JPH07215739A - 液膜積層体及びそれを使用した複合積層体 - Google Patents
液膜積層体及びそれを使用した複合積層体Info
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- JPH07215739A JPH07215739A JP3198094A JP3198094A JPH07215739A JP H07215739 A JPH07215739 A JP H07215739A JP 3198094 A JP3198094 A JP 3198094A JP 3198094 A JP3198094 A JP 3198094A JP H07215739 A JPH07215739 A JP H07215739A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- ultraviolet
- ultraviolet ray
- substrates
- liquid film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Laminated Bodies (AREA)
- Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
[目的] ソーダライムガラスのような一般的なガラス
板でサイズフリーの紫外線シャープカットガラスと耐候
性のある液晶調光ガラスをうることである。 [構成] ガラス基板間に液膜の紫外線カット層をもつ
ことを特徴とする積層体と液晶調光ガラスの一方の基板
を液膜の紫外線カット層をもつ積層体にした複合積層体
である。
板でサイズフリーの紫外線シャープカットガラスと耐候
性のある液晶調光ガラスをうることである。 [構成] ガラス基板間に液膜の紫外線カット層をもつ
ことを特徴とする積層体と液晶調光ガラスの一方の基板
を液膜の紫外線カット層をもつ積層体にした複合積層体
である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線シャープカット
ガラスに関する。
ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】ソーダライムガラスを使用して紫外線を
カットするために、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤等を透
明なフィルムやクリヤーラッカー等に添加してソーダラ
イムガラスに接着又は塗布して紫外線吸収層を形成しう
る。例えば、紫外線吸収剤を添加してあるポリビニルブ
チラール(例えば、日本モンサント社のセーフレックス
等)を中間膜とした合わせガラス、紫外線吸収剤を含み
クリヤーで紫外線を吸収カットする塗料(例えば、日本
ペイント社のスーパーフロンR、セクト化学社のシーグ
等)、紫外線遮蔽剤である超微粒子酸化チタン(出光興
産社の出光チタニア、石原産業社のタイペークTTO−
55等)、粘着フィルム(リンテック社のルミクールN
o.1521等)等を塗布又は接着したガラス等があ
る。しかし、ランバート−ベアーの法則から分かるよう
に、光吸収は濃度と厚みに比例するので高濃度、厚塗布
が紫外線カットをよりよくする。しかし、高分子マトリ
ックス中に高濃度で安定的に均一に溶存させたり、透過
してくる映像情報の歪みの発生を防止するために均一平
坦性を持って厚膜塗布することは非常に困難である。よ
って、このような方法では確実に紫外線をシャープカッ
トできず、この漏れた紫外線が実使用において問題とな
る。さらに、紫外線吸収域は、良くても380nmから
立ち上がりが生じ380から400nm域の吸収が問題
に残されていた。
カットするために、紫外線吸収剤、紫外線遮蔽剤等を透
明なフィルムやクリヤーラッカー等に添加してソーダラ
イムガラスに接着又は塗布して紫外線吸収層を形成しう
