JPH072213U

JPH072213U - 農薬用特殊容器

Info

Publication number: JPH072213U
Application number: JP3755493U
Authority: JP
Inventors: 史朗鎌木; 潤二右田; 周治西田; 宗生和田; 啓伊藤
Original assignee: Nissan Chemical Corp
Current assignee: Nissan Chemical Corp
Priority date: 1993-06-16
Filing date: 1993-06-16
Publication date: 1995-01-13

Abstract

(57)【要約】【目的】耐荷重性及び耐衝撃性の高い農薬用特殊熱可塑
性樹脂製容器を提供する。【構成】上方から首部、肩部、胴部および底部からなる
農薬用特殊熱可塑性樹脂製容器であって；容器の肩部
を、２個以上の、特定範囲にわたる特定の曲率半径を持
つ湾曲弓形に形成し；容器の中央部にある胴部の一部部
分である円筒胴部の一部分の半径が他の部分の円筒胴部
の半径より僅かに小さく；且つ中央円筒部の最下部から
底部に到る胴部がその部分の胴部の水平断面の同心直径
が波型に周期的に変動するようにして内側に湾曲してい
ることを特徴とする農薬用特殊熱可塑性樹脂製容器。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、農薬液剤、更に特に手撒用農薬液剤を封入するための特殊熱可塑性プラスチック瓶に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、液剤、特に農薬液剤、更に特に手撒用農薬液剤を封入するための瓶（以下、容器という）としては、容器の肩部の曲率が小さく（換言すれば曲率半径が大きく）、該肩部より垂直の胴部に到る変向部の曲率が大きい（換言すれば曲率半径の小さい）容器、例えばその正面図が図２によって表されるものが使用されてきた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、これらの容器をラップランドケース、換言すれば従来の金属性ホッチキスで止めたダンボールケースより耐荷重性の低いケースで包装して、そのケースを積み重ねようとすると、ラップランドケースの耐荷重性が低いのでその分だけこれらの容器に荷重がかかり、これらの容器が底部または首下肩部で屈曲してしまい高い積み重ねが困難になり、容器にも損傷を起こすおそれが生じてきた。また、これらの容器の運送中に落下や容器同士の接触等の衝撃により外部層の樹脂が損傷（白化）したり胴部に添付してあるラベルの表面が磨耗してラベル上の印刷が不鮮明になる等の問題が生じた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

これら容器の耐荷重性及び耐衝撃性を高めるために、肩部の曲率を従来より大きくし（換言すれば曲率半径を小さくし）、該肩部より垂直の胴部に到る変向部の曲率を従来より小さくした（換言すれば曲率半径を大きくした）容器、例えば図１に示した正面図により示される容器の耐荷重性及び耐衝撃性が著しく向上することを見出した。更に、この容器の首下より肩部より垂直の胴部に到る変向部までの厚みを他の部分の厚みより若干大にするとこの耐荷重性及び耐衝撃性が予想以上に更に高まることを見出した。更に胴部へのラベルの添付部分の半径を僅かに小さくすることによりラベルの磨耗または損傷度を下げることができることを見出した。

【０００５】かくの如き工夫により、下記の如き考案が考案された：上方から首部、肩部、胴部および底部からなる農薬用特殊熱可塑性樹脂製容器であって；容器の肩部を、２個以上の、特定範囲にわたる特定の曲率半径を持つ湾曲弓形に形成し；容器の中央部にある胴部の一部部分である円筒胴部の一部分の半径が他の部分の円筒胴部の半径より僅かに小さく、且つ中央円筒部の最下部から底部に到る胴部がその部分の胴部の水平断面の同心直径が波型に周期的に変動するようにして中心方向に湾曲していることを特徴とする農薬用特殊熱可塑性樹脂製容器。

