JPH07213818A - 固液分離装置 - Google Patents

固液分離装置

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JPH07213818A
JPH07213818A JP6013399A JP1339994A JPH07213818A JP H07213818 A JPH07213818 A JP H07213818A JP 6013399 A JP6013399 A JP 6013399A JP 1339994 A JP1339994 A JP 1339994A JP H07213818 A JPH07213818 A JP H07213818A
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JP
Japan
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filter cloth
roll
solid
meandering
tension
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Pending
Application number
JP6013399A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Miyamoto
鐵也 宮本
Teruo Senda
輝雄 千田
Haruhiko Yasuda
晴彦 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JPH07213818A publication Critical patent/JPH07213818A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 濾布の長寿命化を図ると同時に、安価な濾布
の使用が可能となり、また、濾布の安定した走行とその
交換が簡単となる固液分離装置を提供する。 【構成】 固液分離装置は、その両側端を非拘束にして
周回走行自在なエンドレスの濾布2と、濾布2の張力を
調整するガイドローラ及びテンションスプリングとを備
えており、濾布2はその両端が面ファスナを介して分離
可能に連結されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、固液分離装置に係わ
り、より詳しくは濾布走行式濾過機、濾布走行式脱水機
と称されている固液分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一定軌道上を一方向に周回走行自在に設
けたエンドレスの濾布を有し、この濾布の表面に固液を
供給して、固液中の固形成分と液成分とを分離する固液
分離装置は、たとえば特公平1−18768号公報に開
示されている。この公知の固液分離装置の場合、濾布上
に残る非濾過成分は、その濾布が転写ドラムと圧搾ロー
ルとの間を通過するとき、その液成分が絞り取られ、つ
まり、加圧脱水されてケークとなり、このケークは転写
ドラムに転写される。この後、ケークは転写ドラムから
掻き落とされ、固液分離装置外に排出される。
【0003】この種の固液分離装置において、濾布の走
行を安定させるためには、濾布の両側端を案内する走行
ガイドを備えるか、または、濾布の両側端に、フィード
孔が間隔を存して形成されたゴムベルトを接続する一
方、濾布の走行を案内するガイドロールの両端に前記フ
ィード孔に係合するフィードピンを設けることが考えら
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、濾布の
走行を案内する前者の場合、濾布は、その側端が走行ガ
イドに摺接して走行されるため、側端の摩耗が促進さ
れ、その寿命が短縮することになる。後者の場合には、
濾布とゴムベルトとの接続に特殊な縫製を必要とし、濾
布の製造コストが増加する。また、固液分離装置が長期
にわたって使用されると、濾布に伸びが発生してしま
う。この場合、濾布の両側端のゴムベルトがガイドロー
ルのフィードピンにより拘束されていると、その伸びは
濾布にしわを発生させるばかりでなく、ゴムベルトのフ
ィード孔とガイドロールのフィードピンとの係合が不能
となり、濾布の安定した走行を維持できなくなる。
【0005】さらに、濾布がその使用限度に達すると、
濾布を新たなものに交換する必要があるが、濾布はエン
ドレスであるために、その一定軌道上からの濾布の取り
外し、また、一定軌道上への濾布の装着は容易ではな
い。この発明は、上述した事情に基づいてなされたもの
で、その目的とするところは、第1に濾布の長寿命化が
図れ、かつ、濾布を安価にできる固液分離装置を提供す
ることにある。第2には、その濾布の周回走行を安定し
て行える固液分離装置を提供することにある。第3に
は、濾布の交換が容易な固液分離装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、この発明は、一定軌道上を一方向に周回走行自
在に設けたエンドレスの濾布を有し、この濾布の表面側
から固液を供給してその固液中の固形成分と液成分とを
分離する固液分離装置において、その濾布の両側端を非
拘束としてある。
【0007】上記第2の目的を達成するため、この発明
の固液分離装置は、濾布の張力を調整するテンション調
整手段を備えており、このテンション調整手段は、濾布
の走行を案内し、濾布に対して接離自在に支持されたガ
イドロールと、このガイドロールを濾布に向けて付勢す
るテンションスプリングとから構成できる。上記第3の
目的を達成するため、この発明の固液分離装置の濾布
は、その両端が面ファスナを介して分離可能に連結され
ている。
【0008】
【作用】この発明の固液分離装置によれば、濾布の両側
端が非拘束となっているので、走行ガイドなどと摺接す
ることなく周回走行し、濾布はその幅方向に自由に伸び
ることができる。一方、濾布の走行方向に伸びが発生し
