JPH07226228A - 高温電池用保温容器 - Google Patents
高温電池用保温容器Info
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- JPH07226228A JPH07226228A JP1474994A JP1474994A JPH07226228A JP H07226228 A JPH07226228 A JP H07226228A JP 1474994 A JP1474994 A JP 1474994A JP 1474994 A JP1474994 A JP 1474994A JP H07226228 A JPH07226228 A JP H07226228A
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- JP
- Japan
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- heat
- high temperature
- container
- battery
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【目的】高温電池の発熱を容器内部に蓄熱して高温と維
持するための熱源として利用し、これを発熱が外部に逃
げないようにした高性能の断熱性能を有する保温容器に
より実現する。 【構成】高温電池2を高温に保持する真空断熱保温容器
1に、塩類の潜熱利用の蓄電材料5をセラミック円筒容
器6に入れて高温電池2とともに収納する。これにより
塩類の潜熱を利用して高温電池2の充電・放電時の発熱
は蓄電材料5に蓄熱され、発熱が終ったときに、これを
容器内部の高温維持のための熱源に利用する。このとき
容器内部の温度は蓄電材料5の融点に保たれ、高温電池
2の動作温度維持のためのエネルギーは基本的には必要
としない。
持するための熱源として利用し、これを発熱が外部に逃
げないようにした高性能の断熱性能を有する保温容器に
より実現する。 【構成】高温電池2を高温に保持する真空断熱保温容器
1に、塩類の潜熱利用の蓄電材料5をセラミック円筒容
器6に入れて高温電池2とともに収納する。これにより
塩類の潜熱を利用して高温電池2の充電・放電時の発熱
は蓄電材料5に蓄熱され、発熱が終ったときに、これを
容器内部の高温維持のための熱源に利用する。このとき
容器内部の温度は蓄電材料5の融点に保たれ、高温電池
2の動作温度維持のためのエネルギーは基本的には必要
としない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温電池を保温するた
めの保温容器に関する。
めの保温容器に関する。
【0002】
【従来の技術】高温電池といわれる蓄電池(二次電池)
は、ナトリウム−硫黄電池、ナトリウム−塩化金属電
池、リチウム−硫化金属電池の3種類がある。これら
は、いずれも室温では動作せず、動作温度が高温である
ため「高温電池」と言われる。これら高温電池の動作温
度は、以下に示す通りである。
は、ナトリウム−硫黄電池、ナトリウム−塩化金属電
池、リチウム−硫化金属電池の3種類がある。これら
は、いずれも室温では動作せず、動作温度が高温である
ため「高温電池」と言われる。これら高温電池の動作温
度は、以下に示す通りである。
【0003】 ナトリウム−硫黄電池 300 〜350 ℃ ナトリウム−塩化鉄電池,ナトリウム−塩化ニッケル電池 250 ℃以上 リチウム−二硫化鉄電池 400 〜450 ℃ これらの高温電池は、高いエネルギー密度で電気を貯蔵
して利用(充電および放電)できるため、電気自動車用
の電源や、変電所・需要家用の電力貯蔵用電池として有
望視され、開発されつつある。
して利用(充電および放電)できるため、電気自動車用
の電源や、変電所・需要家用の電力貯蔵用電池として有
望視され、開発されつつある。
【0004】しかし、高温で動作するため、動作温度に
加熱して、保温しなければならず、断熱が不可欠であ
る。加熱は、電気ヒータなどを利用し、保温は断熱を施
した保温容器を採用し、温度調節によって一定温度に保
つようにしている。断熱材として、一般に市販されてい
る、グラスウールやロックウール、珪酸カルシウムなど
は、熱伝導率が0.03〜0.07W/mK程度で、保
