JPH0721971A - 荷電粒子計測法及びその装置 - Google Patents

荷電粒子計測法及びその装置

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JPH0721971A
JPH0721971A JP5186814A JP18681493A JPH0721971A JP H0721971 A JPH0721971 A JP H0721971A JP 5186814 A JP5186814 A JP 5186814A JP 18681493 A JP18681493 A JP 18681493A JP H0721971 A JPH0721971 A JP H0721971A
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JP
Japan
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charged particle
electrode
integrator
charged
particles
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JP5186814A
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Akinari Kasai
昭成 葛西
Fumio Watanabe
文夫 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子の電荷移動に伴うノイズや放射線によっ
て発生するノイズの影響を受けず、バックグラウンドの
極めて小さい微小荷電粒子電流の計測を可能にした荷電
粒子計測法及びその装置を提供する。 【構成】 第1に、荷電粒子計測法において、荷電粒子
収集電極5の前方に、発生する荷電粒子を限られた空間
内に順次閉じ込めて時間積分することのできる荷電粒子
積分器Sを配置すると共に、該荷電粒子積分器Sに適当
なパルス信号を印加して、一定時間内に積分された荷電
粒子を一挙に荷電粒子収集電極5に放出してパルス電流
として取り出し、増幅して得られるパルス電流波高値か
ら、前記微小粒子の空間密度及び飛散頻度を求める。第
2に、荷電粒子積分器S、荷電粒子収集電極5、パルス
電流増幅器17の順で配置構成される荷電粒子計測装置
において、荷電粒子積分器Sは、中空体電極1と、該中
空体電極1の仮想中心線上に張った芯線電極2の少なく
とも2電極を組み合わせて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電離真空計、残留ガス
分析計、リーク試験器及び表面分析装置やスパッター装
置など、真空中に浮遊飛散する原子や分子の空間密度及
び放射線や他の物理現象によって飛来する正、負イオン
や電子、陽電子の飛来頻度を計測する荷電粒子計測法及
び荷電粒子計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、10-3Pa以下の高真空の圧力測定や
残留ガス分析などは、原子または分子を、電子またはX
線、紫外線などの光子を用いてイオン化(電離)し、生
成したイオン(荷電粒子)を電磁場の作用によってイオ
ン収集電極(荷電粒子収集電極)表面に集め、電子との
電荷交換後、電子の流れとして導線ケーブルを通して取
り出し、その電流強度から原子または分子の空間密度を
求めてきた。また、2次イオン質量分析法(SIMS)
と称する表面分析装置では、イオンビームが固体表面を
衝撃するとき、スパッターされてくる原子の一部が既に
イオン化されていることから、これを直接質量分析器に
通してからイオン収集電極で捕えて、得られる電流強度
から固体表面の状態を調べて来た。即ち、イオン化(中
性微小粒子の帯電化)する方法及び分析する方法はいか
なる方法であったとしても、空間に生成されたイオンの
数(流量)を測るには、電界の作用によってイオンをイ
オン収集電極に集めて電子電流として取り出し、得られ
る電流強度から該原子又は分子の空間密度及び飛来頻度
が求められて来た。
【0003】このようにしてイオン電流はイオン収集電