ても、テンション調整手段により、濾布の張力が調整さ
れ、濾布には一定の張力が与えられる。
【0009】さらに、濾布はその両端が面ファスナを介
して分離可能に連結されているので、その使用限度に達
した場合、その面ファスナから濾布の両端を分離するこ
とにより、その交換がなされる。
【0010】
【実施例】図1および図2を参照すると、固液分離装置
として濾布走行式転写型脱水機が概略的に示されてい
る。この脱水機はエンドレスの濾布2を備え、この濾布
2は、駆動ロール4と、ガイドロール8,10とに緊張
状態で張設され、その両側端は非拘束となっている。
【0011】また、駆動ロール4とガイドロール10と
の間は、脱水部11となっており、この脱水部11の下
方には回収ホッパ104が配置されている。脱水部11
は主転写ドラム12を備えており、この主転写ドラム1
2には、駆動ロール4に加え、2個の圧搾ロール14,
16が濾布2を介して圧接されている。これら圧搾ロー
ル14,16および駆動ロール4のそれぞれは、押圧ば
ね19により主転写ドラム12に向けて付勢されてい
る。
【0012】更に、ガイドロール10と主転写ドラム1
2との間には、この主転写ドラム12よりも小径の副転
写ドラム18と、圧搾ロール20が配置されており、こ
の圧搾ロール20は押圧ばね23の付勢力を受けて、副
転写ドラム18に濾布2を介して押し付けられている。
上述した各ロール及びドラムは、濾布2の一定軌道、す
なわち、エンドレスの走行経路を規定しており、この走
行経路に沿い、濾布2は図1中矢印A方向に走行し、そ
の走行経路を周回可能となっている。
【0013】脱水部11において、濾布2の走行方向A
でみて上流側の副転写ドラム18と圧搾ロール20は第
1加圧部を構成しており、また、下流側の主転写ドラム
12、圧搾ロール14,16および駆動ロール4は第2
加圧部を構成している。したがって、濾布2の走行方向
でみて、副転写ドラム18および圧搾ロール20は第1
転写ロールおよび第1圧搾ロールを構成し、主転写ドラ
ム12および圧搾ロール14,16は第2転写ドラムお
よび第2圧搾ロールを構成している。
【0014】主転写ドラム12の近傍には、楔状をなし
たスクレーパ13が配置されており、また、副転写ドラ
ム18にも、スクレーパ13と同様なスクレーパ15が
備えられている。スクレーパ13の直下には、シュート
17が配置されており、このシュート17は主転写ドラ
ム12の外表面から下方に向けて延びている。
【0015】図1から明らかなように、濾布2はガイド
ロール8からガイドロール10に向かい、水平面に対し
てやや上向きに角度θを存して張設されており、この角
度θは、固液供給部21の液深を可能な限り浅くし、固
液SLと濾布2との接触面積を大きく確保できるよう
に、5〜20゜の範囲であるのが好ましい。濾布2は、
たとえば特開昭58−207917号公報や特開昭59
−115720号公報に記載されているようなものであ
るのが好ましい。すなわち、図3に示されているように
濾布2は、単糸径0.1〜10ミクロンの合成繊維マル
チフィラメント(紡績糸を含む)を使用した編物や織物
基材22を用い、それら基材22の表面を濾布2の周方
向に起毛して、濾布2の表面に太さ0.1〜10ミクロ
ンの立毛24を作り、その立毛24で濾層26を形成し
たものが好ましい。このような濾布2は、起毛がその周
方向に行われているから、その方向に立毛24が横たわ
っている、つまり方向性を有している。濾布2は、その
両端縁が面ファスナ28により分離可能に連結されるこ
とで、エンドレスとなっている。その使用に際し、濾布
2は、立毛24が濾布2の走行方向Aに対して逆方向を
向くように張設される。なお、面ファスナ28の代わり
に、サイドファスナやレーシングによっても、濾布2の
両端縁を分離着可能に連結することもできる。
【0016】図3および図4に示されているように、濾
布2の両端連結部は、布片30により覆われている。こ
の布片30は、その濾層26側から濾布2に縫い付けら
れ、面ファスナ28を保護している。また、濾布2の両
側端は、折り返して縫い付けた縁取り部2aとなってい
る。固液供給部21は、ガイドロール8,10間におい
て、ガイドロール8側に位置して配置されており、その
詳細は図5に示されている。固液供給部21は固液供給
槽32を備え、この固液供給槽32の槽壁には排出管3
6が回転可能に取付けられている。この排出管36の内
端側の部分は、固液供給槽32内において上方に屈曲さ
れており、排出管36の回転により、図5中2点鎖線で
示すように、その内端のレベル位置、すなわち、固液供
給槽32内の固液SLの液面レベルが濾布2や固液SL
の性状に応じて調整可能となっている。
【0017】固液供給槽32は槽本体の一部を利用し
て、一対の固液供給枠38が形成されており、これら固
液供給枠38はその下縁が内側に折り曲げられている。
固液供給枠38間には、布、塩化ビニルなどの合成樹脂
からなるシート40が下側から張り付けられており、こ
のシート40は固液供給枠38の下縁と濾布2との接触
や、固液SLが固液供給枠38から食み出すのを防止し
ている。シート40は、その先端側の部分が大きく切り
欠かれている。
【0018】固液供給槽32の上方には固液導入管50
が備えられており、固液SLは固液導入間50を通じて
固液供給槽32内に導入される。図1を再度参照する
と、濾布2の裏面側には、固液供給部21とその一部が
対向するようにして、減圧吸引部52が備えられおり、
減圧吸引部52はホッパ、つまり減圧ホッパ54を有し
ている。この減圧ホッパ54は、吸気管56を介して吸
引源58に接続され、吸気管56は、減圧ホッパ54内
に向けて開口した吸気口60を有している。吸引源58
は、吸気管56を通じて減圧ホッパ54内を排気し、濾
布2の裏面側を水柱で500mm以上に減圧状態に維持す
ることができる。
【0019】減圧ホッパ54は排出管62を備えてお
り、この排出管62は、減圧ホッパ54の底部に開口す