る。例えば、紫外線吸収剤を添加してあるポリビニルブ
チラール(例えば、日本モンサント社のセーフレックス
等)を中間膜とした合わせガラス、紫外線吸収剤を含み
クリヤーで紫外線を吸収カットする塗料(例えば、日本
ペイント社のスーパーフロンR、セクト化学社のシーグ
等)、紫外線遮蔽剤である超微粒子酸化チタン(出光興
産社の出光チタニア、石原産業社のタイペークTTO−
55等)、粘着フィルム(リンテック社のルミクールN
o.1521等)等を塗布又は接着したガラス等があ
る。しかし、ランバート−ベアーの法則から分かるよう
に、光吸収は濃度と厚みに比例するので高濃度、厚塗布
が紫外線カットをよりよくする。しかし、高分子マトリ
ックス中に高濃度で安定的に均一に溶存させたり、透過
してくる映像情報の歪みの発生を防止するために均一平
坦性を持って厚膜塗布することは非常に困難である。よ
って、このような方法では確実に紫外線をシャープカッ
トできず、この漏れた紫外線が実使用において問題とな
る。さらに、紫外線吸収域は、良くても380nmから
立ち上がりが生じ380から400nm域の吸収が問題
に残されていた。
【0003】また、いわゆる紫外線シャープカットガラ
スとして人工衛生の太陽電池を紫外線から保護する目的
のカバーガラスなどが知られている。これらのガラス
は、種々のイオンをドープしたガラスの紫外域の吸収を
利用して紫外線遮蔽をおこなっている。これらのガラス
も前記した接着又は塗布して紫外線吸収層を形成したガ
ラスと同様に、紫外線吸収端付近での波長に対する透過
率の変化の割合が比較的ゆるやかなため、近紫外線をカ
ットするためには可視域での吸収がさけられず、ガラス
が黄色く着色してしまい、逆に、可視域で吸収のない無
色なガラスでは近紫外域がカットできない課題があっ
た。
スとして人工衛生の太陽電池を紫外線から保護する目的
のカバーガラスなどが知られている。これらのガラス
は、種々のイオンをドープしたガラスの紫外域の吸収を
利用して紫外線遮蔽をおこなっている。これらのガラス
も前記した接着又は塗布して紫外線吸収層を形成したガ
ラスと同様に、紫外線吸収端付近での波長に対する透過
率の変化の割合が比較的ゆるやかなため、近紫外線をカ
ットするためには可視域での吸収がさけられず、ガラス
が黄色く着色してしまい、逆に、可視域で吸収のない無
色なガラスでは近紫外域がカットできない課題があっ
た。
【0004】このガラスの欠点の解消を目的として波長
傾斜幅の小さい紫外線吸収ガラスが提案された(特公昭
46−3464)。これは、熱処理によってガラス中に
銅コロイドが析出し、ガラスが赤色に着色してしまう欠
点があった。さらに、特殊なホウ珪酸ガラスとして提案
(特開平4−18501、特開平5−229848)さ
れたハロゲン化銅の微粒子析出ガラスは、ZrO2 の添
加により銅コロイドの析出を防止して着色をふせいでい
るが、生成温度が高くなる欠点がある。そこで、Li2
O、Na2 O、K2 Oを添加して生成温度を低くする
と、こんどは、耐候性が悪くなり着色し易くなる。そこ
で、最適組成設計により製造し提供されているが、B、
希土類元素Zr等の高価な原料の使用、高温の製造温度
等の制約からソーダライムガラスのような安価で大型サ
イズの板をうるのは極めて困難である。そこで、本発明
者は一般的なガラス板と液膜の積層構造を考案した。
傾斜幅の小さい紫外線吸収ガラスが提案された(特公昭
46−3464)。これは、熱処理によってガラス中に
銅コロイドが析出し、ガラスが赤色に着色してしまう欠
点があった。さらに、特殊なホウ珪酸ガラスとして提案
(特開平4−18501、特開平5−229848)さ
れたハロゲン化銅の微粒子析出ガラスは、ZrO2 の添
加により銅コロイドの析出を防止して着色をふせいでい
るが、生成温度が高くなる欠点がある。そこで、Li2
O、Na2 O、K2 Oを添加して生成温度を低くする
