに引き込まれることに伴い、
pMOSトランジスタPT1 のゲート電位が下降し、p
MOSトランジスタPT1 がオン状態となる。その結
果、ノードND1 が高電圧VEEに引き上げられる。ま
た、入力側ノードND1 の高電圧VEEレベルはpMOS
トランジスタPT2のゲートに供給される。これによ
り、pMOSトランジスタPT2 はオフ状態に安定に保
持され、高電圧VEEの出力側ノードND2 への供給が遮
断される。その結果、ノードND2 の電位下降が加速さ
れ、出力OUTは接地レベルに安定に保持される。
【0006】また、TFT(Thin Film Transitor) 型液
晶デバイスのソースドライブICは、アナログ入力をサ
ンプルホールドし、その電圧をボルテージフォロワ接続
された演算増幅器によりバッファリングし、TFT型液
晶デバイスのソースを駆動している。ここで用いられる
演算増幅器は、液晶パネルが持つ数百pFの容量を高速
に駆動できなければならず、また、液晶パネルの大型化
に伴う多チャネル化により回路規模は小さい必要があ
る。実際には、各チャネルに最低1個の演算増幅器が用
いられる。
【0007】図13は、従来の出力回路としてのCMO
S演算増幅器の構成例を示す回路図である。図13にお
いて、PT11〜PT16はpMOSトランジスタ、NT11
〜NT13はnMOSトランジスタ、I11,I12は電流源
をそれぞれ示している。
【0008】pMOSトランジスタPT11およびPT12
のソース同士が接続され、pMOSトランジスタPT13
〜PT16のソースが電源電圧VDDの供給ラインに接続さ
れ、nMOSトランジスタNT11〜NT13のソースが接
地ラインに接続されている。pMOSトランジスタPT
11およびnMOSトランジスタNT11のドレイン同士が
接続されてノードND11が構成されている。また、pM
OSトランジスタPT12およびnMOSトランジスタN
12のドレイン同士が接続され、nMOSトランジスタ
NT11およひNT12のゲート同士が接続され、さらにこ
のゲート同士の接続中点がnMOSトランジスタNT12
のドレインに接続されて初段の差動増幅器が構成されて
いる。この差動増幅器の出力であるノードND11はnM
OSトランジスタNT13のゲートに接続されている。p
MOSトランジスタPT16およびnMOSトランジスタ
NT13のドレイン同士が接続されて出力増幅段が構成さ
れ、このドレイン同士の接続中点により出力側ノードN
12構成され、このノードND12が出力端TOUT に接続
されている。
【0009】また、pMOSトランジスタPT13および
PT14のゲート同士が接続され、このゲート同士の接続
中点がpMOSトランジスタPT13のドレインおよび電
流源I11に接続されてカレントミラー回路が構成されて
いる。そして、pMOSトランジスタPT14のドレイン
が差動増幅器を構成するpMOSトランジスタPT11
よびPT12のソース同士の接続中点に接続されている。
これにより、カレントミラー回路から差動増幅器に対し
て定電流が供給される。同様に、pMOSトランジスタ
PT15およびPT16のゲート同士が接続され、このゲー
ト同士の接続中点がpMOSトランジスタPT15のドレ
インおよび電流源I12に接続されてカレントミラー回路
が構成されている。このカレントミラー回路により出力
増幅段に対して定電流が供給される。
【0010】そして、初段差動増幅器のpMOSトラン
ジスタPT11のゲートが信号INの入力端TINに接続さ
れ、pMOSトランジスタPT12のゲートが出力側ノー
ドND12に接続されている。初段差動増幅器は、pMO
SトランジスタPT11のゲートにより非反転入力が構成
され、pMOSトランジスタPT12のゲートにより反転
入力が構成され、反転入力が出力に接続されていること
から、ゲイン「1」の増幅器となっている。また、出力
段のnMOSトランジスタNT13のゲートとドレインと
の間には位相補償用のキャパシタC11が接続されてい
る。
【0011】図13のCMOS演算増幅器は、入力印加
電圧INと同電圧のOUTを出力する。そして、出力段
は、定電流で駆動しているため、この演算増幅器はA級
動作をする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のレベルシフタでは、スイッチングスピード、消
費電流等の特性が、出力に付く負荷容量に大きく依存し
てしまうという問題があった。すなわち、たとえば出力
端TOUT に大きい容量を持つゲート等を接続すると、上
述した入力信号INが0Vから5Vに切り替わり、信号
XINが5Vから0Vに切り替わったときの動作におい
て、負荷容量への充電による出力OUT電位の上昇が遅
れ、pMOSトランジスタPT1 のオン状態からオフ状
態への切り替わりを遅らせる。この状態遷移の遅れは入
力側ノードND1 の電位降下を遅らせ、pMOSトラン
ジスタPT2 のオフ状態からオン状態への切り替わりに
伴うOUT電位の上昇を遅らせてしまう。これは、pM
OSトランジスタPT1 に対して出力をフィードバック
していることが原因である。pMOSトランジスタPT