る排出口64を有している。減圧ホッパ54の上面は開
口し、減圧吸引口66を形成している。吸気管56の吸
気口60は、濾液が侵入しないように排出口64よりも
高いレベルに位置付けられている。また、吸気管56お
よび排出管62は、減圧ホッパ54の外側に水平部分を
有しており、吸気管56の水平部分は、排出管路62の
水平部分よりも高いレベルに位置付けられている。排出
管路62の下端はシールポット70の水中に臨み、減圧
吸引部52の減圧を水シールしている。
【0020】減圧ホッパ54の上面開口、すなわち、減
圧吸引口66は図6に示されているように吸引枠72に
より規定されている。吸引枠72には、パンチングメタ
ル71および濾布案内ロール群74,76,78が支持
されている。濾布2の走行方向Aでみて、その左右両側
に位置する濾布案内ロール群74,78は、吸引枠72
の中心ラインに対し、その外方に向けて広がるように延
びており、その広がり角は0.5〜5゜の範囲に設定さ
れている。中央の濾布案内ロール群76は、その中心ラ
インに沿って真直ぐに延びている。
【0021】濾布案内ロール群74,76、78におい
て、相対向する各組の案内ロール、すなわち、濾布案内
ロール74a,76a、78aは、その両端が軸受(図
示しない)を介して共通軸80に回転自在に支持されて
おり、この共通軸80の両端は吸引枠72に支持されて
いる。また、吸引枠72には、濾布案内ロール群74,
76,78の設置領域を区分する一対の補助枠82が備
えられており、各共通軸80は、補助枠82に形成した
U字形の孔(図示しない)に嵌め込まれて、支持されて
いる。なお、図6から明らかなように、共通軸80はあ
る程度の弾性を有し、これにより、濾布案内ロール74
a,76a,78aの軸線のずれをその撓みにより吸収
することができる。
【0022】図6および図7に示されているように、吸
引枠72の一側面からはブラケット84が突設されてお
り、このブラケット84は、濾布2の走行方向でみて、
その中央に位置付けられている。ブラケット84は、枢
軸86に対して回転自在に取り付けられており、この枢
軸86は、脱水機のメインフレームに支持されている。
一方、吸引枠72の他側面からはアーム88が突設され
ており、このアーム88の先端には、第1シリンダ90
のピストンロッド87が連結されている。なお、第1シ
リンダ90のシリンダ本体もまた、脱水機のメインフレ
ームに支持されている。
【0023】第1シリンダ90は複動型の空圧または油
圧シリンダからなり、電磁弁91を介して空圧または油
圧の圧力源93に接続されており、この電磁弁91は、
4ポート3位置の電磁方向切り換え弁からなっている。
電磁弁91の切り換え操作により、第1シリンダ90の
ピストンロッドが伸縮されると、この伸縮に応じ、吸引
枠72、つまり減圧ホッパ54の全体が枢軸86を中心
として回動される。この際、減圧ホッパ54は、その減
圧吸引口66、すなわち、濾布案内ロール群74,7
6,78が濾布2の走行面に沿って回動される。
【0024】前述したブラケット84および枢軸86
は、後述するように濾布2の走行方向を調整する調整手
段、つまり、減圧ホッパ54を回動可能に支持する支持
手段を構成しており、また、アーム88および第1シリ
ンダ90は、減圧ホッパ54の駆動手段を構成してい
る。なお、図中、減圧ホッパ54の回動を案内するガイ
ドは図示されていない。また、減圧ホッパ54の回動を
可能とするため、減圧ホッパ54から延びている吸引管
56および排出管62は、少なくとも一部がフレキシブ
ルなホースからなっている。
【0025】更に、図8に示されているように濾布2が
その走行に伴い、減圧ホッパ54の濾布案内ロール群7
4,76,78上を通過するとき、前述したように減圧
ホッパ54内が減圧状態にあるから、濾布2は、各ロー
ル群の個々の濾布案内ロール74a,76a,78aに
巻き付くようにして走行する。ここで、これら濾布案内
ロールに対する濾布2の巻付け角αは、ロール群のロー
ル本数に応じて決定されるが、たとえば、20〜120
゜の範囲にあるのが好ましい。
【0026】再度、図1を参照すると、濾布2の走行方
向でみて、駆動ロール4の下流側には、水スプレーノズ
ル92が配置されている。詳細には図示されていないけ
れども、水スプレーノズル92は、耐食性を有した管部
材に多数のノズルエレメントを取り付けたもので、管部
材に供給された洗浄水を各ノズルから濾布2の表面に向
けて噴射し、濾布2をその表面から洗浄つまり表洗す
る。
【0027】また、ガイドロール8の上流側にも水スプ
レーノズル94が配置されており、この水スプレーノズ
ル94は、前記水スプレーノズル92と同様な構造を有
している。水スプレーノズル94は、濾布2の裏面に向
けて洗浄水を噴射し、濾布2をその裏面から洗浄つまり
逆洗する。水スプレーノズル92側には、この水スプレ
ーノズル92と対向するようにして、パイプからなる濾
布受け96が配置されており、この濾布受け96は、濾
布2の裏面に接触している。
【0028】さらに、水スプレーノズル94側には、濾
布2を挟み、水スプレーノズル94と対向する減圧吸引
ボックス100が備えられており、この減圧吸引ボック
ス100は、接続路(図示しない)を通じて前述した吸
気管56に接続されている。減圧吸引ボックス100
は、その上面が濾布2の全幅に亘って開口し、この開口
部には減圧ホッパ54の濾布案内ロールと同様な濾布案
内ロール102が取付けられている。これら濾布案内ロ
ール102は減圧吸引による濾布2の撓みを防止する。
濾布2の裏面は、前述したように水スプレーノズル94
から洗浄水の噴射を受けると同時に、減圧吸引ボックス
100により、その表面が減圧吸引されることから、濾
布2の内部の汚れが吸引除去され、その逆洗効率が大幅
に向上することになる。
【0029】前述した水スプレーノズル92と水スプレ
ーノズル94との間には、蛇行調整ロール106が配置
されており、この蛇行調整ロール106は、図9から明
らかなように濾布2の走行方向Aを横切って延びてい