と、こんどは、耐候性が悪くなり着色し易くなる。そこ
で、最適組成設計により製造し提供されているが、B、
希土類元素Zr等の高価な原料の使用、高温の製造温度
等の制約からソーダライムガラスのような安価で大型サ
イズの板をうるのは極めて困難である。そこで、本発明
者は一般的なガラス板と液膜の積層構造を考案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、ソーダライムガラスのような一般的なガラス板でサ
イズフリーの紫外線シャープカットガラスと耐候性のあ
る調光ガラスをうることである。
は、ソーダライムガラスのような一般的なガラス板でサ
イズフリーの紫外線シャープカットガラスと耐候性のあ
る調光ガラスをうることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決するためになされたものであり、ガラス基板間に
液膜の紫外線カット層をもつことを特徴とする積層体及
び液晶微粒子分散マトリックスを一対の基板に積層して
なる調光ガラスにおいて、一方の基板を液膜の紫外線カ
ット層をもつ積層体からなることを特徴とする複合積層
体である。
を解決するためになされたものであり、ガラス基板間に
液膜の紫外線カット層をもつことを特徴とする積層体及
び液晶微粒子分散マトリックスを一対の基板に積層して
なる調光ガラスにおいて、一方の基板を液膜の紫外線カ
ット層をもつ積層体からなることを特徴とする複合積層
体である。
【0007】本発明の基本構造は、図1に示したように
液膜の紫外線カット層1をガラス基板2、封止3で合わ
せた積層体である。ガラス基板には、建材、液晶パネル
等に使用されているソーダライムガラスでよいが、これ
に限定されるものではない。
液膜の紫外線カット層1をガラス基板2、封止3で合わ
せた積層体である。ガラス基板には、建材、液晶パネル
等に使用されているソーダライムガラスでよいが、これ
に限定されるものではない。
【0008】なお、建材用に使用されているソーダライ
ムガラス(例えば、セントラル硝子社のフロート板ガラ
ス)の350nmでの分光透過率は、3mm厚/78.
1%、6mm厚/70.3%、10mm厚/54.0
%、19mm厚/33.7%のように19mm厚でさえ
もまだ約3分の1の光量が透過する。当然、300nm
以下の透過率は0%である。
ムガラス(例えば、セントラル硝子社のフロート板ガラ
ス)の350nmでの分光透過率は、3mm厚/78.
1%、6mm厚/70.3%、10mm厚/54.0
%、19mm厚/33.7%のように19mm厚でさえ
もまだ約3分の1の光量が透過する。当然、300nm
以下の透過率は0%である。
【0009】そこで、本発明者は、図1、図2に本発明
である積層体の実施例の断面図を示す。1は液膜の紫外
線カット層、2はガラス基板、3は封止である。液膜の
紫外線カット層1は、一般的な紫外線吸収剤の使用のよ
うに混合して共存する材料を紫外線から保護するのでは
なく、あくまでも面的に紫外線をカットするフィルター
としての機能を目的にしている。さらに、ヘイズの原因
になる粒界散乱のない可視光線の高い透明性も必要であ
る。このフィルター機能と透明性を満たすために100
%または高濃度にある室温で液状の紫外線吸収剤を液膜
の紫外線カット層1に用いたのが本発明である。添加剤
として一般的に使用されるときは5%以下であり、本発
明の積層体ように紫外線吸収剤を主剤に利用した応用例
は見あたらない。
である積層体の実施例の断面図を示す。1は液膜の紫外
線カット層、2はガラス基板、3は封止である。液膜の
紫外線カット層1は、一般的な紫外線吸収剤の使用のよ
うに混合して共存する材料を紫外線から保護するのでは
なく、あくまでも面的に紫外線をカットするフィルター
としての機能を目的にしている。さらに、ヘイズの原因
になる粒界散乱のない可視光線の高い透明性も必要であ