極上で電子電流に変換され、電流ケーブルを通して直流
電流増幅器まで導かれて増幅される。現在、この方法を
用いて増幅できる微小電流の増幅限界は10-14A程度であ
る。これ以下の微小電流は、例えばイオン流をイオン収
集電極上で電子電流に変換してから可変容量コンデンサ
ーに導き、コンデンサーの容量変化によって交流信号に
変換し、交流増幅器を通して増幅する方法が用いられて
きた。これは直流増幅器に見られる温度ドリフトによる
不安定性を無くすために工夫された微小信号増幅法であ
るが、より低い微小電流計測のためには、増幅器をケー
ブル無しでコレクターに直接取り付け、サファイヤ絶縁
端子を用いてリーク電流を極小にするなど、特別の回路
構成が必要である。しかし、このように工夫を施したと
しても、電子回路を用いての微小電流増幅限界は〜10
-15Aが限度であり、測定装置も非常に高価になる。
【0004】この壁を打破するために考案されたものに
2次電子増倍管がある。これはイオンをイオン収集電極
に達する前に一旦加速し、高速でイオン収集電極に衝突
する時に多数の2次電子が放出されることを利用して増
幅する方法である。この方法においては、イオンの最初
の衝撃によってイオン収集電極(第1ダイノード)から
放出された多数の2次電子は、次のダイノードに向って
再び加速衝突され、順次7〜8段の繰り返しの2次電子
増倍現象によって、電子数を105 〜108 個まで増倍され
る。また、チャネルトロンと称される2次電子増倍管
は、鉛ガラスの細管を螺旋状に巻き、ガラス表面に半導
体膜を作成して連続ダイノードとすることにより小型化
が図られている。どちらの2次電子増倍管も、最終段の
ダイノードから得られる電子の数は、イオン1個当り10
5 〜108 倍に増幅されるので、信号ケーブルに導かれて
からの電子回路での増幅が容易になる。また、高速増幅
器を用いればイオン1個1個をカウントすることもでき
るので、カウント法を用いれば10-18 〜10-17Aまでの微
小電流計測が可能になる。
【0005】しかし、この2次電子増倍管を用いる方法
には、幾つかの欠点がある。即ち、この増幅法は2次電
子増倍管が必要となるので装置が大変複雑になり、その
上、高圧電源、パルス増幅器、パルス計数装置などが必
要になる。また2次電子増倍管は時間と共に感度が変化
し、衝突するイオンの種類によって飛び出す電子の数が
異なるので増倍率の校正を必要とする。また、イオンを
最初に捕捉するイオン収集電極にX線、紫外線、宇宙線
などの他の放射線が入射すると、2次電子が放出される
ため、イオン流入が無くとも疑似のパルス計数が発生す
る。これをバックグランドと称し、宇宙線や自然放射線
によるバックグランドは不可避的に存在し、注意深い設
計を行ったとしてもバックグランドを〜10個/ 秒以下に
することは困難である。
【0006】前述の直流微小電流増幅器の増幅限界は、
例えば電離真空計などでは次のような圧力計測限界を生
む。電離真空計の圧力に対する電流感度は10-4A/Pa程度
(電子振動型、高感度マグネトロン型のいずれの場合で
あってもほぼ同じ)しか得られないので、前述の微小電
流増幅限界10-14Aから計算される計測限界は10-10Pa程
度になる。従って、これ以下の真空を計測する場合は、
2次電子増倍管は必要不可欠であり、また、残留ガス分
析計の場合は、イオン電流は各ガス成分に分配されるの
で、全圧の1/100 以下の電流となり、10-8Pa程度の圧力
から2次電子増倍管を必要とする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、2次電子増
倍管はイオン流を第1ダイノードで電子電流に変換する
ので、電流増幅は基本的には電子の流れの増幅である。
即ち、真空中に配置されたダイノード表面で、電子倍増
現象を利用して増幅するか(2次電子倍増管)、イオン
収集電極で捕えて電子電流に変換後にケーブル中の電子
の流れを電子回路を用いて増幅するか(直流増幅器)の
違いがあるだけである。後者では、導線を流れる電流が
10-14A以下の微小電流(エレクトロンの数にして10万個
/ 秒)になると、導線の電子の熱運動、リーク電流、摩