る。蛇行調整ロール106は中空のパイプ部材からな
り、そのロール軸108に回転自在にして取り付けられ
ている。ロール軸108の一端は、取付リング110を
有しており、この取付リング110は、垂直ピン112
に回転自在にして嵌合されている。垂直ピン112は、
前述したメインフレーム側に固定されている。ロール軸
108の他端には、第2シリンダ114のピストンロッ
ド116が連結されており、この第2シリンダ114
は、そのピストンロッド116が図中矢印B方向に伸縮
可能となっている。
【0030】第2シリンダ114もまた複動型の空圧ま
たは油圧シリンダからなり、電磁弁115を介して前述
した圧力源93に接続されている。この電磁弁115も
また、図面から明らかなように4ポート3位置の電磁方
向切り換え弁からなっている。電磁弁115の切り換え
操作により、第2シリンダ114が伸縮されると、この
伸縮にしたがい、蛇行調整ロール106は、垂直ピン1
12を中心しとて水平面内で回動することができる。蛇
行調整ロール106の回動は、濾布2をその幅方向に引
き摺り、これにより、濾布2が蛇行調整ロール106を
通過するとき、濾布2の走行方向を可変することができ
る。したがって、上述した蛇行調整ロール106もま
た、濾布2の走行方向を調整する調整手段を構成してお
り、また、第2シリンダ114および電磁弁115は、
蛇行調整ロール106の駆動手段を構成している。
【0031】このようにして濾布2の走行方向を確実に
可変するためには、蛇行調整ロール106と濾布2との
接触面積を十分に確保しておく必要がある。このため、
図10に示されているように、蛇行調整ロール106に
対する濾布2の巻付け角βは、30〜90゜の範囲にあ
るのが好ましい。上述した蛇行調整ロール106の回動
操作、前述した減圧ホッパ54の回動操作、また、濾布
2の調整不能な蛇行に対する停止操作に関連して、脱水
機は、濾布2の蛇行を検出する2種類の検出センサを備
えており、これら検出センサの配置は図2に示されてい
る。先ず、一方の第1検出センサ118は、ガイドロー
ル8側において、濾布2の片側に配置されており、他方
の左右一組の第2検出センサ122,124は、ガイド
ロール10側において、濾布2の両側に配置されてい
る。これら第2検出センサ122,124は、濾布2に
異常な蛇行が発生した場合、固液分離装置の運転を停止
する役目を有し、それゆえ、第1検出センサ118は、
第2検出センサ122,124に比べて、濾布2の側端
に近接して位置付けられている。
【0032】上述した検出センサは同一の構造を有して
いるので、第1検出センサ118のみに関し、図11に
具体的に示して説明する。第1検出センサ118は、コ
字形をなしたホルダ126を備えており、このホルダ1
26は、濾布2の側端を上下から挟むような姿勢で配置
されている。したがって、濾布2の走行状況を感知する
ために、濾布2の側端をホルダ126内に非接触にして
侵入させることができる。
【0033】ホルダ126の互いに対向する内面には先
端側に位置して、その一方に発信部128が備えられ、
他方には受信部130が備えられている。発信部128
は、受信部130に向けて超音波や光などの検査信号を
出力し、受信部130は、発信部128からの検査信号
を受け取るとオフ信号を出力し、検査信号の受取りがな
いときにはオン信号を出力する。
【0034】したがって、濾布2の側端がホルダ126
内に侵入していない間、第1検出センサ118の受信部
130からはオフ信号が出力される。このようにオフ信
号が出力されている間にあっては、後述するように濾布
2の側端がホルダ126内に向けて移動するように、蛇
行調整ロール106または減圧ホッパ54が回動操作さ
れる。また、濾布2の側端が図11中破線で示されてい
るようにホルダ126内に侵入し、発信部128と受信
部130との間を遮断すると、第1検出センサ118の
受信部130はオン信号を出力する。この場合は上述し
た場合とは逆に、濾布2の側端がホルダ126から外側
に移動するように、蛇行調整ロール106または減圧ホ
ッパ54が回動操作される。
【0035】一方、第2検出センサ122,124は、
第1検出センサ118に比べ、濾布2の対応する側端か
ら大きく離れて配置されているので、これら第2検出セ
ンサ122,124、すなわち、その受信部からオン信
号が出力されると、このオン信号は、濾布2の蛇行が脱
水機の運転を停止すべき程に過度であることを示す。次
に、図12を参照すると、濾布2のテンション調整手段
132が示されている。このテンション調整手段132
はガイドロール8の両端に備えられているが、図12に
は、その片側のみのが示されている。
【0036】テンション調整手段132が適用されるガ
イドロール8は、そのロール軸134に軸受(図示しな
い)を介して回転自在となっており、ロール軸134は
ガイドロール8の両端から突出した状態にある。ロール
軸134の突出端には、ボルト挿通孔136がその直径
方向に貫通して形成されており、このボルト挿通孔13
6には支持ボルト138が水平にして貫通されている。
支持ボルト138は、その基端が支持台140にねじ込
まれることで、支持されており、支持台140は、脱水
機のメインフレーム側に固定されている。
【0037】支持ボルト138には、ロール軸134の
両側に位置して、一対のロックナット142,144が
螺合されている。支持台140側のロックナット142
とロール軸134との間には、圧縮コイルばねからなる
テンションスプリング146が支持ボルト138を囲む
ようにして配置されており、テンションスプリング14
6は、ロール軸134を介しガイドロール8を図12
中、濾布2の走行方向Aとは逆方向に付勢している。
【0038】一方、他方のロットナット144とロール
軸134との間には所定の間隙148が確保されてお
り、これにより、テンションスプリング146は、ガイ
ドロール8を介して濾布2に所定のテンションを与える