る。このフィルター機能と透明性を満たすために100
%または高濃度にある室温で液状の紫外線吸収剤を液膜
の紫外線カット層1に用いたのが本発明である。添加剤
として一般的に使用されるときは5%以下であり、本発
明の積層体ように紫外線吸収剤を主剤に利用した応用例
は見あたらない。
【0010】液膜の紫外線カット層1は、液状の紫外線
吸収剤(例えば、チバガイギー社のTinuvin10
9、171、384、1130等)のように紫外線吸収
剤分子が室温で液状であるものや、室温で個体状の紫外
線吸収剤(例えば、チバガイギー社のTinuvin3
26、327、328、213、571、住友化学社の
スミソーブ110、110S、250、400等)を溶
媒に溶解度を考慮して飽和濃度程度に高濃度溶解した溶
液(例えば、スミソーブ110のトルエン溶液、スミソ
ーブ320のトルエン溶液等)などがある。また、当然
であるがこれらの紫外線吸収剤を混合使用してもよい。
さらに、液状の紫外線吸収剤と個体状の紫外線吸収剤を
組合せて混合溶解して使用してもよく、例えば、吸収波
長の異なる液状のTinuvin109:6重量部と個
体状のTinuvin328:1重量部との混合液等が
ある。なお、破損時に液体の飛び散りを防止するために
液膜の紫外線カット層1に超微粉の無機物、有機高分子
等を増粘のために添加してもよい。また、必要におうじ
て耐光安定剤(例えば、チバガイギー社のTinuvi
n123、292、622LD等)、酸化防止剤(例え
ば、チバガイギー社のIrganox245、101
0、1330等)等を添加してもよい。なお、液状の紫
外線吸収剤をマイクロカプセル、微小分散マトリックス
にして見かけ状個体化したものを膜状に塗布したものも
本発明に含まれる。
吸収剤(例えば、チバガイギー社のTinuvin10
9、171、384、1130等)のように紫外線吸収
剤分子が室温で液状であるものや、室温で個体状の紫外
線吸収剤(例えば、チバガイギー社のTinuvin3
26、327、328、213、571、住友化学社の
スミソーブ110、110S、250、400等)を溶
媒に溶解度を考慮して飽和濃度程度に高濃度溶解した溶
液(例えば、スミソーブ110のトルエン溶液、スミソ
ーブ320のトルエン溶液等)などがある。また、当然
であるがこれらの紫外線吸収剤を混合使用してもよい。
さらに、液状の紫外線吸収剤と個体状の紫外線吸収剤を
組合せて混合溶解して使用してもよく、例えば、吸収波
長の異なる液状のTinuvin109:6重量部と個
体状のTinuvin328:1重量部との混合液等が
ある。なお、破損時に液体の飛び散りを防止するために
液膜の紫外線カット層1に超微粉の無機物、有機高分子
等を増粘のために添加してもよい。また、必要におうじ
て耐光安定剤(例えば、チバガイギー社のTinuvi
n123、292、622LD等)、酸化防止剤(例え
ば、チバガイギー社のIrganox245、101
0、1330等)等を添加してもよい。なお、液状の紫
外線吸収剤をマイクロカプセル、微小分散マトリックス
にして見かけ状個体化したものを膜状に塗布したものも
本発明に含まれる。
【0011】液状の紫外線吸収剤(例えば、チバガイギ
ー社のTinuvin109、171、384、113
0等)は、−20℃でも氷結することなくヘイズのない
透明性をたもち、150℃以上でも熱安定性をもち、2
00℃でもわずかに変化するだけであり熱的安定性をも
つ。このことは、高温である光源近傍におくフィルター
にも有効であるといえる。溶媒を持たないのでエポキシ
樹脂等による封止でも安定的に維持できる。また、必要
に応じて封止部をマスクして紫外線から保護するとより
好ましい。また蒸発も非常に小さいのでアクリル系粘着
剤付のメタルテープで封止してもよい。このように、溶
媒を持たない液状の紫外線吸収剤分子の積層体は、本目
的に最適である。液状の紫外線吸収剤分子と個体状の紫