温のための熱エネルギーを、ごくわずかに押さえるため
に、100〜250mm程度の断熱厚さが必要となる。
加熱して、保温しなければならず、断熱が不可欠であ
る。加熱は、電気ヒータなどを利用し、保温は断熱を施
した保温容器を採用し、温度調節によって一定温度に保
つようにしている。断熱材として、一般に市販されてい
る、グラスウールやロックウール、珪酸カルシウムなど
は、熱伝導率が0.03〜0.07W/mK程度で、保
温のための熱エネルギーを、ごくわずかに押さえるため
に、100〜250mm程度の断熱厚さが必要となる。
【0005】このように、熱ロスをおさえないと、電池
に蓄えた電気エネルギーが有効に活用できない。その理
由は、断熱性能が低下すると、保温のための熱エネルギ
ーを多く必要とし、システムのエネルギー貯蔵の効率が
悪くなる。また、熱伝導率の小さな断熱材で断熱しない
と、熱ロスを小さくするための断熱厚さが増加し、断熱
容器の嵩や重量が増して、電池システムのエネルギー密
度を低下させる。
に蓄えた電気エネルギーが有効に活用できない。その理
由は、断熱性能が低下すると、保温のための熱エネルギ
ーを多く必要とし、システムのエネルギー貯蔵の効率が
悪くなる。また、熱伝導率の小さな断熱材で断熱しない
と、熱ロスを小さくするための断熱厚さが増加し、断熱
容器の嵩や重量が増して、電池システムのエネルギー密
度を低下させる。
【0006】エネルギー密度は、システムの単位体積当
たり、単位重量当たりに蓄えられるエネルギーの量のこ
とである。エネルギー密度が大きいほど、コンパクトに
電気と貯めることができる優れた電池といえる。このた
めに、断熱材に真空断熱材が採用されている。真空断熱
では、熱伝導率が0.004〜0.01W/mKと、上
記のグラスウールなどの断熱材の1/5〜1/10程度
の性能を有している。このため、同じ断熱性能の断熱を
する場合、その断熱厚さを1/5〜1/10とすること
ができる。
たり、単位重量当たりに蓄えられるエネルギーの量のこ
とである。エネルギー密度が大きいほど、コンパクトに
電気と貯めることができる優れた電池といえる。このた
めに、断熱材に真空断熱材が採用されている。真空断熱
では、熱伝導率が0.004〜0.01W/mKと、上
記のグラスウールなどの断熱材の1/5〜1/10程度
の性能を有している。このため、同じ断熱性能の断熱を
する場合、その断熱厚さを1/5〜1/10とすること
ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、動作中の電池
は、電気化学反応のために放電中に自己発熱がある。ま
た、放電や充電中は、電池や接続用の結線の電気抵抗に
よって、(電流)2 ×(抵抗)に相当する電気的な発熱
(ジュール熱)がある。そこで、電池を収納する容器の
内部の温度の上昇がおこる。
は、電気化学反応のために放電中に自己発熱がある。ま
た、放電や充電中は、電池や接続用の結線の電気抵抗に
よって、(電流)2 ×(抵抗)に相当する電気的な発熱
(ジュール熱)がある。そこで、電池を収納する容器の
内部の温度の上昇がおこる。
【0008】高温電池の場合、上記のように、断熱性能
を高めた容器を採用しているために、必要以上の発熱が
容器の内部で発生すると、温度上昇し、電池の動作温度
以上の温度となってしまう。そこで、この余剰の熱量
は、容器内部に外気を送給して冷却するなどして、温度
上昇の対策を施している。しかし、これは、熱エネルギ
ーを外部に捨てることとなる。電池を使用しない(充電
や放電していない)場合は、温度を維持するために、電
気ヒータなどで加熱していることを考えると、エネルギ
ーの無駄である。
を高めた容器を採用しているために、必要以上の発熱が
容器の内部で発生すると、温度上昇し、電池の動作温度
以上の温度となってしまう。そこで、この余剰の熱量
は、容器内部に外気を送給して冷却するなどして、温度
上昇の対策を施している。しかし、これは、熱エネルギ
ーを外部に捨てることとなる。電池を使用しない(充電
や放電していない)場合は、温度を維持するために、電
気ヒータなどで加熱していることを考えると、エネルギ
ーの無駄である。
【0009】本発明は上記問題を解決するもので、高温
電池の発熱を外部に捨てることなく保温容器内部に蓄熱
し、これを高温を維持するための熱源として利用して、