ことができ、そのテンションは、ロックナット142,
144により調整することができる。図12のテンショ
ン調整手段132の場合、テンションスプリング146
は、スプリングシート(図示しない)を介してロール軸
134を付勢することができる。
【0039】一方、図13は、そのロール軸150と一
体にしてガイドロール8が回転される場合のテンション
調整手段132を示している。この場合、ロール軸15
0の一端は、軸受152を介してスライダ154に取り
付けられており、このスライダ154は、上下の水平な
ガイドレール156間を摺動自在となっている。なお、
これらガイドレール156もまた脱水機のメインフレー
ム側に固定されている。
【0040】スライダ154からは、テンションボルト
158がエンドレスの濾布2の外側に向けて突出されて
いる。テンションボルト158は水平に延びて、ブラケ
ット160を貫通しており、このブラケット160は脱
水機のメインフレーム側に固定されている。テンション
ボルト158には、ブラケット160の両側に位置し
て、一対のロックナット162,164が螺合されてお
り、テンションボルト158の先端側のロックナット1
62とブラケット160との間には、圧縮コイルばねか
らなるテンションスプリング166がそのテンションボ
ルト158を囲むようにして配置されている。このテン
ションスプリング166は、ロックナット162を介
し、テンションボルト158をガイドロール8とは反対
側に向けて付勢している。
【0041】この場合にも、他方のロックナット164
とブラケット160との間には所定の間隙168が確保
されており、これにより、テンションスプリング166
は、テンションボルト158、スライダ154およびガ
イドロール8を介して、濾布2に所定のテンションを与
えることができ、このテンションもまた、ロックナット
162,164により調整することができる。
【0042】図14には、駆動ロール4および主転写ド
ラム12の駆動系が示されている。この駆動系は、メイ
ンフレーム側に固定された共通の駆動モータ170を備
えており、この駆動モータ170の出力軸には、駆動ス
プロケット172a及びギヤ171aが取り付けられて
いる。一方、駆動モータ170の出力軸と並列にしてス
プロケット軸が回転自在に配置されており、このスプロ
ケット軸にも駆動スプロケット172bとギヤ171b
が取付けられている。ギヤ171a,171bは互いに
噛み合わされている。
【0043】駆動ロール4のロール軸には従動スプロケ
ット174が取り付けられており、また、主転写ドラム
12のドラム軸にも従動スプロケット176が取り付け
られている。一方の駆動スプロケット172bと従動ス
プロケット174との間には駆動チェーン178が掛け
回されており、また、他方の駆動スプロケット172a
と従動スプロケット176との間にも駆動チェーン18
0が掛け回されている。
【0044】したがって、駆動モータ170が一方向に
駆動されると、駆動ロール4および主転写ドラム12は
同期して反対方向に回転されることになる。ここで、従
動スプロケット174,176に関しては、駆動ロール
4と主転写ドラム12の周速が一致するように、それら
のギヤ比が設定されていることは言うまでもない。駆動
モータ170は、図15に示すようにコントローラ18
2に電気的に接続されており、また、このコントローラ
182には、前述した第1検出センサ118および第2
検出センサ122,124に加え、第1および第2シリ
ンダ90,114の電磁弁91,115もまた、電気的
に接続されている。コントローラ182は、検出センサ
からの検出信号を受けて、電磁弁91,115および駆
動モータ170を制御するものとなっている。したがっ
て、コントローラ182は、減圧ホッパ54および蛇行
調整ロール106を駆動するための第1および第2シリ
ンダ90,114ならびに電磁弁91,115ととも
に、減圧ホッパ54および蛇行調整ロール106の回動
操作を制御する制御手段を構成している。
【0045】さらに、前述した各ロールやドラムは、ガ
イドロール8や蛇行調整ロール106を除き、そのロー
ル軸およびドラム軸は、脱水機のメインフレーム、つま
り、図2に示す両側板1a,1aにそれぞれ回転自在に
支持されている。次に、脱水機の作用を以下に説明する
と、先ず、駆動モータ170により駆動ロール4および
主転写ドラム12が同期して回転され、濾布2は走行方
向Aに周回走行した状態にある。また、駆動ロール4お
よび主転写ドラム12以外の他のロールおよびドラムも
また、濾布2の走行に伴い回転状態にある。
【0046】走行中の濾布2上には、固液供給部21か
ら、固形成分と液成分を含む固液SLが供給される。供
給された固液SL中の液成分は、重力により、また減圧
吸引部52により与えられる減圧作用によって濾布2を
通過し、減圧ホッパ54内に集められる。減圧ホッパ5
4の減圧吸引口66には、濾布案内ロール群74,7
6,78が設けられていることから、濾布2は、吸引力
を受けているにも拘わらず、大きく撓むことはなく安定
して走行する。
【0047】減圧ホッパ54内に集められた液成分は、
排出口64から排出管62およびシールポット70を介
して脱水機外に排出される。一方、濾布2を通過しない
成分、すなわち、非濾過成分は、濾布2の走行に伴っ
て、脱水部11の第1加圧部、つまり、副転写ドラム1
8と圧搾ロール20との間に運ばれて圧搾され、その中
に含まれている液成分が絞り取られて中間ケークとな
る。
【0048】この中間ケークは、副転写ドラム18の外
表面に転写されるが、この転写された中間ケークは、ス
クレーパ15により副転写ドラム18から濾布2上に掻
き落とされる。副転写ドラム18から掻き落とされた中
間ケークは、次に、脱水部11の第2加圧部、つまり主
転写ドラム12と圧搾ドラム14,16との間に運ばれ
てさらに圧搾され、その中に含まれている液成分が大部
分絞り取られて、完全な排出ケークCとなる。この際、
図1の脱水機では、駆動ロール4は圧搾ロールとしても