擦電気などが無視できなくなり、またイオン収集電極か
ら増幅器までに接続されているケーブルが宇宙線や電波
などに対してアンテナの役目を果たし、外来ノイズの影
響を受けることになる。しかし、2次電子増倍管の場合
でも第1ダイノードは宇宙線や放射線などの外来ノイズ
の影響を受け易く、結果は同じである。
【0008】このような不可避の増幅限界が存在する理
由は、イオンの流れをイオン収集電極に連続収集し、イ
オン収集電極表面で電荷の交換を行いながら金属固体中
(ケーブル)の電子電流に変換し、固体中を流れる電子
を増幅していることにある。すなわち、イオンがコレク
ターに到達する前のイオンの状態で増幅することが可能
であるならば、このような問題は発生しないが、1個の
イオンから複数のイオンを発生させることは無から有を
生じさせることであり、原理的にできない。
【0009】前述の問題を解決するための手段として、
次の方法が考えられる。即ち、気体原子及び分子をイオ
ン化(電離)しながら発生するイオンを継続して順次ト
ラップし、時間積分(蓄積)した後、ある一定量まで積
分した時点で、それまで積分したイオンを短時間に一挙
にイオン収集電極にパルス放出することが可能であれ
ば、イオン収集電極で電荷交換によって得られる電子の
流れも集団化して強いパルス電流となるので、信号/雑
音比を著しく改善したイオン電流計測、即ち粒子計測が
可能となる。
【0010】ここで、イオンを一定空間に長時間トラッ
プ(蓄積)する方法は既に3通りの方法が実現されてい
る。第1の方法は、ポール・トラップと称され、四重極
構造の電極、即ちZ軸を回転軸とする回転双曲面を持つ
リング状電極と、上下のキャップ電極から構成され、静
電場+高周波電場によってイオンがトラップされる。こ
のトラップと同じ構造であるが、高周波に替えて静磁場
を加える方法もあり、これはペニング・トラップと称さ
れる。また、円筒形状の電極の中心に細芯線を配置し、
この細線の回りにイオンをキングドン運動をさせてイオ
ンをトラップさせる方法もある。キングドントラップと
称されるこのイオントラップは前の2つに比べて、高周
波や磁界を必要としないので、簡単にイオンの性質が調
べられることから、最近特に注目されているイオントラ
ップである。イオントラップと称されるこれらのイオン
蓄積法は、イオンを長時間一定空間に閉じ込めて、その
イオンの熱振動を抑え、イオンの性質を調べるために考
案された技法である。しかし、上記イオントラップ法で
イオンを空間に閉じ込めることは出来たとしても、従来
のこれらイオントラップは、荷電粒子計測用として工夫
された技法ではないので、時間経過と共に発生している
荷電粒子を順次溜め込む即ち積分する工夫はなされてい
ないし、粒子密度が何桁にも渡って変化する場合は追従
できない。例えば、電離真空計に用いる場合は、6〜7
桁の測定帯域(ダイナミックレンジ)が必要である。ま
た、従来のキングドントラップは円筒電極と芯線の外
に、両端からのイオンの逃げを防ぐために2枚のエンド
プレートが必要であり(合計4電極が必要)、イオンを
中央に集中させるために、エンドプレートに別の電圧を
印加する必要があった。さらに、円筒電極は真空装置に
対して解放系(メッシュ形状)の構造を取っていないの
で、円筒の内と外では圧力差(粒子密度差)が生じ超高
真空や極高真空に用いることはできない。また従来のい
ずれのイオントラップも、蓄積イオンの検出は2次電子
増倍管を用いて行う方式を取っており、該2次電子増倍
管を用いることの問題点は考慮されていない。
【0011】一方、パルス電流を検出する方法は積分型
演算増幅回路を用いて増幅することが可能である。即
ち、容量Cのコンデンサーに電荷Qが充電される時、コ
ンデンサーにはV=Q/Cの電圧Vが発生する原理を用
いる。例えば、電子100 個程度(1.6 ×10-17 クーロ
ン)の電荷集団は、市販されている感度1ボルト/1ピ
コクーロン程度のFET入力演算増幅積分回路を用いれ
ば、16マイクロボルトの出力が得られる。この出力を実
用レベルまで増幅することは容易であるから、1個/1
秒(1.6 ×10-19 Aの直流電流に相当)程度の微小電流
でも、荷電粒子を100 秒間積分すれば、2次電子増倍管