1 のゲートは出力側ノードND2に接続されているた
め、pMOSトランジスタPT1 には出力の遅れまでも
そのままフィードバックされ、結果的に、回路全体の動
作が遅くなってしまう。その結果、直列に接続されたp
MOS、nMOS両トランジスタPT2 ,NT 2 が同時
にオン状態に保持される時間が増大し、貫通電流が流
れ、消費電流が増大する。
【0013】また、液晶パネルの大型化、高解像度化に
伴い、演算増幅器も高速なものが必要になってくるが、
図13のCMOS演算増幅器では、負荷容量を高速に放
電はできるが、充電はpMOSトランジスタPT15,P
16からなるカレントミラー回路による定電流値によっ
てスピードが決定されてしまい、高速にするためには、
定電流を大きくしなければならない。この電流は、負荷
をチャージアップし、出力電圧が入力電圧に等しくなっ
た定常状態以後も、常時流れ続けるため、消費電流は大
きくなる。
【0014】そこで、この問題を解決するために、図1
4に示すような充電用増幅器と放電用増幅器を並列に接
続した回路が提案されている。しかし、この回路では、
充電用増幅器AMPA と放電用増幅器AMPB とを切り
替えるためのスイッチSW11A ,SW12A 、SW11B
SW12B が必要となり、また、各チャネルごとに2つの
増幅器が必要であることから、大型化を招くという問題
がある。
【0015】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、動作速度の向上を図れ、貫通電
流を低減でき、低消費電力化をも図れ、また大型化を防
止できる出力回路を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の出力回路は、第1の電源電位に接続
され、第1および第2の電流供給端を有する電流源と、
入力信号に応じて上記第1の電流供給端と第2の電源電
位との間を導通状態とする第1のトランジスタと、入力
信号に応じて上記第2の電流供給端と上記第2の電源電
位との間を導通状態とする第2のトランジスタと、入力
信号に応じて出力端と上記第2の電源電位との間を導通
状態とする第3のトランジスタと、上記第2の電流供給
端の電位に応じて上記出力端と上記第1の電源電位との
間を導通状態とする第4のトランジスタとを有し、上記
第1のトランジスタと上記第3のトランジスタ、および
上記第2のトランジスタと上記第4のトランジスタとは
それぞれ同相的に動作し、上記第1のトランジスタと上
記第2のトランジスタ、および上記第3のトランジスタ
と上記第4のトランジスタとはそれぞれ相補的に動作す
る。
【0017】また、本発明の第2の出力回路は、比例関
係にある第1および第2の電流を供給する第1の電流源
と、第3の電流を供給する第2の電流源と、上記第2の
電流と上記第3の電流との加算電流を一定とする定電流
手段と、上記第3の電流に比例した電流で出力端を充電
または放電する第1のトランジスタと、入力信号に応じ
て上記出力端を放電または充電する第2のトランジスタ
と、上記入力信号に応じて上記第2のトランジスタに流
れる電流に比例した関係で上記第1の電流の電流値を制
御する第3のトランジスタとを有する。
【0018】
【作用】本発明の第1の出力回路は、たとえば入力信号
により第2のトランジスタがオン(導通)状態に制御さ
れ、第1および第3のトランジスタがオフ(非導通)状
態に制御されると、電流源の第2の電流供給端の電位が
第2の電源電位とほぼ等しくなることにより第4のトラ
ンジスタがオン状態となる。第3のトランジスタがオフ
状態であり、第4のトランジスタがオン状態であるの
で、出力端から第1の電源電位レベルの信号が出力され
る。これに対して、入力信号により第2のトランジスタ
がオフ状態に制御され、第1および第3のトランジスタ
がオン状態に制御されると、電流源の第2の電流供給端
の電位が第1の電源電位とほぼ等しくなることにより第
4のトランジスタがオフ状態となる。第3のトランジス
タがオン状態であり、第4のトランジスタがオフ状態で
あるので、出力端から第2の電源電位レベルの信号が出
力される。電流源として、第1のトランジスタのオン状
態により起動されるウィルソン型のカレントミラー回路
を採用すると、出力端のレベルが変化する過渡期にのみ
電流源に電流が流れることになるので、消費電流が少な
くて済む。
【0019】また、本発明の第2の出力回路において
は、第1の電流と第2の電流と第2のトランジスタを流
れる電流とは比例関係にあり、第2の電流と第3の電流
との加算電流は一定であり、第3の電流と第1のトラン
ジスタを流れる電流とは比例関係にあるので、第2のト
ランジスタを流れる電流が増加すると、第1の電流およ
び第2の電流が増加することにより第3の電流が減少し
て第1のトランジスタを流れる電流が減少する。これに
対して、第2のトランジスタに流れる電流が減少する
と、第1の電流および第2の電流が減少することにより
第3の電流が増加して第1のトランジスタに流れる電流
が増加する。すなわち、この第2の出力回路は、AB級
動作で出力端を充放電する。上記第1の電流源として、
ウィルソン型のカレントミラー回路を採用すると、第3