機能する。
【0049】ここで、主転写ドラム12と圧搾ドラム1
4,16間に進入する中間ケークは、副転写ドラム18
から掻き落として得られるから、濾布2上にて堆積した
状態にある。つまり、この場合、濾布2上に堆積した中
間ケークは、、副転写ドラム18と圧搾ロール18とを
通過した後の層状の中間ケークに比べ、その厚さが2〜
3倍となる。したがって、その厚みの増加した中間ケー
クが濾布2とともに主転写ドラム12と圧搾ロール1
4,16との間を通過する際、その中間ケークはより強
く圧搾され、その加圧脱水が効率良く行われる。
【0050】排出ケークCは、主転写ドラム12の外表
面に転写されて運ばれるが、スクレーパ13によって主
転写ドラム12から掻き落とされ、シュート17により
脱水機外に排出される。駆動ロール4を通過した濾布2
は、この後、水スプレーノズル92を通過する際、この
水スプレーノズル92から噴射された洗浄水により、そ
の表面から洗浄され、さらに、水スプレーノズル94を
通過するとき、この水スプレーノズル94から噴射され
た洗浄水により、その裏面から洗浄される。特に、水ス
プレーノズル94には濾布2を挟み、前述した減圧吸引
ボックス100が対向して配置されているで、この減圧
吸引ボックス100は、濾布2の裏面に噴射された洗浄
水を減圧により吸い出す。このため、濾布2の裏面に噴
射された洗浄水は、濾布2の表面の微細な立毛層を毛羽
立てながら排出され、より効率的な濾布2の洗浄を行う
ことができる。
【0051】また、濾布2が洗浄されるとき、濾布2は
濾布受け96、102より支持されているので、濾布2
が撓んだり、ねじれたり、または振動したりすることは
ない。この後、洗浄された濾布2は、再度固液供給部2
1に送られ、固液SLの脱水に繰り返して使用される。
【0052】この発明の脱水機の場合、濾布2上の非濾
過成分は、脱水部11において、副転写ドラム8と圧搾
ロール20との間、また、主転写ドラム12と圧搾ロー
ル14,16との間の2段階で、その中に含まれている
液成分が順次絞り取られるから、排出ケークCの含水率
を大幅に低減することができる。上述したように濾布2
上の非濾過成分が2段階にして脱水される場合、濾布2
の走行抵抗が増大し、駆動ロール4による回転駆動のみ
では濾布2の安定した走行を確保できない虞がある。す
なわち、濾布2に対し、駆動ロール4の回転にスリップ
が発生してしまい、駆動ロール4および主転写ドラム1
2からの濾布2の送り出しが不能になる場合がある。
【0053】この点、この発明の脱水機の場合、主転写
ドラム12は駆動ロール4とともに同期して回転される
ので、これら主転写ドラム12と駆動ロール4との回転
により、濾布2を確実に走行させることができる。この
結果、非濾過成分中に固形成分が多量に含まれていて
も、その非濾過成分の脱水を安定して行え、その処理能
力の向上を図ることができる。
【0054】濾布2は、各ロールおよびドラムに対し
て、単に掛け回されるだけであるので、濾布2の構成は
すこぶる簡単となる。この点、従来にあっては、濾布2
の両側端に多数のフィード孔を有したゴムベルトが縫い
付けられ、一方、後部ガイドロールの両端周面にはゴム
ベルトのフィード孔に係合し、濾布2の蛇行を修正する
ためのフィードピンが設けられているが、このような濾
布2の蛇行修正機構は、この発明の脱水機の場合、省略
することができる。
【0055】それ故、濾布2の両側にゴムベルトを縫い
付けるための特別な縫製が不要となり、濾布2の両側端
に対する処理は、その両側端の解れを防止する程度で済
むことから、濾布2の製造が非常に簡単となり、そのコ
ストを大幅に低減できる。濾布2の両端にゴムベルトが
取り付けられていると、これら濾布2とゴムベルトの厚
みが大きく相違する。それ故、この相違を吸収し、所望
の圧搾効果を得るために、従来の場合、駆動ロール4や
転写ドラム12,18の両端部に段差を設けていたが、
この発明の場合には、駆動ロール4および転写ドラム1
2,18に段差を設ける必要がなく、これらロール4お
よびドラム12,18の構成もまた簡単になる。
【0056】濾布2の両側端がゴムベルトを介して、後
部ガイドロールのフィードピンにより拘束されている
と、濾布2にしわが発生し易くなるけれども、この発明
の場合、濾布2の両側端は非拘束であるので、濾布2は
その幅方向に自由に伸びることができ、そのしわの発生
を防止することができる。さらに、濾布2は、その両端
縁が面ファスナ28により脱着可能に連結されてエンド
レスとなっているため、その濾布2を新たなものに交換
する際には、面ファスナ28による連結を解除すれば、
濾布2を各ロールや転写ドラムから容易に取り外すこと
ができるばかりでなく、新たな濾布2の掛け回しもまた
簡単に行うことができる。
【0057】それ故、この発明の脱水機の場合、ガイド
ロール8および蛇行調整ロール106を除き、他のロー
ルおよび転写ドラム12,18をメインフレームの一対
の側板1a,1aに両持ちにして支持することができ、
そのメインフレーム自体の構造もまた簡単にできる。図
12または図13に示したテンション調整手段132
は、そのテンションスプリング146または166がガ
イドロール8を常時付勢しているので、この付勢によ
り、濾布2がその走行方向に伸びると、この伸びに追従
して、ガイドロール8を移動させることになり、濾布2
に適正なテンションを常時与えることができる。このよ
うに濾布2の伸びに拘わらず、濾布2に常時テンション
を与えることができると、濾布2の走行中、その蛇行を
効果的に防止することができる。
【0058】また、テンション調整手段132は、ガイ
ドロール8の移動量、すなわち、そのテンションスプリ
ング146または166のテンション力を、ガイドロー
ル8のロール軸134とロックナット144との間の間
隙148、または、ブラケット160とロックナット1
64との間の間隙168の大きさから知ることができ
る。したがって、間隙148,168が所定の距離以下