【０００６】この容器の材質は、特殊製の熱可塑性合成樹脂であって、単層樹脂型では例えばポリエチレン；ポリエチレンに炭酸カルシウムをブレンドしたブレンドポリエチレン、例えばポリエチレン６０重量部に炭酸カルシウム４０部をブレンドしたブレンドポリエチレン；三層樹脂型では外側が上述のポリエチレン、次いで接着層例えば変性ポリエチレン、内側がナイロンまたはエバール（エチレン−ビニルアルコール−コポリマー）である。容器の製造は、単層品はブロー成形法により、そして三層品は多層オリフィスから各層に該当する溶融した材料を押出す、ブロー成形法により製造する。容器に入れる農薬は手撒用農薬液剤、例えば水田用除草乳剤、特にデルカット乳剤（日本モンサント（株）の登録商標）またはロンスター（ローン・プーラン社の登録商標）水田散布用乳剤である。

【０００７】図１と図３に示すように、本考案の容器の水平断面は容器の外側、内側共に、肩部２から中央円筒胴部４までは基本的に正円形である。しかし、中央円筒胴部の一部分を形成する凹部４．２の半径は他の部分の円筒胴部のそれより僅かに小さく、その小ささは添付するラベルの厚みより若干大きい長さ例えば０．１ないし３ｍｍ程度、好ましくは０．１ないし１ｍｍである。かくの如くすることによりラベルを添付できる凹部が形成され、この凹み部分にラベルを添付することにより運搬中の振動によるラベルの磨耗または損傷を防止できる。この凹部の中央円筒胴部に占める割合はラベルの大きさにより変動する。図１の場合は、凹部が中央円筒胴部の大部分を水平方向に占めている実施態様を示す。

【０００８】中央円筒胴部最下部４．３より底部の間の中心方向に湾曲する部分５は、農薬液剤を散布する際に手で握るための部分である。容器を振る際の握りの滑り止め用として縦方向に波型に凹凸が付されている。波の数は通常１２〜２０個であり波の高さは、通常１〜４ｍｍである。

【０００９】肩部の湾曲部２、肩部より垂直の胴部に到る変向部３と中央円筒胴部の最下部４．３より底部６の間の中心方向に湾曲する部分５の曲率半径、その範囲とその半径の方向は、容器の中央円筒部の半径との関係で決められるものであって、例えば図１に示した中央円筒胴部の半径に対応する曲率半径のものが好ましく、中央円筒部の半径に対応するその範囲、方向および半径の変動幅は、±１５％、好ましくは±１０％、更に好ましくは±５％である。また、「肩部の湾曲部２」より「垂直の胴部に到る変向部３」までの湾曲は、一様の曲率半径によるものではなく、特定の範囲にわたる特定の曲率半径の２又は３個以上から連続的に形成される湾曲であって、その曲率半径の構成は、通常は３個の曲率半径Ｒ₁、Ｒ₂とＲ₃からなっており、その順序は首部から胴部へＲ₁、Ｒ₂次いでＲ₃であり、その占める範囲の比率は、Ｒ₁：Ｒ₂：Ｒ₃＝３〜２：０．３〜０．０１１：２〜１であり、曲率半径の大きさの順序は、Ｒ₂≦ Ｒ₁＜Ｒ₃である。

【００１０】

【実施例】本考案を更に具体的に説明するために、下記の実施例により説明する。なお、下記の実施例は本考案を説明するために記載したものであって、これにより本考案を限定することを意図するものではない。また、その容器の大きさは実施態様の一例を示すのみである。（実施例；（図１）と比較例（図２）の容器の１実施態様の製造）表層、接着層、内層の三層からなる特殊可塑性樹脂で図１に示した容器の１実施態様と比較のための図２の容器を製造した。製造は多層オリフィスから各層に該当する溶融した材料を押出すブロー成形法による。表層はポリエチレン６０％と炭酸カルシウム４０％のブレンド品（商品名：サンプラック）、接着層は変性ポリエチレン、内層がナイロンである。表層：接着層：内層の重量比は、８５：３：１２であり、使用した樹脂量は５５ｇである。