のトランジスタに流れる電流は定電流手段に流れる電流
で制御されるので、定電流手段に流れる電流を小さく設
定すると出力端に対する充放電は行われない定常状態に
おける消費電流は少なくなる。
【0020】
【実施例1】図1は、本発明に係る出力回路(レベルシ
フタ)の第1の実施例を示す回路図であって、従来例を
示す図12と同一構成部分は同一符号をもって表す。す
なわち、PT2 〜PT6 はpMOSトランジスタ、NT
1 〜NT3 はnMOSトランジスタをそれぞれ示してい
る。本回路では、図12に示す従来回路における入力側
のpMOSトランジスタPT1 の代わりに、pMOSト
ランジスタPT3 〜PT6 により構成されるカレントミ
ラー回路が設けられ、このカレントミラー回路は出力信
号により動作させずに、nMOSトランジスタNT3
ゲートに入力信号XINを供給し、入力信号XINによ
り動作するように構成されている。
【0021】pMOSトランジスタPT3 とpMOSト
ランジスタPT5 、並びにpMOSトランジスタPT4
とpMOSトランジスタPT6 とがそれぞれ直列に接続
され、各々の接続中点によりノードND4 、ND3 が構
成されている。pMOSトランジスタPT5 およびpM
OSトランジスタPT6 のソースが高電圧VEEの供給ラ
インに接続され、pMOSトランジスタPT5 およびp
MOSトランジスタPT6 のゲート同士が接続され、そ
の接続中点がノードND3 に接続されている。また、p
MOSトランジスタPT3 およびpMOSトランジスタ
PT4 のゲート同士が接続されている。pMOSトラン
ジスタPT4 のドレインとnMOSトランジスタNT1
のドレイン同士が接続されてノードND1 が構成され、
このノードND1 が出力段のpMOSトランジスタPT
2 のゲートに接続されている。さらに、nMOSトラン
ジスタNT3 およびpMOSトランジスタPT3 のドレ
イン同士が接続されてノードND5 が構成され、このノ
ードND5 がpMOSトランジスタPT3 およびpMO
SトランジスタPT4 のゲート同士の接続中点に接続さ
れている。そして、nMOSトランジスタNT3 のゲー
トが信号XINの入力端TXIN に接続されている。
【0022】このように接続されるpMOSトランジス
タPT3 〜PT6 により、いわゆる「ウィルソン型」カ
レントミラー回路が構成されている。このウィルソン型
カレントミラー回路では、pMOSトランジスタP
3 ,PT5 とpMOSトランジスタPT4 ,PT6
β(=W/L)比率により、各パスの電流比が決定され
る。なお、W,LはそれぞれMOSトランジスタにおけ
るゲート幅およびゲート長である。
【0023】次に、上記構成による動作を説明する。た
とえば接地レベル0Vから電源電圧VDDレベル、たとえ
ば5Vに切り替えられた信号INがnMOSトランジス
タNT1 のゲートに供給され、信号INと相補的レベル
をとる信号XINが5Vから0Vに切り替えられてnM
OSトランジスタNT2 およびNT3 のゲートに供給さ
れる。その結果、nMOSトランジスタNT1 はオン状
態となり、nMOSトランジスタNT2 およびNT3
オフ状態となる。nMOSトランジスタNT1 がオン状
態になったことにより、ノードND1 が接地レベルに引
き込まれ、これに伴いpMOSトランジスタPT2 のゲ
ート電位も下降することから、pMOSトランジスタP
2 がオン状態となる。その結果、出力側ノードND2
が高電圧VEEに引き上げられる。すなわち、5Vの入力
電圧が15Vの高電圧VEEに変換され、OUTとして出
力される。
【0024】また、入力側のnMOSトランジスタNT
3 がオフ状態となったことにより、ウィルソン型カレン
トミラー回路を構成するpMOSトランジスタPT3
PT 6 はオフ状態となる。これにより、高電圧VEEの入
力側ノードND1 への供給が遮断され、ノードND1
電位降下が加速され、出力OUTは高電圧VEEレベルに
安定に保持される。
【0025】ここで、入力信号レベルが切り替わり、信
号INが0VでnMOSトランジスタNT1 のゲートに
供給され、信号INと相補的レベルをとる信号XINが
5VでnMOSトランジスタNT2 およびNT3 のゲー
トに供給されると、nMOSトランジスタNT1 はオン
状態からオフ状態に切り替わり、nMOSトランジスタ
NT2 およびNT3 はオフ状態からオン状態に切り替わ
る。nMOSトランジスタNT2 がオン状態になったこ
とに伴い、出力側ノードND2 が接地レベルに引き込ま
れる。その結果、0Vの入力電圧が0VのままでOUT
として出力される。
【0026】このとき、nMOSトランジスタNT3
オン状態になったことにより、カレントミラー回路を構
成するpMOSトランジスタPT3 〜PT6 に電流が流
れるようになる。これにより、入力側ノードND1 の電
位が高電圧VEEに向かって引き上げられる。入力側ノー
ドND1 の高電圧VEEレベルはpMOSトランジスタP
2 のゲートに供給される。これにより、pMOSトラ
ンジスタPT2 はオフ状態に安定に保持され、高電圧V
EEの出力側ノードND2 への供給が遮断され、ノードN