なしで、それを越える微小電流計測が可能となる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような現
状を鑑みなされたものであって、第1に、真空中に浮遊
又は飛散する原子や分子などの微小粒子を電子や光子な
どの作用によって電離し、生成したイオンや電子などの
荷電粒子を荷電粒子収集電極に集めて電流信号として捕
らえ、その電流強度から前記微小粒子の空間密度や飛来
頻度を調べる荷電粒子計測において、該荷電粒子収集電
極の前方に、発生する荷電粒子を限られた空間内に順次
閉じ込めて時間積分することのできる荷電粒子積分器を
配置すると共に、該荷電粒子積分器に適当なパルス信号
を印加して、一定時間内に積分された荷電粒子を一挙に
荷電粒子収集電極に放出してパルス電流として取り出
し、増幅後に得られるパルス電流波高値から、前記微小
粒子の空間密度及び飛散頻度を求める荷電粒子計測法を
要旨とし、第2に、荷電粒子積分器、荷電粒子収集電
極、パルス電流増幅器の順で配置され構成される荷電粒
子計測装置において、該荷電粒子積分器は中空体電極
と、該中空体電極の仮想中心線上に張った芯線電極の少
なくとも2電極を組み合わせて構成されていることを特
徴とする荷電粒子計測装置を要旨とし、電荷を有する全
ての荷電粒子計測に対して、信号/雑音比を著しく改善
した微小電流計測の可能な荷電粒子計測法及び荷電粒子
計測装置を提供しようとするものである。
【0013】
【作用】中空の球体電極の仮想中心線上に芯線電極を配
置し、この芯線電極と球体電極の間に適当な電位を与え
て2電極空間に対数ポテンシャル場を形成しておく。こ
の状態で球体電極の外側から2電極空間に浮遊または飛
来する微小粒子を電離するための電子や光子を球体電極
に設けた小穴を通して球体電極内部に打ち込む。打ち込
まれた電子や光子は微小粒子に衝突して微小粒子を電離
する。電離された荷電粒子は2電極間の電位勾配によっ
て芯線電極に向かって加速される。しかし、芯線は極細
であり、また荷電粒子の対数ポテンシャル場では角運動
量が保存されるため、荷電粒子は熱運動程度の初期運動
エネルギーさえ持っていれば、芯線電極に捕らえられる
ことなく、芯線の回りに絡み付くようにオービトロン運
動して長時間トラップされる。従って、電離するための
電子や光子をある一定時間打ち込め続ければ、その時間
に比例した荷電粒子が2電極間にトラップされる。即ち
球体電極と芯線電極の2電極によって構成される空間
は、微小粒子を電離して荷電粒子を発生する場を提供で
きると同時に、時間経過と共に発生してくる荷電粒子を
順次にトラップし、時間積分する荷電粒子積分器として
の場も提供できるものである。この場合、芯線の貫く球
体電極の側面は、芯線に絡み付く荷電粒子が芯線の横方
向に広がろうとする運動を常に中心に押し戻そうとする
働きを持つ。即ち、荷電粒子のオービトロン運動は球体
電極の中央に集中する。また、球体電極がメッシュ状で
あれば、球体電極内部とその外部とに浮遊または飛来す
る微小粒子の空間密度差をなくすことができる。さら
に、電離するために必要な電子や光子を、球体電極外側
の任意の方向から球体電極内に打ち込むことも可能にな
る。
【0014】従って、球体電極の一部に荷電粒子引き出
し口を開け、対向する位置に荷電粒子収集電極を配置
し、さらにこの荷電粒子収集電極に積分型演算増幅器を
接続しておけば、パルス信号を印加して球体電極と芯線
電極間の電位差を一挙に取り去ったとき、2電極間にト
ラップされていた荷電粒子は集団となって荷電粒子引き
出し口から一挙に荷電粒子収集電極にパルス電流として
流れだし、増幅して得られるパルス電流波高値から、2
電極間に積分蓄積されていた荷電粒子の数が求められ
る。
【0015】本発明による荷電粒子電流計測法では、生
成荷電粒子が荷電粒子収集電極に到達する以前に、芯線
電極に積分蓄積されるので、荷電粒子収集電極およびケ
ーブル内に発生する原子の熱振動、摩擦電気など、電子
の電荷移動に伴うノイズの影響を全く受けない。また、
荷電粒子を溜め込んでいる間に、X線、紫外線、宇宙
線、その他の放射線の侵入があったとしても、これらの
放射線によって発生する雑音は、種類が異なるため芯線