外線吸収剤分子の紫外線吸収の作用機構は、すでに公知
であるように同様である。その違いは、鎖状の官能基を
付加して広範囲の温度域で液状にしたことだけである。
ー社のTinuvin109、171、384、113
0等)は、−20℃でも氷結することなくヘイズのない
透明性をたもち、150℃以上でも熱安定性をもち、2
00℃でもわずかに変化するだけであり熱的安定性をも
つ。このことは、高温である光源近傍におくフィルター
にも有効であるといえる。溶媒を持たないのでエポキシ
樹脂等による封止でも安定的に維持できる。また、必要
に応じて封止部をマスクして紫外線から保護するとより
好ましい。また蒸発も非常に小さいのでアクリル系粘着
剤付のメタルテープで封止してもよい。このように、溶
媒を持たない液状の紫外線吸収剤分子の積層体は、本目
的に最適である。液状の紫外線吸収剤分子と個体状の紫
外線吸収剤分子の紫外線吸収の作用機構は、すでに公知
であるように同様である。その違いは、鎖状の官能基を
付加して広範囲の温度域で液状にしたことだけである。
【0012】つぎに、液膜の紫外線カット層1の透過ス
ペクトルの代表例として図3、図4に示す。図3は、3
mm厚のソーダライムガラス基板にTinuvin38
4を0.1mm厚で積層した液膜の紫外線カット層1を
もつ合わせ基板の透過スペクトルである。その50%透
過率の波長は、414nmである。図4は、図3と同基
板で液膜厚を0.025mmの条件でTinuvin1
09を測定した透過スペクトルである。特に説明するま
でもなく、共に400nm以下の紫外線を確実にカット
していることが分かる。またシャープカット特性に関し
ては、スペクトルから分かるように立ち上がりの急峻性
(透過率10%〜75%で約14nm)も前記した特殊
ホウ珪酸ガラス(約10nm)よりわずかに劣るが、他
の紫外線吸収ガラス(約20〜30nm)により明かに
良好であった。
ペクトルの代表例として図3、図4に示す。図3は、3
mm厚のソーダライムガラス基板にTinuvin38
4を0.1mm厚で積層した液膜の紫外線カット層1を
もつ合わせ基板の透過スペクトルである。その50%透
過率の波長は、414nmである。図4は、図3と同基
板で液膜厚を0.025mmの条件でTinuvin1
09を測定した透過スペクトルである。特に説明するま
でもなく、共に400nm以下の紫外線を確実にカット
していることが分かる。またシャープカット特性に関し
ては、スペクトルから分かるように立ち上がりの急峻性
(透過率10%〜75%で約14nm)も前記した特殊
ホウ珪酸ガラス(約10nm)よりわずかに劣るが、他
の紫外線吸収ガラス(約20〜30nm)により明かに
良好であった。
【0013】まお、液膜の紫外線カット層1の厚み依存
性は、例えば、図3の液膜の厚みを0.1mmから0.
025mm、0.012mmで測定したところ50%透
過率の波長が414nmから408mm、406nmに
シフトしたが395nm以下の紫外線は確実にカットし
た。このように、液膜の厚みは、特に限定されるもので
はなく紫外線を確実に吸収カットすればよい。また特に
厚くしなくても液膜がバルクの状態で紫外線を十分に吸
収するので実使用として使用しやすい1mm以下程度で
よい。このバルクによる吸収は、紫外部の全域にわたっ
てもれなく確実に紫外線をカットでき、特に溶媒を持た
ない液状の紫外線吸収剤分子からなる液膜は、吸収され
た紫外線は分子内での自己緩和機構により自己劣化をお
こさない。このように、本発明の積層体は、従来の無色
透明な一般ガラスと同様な感覚で使用できる紫外線シャ
ープカットガラスである。また、積層構造により研磨等
をすることなしに完全な平坦性も満たすことができた。
なお、必要におうじてスペーサー(例えば、カーボンビ
ーズ、前記した特殊ホウ珪酸ガラスのビーズ等)を介し
て液膜層の厚みを制御してもよい。
性は、例えば、図3の液膜の厚みを0.1mmから0.