2 の電位降下が加速され、出力OUTは接地レベルに
安定に保持される。
【0027】そして、入力側ND1 の電位が高電圧VEE
レベル近傍まで上昇すると、ノードND3 の電位も高電
圧VEEレベル近傍まで上昇し、pMOSトランジスタP
6のゲート・ソース間電圧VGSが小さくなる。このた
め、pMOSトランジスタPT6 はカットオフ状態とな
る。したがって、pMOSトランジスタPT5 およびP
3 にも電流が流れなくなる。すなわち、カレントミラ
ー回路には過度的な電流しか流れず、DC電流は零であ
る。
【0028】なお、図2は図1に示す本発明回路と図1
2に示す従来回路とを用いた消費電流のシミュレーショ
ン結果を示す図で、(A)は本発明回路によるシミュレ
ーション結果を示す図、(B)は従来回路のシミュレー
ション結果を示す図である。図2において、横軸は時間
を、縦軸は電流および電圧をそれぞれ表し、図中、Cで
示す曲線が電流特性を示し、Vで示す曲線が電圧特性を
示している。本シミュレーションの結果、従来回路の1
周期積算電流が2.61×10-8mA・sec であるのに対
し、本発明回路の1周期積算電流が1.96×10-8mA
・sec であり、本発明回路により低消費電流化が実現さ
れていることが確認できた。
【0029】以上説明したように、本実施例によれば、
出力信号をフィードバックする回路構成ではなく、入力
側ノード(カレントミラー回路の電流出力ノード)ND
1 と高電圧VEEの供給ラインとの間にカレントミラー回
路を接続し、このカレントミラー回路を入力信号XIN
の入力状態に応じてオン/オフするnMOSトランジス
タNT3 により駆動制御するように構成したので、動作
速度が速く、出力に付く負荷の影響を受けない。また、
動作速度が速く、切り替わり時間が短いため、pMOS
およびnMOSの両トランジスタPT2 ,NT2 がオン
状態時の貫通電流が少なく、消費電流が少ないという利
点がある。
【0030】
【実施例2】図3は、本発明に係る出力回路(レベルシ
フタ)の第2の実施例を回路図である。本実施例が上述
した実施例1と異なる点は、カレントミラー回路を構成
するpMOSトランジスタPT6 およびPT4 に並列
に、すなわち高電圧VEEの供給ラインと入力側ノードN
1 との間にpMOSトランジスタPT7 が接続され、
出力信号をこのpMOSトランジスタPT7 のゲートに
フィードバックさせ、出力OUTが接地レベル0Vの場
合に、入力側ノードND1 が高電圧VEEレベルにフルス
イングするように構成されていることにある。
【0031】すなわち、図1の回路ではノードND1
電位VND1 は、VEEレベルに保持する制御されるとき
に、{VEE−VTP≦VND1 ≦VEE}となり、VEEまでフ
ルスイングすることができないが、本構成によりVEE
ベルにフルスイングさせることができる。
【0032】その他の構成は上述した実施例1と同様で
あり、実施例1の効果に加えて、より安定な動作を実現
できる利点がある。
【0033】なお、図4は図3に示す本発明回路と図1
2に示す従来回路とを用いた消費電流のシミュレーショ
ン結果を示す図で、(A)は本発明回路によるシミュレ
ーション結果を示す図、(B)は従来回路のシミュレー
ション結果を示す図である。図4において、横軸は時間
を、縦軸は電流および電圧をそれぞれ表し、図中、Cで
示す曲線が電流特性を示し、Vで示す曲線が電圧特性を
示している。本シミュレーションの結果、従来回路の1
周期積算電流が3.26×10-8mA・sec であるのに対
し、本発明回路の1周期積算電流が3.15×10-8mA
・sec であり、本発明回路により低消費電流化が実現さ
れていることが確認できた。
【0034】
【実施例3】図5は、本発明に係る出力回路(レベルシ
フタ)の第3の実施例を示す回路図である。本実施例が
上述した実施例2と異なる点は、pMOSトランジスタ
PT7 のドレインがノードND1 に接続される代わり
に、カレントミラーを構成するpMOSトランジスタP
6 とPT4 との接続中点であるノードND3 に接続さ
れていることにある。
【0035】その他の構成は上述した実施例2と同様で
あり、このような構成においても、実施例2と同様に、
出力OUTが接地レベル0Vの場合に、入力側ノードN
1を高電圧VEEレベルにフルスイングさせることがで
きる。
【0036】
【実施例4】図6は、本発明に係る出力回路(レベルシ
フタ)の第4の実施例を示す回路図であって、本回路は
負方向へ振幅をレベルシフトする回路である。したがっ
て、各トランジスタの極性が逆、すなわち図1でpチャ
ネルのトランジスタの代わりにnチャネルのトランジス
タが用いられ、nチャネルのトランジスタの代わりにp
チャネルのトランジスタが用いられている。
【0037】本回路においては、pMOSトランジスタ
PT1a〜PT3aのソースが高電圧V EE(たとえば、15
V)の供給ラインに接続され、nMOSトランジスタN
2a,NT5a,NT6aのソースが接地ラインに接続され
ている。pMOSトランジスタPT1aおよびnMOSト
ランジスタNT4aのドレイン同士が接続されてノードN