電極(積分電極)には溜め込まれない。従って、バック
グランドの非常に小さい微小荷電粒子電流計測が可能と
なる。さらに、メッシュ状球体電極をプラス極に、芯線
電極をマイナス極にすれば、正イオンまたは陽電子の微
小電流計測が、またメッシュ状球体電極をマイナス極
に、芯線電極をプラス極にして用いれば、負イオンまた
は電子の微小電流計測が可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る荷電粒子計測法及び荷電
粒子計測装置の一実施例について図面を参照しながら詳
細に説明する。図1は、本発明に係る荷電粒子計測装置
の一実施例を示す斜視図で、図2はその略断面図であ
る。1は平織のモリブデン金網を半球状にプレス成型し
たものを2個突き合わせてリム11で挟んで止め、中空
球状に構成したメッシュ状の球体電極である。この球体
電極1の大きさ(直径)は、特に限定されるものではな
いが、実施例では、直径が約25ミリメートルに設定され
ている。そして、球体電極1の外周面には荷電粒子取り
出し口13が開けられており、この荷電粒子取り出し口
13の直径は約6ミリメートルに設定されている。2は
芯線電極で、この芯線電極2は、例えば線径約30マイク
ロメートルの金メッキタングステン線を、上記リム11
の一部を膨らませて形成した内径3ミリメートルの円管
12、12’を互いに接触しないように通して球体電極
1の仮想中心線上を貫いた状態で設けてある。本実施例
では、上記球体電極1と芯線電極2の2電極の組み合わ
せにより荷電粒子積分器(蓄積電極)Sが構成されてい
る。3はフィラメント電極で、実施例では、酸化トリウ
ムをコーテングしたイリジュウムフィラメントを使用し
ている。4は円筒状電子ビーム制御電極で、3のフィラ
メントより放出される電子の球体電極1への流入をコン
トロールする。5は直径約8ミリメートルの荷電粒子収
集電極で、6は荷電収集電極5のシールド電極である。
上記球体電極1、芯線電極2、フィラメント電極3、電
子ビーム電極4、荷電粒子収集電極5及びシールド電極
6の各電極はセラミック・コバール封止の真空端子(図
4の符号16参照)の上に組み立てられ、真空容器(図
4の符号15参照)の中に配置されている。
【0017】図1、図2の電極構成において、メッシュ
状の球体電極1を120ボルト、フィラメント電極3の
電位を20ボルト、イオン収集電極5及びシールド電極
6をグランド電位(ゼロボルト)において、電子ビーム
制御電極4と芯線電極2に図3に示すようなパルス信号
を印加する。この時、球体電極1に打ち込まれる電子数
は、フィラメント電極3と電子ビーム制御電極4の間に
流れる電子電流によってコントロールされる。図2にお
いて、フィラメント3から球体電極1内に侵入した電子
は、例えば符号bで示すような曲線軌道を描いて球体電
極1の内部の気体原子または分子を衝撃してイオンを作
る。衝突しないで球体電極1の網目を突き抜けた電子
は、真空壁(図4における符号15)で跳ね返された後
再び加速され、再度網目を通って球体電極1内に侵入
し、再び気体のイオン化に寄与する。この状態がT1
間継続されたとき、球体電極1内に生成したイオン(一
部)は、芯線電極2と球体電極1の間に形成される対数
ポテンシャル場に捕えられ、例えば符号aで示すような
軌道を描いて球体電極1内にトラップされる。即ち、こ
の場合、電極1、2、3は電離真空計としての働きを持
ち、図3のT1 秒間に積分されるイオン数は(積分され
て行くイオンの気体との衝突で失われる量が無視できる
範囲において)気体の圧力、即ち原子及び分子の空間密
度に比例する。次のT2 秒間は電子の侵入が停止され、
1 秒間に積分されたイオンは芯線電極2のまわりにT
3 秒間蓄積される。この状態で芯線電極2に正のパルス
がT4 秒間印加され、蓄積されていたイオンは荷電粒子
取り出し口14から一挙に荷電粒子収集電極5に放出さ
れ、短い時間幅t(数マイクロ秒〜数10マイクロ秒)の
パルス電流が発生する。図4はこのパルス電流(電荷)
を計測するための積分型演算増幅器17を図1の荷電粒
子収集電極5に接続した状態を示す。従って、パルス電
流の高さhは、T1 秒間に積分されたイオン数、即ち気