に減少された場合には、ロックナット142または16
2を回し、テンションスプリング146または166に
よるテンション力を再調整することができる。
【0059】さらに、間隙148または168の大きさ
を検出するセンサが備えられていれば、濾布2のテンシ
ョンを数値化して求めることができ、また、センサから
の信号に基づき、ロックナット142,162の回転を
制御するようにすれば、濾布2のテンションを自動調整
することも可能となる。上述したように濾布2に対し常
時テンションを与えることができると、濾布2の蛇行を
効果的に防止できるものの、何等かの原因より、濾布2
が蛇行してしまっても、この発明の脱水機は、濾布2の
蛇行を解消し、その安定した走行を維持することができ
る。
【0060】この点に関して詳述すると、前述したよう
にガイドロール8の近傍には、濾布2の片側に位置して
第1検出センサ118が備えられているので、濾布2に
蛇行が発生すると、この第1検出センサ118からは、
濾布2の蛇行を示す検出信号が出力され、この検出信号
は前述したコントローラ182に供給される。具体的に
は、図2でみて濾布2が左側に蛇行したとすると、濾布
2の左側端は第1検出センサ118のホルダ126内に
侵入し、その発信部128と受信部130との間を遮断
する。したがって、第1検出センサ118の受信部13
0からは、コントローラ182に向けて、濾布2の蛇行
を示すオン信号が出力される。
【0061】コントローラ182がオン信号を受け取る
と、コントローラ182は、電磁弁115の切り換えを
制御し、第2シリンダ114のピストンロッド116を
所定量だけ収縮させる。したがって、図16に示されて
いるように、蛇行調整ロール106は、実線の位置から
1点鎖線で示す位置まで垂直ピン112を中心として回
動する。この結果、1点鎖線で示すように左側に蛇行し
ている濾布2は、蛇行調整ロール106を通過する際
に、その走行方向が右側に変化され、実線で示す正規の
走行経路上に復帰する。なお、図16中、第2シリンダ
114は省略されている。
【0062】一方、濾布2が右側に蛇行している場合に
は、第1検出センサ118からコントローラ182に向
けてオフ信号が出力され、このオフ信号を受けてコント
ローラ182は、電磁弁115を同様にして切り換え制
御する。この場合、第2シリンダ114のピストンロッ
ド116が所定量だけ伸張され、蛇行調整ロール106
は、実線の位置から2点鎖線で示す位置まで回動され
る。この結果、2点鎖線で示すように右側に蛇行してい
る濾布2は、蛇行調整ロール106を通過することによ
り、その走行方向が左側に変化され、実線で示す正規の
走行経路上に復帰する。
【0063】上述したように濾布2の走行に蛇行が発生
しても、この蛇行の向きを1個の第1検出センサ118
により検出し、この第1検出センサ118からの検出信
号に基づき、蛇行調整ロール106の回動を制御すれ
ば、濾布2の蛇行を一定の範囲内に収め、その走行を安
定させることができる。第1検出センサ118は、濾布
2とは非接触にして、その蛇行を検出可能であるから、
このセンサ118との接触により、濾布2の側端が損傷
することもない。
【0064】蛇行調整ロール106の回動操作による濾
布2の蛇行調整は、濾布2の腰が強い場合に好適するも
のであるが、その腰の弱い濾布2が使用されている場合
には、蛇行調整ロール106を回動操作する代わりに、
減圧ホッパ54を回動操作して、濾布2の蛇行を防止す
ることができる。この場合、図17中矢印で示すように
濾布2に蛇行が発生し、第1検出センサ118からのオ
ン信号、つまり検出信号を受け取ると、コントローラ1
82は、電磁弁91を切り換え制御して第1シリンダ9
0のピストンロッドを伸縮させる。この伸縮により、減
圧ホッパ54は、図17中、2点鎖線で示すように枢軸
86を中心として回動する。これにより、濾布2が減圧
ホッパ54の濾布案内ロール群74,76,78を通過
するとき、前述した蛇行調整ロール106の場合と同様
にして、濾布2はその走行方向が変化されて正規の走行
経路上に復帰する。
【0065】なお、濾布2の蛇行を規制するにあたり、
蛇行調整ロール106の回動操作と減圧ホッパ54の回
動操作を同時に行うようにしてもよい。前述の説明から
明らかなように、濾布2に関してはその蛇行が許容され
ているので、濾布2はその両側端を非拘束にして周回走
行している。つまり、濾布2の両側端を案内するような
走行ガイドが不要となるので、濾布2の摩耗を低減で
き、その長寿命化を図ることができる。
【0066】上述した蛇行調整ロール106の回動操作
や減圧ホッパ54の回転操作に拘わらず、濾布2の蛇行
が大きくなり、その蛇行が第2検出センサ122,12
4の一方により検出され、その検出信号がコントローラ
182に供給されると、コントローラ182は非常停止
信号を発生し、駆動モータ170の駆動、すなわち、濾
布2の走行を停止する。
【0067】この発明は、上述した実施例に制約される
ものではなく、種々の変形が可能である。たとえば、第
1検出センサは、濾布2の両側にそれぞれ配置してもよ
い。この場合、これら一対の第1検出センサからのオン
信号により、蛇行調整ロール106または減圧ホッパ5
4の回動操作が繰り返して行われることになる。第2検
出センサ122,124は、必ずしも非接触型のものに
限らず、濾布2と接触して、その検出信号を出力するも
のであってもよい。
【0068】また、第1検出センサ118からのオンオ
フ信号により蛇行調整ロール106または減圧ホッパ5
4の回動操作を行うための駆動力は、前述した複動型の
空圧または油圧シリンダに限らず、電動モータからラッ
クアンドピニオンを介して与えることも可能である。脱
水部11は、非濾過成分を3段階以上に加圧脱水するも
のであってもよいし、また、副転写ドラム18もまた、
駆動ロール4および主転写ドラム12と同期して回転駆
動されるものであってもよい。
【0069】この発明の固液分離装置は、いろいろな用