1aが構成され、pMOSトランジスタPT2aおよびn
MOSトランジスタNT2aのドレイン同士が接続されて
ノードND2aが構成され、pMOSトランジスタPT3a
およびnMOSトランジスタNT3aのドレイン同士が接
続されてノードND5aが構成されている。また、ノード
ND1aがnMOSトランジスタNT2aのゲートに接続さ
れ、pMOSトランジスタPT1aのゲートが信号INの
入力端TINに接続され、pMOSトランジスタPT2a
よびPT3aのゲートが信号XINの入力端TXIN に接続
されている。そして、nMOSトランジスタNT3aとN
5a、並びにnMOSトランジスタNT4aとNT6aとが
それぞれ直列に接続され、nMOSトランジスタNT3a
およびNT4aのゲート同士が接続され、その接続中点が
ノードND5aに接続され、さらに、nMOSトランジス
タNT5aおよびNT6aのゲート同士が接続され、その接
続中点がノードND3aに接続されて、ウィルソン型カレ
ントミラー回路が構成されている。
【0038】このような構成において、たとえば電源電
圧VEEレベル、たとえば15Vから10Vに切り替えら
れた信号INがpMOSトランジスタPT1aのゲートに
供給され、信号INと相補的レベルをとる信号XINが
10Vから15Vに切り替えられてnMOSトランジス
タPT2aおよびPT3aのゲートに供給される。その結
果、pMOSトランジスタPT1aはオン状態となり、p
MOSトランジスタPT 2aおよびPT3aはオフ状態にと
なる。pMOSトランジスタPT1aがオン状態になった
ことにより、ノードND1aが高電圧VEEレベルとなり、
これに伴いnMOSトランジスタNT2aのゲート電位も
上昇することから、nMOSトランジスタNT2aがオン
状態となる。その結果、出力側ノードND2aが接地レベ
ルに引き込まれる。すなわち、10Vの入力電圧が0V
のOUTとして出力される。
【0039】また、入力側のpMOSトランジスタPT
3aがオフ状態となったことにより、ウィルソン型カレン
トミラー回路を構成するnMOSトランジスタNT3a
NT 6aはオフ状態となる。これにより、ノードND1a
電位上昇が加速され、出力OUTは接地レベルに安定に
保持される。
【0040】ここで、入力信号レベルが切り替わり、信
号INが15VでpMOSトランジスタPT1aのゲート
に供給され、信号INと相補的レベルをとる信号XIN
が10VでpMOSトランジスタPT2aおよびPT3a
ゲートに供給されると、pMOSトランジスタPT1a
オン状態からオフ状態に切り替わり、pMOSトランジ
スタPT2aおよびPT3aはオフ状態からオン状態に切り
替わる。pMOSトランジスタPT2aがオン状態になっ
たことに伴い、出力側ノードND2aが高電圧VEEレベル
となる。その結果、15Vの入力電圧が15のままでO
UTとして出力される。
【0041】このとき、pMOSトランジスタPT3a
オン状態になったことにより、カレントミラー回路を構
成するnMOSトランジスタNT3a〜NT6aに電流が流
れるようになる。これにより、入力側ノードND1aの電
位が接地レベルに向かって引き上げられる。入力側ノー
ドND1aの接地レベルはnMOSトランジスタNT2a
ゲートに供給される。これにより、nMOSトランジス
タNT2aはオフ状態に安定に保持され、出力側ノードN
2aの接地ラインへの接続が遮断される。これにより、
ノードND2aの電位上昇が加速され、出力OUTは高電
圧VEEに安定に保持される。
【0042】そして、入力側ND1aの電位が接地レベル
近傍まで降下すると、ノードND3aの電位も接地レベル
近傍まで上昇し、nMOSトランジスタNT6aのゲート
・ソース間電圧VGSが小さくなる。このため、nMOS
トランジスタNT6aはカットオフ状態となる。したがっ
て、nMOSトランジスタNT5aおよびNT3aにも電流
が流れなくなる。すなわち、カレントミラー回路には過
度的な電流しか流れず、DC電流は零である。
【0043】以上説明したように、本実施例において
も、上述した実施例1の効果と同様の効果を得ることが
できる。
【0044】
【実施例5】図7は、本発明に係る出力回路(レベルシ
フタ)の第5の実施例を示す回路図である。本実施例が
上述した実施例1と異なる点は、カレントミラー回路の
pMOSトランジスタPT5 とPT6 のゲート同士の接
続中点が、pMOSトランジスタPT6 とPT4 との接
続中点ND3 に接続される代わりに、pMOSトランジ
スタPT5 とPT3 との接続中点ND4 に接続され、カ
レントミラー回路がウィルソン型カレントミラー回路の
代わりに、いわゆるカスケード型カレントミラー回路に
より構成されていることにある。
【0045】このような構成においては、nMOSトラ
ンジスタNT3 がオン状態となったときに、pMOSト
ランジスタPT5 ,PT3 にDC電流が流れるが、出力
に付く負荷の影響を受けることがないことから、動作速
度の向上を図ることができる。
【0046】
【実施例6】図8は、本発明に係る出力回路(CMOS
演算増幅器)の第6の実施例を示す回路図であって、従