体の圧力に比例することになる。15は真空容器、16
は真空端子である。
【0018】図5は本発明に係る荷電粒子計測法を四重
極型質量分析計8に適用した場合の実施例である。即
ち、荷電粒子積分器Sと荷電粒子収集電極5の間に四重
極型質量分析部7,8を挿入しておいて、四重極電極7
に加える電圧を調整し、目的の質量分子が通過できる電
圧状態で、図3のT4 を働かせれば、目的の質量イオン
の蓄積数、即ち分子密度を求めることができる。この分
析法は、残留ガス分析計としてだけでなく、2次質量分
析計(SIMS)やスパッター中性原子のポストイオン
化にも適用できる。
【0019】図6は本発明に係る荷電粒子計測法によ
り、原子または分子衝突のイオン生成過程を、電子分光
する場合の実施例である。例えばA,B2つの高速原子
または分子が(粒子は中性であっても、帯電体であって
もかまわない)図の左右両方向から飛んで来て、メッシ
ュ状球体電極18の中央で衝突する場合の例を示してい
る。このものでは、A,Bの衝突によってイオンと電子
が発生する際、正イオンの場合は芯線電極2をマイナス
極に、球体電極18をプラス極にする。また、負イオン
や電子の場合には芯線電極2をプラス極に、球体電極1
8をマイナス極にする。この場合、衝突は対数ポテンシ
ャル電位の中間で行わせ、そのポテンシャル電位dから
球体電極18までの電位差をトラップしたい荷電粒子の
生成運動エネルギー以上にする。即ち、この電位差に相
当する運動エネルギーを持つ荷電粒子だけを検出するこ
とができ、一種のエネルギー分析計を兼ね備えたトラッ
プを提供することができる。
【0020】図1〜図6に示すものは、荷電粒子積分器
Sを構成する芯線電極2に組み合わせる中空体電極を前
述するようにメッシュ状の球状に構成したものである
が、これにより、従来の円筒状キングドントラップと称
される装置に必要であったエンプレート電極の必要性が
なく、また、エンプレートに高い電圧を印加してトラッ
プ荷電粒子を芯線電極2の中央に集中させるような方法
を取らなくとも、荷電粒子は球体電極1の中央に自然に
トラップされる効果がある。しかし、従来の円筒状キン
グドントラップでも図7に示したように、円筒状電極
1’の外周に多数のメッシュ(小孔)20の開けて解放
系に構成し、真空装置内の圧力と円筒状電極1’内の圧
力に差のない構造にすれば、従来の円筒状キングドント
ラップを用いても、本発明の目的を十分満足することが
可能である。
【0021】従って、荷電粒子をトラップする芯線電極
2に組み合わせる電極は、キングドントラップと称され
る装置においてもメッシュ状の球体に限定されるもので
はなく、また、中空の金属半球体を2個突き合せた球状
としたものでもよい。即ち、球キングドン荷電粒子トラ
ップは、従来の物性研究に用いられて来たイオントラッ
プと称される装置として活用することも可能である。
【0022】本発明での実施例で示した、粒子のイオン
化(電離)法は、熱陰極フィラメント3を用いている
が、イオン化する方法は、冷陰極のフィールドエミッタ
ー、レーザー、原子核崩壊、分子または原子の衝突、そ
の他、いかなる方法であってもよい。
【0023】また、荷電粒子トラップ積分器は、本発明
の球体電極1と芯線電極2だけの組み合わせに限ったも
のではなく、従来のポールトラップ、ペニングトラッ
プ、円筒キングドントラップ、その他いかなる方法であ
ってもかまわない。
【0024】要するに、微小粒子は何らかの方法で電離
し、生じた荷電粒子を捕捉し電流に変換する荷電粒子収
集電極5の前方に、生成する荷電粒子を順次時間積分で
きる荷電粒子積分器(蓄積電極)Sを配置し、該荷電粒
子積分器Sに適当なパルス信号を加え、それまでに時間
積分された荷電粒子を一挙に該荷電粒子収集電極5に放
出してパルス電流として取り出し、増幅して得られるパ
ルス波高値より、該微小粒子の空間粒子密度を求める荷
電粒子計測法であれば、その電極構成はいかなる構成で
あっても構わない。
【0025】従って、荷電粒子収集電極5の位置に2次
電子増倍管を配置し、得られるパルス強度を高めた、2
次電子増倍管付き荷電粒子計測法も本発明の特許請求範
囲に含まれる。
【0026】本発明は、原子、分子などの微小粒子を電