025mm、0.012mmで測定したところ50%透
過率の波長が414nmから408mm、406nmに
シフトしたが395nm以下の紫外線は確実にカットし
た。このように、液膜の厚みは、特に限定されるもので
はなく紫外線を確実に吸収カットすればよい。また特に
厚くしなくても液膜がバルクの状態で紫外線を十分に吸
収するので実使用として使用しやすい1mm以下程度で
よい。このバルクによる吸収は、紫外部の全域にわたっ
てもれなく確実に紫外線をカットでき、特に溶媒を持た
ない液状の紫外線吸収剤分子からなる液膜は、吸収され
た紫外線は分子内での自己緩和機構により自己劣化をお
こさない。このように、本発明の積層体は、従来の無色
透明な一般ガラスと同様な感覚で使用できる紫外線シャ
ープカットガラスである。また、積層構造により研磨等
をすることなしに完全な平坦性も満たすことができた。
なお、必要におうじてスペーサー(例えば、カーボンビ
ーズ、前記した特殊ホウ珪酸ガラスのビーズ等)を介し
て液膜層の厚みを制御してもよい。
【0014】積層体の形状は、平板、曲面等自由に選択
できまた大きさも特に限定されるものではなく内部を一
部直視できる透明部をもてばよい。ガラス基板も特に限
定される事無く建材、光学ガラス等に使用されているも
のを広く利用できる。、例えば、ソーダライムガラス、
普通のホウ珪酸ガラス等がある。また、建材用として一
般に使用されている加工ガラス(例えば、強化ガラス、
網入板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、熱線
吸収反射ガラス、液晶調光ガラス等)を基板に利用して
もよい。また、光源の反対側の基板であれば、ポリカー
ボネイト板、アクリル板等の有機ガラスも使用できる。
さらに、赤外線を選択カットするガラス、可視光線の低
反射膜をもつガラス等を基板にしてより機能を高めた機
能性フィルターとしたものも本発明に含まれる。特に、
赤外線をもカットしたもの例えば、吸収型のホーヤ社の
HA−30等、反射型のホーヤ社のCF、ピルキントン
社のKガラス等は、液晶プロジェクター、インテリジェ
ントビル等の可視光線のみ透過したい光学機器用フィル
ター、高機能性窓等に有用である。また製造方法は、液
晶パネルの積層、封止、注入と同様の方法でよい。しか
し、液膜の厚みは特に厳密である必要もなく、厚みも
0.01mm以下のような極薄層、配向処理等をする必
要もなく特別な工夫することなく一般的な積層方法でも
よい。
できまた大きさも特に限定されるものではなく内部を一
部直視できる透明部をもてばよい。ガラス基板も特に限
定される事無く建材、光学ガラス等に使用されているも
のを広く利用できる。、例えば、ソーダライムガラス、
普通のホウ珪酸ガラス等がある。また、建材用として一
般に使用されている加工ガラス(例えば、強化ガラス、
網入板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、熱線
吸収反射ガラス、液晶調光ガラス等)を基板に利用して
もよい。また、光源の反対側の基板であれば、ポリカー
ボネイト板、アクリル板等の有機ガラスも使用できる。
さらに、赤外線を選択カットするガラス、可視光線の低
反射膜をもつガラス等を基板にしてより機能を高めた機
能性フィルターとしたものも本発明に含まれる。特に、
赤外線をもカットしたもの例えば、吸収型のホーヤ社の
HA−30等、反射型のホーヤ社のCF、ピルキントン
社のKガラス等は、液晶プロジェクター、インテリジェ
ントビル等の可視光線のみ透過したい光学機器用フィル
ター、高機能性窓等に有用である。また製造方法は、液
晶パネルの積層、封止、注入と同様の方法でよい。しか
し、液膜の厚みは特に厳密である必要もなく、厚みも
0.01mm以下のような極薄層、配向処理等をする必
要もなく特別な工夫することなく一般的な積層方法でも
よい。
【0015】なお、この液膜積層体は、窓、掲示板のカ
バーガラス、光学機器の紫外線カットフィルター等広く
利用できる。特に、紫外線シャープカットを要求する液
晶調光ガラスの基板、液晶投映機の光源紫外線カットに
有用である。この窓とは、通常の建物の窓、自動車、鉄
道車両等の車両、航空機、船等の輸送機の窓等がある。
もちろん、この窓は広い意味であり、アトリュウム、天
窓ようなものも含む。
バーガラス、光学機器の紫外線カットフィルター等広く
利用できる。特に、紫外線シャープカットを要求する液
晶調光ガラスの基板、液晶投映機の光源紫外線カットに
有用である。この窓とは、通常の建物の窓、自動車、鉄
道車両等の車両、航空機、船等の輸送機の窓等がある。