温度維持のための電気ヒータなどのエネルギーを基本的
に必要としない高温電池用保温容器を提供することを目
的とする。
電池の発熱を外部に捨てることなく保温容器内部に蓄熱
し、これを高温を維持するための熱源として利用して、
温度維持のための電気ヒータなどのエネルギーを基本的
に必要としない高温電池用保温容器を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の高温電池用保温容器は、真空断熱保温容器
などの高性能な断熱性能を有する保温容器に、塩類など
の潜熱利用の蓄熱材料を高温電池といわれる高温型の二
次電池とともに収納して設け、前記蓄熱材料の潜熱作用
により、高温電池が発熱しているときの余剰の熱エネル
ギーを蓄熱するとともに、高温電池が発熱していないと
きに、その放熱により保温容器内部の電池動作温度を維
持可能に構成したものである。
に、本発明の高温電池用保温容器は、真空断熱保温容器
などの高性能な断熱性能を有する保温容器に、塩類など
の潜熱利用の蓄熱材料を高温電池といわれる高温型の二
次電池とともに収納して設け、前記蓄熱材料の潜熱作用
により、高温電池が発熱しているときの余剰の熱エネル
ギーを蓄熱するとともに、高温電池が発熱していないと
きに、その放熱により保温容器内部の電池動作温度を維
持可能に構成したものである。
【0011】
【作用】上記構成により、電池が発熱しているときの余
剰の熱エネルギーは、熱エネルギーの形のまま蓄熱材料
に貯蔵され、電池が発熱していないときは、蓄熱した熱
エネルギーを容器内部の保温をして高温電池の動作温度
を維持するための熱源として使用し、他のエネルギーは
ほとんど使用しなくてもよい。このとき、電池の発熱を
貯蔵するのに使う蓄熱材料の蓄熱には潜熱と顕熱による
方法がある。前者は、金属や塩(溶融塩)を使用し、そ
の融解−凝固熱による熱の貯蔵を行う。後者は、物質の
温度上昇に伴う熱の貯蔵で(比熱)×(温度)×(重
量)による熱量の貯蔵ができ、耐火レンガ(アルミナレ
ンガ、マグネシアレンガなど)などが考えられる。しか
し、容器内部の温度を高温電池の動作温度になるように
一定に保ったまま、熱を貯蔵するには潜熱による蓄熱が
有効であり、潜熱利用の蓄熱材料を高温電池とともに高
性能な断熱性能を有する保温容器に収納することによ
り、これを実現できる。
剰の熱エネルギーは、熱エネルギーの形のまま蓄熱材料
に貯蔵され、電池が発熱していないときは、蓄熱した熱
エネルギーを容器内部の保温をして高温電池の動作温度
を維持するための熱源として使用し、他のエネルギーは
ほとんど使用しなくてもよい。このとき、電池の発熱を
貯蔵するのに使う蓄熱材料の蓄熱には潜熱と顕熱による
方法がある。前者は、金属や塩(溶融塩)を使用し、そ
の融解−凝固熱による熱の貯蔵を行う。後者は、物質の
温度上昇に伴う熱の貯蔵で(比熱)×(温度)×(重
量)による熱量の貯蔵ができ、耐火レンガ(アルミナレ
ンガ、マグネシアレンガなど)などが考えられる。しか
し、容器内部の温度を高温電池の動作温度になるように
一定に保ったまま、熱を貯蔵するには潜熱による蓄熱が
有効であり、潜熱利用の蓄熱材料を高温電池とともに高
性能な断熱性能を有する保温容器に収納することによ
り、これを実現できる。
【0012】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の一実施例の高温電池用保温容器の
構造を示す構成図、図2は蓄熱材料を容器内部に設けた
場合の説明図、図3は蓄熱材料を容器外部に設けた場合
の説明図である。
する。図1は本発明の一実施例の高温電池用保温容器の
構造を示す構成図、図2は蓄熱材料を容器内部に設けた
場合の説明図、図3は蓄熱材料を容器外部に設けた場合
の説明図である。
【0013】図1において、1は内部に高温電池2を収
納する真空断熱保温容器であり、その外壁は二重構造の
真空断熱壁3によって構成され、前方は開口されて蓋4
が設けられ、これにより高温電池2の充電や放電時の発
熱が外部に逃げないようにした高性能な断熱性能を有す
る保温容器に構成されている。5は高温電池2とともに
容器内部に収納される、塩(溶融塩)類を使用した潜熱
利用の蓄熱材料であり、セラミック円筒容器6に収めら
れて融解−凝固熱による熱の貯蔵を行う。このセラミッ