来例を示す図13と同一構成部分は同一符号をもって表
す。すなわち、PT11〜PT21はpMOSトランジス
タ、NT11〜NT15はnMOSトランジスタ、I11は電
流源、C11は位相補償用キャパシタ、CL は出力負荷容
量をそれぞれ示している。
【0047】本回路では、図13に示す従来回路におけ
る初段差動増幅器の後段にpMOSトランジスタPT17
〜PT20からなるウィルソン型カレントミラー回路が配
置され、nMOSトランジスタNT14のゲートに初段差
動増幅器の出力を供給し、ウィルソン型カレントミラー
回路に流れる電流をpMOSトランジスタPT15および
PT16からなるカレントミラー回路を介して出力段側に
供給するように構成されている。
【0048】pMOSトランジスタPT17とpMOSト
ランジスタPT19、並びにpMOSトランジスタPT18
とpMOSトランジスタPT20とがそれぞれ直列に接続
され、各々の接続中点によりノードND14、ND13が構
成されている。pMOSトランジスタPT19およびpM
OSトランジスタPT20のソースが高電圧VEEの供給ラ
インに接続され、pMOSトランジスタPT19およびp
MOSトランジスタPT20のゲート同士が接続され、そ
の接続中点がノードND13に接続されている。また、p
MOSトランジスタPT17およびpMOSトランジスタ
PT18のゲート同士が接続されている。そして、pMO
SトランジスタPT18のドレインとnMOSトランジス
タNT 15のドレイン同士が接続されてノードND15が構
成され、このノードND15が出力段に接続され、pMO
SトランジスタPT20,PT18とのレベル合わせのため
のpMOSトランジスタPT21のドレインおよびゲート
に接続されている。pMOSトランジスタPT21のソー
スはpMOSトランジスタPT15のドレインに接続され
ている。nMOSトランジスタNT15のソースは接地ラ
インに接続され、ゲートが図示しない定電圧供給ライン
に接続されている。すなわち、nMOSトランジスタN
15により定電流が発生される。さらに、pMOSトラ
ンジスタPT17およびnMOSトランジスタNT14のド
レイン同士が接続されてノードND16が構成され、この
ノードND16はpMOSトランジスタPT17およびPT
18のゲートに接続されている。そして、nMOSトラン
ジスタNT14のソースは接地ラインに接続され、ゲート
がノードND11に接続されている。
【0049】次に、nMOSトランジスタNT13,NT
14,NT15のドレインに流れる電流をそれぞれI13,I
14,I15、pMOSトランジスタPT18,PT21,PT
16に流れる電流をそれぞれI18,I21,I16として、上
記構成による動作について、電流の流れを中心に説明す
る。
【0050】まず、出力段のnMOSトランジスタNT
13のゲート電圧が上がり、出力負荷を放電する場合につ
いて説明する。たとえばアナログ入力信号INが接地レ
ベルに近い低レベルで差動増幅機のpMOSトランジス
タPT11のゲートに供給されると、出力増幅段のnMO
SトランジスタNT13およびNT14のゲート電圧が上昇
し、nMOSトランジスタNT 13およびNT14のドレイ
ン電流I13およびI14が増加する。ここで、nMOSト
ランジスタNT13とNT14は同じトランジスタサイズで
あるとする。
【0051】カレントミラー回路を構成する各pMOS
トランジスタPT17〜PT20からノードND15に電流I
18が流れ込む。ここで、ゲートに定電圧が供給されるn
MOSトランジスタNT15のドレイン側には定電流I15
が流れる。この定電流I15は、下記式に示すようにノー
ドND 15に流れ込むpMOSトランジスタPT18のドレ
イン電流I18とpMOSトランジスタPT21のドレイン
電流I21との和となる。 I15=I18+I21 …(1) したがって、 I21=I15−I18 …(2) すなわち、電流I18はnMOSトランジスタNT14のド
レイン電流I14の増加に伴い増加することから、pMO
SトランジスタPT21のドレイン電流I21は減少する。
この電流I21は、カレントミラー回路を介して出力段の
pMOSトランジスタPT16のドレイン電流I16として
現れることから、電流I21の減少に伴い、電流I16も減
少する。これにより、出力負荷の放電が促進される。
【0052】次に、出力段のnMOSトランジスタNT
13のゲート電圧が下がり、出力負荷を充電する場合につ
いて説明する。この場合、nMOSトランジスタNT13
のドレイン電流I13およびnMOSトランジスタNT14
のドレイン電流I14が減少することから、上述した
(2)式によりpMOSトランジスタPT21のドレイン
電流I21が増加する。その結果、出力段のpMOSトラ
ンジスタPT16のドレイン電流I16は、電流I21の増加
に伴い、増加する。これにより、出力負荷の充電が促進
される。
【0053】次に、出力負荷CL に対する充放電が行わ
れない定常状態の場合について説明する。この場合、n
MOSトランジスタNT13とNT14とが同サイズである
とすると、nMOSトランジスタNT13のドレイン電流