もちろん、この窓は広い意味であり、アトリュウム、天
窓ようなものも含む。
【0016】特に、液晶微粒子分散マトリックスからな
る液晶調光ガラスの一方の基板に本積層体を使用すると
太陽光線の紫外線を漏れなく確実にカットして液晶劣化
の防止に役立つ。この実施例の中心部の断面図が図5で
あり、4が液晶シート、5が透明電極である。従来の液
晶調光ガラスは、紫外線吸収剤が添加されているブチラ
ールフィルムを使用した積層体(例えば、日本板硝子社
のウム等)でも太陽光線に弱く、耐候テストでも分かる
ように通常の建物の窓に使用できるものではなかった。
しかし、図5に示すように本発明の液膜積層体を使用す
ると非常に安定し通常の建物の窓に使用できるようにな
った。それも、ソーダライムガラスでよいので安価でか
つ大型の複合積層体が簡便にえられる。このことは、同
系統のガラス使用となり膨張係数が同一になり、温度変
化による歪み発生をおこさない理想的な複合積層体とな
る。なお、図5の中間ガラス基板2をフィルム(例え
ば、ポリエステルフィルム等)にしてもよい。以下に実
施例を示す。
る液晶調光ガラスの一方の基板に本積層体を使用すると
太陽光線の紫外線を漏れなく確実にカットして液晶劣化
の防止に役立つ。この実施例の中心部の断面図が図5で
あり、4が液晶シート、5が透明電極である。従来の液
晶調光ガラスは、紫外線吸収剤が添加されているブチラ
ールフィルムを使用した積層体(例えば、日本板硝子社
のウム等)でも太陽光線に弱く、耐候テストでも分かる
ように通常の建物の窓に使用できるものではなかった。
しかし、図5に示すように本発明の液膜積層体を使用す
ると非常に安定し通常の建物の窓に使用できるようにな
った。それも、ソーダライムガラスでよいので安価でか
つ大型の複合積層体が簡便にえられる。このことは、同
系統のガラス使用となり膨張係数が同一になり、温度変
化による歪み発生をおこさない理想的な複合積層体とな
る。なお、図5の中間ガラス基板2をフィルム(例え
ば、ポリエステルフィルム等)にしてもよい。以下に実
施例を示す。
【0017】
実施例1 Tinuvin384を0.1mm厚でソーダライムガ
ラス基板(3mm厚の10cm角)と日本板硝子社のウ
ム(6.5mm厚の10cm角)で積層封止をして複合
積層体とした。つぎに積層体の合わせ基板を光源側に置
き、サンシャインウエザーメーター(スガ試験機社のW
EL−SUN−HC型)を使用しJISのK5400の
条件で10000時間照射したが、積層体の機能である
白濁散乱効果に変化を認めなかった。
ラス基板(3mm厚の10cm角)と日本板硝子社のウ
ム(6.5mm厚の10cm角)で積層封止をして複合
積層体とした。つぎに積層体の合わせ基板を光源側に置
き、サンシャインウエザーメーター(スガ試験機社のW
EL−SUN−HC型)を使用しJISのK5400の
条件で10000時間照射したが、積層体の機能である
白濁散乱効果に変化を認めなかった。
【0018】
実施例2 実施例1と同様にえた複合積層体を紫外線光量がウエザ
ーメーターの約10倍以上のレベルをもつ岩崎電気社の
SUV−F2型を使用して、紫外線強度100mw、ブ
ラックパネル温度63℃、照射距離235mmの条件で
500時間照射したが、同様に白濁散乱効果に変化を認
めなかった。
ーメーターの約10倍以上のレベルをもつ岩崎電気社の
SUV−F2型を使用して、紫外線強度100mw、ブ
ラックパネル温度63℃、照射距離235mmの条件で
500時間照射したが、同様に白濁散乱効果に変化を認
めなかった。
【0019】
実施例3 比較例としてTinuvin384を0.1mm厚の代
わりに紫外線吸収剤をもつポリビニルブチラール(日本
モンサント社のセーフレックス)を0.375mmにし
て実施例1と同様に光照射したところ約3000時間で
僅かに劣化がみとめられ、5000時間で目視で散乱む
らが強く現われ使用不能となった。このことより直射光
の当る一般的な窓に使用するには問題があるといえる。
わりに紫外線吸収剤をもつポリビニルブチラール(日本
モンサント社のセーフレックス)を0.375mmにし
て実施例1と同様に光照射したところ約3000時間で
僅かに劣化がみとめられ、5000時間で目視で散乱む
らが強く現われ使用不能となった。このことより直射光
の当る一般的な窓に使用するには問題があるといえる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、高価な原
料の使用、高温の製造温度等の制約がないソーダライム
ガラスのような一般的なガラス板でよく、サイズフリー