途に使用することができる。たとえば、湖水や河川水中
に含まれる固形成分と液成分とを分離するのに使用する
ことができる。また、活性汚泥処理装置から副生する余
剰汚泥のように、いわゆる懸濁系の汚泥や、生物膜処理
装置から排出される、いわゆる固着系の汚泥など、汚水
処理によって生じる汚泥、スカム、フロック、洗浄水、
スラッジなどを濾過、濃縮、脱水するような場合に使用
することができる。具体的には、たとえば上下水処理に
よって生じる汚泥、浄化槽から発生する余剰汚泥、し尿
処理場から発生する汚泥、加圧浮上操作から生じるスカ
ム、産業排水の処理によって生じる凝集フロックやその
凝集沈殿フロック、砂濾過機などの各種濾過機の逆洗水
などに含まれる固形成分と液成分を分離するのに使用す
ることができる。また、たとえば紙パルプ製造業、食品
製造業、酒造業、味噌などの醸造業など、各種製造業に
おける固液分離や、たとえば化学プロセスにおける有価
物の回収などに使用することもできる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の固液分
離装置によれば、その濾布の両側端が非拘束であるか
ら、濾布はその両側端が走行ガイドなどと摺接すること
なく周回走行でき、その摩耗を低減し長寿命化を図るこ
とができ、また、ゴムベルトなどが不要となって、濾布
の製造コストを安価にできる。その使用中、濾布はその
幅方向に自由に伸びることができるから、その伸びに起
因したしわの発生を防止できる。一方、その走行方向に
伸びが発生しても、テンション調整手段により、濾布に
一定の張力を与えることができ、濾布の安定した周回走
行を維持できる。さらに、濾布はその両端が面ファスナ
を介して分離可能に連結されているので、その面ファス
ナから濾布の両端を分離すれば、その交換作業をも簡単
に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】濾布走行式脱水機に適用した固液分離装置の概
略構成図である。
【図2】図1の固液分離装置の平面図である。
【図3】濾布両端縁の連結部を示した断面図である。
【図4】濾布の一部を示した平面図である。
【図5】固液供給部を示した斜視図である。
【図6】減圧ホッパの平面図てある。
【図7】減圧ホッパの一部を示した概略的斜視図であ
る。
【図8】減圧ホッパ上を走行する濾布を示した図であ
る。
【図9】蛇行調整ロールを示した斜視図である。
【図10】蛇行調整ロールに対する濾布の巻付け角を示
した図である。
【図11】第1検出センサを示した斜視図である。
【図12】濾布のテンション調整手段の一例を示した平
面図である。
【図13】テンション調整手段の他の例を示した側面図
である。
【図14】駆動ロールおよび主転写ドラムの駆動系を示
した図である。
【図15】蛇行調整ロールの回動操作および減圧ホッパ
の回転操作を制御する制御回路を示した図である。
【図16】蛇行調整ロールによる濾布の蛇行調整を示し
た図である。
【図17】減圧ホッパの回転操作を示した図である。
【符号の説明】
1a 側板 2 濾布 4 駆動ロール 8,10 ガイドロール 11 脱水部 12 主転写ドラム(第2加圧部) 13,15 スクレーパ 14,16,20 圧搾ロール 17 シュート 18 副転写ドラム(第1加圧部) 19,23 押圧ばね 21 固液供給部 22 基材 24 立毛 26 濾層 28 面ファスナ 30 布片 32 固液レベル調整槽 36 排出管 38 固液供給枠 40 シール 50 固液導入管 52 減圧吸引部 54 減圧ホッパ 56 吸気管 58 吸引源 60 吸気口 62 排出管 64 排出口 66 減圧吸引口 71 パンチングメタル 70 シールポット 72 吸引枠 74,76,78 濾布案内ロール群 72a,76a,78a 濾布案内ロール 80 共通軸 82 補助枠 84 ブラケット 86 枢軸 87 ピストンロッド 88 アーム 90 第1シリンダ 91,115 電磁弁 92,94 水スプレーノズル 93 圧力源 96,100 濾布受け 104 回収ホッパ 106 蛇行調整ロール 108 ロール軸 110 取付リング 112 垂直ピン 114 第2シリンダ 116 ピストンロッド 118 第1検出センサ 122,124 第2検出センサ 126 ホルダ 128 発信部 130 受信部 132 テンション調整手段 134,150 ロール軸 136 ボルト挿通孔 138 支持ボルト 140 支持台 142,144,162,164 ロックナット 146,166 テンションスプリング 148,168 間隙 152 軸受 154 スライダ 156 ガイドレール 158 テンションボルト 160 ブラケット 170 駆動モータ 171a,171b ギヤ 172a,172b 駆動スプロケット 174,176 従動スプロケット 178,180 駆動チェーン 182 コントローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定軌道上を一方向に周回走行自在に設
    けたエンドレスの濾布を有し、前記濾布の表面側から固
    液を供給してその固液中の固形成分と液成分とを分離す
    る固液分離装置において、前記濾布の両側端を非拘束と
    したことを特徴とする固液分離装置。
  2. 【請求項2】 前記濾布の張力を調整するテンション調
    整手段を備えている、請求項1の固液分離装置。
  3. 【請求項3】 前記テンション調整手段は、前記濾布の
    走行を案内し、濾布に対して接離自在に支持されたガイ
    ドロールと、このガイドロールを前記濾布に向けて付勢
    するテンションスプリングとを備えている、請求項2の
    固液分離装置。
  4. 【請求項4】 前記濾布は、その両端が面ファスナを介
    して分離可能に連結されいる、請求項1ないし3のいず
    れかの固液分離装置。
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