13とnMOSトランジスタNT 14のドレイン電流I14
とは等しい。そして、カレントミラーを構成するpMO
SトランジスタPT17とPT18とを同サイズであるとし
て、図8の回路について以下に示すような関係式が成り
立つ。 I14・(M20/M19)=I18 …(3) I21・(M16/M15)=I16=I13=I14 …(4) これら(3),(4)式、並びに上記(2)式から次式
が導かれる。 {I15−I13・(M20/M19)}・(M16/M15)=I13 …(5) したがって、 I13=I15/{(M20/M19)+(M15/M16)} …(6) ここで、Mはトランジスタサイズを示し、トランジスタ
の比率はW/Lの比率である。
【0054】上記(6)式より分かるように、定常時に
流す電流、すなわちアイドリング電流は、定電流I15
各素子の比率により自由に設定できる。たとえば、アイ
ドリング電流を小さく設定し、充電能力は大きくなるよ
うに設定すると、低消費電流で、高速充放電可能な演算
増幅器が実現される。
【0055】また、本実施例においては、カレントミラ
ー回路としてウィルソン型のカレントミラー回路を用い
ているため、pMOSトランジスタPT19およびPT17
に流れる電流は最大でも定電流I15と同一電流しか流れ
ない。したがって、定電流I15を小さくなるように設定
することにより、さらなる低消費電流化を実現できる。
【0056】なお、図9は、本発明に係る図8の演算増
幅器および従来の演算増幅器を用いて行った消費電流の
シミュレーション結果を示す図である。なお、このシミ
ュレーションは、1つの半導体集積回路(チップ)に、
たとえば32個の演算増幅器を形成した場合について仮
想的に行ったものである。図9から分かるように、本発
明回路はチップ単位で大幅な消費電流削減を実現きる。
【0057】以上説明したように、本実施例によれば、
初段差動増幅器の後段にpMOSトランジスタPT17
PT20からなるウィルソン型カレントミラー回路を配置
し、nMOSトランジスタNT14のゲートに初段差動増
幅器の出力を供給し、ウィルソン型カレントミラー回路
に流れる電流をpMOSトランジスタPT15からなるカ
レントミラー回路を介して出力段側に供給するように構
成したので、A級動作ではなく、いわゆるAB級動作を
することから、出力放電時の大電流は出力段だけに流
れ、余分な電流を減少させることができる。これによ
り、従来と同様のダイナミックレンジを確保しつつ、大
型化を招くことなく従来よりも低消費電力で、高速動作
が可能なCMOS演算増幅器を実現できる利点がある。
【0058】
【実施例7】図10は、本発明に係る出力回路(演算増
幅器)の第7の実施例を示す回路図であって、本回路は
実施例6の変形例である。この回路では、各トランジス
タの極性が逆、すなわち図1でpチャネルのトランジス
タの代わりにnチャネルのトランジスタが用いられ、n
チャネルのトランジスタの代わりにpチャネルのトラン
ジスタが用いられている。
【0059】ここでは、具体的な接続関係、並びに作用
についての説明は、実施例6の場合と略同様に行われる
ことから、省略する。本回路においても、上述した実施
例6の効果と同様の効果を得ることができる。
【0060】
【実施例8】図11は、本発明に係る出力回路(演算増
幅器)の第8の実施例を示す回路図である。本実施例が
上述した実施例6と異なる点は、カレントミラー回路の
pMOSトランジスタPT19とPT20のゲート同士の接
続中点が、pMOSトランジスタPT20とPT18との接
続中点ND13に接続される代わりに、pMOSトランジ
スタPT19とPT17との接続中点ND14に接続され、カ
レントミラー回路がウィルソン型カレントミラー回路の
代わりに、いわゆるカスケード型カレントミラー回路に
より構成されていることにある。
【0061】nMOSトランジスタNT13とNT14との
トランジスタサイズが同程度であるとすると、このよう
な構成においては、nMOSトランジスタNT13に流れ
る電流と同程度の電流がnMOSトランジスタNT14
流れる。また、上述した各実施例においては、MOSト
ランジスタを例に説明したが、バイポーラトランジスタ
を用いて同様の出力回路を構成できることはいうまでも
ない。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレベルシ
フタ(出力回路)は、出力信号をフィードバックする回
路構成ではなく、人力信号により出力レベルを制御する
ように構成したので、動作速度が早く、出力負荷の影響
を受けない。また、ウィルソン型カレントミラー回路を
使用することにより、出力レベルは変化する過渡期にの
み電流が流れるので低消費電力を実現できる。更には、
動作速度が速いので、トランジスタのオン/オフの切り
替わりが速く、貫通電流がほとんど流れず、消費電流が
少ない。本発明の演算増幅器(出力回路)はAB級動作
で動作し、負荷容量への充放電時のみに大きな電流を出
力し、負荷容量への充放電が行われない定常状態におい
ては小さな電流しか出力しないので低消費電力と高速動
作とが共に実現される。また、充放電用の増幅器をそれ