ク円筒器6は例えば高温電池2の周囲で容器内壁との間
に複数個配設されている。
納する真空断熱保温容器であり、その外壁は二重構造の
真空断熱壁3によって構成され、前方は開口されて蓋4
が設けられ、これにより高温電池2の充電や放電時の発
熱が外部に逃げないようにした高性能な断熱性能を有す
る保温容器に構成されている。5は高温電池2とともに
容器内部に収納される、塩(溶融塩)類を使用した潜熱
利用の蓄熱材料であり、セラミック円筒容器6に収めら
れて融解−凝固熱による熱の貯蔵を行う。このセラミッ
ク円筒器6は例えば高温電池2の周囲で容器内壁との間
に複数個配設されている。
【0014】次に本実施例の動作原理を図2、図3を用
いて説明する。図3における蓄熱材料の配置では、真空
断熱保温容器1の外部に設置した保温容器7に蓄熱材料
5を収容し、この保温容器7内部と真空断熱保温容器1
内部とを配管8で連結するとともに、配管8の途中にポ
ンプ9を設け、空気を媒体に熱の移動をさせるところを
示している。この場合、保温容器7および配管8の断熱
を十分に対策すると、熱ロスは小さくなり、有効な熱の
貯蔵が得られる。しかし、蓄熱材料5を高温電池2を収
納した真空断熱保温容器1の外部に設置すると、蓄熱材
料5を保温する構造が必要となり、全体の体積や重量増
につながるという欠点がある。
いて説明する。図3における蓄熱材料の配置では、真空
断熱保温容器1の外部に設置した保温容器7に蓄熱材料
5を収容し、この保温容器7内部と真空断熱保温容器1
内部とを配管8で連結するとともに、配管8の途中にポ
ンプ9を設け、空気を媒体に熱の移動をさせるところを
示している。この場合、保温容器7および配管8の断熱
を十分に対策すると、熱ロスは小さくなり、有効な熱の
貯蔵が得られる。しかし、蓄熱材料5を高温電池2を収
納した真空断熱保温容器1の外部に設置すると、蓄熱材
料5を保温する構造が必要となり、全体の体積や重量増
につながるという欠点がある。
【0015】本実施例はこの点を改良するために、図2
に示すように、真空断熱保温容器1の内部に蓄熱材料5
を設置できるようにしたものであり、同じ空間に発熱す
る高温電池2と蓄熱材料5を収納できるので、発熱を直
接蓄熱材料5に蓄熱できる。また高温電池2が発熱しな
いようになった時点で、温度降下が始まると、蓄熱材料
5から熱が放出され、容器内部の温度を一定に保つこと
になる。このとき、真空断熱保温容器1の断熱性能と高
温電池2の発熱量および蓄熱材料5の量とのバランスを
とることによって、外部からエネルギーを必要としない
システムを完成できる。
に示すように、真空断熱保温容器1の内部に蓄熱材料5
を設置できるようにしたものであり、同じ空間に発熱す
る高温電池2と蓄熱材料5を収納できるので、発熱を直
接蓄熱材料5に蓄熱できる。また高温電池2が発熱しな
いようになった時点で、温度降下が始まると、蓄熱材料
5から熱が放出され、容器内部の温度を一定に保つこと
になる。このとき、真空断熱保温容器1の断熱性能と高
温電池2の発熱量および蓄熱材料5の量とのバランスを
とることによって、外部からエネルギーを必要としない
システムを完成できる。
【0016】さらに詳述すると、次のようになる。蓄熱
材料5の量は(1)式によって決まる。 高温電池の発熱量(J)=蓄熱材料の蓄熱できる熱量(J) =潜熱(J/kg)×質量(kg)…(1) 真空断熱保温容器の断熱性能は、この断熱性能を定常の
加熱状態での真空断熱保温容器からの放散熱量(W)で
示すと、(2)式によって決まる。
材料5の量は(1)式によって決まる。 高温電池の発熱量(J)=蓄熱材料の蓄熱できる熱量(J) =潜熱(J/kg)×質量(kg)…(1) 真空断熱保温容器の断熱性能は、この断熱性能を定常の
加熱状態での真空断熱保温容器からの放散熱量(W)で
示すと、(2)式によって決まる。
【0017】 真空断熱保温容器の放散熱量(W) =高温電池の発熱量(J)/発熱の周期(S) …(2) この条件でシステムを設計すると、理論上外部からエネ
ルギーを投入せずとも、保温容器の内部温度は蓄熱材料
の融点となる。
ルギーを投入せずとも、保温容器の内部温度は蓄熱材料
の融点となる。
【0018】上記構成において、図1に示す真空断熱保
温容器1の大きさは横1000×高さ600×奥行き2
000mmで、真空断熱壁3の断熱厚さを40mmと