【００１１】得られた容器の大きさと曲率半径は表１に記載の通りであり、肩部より中央円筒胴部に到る曲率半径Ｒ₁、Ｒ₂とＲ₃が互いに著しく異なる：

【表１】表１なお、本実施例の場合は、中央円筒胴部の凹部は図１の示すように中央円筒胴部の大部分を占めている。この実施例と参考例の容器を使用して性能比較試験をした。

【００１２】（１）挫屈強度（耐荷重性）試験（イ）試験方法サンプルに２０℃及び４０℃の水を５００ｇ充填し、キャピング後に圧縮試験を常温で行った。（ロ）供用試験機：インストロン試験機（最大荷重５００ｋｇ）圧縮速度１０ｍｍ／ｍｉｎ，（ハ）試験サンプル図１と図２の容器を使用した。（ニ）試験結果試験結果を表２に示す。

【表２】表２

【００１３】（２）輸送試験（イ）試験方法図１と図２の容器にデルカット乳剤約４９０ｇを充填し、密栓し、ダンボール函１箱当り２０本の容器を５（本）×４（本）の矩形型に充填した。このダンボール函を山口県小野田市（積込）→埼玉県児玉群（積卸しと積込）→北海道函館市（積卸しと積込）→山口県小野田市（積卸しと検査）と運搬（合計期間約１０日間）して、運搬中の各容器の損傷度及びラベルの磨耗度と損傷度を比較した。各容器の番号とダンボールへの充填位置の関係を下記の表３に示す。

【表３】表３（番号の記載位置は該当する容器の充填位置を示す。外枠はダンボールの内壁の位置を示す。なお、各容器は互いに接触する程度に充填した。）（ロ）試験結果試験結果を表４に示す。

【表４】表４表注：表中の白化とは衝撃により、外部層の樹脂が損傷したことを意味する。

【００１４】

【考案の効果】

肩部の湾曲の曲率半径を、従来より小さくし、そして肩部より垂直の胴部に到る変向部の曲率を従来より大きくすることにより、耐荷重性能及び耐衝撃性能が向上した。また中央円筒胴部に凹部を設けてラベル添付部とすることによりラベルの磨耗と損傷を減少させることができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の容器の正面図

【図２】従来の容器の正面図

【図３】図１の容器の中心方向への湾曲部５の切断線Ａ
−Ａ′の断面図

【図４】図２の容器の中心方向への湾曲部５の切断線Ａ
−Ａ′の断面図

【符号の説明】

Ｌ・・・全長Ｒ_nまたはＲ_n-m・・・曲率半径１・・・首部２・・・肩部３・・・肩部より垂直の胴部に到る変向部４．１・・・中央円筒部の最上部４．２・・・中央円筒胴部の凹部４．３・・・中央円筒胴部最下部５・・・中心方向への湾曲部６・・・底部

フロントページの続き (72)考案者西田周治山口県小野田市大字小野田6903−１日産化学工業株式会社小野田工場内 (72)考案者和田宗生山口県小野田市大字小野田6903−１日産化学工業株式会社小野田工場内 (72)考案者伊藤啓東京都千代田区神田錦町２−11−６日星産業株式会社内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】上方から首部、肩部、胴部および底部か
らなる農薬用特殊熱可塑性樹脂製容器であって；容器の
肩部を、２個以上の、特定範囲にわたる特定の曲率半径
を持つ湾曲弓形に形成し；容器の中央部にある胴部の一
部分である円筒胴部の一部分の半径が他の部分の円筒胴
部の半径より僅かに小さく、且つ中央円筒部の最下部か
ら底部に到る胴部がその部分の胴部の水平断面の同心直
径が波型に周期的に変動するようにして中心方向に湾曲
していることを特徴とする農薬用特殊熱可塑性樹脂製容
器。