子や光子などを用いてイオン化(電離)し、生成したイ
オンや電子などの荷電粒子を集めて電流信号として捕捉
し、その電流強度から前記微小粒子の空間密度及び物性
を調べる電離真空計、質量分析計、リーク試験器、分子
ビーム反応実験装置、及びイオン、電子、X線、紫外線
などの放射線を固体表面に照射して得られる別の荷電粒
子から物質の表面状態を調べる表面分析装置やスパッタ
ー装置など、真空中に浮遊または飛散する荷電粒子の密
度及び飛来頻度を求める荷電粒子計測法として広範囲に
利用することができる。
【0027】
【発明の効果】気体の圧力が高くなった場合は、トラッ
プされたイオンが残留気体と衝突する確率が高くなるの
で、積分時間T1 を短くし(T2 、T3 、T4 は一定で
あり変える必要はない)、逆に真空が良くなり気体の圧
力が低くなった場合は、積分時間T1 を長くすることに
よってトラップされるイオンの数を調整することが可能
となる。即ち、本発明を電離真空計として利用する場合
は、真空計の計測帯域の選択(ダイナミックレンジの切
り替え)は、T1 の時間調整によって行うことができ、
従来の直流増幅器のように、計測帯域の選択を、抵抗を
多数並べてリレーやロータリースイッチの切り替えなど
によって行う必要がなく、微小電流回路が非常にシンプ
ルになり、精度も信頼性も著しく高まる効果がある。
【0028】従来の真空計や質量分析計では、陽極(メ
ッシュ球電極)に衝突する電子によって発生する軟X線
や電子衝撃脱離イオンによって、電離真空計特有の測定
限界が存在していた。しかし、この発明を採用すること
によりイオントラップ形真空計と称することもできる真
空計は、パルス信号で作動されるので、イオン引き出し
時にはフィラメントからの熱電子放出が全くなくなり、
球体電極上で軟X線が発生しない。従ってイオントラッ
プ形真空計にX線限界は存在しない。また、球体電極の
表面上で発生する電子衝撃脱離イオンは、対数ポテンシ
ャルの最も高い電位から、それも数ボルトの初期運動エ
ネルギーを持って飛び出しているので、芯線電極の回り
に多数回のキングドン運動をするうちに再び球体電極に
衝突し、イオンはトラップされない。即ち、イオントラ
ップ形真空計には電子衝撃脱離イオンによる誤差の問題
もない。
【0029】さらに、生成荷電粒子が電荷交換を行う荷
電粒子収集電極に到達する以前に、芯線電極に積分蓄積
されるので、荷電粒子収集電極およびケーブル内に発生
する原子の熱振動、摩擦電気など、電子の電荷移動に伴
うノイズの影響を全く受けない。また、荷電粒子を溜め
込んでいる間に、X線、紫外線、宇宙線、その他の放射
線の侵入があったとしても、これらの放射線によって発
生するノイズは、種類が異なるため芯線電極(積分電
極)には溜め込まれない。従って、バックグランドの非
常に小さい微小荷電粒子電流計測が可能となる。
【0030】さらに、球体電極をプラス極に、芯線電極
をマイナス極にすれば、正イオンまたは陽電子の微小電
流計測が、また、球体電極をマイナス極に、芯線電極を
プラス極にして用いれば、負イオンまたは電子の微小電
流計測が可能となる。
【0031】最近、気体をイオン化する方法の1つとし
て、レーザーが注目されている。これは熱陰極を用いる
ことによるガス放出の問題をなくし、微小空間の気体分
子の100%イオン化により、真空の絶対測定を目指した方
法である。しかし、このレーザーによる方法でも、10
-10Pa 程度の極高真空になると、生成されるイオンが1
個/ 1秒以下となり、微小電流計測が困難になっている
うえ、レーザーの散乱による電子放出によるノイズが問
題になっている。しかし、このようなレーザーによる圧
力測定でも、本発明による荷電粒子計測法または荷電粒
子計測装置を適用すれば、これらの問題を一挙に解決す
ることができる。即ち、レーザービームを絞り込んで、
イオン生成を行う微小空間を本発明の球体電極の内部に
設ければ良い。これにより、生成されるイオンは芯線電
極に順次トラップ積分され、イオン電流計測時にレーザ
ービームを停止すれば、散乱光によるノイズ発生の問題
は完全に排除される。
【図面の簡単な説明】
【図1】一部切開部を設けた球キングドントラップ型荷