し、真空断熱壁3の内部の真空層には無機質繊維系充填
材が充填され、その熱伝導率は0.007W/mK(平
均温度185℃)である。また、この真空断熱保温容器
1の全体の平均熱貫流率は0.3W/m2 Kである。こ
の真空断熱保温容器1の中にナトリウム−硫黄電池から
なる850kgの高温電池2が収納される。また真空断
熱保温容器1の内部には、(表1)に示すようなKCl
−MnCl2 −NaClを組成とする塩の蓄熱材料5が
185kg収納され、容器内部は融点である350℃に
保持される。
温容器1の大きさは横1000×高さ600×奥行き2
000mmで、真空断熱壁3の断熱厚さを40mmと
し、真空断熱壁3の内部の真空層には無機質繊維系充填
材が充填され、その熱伝導率は0.007W/mK(平
均温度185℃)である。また、この真空断熱保温容器
1の全体の平均熱貫流率は0.3W/m2 Kである。こ
の真空断熱保温容器1の中にナトリウム−硫黄電池から
なる850kgの高温電池2が収納される。また真空断
熱保温容器1の内部には、(表1)に示すようなKCl
−MnCl2 −NaClを組成とする塩の蓄熱材料5が
185kg収納され、容器内部は融点である350℃に
保持される。
【0019】
【表1】
【0020】この蓄熱材料5は、216kJ/kgの潜
熱(融解熱)をもち、充電・放電によって高温電池2は
4×104 kJの発熱をし、蓄熱材料5はこの高温電池
2の発熱によって融解し、4×104 kJの熱を蓄熱し
て液体となる。発熱が止むと、真空断熱保温容器1の真
空断熱壁3から熱が徐々に放散する。それにともなっ
て、蓄熱材料5の凝固が起こり、このときの凝固熱は容
器内部の温度を350℃に維持するための熱源として機
能する。
熱(融解熱)をもち、充電・放電によって高温電池2は
4×104 kJの発熱をし、蓄熱材料5はこの高温電池
2の発熱によって融解し、4×104 kJの熱を蓄熱し
て液体となる。発熱が止むと、真空断熱保温容器1の真
空断熱壁3から熱が徐々に放散する。それにともなっ
て、蓄熱材料5の凝固が起こり、このときの凝固熱は容
器内部の温度を350℃に維持するための熱源として機
能する。
【0021】また蓄熱材料5の密度は2610kg/m
3 なので、蓄熱材料5の体積は0.07m3 (70l)
である。そこで、蓄熱材料5とそれを収めるセラミック
円筒容器6の体積を収納するため、容器の奥行きを30
0mm長くしている。また、塩類は、溶融状態で電気的
に良導体なので、高温電池2と直接接触させることはで
きない。したがって、適当な量をユニットにして(例え
ば1kg(0.38l)あるいは1l(2.6k
g))、緻密なアルミナなどの例えば円筒形のセラミッ
ク容器に入れ、それを複数個真空断熱保温容器1の内部
に電池とともに収納する。
3 なので、蓄熱材料5の体積は0.07m3 (70l)
である。そこで、蓄熱材料5とそれを収めるセラミック
円筒容器6の体積を収納するため、容器の奥行きを30
0mm長くしている。また、塩類は、溶融状態で電気的
に良導体なので、高温電池2と直接接触させることはで
きない。したがって、適当な量をユニットにして(例え
ば1kg(0.38l)あるいは1l(2.6k
g))、緻密なアルミナなどの例えば円筒形のセラミッ
ク容器に入れ、それを複数個真空断熱保温容器1の内部
に電池とともに収納する。
【0022】蓄熱材料5の候補はほかに(表2)に示す
ようなのがある。なお、塩類のほかには、例えば金属で
例えば鉛を考えると、4×104 kJの蓄熱をするた
め、質量1700kgが必要となる(融点が327.5
℃なので、この温度が内部温度となる)。鉛の密度は1
1340kg/m3 なので、鉛の体積は、0.15m3
(150l)となり、塩類の使用が有効なことがわか
る。
ようなのがある。なお、塩類のほかには、例えば金属で
例えば鉛を考えると、4×104 kJの蓄熱をするた
め、質量1700kgが必要となる(融点が327.5
℃なので、この温度が内部温度となる)。鉛の密度は1
1340kg/m3 なので、鉛の体積は、0.15m3
(150l)となり、塩類の使用が有効なことがわか
る。
【0023】
【表2】
【0024】また、潜熱を利用せずに、顕熱を利用する
と、例えばマグネシアレンガでは、330から350℃
までの温度の幅(20℃の温度差)で熱を貯蔵すると、