ぞれ設ける必要がないので、演算増幅器の大型化を防止
できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る出力回路(レベルシフタ)の第1
の実施例を示す回路図である。
【図2】図1の回路と従来回路とを用いた消費電流のシ
ミュレーション結果を示す図で、(A)は本発明回路に
よるシミュレーション結果を示す図、(B)は従来回路
のシミュレーション結果を示す図である。
【図3】本発明に係る出力回路(レベルシフタ)の第2
の実施例を示す回路図である。
【図4】図3の回路と従来回路とを用いた消費電流のシ
ミュレーション結果を示す図で、(A)は本発明回路に
よるシミュレーション結果を示す図、(B)は従来回路
のシミュレーション結果を示す図である。
【図5】本発明に係る出力回路(レベルシフタ)の第3
の実施例を示す回路図である。
【図6】本発明に係る出力回路(レベルシフタ)の第4
の実施例を示す回路図である。
【図7】本発明に係る出力回路(レベルシフタ)の第5
の実施例を示す回路図である。
【図8】本発明に係る出力回路(演算増幅器)の第6の
実施例を示す回路図である。
【図9】図8の演算増幅器および従来の演算増幅器を用
いて行った消費電流のシミュレーション結果を示す図で
ある。
【図10】本発明に係る出力回路(演算増幅器)の第7
の実施例を示す回路図である。
【図11】本発明に係る出力回路(演算増幅器)の第8
の実施例を示す回路図である。
【図12】従来の出力回路としてのレベルシフタの構成
例を示す回路図である。
【図13】従来の出力回路としてのCMOS演算増幅器
の構成例を示す回路図である。
【図14】充電用アンプおよび放電用アンプを有する従
来のCMOS演算増幅器の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
PT1 〜PT7 ,PT1a〜PT3a,PT11〜PT21,P
11a 〜PT15a …pMOSトランジスタ NT1 〜NT3 ,NT1a〜NT3a,NT11〜NT15,N
11a 〜NT21a …nMOSトランジスタ C11,C11a …位相補償用キャパシタ I11,I11a …電流源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03K 17/687 8839−5J H03K 19/00 101 E (72)発明者 高柳 武浩 茨城県稲敷郡美浦村木原2355番地 日本テ キサス・インスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 内田 康久 大分県速見郡日出町大字大神1357番地 株 式会社日出ハイテック内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電源電位に接続され、第1および
    第2の電流供給端を有する電流源と、 入力信号に応じて上記第1の電流供給端と第2の電源電
    位との間を導通状態とする第1のトランジスタと、 入力信号に応じて上記第2の電流供給端と上記第2の電
    源電位との間を導通状態とする第2のトランジスタと、 入力信号に応じて出力端と上記第2の電源電位との間を
    導通状態とする第3のトランジスタと、 上記第2の電流供給端の電位に応じて上記出力端と上記
    第1の電源電位との間を導通状態とする第4のトランジ
    スタと、 を有し、上記第1のトランジスタと上記第3のトランジ
    スタ、および上記第2のトランジスタと上記第4のトラ
    ンジスタとはそれぞれ同相的に動作し、上記第1のトラ
    ンジスタと上記第2のトランジスタ、および上記第3の
    トランジスタと上記第4のトランジスタとはそれぞれ相
    補的に動作する出力回路。
  2. 【請求項2】 上記電流源は上記第1のトランジスタの
    導通により起動されるウィルソン型のカレントミラー回
    路であり、上記第1および第3のトランジスタには同一
    の制御信号が印加され、上記第2のトランジスタには上
    記制御信号の相補信号が印加される請求項1に記載の出
    力回路。
  3. 【請求項3】 比例関係にある第1および第2の電流を
    供給する第1の電流源と、 第3の電流を供給する第2の電流源と、 上記第2の電流と上記第3の電流との加算電流を一定と
    する定電流手段と、 上記第3の電流に比例した電流で出力端を充電または放
    電する第1のトランジスタと、 入力信号に応じて上記出力端を放電または充電する第2
    のトランジスタと、 上記入力信号に応じて上記第2のトランジスタに流れる
    電流に比例した関係で上記第1の電流の電流値を制御す
    る第3のトランジスタと、 を有する出力回路。
  4. 【請求項4】 上記第1の電流源はウィルソン型のカレ
    ントミラー回路であり、上記第2の電流源と上記第2の
    トランジスタとはカレントミラー回路を構成する請求項
    3に記載の出力回路。
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