電粒子積分器の斜視図である。
【図2】球キングドントラップ型荷電粒子積分器の概略
断面図と荷電粒子の軌道図である。
【図3】荷電粒子積分器の電極に印加するパルス波と信
号パルスのタイミング表である。
【図4】本発明に係る荷電粒子計測装置の一例を示す構
成図である。
【図5】球キングドントラップ型荷電粒子積分器の四重
極型質量分析計への応用例の断面図である。
【図6】球キングドントラップ型荷電粒子積分器の粒子
衝突時の電子蓄積例の断面図である。
【図7】円筒電極使用のキングドントラップ型荷電粒子
積分器の斜視図である。
【符号の説明】
1 メッシュ状球体電極 2 芯線電極 3 フィラメント電極 4 電子ビーム制御電極 5 荷電粒子収集電極 6 シールド電極 7 四重極電極 8 四重極質量分析計 9,9’ エンドプレート 11 メッシュ状球体電極のリム 12,12’ 芯線電極を通す円管 13 荷電粒子取り出し口 15 真空容器 16 真空端子 17 電荷有感形前置増幅器(演算増幅器を用いた積分
回路) 18 中空球電極 19,19’ 粒子ビーム通過口 A,B 粒子ビーム T1 荷電粒子の積分時間 T2 電子ビームの停止時間 T3 積分されたイオンの蓄積時間 T4 芯線電極に印加する荷電粒子取り出し時間 S 荷電粒子積分器 a 陽イオンの軌道 b 電子の軌道 c 荷電粒子発生位置の等電位線 d 荷電粒子の到達する位置の等電位線 t 荷電粒子収集電極に流れ込むイオン電流の時間幅 h パルス電流の波高値

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空中に浮遊又は飛散する原子や分子な
    どの微小粒子を電子や光子などの作用によって電離し、
    生成したイオンや電子などの荷電粒子を荷電粒子収集電
    極に集めて電流信号として捕らえ、その電流強度から前
    記微小粒子の空間密度や飛来頻度を調べる荷電粒子計測
    法において、該荷電粒子収集電極の前方に、発生する荷
    電粒子を限られた空間内に順次閉じ込めて時間積分する
    ことのできる荷電粒子積分器を配置すると共に、該荷電
    粒子積分器に適当なパルス信号を印加して、一定時間内
    に積分された荷電粒子を一挙に荷電粒子収集電極に放出
    してパルス電流として取り出し、増幅して得られるパル
    ス電流波高値から、前記微小粒子の空間密度及び飛散頻
    度を求める荷電粒子計測法。
  2. 【請求項2】 荷電粒子積分器、荷電粒子収集電極、パ
    ルス電流増幅器の順で配置構成される荷電粒子計測装置
    において、該荷電粒子積分器は、中空体電極と、該中空
    体電極の仮想中心線上に張った芯線電極の少なくとも2
    電極を組み合わせて構成されていることを特徴とする荷
    電粒子計測装置。
  3. 【請求項3】 荷電粒子積分器の中空体電極は、球状体
    であることを特徴とする請求項2に記載の荷電粒子計測
    装置。
  4. 【請求項4】 荷電粒子積分器の中空体電極は、微小粒
    子通過可能な多数の小穴が設けられた電極またはメッシ
    ュ状電極であることを特徴とする請求項2に記載の荷電
    粒子計測装置。
  5. 【請求項5】 パルス電流増幅器に積分型演算増幅器を
    用いたことを特徴とする請求項2に記載の荷電粒子計測
    装置。
  6. 【請求項6】 パルス電流信号出力の計測帯域の選択
    は、荷電粒子積分器に印加するパルス信号の積分時間幅
    を調整することによって行うことを特徴とする請求項1
    に記載の荷電粒子計測法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100427920B1 (ko) * 2001-08-08 2004-04-28 가부시키가이샤 히타치세이사쿠쇼 하전 입자 측정 장치 및 그 측정 방법
CN116469750A (zh) * 2023-06-19 2023-07-21 广东中科清紫医疗科技有限公司 一种质谱仪离子源多通道结构

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