比熱が1kJ/kgKなので、約1.9トンのレンガが
必要で、その体積も0.6m 3 以上となる。重量、体積
が大きい上に、熱の蓄熱、取り出しに温度の変動が伴
い、潜熱を利用する方法に比べてその機能は劣っている
といえる。
と、例えばマグネシアレンガでは、330から350℃
までの温度の幅(20℃の温度差)で熱を貯蔵すると、
比熱が1kJ/kgKなので、約1.9トンのレンガが
必要で、その体積も0.6m 3 以上となる。重量、体積
が大きい上に、熱の蓄熱、取り出しに温度の変動が伴
い、潜熱を利用する方法に比べてその機能は劣っている
といえる。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、塩類など
の潜熱を利用した蓄熱材料を用い、高温電池の発熱を保
温容器の内部に蓄熱し、高温を維持するための熱源とし
て利用するので、潜熱が大きい少量の塩類で大量の熱量
を蓄熱でき、温度維持のためのエネルギーを基本的には
必要としなくなる。このため、高温電池に貯蔵できるエ
ネルギー効率が高められるとともに、体積・重量ともに
コンパクトになり、高いエネルギー密度での貯蔵が可能
になる。また、保温容器の内部温度も、蓄熱材料の融点
で温度一定になるため、高温電池の動作温度のコントロ
ールも正確にできる。
の潜熱を利用した蓄熱材料を用い、高温電池の発熱を保
温容器の内部に蓄熱し、高温を維持するための熱源とし
て利用するので、潜熱が大きい少量の塩類で大量の熱量
を蓄熱でき、温度維持のためのエネルギーを基本的には
必要としなくなる。このため、高温電池に貯蔵できるエ
ネルギー効率が高められるとともに、体積・重量ともに
コンパクトになり、高いエネルギー密度での貯蔵が可能
になる。また、保温容器の内部温度も、蓄熱材料の融点
で温度一定になるため、高温電池の動作温度のコントロ
ールも正確にできる。
【図1】本発明の一実施例の高温電池用保温容器の構造
を示す構成図である。
を示す構成図である。
【図2】蓄熱材料を保温容器内部に設けた場合の高温電
池用保温容器の説明図である。
池用保温容器の説明図である。
【図3】蓄熱材料を保温容器の外部に設けた場合の高温
電池用保温容器の説明図である。
電池用保温容器の説明図である。
1 真空断熱保温容器 2 高温電池 3 真空断熱壁 5 蓄熱材料 6 セラミック円筒容器
Claims (1)
- 【請求項1】 高性能な断熱性能を有する保温容器に、
潜熱利用の蓄熱材料を高温電池とともに収納して設け、
前記蓄熱材料の潜熱作用により、高温電池が発熱してい
るときの余剰の熱エネルギーを蓄熱するとともに、その
放熱により保温容器内部の電池動作温度を維持可能に構
成したことを特徴とする高温電池用保温容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1474994A JPH07226228A (ja) | 1994-02-09 | 1994-02-09 | 高温電池用保温容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1474994A JPH07226228A (ja) | 1994-02-09 | 1994-02-09 | 高温電池用保温容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07226228A true JPH07226228A (ja) | 1995-08-22 |
Family
ID=11869768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1474994A Pending JPH07226228A (ja) | 1994-02-09 | 1994-02-09 | 高温電池用保温容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07226228A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008305575A (ja) * | 2007-06-05 | 2008-12-18 | Denso Corp | 電池温度調節装置 |
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