の紫外線シャープカットガラスを安価にえたれた。さら
に、この紫外線シャープカットガラスを使用することに
より耐候性のある調光ガラスをうることができ、長期間
にわたる太陽光線の照射に対しても十分な耐光性をもち
える。その結果、使用条件が非常に苛酷な建物、車両等
の窓にも耐久性を伴って使用できる。
料の使用、高温の製造温度等の制約がないソーダライム
ガラスのような一般的なガラス板でよく、サイズフリー
の紫外線シャープカットガラスを安価にえたれた。さら
に、この紫外線シャープカットガラスを使用することに
より耐候性のある調光ガラスをうることができ、長期間
にわたる太陽光線の照射に対しても十分な耐光性をもち
える。その結果、使用条件が非常に苛酷な建物、車両等
の窓にも耐久性を伴って使用できる。
【図1】本発明である液膜の紫外線カット層1をもつ積
層体の実施例である。
層体の実施例である。
【図2】本発明である液膜の紫外線カット層1をもつ積
層体の実施例である。
層体の実施例である。
【図3】液膜の紫外線カット層1をもつ積層体の透過ス
ペクトル例である。
ペクトル例である。
【図4】液膜の紫外線カット層1をもつ積層体の透過ス
ペクトル例である。
ペクトル例である。
【図5】本発明である液膜の紫外線カット層1をもつ積
層体を基板にした液晶調光ガラス機能をもつ複合積層体
の実施例である。
層体を基板にした液晶調光ガラス機能をもつ複合積層体
の実施例である。
1 液状の紫外線カット層 2 ガラス基板 3 封止 4 液晶シート 5 透明電極
Claims (4)
- 【請求項1】 ガラス基板間に液膜の紫外線カット層を
もつことを特徴とする積層体。 - 【請求項2】 液膜の紫外線カット層が溶媒をもたない
液状の紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1の
積層体。 - 【請求項3】 少なくとも一方の基板を赤外線カットガ
ラスとして可視光線を選択透過することを特徴とする請
求項1または請求項2の積層体。 - 【請求項4】 液晶微粒子分散マトリックスを一対の基
板に積層してなる調光ガラスにおいて、一方の基板を液
膜の紫外線カット層をもつ積層体からなることを特徴と
する複合積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3198094A JPH07215739A (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 液膜積層体及びそれを使用した複合積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3198094A JPH07215739A (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 液膜積層体及びそれを使用した複合積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07215739A true JPH07215739A (ja) | 1995-08-15 |
Family
ID=12346094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3198094A Pending JPH07215739A (ja) | 1994-02-04 | 1994-02-04 | 液膜積層体及びそれを使用した複合積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07215739A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014141376A (ja) * | 2013-01-24 | 2014-08-07 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 熱線遮蔽膜および熱線遮蔽合わせ透明基材 |
-
1994
- 1994-02-04 JP JP3198094A patent/JPH07215739A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014141376A (ja) * | 2013-01-24 | 2014-08-07 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 熱線遮蔽膜および熱線遮蔽合わせ透明基材 |
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